JP2003141710A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2003141710A
JP2003141710A JP2001338166A JP2001338166A JP2003141710A JP 2003141710 A JP2003141710 A JP 2003141710A JP 2001338166 A JP2001338166 A JP 2001338166A JP 2001338166 A JP2001338166 A JP 2001338166A JP 2003141710 A JP2003141710 A JP 2003141710A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
acid
powder
magnetic layer
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001338166A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Noguchi
仁 野口
Nobuo Yamazaki
信夫 山崎
Shinji Saito
真二 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001338166A priority Critical patent/JP2003141710A/ja
Publication of JP2003141710A publication Critical patent/JP2003141710A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】媒体ノイズが抑制され電磁変換特性が改良され
た高密度記録に好適な磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】非磁性支持体上の少なくとも一方の面に、
非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層と、強磁性粉末
として強磁性六方晶系フェライト粉末および結合剤を含
む磁性層とをこの順に有し、磁性層の厚さが0.20μ
m以下0.01μm以上であり、磁性層に含有される強
磁性六方晶系フェライト粉末の平均板径が10〜40n
mであり、電子線マイクロアナリシスによる上記強磁性
六方晶系フェライト粉末に起因する元素の平均強度aに
対する該強度の標準偏差bが、0.03≦b/a≦0.
4を満たし、かつ磁性層中に含有される結合剤が、−S
3M、−OSO3M、−PO(OM)2、−OPO(O
M)2および−COOM(Mは水素原子、アルカリ金属
またはアンモニウムを表す)から選ばれる少なくとも一
種の極性基を0.2〜0.7meq/g含有するポリウ
レタン樹脂である磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関
し、特に薄層磁性層を有する高密度記録用の磁気記録媒
体に関する。 【0002】 【従来の技術】コンピュータ用(ディスク、テープ)等
の磁気記録媒体として、非磁性支持体上に強磁性粉体を
結合剤中に分散させた磁性層を設けた磁気記録媒体が広
く用いられている。近年、磁気記録分野では従来のアナ
ログ記録から記録の劣化が少ないデジタル記録の実用化
が進展しているが、一般的にデジタル記録ではアナログ
記録に比べ多くの信号の記録が必要となる上、使用され
る記録再生装置および記録媒体には高画質・高音質であ
ると同時に小型化・省スペース化が求められるためによ
り一層の高密度記録化が要求される。 【0003】高密度記録を達成するために記録信号の短
波長化や記録軌跡の狭トラック化が行われ、記録媒体に
はより一層の電磁変換特性の向上が必要とされる。電磁
変換特性向上のためには、強磁性粉末の磁気特性の向
上、微粒子化、高充填化、媒体表面の超平滑化等種々の
方法が提案されている。しかし、これらの技術は、近年
の高密度化に対しては充分なものではなかった。 【0004】一方、記録波長を更に短くした場合、磁性
層厚みが厚いと記録時の自己減磁損失、再生時の厚み損
失の問題が大きくなってくる。また、再生ヘッドの飽和
回避のため、磁性層厚みを薄くすることが行われている
が、磁性層を約0.1μm以下に薄くすると磁性層の表
面に非磁性支持体の影響が現れやすくなり、電磁変換特
性が低下する傾向やエラーレートが増加する傾向が見ら
れる。そのため、ノイズを低減し電磁変換特性を向上さ
せるために、磁性体のサイズを小さくすることが重要と
なってきており、板径40nm以下の強磁性六方晶フェ
ライト微粉末が用いられている。しかし、このような微
粒子状の強磁性粉末は容易に凝集するため、これまで用
いられていた比較的大きな強磁性粉末に比べ、良好な分
散性を得ることは極めて困難であった。 【0005】また、磁性層の薄膜化による表面への支持
体の影響を抑えるために、磁性層と支持体の間に下層非
磁性層を設けた磁気記録媒体も実現されているが、この
構成の場合にも、磁性層が薄膜化すると、磁性層−非磁
性層の界面の変動がノイズの発生源となる。特開平5−
298653号公報では、上層磁性層平均厚みを0.0
1〜0.3μmに設定し、(磁性層厚の標準偏差)/
(平均磁性層厚)が0.05から0.5の範囲内となる
ように磁性層−非磁性層界面変動を抑制し、高い電磁変
換特性と耐久性を確保し得ることが記載されている。し
かし、該公報で磁性層および非磁性層を形成するために
採用しているウェット・オン・ウェット塗布(wet on w
et塗布)では、磁性層−非磁性層界面の乱れを抑制する
には限界があり、磁性層がより薄層化された場合には、
この界面の乱れがノイズ源となり、好ましくない。さら
に、実施例で使用されている結合剤の極性基濃度は0.
08〜0.1meq/gであり、微粒子の強磁性粉体を
分散するには不十分であり、十分にノイズを低減するこ
とはできない。また、該公報で使用されているような積
層センダストヘッドはインダクティブヘッドであり媒体
ノイズの影響をあまり考慮する必要がなかったが、今後
の高密度化と共に使用されるMRヘッドは媒体ノイズの
影響をよりを受けやすく、この面での改善が必要とされ
ている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、媒体
ノイズが抑制されて電磁変換特性が改良された高密度記
録に好適な磁気記録媒体を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を行った。その結果、MRヘ
ッドは高感度であり、媒体ノイズの影響を受けやすく、
磁性体の分散状態の不均一性や磁性層の微視的な厚み分
布がノイズ源となること、このような磁性体の分散状態
の不均一性や磁性層の厚み分布起因のノイズを小さくす
るには極性基を特定量含有するポリウレタン樹脂を結合
剤に用いて磁性粉末の分散を行うことが有効であること
が分かった。さらに、ウェット・オン・ドライ(wet on
dry)塗布により磁性層および非磁性層を作成すること
が有効であることが分かった。また、結合剤の種類によ
ってはMRヘッドのMR素子を腐食する場合もあり、ポ
リウレタン樹脂が腐食を起こさないことをも知見し、本
発明に到達した。 【0008】即ち、本発明の目的は下記構成の磁気記録
媒体によって達成される。 1.非磁性支持体上の少なくとも一方の面に、非磁性粉
末および結合剤を含む非磁性層と、強磁性粉末として強
磁性六方晶系フェライト粉末および結合剤を含む磁性層
とをこの順に有する磁気記録媒体であって、(1)磁性
層の厚さが、0.20μm以下0.01μm以上であ
り、(2)磁性層に含有される強磁性六方晶系フェライ
ト粉末の平均板径が、10〜40nmであり、(3)電
子線マイクロアナリシスによる上記強磁性六方晶系フェ
ライト粉末に起因する元素の平均強度aに対する該強度
の標準偏差bが、0.03≦b/a≦0.4を満たし、
かつ(4)磁性層中に含有される結合剤が、−SO
3M、−OSO3M、−PO(OM)2、−OPO(O
M)2および−COOM(Mは水素原子、アルカリ金属
またはアンモニウムを表す)から選ばれる少なくとも一
種の極性基を0.2〜0.7meq/g含有するポリウ
レタン樹脂である、ことを特徴とする磁気記録媒体。 【0009】本発明の好ましい態様は以下の通りであ
る。 2.支持体上に非磁性層用塗布液を塗布、乾燥後、磁性
層用塗布液を塗布することで、非磁性層および磁性層が
形成されたことを特徴とする上記1に記載の磁気記録媒
体。 3.記録再生時にMRヘッドを用いるMRヘッド再生用
であることを特徴とする上記1または2に記載の磁気記
録媒体。 4.結合剤が、環状構造およびアルキレンオキサイド鎖
を有する分子量500〜5000のポリオールと鎖延長
剤として環状構造を有する分子量200〜500のポリ
オールと有機ジイソシアネートを反応させ得らたもので
あるポリウレタン樹脂(A)である上記1〜3のいずれ
かに記載の磁気記録媒体。 5.結合剤が、脂肪族二塩基酸とアルキル分岐側鎖を有
する環状構造を持たない脂肪族ジオールからなるポリエ
ステルポリオールと鎖延長剤として炭素数が3以上の分
岐アルキル側鎖をもつ脂肪族ジオールと有機ジイソシア
ネート化合物を反応させて得られるポリウレタン樹脂
(B)である上記1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒
体。 6.結合剤が、環状構造および炭素数2以上のアルキル
鎖を有するポリオール化合物と有機ジイソシアネートを
反応させ得られるポリウレタン樹脂(C)である上記1
〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体につ
いて更に詳細に説明する。 [結合剤]本発明は、微粒子状の強磁性粉末として平均板
径が10〜40nmの六方晶フェライト粉末を磁性層に
用いる。しかるに、上記のごとく極めて微粒子の磁性体
は分散性および分散安定性に劣るため、従来用いられて
いた極性基を0.01〜0.1meq/g程度含有する
結合剤(特公昭58−41565号公報等)であっては
良好に分散させることは困難である。そこで、本発明で
は、従来用いられていた結合剤と比べ、極性基の含有量
の多いポリウレタン樹脂を結合剤として用いることによ
り、微粒子の六方晶フェライト粉末の分散性を高め、均
一な分散を実現している。 【0011】本発明の少なくとも一層以上の磁性層に用
いられる結合剤は、−SO3M、−OSO3M、−PO
(OM)2、−OPO(OM)2、および−COOM(M
は水素原子、アルカリ金属またはアンモニウムを表
す。)から選ばれる少なくとも一種の極性基を0.2〜
0.7meq/g含有するポリウレタン樹脂である。こ
こで、アルキル基は、好ましくは炭素数1〜18であ
り、直鎖構造であっても分岐構造であっても構わない。
−SO3M、−OSO3M、−PO(OM)2、−OPO
(OM)2、および−COOM(Mは水素原子、アルカ
リ金属イオンまたはアンモニウムイオンを表す)から選
ばれる少なくとも一種の極性基の含有量は0.2〜0.
