JP2003138460A - 食品用ポリプロピレン系不織布 - Google Patents

食品用ポリプロピレン系不織布

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JP2003138460A
JP2003138460A JP2001332147A JP2001332147A JP2003138460A JP 2003138460 A JP2003138460 A JP 2003138460A JP 2001332147 A JP2001332147 A JP 2001332147A JP 2001332147 A JP2001332147 A JP 2001332147A JP 2003138460 A JP2003138460 A JP 2003138460A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不織布のべたつき感、臭い、ヒートシール
性、溶出性を改良し、味特性等に優れた食品用ポリプロ
ピレン系不織布の提供。 【解決手段】 メタロセン触媒によって重合され、MF
Rが10〜100g/10分、Q値が2.0〜4.0、
Tmが110〜140℃、T80−T20が10℃以
下、TREF測定時の0℃可溶分量が3重量%以下、α
−オレフィン含有量が1〜18モル%、C12〜C30
のオリゴマー成分量が60wtppm以下のプロピレン
・α−オレフィンランダム共重合体を少なくとも1成分
とする繊維からなる不織布であって、該不織布の少なく
とも1方向の引張強度が5000g/5cm幅以上であ
ることを特徴とする食品用ポリプロピレン系不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品用ポリプロピ
レン系不織布に関し、特に、べたつき感がなく、低臭、
低溶出性、ヒートシール性に優れた食品用ポリプロピレ
ン系不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン等のプロピレン系樹脂は
成形性、剛性に優れ、またリサイクル性や耐熱性にも優
れていることから、各種成形加工され、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン等の他の樹脂と同様に食品容器、食品
包装材、医療用器具、医療用容器、包装フィルム等、各
種用途に広く使用されている。
【0003】特に、ポリプロピレンを用いた不織布は、
種々の用途に用いられ、手術着、紙オムツ、生理用品等
の医療・衛生材料、包装材等の産業資材、油吸着材等の
工業資材、衣料材、清掃材、ごみ袋等の日用雑貨、食品
包装材等の食品関連分野に用いられている。食品関連と
しての不織布用途は、お茶、紅茶、コ−ヒ−、漢方薬、
などのティーバッグ形式の食品包装材、または野菜や肉
などを煮込み調理する際にでてくるアクをとるアク取り
フィルター、電子レンジ加熱用包装など多岐にわたって
いる。これら用途においては、不織布のべたつき感が少
なく、低臭、低溶出性、低ヒートシール性に優れている
ことがが望まれている。
【0004】このような不織布は従来、チーグラー系触
媒から製造されるプロピレン系重合体から形成されてお
り、構成繊維の形態としては、包装材としてのティーバ
ッグ等、加工時に低温ヒートシール性が求められること
もあり、鞘成分に低融点成分を使用した芯鞘型の複合繊
維が主流である。
【0005】ところが、この鞘材にチーグラー系のプロ
ピレン−αオレフィン重合体を使用すると、当該重合体
は、分子量分布が広く、溶融紡糸すると紡糸口金からフ
ィラメントとして溶融押出する際に、紡糸設定温度では
流れ量が多すぎたり、少なすぎたりして紡糸安定性に劣
り、また紡糸可能な樹脂温度も狭い範囲に限られ、不織
布のヒートシール性も不十分であった。さらに、当該重
合体には低分子量成分、C12〜C30のオリゴマー成
分が多いことや、紡糸性を良くするために過酸化物で当
該重合体を調製することにより、アセトン、t−ブタノ
ールなどの成分も残存しているため、このような重合体
から不織布を成形し、お茶や紅茶、コーヒー、漢方薬等
のティーバッグ形式の食品包装材として用いた場合、ま
た電子レンジ加熱包装材として使用した場合、上記成分
が熱水中に溶出したり、包装内で揮発成分が溜り、異味
異臭の原因となり、食品の本来の味が生かされないとい
う問題があった。また、ポリプロピレン製不織布のヒー
トシール性を向上させるためには、ポリプロピレンとし
てエチレン共重合成分を含むポリプロピレンを用い、こ
のエチレン成分含有量を増加させればよいことが知られ
ているが、これによって不織布表面がベタつくという新
たな問題点を生じていた。また、メタロセン系プロピレ
ン・α−オレフィン共重合体からなる繊維、不織布も提
案がなされてはいるが、食品分野において、不織布強度
が高く、低溶出成分であって異味異臭を解消するという
点においては、実用的なレベルに達成するに至っていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる現状
に鑑み上記欠点を解消し、不織布のべたつき感、ヒート
シール性、臭い、溶出性を改良し、味特性等に優れた食
品用ポリプロピレン系不織布を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、不織布のべたつき感、臭い、溶出
性、ホートシール性を改良するために鋭意検討した結
果、メタロセン触媒で重合した特定のプロピレン・α−
オレフィンランダム共重合体がべたつき感、臭い、ヒー
トシール性、溶出性、味特性に優れた食品用不織布原料
として好適であることを見出し、本発明に至ったもので
ある。
【0008】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
メタロセン触媒によって重合され、下記特性(1)〜
(7)を有するプロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体を少なくとも1成分とする繊維からなる不織布で
あって、該不織布の少なくとも1方向の引張強度が50
00g/5cm幅以上であることを特徴とする食品用ポ
リプロピレン系不織布が提供される。 特性(1):MFRが10〜100g/10分 特性(2):Q値が2.0〜4.0 特性(3):Tmが110〜140℃ 特性(4):T80−T20が10℃以下 特性(5):TREF測定時の0℃可溶分量が3重量%
以下 特性(6):α−オレフィン含有量が1〜18モル% 特性(7):C12〜C30のオリゴマー成分量が60
wtppm以下 (但し、MFRはJIS−K6921による230℃、
21.18Nでのメルトフローレート、Q値はGPCに
より測定した重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnと
の比(Mw/Mn)、Tmは示差走査熱量計(DSC)
によって得られる融解曲線のピーク温度、T80は温度
上昇溶離分離(TREF)によって得られる積分溶出曲
線において80重量%が溶出する温度、T20は20重
