JP2003142399A - 半導体デバイス製造におけるパターン転写方法 - Google Patents

半導体デバイス製造におけるパターン転写方法

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JP2003142399A JP2002243364A JP2002243364A JP2003142399A JP 2003142399 A JP2003142399 A JP 2003142399A JP 2002243364 A JP2002243364 A JP 2002243364A JP 2002243364 A JP2002243364 A JP 2002243364A JP 2003142399 A JP2003142399 A JP 2003142399A
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Minoru Terano
稔 寺野
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晃平 新田
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】安価な露光装置を用いつつ工法が容易かつ高解
像度のパターンが繰り返し得られるパターン転写方法を
提供する。 【解決手段】基板4上に、下層の感光性レジスト膜5と
表層の紫外線遮蔽効果のある高分子材料膜2からなる2
層構造のレジスト膜を形成し、高分子材料膜2に鋳型3
をプレスして回路パターン形状を凹凸形状2a,2bに
加工し、紫外線による露光を行い、ウェットエッチング
により現像を行う。凸部分2aにおいては十分に紫外線
が遮蔽され、凹部分2bにおいては紫外線が一部透過す
るため、紫外線が厳密な平行ビームでなくとも、感光性
レジスト膜5には平行に近い紫外線が到達する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレ
イ、フィールドエミッションディスプレイ、有機ELデ
ィスプレイや太陽電池、あるいはそれらに使用されるI
Cなどの半導体デバイスの製造におけるパターン転写方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイス製造でのパターン転写
は、一般にフォトリソグラフィー法によって行なわれて
いる。この方法は、基板上に感光性レジストを塗布した
後、Crなどの蒸着膜でパターンマスクを形成したフォ
トマスクを介して、紫外線による露光を行ない、感光性
レジストの露光部分を可溶性あるいは不溶性に変性させ
た後、現像して、パターン転写を行うものである。
【0003】露光方式には、フォトマスクをレジスト膜
に密着させるコンタクト露光方式や、フォトマスクをレ
ジスト膜から離して露光させる投影露光方式等、様々な
種類が従来から知られている。コンタクト露光方式は初
期導入コストが低く、投影露光方式は高解像度が得られ
る特徴がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、コンタクト露
光方式は、フォトマスクとレジスト膜とを完全に密着さ
せる必要があり、フォトマスクとレジスト膜との間を真
空排気する等の工程が必要であったり、特開平07−2
48607号公報に示されるようにフォトマスクとレジ
スト膜とが嵌合するような形状を設けたりする必要があ
った。また、フォトマスクとレジスト膜とを密着させる
ため、フォトマスクの欠損やフォトマスクへのレジスト
膜残留は避けられない問題であり、予備のフォトマスク
を多数用意する必要があった。特に、レジスト膜に感光
性レジストを使用した場合、フォトマスクへの付着が多
く、大きな問題となっていた。そのため、現在は投影露
光方式が主流であるが、フォトマスクとレジスト膜とが
所定距離をおいて配置されるため、光源の制御が重要で
あり、例えば特開平10−116762公報に示される
ように光源にレーザーを用いたり大型レンズを多数使用
したりするため、装置の維持及びメンテナンスにかかる
手数や費用が多く、また、装置価格も非常に高いものと
なっていた。
【0005】そこで、本発明は、上述の課題点を解消
し、安価な露光装置を用いつつ工法が容易かつ高解像度