7meq/gであり、好ましくは0.25〜0.6me
q/g、更に好ましくは0.3〜0.5meq/gであ
る。上記極性基の含有量が上記範囲外であると、微粒子
の磁性体を良好に分散させることができない。 【0012】[ポリウレタン樹脂]結合剤として用いるポ
リウレタン樹脂としては、例えば、 環状構造およびアルキレンオキサイド鎖を有する分子
量500〜5000のポリオールと鎖延長剤として環状
構造を有する分子量200〜500のポリオールと有機
ジイソシアネートを反応させて得られたものであり、か
つ上記極性基を上記範囲含有するポリウレタン樹脂
(A)、 脂肪族二塩基酸とアルキル分岐側鎖を有する環状構造
を持たない脂肪族ジオールからなるポリエステルポリオ
ールと鎖延長剤として炭素数が3以上の分岐アルキル側
鎖をもつ脂肪族ジオールと有機ジイソシアネート化合物
を反応させ得られたものであり、かつ上記極性基を上記
範囲含有するポリウレタン樹脂(B)、 環状構造および炭素数2以上のアルキル鎖を有するポ
リオール化合物と有機ジイソシアネートを反応させ得ら
れたものであり、かつ上記極性基を上記範囲含有するポ
リウレタン樹脂(C)、を挙げることができる。 【0013】(ポリウレタン樹脂(A))ポリウレタン
樹脂(A)の原料となる環状構造およびアルキレンオキ
サイド鎖を有するポリオールとしては、環状構造を有す
るジオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド等のアルキレンオキサイドを付加したものを用いるこ
とができる。具体的には、ビスフェノールA、水素化ビ
スフェノールA、ビスフェノールS、水素化ビスフェノ
ールS、ビスフェノールP、水素化ビスフェノールP、
トリシクロデカンジメタノール、シクロヘキサンジメタ
ノール、シクロヘキサンジオール、5,5’−(1−メ
チルエチリデン)ビス−(1,1’−ビシクロヘキシ
ル)2−オール、4,4’−(1−メチルエチリデン)
ビス−2メチルシクロヘキサノール、5,5’−(1,
1’−シクロヘキシリデン)ビス−(1,1’−ビシク
ロヘキシル)2−オール、5,5’−(1,1’−シク
ロヘキルメチレン)ビス−(1,1’−ビシクロヘキシ
ル)2−オール、水添テルペンジフェノール、ジフェニ
ルビスフェノールA、ジフェニルビスフェノールS、ジ
フェニルビスフェノールP、9,9−ビス−(4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレン、4,4’−(3−メチル
エチリデン)ビス(2−シクロヘキシル−5−メチルフ
ェノール)、4,4’−(3−メチルエチリデン(ビス
(2−フェニル−5メチルシクロヘキサノール)、4,
4’−(1−フェニルエチリデン)ビス(2−フェノー
ル)、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2−メチル
フェノール)、テルペンジフェノール等のジオールを用
いることができる。中でも、水素化ビスフェノールAお
よび水素化ビスフェノールAのポリプロピレンオキサイ
ド付加物が好ましい。上記ポリオールの分子量は、50
0〜5000であることが好ましい。500以上である
とウレタン基濃度が低いため溶剤溶解性が高く、500
0以下であると塗膜強度が良好で耐久性が高く好まし
い。 【0014】鎖延長剤として用いる環状構造を有するポ
リオールとしては、上記の環状構造を有するジオールお
よび分子量200〜500の範囲でエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを
付加したものを用いることができる。好ましくは水素化
ビスフェノールAおよび水素化ビスフェノールAのプロ
ピレンオキサイド付加物が挙げられる。 【0015】(ポリウレタン樹脂(B))ポリウレタン
樹脂(B)の原料となるポリエステルポリオールは、脂
肪族二塩基酸とアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持
たない脂肪族ジオールからなる。脂肪族二塩基酸として
は、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸等
の脂肪族二塩基酸を使用することができる。中でも好ま
しいものはコハク酸、アジピン酸、セバシン酸である。
ポリエステルポリオールの全二塩基酸成分のうち、脂肪
族二塩基酸の含量が70モル%以上であることが好まし
い。70モル%以上であると、実質的に環状構造を有す
る二塩基酸濃度が低いため溶剤溶解性が高く、良好な分
散性向上効果を得ることができる。 【0016】ポリエステルポリオールに用いることので
きるアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪
族ポリオールとしては、2,2−ジメチル−1,3−プ
ロパンジオール、3,3−ジメチル−1,5−ペンタン
ジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパン
ジオール、3−メチル−3−エチル−1,5−ペンタン
ジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパ
ンジオール、3−メチル−3−プロピル−1,5−ペン
タンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロ
パンジオール、3−メチル−3−ブチル−1,5−ペン
タンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジ
オール、3,3−ジエチル−1、5−ペンタンジオー
ル、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオー
ル、3−エチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオー
ル、2−エチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオ
ール、3−エチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジ
オール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオー
ル、3,3−ジブチル−1,5−ペンタンジオール、
2,2−ジプロピル−1,3−プロパンジオール、3,
3−ジプロピル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチ
ル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−ブ
チル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2−
エチル−1,3−プロパンジオール、2−プロピル−
1,3−プロパンジオール、2−ブチル−1,3−プロ
パンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオー
ル、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、3−ブ
チル−1,5−ペンタンジオール、3−オクチル−1,
5−ペンタンジオール、3−ミリスチル−1,5−ペン
タンジオール、3−ステアリル−1,5−ペンタンジオ
ール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−プ
ロピル−1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−1,
6−ヘキサンジオール、5−エチル−1,9−ノナンジ
オール、5−プロピル−1,9−ノナンジオール、5−
ブチル−1,9−ノナンジオール等の分岐脂肪族ジオー
ルを使用することができる。中でも、2,2−ジメチル
−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル
−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,
3−プロパンジオールが好ましい。ポリエステルポリオ
ールに用いるポリオール中の分岐側鎖を有するポリオー
ルの含量は、50〜100mol%が好ましく、更に好
ましくは70〜100mol%であることが適当であ
る。上記範囲内であれば、溶剤溶解性が高く、良好な分
散性を得ることができる。 【0017】ポリウレタン樹脂(B)では、鎖延長剤と
して炭素数が3以上の分岐アルキル側鎖を持つ脂肪族ジ
オールを用いることができる。炭素数が3以上であり、
かつ分岐アルキル側鎖を有することで、溶剤溶解性が向
上し、良好な分散性を得ることができる。炭素数が3以
上の分岐アルキル側鎖を持つ脂肪族ジオールとしては、
2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、
3−メチル−3−エチル−1,5−ペンタンジオール、
2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオー
ル、3−メチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオ
ール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオ
ール、3−メチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオ
ール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、
3,3−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エ
チル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エ
チル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、2−エ
チル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−
エチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、
2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、3,3
−ジブチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジプ
ロピル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジプロピ
ル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−プロ
ピル−1,3−プロパンジオール、3−ブチル−3−プ
ロピル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,
3−プロパンジオール、2−プロピル−1,3−プロパ
ンジオール、2−ブチル−1,3−プロパンジオール、
3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル
−1,5−ペンタンジオール、3−ブチル−1,5−ペ
ンタンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオ
ール、3−ミリスチル−1,5−ペンタンジオール、3
−ステアリル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル
−1,6−ヘキサンジオール、2−プロピル−1,6−
ヘキサンジオール、2−ブチル−1,6−ヘキサンジオ
ール、5−エチル−1,9−ノナンジオール、5−プロ
ピル−1,9−ノナンジオール、5−ブチル−1,9−
ノナンジオール等を使用することができる。中でも2−
エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,
2−ジエチル−1,3−プロパンジオールが好ましい。
ポリウレタン樹脂中の含有量は5〜30質量%が好まし
く、更に好ましくは10〜20質量%であることが適当
である。上記範囲内であると、溶剤溶解性が高く、良好
な分散性を得ることができる。 【0018】(ポリウレタン樹脂(C))ポリウレタン
樹脂(C)の原料となる環状構造および炭素数2以上の
アルキル鎖を有するポリオール化合物は、分子量500
〜1000のジオールであることが好ましい。ジオール
であると、ポリウレタン重合時の架橋によるゲル化が発
生せず、好ましい。また、上記ジオールが有するアルキ
ル鎖の炭素数が2以上であると、溶剤溶解性が高く、分
散性が良好である。分子量が500以上であると、ウレ
タン基濃度が低いため溶剤溶解性が高く、1000以下
であると塗膜強度が良好である。環状構造および炭素数
2以上のアルキル鎖を有するポリオールとしては、ダイ
マー酸を水添、還元することで得られる下式の構造で表
されるダイマージオールが好ましい。 【0019】 【化1】 【0020】環状構造および炭素数2以上のアルキル鎖
を有するジオールは、ポリウレタン樹脂中に5〜60質
量%含まれることが好ましく、更に好ましくは10〜4
0質量%含まれることが適当である。環状構造および炭
素数2以上のアルキル鎖を有するジオールの含有量が上
記範囲内であれば、溶剤溶解性が高く分散性が良好であ
り、かつ耐久性が高く好ましい。 【0021】本発明において、上記ポリオールと反応さ
せてポリウレタン樹脂を形成するために用いられる有機
ジイソシアネートは、特に制限はなく、通常使用されて
いるものを用いることができる。具体的には、例えば、
ヘキサメチレンジイソシアネート、トリジンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−キシリ
レンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシア
ネートシクロヘキサンジイソシアネート、トルイジンジ
イソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシ
アネート、m−フェニレンジイソシアネート、1,5−
ナフタレンジイソシアネート、3,3−ジメチルフェニ
レンジイソシアネート等を挙げることができる。 【0022】極性基を導入した原料モノマーからポリウ
レタン樹脂を製造することにより、極性基を有するポリ
ウレタン樹脂を製造することができる。例えば、極性
基を有するポリエステルポリオール、ポリエーテルポリ
