JP2003139072A - ギヤポンプ及びこれを用いたパワーステアリング装置 - Google Patents

ギヤポンプ及びこれを用いたパワーステアリング装置

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JP2003139072A
JP2003139072A JP2001338418A JP2001338418A JP2003139072A JP 2003139072 A JP2003139072 A JP 2003139072A JP 2001338418 A JP2001338418 A JP 2001338418A JP 2001338418 A JP2001338418 A JP 2001338418A JP 2003139072 A JP2003139072 A JP 2003139072A
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gear
liquid passage
passage
gears
gear pump
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Yoshiaki Hamazaki
善明 浜崎
Takashi Taniwa
孝 谷和
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブッシュを用いることなくギヤの回転トルク
を低減することができるようにする。 【解決手段】 ギヤ1は、軸部12,13の端末から軸
長方向に長い液通路14と、該液通路14から前記軸部
12,13の周面へ貫通する液通路15とを有してお
り、ギヤ2は、軸部22,23の端末から軸長方向に長
い液通路24と、該液通路24から前記軸部22,23
の周面へ貫通する液通路25とを有しており、さらに、
前記軸部12,13が嵌合される軸受孔32,34と、
前記軸部22,23が嵌合される軸受孔33,35と、
前記液通路14及び軸受孔32,34を吸込路38に連
通させる連通路30c,30eと、前記液通路24及び
軸受孔33,35を吸込路38に連通させる連通路30
d,30fとを有し、ギヤの回転による遠心力によって
ギヤの軸受部を強制潤滑するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相互に噛合する2
つのギヤの回転によりポンプ作用をなすギヤポンプ及び
このギヤポンプを用いて操舵手段の操舵を補助するパワ
ーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は従来のギヤポンプの構成を示す縦
断正面図である。車両の舵取機構中に配されたアクチュ
エータなどの油圧作動機器に作動油を供給するギヤポン
プは、ハウジング100内のギヤ室101に、互いに平
行をなす軸回りに回転する2つのギヤ102,103を
配し、該ギヤ102,103を両者の略中央位置にて相
互に噛み合わせ、この噛み合い位置の両側に吸込室及び
吐出室を形成してなり、吸込室内部の作動油を2つのギ
ヤ102,103の歯間に受け入れ、ギヤ室101の内
周面との間に封止して吐出室に送り出すポンプ作用をな
す。
【0003】このように構成されたギヤポンプにあって
は、ギヤ室101の側面とギヤ102,103の歯部端
面(歯車側面)との間には、ギヤ102,103を円滑
に回転させるべき僅少の隙間があり、ギヤが回転すると
き、吸込室及び吐出室の作動油の一部が前記隙間に誘引
され、該隙間に油膜が生成されることになり、さらに、
ギヤ室101の側面を構成するサイドプレート104,
105は、前記側面に過大の面圧が加わった場合におい
ても前記ギヤ102,103を円滑に回転させるべく特
別に成分配合されたアルミニウム材料により形成されて
いるため、ギヤ室101の側面とギヤ102,103の
歯部端面との間の隙間が原因でギヤの回転トルクは増加
しない。
【0004】また、ギヤ102,103の軸部が支持さ