のパターンが繰り返し得られるパターン転写方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
半導体デバイス製造におけるパターン転写方法は、基板
上への回路パターンの転写に際し、基板上に形成された
高分子材料のレジスト膜に凹凸を有する凹凸型をプレス
して行う半導体デバイス製造におけるパターン転写方法
において、上記レジスト膜は2層構造であり、基板側に
紫外線照射によって変性する下層のレジスト膜を形成
し、その表層側に凹凸型のプレスによって凹凸パターン
が形成される表層のレジスト膜を形成し、凹凸型のプレ
スによって形成されたレジスト膜の凸パターン部分と凹
パターン部分に紫外線照射させて、レジスト膜に変性部
と非変性部とを選択的に形成することを特徴とする。
【0007】この発明において、レジスト膜は2層構造
であり、基板側に紫外線照射によって変性する下層のレ
ジスト膜が形成され、その表層側に凹凸型のプレスによ
って凹凸パターンが形成される表層のレジスト膜が形成
されることとなる。したがって、表層側において、凹凸
型のプレスによって形成された凸部分は膜厚が厚いため
紫外線が下部にまで到達せず、凹部分は膜厚が薄いため
紫外線が下部に透過する。基板側においては、表層側の
凹部分を透過した紫外線によってレジスト膜が変性し、
これをエッチングすることによってパターン転写が可能
となる。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明を前提として、前記紫外線照射によって変性す
る下層のレジスト膜は、感光性レジスト膜であり、前記
表層のレジスト膜は、紫外線遮蔽効果のある高分子材料
膜であることを特徴とする。
【0009】この発明によれば、表層側のレジスト膜
は、紫外線遮蔽効果のある高分子材料膜であるため、凹
凸型のプレス後に紫外線を照射すると、表層側のレジス
ト膜の表面(すなわち照射面)から一定の厚さにおい
て、紫外線が遮蔽される。したがって、表層側のレジス
ト膜の凸部分においては十分に紫外線が遮蔽され、凹部
分においては紫外線の一部が遮蔽されるものの、膜厚が
薄いため、紫外線が下部に透過することとなる。このと
き、紫外線が厳密に平行ビームでなかったとしても、表
層側の高分子材料膜の凸部分側面で紫外線が遮蔽される
ため、基板に対して斜めに入射する紫外線が基板側のレ
ジスト膜にまで達することはほとんどなく、基板側のレ
ジスト膜には紫外線ビームの平行な成分が達することと
なる。また、この発明において、基板側のレジスト膜は
感光性レジストであるため、所定のパワーの紫外線が照
射されることによって速やかに変性することとなる。す
なわち、紫外線連続照射等により表層側のレジスト膜が
劣化しても、凸部分における遮蔽効果が失われる前に、
凹部分を透過する紫外線によって速やかに基板側のレジ
スト膜が変性することとなる。したがって、本発明にお
いては、必ずしも紫外線を厳密な平行ビームとすること
なく、正確なパターン転写を行うことができる。
【0010】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は請求項2記載の発明を前提として、前記レジスト膜
は、少なくとも2種類の高分子フィルムを貼りあわせて
形成されることを特徴とする。
【0011】この発明によれば、レジスト膜は少なくと
も2種類の高分子フィルムを貼りあわせて形成されるた
め、従来の露光方式と比べ、レジスト膜形成の工程が簡
略化され、また、レジスト膜材料の無駄な消費が抑制さ
れ、さらに、大きなサイズの基板においても膜厚を均一
に形成することができる。また、2層構造のレジスト膜
の1層を、複数種類の高分子フィルムを貼りあわせて形
成してもよい。特に、表層のレジスト膜を複数種類の高
分子フィルムを貼りあわせて形成する場合は、最も外側
(すなわち最も表層側)のレジスト膜に、凹凸型の凸形
状厚さより薄くかつ凹凸形状を保持しやすい材料を選択
した場合は、内側のレジスト膜が凹凸形状を保持しにく
い材料を選択することもできる。
【0012】また、請求項4記載の発明は、フォトリソ
グラフィー法を用いた基板上への回路パターンの転写に
際し、回路パターンが凹凸形状に加工された紫外線遮蔽
効果を有する高分子材料膜が透明なガラス基板上に形成
