JP2003139214A - ボールねじ - Google Patents

ボールねじ

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JP2003139214A JP2001335183A JP2001335183A JP2003139214A JP 2003139214 A JP2003139214 A JP 2003139214A JP 2001335183 A JP2001335183 A JP 2001335183A JP 2001335183 A JP2001335183 A JP 2001335183A JP 2003139214 A JP2003139214 A JP 2003139214A
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孝文 吉田
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Takeshi Ishiwada
健 石和田
Satoru Matsuo
松尾  識
Kazukiyo Kono
和清 河野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】取付け時の許容誤差の範囲が広く、寿命が長い
ボールねじを得る。 【解決手段】外周面に螺旋状の第1溝5を有するねじ軸
2と、ねじ軸2に外嵌され、内周面に螺旋状の第2溝4
を有するナット1と、第1溝5に取り付けられ、第1溝
5からはみ出している凸部を有する調心弾性体7と、第
2溝4とその凸部とで形成される通路を転動するボール
6とを具備するボールねじを用いる。ここで、調心弾性
体7は、第1溝5を埋めるような螺旋状の形状を有し、
また、第1溝5内において可動である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールねじに関
し、特に、過大な力や不均一な圧力、荷重の発生を抑制
するボールねじに関する。
【0002】
【従来の技術】ボールねじは、回転運動を直線運動に換
えて部品の位置を移動させる目的に用いる送りねじであ
り、ねじ軸とナットがボール(鋼球)を介して作動する
機械部品である。ねじ軸とナットの相対回転に伴って、
ねじ溝の中でボールが転動しながら無限循環する。ボー
ルねじは、機械効率と負荷容量と作動長期安定性の点で
優れている。数値制御工作機械の普及に伴い、その重要
性は更に増している。
【0003】ボールねじは、ねじ軸とナットの中心軸を
正確に合わせて使用することが、位置精度や寿命などの
点で必要である。特にボールねじの据付け時に、正確に
取り付けることが重要である。しかし、ねじ軸とナット
の中心軸のずれの許容範囲は、10−4rad.以下
(〜10−2deg.以下)と非常に小さく、かつ、そ
のねじ軸が非常に長いため、正確な取り付けは容易では
無い。取付け誤差が生じた場合、ボール、ねじ軸及びナ
ットに対して過大な面圧が生じ、ボールねじ駆動の障害
になる他、ボールねじの寿命が低減することになる。
【0004】また、ボールねじに対して、著しく不均一
な負荷がかかる場合も同様に、ねじ軸とナットの中心軸
がずれ、ボール、ねじ軸及びナットに対して過大な面圧
が生じ、ボールねじ駆動の障害になる他、ボールねじの
寿命が低減することになる。
【0005】ボールねじの駆動が長期間安定な寿命の長
いボールねじが求められている。また、荷重に強いボー
ルねじが求められている。取付け誤差や負荷方向のずれ
等に対して、鈍感なボールねじが求められている。そし
て、ねじ軸とナットの中心軸のずれの許容範囲の広い
(例えば10−3〜10−2rad.以下)ボールねじ
が求められている。更に、荷重(面圧)を平均的にボー
ルに伝達するボールねじが求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、長期にわたり使用することが可能な寿命の長いのボ
ールねじを提供することである。
【0007】また、本発明の他の目的は、誤差鈍感型の
ボールねじを提供することである。
【0008】本発明の更に他の目的は、ナットの中心軸
とねじ軸の中心軸とのずれの許容範囲の広いボールねじ
を提供することである。
【0009】本発明の別の目的は、ナットに加わる荷重
に対して強いボールねじを提供することである。
【0010】また、本発明の更に別の目的は、ナットに
加わる荷重を平均化してボールに伝えるボールねじを提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】以下に、[発明の実施の
形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決す
るための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特
許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]との対応
関係を明らかにするために付加されたものである。ただ
し、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載
されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならな
い。
【0012】従って、上記課題を解決するために、本発
明のボールねじは、外周面に螺旋状の第1溝(5)を有
するねじ軸(2)と、ねじ軸(2)に外嵌され、内周面
に螺旋状の第2溝(4)を有するナット(1)と、第1
溝(5)に取り付けられ、第1溝(5)からはみ出して
いる凸部を有する調心弾性体(7,8)と、第2溝
(4)とその凸部とで形成される通路を転動するボール
(6)とを具備する。
【0013】また、本発明のボールねじは、調心弾性体
(7,8)が、第1溝(5)を埋めるような螺旋状の形
状を有する。
【0014】また、本発明のボールねじは、調心弾性体
(7,8)が、第1溝(5)内において可動である。
【0015】更に、本発明のボールねじは、調心弾性体
(8)が、ねじ軸(2)との間で空間を形成する。
【0016】更に、本発明のボールねじは、外周面に螺
旋状の第1溝(5)を有するねじ軸(2)と、ねじ軸
(2)に外嵌され、内周面に螺旋状の第2溝(4)を有
するナット(1)と、第2溝(4)に取り付けられ、第
2溝(4)からはみ出している凸部を有する調心弾性体
(7,8)と、第1溝(5)とその凸部とで形成される
通路を転動するボール(6)とを具備する。
【0017】更に、本発明のボールねじは、調心弾性体
(7,8)が、第2溝(4)を埋めるように螺旋状の形
状を有する。
【0018】更に、本発明のボールねじは、調心弾性体
(7,8)が、第2溝(4)内において可動である。
【0019】更に、本発明のボールねじは、調心弾性体
(8)が、ナット(1)との間で空間を形成する。
【0020】更に、本発明のボールねじは、調心弾性体
(7,8)が、内部に空間を含む。
【0021】更に、本発明のボールねじは、外周面に螺
旋状の第1溝(5)を有するねじ軸(2)と、ねじ軸
(2)に外嵌され、内周面に螺旋状の第2溝(4)を有
するナット(1)と、第1溝(5)と第2溝(4)とで
形成される通路を転動するボール(6)とを具備し、ね