れる軸受部106,107,108,109は、前記作
動油が誘引され難く、油膜切れが発生し易いため、摩擦
係数が比較的小さいシートを巻回してなる巻きブッシュ
110が設けられており、該巻きブッシュ110に前記
軸部が嵌合支持されることによりギヤ102,103の
回転トルクを低減できるようにしてある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、以上の如く
構成された従来のギヤポンプは、ギヤ102,103の
軸受部106〜109にブッシュ110を設けてギヤ1
02,103の回転トルクを低減する必要があるため、
部品点数が多くなり、また、組付け作業工程も増加する
ことになり、改善策が要望されていた。
【0006】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、ブッシュを用いることなくギヤの回転トルクを
低減することができるギヤポンプ、及びこのギヤポンプ
を備えたパワーステアリング装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1発明に係るギヤポン
プは、相互に噛合して回転され軸部を有する2つのギヤ
と、該ギヤを収容するギヤ室、及び前記軸部が嵌合され
る軸受孔を有するハウジングと、前記ギヤ室に連通する
吸込路とを備えたギヤポンプにおいて、前記ギヤの1つ
は軸部を軸長方向に貫通する液通路を有しており、該液
通路及び前記軸受孔を前記吸込路に連通させる連通路を
有していることを特徴とする。
【0008】第1発明にあっては、ギヤ室の側面及びギ
ヤの歯部端面(歯車側面)の間の隙間、軸部及び軸受孔
の間の隙間、液通路及び連通路が夫々連通することにな
り、また、ポンプ運転中にギヤの回転に伴ってギヤ室内
にて昇圧せしめられた作動液が、ギヤ室の側面及びギヤ
の歯部端面の間の隙間に進入し、さらに、吸込路の作動
液が連通路を経てギヤの液通路に供給される。この結
果、ギヤの回転に伴う遠心力によって前記液通路の作動
液を流動させることができ、この作動液の流動により前
記軸部及び軸受孔の間の隙間に作動液を供給することが
でき、ギヤの軸受部を強制潤滑でき、ブッシュを用いる
ことなくギヤの回転トルクを低減できる。
【0009】第2発明に係るギヤポンプは、相互に噛合
して回転され軸部を有する2つのギヤと、該ギヤを収容
するギヤ室、及び前記軸部が嵌合される軸受孔を有する
ハウジングと、前記ギヤ室に連通する吸込路とを備えた
ギヤポンプにおいて、少なくとも1つのギヤは軸部の端
縁から軸長方向に延びる第1の液通路と、該第1の液通
路から前記軸部の周面へ貫通する第2の液通路とを有し
ており、前記第1の液通路及び前記軸受孔を前記吸込路
に連通させる連通路を有していることを特徴とする。
【0010】第2発明にあっては、ギヤの軸部及び軸受
孔の間の隙間、第1、第2の液通路及び連通路が夫々連
通することになり、また、吸込路の作動液が連通路を経
て第1及び第2の液通路に供給されることになるため、
前記連通した部分を作動液で満たし得る。この結果、ギ
ヤの回転に伴う遠心力によって第1及び第2の液通路の
作動液を流動させることができ、この作動液の流動によ
り前記軸部及び軸受孔の間の隙間に作動液を供給するこ
とができ、ギヤの軸受部を強制潤滑でき、ブッシュを用
いることなくギヤの回転トルクを低減できる。
【0011】第3発明に係るギヤポンプは、相互に噛合
して回転され軸部を有する2つのギヤと、該ギヤを収容
するギヤ室、及び前記軸部が嵌合される軸受孔を有する
ハウジングと、前記ギヤ室に連通する吸込路とを備えた
ギヤポンプにおいて、前記ギヤの1つは軸部を軸長方向
に貫通する液通路を有しており、前記ギヤの他の1つは
軸部の端縁から軸長方向に延びる第1の液通路と、該第
1の液通路から前記軸部の周面へ貫通する第2の液通路
とを有しており、前記液通路、第1の液通路及び前記軸
受孔を前記吸込路に連通させる連通路を有していること
を特徴とする。
【0012】第3発明にあっては、1つのギヤの軸受部