量%が溶出する温度をそれぞれ示す。)
【0009】また、本発明の第2の発明によれば、第1
の発明に記載の特性(4):T80−T20が2〜8℃
であることを特徴とする食品用ポリプロピレン系不織布
が提供される。
【0010】また、本発明の第3の発明によれば、第1
又は2の発明に記載のプロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体のα−オレフィンがエチレンであり、その
含有量が1〜12モル%であることを特徴とする食品用
ポリプロピレン系不織布が提供される。
【0011】また、本発明の第4の発明によれば、第1
〜3のいずれかの発明に記載のプロピレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体を少なくとも1成分とする繊維が
単一繊維、芯鞘型複合繊維、あるいはサイドバイサイド
型複合繊維であることを特徴とする食品用ポリプロピレ
ン系不織布が提供される。
【0012】また、本発明の第5の発明によれば、第1
〜4いずれかの発明に記載のプロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体樹脂を少なくとも1成分とする繊維
からなる不織布が、スパンボンド法、メルトブロー法、
水流交絡法又はカード法のいずれかの方法によりなる製
造されたシート状不織布であることを特徴とする食品用
ポリプロピレン系不織布が提供される。
【0013】また、本発明の第6の発明によれば、第1
〜5のいずれかの発明に記載の食品用ポリプロピレン系
不織布を用いることを特徴とする灰汁取りフィルターが
提供される。
【0014】また、本発明の第7の発明によれば、第1
〜5のいずれかの発明に記載の食品用プロピレン系不織
布を用いることを特徴とする食品包装用不織布が提供さ
れる。
【0015】また、本発明の第8の発明によれば、第7
の発明に記載の食品包装用不織布を用いることを特徴と
するティーバックが提供される。
【0016】また、本発明の第9の発明によれば、第7
の発明に記載の食品包装用不織布を用いることを特徴と
する電子レンジ加熱包装用不織布が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のプロピレン系不織布で用いるプロピレン・α−
オレフィンランダム共重合体は、メタロセン触媒を使用
して重合した共重合体である。メタロセン触媒は、チタ
ン、ジルコニウム、ハフニウム等の周期律表第4〜6族
遷移金属と、シクロペンタジエニル基あるいはシクロペ
ンタジエニル誘導体基との錯体を使用した触媒である。
【0018】メタロセン触媒において、シクロペンタジ
エニル誘導体基としては、ペンタメチルシクロペンタジ
エニル等のアルキル置換体基、あるいは2以上の置換基
が結合して飽和もしくは不飽和の環状置換基を構成した
基を使用することができ、代表的にはインデニル基、フ
ルオレニル基、アズレニル基、あるいはこれらの部分水
素添加物を挙げることができる。また、複数のシクロペ
ンタジエニル基がアルキレン基、シリレン基、ゲルミレ
ン基等で結合したものも好ましく用いられる。
【0019】メタロセン錯体として、具体的には次の化
合物を好ましく挙げることができる。(1)メチレンビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(2)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、(3)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)
(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、(4)エチレン(シクロペンタジエニ
ル)(3,5−ジメチルペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、(5)メチレンビス(インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、(6)エチレンビス(2−メチルイ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、(7)エチレン
1,2−ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウム
ジクロリド、(8)エチレン(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(9)ジメ
チルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1
0)ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、(11)ジメチルシリレンビス(4,5,
6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロ
リド、(12)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニ
ル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(1
3)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(オク
タヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(1
4)メチルフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−
4,5−ベンゾ(インデニル)]ジルコニウムジクロリ
ド、(15)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル
−4,5−ベンゾインデニル)]ジルコニウムジクロリ
ド、(16)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル
−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、(1
7)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−
(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコ
ニウムジクロリド、(18)ジメチルシリレンビス[1
−(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−
アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、(19)ジメ
チルシリレンビス[1−(2−エチル−4−ナフチル−
4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、(2
0)ジフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4−