されたものを、フォトマスクとして使用することを特徴
とする。
【0013】この発明によれば、紫外線遮蔽効果を有す
る高分子材料膜によって回路パターンが凹凸形状に加工
されたものをフォトマスクとして使用するため、露光の
際に、膜厚の薄い凹部のみにおいて紫外線が透過される
こととなる。また、紫外線が斜めに入射されたとして
も、凸部分の内部や側面において紫外線が遮蔽されるた
め、露光装置において厳密に平行な紫外線ビームを生成
しなくとも、フォトマスクにおいてほとんど平行な紫外
線ビームのみが透過され、高精度なパターン転写が可能
となる。
【0014】また、請求項5記載の発明は、請求項1乃
至請求項4記載の発明を前提として、前記表層のレジス
ト膜又は紫外線遮蔽効果を有する高分子材料膜に、二重
共役結合を有するポリスチレン、ポリアセチレン、AS
樹脂、ABS樹脂、芳香族ナイロン、ポリカーボネー
ト、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリシクロヘキシレンジメチ
レンテレフタレート、ポリアリレート、ポリエーテルイ
ミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、フェ
ノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂の
いずれかを用いることを特徴とする。
【0015】この発明によれば、前記表層のレジスト膜
又は紫外線遮蔽効果を有する高分子材料膜に、二重共役
結合を有する高分子材料を使用するため、照射された紫
外線を吸収することにより、紫外線遮蔽効果を持たせる
ことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明を図面に基づいて、以下に
詳細に説明する。
【0017】(第一の実施の形態)本実施の形態におけ
るパターン転写方法は、高分子材料膜を基板上に製膜
し、これに対して、凹凸形状の鋳型をプレスして、高分
子材料膜に凹凸を形成し、これに紫外線照射を行って、
パターン転写を行うものである。この方法について、図
1から図6を用いて説明する。
【0018】図1は、基板上へのレジスト膜形成を示し
ている。4は基板であり、Si基板、ガラス基板、石英
基板あるいは、これらの基板上にシリコン窒化膜、シリ
コン酸化膜、アモルファスシリコン、多結晶シリコンな
どの金属の積層膜が堆積されたものである。5は、基板
側のレジスト膜であり、紫外線照射によって硬化する感
光性レジスト(以下、ネガ型フォトレジスト)、あるい
は紫外線照射によって可溶性となる感光性レジスト(以
下、ポジ型フォトレジスト)が使用される。
【0019】次に、図2に示すように、基板4上に形成
した基板側のレジスト膜5の上に、表層側のレジスト膜
として高分子材料膜2を形成する。この高分子材料膜2
は、紫外線透過量を制御できる高分子材料もしくは、紫
外線吸収剤、紫外線遮蔽剤を添加した高分子材料を使用
する。高分子材料膜2及び基板側のレジスト膜5の製膜
方法は、スピンコート法、ディップコート法、フィルム
貼り付け、蒸着によって行うことができるが、レジスト
膜形成の工程が簡略化され、また、レジスト膜材料の無
駄な消費が抑制され、さらに、大きなサイズの基板にお
いても膜厚を均一に形成するため、フィルム状の高分子
材料を選択することが好ましい。
【0020】図3は、形成された高分子材料膜2に、パ
ターン形状が凹凸形状3a,3bに加工された鋳型3を
加熱プレスすることによって、高分子材料膜2に凹凸形
状2a,2bを形成する工程を示している。鋳型3の材
質は、Si基板、ガラス基板、あるいは石英基板が好ま
しい。この鋳型3は、フォトリソグラフィー法によって
パターン転写後、ウェットエッチングあるいはドライエ
ッチングによって作成することができる。鋳型3の凸部
3aもしくは凹部3bのどちらを転写するパターン形状
となるように加工するかは、パターン密度やパターン幅
あるいは基板側のレジスト膜5の材料等とを総合的に考
慮して決定することが望ましい。例えば、パターン幅や
パターン密度が小さい場合は、凸部3aがパターン形状
となるように鋳型3を加工することにより、鋳型3の加
熱プレス時に必要なプレス荷重を少なくすることができ