は第1発明のように強制潤滑することができ、他の1つ
のギヤの軸受部は第2発明のように強制潤滑することが
でき、ブッシュを用いることなくギヤの回転トルクを低
減できる。
【0013】第4発明に係るギヤポンプは、前記ギヤは
金属粉射出成形体からなることを特徴とする。第4発明
にあっては、成形材料として金属粉が用いられており、
該金属粉が射出成形されることによりギヤが形成されて
いるため、前記液通路をギヤの形成用型によって得るこ
とができ、前記液通路を得るための加工工程を経ること
なくギヤを得ることができる。
【0014】第5発明に係るパワーステアリング装置
は、操舵手段と、該操舵手段の操舵を補助するアクチュ
エータと、前記操舵手段の操舵角に基づいて駆動される
請求項1乃至4の何れかに記載のギヤポンプと、該ギヤ
ポンプからの圧液の送給路を切替えて前記アクチュエー
タへ圧液を送給する液圧制御弁とを備えていることを特
徴とする。第5発明にあっては、第1発明から第4発明
の何れかと同様となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係るギヤポ
ンプの構成を示す縦断正面図、図2はギヤポンプの要部
の構成を示す拡大断面図、図3は図2のIII −III 線の
拡大断面図、図4はギヤ部分の拡大断面図、図5はサイ
ドプレートのギヤ側の拡大側面図、図6はサイドプレー
トのギヤと反対側の拡大側面図である。
【0016】図1、図2に示すギヤポンプGPは、モー
タM(図7参照)の出力軸に軸継手等の伝動手段を介し
て連動される駆動用のギヤ1と、該ギヤ1に噛合する従
動用のギヤ2と、該ギヤ1,2を収容するギヤ室31及
び前記ギヤ1,2の軸部12,13,22,23が嵌合
される軸受孔32,33,34,35を有するハウジン
グ3と、該ハウジング3を支持する支持体4と、前記ハ
ウジング3に取付けられ、圧液吐出時の脈動を低減する
ためのダンパ容器5と、該ダンパ容器5及び前記ハウジ
ング3を取り囲み、油などの作動液が貯溜されるタンク
6とを備えている。
【0017】ギヤ1,2は金属粉が射出成形された金属
粉射出成形体からなる。ギヤ1は歯部11と、該歯部1
1の両端に連なる軸部12,13と、一方の軸部12の
端縁から他方の軸部13の端縁近くに亘って軸長方向に
延びる第1の液通路14と、該液通路14から前記軸部
12,13の周面へ貫通する第2の液通路15とを有し
ている。第2の液通路15は、第1の液通路14の縁が
開放されている軸部12側で1つ、第1の液通路14の
縁が閉鎖されている軸部13側で軸長方向に離間した側
で2つ、合計3つが形成してある。また、軸部12,1
3の端縁には回転中心から大径となるテーパ部16,1
7が設けられている。尚、第1の液通路14は該液通路
14に供給される作動液が前記モータ側へ洩れることを
防ぐために非貫通としてあるが、その他、貫通させた後
で一方の孔縁を栓により閉鎖してもよい。
【0018】ギヤ2は歯部21と、該歯部21の両端に
連なる軸部22,23と、該軸部22,23を軸長方向
に貫通する第3の液通路24と、該液通路24から前記
軸部22,23の周面へ貫通する第4の液通路25とを
有している。また、軸部22,23の端縁には回転中心
から大径となるテーパ部26,27が設けられている。
【0019】以上のように構成されたギヤ1,2は次の
ように成形される。 1) 成形材料として、金属粉と、合成樹脂にワックスが
添加されたバインダーとを用い、この金属粉とバインダ
ーとが混練機によって混練される。 2) この混練物が造粒機によってペレットに加工され、
成形性が高められる。 3) 前記ギヤ1,2に対応したキャビティを有する成形
用型と、射出成形機とを用い、射出成形機のホッパに供
給された前記ペレットが溶解された状態で前記成形用型
のキャビティに充填され、ギヤ素体に成形される。この
ギヤ素体は、金属粉がバインダーで結合された組織にな
っている。 4) 前記ギヤ素体が脱脂炉に供給され、該脱脂炉での加
熱によりギヤ素体から前記バインダーが溶解除去され、