(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコ
ニウムジクロリド、(21)ジメチルシリレンビス[1
−(2−メチル−4−(フェニルインデニル))]ジル
コニウムジクロリド、(22)ジメチルシリレンビス
[1−(2−エチル−4−(フェニルインデニル))]
ジルコニウムジクロリド、(23)ジメチルシリレンビ
ス[1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニ
ル)]ジルコニウムジクロリド、(24)ジメチルゲル
ミレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(25)ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド。
【0020】また、チタニウム化合物、ハフニウム化合
物などの他の第4、5、6族遷移金属化合物についても
上記と同様の化合物が挙げられる。本発明の触媒成分お
よび触媒については、これらの化合物を併用してもよ
い。
【0021】また、これらの化合物のクロリドの一方あ
るいは両方が臭素、ヨウ素、水素、メチルフェニル、ベ
ンジル、アルコキシ、ジメチルアミド、ジエチルアミド
等に代わった化合物も例示することができる。さらに、
上記のジルコニウムの代わりに、チタン、ハフニウム等
に代わった化合物も例示することができる。
【0022】助触媒としては、アルミニウムオキシ化合
物、メタロセン化合物と反応してメタロセン化合物成分
をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物もし
くはルイス酸、固体酸、あるいは、イオン交換性層状珪
酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物が
用いられる。また、必要に応じてこれら化合物と共に有
機アルミニウム化合物を添加することができる。
【0023】アルミニウムオキシ化合物としては、メチ
ルアルモキサン、エチルアルモキサン、プロピルアルモ
キサン、ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサ
ン、メチルエチルアルモキサン、メチルブチルアルモキ
サン、メチルイソブチルアルモキサン等が例示される。
また、トリアルキルアルミニウムとアルキルボロン酸と
の反応物を使用することもできる。例えば、トリメチル
アルミニウムとメチルボロン酸の2:1の反応物、トリ
イソブチルアルミニウムとメチルボロン酸の2:1反応
物、トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニ
ウムとメチルボロン酸の1:1:1反応物、トリエチル
アルミニウムとブチルボロン酸の2:1反応物などであ
る。
【0024】イオン交換性層状珪酸塩としては、モンモ
リロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナ
イト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、
ベントナイト、テニオライト等のスメクタイト族、バー
ミキュライト族、雲母族などの珪酸酸塩が用いられる。
これらのケイ酸塩は化学処理を施したものであることが
好ましい。ここで化学処理とは、表面に付着している不
純物を除去する表面処理と層状ケイ酸塩の結晶構造、化
学組成に影響を与える処理のいずれをも用いることがで
きる。具体的には、(イ)酸処理、(ロ)アルカリ処
理、(ハ)塩類処理、(ニ)有機物処理等が挙げられ
る。これらの処理は、表面の不純物を取り除く、層間の
陽イオンを交換する、結晶構造中のAl、Fe、Mg等
の陽イオンを溶出させ、その結果、イオン複合体、分子
複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離、固
体酸性度等を変えることができる。これらの処理は単独
で行ってもよいし、2つ以上の処理を組み合わせてもよ
い。
【0025】また、必要に応じてこれら化合物と共にト
リエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムクロリド等の有機アルミニウム化
合物が使用してもよい。
【0026】本発明においては、上記メタロセン触媒を
使用してプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体
を得る。α−オレフィンとしては、プロピレンを除く炭
素数2〜20のα−オレフィンがあげられ、例えばエチ
レン、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチル−1−ブ
テン、ヘキセン−1、3−メチル−1−ペンテン、4−
メチル−1−ペンテン、ヘプテン−1、オクテン−1、
ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1、テトラデセン
−1、ヘキサデセン−1、オクタデセン−1、エイコセ
ン−1等を例示できる。プロピレンと共重合されるα−
オレフィンは、一種類でも二種類以上併用してもよい。
このうちエチレン、ブテン−1が好適であり、特にはエ
チレンが好ましい。
【0027】重合法としては、これらの触媒の存在下、
不活性溶媒を用いたスラリー法、実質的に溶媒を用いな
い気相法や溶液法、あるいは重合モノマーを溶媒とする
バルク重合法等が挙げられる。
【0028】本発明で用いるプロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体は、前述のメタロセン触媒で重合さ
れた共重合体であって、次の特性(1)〜(7)を有し
ている必要がある。以下、各特性について説明する。
【0029】特性(1):MFR 本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体のJIS−K6921による230℃、21.1
8Nでのメルトフローレート(MFR)は、10〜10
0g/10分であり、好ましくは12〜90g/10分
であり、より好ましくは15〜80g/10分である。
MFRが10g/10分未満であると紡糸圧力が高くな
りすぎ、高倍率での延伸が困難となり、繊維径の不均一
などの弊害が生じる。一方、100g/10分を超える
と溶融粘度が低いことから紡糸時に糸揺れが顕著とな
り、隣接する糸同士が融着し糸切れが多発するといった
弊害が生じる。ポリマーのMFRを調節するには、例え
ば、重合温度、触媒量、分子量調節剤としての水素の供
給量などを適宜調節する方法、あるいは重合終了後に過
酸化物の添加により調整する方法がある。
【0030】特性(2):Q値 本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体のQ値は、GPCにより測定した重量平均分子量
Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)であっ
て、2.0〜4.0であり、好ましくは2.2〜3.7