る。このとき、基板側のレジスト膜5にはネガ型フォト
レジストが使用される。また、経済性等の理由により、
基板側のレジスト膜5にポジ型フォトレジストを使用す
べきである場合は、転写するパターン形状が凹部3bと
なるように鋳型3を加工する。プレス温度は、高分子材
料膜2の軟化温度であるガラス転移温度以上とすること
が好ましい。プレス荷重は、高分子材料膜2の材質や凸
部3aの面積等に応じて、適宜選択する。また、鋳型3
の表面には、離型のために、フッ素樹脂コートなどの表
面処理を行うか、石英製の材料で鋳型3を形成すること
が望ましい。
【0021】図4は、紫外線照射工程を示している。鋳
型3の加熱プレス後、凹凸形状2a,2bが形成された
高分子材料膜2に対して、紫外線照射を行ない、高分子
材料膜2の下層となる基板側のレジスト膜5を変性させ
る。紫外線Uの照射は、紫外線ランプの照射によって行
う。この紫外線照射によって、高分子材料膜2の凸部2
aにおいて紫外線が遮蔽され、凹部2b下の基板側のレ
ジスト膜5が紫外線Uによって変性する。例えば、基板
側のレジスト膜5にネガ型フォトレジストを用いた場
合、紫外線照射を受けた基板側のレジスト膜5は硬化
し、ポジ型フォトレジストを用いた場合は、可溶化す
る。
【0022】高分子材料膜2が、二重共役結合を持つ材
料で形成されている場合は、二重共役結合の長さに応じ
た波長の紫外線エネルギーが吸収され、紫外線遮蔽効果
を持つ。このため、照射される紫外線Uのパワー及び照
射時間に応じて、表面側から一定の厚さにおいて紫外線
Uが遮蔽され、すなわち、膜厚が厚いほど紫外線遮蔽効
果は高く、膜厚が薄い場合は、紫外線Uの一部が漏れる
こととなる。紫外線Uが完全に平行ビームであり、か
つ、基板4に対して垂直に入射する場合は、高分子材料
膜2の凹凸部2a,2bにおいて、膜厚の厚い凸部2a
においては十分に紫外線Uが遮蔽され、膜厚の薄い凹部
2bにおいては紫外線Uの一部が下方に漏れて、基板側
のレジスト膜5に到達する。図5に示すように、紫外線
U1,U2が厳密に平行ビームでない場合、凸部2aお
よび凹部2bの表面全体に紫外線U1,U2が入射され
ることとなり、高分子材料膜2に入射された紫外線U
1,U2は、表面から徐々に減衰されていき、表面から
所定の深さ2cにしか紫外線U1,U2が届かない。所
定の深さ2cは、高分子材料膜2の材料や、紫外線U
1,U2の波長及び強度あるいは照射時間等による。こ
のため、基板4に対して斜めに入射された紫外線U1
は、凸部2aの側面において遮蔽され、入射角θ(紫外
線U1,U2と基板4の法線とがなす角)が大きい紫外
線U1ほど凸部2aの側面にて遮蔽される。したがっ
て、凹部2bに到達する紫外線U2は、入射角θが小さ
い、すなわちほとんど平行ビームに近い状態であるた
め、凹部2bの形状に沿って、基板側のレジスト膜5を
変性させることとなる。高分子材料膜2の材料が、紫外
線U1,U2を吸収しつつ変性する材質(例えば、ポリ
スチレン)であったとしても、凸部2aはその後のエッ
チングにおいて除去されるため、凸部2aの非変性部分
2dにおいて角が丸くなるように変性されても、凸部2
aの下方に紫外線U1,U2が届かなければ、パターン
転写には問題ない。これにより、厳密に平行ではない紫
外線ビームU1,U2が照射された場合においても、凹
部2bの形状を基板側のレジスト膜5の変性部分5c
に、正確に写すことができ、高精度な回路パターン転写
が行われることとなる。
【0023】また、基板側のレジスト膜5は、感光性レ
ジスト(ネガ型フォトレジストあるいはポジ型フォトレ
ジスト)であるため、所定のパワーの紫外線U1,U2
が照射されることによって速やかに変性することとな
る。すなわち、紫外線遮蔽効果を持つ高分子材料膜2
が、長時間及び強大なパワーの紫外線照射によって徐々
に劣化し、紫外線遮蔽効果が表面から次第に低下するよ
うな場合においても、非変性部分2dが失われて全て変
性部分2cとなる前、すなわち、凸部2aにおける遮蔽
効果(特に、斜めに入射された紫外線U1に対する遮蔽
効果)が失われる前に、凹部2bの下部にある基板側の
レジスト膜5が速やかに変性するため、凹部2bの形状
に正確に沿った変性が得られる。このとき、高分子材料
膜2において、凹部2bの膜厚はできるだけ薄く、か