じ軸(2)は、その外周面に、第1溝(5)に沿うよう
螺旋状に形成された第3溝(9)を更に有する。
【0022】更に、本発明のボールねじは、外周面に螺
旋状の第1溝(5)を有するねじ軸(2)と、ねじ軸
(2)に外嵌され、内周面に螺旋状の第2溝(4)を有
するナット(1)と、第1溝(5)と第2溝(4)とで
形成される通路を転動するボール(6)とを具備し、ナ
ット(1)は、その内周面に第2溝(4)に沿うよう螺
旋状に形成された第4溝(9)を更に有する。
【0023】更に、本発明のボールねじは、外周面に螺
旋状の第1溝(5)を有するねじ軸(2)と、荷重を負
荷されるフランジ部(1−2)とフランジ部(1−2)
の一方の面に同体に接合された胴体部(1−1)とを有
し、ねじ軸(2)に外嵌され、内周面に螺旋状の第2溝
(4)を有するナット(1)と、第1溝(5)と第2溝
(4)とで形成される通路を転動するボール(6)とを
具備し、胴体部(1−1)の肉厚は、その荷重によりボ
ール(6)が受ける玉荷重が最小となる第2溝(4)近
傍において最大となる。
【0024】更に、本発明のボールねじは、その荷重
が、フランジ部(1−2)に対して胴体部(1−1)と
反対側の面(3−1)から負荷される場合、その肉厚
は、胴体部(1−1)において、ねじ軸(2)の中心軸
方向の中間近傍において最大となる。
【0025】更に、本発明のボールねじは、その荷重
が、フランジ部(1−2)に対して胴体部(1−1)と
同じ側の面(3−2)から負荷される場合、その肉厚
は、胴体部(1−1)とフランジ部(1−2)との接合
部近傍において最大となる。
【0026】更に、本発明のボールねじは、外周面に螺
旋状の第1溝(5)を有するねじ軸(2)と、荷重を負
荷されるフランジ部(31−2)とフランジ部(31−
2)の一方の面に同体に接合された胴体部(31−1)
とを有し、ねじ軸(2)に外嵌され、内周面に螺旋状の
第2溝(4)を有するナット(31)と、第1溝(5)
と第2溝(4)とで形成される通路を転動するボール
(6)とを具備し、胴体部(31−1)の肉厚は、フラ
ンジ部(31−2)と胴体部(31−1)との接合部近
傍が、他の胴体部(31−1)よりも薄い。
【0027】更に、本発明のボールねじは、胴体(31
−1)部が、接合部近傍(31−4)で括れている。
【0028】更に、本発明のボールねじは、接合部近傍
(31−4)が、概ねねじ軸(2)の中心軸に垂直な方
向に向かう複数の孔(31−5)を有する。
【0029】更に、本発明のボールねじは、ボール(1
6)が、内部に空間を有する。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明であるボールねじの
実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。な
お、各実施の形態において同一又は相当部分には同一の
符号を付して説明する。
【0031】図1は、本発明であるボールねじの実施の
形態に関わる、ボールねじの基本的な構成を示す斜投影
図である。ただし、図1については、ボールねじの基本
構成を示したものであり、本発明の詳細構成については
省略している。また、ボール(鋼球)については、省略
している。ここで、ねじ軸2の中心軸をx軸(図面に平
行)とし、x軸と垂直で、互いに垂直な2軸の内、図面
に平行な方向をz軸とし、他をy軸とする(他の図面に
ついて同様)。例えば、図2では、y軸は図面に垂直に
なる。
【0032】ボールねじは、胴体部1−1とフランジ部
1−2とを有するナット1及びねじ軸2を具備する。ナ
ット1は、ねじ軸2に螺合(外嵌)している。
【0033】また、図2は、本発明であるボールねじの
実施の形態に関わる、ボールねじの基本的な構成を示す
図である。ただし、図2については、ボールねじの基本
構成を示したものであり、本発明の詳細構成については
省略している。また、ボール(鋼球)についても、省略
している。
【0034】図2を参照して、ボールねじの基本的な構
成について説明する。ボールねじは、胴体部1−1とフ
ランジ部1−2とを有するナット1及びねじ軸2を具備
する。
【0035】ナット1は、円柱形状を有する胴体部1−
1と、胴体部1−1よりも半径の大きな円盤形状を有す
るフランジ部1−2とが、同軸を成して同体に接合され
た構造を有する。そして、その内部に、ねじ軸2(後
述)に螺合(外嵌)可能な円筒状の空間3−3を有して
いる。その空間の内周面には、螺旋状の第2溝としての
案内溝4(−1〜8)を有する。図2で示される各案内
溝4は、案内溝4−1−案内溝4−2−案内溝4−3−
案内溝4−4−案内溝4−5−案内溝4−6−案内溝4
−7−案内溝4−8とひとつながりの溝である。材料
は、SUJ2やSCM材等を使用する。フランジ部1−
2の内、胴体部1−1と接合していない面を第1荷重面
3−1、その裏面(胴体部1−1と接合している側)で
あって胴体部1−1が存在していない面を第2荷重面3
−2と記すことにする。材料は、SUJ2やSCM材等
を使用する。
【0036】ねじ軸2は、円柱形状を有する。そして、
その外周面に螺旋状の第1溝としての螺旋溝5(−1〜
5)を有する。図2で示される各螺旋溝は、螺旋溝5−
1−螺旋溝5−2−螺旋溝5−3−螺旋溝5−4−螺旋
溝5−5とひとつながりの溝である。図では、ナット1
のある付近のみを示している。材料は、SUJ2やSC
M材等を使用する。
【0037】ねじ軸2は、ナット1の空間3−3を貫通
し、ナット1と螺合(嵌合)している。このとき、ねじ
軸2の中心軸とナット1の中心軸とのずれが、角度にし
て10−4rad.以下であることが好ましい(ただ
し、両中心軸がねじれの位置の関係にある場合は、例え
ば、xy平面、yz平面及びzx平面に射影した両中心
軸の角度の内の最大値とする)。より好ましくは、合致
していることである。
【0038】ボール(6:図示せず)は、鋼製、セラミ
ック製(例示:Si)の球である。案内溝4及び
螺旋溝5の内の少なくとも一方を有する通路を転動し、
ナット1内にあるボールを循環させるための戻り孔(図
示せず)を通り、無限循環可能である。例えば、転動し
て案内溝4−1に達したボールは、戻り孔を経由して、
案内溝4−8に移動し、そこから再び通路(案内溝4や
螺旋溝5など)を移動する。逆も可能である。ボール
は、例えば、一つのボールねじで50〜500個程度あ
り、通路上を並んで移動する。
【0039】(実施例1)次に、本発明のボールねじの
第1の実施の形態について説明する。まず、本発明のボ
ールねじの第1の実施の形態の構成について、図面を参
照して説明する。基本的なナット1及びねじ軸2の構成
は、図1及び図2に示した通りである。図3は、本発明
のボールねじの第1の実施の形態の構成を示す断面図で
ある。ボールねじは、案内溝4−3/4−5を有するナ
ット1、螺旋溝5−2/5−3を有するねじ軸2、ボー
ル6、調心弾性体7−2/7−3とを具備する。なお、
本図は、ねじ軸2の中心軸に対して、片方の側の断面の
一部(案内溝4−3/4−5、螺旋溝5−2/5−3付
近のみ)を示している。
【0040】ナット1は、図2で説明したものと同様で
ある。ただし、ナット1全体が、x軸方向であってフラ
ンジ部1−2の方向にややずれている(ボール半個分程
度)点が図2と異なる。また、本実施例では、螺旋方向