であり、より好ましくは2.3〜3.5である。Q値が
4を超えると、高分子量の存在により紡糸延伸性が損な
われるといった弊害が生じる。逆に、2.0未満である
と、高分子量成分が少なすぎることにより、紡糸ノズル
直下での溶融繊維の粘性が低くなり、これに伴う糸揺れ
が顕著となり、紡糸安定性が損なわれ好ましくない。プ
ロピレン・α−オレフィンランダム共重合体のQ値を調
整する方法は、好ましくは2種以上のメタロセン触媒成
分の併用した触媒系や2種以上のメタロセン錯体を併用
した触媒系を用いて重合する、または重合時に2段以上
の多段重合を行うことによりQ値を広く制御することが
できる。逆にQ値を狭く調整するためには、プロピレン
・α−オレフィンランダム共重合体を重合後、有機過酸
化物を使用し溶融混練することにより調整することがで
きる。
【0031】なお、Q値の具体的測定は、次の条件でお
こなう。 装置 :Waters社製HLC/GPC 150
C カラム温度:135℃ 溶媒 :o−ジクロロベンゼン 流量 :1.0ml/min カラム :東ソー株式会社製 GMHHR−H(S)
HT 60cm×1 注入量 :0.15ml(濾過処理無し) 溶液濃度 :5mg/3.4ml 試料調整 :o−ジクロロベンゼンを用い、5mg/
3.4mlの溶液に調整し140℃で1〜3時間溶解さ
せる。 検量線 :ポリスチレン標準サンプルを使用する。 検量線次数:1次 PP分子量:PS×0.639
【0032】特性(3):Tm 本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体のTmは、示差走査熱量計(DSC)によって得
られる融解曲線のピーク温度を表し、110〜140℃
である。Tmが140℃を超えると、不織布加工時、並
びにティーバッグなどの2次加工時に加工温度を高温に
する必要があり、エネルギーコストの観点から好ましく
ない。また、110℃未満であると、沸騰水中で部分融
解する可能性があり、好ましくない。Tmを調整するに
は重合反応系へ供給するα−オレフィンの量を制御する
ことにより容易に調整することができる。
【0033】なお、Tmの具体的測定は、パーキンエル
マー社製の示差走査熱量計(DSC)を用い、サンプル
量10mgを採り、200℃で5分間保持した後、40
℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、更に10℃
/分の昇温速度で融解させたときに描かれる曲線のピー
ク位置を、融解ピーク温度Tm(℃)とする。
【0034】特性(4):T80−T20(TREFに
よる溶出量差温度) 本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体は、温度上昇溶離分別(TREF:Temper
ature Rising ElutionFract
ion)によって得られる積分溶出曲線において、80
重量%が溶出する温度(T80)と20重量%が溶出す
る温度(T20)の差、T80−T が、10℃以下
であり、好ましくは2〜9℃であり、より好ましくは2
〜8℃である。T80−T20が10℃を超えると、低
融点成分が増加するため、構成繊維のべたつき、不織布
とした時の表面すべり特性の悪化、紡糸性能の低下等の
弊害が生じる。ポリマーのT80−T20が上記のよう
に特定の狭い範囲にあることは、ポリマーの分子量分布
がより均一であることを意味している。プロピレン・α
−オレフィンランダム共重合体のT80−T20を調整
する方法は、2種以上のメタロセン触媒成分の併用した
触媒系や2種以上のメタロセン錯体を併用した触媒系を
用いて重合することにより、T80−T20を大きく調
整することができる。また、担体にメタロセン触媒成分
を担持する際、担持が不均一である触媒を使用して重合
した場合、低分子量成分が増え、これに伴いT80−T
20が大きくなってしまう。したがってメタロセン触媒
成分を担体に均一に担持する技術が重要である。
【0035】ここで、上記温度上昇溶離分別(TRE
F)とは、不活性担体の存在下に一定高温下でポリマー
を完全に溶解させた後に冷却し、該不活性担体表面に薄
いポリマー層を生成させ、次に、温度を連続又は段階的
に昇温して、溶出した成分を回収し、その濃度を連続的
に検出して、その溶出量と溶出温度によって描かれるグ
ラフ(積分溶出曲線)により、ポリマーの組成分布を測
定する方法である。温度上昇溶離分別(TREF)の測
定の詳細については、Journal of Appl
ied Polymer Science第26巻 第
4217〜4231頁(1981年)に記載されてお
り、本発明においてもこれに従って行う。
【0036】なお、T80−T20は、具体的には、次
の条件で測定した値である。測定装置はダイヤインスツ
ルメンツ製CFC T−102Lを使用し、まず、測定
すべきサンプルを溶媒(o−ジクロロベンゼン)を用
い、3mg/mlとなるように、140℃で溶解し、こ
れを測定装置内のサンプルループ内に注入する。以下の
測定は設定条件にしたがって自動的に行われる。サンプ
ルループ内に保持された試料溶液は、溶解温度の差を利
用して分別するTREFカラム(不活性担体であるガラ
スビーズが充填された内径4mm、長さ150mmの装
置付属のステンレス製カラム)に0.4ml注入され
る。次に該サンプルを1℃/分の速度で140℃から0
℃の温度まで冷却させる。TREFカラムが0℃で更に
30分間保持された後、0℃の温度で溶解している成分
2mlが1ml/分の流速でTREFカラムからSEC
カラム(昭和電工製AD806MS 3本)へ注入され
る。SECで分子サイズの分別が行われている間に、T
REFカラムでは次の溶出温度(10℃)に昇温され、
その温度に約30分保持される。SECでの各溶出区分
の測定は39分間隔で行う。溶出温度は0℃から40℃
まで10℃毎に、40℃から90℃まで5℃毎に、90
℃から140℃までは4℃毎に階段的に昇温される。該
SECカラムで分子サイズによって分別された溶液は装
置付属の赤外線分光光度計で検出され、各溶出温度区分
におけるクロマトグラフが得られる。なお、赤外線分光
光度計での検出は検出波数3.42μmにおける吸光度
を使用して行われ、溶液中のポリマー成分量と吸光度と
が比例するものとして以下のデータ処理が行われる。各
溶出温度区分におけるクロマトグラムは内蔵のデータ処
理ソフトにより処理され、各クロマトグラムの面積を基
に、積算が100%となるように規格化された各溶出温
度区分の溶出量が計算される。更に、得られた各溶出温
度区分の溶出量から、積分溶出曲線が作成される。0℃
可溶分量とは0℃で溶出したポリマー成分の量(%)を
示すものであり、T20とは積算溶出量が20%となる
温度を、T80とは積算溶出量が80%となる温度を示
すものである。
【0037】特性(5):TREF測定時の0℃可溶分
量 本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体のTREF測定時の0℃可溶分量は、3重量%以
下であり、好ましくは1.0重量%以下であり、更に好
ましくは0.5重量%以下であり、特に好ましくは0.