つ、アスペクト比を高くして、凹部2bの膜厚が凸部2
aの高さを超えないようにすることが望ましい。
【0024】基板側のレジスト膜5を変性させた後、高
分子材料膜2を除去した後に基板側のレジスト膜5を現
像してパターン転写を完成する。図6は、その現像工程
を示している。高分子材料膜2の除去とレジスト膜5の
現像を同時に行ってもよい。容器8に入った現像液7に
基板を浸すことによって、基板側のレジスト膜5の現像
を行う。現像後、洗浄のためのリンスやベーキングを必
要に応じて行う。以上のようにして、パターン転写を行
う。
【0025】本実施の形態においては、基板4上に高分
子材料膜2と基板側のレジスト膜5の2層構造の膜を形
成する場合で説明したが、2層以上の膜を形成すること
としてもよい。このとき、最も基板に近い下層の膜に
は、感光性レジストのように紫外線照射による変性速度
が速いものを使用し、中間層の膜には、ポリスチレンの
ように紫外線遮蔽効果を持つものを使用し、最上層の膜
には、ポリエチレンのように凹凸の加工を施しやすい材
質のものを使用することが好ましい。
【0026】(第二の実施の形態)本実施の形態は、透
明なガラス基板上に回路パターンが凹凸形状に加工され
た高分子材料膜を形成し、これをフォトマスクとして、
フォトリソグラフィー法によってパターン転写する方法
である。まず、フォトマスクの加工について述べる。図
7において、1はフォトマスク用基板であり、このフォ
トマスク用基板1は透明なガラスまたは石英でできてい
る。2は、高分子材料膜を示している。この高分子材料
膜2は、紫外線透過を制御するために、紫外線Uを吸収
する二重共役結合を有するポリスチレンなどの高分子材
料、または、紫外線吸収剤であるベンゼフェノンなどを
添加した、ポリエチレンなどの軟質な高分子材料、もし
くは、紫外線遮蔽剤である酸化チタンなどを添加した高
分子材料を使用する。この高分子材料膜2の製膜は、ス
ピンコート法、ディップコート法、フィルム貼り付け、
蒸着によって行うことができる。
【0027】次に、図8に示すように、パターン形状が
凹凸形状3a,3bに加工された鋳型3を高分子材料膜
2に対して、加熱プレスする。プレス時の温度は、高分
子材料膜2の軟化温度であるガラス転移温度以上とする
ことが望ましい。プレス荷重は、高分子材料膜2の材質
や凸部3aの面積等に応じて、適宜選択する。また、鋳
型3の表面には、離型のために、フッ素樹脂コートなど
の表面処理を行うか、石英性の材料で鋳型3を形成する
ことが望ましい。この鋳型3の加熱プレスによって、高
分子材料膜2に凹凸部2a,2bを形成して、凹凸形状
のフォトマスクを作製する。
【0028】次に、高分子材料膜2を凹凸形状に加工し
たフォトマスクを用いたフォトリソグラフィー法による
パターン転写方法について、図9から図12を用いて説
明する。図9にて、レジスト膜形成について述べる。図
9において、4は基板であるが、この基板4は、Si基
板、ガラス基板、石英基板あるいは、これらの基板上に
シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、アモルファスシリコ
ン、多結晶シリコンなどの金属の積層膜が堆積されたも
のでもよい。5は、レジスト膜で、このレジスト膜5の
形成は、溶媒にレジスト材料を溶解させて作製したレジ
スト液を回転させた基板に塗布して行うスピンコート
法、あるいは、レジスト材料のフィルムを基板4に直接
貼り付けるフィルム貼付法によって行うことができる。
レジスト膜5は、紫外線照射によって硬化するネガ型フ
ォトレジスト、あるいは紫外線照射によって可溶性とな
るポジ型フォトレジスト等の感光性レジストを使用す
る。
【0029】図10は、露光工程を示す。フォトマスク
の高分子材料膜2を、レジスト膜5の上に配する。高分
子材料膜2の材料としては、二重共役結合を有するポリ
スチレン、ポリアセチレン、AS樹脂、ABS樹脂、芳
香族ナイロン、ポリカーボネート、変性ポリフェニレン
エーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリサルホ
ン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、
ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリイミド、フェノール樹脂、ジアリル
フタレート樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0030】その後、図10に示すように、上方から紫
外線照射ランプ6によって紫外線照射を行う。このと
き、高分子材料膜2は紫外線遮蔽効果を持つため、凸部
分2aにおいては十分に紫外線Uが遮蔽され、凹部分2
bにおいては、紫外線Uの一部が下方に漏れてレジスト
膜5に達する。ここで、図11に示すように、紫外線U
が厳密に平行ビームでなかったとしても、凸部分2aに
おいては十分に遮蔽され、凹部分2bに対して斜め上方
から入射された紫外線U1は、高分子材料膜2の材料固
有の屈折率に従って屈折して斜めに出射するものの、凸
部2aの側面に入射して遮蔽されることとなり、結果と
して、凹部2bの下方に位置するレジスト膜5に到達す
る紫外線U2は、ほとんど平行な状態となる。また、フ
ォトマスク用基板1及び高分子材料膜2の屈折率が空気
よりも大きい場合、入射角θ1(紫外線U1と入射する
面の法線とがなす角)よりも出射角θ2(出射する紫外
線U1と出射する面の法線とがなす角)のほうが小さく
なるため、凹部2bから出射する紫外線U2は、より平
行に近くなる。したがって、厳密に平行ではない紫外線
U1,U2が照射された場合においても、凹部2bの形
状に沿って正確にレジスト膜5を変性させることができ
る。
【0031】また、レジスト膜5は、感光性レジスト
(ネガ型フォトレジストあるいはポジ型フォトレジス
ト)であるため、所定のパワーの紫外線U1,U2が照
射されることによって速やかに変性することとなる。す
なわち、紫外線遮蔽効果を持つ高分子材料膜2が、長時
間及び強大なパワーの紫外線照射によって徐々に劣化
し、紫外線遮蔽効果が表面から次第に低下するような場
合においても、非変性部分2dが失われて全て変性部分
2cとなる前、すなわち、凸部2aにおける遮蔽効果
(特に、斜めに入射された紫外線の遮蔽効果)が失われ
る前に、凹部2bの下部にあるレジスト膜5が速やかに
変性するため、凹部2bの形状に正確に沿った変性が得
られる。このとき、高分子材料膜2において、凹部2b
の膜厚はできるだけ薄く、かつ、アスペクト比を高くし
て、凹部2bの膜厚が凸部2aの高さを超えないように
することが望ましい。
【0032】露光後、図12に示すように、レジスト膜
の現像を行う。フォトマスクを外した後、基板4を現像
液7が入った容器8に浸し、レジスト膜5の現像を行
う。現像後、洗浄のためのリンスやベーキングを必要に
応じて行う。以上のようにして、パターン転写を行う。
【0033】(実施例1)20mm角で厚さ1mmの石
英ガラス基板4の表面にスピンコート法により、基板側
のレジスト膜5として膜厚0.5μmの感光性レジスト
(ZEP520:日本ゼオン(株)製)を製膜し、溶媒
を揮発させた後、スピンコート法により、高分子材料膜
2として膜厚5μmのポリスチレンを製膜し、溶媒を揮
発させて膜を固形化させた。鋳型3は、20mm角で厚
さ1mmであり、片面に深さ2.5μmの凹パターンに
て最小線幅が100μmであるパターン形状が設けられ
ている。この基板4の高分子材料膜2に、鋳型3の凹凸
面を温度120℃、プレス圧力15kgf/cm2でプ
レスした。プレス後、高分子材料膜2には、パターン形
状の凸部2bが高さ2.5μmで形成された。次いで、
波長254nm、出力0.04mW/cm2の紫外線ラ
ンプ6により、30分間の紫外線照射を行った。その
後、ポリスチレンの現像液によって高分子材料膜2を除
去し、感光性レジストの現像液及びリンス液によって、
基板側レジスト膜5の現像、リンスを行った後、所定の
温度でベーキングを行った。その結果、基板上にパター
ン形状の凸パターンのみが残っていることを確認した。
【0034】(実施例2)20mm角で厚さ1mmの石
英ガラス基板1の表面にスピンコート法により、高分子
材料膜2として膜厚10μmのポリスチレンを製膜し
た。鋳型3は、20mm角、厚さ1mmであって、片面
には、最小線幅が100μmであるパターン形状が、高
さ16μmの凸形状に設けられている。この基板1の高
分子材料膜2に、鋳型3を温度120℃、プレス圧力1