脱脂されたギヤ素体となる。 5) この脱脂されたギヤ素体が焼結炉で焼結され、相対
密度95%以上の密度の高い金属組織を有するギヤとな
る。この状態では歯部11,21、軸部12,13,2
2,23、第1及び第3の液通路14,24、センタ穴
16,17,26,27が成形される。第2及び第4の
液通路15,25は前記したように焼結された後、加工
によって穿設される。
【0020】ハウジング3は、両側面に開放され、前記
ギヤ1,2の歯部11,21の外径寸法に対応する一対
の円弧面36a,36aが設けられた長円孔36及び該
長円孔36の周りに穿設された複数の挿通孔37を有す
る筒形のハウジング本体3aと、該ハウジング本体3a
の長円孔36の両端部に内嵌され、長円孔36をギヤ室
31とする2つのサイドプレート3b,3cと、該サイ
ドプレート3b,3cの脱落を防ぐための蓋体3dとを
備えており、サイドプレート3b,3cの内側がギヤ室
31の側面となっている。
【0021】ハウジング本体3aは位置決めピン7によ
り位置決めされた状態で、前記蓋体3dに穿設されてい
る孔(図示せず)から前記挿通孔37に挿入される複数
本の締付ねじ8により前記蓋体3dとともに支持体4に
取外し可能に取付けられている。また、ハウジング本体
3aには、ギヤ室31の円弧面36a,36aの間から
貫通し、吸込管9を介して前記タンク6内に連通する吸
込路38と、前記ダンパ容器5内に連通する吐出路39
とが設けられている。
【0022】ギヤ室31は、内部に収容するギヤ1,2
の歯11a,21aの噛み合い部を境として前記吸込路
38が開口する吸込室31a及び前記吐出路39が開口
する吐出室31bに区画される。
【0023】サイドプレート3bは、前記ギヤ1を支持
するための貫通する軸受孔32,34が設けられてお
り、この軸受孔32,34にギヤ1の軸部12,13を
嵌合してギヤ1を回転自在に支持してある。また、サイ
ドプレート3cは、前記ギヤ2を支持するための貫通す
る軸受孔33,35が設けられており、この軸受孔3
3,35にギヤ2の軸部22,23を嵌合してギヤ2を
回転自在に支持してある。また、ギヤ1,2の歯11
a,21aとギヤ室31の円弧面36a,36aとの間
に液閉込み部1a,2aを設けるようにしてある。
【0024】また、サイドプレート3bの内側となる一
面、換言すればギヤ室31の側面となる一面には、ギヤ
室31の側面及びギヤ1,2の歯部端面の間の隙間K1
にギヤ室31の作動液を供給し易くするための液溝30
aが設けられており、また、サイドプレート3cの内側
となる一面、換言すればギヤ室31の側面となる一面に
は、ギヤ室31の側面及びギヤ1,2の歯部端面の間の
隙間K2にギヤ室31の作動液を供給し易くするための
液溝30bが設けられている。さらに、サイドプレート
3bのギヤ室31と反対側となる他面には、第1の液通
路14及び前記軸受孔32を前記吸込路38に連通させ
る連通路30cと、第3の液通路24及び前記軸受孔3
3を前記吸込路38に連通させる連通路30dとが設け
られている。また、サイドプレート3cのギヤ室31と
反対側となる他面には、第1及び第2の液通路14,1
5と前記軸受孔34とを前記吸込路38に連通させる連
通路30eと、第3の液通路24及び前記軸受孔35を
前記吸込路38に連通させる連通路30fとが設けられ
ている。
【0025】ハウジング3の蓋体3dは、底部の周縁に
筒部が連なる有底筒形になっており、底部が前記締付ね
じ8によって支持体4に取付けられている。
【0026】ダンパ容器5は、底部の周縁に筒部が連な
る有底筒形になっており、筒部が前記蓋体3dの筒部に
内嵌されている。このダンパ容器5内は前記吐出室31
bよりも大容積になっている。また、ダンパ容器5内
は、前記蓋体3dの底部に穿設された貫通孔及び前記吐
出路39を介して吐出室31bに連通し、さらに、前記
底部に穿設された排出孔を介して送給管10に連通して
いる。
【0027】タンク6は底部の周縁に筒部が連なる有底