3重量%以下である。TREF測定時の0℃可溶分量
は、低分子量成分がそのほとんどを占めており、不織布
のべたつきの原因となる。上記範囲より大きい場合は、
不織布べたつきが顕著となり、これは沸騰水での溶出原
因にもなり、好ましくない。プロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体のTREF0℃可溶分の量は、担体
にメタロセン触媒成分を担持する際、担持が不均一であ
る触媒を使用して重合した場合、低分子量が増え、これ
に伴いTREF0℃可溶分の量が増加してしまう。した
がってメタロセン触媒成分を担体に均一に担持する触媒
を使用して重合することによりTREF0℃可溶分の量
を3重量%以下に調整することができる。
【0038】特性(6):α−オレフィン含有量 本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体中のα−オレフィン(コモノマー)含有量は、1
〜18モル%であり、好ましくは2.5〜10モル%で
あり、より好ましくは3〜8モル%である。特にコモノ
マーがエチレンの場合は、1〜12モル%が好ましい。
コモノマー含有量が上記範囲よりも少量であると融点が
高く、ヒートシール特性が改善されず好ましくない。一
方、多すぎると紡糸時の固化が遅く、生産性が損なわれ
る、また不織布強度や剛性が大きく低下してしまうとい
った弊害が生じる。ポリマー中のα−オレフィン含有量
は重合反応系へ供給するα−オレフィンの量を制御する
ことにより容易に調節することができる。なお、本発明
において、α−オレフィン含有量は、フーリエ変換赤外
分光光度計により定量されるものである。
【0039】特性(7):C12〜C30のオリゴマー
成分量 本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体のC12〜C のオリゴマー成分量は、60w
tppm以下であり、好ましくは30wtppm以下、
より好ましくは15wtppm以下、特に好ましくは1
0wtppm以下である。オリゴマー成分は、紡糸時の
発煙成分となり、繊維表面に付着してしまうものであ
る。オリゴマー成分量が60ppmwtを超えると、オ
リゴマーの繊維表面への付着量が多くなり、ティーバッ
グ加工したときの臭い、味に影響を及ぼし、好ましくな
い。ポリプロピレン系樹脂のオリゴマー成分や揮発性炭
化水素を減少させる方法としては、 (1)スラリー重合でオリゴマー分を除去し、かつドラ
イヤーで感想を強化して溶剤と揮発性炭化水素を低減す
るする方法。 (2)重合の滞留時間を短くしてオリゴマー成分の生成
を押さえ、かつドライヤーで乾燥を強化して揮発性炭化
水素を低減する方法。 (3)プロピレン等の低沸点溶媒による洗浄工程を設け
てオリゴマーを低減し、かつドライヤーで乾燥を強化し
て揮発性炭化水素を低減する方法が挙げられる。上記
(3)の洗浄工程においては、メタロセン触媒を用いた
重合終了後、得られたプロピレン系重合体を、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの不活
性飽和炭化水素溶剤や液状α−オレフィンなどを用い
て、さらに好ましくは炭素数3または4の不活性炭化水
素溶剤や液状α−オレフィンを用いて、洗浄を行うこと
が好ましい。洗浄方法としては、特に制限はなく、攪拌
槽での接触処理後上澄みのデカンテーション、向流洗
浄、サイクロンによる洗浄液との分離など、公知の方法
を用いることができる。また、洗浄前あるいは洗浄と同
時に、失活剤を添加してもよい。失活剤に関しては、特
に制限はなく、水、メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、などのアルコール類、アセトン、メチルエチ
ルケトンなどのケトン類など、あるいはこれらの混合物
を用いることができる。また、上記の樹脂パウダーを用
いる乾燥を強化する方法としては、乾燥処理温度が60
〜100℃、乾燥時間が1〜4時間であり、さらに脱臭
処理として、ペレットの温風乾燥の処理方法を組み合わ
せてもよい。
【0040】なお、C12〜C30オリゴマー成分量の
具体的な測定は、「高分子分析ハンドブック」(紀伊国
屋書店刊)の記載に基づき下記の手法で分析される。凍
結粉砕した試料2.5gをヘキサン100mlで加熱還
流抽出を1時間行った後、冷却濾過し、ロータリーエバ
ポレータにより脱溶剤して乾固し、これにヘキサン4m
lを加え超音波洗浄機にて抽出する。これを次の条件で
ガスクロマトグラフ/質量分析法(SIM)で測定す
る。 装置:HP−GCD カラム:HP−1 0.23mm×30m 温度:100℃→5℃/min→300℃ 注入量:1μl スプリットレス 検出:SIM(m/Z=43、57モニター m/Z=
43にて定量) C18換算:絶対検量線法(絶対検量線法は、JIS
K 0123に準拠)
【0041】また、本発明のプロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体には、本発明の目的が損なわれない
範囲で、各種添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止
剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、結晶造核剤、銅害防止
剤、帯電防止剤、スリップ剤、抗ブロッキング剤、防曇
剤、着色剤、充填剤、エラストマー、石油樹脂などを配
合することができる。
【0042】本発明においては、プロピレン・α−オレ
フィンランダム共重合体と、必要に応じてこれらの各種
添加剤とを、ドライブレンドの状態あるいは溶融混練機
を用いて180〜300℃で加熱溶融混練し、粒状に裁
断されたペレットの状態で繊維不織布成形材料として提
供される。
【0043】本発明のポリプロピレン系不織布は、上述
の繊維不織布成形材料をスパンボンド法、メルトブロー
ン法等で直接製造するか、一旦繊維化して、水流交絡
法、カード法などの成形法により製造される。該不織布
の目付量は、5〜200g/m であるのが好ましい。