オール等の極性基含有ポリオールと、極性基を持たない
ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等の
ポリオールとジイソシアネートとから製造する、二価
アルコールまたは二塩基酸の一部を極性基含有ジオール
または極性基含有二塩基酸に変えて製造する、等の方法
を用いることができる。極性基含有ポリオールまたは極
性基含有二塩基酸は、例えば前記ポリオールまたは二塩
基酸の主鎖または側鎖に−SO3M、−OSO3M、−P
O(OM)2、−OPO(OM)2、および−COOM
(Mは水素原子、アルカリ金属またはアンモニウムを表
す)から選ばれる少なくとも一種の極性基を含有するも
のである。 【0023】本発明で使用される極性基含有ポリウレタ
ン系樹脂の平均分子量は、5000〜100000であ
ることが好ましく、更に好ましくは10000〜500
00であることが適当である。5000以上であると得
られる磁性塗膜が高い等物理的強度が高く、磁気記録媒
体の耐久性が良好である。分子量が100000以下で
あると溶剤への溶解性が高く、分散性が向上する。ま
た、所定濃度における塗料粘度が適当であり作業性が良
好で取扱いが容易になる。本発明で使用される極性基含
有ポリウレタン系樹脂は、分岐OH基を有することが、
硬化性、耐久性の面から好ましく、1分子当たり2個〜
40個が好ましく、更に好ましくは1分子当たり3個〜
20個であることが適当である。 【0024】本発明では、上記ポリウレタン樹脂以外の
ポリウレタン樹脂を併用することもできる。併用するポ
リウレタン樹脂は、上記ポリウレタン樹脂と同様の極性
基を有することが好ましい。また、鎖延長剤としては、
それ自体公知の物質、多価アルコール、脂肪族ポリアミ
ン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン等が使用でき
る。中でも分子量50〜500の多価アルコールが好ま
しい。50以上であると塗膜強度が高く耐久性が良好で
ある。500以下では塗膜のTgが高く、塗膜が硬くな
るため耐久性が良好である。多価アルコールとしては、
ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェ
ノールS、ビスフェノールPおよびこれらのエチレンオ
キシド、プロピレンオキシド付加物、シクロヘキサンジ
メタノール、シクロヘキサンジオール、ハイドロキノ
ン、ビス(2-ヒドロキシエチル)テトラブロモビスフ
ェノールA、ビス(2-ヒドロキシエチル)テトラブロ
モビスフェノールS、ビス(2-ヒドロキシエチル)テ
トラメチルビスフェノールS、ビス(2-ヒドロキシエ
チル)ジフェニルビスフェノールS、ビス(2-ヒドロ
キシエチル)ジフェニルビフェノール、ビス(2-ヒド
ロキシエチル)チオジフェノール、ビス(2-ヒドロキ
シエチル)ビスフェノールF、ビフェノール、ビスフェ
ノールフルオレン、ビスフェノールフルオレンジヒドロ
キシエチルエーテル等の環状構造を有する短鎖ジオール
が好ましい。更に好ましいものは、ビスフェノールA、
水素化ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェ
ノールPおよびこれらのエチレンオキシド、プロピレン
オキシド付加物、シクロヘキサンジメタノール、シクロ
ヘキサンジオール等の芳香族、脂環族を有するジオール
が好ましい。 【0025】本発明の結合剤としては、上記極性基含有
ポリウレタン樹脂が用いられるが、塩化ビニル系樹脂お
よび/またはアクリル系樹脂を併用してもよい。併用す
る場合、これらの樹脂は、−SO3M、−OSO3M、−
PO(OM)2、−OPO(OM)2、および−COOM
(Mは水素原子、アルカリ金属イオンまたはアンモニウ
ムイオンを表す)から選ばれる少なくとも一種の極性基
を有することが好ましい。塩化ビニル系樹脂および/ま
たはアクリル系樹脂を併用する場合、ポリウレタン樹脂
に対して10〜50質量%用いることができる。 【0026】(塩化ビニル系樹脂)塩化ビニル系樹脂と
しては、塩化ビニルモノマーに種々のモノマーと共重合
したものが用いられる。共重合モノマーとしては酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル
類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート
等のアクリレート、メタクリレート類、アリルメチルエ
ーテル、アリルエチルエーテル、アリルプロピルエーテ
ル、アリルブチルエーテル等のアルキルアリルエーテル
類、その他スチレン、αメチルスチレン、塩化ビニリデ
ン、アクリロニトリル、エチレン、ブタジエン、アクリ
ルアミド、更に官能基をもつ共重合モノマーとしてビニ
ルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエ
チルアリルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアリルエ
ーテル、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、p−
ビニルフェノール、マレイン酸、無水マレイン酸、アク
リル酸、メタクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、アリルグリシジルエーテル、ホスホエチル(メタ)
アクリレート、スルホエチル(メタ)アクリレート、p
−スチレンスルホン酸、およびこれらのNa塩、K塩等
が用いられる。塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニルモノマ
ーの組成は、75〜95質量%であれば、力学強度が高
く、かつ溶剤溶解性が良好で磁性体分散性が高く好まし
い。 【0027】(アクリル系樹脂)本発明の結合剤とし
て、窒素を含むラジカル重合性単量体単位1質量%〜7
5質量%、芳香族環を含むラジカル重合性単量体単位1
質量%〜75質量%およびその他のラジカル重合性単量
体単位で総計100質量%となるアクリル系樹脂を上記
ポリウレタン樹脂と併用してもよい。この場合、アクリ
ル系樹脂は、−SO 3M、−OSO3M、−PO(OM)
2、−OPO(OM)2、および−COOM(Mは水素原
子、アルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンを表
す)から選ばれる少なくとも一種の極性基を有すること
が好ましい。なお、(メタ)アクリルアミドとはアクリ
ルアミドとメタアクリルアミドの総称、(メタ)アクリ
レートとはアクリレートとメタクリレートの総称であ
る。 【0028】本発明で使用する窒素を含むラジカル重合
性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、ダイアセ
トン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリル
アミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、
N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−
イソプロピルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミ
ド類、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリロイルモルホリン、モルホリノ
エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート
類、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニル−2−ピロ
リドン、N−ビニルカルバゾール、2−ビニル−4,6
−ジアミノ−5−トリアジン、2−ビニルピリジン、4
−ビニルピリジン、マレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、アクリロニトリル等のビニル化合物が挙げられる。
特に好ましい窒素を含むラジカル重合性単量体はN,N
−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−イソプ
ロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミドで
ある。窒素を含むラジカル重合性単量単位の組成として
は、1〜75質量%が好ましく、更に好ましくは5〜6
0質量%であることが適当である。上記範囲内である
と、非磁性粉体および磁性粉体の分散性を向上すること
ができる。 【0029】本発明で使用する芳香族環を含むラジカル
重合性単量体としては、芳香族環を含む(メタ)アクリ
レート単位を用いることができる。芳香族環を含む(メ
タ)アクリレート単位としては、ベンジル(メタ)アク
リレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フ
ェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。特に好ましい芳香族
環を含む(メタ)アクリレート単位は、ベンジル(メ
タ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレ
ートである。芳香族環を含む(メタ)アクリレート単位
の組成としては、1〜75質量%が好ましく、更に好ま
しくは5〜60質量%が適当である。1質量%以上であ
ると、非磁性粉体または磁性粉体の分散性を向上するこ
とができ、塗膜の十分な平滑性(光沢)や耐久性を得る
ことができる。一方、75質量%以下であると塗料粘度
が適当である。 【0030】窒素を含むラジカル重合性単量体単位、芳
香族環を含むラジカル重合性単量体単位と共重合可能な
その他の共重合性単量単位としては、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)ア
クリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート等のアルキル(メタ)アクリレート単量体、メ
トキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル
(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)
アクリレート類、グリシジル(メタ)アクリレート、ア
リルグリシジルエーテル、メチルビニルエーテル、エチ
ルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n−ブ
チルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテ
ル、n−オクチルビニルエーテル、ラウリルビニルエー
テル、セチルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテ
ル等のアルキルビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、(無水)マレイン酸、アクリロニトリ
ル、塩化ビニリデン等を挙げることができる。これらの
単量体は1種類のみ用いても2種類以上を併用してもよ
い。 【0031】アクリル系樹脂の数平均分子量は1000
〜200000が好ましく、更に好ましくは10000
〜100000であることが適当である。1000以上
であると、磁性塗膜の物理的強度が高く、磁気テープ等
の耐久性も良好である。200000以下であると、塗
膜粘度が低く作業性が良好で取扱いが容易である。 【0032】本発明で、所望により併用される塩化ビニ
ル系樹脂あるいはアクリル系樹脂への極性基導入方法と
しては、以下の方法を用いることができる。塩化ビニル
系単量体単位、または窒素を含むラジカル重合性単量体
単位および芳香族環を含むラジカル重合性単量体単位か
らなり、−SO3M、−OSO3M、−PO(OM)2
−OPO(OM)2、および−COOM(Mは水素原
子、アルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンを表
す)から選ばれる少なくとも一種の極性基を含有しない
塩化ビニル系樹脂またはアクリル系樹脂に、上記極性基
を反応により付加して合成することができる。具体的に
は、例えば−SO3Mを塩化ビニル系樹脂またはアクリ
ル系樹脂に導入する場合、まず、塩化ビニル系単量体、
または窒素を含むラジカル重合性単量体単位および芳香
族環を含むラジカル重合性単量体単位と、グリシジル基
を持ち共重合可能な化合物、および必要に応じてこれら
と共重合可能な他の化合物を共重合させ、共重合と同時
または共重合体を得た後に、−SO3Mを有する化合物
と反応させることにより、極性基を導入することができ
る。グリシジル基を導入するための共重合可能な化合物
としては、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジ
ルビニルエーテル等が挙げられ、これらは単独または2
種類以上を同時に併用しても良い。 【0033】共重合可能な極性基含有化合物を塩化ビニ
ル系単量体、または窒素を含むラジカル重合性単量体お
よび芳香族環を含むラジカル重合性単量体、その他共重
合可能な化合物と共に共重合しても良い。共重合可能な
極性基含有化合物としては、−SO3M、−OSO3M、
−PO(OM)2、−OPO(OM)2、および−COO
M(Mは水素原子、アルカリ金属イオンまたはアンモニ
ウムイオンを表す)から選ばれる少なくとも一種の極性
基を含む共重合可能な化合物を用いることができ、例え
ば−SO3Mを導入するための共重合可能な化合物とし
ては2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸、
p−スチレンスルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸
およびこれらの塩、(メタ)アクリル酸スルホエチルエ
ステル、(メタ)アクリル酸スルホプロピルエステル等
の(メタ)アクリル酸のスルホアルキルエステル類およ
びこれらの塩等を挙げることができる。前記極性基は1
種類のみ用いても2種類以上を併用してもよい。 【0034】極性基を導入するためには、共重合体の製
造に際して、極性基含有ラジカル重合開始剤を用いて単
量体混合物を共重合させる方法、片末端に極性基を有す
る連鎖移動剤の存在下に単量体混合物を共重合させる方
法を使用しても良い。極性基含有ラジカル重合開始剤と