5kgf/cm2でプレスした。プレス後、高分子材料
膜2には、パターン形状の凹部分2bが形成された。こ
の高分子材料膜2に凹部分2bが形成された基板1をフ
ォトマスクとした。次に、20mm角で厚さ0.6mm
のシリコン製の基板4にスピンコート法により、膜厚
1.6μmのネガ型フォトレジストのレジスト膜5を製
膜した。この基板4のレジスト膜5に、上記フォトマス
クの高分子材料膜2の凸部分2aを密着させた後、その
上方(フォトマスクの裏面側)より、波長254nm、
出力0.04mW/cm2の紫外線ランプにより、紫外
線照射を30分間行った。その後、レジスト膜5の現像
液及びリンス液によって、レジスト膜の現像、リンスを
行った後、所定の温度でベーキングを行った。その結
果、基板4上にパターン形状の凸パターンのみが残って
いることを確認した。
【0035】
【発明の効果】本発明は、基板上に回路パターンを転写
するに際し、レジスト膜を2層構造とし、基板側に紫外
線照射によって変性する下層のレジスト膜が形成され、
その表層側に凹凸型のプレスによって凹凸パターンが形
成される表層のレジスト膜が形成されるため、凸部分に
おいては紫外線が下部にまで到達せず、凹部分において
は紫外線が下部に到達することとなり、基板側におい
て、表層側の凹部分を透過した紫外線によってレジスト
膜が変性する。すなわち、表層側の凹凸部分により、レ
ジスト膜を選択的に変性させることができ、凹凸部分は
レジスト膜の現像において除去されるため、従来のフォ
トリソグラフィー法によるフォトマスクの欠損やフォト
マスクへのレジスト膜の残膜といった問題点は、起こら
ないこととなる。
【0036】また、下層のレジスト膜に感光性レジスト
膜を使用し、表層のレジスト膜に紫外線遮蔽効果のある
高分子材料を使用することにより、凹部分において透過
する紫外線を受けて速やかに変性されることとなる。こ
のとき、紫外線が厳密に平行ビームでなかったとして
も、凸部分の側面にて、斜めに入射される紫外線が遮蔽
されるため、凹部分には平行な紫外線ビームが達するこ
ととなる。したがって、凹部分の形状に正確に沿って感
光性レジスト膜が変性し、回路パターン形状の正確な転
写が行えることとなるとともに、露光装置に紫外線を平
行ビームとするための高価な装置が必要とされないた
め、低価格な露光装置を使用することができる。
【0037】さらに、表層側のレジスト膜材料は、凹凸
型でのプレス条件を考慮して選択することが可能とな
り、基板側のレジスト膜は、凹凸成形のしやすさを考慮
する必要がなく、紫外線照射条件を考慮して選択するこ
とが可能となる。すなわち、感光性レジスト膜の、紫外
線照射による変性速度が速い(紫外線に対する感度が高
い)という性質を生かしつつ、感光性レジスト膜の表面
を凹凸成形がしやすくかつ紫外線遮蔽効果のある高分子
材料で覆うことにより、従来のフォトリソグラフィー法
のように、フォトマスクへの感光性レジスト膜残留とい
った問題が起こらない。特に、高分子材料膜にポリスチ
レンを使用する場合は、鋳型への付着も起こりにくい。
また、紫外線遮蔽効果のある高分子材料としては、二重
共役結合を有するポリスチレン、ポリアセチレン等が挙
げられる。
【0038】また、パターン形状が凹凸に加工された高
分子材料膜をフォトマスクとしてフォトリソグラフィー
法によるパターン転写を行うことで、紫外線が厳密に平
行ビームでなくとも、凸部分の内部や側面において、斜
めに入射する紫外線が遮蔽されるため、高精度なパター
ン転写が可能となる。さらに、紫外線を平行ビームにす
る必要がないため、精密な光学系機器を必要とせず、安
価な露光装置を使用することが可能となる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】レジスト膜を基板表面に形成した段階の説明図
である。
【図2】基板上のレジスト膜の上に高分子材料膜を形成
した状態の断面図
【図3】高分子材料膜に鋳型を加熱プレスして高分子材
料膜に凹凸パターンを加工した状態の断面図
【図4】紫外線照射工程の説明図
【図5】紫外線による変性の説明図
【図6】現像工程の説明図
【図7】高分子材料膜をフォトマスク用基板表面に形成
した状態の断面図
【図8】高分子材料膜に凹凸形状の鋳型を加熱プレスし
て、高分子材料膜に凹凸パターンを加工した状態の断面