に垂直な方向の案内溝4の断面は、概ね半円形状を有す
る。
【0041】ねじ軸2は、図2で説明したものと同様で
ある。ただし、螺旋溝5中に、調心弾性体(後述)が設
置されている点が図2と異なる。また、本実施例では、
螺旋方向に垂直な方向の螺旋溝5の断面は、概ね半円形
状を有する。
【0042】ボール6は、既述のものと同様である。た
だし、案内溝4と調心弾性体7(の凸部)(とねじ軸2
の螺旋溝5近傍の側面)とで形成される通路を転動する
点が図2と異なる。
【0043】調心弾性体7(−1〜5)は、螺旋溝5
(−1〜5)を埋めるように螺旋状の形状を有し、か
つ、螺旋溝5からはみだしている凸部(螺旋全体に存
在)を有する弾性体である。本実施例において、調心弾
性体7の螺旋方向に垂直な方向の断面は、螺旋溝5を埋
める螺旋溝5の断面と同様の半円形状(直径は螺旋溝5
と等しいかやや小さい)の部分と、螺旋溝5から突き出
た凸部である山型(富士山型)形状(ただし、山型形状
における山の稜線部分は、ボール6の曲率と概ね等し
い)の部分とが一体となった形状を有する。従って、調
心弾性体7は、半円形部分で螺旋溝5中で可動である。
図3中では、調心弾性体7のうち、螺旋溝5−2/5−
3に対応する調心弾性体7−2/7−3のみを示してい
る。調心弾性体7(−1〜5)は、ボール6、ナット1
及びねじ軸2よりも少ない応力(荷重)で大きく弾性変
形する材料で製造されている。すなわち、ボール6、ナ
ット1及びねじ軸2と比較して、相対的に剛性が低い
(柔らかい)材料である。例えば、ナット1及びねじ軸
2を、軸受鋼SUJ2で製造し、調心弾性体7をばね鋼
で製造する。前述の条件を満たす、あるいは、調心さえ
可能ならば、調心弾性体7にSUJ2、SCM材も使用
可能である。なお、予測される最大応力(荷重)におい
ても、塑性変形しない材料が好ましい。
【0044】調心弾性体7の製造方法については、例え
ば以下のような方法がある。まず、ねじ軸2の螺旋溝5
に正確に嵌め込み可能な螺旋形状である「ばね」を準備
する。ばねは円形(直径は螺旋溝の直径と同程度)の断
面を有する線材を使用する。次に、ばねを、ねじ軸2と
同様の構造(螺旋溝を含む)を有する治具Aに嵌め込
む。そのとき、ばねの内側半分は、螺旋溝に埋まり、そ
の外側の半分が治具Aから出ている。その後、その出て
いる部分について、図3で示す形状となるように、治具
Aを固定して旋盤で切削する。まず図中左側の部分を切
削により加工し、その後図中右側の部分を切削により加
工することで、調心弾性体7が製造される。ただし、本
発明が、この製造方法に限定されるものでは無い。
【0045】次に、本発明のボールねじの第1の実施の
形態の動作について、図2及び図3を参照して説明す
る。フランジ部1−2の第1荷重面3−1側に、x軸方
向の荷重が負荷されている場合、図3においては図面
上、左側から荷重が負荷されていることになる。ボール
ねじは、ボールねじが取り付けられた機器の動作に対応
して、ねじ軸2が回転し、それに伴い、ナット1がx軸
方向に移動する。ここで、ボールねじの取付け誤差があ
る場合や、第1荷重面3−1にかかる荷重が面に対して
著しく不均一の場合などでは、ナット1の中心軸とねじ
軸2の中心軸とがずれる。そのとき、図3において、ナ
ット1は、ねじ軸2に対して角度を有するようになる。
それに伴い、ボール6とナット1との間、ボール6と調
心弾性体7との間(ボール6とねじ軸2との間)の面圧
が増加する。特に、ボール6と調心弾性体7との間の面
圧が増加する。それに伴い玉荷重も増加する。ところ
が、調心弾性体7は、ボール6、ナット1及びねじ軸2
よりも剛性が低く、弾性変形し易い。また、螺旋溝5に
おいて可動である。従って、調心弾性体7が変形し、必
要に応じて動き、面圧及び玉荷重の増加を抑制する。
【0046】上記動作により、面圧及び玉荷重の増加
を、調心弾性体7の変形により抑制することが出来る。
従って、面圧及び玉荷重の増加に伴うボールねじの駆動
の障害や、寿命の低下を抑えることが可能となる。すな
わち、ボールねじの取付け誤差に対して、その許容範囲
を広げることが可能となる。更に、ボールねじの取り付
けられた機器に関わる、第1荷重面3−1にかかる荷重
について、荷重の負荷が面に対して著しく不均一の場合
でも、面圧及び玉荷重が過大となることを防止すること
が可能となる。
【0047】また、図4に示すように、調心弾性体7
(第2調心弾性体)を、ナット1の案内溝4(−1〜
8)を埋めるように設置することも可能である。その場
合にも同様の効果を得ることが可能である。なお、製造
方法については、例えば、ばねを、ナット1と同様の構
造(案内溝を含む)を有する治具に嵌め込み、内周面側
を旋盤で切削することで製造可能である。
【0048】また、図3及び図4に示す例では、調心弾
性体7は、ボール6を一方の側(図3及び図4では、図
面のボール6の右側)からのみ支えている。これは、ボ
ールねじのナット1にかかる荷重は、第1荷重面3−1
から負荷される場合が多いからである。ここで、第2荷
重面3−2にも荷重がかかる場合、もう一方の側(図3
及び図4における図面のボール6の左側)からも同時に
別の調心弾性体7’でボール6を支えるようにすること
も可能である。その場合には、ねじ軸2/ナット1上に
螺旋溝5/案内溝4と並行に螺旋溝5’/案内溝4’を
形成し、そこに調心弾性体7’を設置することで実施可
能である。これにより、x軸方向の両方の向き(第1荷
重面3−1及び第2荷重面3−2に垂直な向き)の荷重
に対して、対応することが可能となる。
【0049】(実施例2)次に、本発明のボールねじの
第2の実施の形態について説明する。まず、本発明のボ
ールねじの第2の実施の形態の構成について、図面を参
照して説明する。基本的なナット1及びねじ軸2の構成
は、図1及び図2に示した通りである。図5は、本発明
のボールねじの第2の実施の形態の構成を示す断面図で
ある。ボールねじは、案内溝4−3/4−5を有するナ
ット1、螺旋溝5’−2/5’−3を有するねじ軸2、
ボール6、調心弾性体8−2/8−3とを具備する。な
お、本図は、ねじ軸2の中心軸に対して、片方の側の断
面の一部(案内溝4−3/4−5、螺旋溝5’−2/
5’−3付近のみ)を示している。
【0050】ナット1は、図2で説明したものと同様で
ある。ただし、ナット1全体が、x軸方向であってフラ
ンジ部1−2の方向にややずれている点が図2と異な
る。また、本実施例では、螺旋方向に垂直な方向の案内
溝4の断面は、概ね半円形状を有する。
【0051】ねじ軸2は、図2で説明したものと同様で
ある。ただし、螺旋溝5’中に、調心弾性体(後述)が
設置されている点が図2と異なる。また、本実施例で
は、螺旋方向に垂直な方向の螺旋溝5’の断面は、概ね
逆向きの台形状を有する点が実施例1と異なる。
【0052】ボール6は、既述のものと同様である。た
だし、案内溝4と調心弾性体8(の凸部)とで形成され
る通路を転動する点が図2と異なる。
【0053】調心弾性体8(−1〜5)は、螺旋溝5’
(−1〜5)を埋めるように螺旋状の形状を有し、か
つ、螺旋溝5からはみだしている凸部(螺旋全体に存
在)を有する弾性体である。本実施例において、調心弾
性体8の螺旋方向に垂直な方向の断面は、螺旋溝5’を
埋める螺旋溝5の断面と同様の逆台形状(ただし、逆U