しては、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、
過硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらのラジカル重
合開始剤の使用量は単量体の合計量に対し、1〜10質
量%とすればよく、好ましくは1〜5質量%である。片
末端に上記極性基を有する連鎖移動剤としては重合反応
において連鎖移動が可能で且つ片末端に極性基を有する
ものであれば特に制限はなく、片末端に極性基を有する
ハロゲン化化合物、メルカプト化合物やジフェニルピク
リルヒドラジン等が挙げられる。ハロゲン化化合物の具
体例としては、2−クロロエタンスルホン酸、2−クロ
ロエタンスルホン酸ナトリウム、4−クロロフェニルス
ルホキシド、4−クロロベンゼンスルホンアミド、p−
クロロベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、2−ブロモエタンスルホン酸ナトリウ
ム、4−(ブロモメチル)ベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム等が例示され、2−クロロエタンスルホン酸ナトリウ
ム、p−クロロベンゼンスルホン酸ナトリウムが好まし
い。メルカプト化合物としては、好ましくは2−メルカ
プトエタンスルホン酸(塩)、3−メルカプト−1,2
−プロパンジオール、メルカプト酢酸(塩)、2−メル
カプト−5−ベンゾイミダゾールスルホン酸(塩)、3
−メルカプト−2−ブタノール、2−メルカプトブタノ
ール、3−メルカプト−2−プロパノール、N−(2−
メルカプトプロピル)グリシン、チオグルコール酸アン
モニウムまたはβ−メルカプトエチルアミン塩酸塩を用
いることができる。これらの片末端に極性基を有する連
鎖移動剤は一種または二種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。特に好ましい片末端に極性基を有する連鎖
移動剤は、極性の強い2−メルカプトエタンスルホン酸
(塩)である。これらの連鎖移動剤の使用量は単量体の
合計量に対し、0.1〜10質量%であることが好まし
く、更に好ましくは0.2〜5質量%であることが適当
である。 【0035】また、−SO3M、−OSO3M、−PO
(OM)2、−OPO(OM)2、−COOM(Mは水素
原子、アルカリ金属またはアンモニウムを表す)から選
ばれる少なくとも一種の極性基と共に水酸基を持たせる
ことも好ましい。共重合可能な水酸基含有単位の例とし
ては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、3−クロ
ロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ヒドロキ
シエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエ
ーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエ
ーテル類、ヒドロキシエチルモノ(メタ)アリルエーテ
ル、ヒドロキシプロピルモノ(メタ)アリルエーテル、
ヒドロキシブチルモノ(メタ)アリルエーテル、ジエチ
レングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ジプロピ
レングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、グリセリ
ンモノ(メタ)アリルエーテル、3−クロロ−2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アリルエーテル等の(メタ)ア
リルエーテル類、(メタ)アリルアルコール等が挙げら
れる。ビニルアルコール単位については酢酸ビニルを共
重合し、溶媒中で苛性アルカリによってケン化反応する
ことにより導入できる。水酸基を有する単量体の量は全
単量体中の5〜30質量%とすることが好ましい。 【0036】上記重合可能な化合物類、連鎖移動剤を含
む重合反応系を重合させるには、公知の重合方法、例え
ば、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等を用いることがで
きる。これらの重合方法のうち、得られたアクリル系共
重合体を保存安定性の高い固形状体で容易に保存できる
点から、乾燥作業性のよい懸濁重合や乳化重合を用いる
ことが好ましく、特に乳化重合を用いることが好まし
い。重合条件は、用いる重合可能な化合物類や重合開始
剤、連鎖移動剤の種類等により異なるが、一般にオート
クレーブ中にて、温度は50〜80℃程度、ゲージ圧力
は4.0〜1.0MPa程度、時間は5〜30時間程度
であることが好ましい。重合は、反応に不活性な気体の
雰囲気下で行うことが反応制御のしやすさの点で好まし
い。そのような気体としては、例えば、窒素、アルゴン
等が挙げられ、好ましくは経済性の点から窒素が用いら
れる。重合に際しては、上記重合反応系に上述の成分以
外に他の成分を添加してもよい。そのような成分として
は、例えば乳化剤、電解質、高分子保護コロイド等が挙
げられる。 【0037】本発明では、既に述べたように、極性基含
有ポリウレタン樹脂に、塩化ビニル系樹脂および/また
はアクリル系樹脂を併用することができ、また、更にこ
れらの合計量の等量以下の量で、その他の極性基を持つ
結合剤を併用しても良い。併用できるその他樹脂として
は特に制限はなく、従来から結合剤として使用されてい
る公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂およ
びこれらの混合物を使用することができる。熱可塑性樹
脂としてはガラス転移温度が−100〜150℃、数平
均分子量が1000〜200000、好ましくは100
00〜100000のものを用いることができる。具体
的には、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、スチレ
ン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニル
アセタール、ビニルエーテル等を構成単位として含む重
合体、共重合体、各種ゴム系樹脂がある。また、熱硬化
性樹脂または反応型樹脂としてはフェノール樹脂、フェ
ノキシ樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、
アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド
樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポ
リエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物
等が挙げられる。 【0038】本発明で結合剤は、強磁性粉末または非磁
性粉末100質量部に対して5〜50質量部の範囲内の
含有量で用いることができる。特に、その含有量を7〜
45質量部の範囲内に設定することにより磁性層あるい
は非磁性層表面の光沢度が高くなる等の現象が表れ、強
磁性粉末または非磁性粉末の分散状態が良好であること
がわかる。更にその含有量を10〜40質量部の範囲内
に設定することによって電磁変換特性が著しく改善され
る。含有量が5質量部よりも少ないと、強磁性粉末ある
いは非磁性粉末が結合されず粉落ち等が発生し、また5
0質量部よりも多く配合しても強磁性粉末あるいは非磁
性粉末の分散状態がそれ以上向上せず、磁性層では強磁
性粉末の充填度が低下し電磁変換特性が低下することが
ある。 【0039】[強磁性粉末]本発明の少なくとも一層以上
の磁性層に使用する強磁性粉末は、平均板径が10〜4
0nm、好ましくは10〜35nm、更に好ましくは1
5〜30nmの強磁性六方晶フェライト粉末である。こ
のような微粒子状の磁性体を使用することにより、表面
平滑性が高く電磁変換特性が良好な磁気記録媒体を得る
ことができる。特にトラック密度を上げるため磁気抵抗
ヘッドで再生する場合、低ノイズにする必要があり、板
径は40nmを越えるとノイズが高く、好ましくない。
一方、板径10nm未満では熱揺らぎのため安定な磁化
が望めず、高密度磁気記録には向かない。板状比(板径
/板厚)は1〜15が望ましく、好ましくは1〜7であ
る。板状比が小さいと磁性層中の充填性は高くなり好ま
しいが、十分な配向性が得られない。15より大きいと
粒子間のスタッキングによりノイズが大きくなる。この
粒子サイズ範囲のBET法による比表面積は10〜20
0m2/gを示す。比表面積は概ね粒子板径と板厚から
の算術計算値と符号する。粒子板径・板厚の分布は通常
狭いほど好ましい。数値化は困難であるが粒子TEM写
真より500粒子を無作為に測定する事で比較できる。
分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サ
イズに対する標準偏差で表すとσ/平均サイズ=0.1
〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには
粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成し
た粒子に分布改良処理を施すことも行われている。例え
ば酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知
られている。 【0040】また、本発明の磁気記録媒体は、電子線マ
イクロアナリシスによる上記強磁性六方晶系フェライト
粉末に起因する元素の平均強度aに対する該強度の標準
偏差bが、0.03≦b/a≦0.4を満たす。好まし
くは0.03≦b/a≦0.3、さらに好ましくは0.
03≦b/a≦0.2を満たす。電子線マイクロアナリ
シスにより、強磁性六方晶系フェライト粉末の強度分布
を測定することによって、磁性層の厚みムラを計測する
ことができる。b/aが上記範囲にあることは、磁性層
・非磁性層の界面変動が抑制されていることを意味し、
その結果、ビット当たりの出力変動が抑制され、その結
果ノイズが低減される。b/a値は小さいほど良いが
0.03未満に抑制できる具体的手段が見いだせていな
い。一方、0.4を越えると、磁性層・非磁性層界面変
動が大きく、ノイズが上昇して好ましくない。b/aを
制御し上記範囲にするために、磁性層の塗布は、ウェッ
ト・オン・ドライ方式で行うのが好ましい。 【0041】強磁性六方晶系フェライト粉末は、測定さ
れる抗磁力Hcが39.8〜398kA/m(500O
e〜5000Oe)程度までのものを製造することがで
きる。Hcは高い方が高密度記録に有利であるが、記録
ヘッドの能力で制限される。本発明ではHcは159〜
239kA/m(2000〜3000Oe)程度であ
り、好ましくは175〜223kA/m(2200〜2
800Oe)である。ヘッドの飽和磁束密度が1.4テ
スラーを越える場合は、159kA/m(2000O
e)以上にすることが好ましい。Hcは粒子サイズ(板
径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、
粒子生成反応条件等により制御できる。飽和磁化σsは
40〜80A・m2/kg(40〜80emu/g)で
ある。σsは高い方が好ましいが微粒子になるほど小さ
くなる傾向がある。σs改良のためマグネトプランバイ
トフェライトにスピネルフェライトを複合すること、含
有元素の種類と添加量の選択等が良く知られている。ま
たW型六方晶フェライトを用いることも可能である。 【0042】強磁性六方晶系フェライト粉末の製法とし
ては、以下のような方法があるが、本発明は製法を選ば
ない。 酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガ
ラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組
成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体と
し、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウム
フェライト結晶粉体を得るガラス結晶化法。 バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和
し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した
後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を
得る水熱反応法。 バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和
し、副生成物を除去した後乾燥し1100℃以下で処理
し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈
法。 【0043】強磁性六方晶系フェライト粉末を分散する
際に粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理し
てもよい。表面処理材は無機化合物、有機化合物が使用
される。主な化合物としてはSi、Al、P、等の化合
物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリン
グ剤が代表例である。量は磁性体に対して0.1〜10
%であることが適当である。磁性体のpHも分散に重要
である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最
適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜1
1程度が選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影
響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが通常
0.01〜2.0%が選ばれる。 【0044】[研磨剤]本発明では、磁性層に研磨剤と
して、ダイヤモンドを用いることが好ましい。ダイヤモ
ンドの少量の使用で耐久性が確保でき、磁性体凝集、他
の磁性層欠陥への悪影響が極端に少なくなる。結果的に
ノイズを格段に改良でき、更に出力も若干増加し、従来
にない優れたSN比と耐久性を両立する磁気記録媒体を
得ることができる。 【0045】研磨剤として使用するダイヤモンドは、平
均粒径が好ましくは0.02〜1.0μmで、更に好ま
しくは0.05〜0.25μmである。平均粒径が0.