筒形になっており、筒部の端縁が前記支持体4に取外し
可能に取付けられている。
【0028】なお、図1中20は駆動用のギヤ1の軸部
13周りから作動液が外部に洩れるのを防ぐための封止
材である。
【0029】以上のように構成されたギヤポンプGP
は、ギヤ室31の側面及びギヤ1の歯部端面の間の隙間
K1、ギヤ1の軸部12及び軸受孔32の間の隙間K
3、第1の液通路14、第2の液通路15及び連通路3
0cが夫々連通している。また、ギヤ室31の側面及び
ギヤ1の歯部端面の間の隙間K2、ギヤ1の軸部13及
び軸受孔34の間の隙間K4、第1の液通路14、第2
の液通路15及び連通路30eが夫々連通しており、タ
ンク6内に貯溜された油などの作動液が連通路30c,
30eを経て第1の液通路14に供給され、該液通路1
4に作動液が充満している。さらに、ギヤ室31の側面
及びギヤ2の歯部端面の間の隙間K1、ギヤ2の軸部2
2及び軸受孔33の間の隙間K5、第3の液通路24、
第4の液通路25及び連通路30dが夫々連通してい
る。また、ギヤ室31の側面及びギヤ2の歯部端面の間
の隙間K2、ギヤ2の軸部23及び軸受孔35の間の隙
間K6、第3の液通路24、第4の液通路25及び連通
路30fが夫々連通しており、タンク6内に貯溜された
油などの作動液が連通路30d,30fを経て第3の液
通路24に供給され、該液通路24に作動液が充満して
いる。
【0030】このような状態で、モータの駆動により伝
動手段を介して駆動用のギヤ1及び該ギヤ1に噛合する
従動用のギヤ2が図3の矢印方向へ回転し、タンク6内
に貯溜された油などの作動液が吸込管9及び吸込路38
を経てギヤ室31の吸込室31aへ吸込まれ、さらに、
ギヤ1,2の液閉込み部1a,2aに閉込められ、これ
ら液閉込み部1a,2aの作動液がギヤ1,2の回転に
伴い昇圧して吐出室31bに吐出され、該吐出室31b
から吐出路39を経てダンパ容器5内に供給され、この
ダンパ容器5内で液脈が低減された後、送給管10に供
給される。
【0031】前記ギヤ1,2が回転するとき、ギヤ室3
1の作動液が液溝30a,30bからギヤ室31の側面
及びギヤ1,2の歯部端面の間の隙間K1,K2へ供給
されることになり、さらに、ギヤ1,2の回転に伴う遠
心力によって第1及び第3の液通路14,24に作動液
が流動することになる。第1の液通路14の作動液の流
動により第1及び第2の液通路14,15、前記隙間K
3,K4、連通路30c,30eの間で作動液を循環さ
せ得るとともに、前記隙間K1,K2の作動液が前記循
環系に誘引され、ギヤ1,2の軸受部を強制潤滑するこ
とができる。また、第3の液通路24の作動液の流動に
より第3及び第4の液通路24,25、前記隙間K5,
K6、連通路30d,30fの間で作動液を循環させ得
るとともに、前記隙間K1,K2の作動液が前記循環系
に誘引され、ギヤ1,2の軸受部を強制潤滑することが
できる。この結果、ギヤ1,2の軸受部の回転トルクを
低減できる。
【0032】また、ギヤ1,2は金属粉射出成形体から
なり、ギヤ1,2が射出成形されるとき、前記第1及び
第3の液通路14,24及びセンタ穴16,17,2
6,27を形成用型によって得ることができるため、前
記第1及び第3の液通路14,24、両端のセンタ穴1
6,17,26,27を得るための加工工程を経ること
なくギヤ1,2を得ることができ、ギヤ1,2の加工コ
ストを低減できる。
【0033】図7はラック・ピニオン式の舵取機構を備
えた車両において、本発明に係るギヤポンプを用いて構
成されたパワーステアリング装置の模式図である。ラッ
ク・ピニオン式の舵取機構は、上端が操舵輪40に繋が
る操舵軸41の下端にピニオン42を固設し、該ピニオ
ン42を車体の前部に左右方向に延設されたラック軸4
3のラック歯に噛合せしめ、舵取りのための操舵輪40
の回転をラック軸43の軸長方向の摺動に変換して、該
ラック軸43の両端に各別に連結された左右一対の前輪
44,44の向きを変えて舵取りを行わせる構成となっ
ている。尚、操舵輪40及び操舵軸41が操舵手段を構