また、不織布は単層での使用だけでなく、例えば、スパ
ンボンド法で得られた不織布とメルトブローン法で得ら
れた不織布の積層体、あるいは不織布とフィルムや吸水
紙との積層体としても好適に使用できる。
【0044】不織布を成形する際、プロピレン・α−オ
レフィンランダム共重合体を少なくとも1成分とする繊
維は、単一繊維、芯鞘型複合繊維、あるいはサイドバイ
サイド型複合繊維であっても良く、複合繊維の場合は、
上記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体から
の繊維がどちらかの繊維の1成分として含まれていれば
良い。
【0045】上記の方法で製造されるポリプロピレン系
不織布は、少なくとも1方向の引張強度が5000g/
5cm幅以上である。好ましくは6000g/5cm幅
以上である。引張強度が5000g/5cm幅未満であ
ると、包装材料として用いる場合、包装される内容物が
破れて出てきてしまうといった弊害が生じる。
【0046】なお、不織布の引張強度は、JIS L
1096に従い測定する。具体的測定方法は、50mm
×300mmの不織布をチャック間距離が200mm、
引張速度:200mm/分の条件で、縦方向(MD)と
横方向(TD)の2方向を測定する。
【0047】本発明のポリプロピレン系不織布は、べた
つき感および不織布の臭いがなく、溶出性が改良され、
ヒートシール性、味特性に優れ、強度に優れるため、食
品用不織布として用いることができ、例えば、コーヒ
ー、紅茶、お茶、漢方薬等のためのティーバッグ、灰汁
取りフィルター、電子レンジ加熱包装用不織布等として
用いることができる。
【0048】
【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り下記の実施例
に限定されるものではない。物性等の測定は下記の通り
である。また、実施例、比較例で用いたプロピレン・α
−オレフィン共重合体の製造方法を重合例に示した。
【0049】(1)MFR:JIS−K 6921−2
附属書に準拠し測定した。(条件:温度/230℃、荷
重21.18N)
【0050】(2)Q値:測定は、前述の測定方法に従
って行った。 検量線 :表1のポリスチレン標準サンプルを使用し
た。
【0051】
【表1】 検量線次数:1次 PP分子量:PS×0.639
【0052】(3)融解ピーク温度(Tm):前述した
方法により測定した。
【0053】(4)温度上昇溶離分別(TREF)によ
る、T80−T20、0℃可溶分量:前述の測定方法に
従って測定した。
【0054】(5)C12〜C30オリゴマー成分量:
前述の測定方法に従って測定した。
【0055】(6)不織布の引張強度:JIS L 1
096に従い、50mm×300mmの不織布をチャッ
ク間距離が200mm、引張速度:200mm/分の条
件で、縦方向(MD)と横方向(TD)の2方向を測定
した。
【0056】(7)臭いの判定:200mm×200m
mの不織布を清潔な臭いの無い広口ガラス瓶(200m
l)に入れる。瓶に栓をして、80℃のヤマト社製オー
ブン中に1時間入れ加熱後、取り出して3分以内に次の
臭い基準に従い、評価を行った。 0級:感じない 1級:やっと感じる 2級:感じられる 3級:楽に感じる 4級:強く感じる
【0057】(8)味の判定:50mmlビーカーに2
00mlのミネラルウォーターと200mm×200m
m不織布(目付20g/m)を入れ、バーナーで10
分間煮沸させる。その後、不織布を取り出し沸水が60
℃になった時点で、実際に飲んで次の味基準で判定を行
った。 0級:無味無臭 1級:飲んだ後、僅かに臭う 2級:飲んだ後、臭う 3級:舌に刺激を伴う
【0058】重合例1 (1)触媒の調整 3つ口フラスコ(容積1L)中に硫酸で逐次的に処理さ
れたスメクタイト族ケイ酸塩(水沢化学社製ベンクレイ
SL)20g、ヘプタン200mLを仕込み、トリノル
マルオクチルアルミニウム50mmolで処理後ヘプタ
ンで洗浄し、スラリー1とした。また別のフラスコ(容
積200mL)中に、ヘプタン90mL、〔(r)−ジ
クロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル
−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]
ジルコニウム〕0.3mmol、トリイソブチルアルミ
ニウム1.5mmolを仕込みスラリー2とした。スラ
リー2を、上記スラリー1に加えて、室温で60分攪拌
した。その後ヘプタンを210mL追加し、このスラリ
ーを1Lオートクレーブに導入した。オートクレーブの
内部温度を40℃にしたのちプロピレンを10g/時の
速度でフィードし4時間40℃を保ちつつ予備重合を行
い予備重合触媒83gを得た。
【0059】(2)プロピレン・α−オレフィンランダ
ム共重合体の製造 内容積270Lの反応器に液状プロピレン、エチレン、
水素、およびトリイソブチルアルミニウム(TIBA)
のヘキサン希釈溶液を連続的に供給し、内温を62℃に
保持した。プロピレンの供給量は、38kg/hrであ
り、エチレンの供給量は1.1kg/hrであり、水素
の供給量は0.24g/hrであり、TIBAの供給量
は18g/hrであった。前記予備重合触媒を流動パラ
フィンによりスラリー状とし、1.2g/hrでフィー
ドした。その結果、14.5kg/hrのプロピレン・
エチレンランダム共重合体Iを得た。得られたプロピレ
ン・エチレンランダム共重合体Iは、MFR=22.0
g/10分、エチレン含量=5.0mol%、Tm=1
25.1℃、Q値=2.7であった。
【0060】重合例2 重合例1で調整した固体触媒を用い、水素の供給量を
0.36g/hr、予備重合触媒を流動パラフィンによ
りスラリー状としたフィード量を0.87g/hrに変
更した以外は、重合例1と同様にして重合を行った。そ
の結果、11.6kg/hrのプロピレン・エチレンラ
ンダム共重合体IIを得た。得られたプロピレン・エチ
レンランダム共重合体IIは、MFR=39.0g/1
0分、エチレン含量=5.0mol%、Tm=125.