02μm未満では添加量に対する耐久性向上の効果が低
くなる。1.0μmより大きいと耐久性は優れるものの
ノイズが高くなる。本発明においては、各ダイヤモンド
の最大径をもって粒径とし、平均粒径とは電子顕微鏡か
ら無作為に抽出される500個の粒子の測定値の平均値
を指す。 【0046】ダイヤモンドの添加量は、強磁性六方晶フ
ェライト粉末に対して、好ましくは0.01〜5重量
%、更に好ましくは0.03〜3.00重量%の範囲で
ある。0.01重量%未満では、耐久性の確保が困難に
なり、5重量%を越えるとダイヤモンド添加によるノイ
ズ低減効果が少なくなる。ノイズ、耐久性の観点からダ
イヤモンドの添加量及び平均粒径は、上記範囲が好まし
いが、ノイズの観点からは、ダイヤモンドの添加量はで
きるだけ少ない方が好ましく、本発明の磁気記録媒体
は、磁気記録再生装置にあったダイヤモンドの添加量、
その平均粒径を上記範囲から適宜選定することが好まし
い。 【0047】また、ダイヤモンドの粒度分布としては、
粒径が平均粒径の200%以上の粒子個数がダイヤモン
ド全個数中の5%以下であり、粒径が平均粒径の50%
以下の粒子個数がダイヤモンド全個数中の20%以下で
あることが好ましい。本発明に使用されるダイヤモンド
の粒径の最大値は、通常、3.00μm、好ましくは
2.00μm程度であり、その最小径は通常、0.01
μm、好ましくは0.02μm程度である。 【0048】粒度分布の測定は、上記の粒子径の測定の
際に平均粒径を基準にその個数を計数して求める。ダイ
ヤモンドは、その粒度分布も耐久性とノイズに影響す
る。粒度分布が上記範囲より広いと前述の平均粒径に相
当する効果がずれる。即ち、粒径が大きすぎるものが多
いとノイズを増大させたり、ヘッドを傷つけたりする。
また、微小なものが多いと研磨効果が不充分となる。ま
た、極端に粒度分布の狭いものはダイヤモンドの価格が
高くなり、上記範囲とすることがコスト的にも有利であ
る。ダイヤモンド粒子は、高硬度であり、且つ粒度分布
がシャープで微粒子のダイヤモンド粒子を使用すると従
来の研磨剤よりも含有量が少なくて同じ程度の研磨効果
を期待できるので、ノイズの観点から有利である。 【0049】更に、本発明ではダイヤモンドに、従来使
用されている研磨剤、例えば、アルミナ、SiC等の研
磨剤を併用することもできるが、ダイヤモンドに対して
500質量%以下とすることが好ましい。耐久性とSN
比への効果は、少量のダイヤモンドのみの方が良好だ
が、コスト他の理由でアルミナ、SiC等のダイヤモン
ド以外の研磨剤を加えてもよい。この場合もダイヤモン
ドを含むためにアルミナ単独で耐久性に必要な添加量よ
りもかなり減量することができ、耐久性の確保及びノイ
ズの低減の観点からも好ましい。 【0050】本発明に用いられるダイヤモンドとして
は、天然ダイヤモンドは高価であり通常人工ダイヤモン
ドが使用される。ダイヤモンドの製法としては、黒鉛と
鉄、Co、Ni等を介し高温高圧下で生成する方法、黒
鉛またはフラン樹脂炭素を高温高圧下で反応させる静的
合成法と呼ばれるものの他動的合成法、気相合成法等が
ある。本発明はダイヤモンドの製法を選ばない。工業的
には切削、研磨として使用したダイヤモンドを不純物を
弁別洗浄したものを用い、2次使用することも可能であ
る。本発明はダイヤモンド粒子の分布が上記範囲である
ことが好ましい。ダイヤモンド粒子を分級する方法とし
ては分散液から遠心力を用いる方法、特殊なメッシュフ
ィルターを用いる方法等がある。 【0051】ダイヤモンドは、上述したように他の研磨
剤を組み合わすこともできる。他の研磨剤として、上記
アルミナ研磨剤、例えば、α化率90%以上のα−アル
ミナ、β−アルミナ、その他、炭化ケイ素、酸化クロ
ム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪
素、炭化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化
珪素、窒化ホウ素、など主としてモース硬度6以上の公
知の材料が単独または組み合わせで使用される。さらに
他の研磨剤はダイヤモンドと併用せずに単独で用いても
よい。また、これらの研磨剤同士の複合体(研磨剤を他
の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これ
らの研磨剤には主成分以外の化合物または元素が含まれ
る場合もあるが主成分が90%以上であれば効果にかわ
りはない。これら研磨剤の粒子サイズは0.01〜2μ
mが好ましく、特に電磁変換特性を高めるためには、そ
の粒度分布が狭い方が好ましい。また耐久性を向上させ
るには必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組み合
わせたり、単独の研磨剤でも粒径分布を広くして同様の
効果をもたせることも可能である。タップ密度は0.3
〜2g/cc、含水率は0.1〜5%、pHは2〜1
1、比表面積は1〜30m 2/g、が好ましい。本発明
に用いられる研磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状、
のいずれでも良いが、形状の一部に角を有するものが研
磨性が高く好ましい。具体的には住友化学社製AKP−
12、AKP−15、AKP−20、AKP−30、A
KP−50、HIT20、HIT−30、HIT−5
5、HIT60、HIT70、HIT80、HIT10
0、レイノルズ社製ERC−DBM、HP−DBM、H
PS−DBM、不二見研磨剤社製WA10000、上村
工業社製UB20、日本化学工業社製G−5、クロメッ
クスU2、クロメックスU1、戸田工業社製TF10
0、TF140、イビデン社製ベータランダムウルトラ
ファイン、昭和鉱業社製B−3などが挙げられる。これ
らの研磨剤は必要に応じ非磁性層に添加することもでき
る。非磁性層に添加することで表面形状を制御したり、
研磨剤の突出状態を制御したりすることができる。これ
ら磁性層、非磁性層の添加する研磨剤の粒径、量はむろ
ん最適値に設定すべきである。 【0052】[非磁性粉末]本発明の磁気記録媒体は、非
磁性支持体上に結合剤と非磁性粉末からなる下層非磁性
層塗布層を有する。下層非磁性層に使用できる非磁性粉
体は無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブ
ラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金
属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化
物、金属炭化物、金属硫化物等が挙げられる。具体的に
は二酸化チタン等のチタン酸化物、酸化セリウム、酸化
スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO2、SiO2
Cr23、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−
アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コ
ランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシ
ウム、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、酸化銅、MgC
3、CaCO3、BaCO3、SrCO3、BaSO 4
炭化珪素、炭化チタン等が単独あるいは2種類以上の組
み合わせで使用することができる。中でも、α−酸化
鉄、酸化チタンが好ましい。非磁性粉体の形状は針状、
球状、多面体状、板状のいずれでも良い。非磁性粉末の
結晶子サイズは4nm〜1μmが好ましく、40nm〜
100nmが更に好ましい。4nm以上であると分散性
が良好であり。1μm以下であると表面平滑性が良好で
ある。これら非磁性粉末の平均粒径は5nm〜2μmが
好ましく、更に好ましくは、100〜200nmであ
り、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合
わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同
様の効果をもたせることもできる。5nm以上であると
分散性が良好であり2μm以下であると表面平滑性が良
好である。 【0053】非磁性粉末の比表面積は1〜100m2
gであることが好ましく、更に好ましくは5〜70m2
/gであり、特に好ましくは10〜65m2/gである
ことが適当である。1m2/g以上であると表面平滑性
が高く、100m2/g以下であると所望の結合剤量で
分散が可能である等、分散性が良好である。ジブチルフ
タレート(DBP)を用いた吸油量は5〜100ml/
100g、好ましくは10〜80ml/100g、更に
好ましくは20〜60ml/100gであることが適当
である。比重は1〜12、好ましくは3〜6であること
が適当であり、タップ密度は0.05〜2g/ml、好
ましくは0.2〜1.5g/mlであることが適当であ
る。0.05g/ml以上であると飛散する粒子が少な
く、2g/ml以下であると装置に固着せずいずれも操
作性が良好である。非磁性粉末のpHは2〜11である
ことが好ましく、6〜9の間が特に好ましい。pHが2
以上であると高温、高湿下での摩擦係数が小さく、pH
が11以下であると脂肪酸の遊離量が増加し、摩擦係数
が小さくなる傾向がある。 【0054】非磁性粉末の含水率は0.1〜5質量%、
好ましくは0.2〜3質量%、更に好ましくは0.3〜
1.5質量%であることが適当である。0.1質量%以
上であると分散性が良好であり、5質量%以下であると
分散後の塗料粘度が安定する傾向がある。強熱減量は2
0質量%以下であることが好ましく、強熱減量が小さい
ものが好ましい。また、非磁性粉体が無機粉体である場
合にはモース硬度は4以上、10以下のものが好まし
い。モース硬度が4より小さいと耐久性が確保できなく
なる傾向がある。非磁性粉体のステアリン酸吸着量は1
〜20μmol/m2、更に好ましくは2〜15μmo
l/m2であることが適当である。非磁性粉体の25℃
での水への湿潤熱は20〜60μJ/cm2(200〜
600erg/cm2)の範囲にあることが好ましい。
また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することがで
きる。100〜400℃での表面の水分子の量は1〜1
0個/100Åが適当である。水中での等電点のpHは
3〜9の間にあることが好ましい。 【0055】これらの非磁性粉末の表面にはAl23
SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、Zn
Oで表面処理することが好ましい。特に分散性に好まし
いものはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2であ
り、更に好ましいものはAl23、SiO2、ZrO2
ある。これらは組み合わせて使用しても良いし、単独で
用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表
面処理層を用いても良いし、先ずアルミナで処理した後
にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方
法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じ
て多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一
般には好ましい。 【0056】本発明の下層に用いられる非磁性粉末の具
体的な例としては、昭和電工製ナノタイト、住友化学製
HIT−100、ZA−G1、戸田工業社製DPN−2
50、DPN−250BX、DPN−245、DPN−
270BX、DPB−550BX、DPN−550RX
石原産業製酸化チタンTTO−51B、TTO−55
A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55
S、TTO−55D、SN−100、MJ−7、α−酸
化鉄E270、E271、E300、チタン工業製ST
T−4D、STT−30D、STT−30、STT−6
5C、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT
−150W、MT−500B、MT−600B、MT−
100F、MT−500HD、堺化学製FINEX−2
5、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同
和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロ
ジル製AS2BM、TiO2P25、宇部興産製100
A、500A、チタン工業製Y−LOPおよびそれを焼
成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉体は二
酸化チタンとα−酸化鉄である。 【0057】下層非磁性層には、非磁性粉体と共にカー
ボンブラックを混合し表面電気抵抗(Rs)を下げるこ
とができ、光透過率を小さくすることができると共に所
望のマイクロビッカース硬度を得る事ができる。下層非
磁性層のマイクロビッカース硬度は通常、25〜60k
g/mm2、好ましくはヘッドあたりを調整するため
に、30〜50kg/mm2であり、薄膜硬度計(日本
電気製 HMA−400)を用いて、稜角80度、先端
半径0.1μmのダイヤモンド製三角錐針を圧子先端に
用いて測定することができる。光透過率は一般に波長9