字型の空間を有する)と、螺旋溝5’から突き出た凸部
である山形(富士山型)形状(ただし、山型形状におけ
る山の稜線部分は、その一部がボール6の曲率と概ね等
しい)の部分とが一体となった形状を有する。図3中で
は、調心弾性体7のうち、螺旋溝5’−2/5’−3に
対応する調心弾性体8−2/8−3のみを示している。
調心弾性体8(−1〜5)は、ボール6、ナット1及び
ねじ軸2よりも少ない応力(荷重)で大きく弾性変形す
るような形状である。すなわち、内部に逆U字型のトン
ネル状の空間を有しており、ボール6と接する部分の肉
厚が薄くなっている。従って、ボール6を介して荷重が
加わると、その大きさに応じて、ボール6、ナット1及
びねじ軸2と比較して、容易に弾性変形を行なう。ただ
し、予測される最大応力(荷重)においても、塑性変形
しない材料が好ましい。ここで、調心弾性体8の材料に
ついては、ボール6、ナット1及びねじ軸2と同様でも
良い。トンネル上の空間により剛性が低くなるからであ
る。また、調心弾性体8は、ボール6、ナット1及びね
じ軸2よりも少ない応力(荷重)で大きく弾性変形する
材料でも良い。すなわち、ボール6、ナット1及びねじ
軸2と比較して、相対的に剛性が低い(柔らかい)材料
である。例えば、ナット1及びねじ軸2を、軸受鋼SU
J2で製造し、調心弾性体8をばね鋼で製造する。その
場合には、内部にトンネル状の空間を小さくするか、有
さなくても良い。充分な弾性変形が起きるからである。
そのとき、形状が簡単になるので、製造が容易となる。
【0054】調心弾性体8の製造方法については、例え
ば以下のような方法がある。まず、螺旋形状である「ば
ね」を準備する。ばねは矩形の断面を有する線材を使用
する。次に、ばねの外周面側を固定し、ねじ軸2の螺旋
溝5’に正確に嵌め込み可能なように、その内周面側の
角部を旋盤で切削する(必要に応じて、逆U字型の部分
を切削)。次に、ばねを、ねじ軸2と同様の構造(螺旋
溝5’を含む)を有する治具Bに嵌め込む。そのとき、
ばねの内側半分は、螺旋溝に埋まり、その外側の半分が
治具から出ている。その後、その出ている部分につい
て、図5で示す形状となるように、治具Bを固定して旋
盤で切削する。まず図中左側の部分を切削により加工
し、その後図中右側の部分を切削により加工すること
で、調心弾性体8が製造される。ただし、本発明が、こ
の製造方法に限定されるものでは無い。
【0055】次に、本発明のボールねじの第2の実施の
形態の動作について、図2及び図5を参照して説明す
る。フランジ部1−2の第1荷重面3−1側に、x軸方
向の荷重が負荷されている場合、図5においては図面
上、左側から荷重が負荷されていることになる。ボール
ねじは、ボールねじが取り付けられた機器の動作に対応
して、ねじ軸2が回転し、それに伴い、ナット1がx軸
方向に移動する。ここで、ボールねじの取付け誤差があ
る場合や、第1荷重面3−1にかかる荷重が面に対して
著しく不均一の場合などでは、ナット1の中心軸とねじ
軸2の中心軸とがずれる。そのとき、図5において、ナ
ット1は、ねじ軸2に対して角度を有するようになる。
それに伴い、ボール6とナット1との間、ボール6と調
心弾性体8との間の面圧が増加する。特に、ボール6と
調心弾性体8との間の面圧が増加する。それに伴い玉荷
重も増加する。ところが、調心弾性体8は、ボール6、
ナット1及びねじ軸2よりも弾性変形し易い。従って、
調心弾性体8が変形し、面圧及び玉荷重の増加を抑制す
る。
【0056】上記動作により、面圧及び玉荷重の増加
を、調心弾性体8の変形により抑制することが出来る。
従って、面圧及び玉荷重の増加に伴うボールねじの駆動
の障害や、寿命の低下を抑えることが可能となる。すな
わち、ボールねじの取付け誤差に対して、その許容範囲
を広げることが可能となる。更に、ボールねじの取り付
けられた機器に関わる、第1荷重面3−1にかかる荷重
について、荷重の負荷が面に対して著しく不均一の場合
でも、面圧及び玉荷重が過大となることを防止すること
が可能となる。
【0057】また、図6に示すように、調心弾性体8
(第2調心弾性体)を、ナット1の案内溝4’(−1〜
8)を埋めるように設置することも可能である。その場
合にも同様の効果を得ることが可能である。なお、製造
方法については、例えば、矩形断面を有する線材製のば
ねを、内周側において固定し、外周面側の角部を旋盤で
切削し、ナット1と同様の構造(案内溝を含む)を有す
る治具に嵌め込み、内周面側を旋盤で切削することで製
造可能である。
【0058】また、図5及び図6に示す例では、調心弾
性体8は、ボール6を一方の側(図5及び図6では、図
面のボール6の右側)からのみ支えている。これは、ボ
ールねじのナット1にかかる荷重は、第1荷重面3−1
から負荷される場合が多いからである。ここで、第2荷
重面3−2にも荷重がかかる場合、もう一方の側(図5
及び図6における図面のボール6の左側)からも同時に
別の調心弾性体8’でボール6を支えるようにすること
も可能である。その場合には、ねじ軸2/ナット1上に
螺旋溝5’/案内溝4’と並行に螺旋溝5’’/案内溝
4’’を形成し、そこに調心弾性体8’を設置すること
で実施可能である。これにより、x軸方向の両方の向き
(第1荷重面3−1及び第2荷重面3−2に垂直な向
き)の荷重に対して、対応することが可能となる。
【0059】(実施例3)次に、本発明のボールねじの
第3の実施の形態について説明する。まず、本発明のボ
ールねじの第3の実施の形態の構成について、図面を参
照して説明する。基本的なナット1及びねじ軸2の構成
は、図1及び図2に示した通りである。図7は、本発明
のボールねじの第3の実施の形態の構成を示す断面図で
ある。ボールねじは、案内溝4−3/4−5を有するナ
ット1、螺旋溝5−2/5−3を有するねじ軸2、ボー
ル6、第4溝としての補助溝9−2/9−3とを具備す
る。なお、本図は、ねじ軸2の中心軸に対して、片方の
側の断面の一部(案内溝4−3/4−5、螺旋溝5−2
/5−3付近のみ)を示している。
【0060】ナット1は、図2で説明したものと同様で
ある。ただし、本実施例では、螺旋方向に垂直な方向の
案内溝4の断面は、概ね半円形状を有する。
【0061】ねじ軸2は、図2で説明したものと同様で
ある。ただし、螺旋溝5の脇に、第3溝としての補助溝
9(−1〜5)(後述)が設置されている点が図2と異
なる。また、本実施例では、螺旋方向に垂直な方向の螺
旋溝5の断面は、概ね半円形状を有する。
【0062】ボール6は、既述のものと同様である。
【0063】補助溝9(−1〜5)は、ねじ軸2の外周
面に、螺旋溝5(−1〜5)に沿うよう螺旋状に形成さ
れている。本実施例において、調心弾性体8の螺旋方向
に垂直な方向の断面は、U字型の形状を有する。図3中
では、補助溝9のうち、螺旋溝5−2/5−3に対応す
る補助溝9−2/9−3のみを示している。補助溝9
(−1〜5)が形成されている領域は、ボール6、ナッ
ト1よりも少ない応力(荷重)で大きく弾性変形する。
すなわち、補助溝9−2のある側の螺旋溝5−2の壁面
は、補助溝9−2の空間を有しているので、その部分の
肉厚が薄くなっている。従って、その壁面は、補助溝9
−2の方向へ容易に変形することができる。従って、ボ
ール6を介して荷重が加わると、その大きさに応じて、