3℃、Q値=2.8であった。
【0061】重合例3 重合例1で調整した固体触媒を用い、エチレンの供給量
を0.85kg/hr、水素の供給量を0.42g/h
r、予備重合触媒を流動パラフィンによりスラリー状と
したフィード量を1.95g/hrに変更した以外は、
重合例1と同様にして重合を行った。その結果、12.
0kg/hrのプロピレン・エチレンランダム共重合体
IIIを得た。得られたプロピレン・エチレンランダム
共重合体IIIは、MFR=40.0g/10分、エチ
レン含量=4.1mol%、Tm=130.1℃、Q値
=2.7であった。
【0062】重合例4 重合例1で調整した固体触媒を用い、エチレンの供給量
を1.6kg/hr、水素の供給量を0.31g/h
r、予備触媒を流動パラフィンによりスラリー状とした
フィード量を0.76g/hrに変更した以外は、重合
例1と同様にして重合を行った。その結果、12.5k
g/hrのプロピレン・エチレンランダム共重合体IV
を得た。得られたプロピレン・エチレンランダム共重合
体IVは、MFR=22g/10分、エチレン含量=
6.2mol%、Tm=120.2℃、Q値=2.8で
あった。
【0063】重合例5 重合例1で調製した固体触媒を用い、水素の供給量を
0.03g/hr、予備重合触媒を流動パラフィンによ
りスラリー状としたフィード量を1.5g/hrに変更
した以外は、重合例1と同様にして、重合を行った。そ
の結果、12.5kg/hrのプロピレン・エチレンラ
ンダム共重合体Vを得た。得られたプロピレン・エチレ
ンランダム共重合体Vは、MFR=6g/10分、エチ
レン含量5.0mol%、Tm=125.4℃、Q値=
2.7であった。
【0064】重合例6 内容積200リットルの攪拌式オートクレーブをプロピ
レンで十分に置換した後、脱水・脱酸素処理したn−ヘ
プタン60Lを導入し、ジエチルアルミニウムクロリド
16g、三塩化チタン触媒(エム・アンド・エム社製)
4.1gを50℃でプロピレン雰囲気下で導入した。更
に気相水素濃度を6.0容量%に保ちながら、50℃の
温度で、プロピレン5.7kg/時及びエチレン0.2
8kg/時の速度で4時間フィードした後、更に1時間
重合を継続した。その結果、12kgのプロピレン・エ
チレンランダム共重合体VIを得た。得られたプロピレ
ン・エチレンランダム共重合体VIは、MFR=6.4
g/10分、エチレン含量=5.9mol%、Tm=1
40℃、Q値=4.4であった。
【0065】重合例7 エチレンの供給量を0.35kg/hrとした以外は重
合例6と同様にして重合を行い、その結果、11kgの
プロピレン・エチレンランダム共重合体VIIを得た。
得られたプロピレン・エチレンランダム共重合体VII
は、MFR=6.0g/10分、エチレン含量=6.5
mol%、Tm=130℃、Q値=4.5であった。
【0066】上記の重合例1〜7で製造したプロピレン
・エチレンランダム共重合体I〜VIIの各物性を表2
に示す。表2から明らかな通り、重合体I〜IVは、特
性(1)〜(7)を有する本発明のプロピレン・エチレ
ンランダム共重合体であり、重合体V〜VIIは本発明
外の共重合体である。
【0067】
【表2】
【0068】実施例1〜4 表2に示す重合体I〜IVのパウダー100重量部に対
して、結晶造核剤として3−メチルブテン重合体のマス
ターバッチを0.10重量部、酸化防止剤として1、
3、5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロ
キシ−2、6−キシリル)メチル]−1、3、5−トリ
アジン−2、4、6(1H、3H、5H)−トリオン
(サイテック製、商品名サイアノックス1790)を
0.04重量部、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ホスファイト(チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ製、商品名イルガホス168)を0.05重量部、
及び中和剤としてステアリン酸カルシウム(日東化成工
業製、商品名Ca−St)を0.05重量部配合し、ヘ
ンシェルミキサーで500rpm、3分間高速混合した
後、φ50mm単軸押出機(ユニオンプラスチック社
製)を使用し、押出温度230℃の条件で、溶融、混
練、冷却、カットしてペレット状のプロピレン共重合体
組成物を調製した。次に、得られた組成物を第1成分
(鞘材)原料として使用し、第2成分(芯材)原料とし
てホモポリプロピレン(SA05:日本ポリケム社製)
を使用し、芯鞘比1/1になるようにし、ホール数24
個の芯鞘型紡糸口金を用いて溶融紡糸を行った。溶融紡
糸は、紡糸温度230℃、吐出量0.8g/分・孔で行
い、その後エアサッカーにて延伸し、繊度2デニールの
芯鞘型複合繊維を得た。この複合繊維をエアサッカー下
方にあるコンベアーに集積させた後、110℃に設定し
たエンボスロールにより繊維同士を融着させ、目付量2
0g/mの不織布を得た。得られた不織布の強度を測
定し、臭いと味の判定を行った。その結果を表3に示
す。
【0069】実施例5 実施例1で調製したプロピレン・エチレンランダム共重
合体(重合体I)組成物を、ホール数24個の単一紡糸
口金を用いて溶融紡糸を行った。溶融紡糸は、紡糸温度
230℃、吐出量0.8/分・孔で行い、その後エアサ
ッカーにて延伸し、繊度2デニールの単一繊維を得た。
この繊維をエアサッカー下方にあるコンベアーに集積さ
せた後、110℃に設定したエンボスロールにより繊維
同士を融着させ、目付量20g/mの不織布を得た。
得られた不織布の強度を測定し、臭いと味の判定を行っ
た。その結果を表3に示す。
【0070】比較例1〜2 重合体VI、VIIに過酸化物(パーヘキサ25B:日
本油脂社製)を0.03重量部加え、それぞれ最終MF
Rが25g/10分になるように調製した重合体を鞘材
として用いる以外は、実施例1と同様にして不織布を得
た。ただし、比較例1ではエンボスロール温度を120
℃とした。得られた不織布の強度を測定し、臭いと味の
判定を行った。その結果を表3に示す。
【0071】比較例3 重合体Vのパウダーを使用し、実施例1と同様に調製し
た重合体V組成物を第1成分(鞘材)原料として使用