00nm程度の赤外線の吸収が3%以下、たとえばVH
S用磁気テープでは0.8%以下であることが規格化さ
れている。このためにはゴム用ファーネス、ゴム用サー
マル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用い
ることができる。 【0058】本発明の非磁性層に用いられるカーボンブ
ラックの比表面積は100〜500m2/g、好ましく
は150〜400m2/g、DBP吸油量は20〜40
0ml/100g、好ましくは30〜200ml/10
0gであることが適当である。カーボンブラックの粒子
径は5〜80nm、好ましく10〜50nm、更に好ま
しくは10〜40nmであることが適当である。カーボ
ンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10
%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。本発
明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としては
キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1
300、1000、900、800、880、700、
VULCAN XC−72、三菱化成工業社製#305
0B、3150B、3250B、#3750B、#39
50B、#950、#650B、#970B、#850
B、MA−600、コロンビアカーボン社製CONDU
CTEX SC、RAVEN 8800、8000、7
000、5750、5250、3500、2100、2
000、1800、1500、1255、1250、ア
クゾー社製ケッチェンブラックEC等が挙げられる。カ
ーボンブラックを分散剤等で表面処理したり、樹脂でグ
ラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化
したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラ
ックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散して
もかまわない。これらのカーボンブラックは上記無機質
粉末に対して50質量%を越えない範囲、非磁性層総質
量の40%を越えない範囲で使用できる。これらのカー
ボンブラックは単独、または組み合わせで使用すること
ができる。本発明の非磁性層で使用できるカーボンブラ
ックは例えば「カーボンブラック便覧(カーボンブラッ
ク協会編)」を参考にすることができる。 【0059】また非磁性層には有機質粉末を目的に応じ
て、添加することもできる。例えば、アクリルスチレン
系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹
脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオ
レフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリア
ミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エ
チレン樹脂も使用することができる。 【0060】本発明の磁気記録媒体において磁性層また
は下層非磁性層には、分散効果、潤滑効果、帯電防止効
果、可塑効果等を付与するための添加剤を含有しても良
い。これら添加剤としては二硫化モリブデン、二硫化タ
ングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、
シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変
性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アル
コール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグ
リコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン
酸、ベンジルホスホン酸基、フェネチルホスホン酸、α
−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネ
チルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェ
ニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−ク
ミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホ
ン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン
酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホス
ホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニ
ルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環
含有有機ホスホン酸およびそのアルカリ金属塩、オクチ
ルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオ
クチルホスホン酸、(イソ)ノニルホスホン酸、(イ
ソ)デシルホスホン酸、(イソ)ウンデシルホスホン
酸、(イソ)ドデシルホスホン酸、(イソ)ヘキサデシ
ルホスホン酸、(イソ)オクタデシルホスホン酸、(イ
ソ)エイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸およ
びそのアルカリ金属塩、燐酸フェニル、燐酸ベンジル、
燐酸フェネチル、燐酸α−メチルベンジル、燐酸1−メ
チル−1−フェネチル、燐酸ジフェニルメチル、燐酸ビ
フェニル、燐酸ベンジルフェニル、燐酸α−クミル、燐
酸トルイル、燐酸キシリル、燐酸エチルフェニル、燐酸
クメニル、燐酸プロピルフェニル、燐酸ブチルフェニ
ル、燐酸ヘプチルフェニル、燐酸オクチルフェニル、燐
酸ノニルフェニル等の芳香族燐酸エステルおよびそのア
ルカリ金属塩、燐酸オクチル、燐酸2−エチルヘキシ
ル、燐酸イソオクチル、燐酸(イソ)ノニル、燐酸(イ
ソ)デシル、燐酸(イソ)ウンデシル、燐酸(イソ)ド
デシル、燐酸(イソ)ヘキサデシル、燐酸(イソ)オク
タデシル、燐酸(イソ)エイコシル等の燐酸アルキルエ
ステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸
エステルおよびそのアルカリ金属塩、フッ素含有アルキ
ル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘ
ン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、
リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の炭素数10〜
24の不飽和結合を含んでも分岐していても良い一塩基
性脂肪酸およびこれらの金属塩、または、ステアリン酸
ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、
ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ラ
ウリル酸ブチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒ
ドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタ
ンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレ
ート等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐
していても良い一塩基性脂肪酸と炭素数2〜22の不飽
和結合を含んでも分岐していても良い1〜6価アルコー
ル、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも分岐して
いても良いアルコキシアルコールまたはアルキレンオキ
サイド重合物のモノアルキルエーテルのいずれか一つと
からなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステルまたは
多価脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、
炭素数8〜22の脂肪族アミン等が使用できる。また、
上記炭化水素基以外にもニトロ基およびF、Cl、B
r、CF3、CCl3、CBr3等の含ハロゲン炭化水素
等炭化水素基以外の基が置換したアルキル基、アリール
基、アラルキル基をもつものでも良い。また、アルキレ
ンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アル
キルフェノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン
界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アン
モニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホ
ニウムまたはスルホニウム類等のカチオン系界面活性
剤、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル基等の酸性
基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスル
ホン酸」類、アミノアルコールの硫酸またはリン酸エス
テル類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤等も使
用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性
剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されて
いる。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも純粋で
はなく主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解
物、酸化物等の不純分が含まれても構わない。これらの
不純分は30質量%以下が好ましく、更に好ましくは1
0質量%以下である。 【0061】これらの具体例としては、日本油脂社製:
NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、
カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−2
08、アノンBF、アノンLG、竹本油脂社製:FAL
−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジエ
ルブOL、信越化学社製:TA−3、ライオンアーマー
社製:アーマイドP、ライオン社製、デュオミンTD
O、日清製油社製:BA−41G、三洋化成社製:プロ
フアン2012E、ニューポールPE61、イオネット
MS−400等が挙げられる。 【0062】本発明で使用されるこれらの分散剤、潤滑
剤、界面活性剤は非磁性層、磁性層でその種類、量を必
要に応じ使い分けることができる。例えば、無論ここに
示した例のみに限られるものではないが、分散剤は極性
基で吸着もしくは結合する性質を有しており、磁性層に
おいては主に強磁性粉末の表面に、非磁性層においては
主に非磁性粉末の表面に前記の極性基で吸着もしくは結
合し、一度吸着した有機燐化合物は金属あるいは金属化
合物等の表面から脱着しがたいと推察される。従って、
本発明の強磁性粉末表面または非磁性粉末表面は、アル
キル基、芳香族基等で被覆されたような状態になるの
で、強磁性粉末または非磁性粉末の結合剤樹脂成分に対
する親和性が向上し、更に強磁性粉末あるいは非磁性粉
末の分散安定性も改善される。また、潤滑剤としては遊
離の状態で存在するため非磁性層、磁性層で融点の異な
る脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御する、沸点や
極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制
御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を
向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑
効果を向上させる等が考えられる。また本発明で用いら
れる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性層あるいは
下層用の塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよ
い。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、
強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場
合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、
塗布直前に添加する場合等がある。以上の材料により調
製した塗布液を非磁性支持体上に塗布して非磁性層また