ボール6、ナット1と比較して、容易に弾性変形を行な
う。ただし、予測される最大応力(荷重)においても、
塑性変形しない材料が好ましい。
【0064】補助溝9の製造方法は、例えば、ねじ軸2
の螺旋溝5の製造方法と同様にすれば形成可能である。
ただし、本発明が、この製造方法に限定されるものでは
無い。
【0065】次に、本発明のボールねじの第3の実施の
形態の動作について、図2及び図7を参照して説明す
る。フランジ部1−2の第1荷重面3−1側に、x軸方
向の荷重が負荷されている場合、図7においては図面
上、左側から荷重が負荷されていることになる。ボール
ねじは、ボールねじが取り付けられた機器の動作に対応
して、ねじ軸2が回転し、それに伴い、ナット1がx軸
方向に移動する。ここで、ボールねじの取付け誤差があ
る場合や、第1荷重面3−1にかかる荷重が面に対して
著しく不均一の場合などでは、ナット1の中心軸とねじ
軸2の中心軸とがずれる。そのとき、図7において、ナ
ット1は、ねじ軸2に対して角度を有するようになる。
それに伴い、ボール6とナット1との間、ボール6とね
じ軸2との間の面圧が増加する。特に、ボール6とねじ
軸2との間の面圧が増加する。それに伴い玉荷重も増加
する。ところが、ねじ軸2の螺旋溝5における補助溝9
のある側(面圧が高まる側)は、ボール6、ナット1よ
りも弾性変形し易い。従って、螺旋溝5における補助溝
9のある側の壁面が変形し、面圧及び玉荷重の増加を抑
制する。
【0066】上記動作により、面圧及び玉荷重の増加
を、螺旋溝5における補助溝9のある側の壁面の変形に
より抑制することが出来る。従って、面圧及び玉荷重の
増加に伴うボールねじの駆動の障害や、寿命の低下を抑
えることが可能となる。すなわち、ボールねじの取付け
誤差に対して、その許容範囲を広げることが可能とな
る。更に、ボールねじの取り付けられた機器に関わる、
第1荷重面3−1にかかる荷重について、荷重の負荷が
面に対して著しく不均一の場合でも、面圧及び玉荷重が
過大となることを防止することが可能となる。
【0067】この場合、余計な部材を追加することな
く、容易に、面圧を低減し、誤差の許容範囲を広くする
ことが出来る。
【0068】また、図8に示すように、第4溝としての
補助溝9を、ナット1の案内溝4(−1〜8)を埋める
ように設置することも可能である。その場合にも同様の
効果を得ることが可能である。なお、製造方法について
は、例えば、案内溝4の形成方法と同様に行うことによ
り形成可能である。
【0069】また、図7及び図8に示す例では、補助溝
9を螺旋溝5/案内溝4の一方の側(図7及び図8で
は、図面の螺旋溝5/案内溝4の右側)にのみ形成して
いる。これは、ボールねじのナット1にかかる荷重は、
第1荷重面3−1から負荷される場合が多いからであ
る。ここで、第2荷重面3−2にも荷重がかかる場合、
もう一方の側(図7及び図8における螺旋溝5/案内溝
4の図面の左側)からも同時に別の補助溝9’で螺旋溝
5/案内溝4の弾性変形を容易にすることも可能であ
る。その場合には、ねじ軸2/ナット1上に、螺旋溝5
/案内溝4を挟んで反対側にも補助溝9’を設置するこ
とで実施可能である。これにより、x軸方向の両方の向
き(第1荷重面3−1及び第2荷重面3−2に垂直な向
き)の荷重に対して、対応することが可能となる。
【0070】さらに、図7及び図8を同時に実施するこ
とも可能である。その場合、取付け誤差や著しく不均一
荷重に対して、ナット1の中心軸とねじ軸2の中心軸と
の誤差の許容範囲を、より広くすることが可能となる。
【0071】(実施例4)次に、本発明のボールねじの
第4の実施の形態について説明する。まず、本発明のボ
ールねじの第4の実施の形態の構成について、図面を参
照して説明する。基本的なナット1及びねじ軸2の構成
は、図1及び図2に示した通りである。図9は、本発明
のボールねじの第4の実施の形態に関わる構成の一部を
示す斜投射図である。本実施例では、図1及び図2の基
本構造において、ナット1が図9のナット31になって
いる点が、他の実施例と異なる。従って、その他の構成
についてはその説明を省略する。
【0072】図9(b)は、ボールねじのうち、ナット
31のみを示している。ナット31は、図1及び図2の
ナット1と同様の機能を有する。但し、図1及び図2の
胴体部1−1は、胴体部31−1及び絞り部31−4に
対応する。フランジ部1−2はフランジ部31−2に、
第1荷重面33−1は第1荷重面3−1に、第2荷重面
33−2は第2荷重面3−2に、それぞれ対応する。ま
た、図9(a)は、図9(b)におけるA−A’断面を
示す。ただし、案内溝4は省略している。
【0073】ナット31は、円柱形状を有する胴体部3
1−1、先細りの回転体形状の絞り部31−4、及び胴
体部31−1よりも半径の大きな円盤形状を有するフラ
ンジ部31−2が、同軸を成して同体に接合された構造
を有する。そして、その内部に、ねじ軸2に螺合(外
嵌)可能な円筒状の空間31−3を有している。その空
間及びその内周面の第2溝としての案内溝4(−1〜
8)については、図2での説明と同様である。
【0074】ここで、絞り部31−4について更に説明
する。絞り部31−4の胴体部31−1側は、胴体部3
1−1と等しい半径を有する円形の底面である。また、
フランジ部31−2側は、胴体部31−1よりも小さい
半径を有する円形の頂面である。そして、絞り部31−
4は、その底面と頂面を有する回転体の形状を有する。
例えば、単双曲線回転面で形成される頂面の小さな柱状
である。ナット31が、絞り部31−4を有することに
より、その部分の剛性を低くすることができる。すなわ
ち、ボールねじの取り付け誤差や、著しい不均一荷重に
よるナット31のずれに対して、絞り部31−4が弾性
変形することにより、誤差やずれを吸収することが出来
る。従って、誤差やずれの許容範囲を広くする(緩くす
る)ことが可能となる。ただし、予測される最大応力
(荷重)においても、塑性変形しない材料が好ましい。
また、スラスト方向(x軸方向)については、従来と同
様の強度を有することが望ましい。
【0075】また、絞り部31−4の剛性を、より低く
するには、図9に示すように、絞り部31−4に孔31
−5を複数、中心軸対称に設ける方法がある。すなわ
ち、図9(a)の断面図で例示されるように、ナット3
1の中心軸を中心として、60°間隔で孔31−5を形
成する。この場合、ねじ軸2方向(x軸方向)に長い孔
が空いていることが望ましい。スラスト方向(x軸方
向)の強度を維持するためである。孔の形状、位置、大
きさについては、ナット31の強度、求める許容範囲等
を勘案し、シミュレーションや実験等により決定する。
【0076】また、絞り部31−4が無い場合でも、孔
31−5があれば、本実施例の効果を得ることが出来
る。
【0077】ナット31の製造方法は、例えば、従来の
ナットの製造後に旋盤等で絞り部31−4を切削し、フ
ライス盤等で孔31−5を形成することで可能である。
ただし、本発明が、この製造方法に限定されるものでは
無い。
【0078】次に、本発明のボールねじの第4の実施の
形態の動作について、図2及び図9を参照して説明す
る。フランジ部31−2の第1荷重面33−1側に、x
軸方向の荷重が負荷されている場合、図9においては図
面上、左側から荷重が負荷されていることになる。ボー