【図9】レジスト膜を基板表面に形成した状態の断面図
【図10】フォトマスクを用いてレジスト膜への紫外線
照射を行う工程の説明図
【図11】紫外線による変性の説明図
【図12】現像工程の説明図
【符号の説明】
1 フォトマスク用基板 2 高分子材料膜 2a 凸部 2b 凹部 3 鋳型 3a 凸部 3b 凹部 4 基板 5 レジスト膜(基板側のレジスト膜) 5c 変性部分 5d 非変性部分 6 紫外線ランプ 7 現像液 8 容器 U,U1,U2 紫外線 θ,θ1 入射角 θ2 出射角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/30 573 502P 502R (72)発明者 新田 晃平 石川県金沢市高尾南1丁目221番地 (72)発明者 木田 健一郎 石川県松任市坊丸町3番地 Fターム(参考) 2H025 AA02 AA17 AB16 AC01 AD01 BC13 DA03 FA01 2H095 BA07 BB01 BC01 BC06 5F046 AA01 AA28 BA01 CB17 LB06 NA01 NA11 NA15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上への回路パターンの転写に際し、
    基板上に形成された高分子材料のレジスト膜に凹凸を有
    する凹凸型をプレスして行う半導体デバイス製造におけ
    るパターン転写方法において、 上記レジスト膜は2層構造であり、基板側に紫外線照射
    によって変性する下層のレジスト膜を形成し、その表層
    側に凹凸型のプレスによって凹凸パターンが形成される
    表層のレジスト膜を形成し、 凹凸型のプレスによって形成されたレジスト膜の凸パタ
    ーン部分と凹パターン部分に紫外線照射させて、レジス
    ト膜に変性部と非変性部とを選択的に形成することを特
    徴とする半導体デバイス製造におけるパターン転写方
    法。
  2. 【請求項2】 前記紫外線照射によって変性する下層の
    レジスト膜は、感光性レジスト膜であり、前記表層のレ
    ジスト膜は、紫外線遮蔽効果のある高分子材料膜である
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体デバイス製造に
    おけるパターン転写方法。
  3. 【請求項3】 前記レジスト膜は、少なくとも2種類の
    高分子フィルムを貼りあわせて形成されることを特徴と
    する請求項1又は請求項2記載の半導体デバイス製造に
    おけるパターン転写方法。
  4. 【請求項4】 フォトリソグラフィー法を用いた基板上
    への回路パターンの転写に際し、回路パターンが凹凸形
    状に加工された紫外線遮蔽効果を有する高分子材料膜が
    透明なガラス基板上に形成されたものを、フォトマスク
    として使用することを特徴とする半導体デバイス製造に
    おけるパターン転写方法。
  5. 【請求項5】 前記表層のレジスト膜又は紫外線遮蔽効
    果を有する高分子材料膜に、二重共役結合を有するポリ
    スチレン、ポリアセチレン、AS樹脂、ABS樹脂、芳
    香族ナイロン、ポリカーボネート、変性ポリフェニレン
    エーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリサルホ
    ン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイ
    ド、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、
    ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエ
    ーテルケトン、ポリイミド、フェノール樹脂、ジアリル
    フタレート樹脂、エポキシ樹脂のいずれかを用いること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4記載の半導体デバイ
    ス製造におけるパターン転写方法。
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