は磁性層を形成する。 【0063】[非磁性支持体]本発明に用いることのでき
る非磁性支持体としては、二軸延伸を行ったポリエチレ
ンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリア
ミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミ
ド、ポリベンズオキシダゾール等の公知のものが使用で
きる。好ましくはポリエチレンナフタレート、芳香族ポ
リアミドである。これらの非磁性支持体はあらかじめコ
ロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理等を行っ
ても良い。また本発明に用いることのできる非磁性支持
体は中心線平均表面粗さがカットオフ値0.25mmに
おいて0.1〜20nm、好ましくは1〜10nmの範
囲という優れた平滑性を有する表面であることが好まし
い。また、これらの非磁性支持体は中心線平均表面粗さ
が小さいだけでなく1μ以上の粗大突起がないことが好
ましい。得られた支持体の算術平均粗さは(Ra)の値
[JIS B0660−1998、ISO 4287−
1997]で0.1μm以下であることが、得られた磁
気記録媒体のノイズが小さくなるので好ましい。本発明
の磁気記録媒体における非磁性支持体の厚みは、3〜8
0μmであることが好ましい。 【0064】[バックコート層、下塗り層]本発明で用い
る非磁性支持体の磁性塗料が塗布されていない面にバッ
クコート層(バッキング層)が設けられていてもよい。
バックコート層は、非磁性支持体の磁性塗料が塗布され
ていない面に、研磨材、帯電防止剤等の粒状成分と結合
剤とを有機溶剤に分散したバックコート層形成塗料を塗
布して設けられた層である。粒状成分として各種の無機
顔料やカーボンブラックを使用することができ、また結
合剤としてはニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化
ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれ
らを混合して使用することができる。本発明の非磁性支
持体の磁性塗料およびバックコート層形成塗料の塗布面
に接着剤層が設けられていてもよい。また、本発明の磁
気記録媒体においては、下塗り層を設けても良い。下塗
り層を設けることによって支持体と磁性層または下層非
磁性層との接着力を向上させることができる。下塗り層
としては、溶剤への可溶性のポリエステル樹脂が使用さ
れる。下塗り層は、例えば厚さ0.5μm以下のものを
用いることができる。 【0065】[製造方法]本発明の磁気記録媒体の製造方
法は例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性塗
布液を所定の膜厚となるように塗布する。ここで複数の
磁性層塗布液を逐次または同時に重層塗布してもよく、
非磁性層塗布液と磁性層塗布液とを逐次または同時に重
層塗布してもよい。上記磁性塗布液または非磁性層塗布
液を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、
ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナ
イフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロ
ールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコ
ート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、
スピンコート等が利用できる。 これらについては例え
ば株式会社総合技術センター発行の「最新コーティング
技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。本発
明の磁気記録媒体に適用する場合、塗布する装置、方法
の例として以下のものを提案できる。 (1)磁性層塗布液の塗布で一般的に適用されるグラビ
ア、ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装
置により、まず下層を塗布し、下層が未乾燥の状態のう
ちに特公平1-46186号公報、特開昭60-2381
79号公報、特開平2-265672号公報等に開示さ
れているような支持体加圧型エクストルージョン塗布装
置により、上層を塗布する。 (2)特開昭63-88080号公報、特開平2-179
71号公報、特開平2-265672号公報に開示され
ているような塗布液通液スリットを2個有する一つの塗
布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。 (3)特開平2-174965号公報に開示されている
ようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗
布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。 【0066】本発明の磁気記録媒体の磁性層の厚みは、
0.01〜0.20μmであり、好ましくは0.05μ
m〜0.15μmであり、更に好ましくは0.10〜
0.15μmである。磁性層の厚みは、用いるヘッドの
飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により
最適化される。磁性層を異なる磁気特性を有する2層以
上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構
成が適用できる。この極薄層の磁性層を安定的に塗布す
るには支持体上に無機粉末を含有する下層非磁性層を介
在させて、その上に磁性層を下層が湿潤状態の内に上層
を設けるウェット・オン・ウェット(W/W)方式で
も、下層が乾燥した後に上層を設けるウェット・オン・
ドライ(W/D)方式でも形成できる。なかでも、W/
D方式は上層と下層の界面の変動が少なくし、結果とし
てノイズの抑制ができ、S/N特性が向上し、好まし
い。磁性層塗布液の塗布層は、磁気テープの場合磁性層
塗布液の塗布層中に含まれる強磁性粉末にコバルト磁石
やソレノイドを用いて長手方向に磁場配向処理を施す。
ディスクの場合、配向装置を用いず無配向でも十分に等
方的な配向性が得られることもあるが、コバルト磁石を
斜めに交互に配置すること、ソレノイドで交流磁場を印
加する等公知のランダム配向装置を用いることが好まし
い。強磁性粉末として六方晶フェライトを用いる本発明
の場合は、一般的に面内および垂直方向の3次元ランダ
ムになりやすいが、面内2次元ランダムとすることも可
能である。また異極対向磁石等公知の方法を用い、垂直
配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与す
ることもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向
が好ましい。また、スピンコートを用い円周配向しても
よい。乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで
塗膜の乾燥位置を制御できる様にすることが好ましく、
塗布速度は20m/分〜1000m/分、乾燥風の温度
は60℃以上が好ましい。また磁石ゾーンに入る前に適
度の予備乾燥を行うこともできる。乾燥された後、塗布
層に表面平滑化処理を施すことができる。表面平滑化処
理には、例えばスーパーカレンダーロール等が利用する
ことができる。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥
時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の
強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高
い磁気記録媒体を得ることができる。カレンダー処理ロ
ールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリ
アミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する
ことができる。また金属ロールで処理することもでき
る。本発明の磁気記録媒体は、表面の中心線平均粗さ
が、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜4n
m、好ましくは1〜3nmの範囲という極めて優れた平
滑性を有する表面であることが好ましい。その方法とし
て、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合剤を
選んで形成した磁性層を上記カレンダー処理を施すこと
により行われる。カレンダー処理条件としては、カレン
ダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好ましくは
70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃
の範囲であり、圧力は100〜500kg/cmの範囲
であり、好ましくは200〜450kg/cmの範囲で
あり、特に好ましくは300〜400kg/cmの範囲
の条件で作動させることによって行われることが好まし
い。得られた磁気記録媒体は、裁断機等を使用して所望
の大きさに裁断して使用することができる。本発明の磁
気記録媒体は、本発明の磁性層に用いられる磁性体の粒
子サイズが極めて小さいこと、および結合剤が親水性極
性基を極めて多く含むことにより、磁性体表面の吸着
水、塗布液溶剤中の微量の水分を保持し易い。このた
め、磁性層乾燥後も結合剤が塑性流動し易く、カレンダ
ー工程での成形性が向上するものと考えられる。 【0067】 【実施例】以下に、結合剤として使用するポリウレタン
樹脂の合成例、及びこれらの樹脂を用いた具体的実施例
ならびに比較例をあげるが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。尚、実施例中の「部」の表示は
特に断らない限り「質量部」を示す。 【0068】合成例PUA−1(ポリウレタン樹脂PU
A−1の合成) 温度計、撹拌機、還流式冷却器を具備し予め窒素置換し
た容器に、表1に示した組成のポリエーテルポリオール
と環状構造を有する短鎖ジオールをシクロヘキサノン3
0%溶液に窒素気流下60℃で溶解した。次いで触媒と
してジブチルスズラウレート60ppmを加え更に15
分間溶解した。更に、表1に示した有機ジイソシアネー
ト化合物を加え6時間加熱反応し、ポリウレタン樹脂P
UA−1を得た。得られたポリウレタン樹脂PUA−1
の親水性極性基(−SO3Na)含有量は0.287m
eq/gであった。 【0069】合成例PUA−2、PUA−3、PUC−
1、PUC−2(ポリウレタンPUA−2、PUA−
3、PUC−1、PUC−2の合成) 合成例PUA−1と同様にして、表1に示される鎖延長
剤、有機ジイソシアネート化合物を用い、ポリウレタン
PUA−2、PUA−3、PUC−1、PUC−2を得
た。各ポリウレタンの親水性極性基含有量を表1に示
す。 【0070】合成例PUB−1(ポリウレタン樹脂PU
B−1の合成) <ポリエステルポリオールAの合成>温度計、撹拌機、
還流式冷却器を取り付けた反応容器にアジピン酸365
部、ネオペンチルグリコール260部を仕込み、触媒と
して酢酸亜鉛2質量%、酢酸ナトリウム3質量%を仕込
み180℃〜220℃で3時間エステル交換反応を行
い、220℃〜280℃で1〜10mmHgの減圧下で
2時間重縮合反応を行った。このようにしてポリエステ
ルポリオールAを得た。 <ポリウレタン樹脂PUB−1の合成>次いで、上記で
得られたポリエステルポリオールを用い実施例PUA−
1と同様にして表1に示した鎖延長剤、有機ジイソシア
ネート化合物を用いポリウレタン樹脂PUB−1を得
た。得られたポリウレタン樹脂PUB−1の親水極性基
含有量は0.824meq/gであった。 【0071】合成例PUB−2〜−7(ポリウレタンP
UB−2〜−7の合成) 合成例PUB−1と同様にして、表1に示されるポリエ
ステルA、鎖延長剤、有機ジイソシアネート化合物を用
い、ポリウレタン樹脂PUB−2、−3、−4、−5、
−6、−7を得た。各ポリウレタン樹脂の親水性極性基
含有量は表1に示す。 【0072】 【表1】【0073】サンプル1の作成 下記磁性塗料Aと非磁性塗料aのそれぞれについて、各
成分をニーダで混練したのち、サンドミルをもちいて分
散させた。得られた磁性液Aと非磁性塗料の分散液にポ
リイソシアネートを非磁性層の塗布液には13部、磁性
塗料Aの塗布液には4部を加え、さらにそれぞれにシク
ロヘキサノン30部を加え、1μmの平均孔径を有する
フィルターを用いて濾過し、非磁性層形成用および磁性
層形成用の塗布液をそれぞれ調製した。得られた非磁性
層塗布液を、厚さ62μmで中心面平均表面粗さが3n
mのポリエチレンテレフタレート支持体上に乾燥後の厚
さが1.5μmになるように塗布し乾燥後に、磁性層の
厚さが0.1μmになるように重層塗布をおこない、乾
燥後、7段のカレンダーで温度90℃、線圧300kg
/cmにて処理を行い、3.7吋に打ち抜き表面研磨処
理施した。 【0074】サンプル2の作成 磁性塗料Aの代わりに磁性塗料B、非磁性塗料aの代わ
りに非磁性塗料bを採用したこと以外はサンプル1と同
様な方法でサンプル2を作成した。 【0075】サンプル3〜13の作成 磁性塗料及び非磁性塗料中に添加するポリウレタン樹脂
を表2に示すように変更し、サンプル2と同様な方法で