ルねじは、ボールねじが取り付けられた機器の動作に対
応して、ねじ軸2(図9中、図示せず)が回転し、それ
に伴い、ナット31がx軸方向に移動する。ここで、ボ
ールねじの取付け誤差がある場合や、第1荷重面33−
1にかかる荷重が面に対して著しく不均一の場合などで
は、ナット31の中心軸とねじ軸2の中心軸とがずれ
る。そのとき、図9において、ナット31は、ねじ軸2
(図示せず)に対して角度を有するようになる。それに
伴い、ボール6とナット31との間、ボール6とねじ軸
2との間の面圧が増加する。それに伴い玉荷重も増加す
る。ところが、ナット31の絞り部31−4が荷重を受
けて弾性変形し、誤差やずれを吸収し、緩和する。従っ
て、過大な面圧及び玉荷重がボール6、ナット31及び
ねじ軸2にかからなくなる。
【0079】上記動作により、面圧及び玉荷重の増加
を、絞り部31−4の変形により抑制することが出来
る。従って、面圧及び玉荷重の増加に伴うボールねじの
駆動の障害や、寿命の低下を抑えることが可能となる。
すなわち、ボールねじの取付け誤差に対して、その許容
範囲を広げることが可能となる。更に、ボールねじの取
り付けられた機器に関わる、第1荷重面33−1にかか
る荷重について、荷重の負荷が面に対して著しく不均一
の場合でも、面圧及び玉荷重が過大となることを防止す
ることが可能となる。
【0080】また、荷重が第2荷重面33−2の側から
負荷された場合でも、第1荷重面33−1での場合と同
様に対応することが出来る。従って、同様の効果を得る
ことが可能である。
【0081】また、本実施例では、ナット31の効果に
ついてい説明しているが、このナット31を用い、か
つ、実施例1〜実施例3の技術を併用することも可能で
ある。それにより、更に、誤差やずれの許容範囲を向上
することが可能となる。
【0082】(実施例5)次に、本発明のボールねじの
第5の実施の形態について説明する。まず、本発明のボ
ールねじの第5の実施の形態の構成について、図面を参
照して説明する。基本的なナット1及びねじ軸2の構成
は、図1及び図2に示した通りである。図10は、本発
明のボールねじの第5の実施の形態に関わる構成の一部
を示す断面図である。ボールねじは、案内溝4−3/4
−5を有するナット1、螺旋溝5−2/5−3を有する
ねじ軸2、ボール16とを具備する。なお、本図は、ね
じ軸2の中心軸に対して、片方の側の断面の一部(案内
溝4−3/4−5、螺旋溝5−2/5−3付近のみ)を
示している。
【0083】本実施例では、図1及び図2の基本構造を
有するボールねじにおいて、ボール6が、図10に示す
中空のボール16になっている点が、他の実施例と異な
る。従って、その他の構成についてはその説明を省略す
る。
【0084】図10に示すように、本実施例におけるボ
ール16(他の実施例でのボール6に対応)は、内部が
中空である。これは、強い荷重(圧力)を受けた場合、
弾性変形が可能なようにするためである。ボール16
は、従来のボールねじの標準の材料(例示:軸受鋼SU
J2)のような硬い材料の場合でも、中空にすることで
剛性を低くし、柔軟性を持たせることが出来る。すなわ
ち、弾性変形を容易に行わせることが出来る。ただし、
ボール16の材料として、他のより弾性変形し易い材料
を用いることも可能である。
【0085】ボール16の製造方法は、例えば、球を製
造した後、それを半分にして半球とし、その半球の内部
をくりぬき、しかる後、再び球形になるように溶接する
ことで可能である。ただし、本発明が、この製造方法に
限定されるものでは無い。
【0086】次に、本発明のボールねじの第5の実施の
形態の動作について、図2及び図10を参照して説明す
る。フランジ部1−2の第1荷重面3−1側に、x軸方
向の荷重が負荷されている場合、図10においては図面
上、左側から荷重が負荷されていることになる。ボール
ねじは、ボールねじが取り付けられた機器の動作に対応
して、ねじ軸2が回転し、それに伴い、ナット1がx軸
方向に移動する。ここで、ボールねじの取付け誤差があ
る場合や、第1荷重面3−1にかかる荷重が面に対して
著しく不均一の場合などでは、ナット1の中心軸とねじ
軸2の中心軸とがずれる。そのとき、図10において、
ナット1は、ねじ軸2に対して角度を有するようにな
る。それに伴い、ボール16とナット1との間、ボール
16とねじ軸2との間の面圧が増加する。それに伴い玉
荷重が増加する。ところが、ボール16が荷重を受けて
弾性変形し、誤差やずれを吸収し、緩和する。従って、
過大な面圧及び玉荷重がボール16に掛かっても、ナッ
ト1及びねじ軸2の運動に影響を及ぼさなくなる。
【0087】上記動作により、面圧及び玉荷重の増加
を、ボール16の変形により抑制することが出来る。従
って、面圧及び玉荷重の増加に伴うボールねじの駆動の
障害や、寿命の低下を抑えることが可能となる。すなわ
ち、ボールねじの取付け誤差に対して、その許容範囲を
広げることが可能となる。更に、ボールねじの取り付け
られた機器に関わる、第1荷重面33−1にかかる荷重
について、荷重の負荷が面に対して著しく不均一の場合
でも、面圧及び玉荷重が過大となることを防止すること
が可能となる。
【0088】また、荷重が第2荷重面33−2の側から
負荷された場合でも、第1荷重面33−1での場合と同
様に対応することが出来る。従って、同様の効果を得る
ことが可能である。
【0089】また、本実施例では、ボール16の効果に
ついてい説明しているが、このボール16を用い、か
つ、実施例1〜実施例4の技術を併用することも可能で
ある。それにより、更に、誤差やずれの許容範囲を向上
することが可能となる。
【0090】(実施例6)次に、本発明のボールねじの
第6の実施の形態について説明する。まず、本発明のボ
ールねじの第6の実施の形態の構成について、図面を参
照して説明する。基本的なナット1及びねじ軸2の構成
は、図1及び図2に示した通りである。図11及び図1
2は、本発明のボールねじの第6の実施の形態に関わる
ナット11及びナット21の構成を示す断面図である。
ただし、中心軸の片側の断面のみを示している。その他
の構成については、図1及び図2と同様であるので、そ
の説明を省略する。
【0091】図11及び図12を参照して、ナット11
及びナット21について説明する。図11では、ナット
11及びナット21は、基本的には図2で説明したナッ
ト1と同様である。ナット11では、胴体部11−1が
胴体部1−1に、フランジ部11−2がフランジ部1−
2に対応する。第1荷重面13−1が第1荷重面3−1
に、第2荷重面13−2が第2荷重面3−2に対応す
る。ナット21では、胴体部21−1が胴体部1−1
に、フランジ部21−2がフランジ部1−2に対応す
る。第1荷重面23−1が第1荷重面3−1に、第2荷
重面23−2が第2荷重面3−2に対応する。ただし、
ナット11及びナット21の胴体部(11−1及び21
−1)の内周面と外周面との間の肉厚が、x軸方向の位
置により変化している点が、ナット1と異なる(図11
中には、案内溝4が、案内溝4−1/案内溝4−3/案
内溝4−5だけであるが、図2のように案内溝4−7を
有していても良い)。
【0092】次に、図11及び図12のような胴体部の
形状の理由について、図13を用いて説明する。図13