し、第2成分(芯材)原料としてホモポリプロピレン
(SA05:日本ポリケム(株)製)を使用し、芯鞘型
紡糸口金を用いて溶融紡糸を行ったが、エアサッカーで
の延伸追随性が非常に悪く、延伸切れを多発したため、
不織布を得ることができなかった。
【0072】比較例4 重合体Vに過酸化物(パーヘキサ25B:日本油脂
(株)製)を0.05重量部加えた以外は実施例1と同
様に調製し、MFR=60g/10分、Q値=1.8の
重合体Vを得た。当該組成物を第1成分(鞘材)とし
て使用し、第2成分(芯材)原料としてホモポリプロピ
レン(SA05:日本ポリケム(株)製)を使用し、芯
鞘型紡糸口金を用いて溶融紡糸を行ったが、紡糸口金直
下での溶融繊維の糸揺れに伴う融着が顕著に起こり、不
織布を得ることができなかった。
【0073】
【表3】
【0074】表3から明らかなように、上記に示した各
実施例によれば、いずれもエンボスロール温度が低くて
も融着が可能であり、不織布強度に優れるとともに、臭
い及び味の判定に優れたポリプロピレン系樹脂不織布が
得られる。一方、各比較例の不織布は、臭い、味ともに
芳しくなく本発明の効果を発揮しない。また、メタセロ
ン触媒によって重合された、プロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体であっても、MFR、Q値などの条
件を満たされないものは、不織布の成形が困難であり、
本発明の効果を発揮した。
【0075】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系不織布は、特
定のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を用
いているので、べたつき感および不織布の臭いがなく、
溶出性が改良され、ヒートシール性、味特性に優れるた
め、食品用不織布として好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 淳一 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 日 本ポリケム株式会社材料開発センター内 Fターム(参考) 3E086 AB02 BA02 BA19 BA33 BB51 BB55 BB90 CA40 4L041 AA07 BA02 BA05 BA09 BA21 BD11 CA38 CA40 4L047 AA14 AA27 BA08 BA23 CC12 CC14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタロセン触媒によって重合され、下記
    特性(1)〜(7)を有するプロピレン・α−オレフィ
    ンランダム共重合体を少なくとも1成分とする繊維から
    なる不織布であって、該不織布の少なくとも1方向の引
    張強度が5000g/5cm幅以上であることを特徴と
    する食品用ポリプロピレン系不織布。 特性(1):MFRが10〜100g/10分 特性(2):Q値が2.0〜4.0 特性(3):Tmが110〜140℃ 特性(4):T80−T20が10℃以下 特性(5):TREF測定時の0℃可溶分量が3重量%
    以下 特性(6):α−オレフィン含有量が1〜18モル% 特性(7):C12〜C30のオリゴマー成分量が60
    wtppm以下 (但し、MFRはJIS−K6921による230℃、
    21.18Nでのメルトフローレート、Q値はGPCに
    より測定した重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnと
    の比(Mw/Mn)、Tmは示差走査熱量計(DSC)
    によって得られる融解曲線のピーク温度、T80は温度
    上昇溶離分別(TREF)によって得られる積分溶出曲
    線において80重量%が溶出する温度、T20は20重
    量%が溶出する温度をそれぞれ示す。)
  2. 【請求項2】 特性(4):T80−T20が2〜8℃
    であることを特徴とする請求項1に記載の食品用ポリプ
    ロピレン系不織布。
  3. 【請求項3】 プロピレン・α−オレフィンランダム共
    重合体のα−オレフィンがエチレンであり、その含有量
    が1〜12モル%であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の食品用ポリプロピレン系不織布。
  4. 【請求項4】 プロピレン・α−オレフィンランダム共
    重合体を少なくとも1成分とする繊維が単一繊維、芯鞘
    型複合繊維、あるいはサイドバイサイド複合型繊維であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の食品用ポリプロピレン系不織布。
  5. 【請求項5】 プロピレン・α−オレフィンランダム共
    重合体を少なくとも1成分とする繊維からなる不織布
    が、スパンボンド法、メルトブロー法、水流交絡法又は
    カード法のいずれかの方法により製造されたシート状不
    織布であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項
    に記載の食品用ポリプロピレン系不織布。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の食
    品用ポリプロピレン系不織布を用いることを特徴とする
    灰汁取りフィルター。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の食
    品用ポリプロピレン系不織布を用いることを特徴とする
    食品包装用不織布。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の食品包装用不織布を用
    いることを特徴とするティーバッグ。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の食品包装用不織布を用
    いることを特徴とする電子レンジ加熱包装用不織布。
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