サンプル3〜14を作成した。 【0076】サンプル14 サンプル4と同様な方法で磁性塗料と非磁性塗料を調製
し、得られた非磁性層塗布液を、乾燥後の厚さが1.5
μmになるようにさらにその直後にその上に磁性層の厚
さが0.1μmになるように、厚さ62μmで中心面平
均表面粗さが3nmのポリエチレンテレフタレート支持
体上に同時重層塗布をおこない、両層がまだ湿潤状態に
あるうちに、ランダム配向処理をおこない乾燥後、7段
のカレンダーで温度90℃、線圧300kg/cmにて
処理を行い、3.7吋に打ち抜き表面研磨処理施した。 【0077】サンプル15 磁性塗料として磁性塗料B、非磁性塗料として非磁性塗
料aを採用したこと以外はサンプル1と同様な方法でサ
ンプル15を作成した。 【0078】サンプル16〜19 磁性塗料中の六方晶フェライトの平均板径を25nmか
ら表2に記載されている平均板径に変更した以外はサン
プル4と同様な方法でサンプル16〜19を作成した。 【0079】サンプル20、21 磁性層厚を表2に示したような値に変更した以外は、サ
ンプル4と同様な方法でサンプル20、21を作成し
た。 【0080】 (磁性塗料A) 六方晶バリウムフェライト 100部 表面処理:Al23 5質量%、SiO2 2質量% Hc:2500Oe 板径:25nm 板状比:3 σs:56emu/g 塩化ビニル共重合体 7部 MR110(日本ゼオン社製) ポリウレタン樹脂 3部 UR8200(東洋紡社製) α−アルミナ 4部 HIT60(住友化学社製) ダイヤモンド(平均粒径100nm) 2部 カーボンブラック #50(旭カーボン社製) 1部 イソセチルステアレート 5部 ステアリン酸 1部 オレイン酸 1部 メチルエチルケトン 80部 シクロヘキサノン 120部 【0081】 (磁性塗料B) 六方晶バリウムフェライト 100部 表面処理:Al23 5質量%、SiO2 2質量% Hc:2500Oe 板径:25nm 板状比:3 σs:56emu/g ポリウレタン樹脂PUA−1 10部 α−アルミナ 4部 HIT60(住友化学社製) ダイヤモンド(平均粒径100nm) 2部 カーボンブラック 1部 #50(旭カーボン社製) イソセチルステアレート 5部 ステアリン酸 1部 オレイン酸 1部 メチルエチルケトン 80部 シクロヘキサノン 120部 【0082】 (非磁性塗料a) α−Fe23 ヘマタイト 100部 長軸長 0.07μm、短軸長 0.014μm BET法による比表面積 55m2/g pH9、表面処理剤Al23 8質量% カーボンブラック(平均粒径20nm) 25部 コンダクテックスSC−U(コロンビアンカーボン社製) 塩化ビニル共重合体 MR104(日本ゼオン社製) 15部 ポリウレタン樹脂 UR5500(東洋紡社製) 7部 フェニルホスホン酸 4部 イソセチルステアレート 6部 オレイン酸 1.3部 ステアリン酸 1.3部 メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(8/2混合溶剤) 250部 【0083】 (非磁性塗料b) α−Fe23 ヘマタイト 100部 長軸長 0.07μm、短軸長 0.014μm BET法による比表面積 55m2/g pH 9、表面処理剤Al23 8質量% カーボンブラック 25部 コンダクテックスSC−U(コロンビアンカーボン社製) ポリウレタン樹脂PUA−1 22部 フェニルホスホン酸 4部 イソセチルステアレート 6部 オレイン酸 1.3部 ステアリン酸 1.3部 メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(8/2混合溶剤) 250部 【0084】以上作成したサンプル1〜21について、
下記する方法でa/b(電子線マイクロアナリシスによ
る上記強磁性六方晶系フェライト粉末に起因する元素の
平均強度aに対する該強度の標準偏差bの比)、S/
N、走行耐久性、およびMRヘッド出力低下について測
定、評価した。結果を表2に示した。 【0085】−b/a値の測定− 島津社製EPMA−1600を使用し、電子ビーム加速
電圧15kV、30nA、ビーム径1μmφの条件で磁
性層表面から100×100μmの範囲を少なくとも5
00×500画素で目的の元素の強度マッピング測定し
た。本実施例ではBaを磁性層固有の元素として選択し
た。得られた元素強度マッピングの結果において強度を
256段階に分割し、ZEISS製画像解析装置KS4
00にて強度分布の標準偏差(b)及び、平均値(a)
を求め、b/a値を算出した。 【0086】−評価− (1)S/Nの測定 S/Nの測定は、米国GUZIK社製のRWA1001
型ディスク評価装置及び協同電子システム(株)製スピ
ンスタンドLS−90にて、トラック幅5μmでギャッ
プ長0.2μmのメタルインギャップヘッド用い、半径
24.6mmの位置において線記録密度100KFCI
の信号を書き込み、トラック幅が2.6μmのMRヘッ
ドで再生し、その再生出力(TAA)とDCイレーズ後
のノイズレベルを測定し、S/N値を求めた。 【0087】(2)走行耐久性の評価 フロッピー(登録商標)ディスクドライブ(米国Iom
ega社製 ZIP100:回転数2968rpm)を
用い半径38mm位置にヘッドを固定し記録密度34K
FCIで記録を行った後その信号を再生し100%とし
た。その後、図1に示されるフローを1サイクルとする
サーモサイクル環境で1500時間走行させた。走行2
4時間おきに出力をモニターしその出力が初期の値の7
0%以下となった時点をNGとした。 【0088】(3)MRヘッド出力低下の測定方法 S/N測定で使用したMRヘッドと各サンプルを接触さ
せた状態で40℃80%環境下に1週間保存し、保存前
後で各サンプルのMRヘッドでの出力を測定し、出力の
低下分を算出した。 【0089】 【表2】【0090】表2から、本発明の磁気記録媒体サンプル
は、S/Nおよび走行耐久性に優れ、MRヘッド出力低
下が少ないことが分かる。一方、比較サンプルは、総じ
てS/Nに劣り、MRヘッドの出力低下が大きいことが
分かる。結合剤として極性基を有さないポリウレタン樹
脂を磁性層に用いた比較サンプル1は、走行耐久性も含
め上記特性全てに劣る。また、極性基を有するポリウレ
タン樹脂を用いている場合でも、その含有量が本発明の
範囲から外れた比較サンプル(4,5,8,13)は、
b/aの値も0.4を超え本発明の範囲から外れる傾向
が見られ、磁性粉末の分散性が悪く磁性層に厚みムラが
生じていると考えられる。さらに比較サンプル14か
ら、塗布方式としては、ウェット・オン・ドライ方式が
好ましいと言える。 【0091】 【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、媒体ノイズが
小さく電磁変換特性が改良されており、しかも走行耐久
性および保存安定性にも優れる。従って、本発明の磁気
記録媒体は高密度記録に好適である。
【図面の簡単な説明】 【図1】走行耐久性の評価におけるサーモサイクルフロ
ーを示す説明図である。
フロントページの続き (72)発明者 斉藤 真二 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 5D006 BA06 BA08 BA15 BA19

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 非磁性支持体上の少なくとも一方の面
    に、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層と、強磁性
    粉末として強磁性六方晶系フェライト粉末および結合剤
    を含む磁性層とをこの順に有する磁気記録媒体であっ
    て、(1)磁性層の厚さが、0.20μm以下0.01
    μm以上であり、(2)磁性層に含有される強磁性六方
    晶系フェライト粉末の平均板径が、10〜40nmであ
    り、(3)電子線マイクロアナリシスによる上記強磁性
    六方晶系フェライト粉末に起因する元素の平均強度aに
    対する該強度の標準偏差bが、0.03≦b/a≦0.
    4を満たし、かつ(4)磁性層中に含有される結合剤
    が、−SO3M、−OSO3M、−PO(OM)2、−O
    PO(OM)2および−COOM(Mは水素原子、アル
    カリ金属またはアンモニウムを表す)から選ばれる少な
    くとも一種の極性基を0.2〜0.7meq/g含有す
    るポリウレタン樹脂である、ことを特徴とする磁気記録
    媒体。
JP2001338166A 2001-11-02 2001-11-02 磁気記録媒体 Pending JP2003141710A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001338166A JP2003141710A (ja) 2001-11-02 2001-11-02 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001338166A JP2003141710A (ja) 2001-11-02 2001-11-02 磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003141710A true JP2003141710A (ja) 2003-05-16

Family

ID=19152699

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001338166A Pending JP2003141710A (ja) 2001-11-02 2001-11-02 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003141710A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007114393A1 (ja) * 2006-03-30 2007-10-11 Fujifilm Corporation 磁気記録媒体、磁気信号再生システムおよび磁気信号再生方法
JP2009007459A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd 有機ポリイソシアネート組成物、並びにそれを用いた塗料組成物及び接着剤組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007114393A1 (ja) * 2006-03-30 2007-10-11 Fujifilm Corporation 磁気記録媒体、磁気信号再生システムおよび磁気信号再生方法
JP2009007459A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd 有機ポリイソシアネート組成物、並びにそれを用いた塗料組成物及び接着剤組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007273036A (ja) 磁気記録媒体
JP2005129139A (ja) 磁気記録媒体
US7128989B2 (en) Magnetic recording medium
US6677036B2 (en) Method for producing magnetic recording medium and magnetic recording medium
US7282279B2 (en) Magnetic recording medium including a radiation-cured material layer having a specified structure and composition
JP2007087442A (ja) 磁気記録媒体
US6623849B2 (en) Magnetic recording medium
US6686073B2 (en) Magnetic recording medium containing specific binder in the magnetic layer and the lower non-magnetic layer
US6780503B2 (en) Magnetic recording medium
JP2003141710A (ja) 磁気記録媒体
JP4034575B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2006309818A (ja) 磁気記録媒体
JP2007265487A (ja) 磁気記録媒体
JP2005129150A (ja) 磁気記録媒体
JP2004296010A (ja) 磁気記録媒体
JP4273992B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2002329313A (ja) 磁気記録媒体
JP2005129141A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JP4228952B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2001023146A (ja) 磁気記録媒体
JP3919507B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2006099921A (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生方法
JP2004295926A (ja) 磁気記録媒体
JP2009087443A (ja) 磁気記録媒体
JP2002050022A (ja) 磁気記録媒体