は、ボールねじに負荷される荷重と、それに伴う各ボー
ルに対する面圧及び玉荷重との関係を示すグラフであ
る。
【0093】図13(a)は、ボールねじに負荷する荷
重Fa及びFbを説明する図である。Aの場合は、ナッ
トとしてナット1(図2)を用い、荷重Faが第2荷重
面3−2に負荷されている状態を示す。Bの場合は、ナ
ットとしてナット1(図2)を用い、荷重Fbが第1荷
重面3−1に負荷されている状態を示す。図13(b)
は、横軸はボール(玉)の番号、縦軸は各ボールにかか
る面圧(kgf/mm)である。ただし、ボール番号
1は、図13(a)のA及びBの場合におけるナット1
中での、最も左側の位置のボールを示す。ボール番号2
50は、図13(a)のA及びBの場合におけるナット
1中での、最も右側の位置のボールを示す。ボール
(玉)は、案内溝4及び螺旋溝5で形成される通路中に
存在する。図13(c)は、横軸はボール(玉)の番
号、縦軸は各ボールのねじ軸2側にかかる玉荷重(kg
f)である。横軸の意味は、図13(b)と同様であ
る。
【0094】荷重Faの場合、図13(b)及び(c)
に示すように、各ボールにかかる面圧及び玉荷重は、ボ
ール番号が小さいほど小さくなる。すなわち、フランジ
部1−2に近いほど面圧及び玉荷重が小さいことがわか
る。しかし、ボールにかかる面圧及び荷重は、正確な動
作や寿命などの面から、位置に依らず均一であることが
望ましい。ここで、面圧及び玉荷重はナット1の剛性が
低いほど小さくなる。従って、フランジ部1−2に近い
ほど、相対的にナット1の剛性を高くし、遠いほど相対
的に剛性を低くすれば良い。その形状を示したのが、図
12のナット21である。ナット21では、フランジ部
21−2に近い胴体部21−1の内周面と外周面との間
の肉厚が厚くなっている。一方、フランジ部21−2か
ら遠ざかるに連れて、肉厚が薄くなっている。すなわ
ち、胴体部21−1の肉厚は、荷重によりボール6が受
ける面圧及び玉荷重が最小となるフランジ部11−2と
の接合部において最大となる。なお、厚みの変化は、図
12の様に直線的に薄くなっても良いし、最初緩やか
に、徐々に急激に薄くなっても良い。この変化の傾向
は、実験やシミュレーションにより決定する。
【0095】荷重Fbの場合、図13(b)及び(c)
に示すように、各ボールにかかる面圧及び玉荷重は、ボ
ール番号の中間部分で最小となる。すなわち、ナット1
のx軸方向の中間部分ほど面圧及び玉荷重が小さいこと
がわかる。しかし、ボールにかかる面圧及び荷重は、正
確な動作や寿命などの面から、位置に依らず均一である
ことが望ましい。ここで、面圧及び荷重はナット1の剛
性が低いほど小さくなる。従って、ナット1のx軸方向
の中間部分に近いほど、相対的にナット1の剛性を高く
し、遠いほど相対的に剛性を低くすれば良い。その形状
を示したのが、図11のナット11である。ナット11
では、ナット1のx軸方向の中間部分の胴体部21−1
の内周面と外周面との間の肉厚が厚くなっている。一
方、ナット1のx軸方向の中間部分から遠ざかるに連れ
て、肉厚が薄くなっている。すなわち、胴体部11−1
の肉厚は、荷重によりボール6が受ける面圧及び玉荷重
が最小となる中間近傍の案内溝4において最大となる。
なお、厚みの変化は、図11の様に緩やかな曲線状に薄
くなっても良いし、直線的に薄くなっても良い。この変
化の傾向は、実験やシミュレーションにより決定する。
【0096】図13の説明にあるように、図11及び図
12のようなナットの構造を用いることにより、ボール
ねじに負荷される荷重に対して、ボールにかかる面圧及
び玉荷重が均一化される。
【0097】ナット11及びナット21の製造方法につ
いては、従来のナット1の製造方法において、ナットの
外径を位置により変化させることにより製造可能であ
る。ただし、本発明が、この製造方法に限定されるもの
では無い。
【0098】次に、本発明のボールねじの第6の実施の
形態の動作について、図11を参照して説明する。フラ
ンジ部11−2の第1荷重面13−1側に、x軸方向の
荷重が負荷されている場合、図3においては図面上、左
側から荷重が負荷されていることになる。ボールねじ
は、ボールねじが取り付けられた機器の動作に対応し
て、ねじ軸2が回転し、それに伴い、ナット1がx軸方
向に移動する。ここで、ボールねじには、ナット11が
用いられているので、ナットの位置に依らず全てのボー
ル6に概ね均一の面圧及び玉荷重が負荷される。従っ
て、ボール6は、案内溝4と螺旋溝5とで形成される通
路を転動する際、場所による面圧及び玉荷重の差がな
く、滑らかに移動することが出来る。
【0099】従って、面圧及び玉荷重の増減に伴うボー
ルねじの駆動の障害や、寿命の低下を押さえることが可
能となる。
【0100】また、図13(a)のAの場合において、
ナットではなく、ねじ軸2の内部を中空とし、その肉厚
を図12のように変化させることで、ボールに負荷され
る面圧及び玉荷重を概ね均一にすることが可能である。
すなわち、ねじ軸2の外径は均一であるので、図13中
ねじ軸2の左側から、内径の大きさを徐々に小さくし、
右端で肉厚が最小となるように変化させることで実施可
能である。
【0101】更に、図13(a)のBの場合において、
ナットではなく、ねじ軸2の内部を中空とし、その肉厚
を図11のように変化させることで、ボールに負荷され
る面圧及び玉荷重を概ね均一にすることが可能である。
ただし、ねじ軸2の外径は均一であるので、図13中ね
じ軸2のボールねじのある部分において、ナット1中央
の肉厚を最大とし、ナット1の両端で肉厚が最小となる
ように変化させることで実施可能である。
【0102】また、本実施例は、実施例1〜実施例4の
技術を併用することも可能である。それにより、更に、
ボールねじの駆動の障害や、寿命の低下を押さえること
が可能となる。
【0103】
【発明の効果】本発明により、寿命が長く、取付け時の
許容誤差の範囲が広いボールねじを得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明であるボールねじの実施の形態に関わる
ボールねじの基本的な構成を示す斜投影図である。
【図2】本発明であるボールねじの実施の形態に関わ
る、ボールねじの基本的な構成を示す図である。
【図3】本発明のボールねじの第1の実施の形態の構成
を示す断面図である。
【図4】本発明のボールねじの第1の実施の形態の他の
構成を示す断面図である。
【図5】本発明のボールねじの第2の実施の形態の構成
を示す断面図である。
【図6】本発明のボールねじの第2の実施の形態の他の
構成を示す断面図である。
【図7】本発明のボールねじの第3の実施の形態の構成
を示す断面図である。
【図8】本発明のボールねじの第3の実施の形態の他の
構成を示す断面図である。
【図9】(a)本発明のボールねじの第4の実施の形態
に関わる構成の括れ部の断面図である。 (b)本発明のボールねじの第4の実施の形態に関わる
構成の一部を示す斜投射図である。
【図10】本発明のボールねじの第5の実施の形態に関
わる構成の一部を示す断面図である。
【図11】本発明のボールねじの第6の実施の形態に関
わる構成の一部を示す断面図である。
【図12】本発明のボールねじの第6の実施の形態に関
わる他の構成の一部を示す断面図である。
【図13】(a)ボールねじに負荷される荷重とボール