成している。
【0034】本発明に係るパワーステアリング装置は、
ラック軸43の中途に構成された操舵補助用のアクチュ
エータ(油圧シリンダ)45と、操舵軸41の中途に構
成された回転式の液圧制御弁46とを備えてなり、操舵
輪40の操作に応じた液圧制御弁46の動作により前記
ギヤポンプGPからの送給路を切り替えてアクチュエー
タ45に圧液を送給し、この送給に応じてアクチュエー
タ45が発生する液圧力をラック軸43に加え、該ラッ
ク軸43の摺動を補助する構成となっている。
【0035】本発明に係るギヤポンプGPは、モータM
を駆動源として回転駆動され、アクチュエータ45への
送給液の発生源として用いられており、タンク6からギ
ヤ室31へ吸込んだ作動液をギヤ1,2の回転によりギ
ヤ室31で昇圧し、この昇圧された圧液を送給管10及
び液圧制御弁46を経てアクチュエータ45に送給する
構成となっている。
【0036】ギヤポンプGPを駆動するモータMには、
マイクロプロセッサを用いてなる駆動制御部47の出力
が、図示しない駆動回路を介して与えられており、前記
モータMは、駆動制御部47からの指令に応じてオンオ
フを含めて駆動制御されるようになしてある。駆動制御
部47の入力側には、操舵軸41の中途に付設された舵
角センサ48から、操舵輪40の操舵角の検出信号が与
えられ、また車速センサ49から、走行速度の検出信号
が与えられている。
【0037】駆動制御部47は、車速センサ49からの
入力に応じて、検出車速の増大に応じてモータMの回転
速度を減じる回転速度制御を行う。これにより、ギヤポ
ンプGPから液圧制御弁46を介してアクチュエータ4
5に送給される圧液は、車速の遅速に応じて高低となる
圧力を有するようになり、前輪44,44に作用する路
面反力が大きい低速走行時、又は、停止時において大な
る操舵補助力が得られ、舵取りのための操舵輪40の操
舵に要する力が大幅に軽減される一方、前記路面反力が
小さい高速走行時に操舵補助が小さくなり、操舵輪40
に適度の剛性を付与して直進安定性を向上させることが
できる。
【0038】尚、以上説明した実施の形態では、従動用
のギヤ2に第4の液通路25を設けたが、その他、この
第4の液通路25をなくし、ギヤ室31の側面及びギヤ
1,2の歯部端面の間の隙間K1,K2、軸部22,2
3及び軸受孔33,35の間の隙間K5,K6、第3の
液通路24及び連通路30d,30fが夫々連通するよ
うにし、この連通系でギヤ2の軸受部を強制潤滑するよ
うにしてもよい。また、従動用のギヤ2に第4の液通路
25を設けた場合、第3の液通路24を長手方向中央部
で閉鎖された非貫通の孔、換言すれば両方の軸部22,
23に対応して穿設された第4の液通路25,25の間
で閉鎖され、軸部22,23の端縁から軸長方向に延び
る非貫通の孔とし、両方の軸部22,23側で前記循環
系を生じさせてもよい。
【0039】また、以上説明した実施の形態では、ギヤ
室31の側面及び駆動用のギヤ1の歯部端面の間の隙間
K1,K2を作動液の循環系に含ませたが、この隙間K
1,K2を前記循環系から外し、ギヤ1の軸部12,1
3及び軸受孔32,34の間の隙間K3,K4、第1の
液通路14、第2の液通路15及び連通路30c,30
eを前記循環系としてもよい。
【0040】
【発明の効果】第1発明乃至第3発明によれば、ギヤの
軸受部を強制潤滑することができるため、ブッシュを用
いることなくギヤの回転トルクを低減できる。
【0041】第4発明によれば、軸受部を強制潤滑する
ために必要な液通路を得るための加工工程を経ることな
くギヤを得ることができる。
【0042】第5発明によれば、第1発明から第4発明
の何れかと同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るギヤポンプの構成を示す縦断正面
図である。
【図2】本発明に係るギヤポンプの要部の構成を示す拡
大断面図である。
【図3】図2のIII −III 線の拡大断面図である。
【図4】本発明に係るギヤポンプのギヤ部分の拡大断面