ねじとの関係を示す図である。 (b)ボールねじに負荷される荷重と各ボールに対する
面圧及び玉荷重との関係を示すグラフである。 (c)ボールねじに負荷される荷重と各ボールに対する
面圧及び玉荷重との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ナット 1−1 胴体部 1−2 フランジ部 2 ねじ軸 3−1 第1荷重面 3−2 第2荷重面 3−3 空間 4 案内溝 4’ 案内溝 4−1〜8 案内溝 4’−1〜8 案内溝 5 螺旋溝 5’ 螺旋溝 5−1〜5 螺旋溝 5’−1〜5 螺旋溝 6 ボール 7 調心弾性体 7’ 調心弾性体 7−1〜5 調心弾性体 7’−1〜5 調心弾性体 8 調心弾性体 8’ 調心弾性体 8−1〜5 調心弾性体 8’−1〜5 調心弾性体 9 補助溝 9’ 補助溝 9−1〜5 補助溝 9’−1〜5 補助溝 11 ナット 11−1 胴体部 11−2 フランジ部 13−1 第1荷重面 13−2 第2荷重面 16 ボール 21 ナット 21−1 胴体部 21−2 フランジ部 23−1 第1荷重面 23−2 第2荷重面 31 ナット 31−1 胴体部 31−2 フランジ部 31−3 空間 31−4 絞り部 31−5 孔 33−1 第1荷重面 33−2 第2荷重面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石和田 健 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社産業機器事業部内 (72)発明者 松尾 識 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 (72)発明者 河野 和清 広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工業 株式会社紙・印刷機械事業部内 Fターム(参考) 3J062 AB22 AC07 BA19 CD02 CD47

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面に螺旋状の第1溝を有するねじ軸
    と、 前記ねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状の第2溝を有す
    るナットと、 前記第1溝に取り付けられ、前記第1溝からはみ出して
    いる凸部を有する調心弾性体と、 前記第2溝と前記凸部とで形成される通路を転動するボ
    ールと、 を具備する、 ボールねじ。
  2. 【請求項2】前記調心弾性体は、前記第1溝を埋めるよ
    うな螺旋状の形状を有する、 請求項1に記載のボールねじ。
  3. 【請求項3】前記調心弾性体は、前記第1溝内において
    可動である、 請求項1又は2に記載のボールねじ。
  4. 【請求項4】前記調心弾性体は、前記ねじ軸との間で空
    間を形成する、 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のボールねじ。
  5. 【請求項5】外周面に螺旋状の第1溝を有するねじ軸
    と、 前記ねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状の第2溝を有す
    るナットと、 前記第2溝に取り付けられ、前記第2溝からはみ出して
    いる凸部を有する調心弾性体と、 前記第1溝と前記凸部とで形成される通路を転動するボ
    ールと、 を具備する、 ボールねじ。
  6. 【請求項6】前記調心弾性体は、前記第2溝を埋めるよ
    うに螺旋状の形状を有する、 請求項5に記載のボールねじ。
  7. 【請求項7】前記調心弾性体は、前記第2溝内において
    可動である、 請求項5又は6に記載のボールねじ。
  8. 【請求項8】前記調心弾性体は、前記ナットとの間で空
    間を形成する、 請求項5乃至7のいずれか一項に記載のボールねじ。
  9. 【請求項9】前記調心弾性体は、内部に空間を含む、 請求項1乃至3、5乃至7のいずれか一項に記載のボー
    ルねじ。
  10. 【請求項10】外周面に螺旋状の第1溝を有するねじ軸
    と、 前記ねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状の第2溝を有す
    るナットと、 前記第1溝と前記第2溝とで形成される通路を転動する
    ボールと、 を具備し、 前記ねじ軸は、前記外周面に、前記第1溝に沿うよう螺
    旋状に形成された第3溝を更に有する、 ボールねじ。
  11. 【請求項11】外周面に螺旋状の第1溝を有するねじ軸
    と、 前記ねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状の第2溝を有す
    るナットと、 前記第1溝と前記第2溝とで形成される通路を転動する
    ボールと、 を具備し、 前記ナットは、前記内周面に前記第2溝に沿うよう螺旋
    状に形成された第4溝を更に有する、 ボールねじ。
  12. 【請求項12】外周面に螺旋状の第1溝を有するねじ軸
    と、 荷重を負荷されるフランジ部と前記フランジ部の一方の
    面に同体に接合された胴体部とを有し、前記ねじ軸に外
    嵌され、内周面に螺旋状の第2溝を有するナットと、 前記第1溝と前記第2溝とで形成される通路を転動する
    ボールと、 を具備し、 前記胴体部の肉厚は、前記荷重により前記ボールが受け
    る玉荷重が最小となる前記第2溝近傍において最大とな
    る、 ボールねじ。
  13. 【請求項13】前記荷重が、前記フランジ部に対して前
    記胴体部と反対側の面から負荷される場合、前記肉厚
    は、前記胴体部において、前記ねじ軸の中心軸方向の中
    間近傍において最大となる、 請求項12に記載のボールねじ。
  14. 【請求項14】前記荷重が、前記フランジ部に対して前
    記胴体部と同じ側の面から負荷される場合、前記肉厚
    は、前記胴体部と前記フランジ部との接合部近傍におい
    て最大となる、 請求項12に記載のボールねじ。
  15. 【請求項15】外周面に螺旋状の第1溝を有するねじ軸
    と、 荷重を負荷されるフランジ部と前記フランジ部の一方の
    面に同体に接合された胴体部とを有し、前記ねじ軸に外
    嵌され、内周面に螺旋状の第2溝を有するナットと、 前記第1溝と前記第2溝とで形成される通路を転動する
    ボールと、 を具備し、 前記胴体部の肉厚は、前記フランジ部と前記胴体部との
    接合部近傍が、他の前記胴体部よりも薄い、 ボールねじ。
  16. 【請求項16】前記胴体部は、前記接合部近傍で括れて
    いる、 請求項15に記載のボールねじ。
  17. 【請求項17】前記接合部近傍は、概ね前記ねじ軸の中
    心軸に垂直な方向に向かう複数の孔を有する、 請求項15又は16に記載のボールねじ。
  18. 【請求項18】前記ボールは、内部に空間を有する、 請求項1乃至17のいずれか一項に記載のボールねじ。
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