図である。
【図5】本発明に係るギヤポンプのサイドプレートのギ
ヤ側の拡大側面図である。
【図6】本発明に係るギヤポンプのサイドプレートのギ
ヤと反対側の拡大側面図である。
【図7】本発明に係るギヤポンプを用いて構成されたパ
ワーステアリング装置の模式図である。
【図8】従来例を示すギヤポンプの縦断正面図である。
【符号の説明】
1 ギヤ 12,13 軸部 14 第1の液通路 15 第2の液通路 2 ギヤ 22,23 軸部 24 第3の液通路 3 ハウジング 31 ギヤ室 30c,30d,30e,30f 連通路 32,33,34,35 軸受孔 38 吸込路 40 操舵輪 41 操舵軸 45 アクチュエータ 46 液圧制御弁 GP ギヤポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D033 EB02 3H041 AA02 BB02 CC06 DD05 DD07 DD15 DD31 DD33 DD38 3H044 AA02 BB02 CC06 DD05 DD06 DD11 DD21 DD23 DD28

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に噛合して回転され軸部を有する2
    つのギヤと、該ギヤを収容するギヤ室、及び前記軸部が
    嵌合される軸受孔を有するハウジングと、前記ギヤ室に
    連通する吸込路とを備えたギヤポンプにおいて、前記ギ
    ヤの1つは軸部を軸長方向に貫通する液通路を有してお
    り、該液通路及び前記軸受孔を前記吸込路に連通させる
    連通路を有していることを特徴とするギヤポンプ。
  2. 【請求項2】 相互に噛合して回転され軸部を有する2
    つのギヤと、該ギヤを収容するギヤ室、及び前記軸部が
    嵌合される軸受孔を有するハウジングと、前記ギヤ室に
    連通する吸込路とを備えたギヤポンプにおいて、少なく
    とも1つのギヤは軸部の端縁から軸長方向に延びる第1
    の液通路と、該第1の液通路から前記軸部の周面へ貫通
    する第2の液通路とを有しており、前記第1の液通路及
    び前記軸受孔を前記吸込路に連通させる連通路を有して
    いることを特徴とするギヤポンプ。
  3. 【請求項3】 相互に噛合して回転され軸部を有する2
    つのギヤと、該ギヤを収容するギヤ室、及び前記軸部が
    嵌合される軸受孔を有するハウジングと、前記ギヤ室に
    連通する吸込路とを備えたギヤポンプにおいて、前記ギ
    ヤの1つは軸部を軸長方向に貫通する液通路を有してお
    り、前記ギヤの他の1つは軸部の端縁から軸長方向に延
    びる第1の液通路と、該第1の液通路から前記軸部の周
    面へ貫通する第2の液通路とを有しており、前記液通
    路、第1の液通路及び前記軸受孔を前記吸込路に連通さ
    せる連通路を有していることを特徴とするギヤポンプ。
  4. 【請求項4】 前記ギヤは金属粉射出成形体からなる請
    求項1乃至3の何れかに記載のギヤポンプ。
  5. 【請求項5】 操舵手段と、該操舵手段の操舵を補助す
    るアクチュエータと、前記操舵手段の操舵角に基づいて
    駆動される請求項1乃至4の何れかに記載のギヤポンプ
    と、該ギヤポンプからの圧液の送給路を切替えて前記ア
    クチュエータへ圧液を送給する液圧制御弁とを備えてい
    ることを特徴とするパワーステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012191342A (ja) * 2011-03-09 2012-10-04 Panasonic Corp 無線装置
CN103717901A (zh) * 2011-06-30 2014-04-09 皮泊弗罗制造公司 具有正排量辅助泵送系统的正排量回转泵

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