JP2003138460A - 食品用ポリプロピレン系不織布 - Google Patents
食品用ポリプロピレン系不織布Info
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Abstract
性、溶出性を改良し、味特性等に優れた食品用ポリプロ
ピレン系不織布の提供。 【解決手段】 メタロセン触媒によって重合され、MF
Rが10〜100g/10分、Q値が2.0〜4.0、
Tmが110〜140℃、T80−T20が10℃以
下、TREF測定時の0℃可溶分量が3重量%以下、α
−オレフィン含有量が1〜18モル%、C12〜C30
のオリゴマー成分量が60wtppm以下のプロピレン
・α−オレフィンランダム共重合体を少なくとも1成分
とする繊維からなる不織布であって、該不織布の少なく
とも1方向の引張強度が5000g/5cm幅以上であ
ることを特徴とする食品用ポリプロピレン系不織布。
Description
レン系不織布に関し、特に、べたつき感がなく、低臭、
低溶出性、ヒートシール性に優れた食品用ポリプロピレ
ン系不織布に関する。
成形性、剛性に優れ、またリサイクル性や耐熱性にも優
れていることから、各種成形加工され、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン等の他の樹脂と同様に食品容器、食品
包装材、医療用器具、医療用容器、包装フィルム等、各
種用途に広く使用されている。
種々の用途に用いられ、手術着、紙オムツ、生理用品等
の医療・衛生材料、包装材等の産業資材、油吸着材等の
工業資材、衣料材、清掃材、ごみ袋等の日用雑貨、食品
包装材等の食品関連分野に用いられている。食品関連と
しての不織布用途は、お茶、紅茶、コ−ヒ−、漢方薬、
などのティーバッグ形式の食品包装材、または野菜や肉
などを煮込み調理する際にでてくるアクをとるアク取り
フィルター、電子レンジ加熱用包装など多岐にわたって
いる。これら用途においては、不織布のべたつき感が少
なく、低臭、低溶出性、低ヒートシール性に優れている
ことがが望まれている。
媒から製造されるプロピレン系重合体から形成されてお
り、構成繊維の形態としては、包装材としてのティーバ
ッグ等、加工時に低温ヒートシール性が求められること
もあり、鞘成分に低融点成分を使用した芯鞘型の複合繊
維が主流である。
ピレン−αオレフィン重合体を使用すると、当該重合体
は、分子量分布が広く、溶融紡糸すると紡糸口金からフ
ィラメントとして溶融押出する際に、紡糸設定温度では
流れ量が多すぎたり、少なすぎたりして紡糸安定性に劣
り、また紡糸可能な樹脂温度も狭い範囲に限られ、不織
布のヒートシール性も不十分であった。さらに、当該重
合体には低分子量成分、C12〜C30のオリゴマー成
分が多いことや、紡糸性を良くするために過酸化物で当
該重合体を調製することにより、アセトン、t−ブタノ
ールなどの成分も残存しているため、このような重合体
から不織布を成形し、お茶や紅茶、コーヒー、漢方薬等
のティーバッグ形式の食品包装材として用いた場合、ま
た電子レンジ加熱包装材として使用した場合、上記成分
が熱水中に溶出したり、包装内で揮発成分が溜り、異味
異臭の原因となり、食品の本来の味が生かされないとい
う問題があった。また、ポリプロピレン製不織布のヒー
トシール性を向上させるためには、ポリプロピレンとし
てエチレン共重合成分を含むポリプロピレンを用い、こ
のエチレン成分含有量を増加させればよいことが知られ
ているが、これによって不織布表面がベタつくという新
たな問題点を生じていた。また、メタロセン系プロピレ
ン・α−オレフィン共重合体からなる繊維、不織布も提
案がなされてはいるが、食品分野において、不織布強度
が高く、低溶出成分であって異味異臭を解消するという
点においては、実用的なレベルに達成するに至っていな
い。
に鑑み上記欠点を解消し、不織布のべたつき感、ヒート
シール性、臭い、溶出性を改良し、味特性等に優れた食
品用ポリプロピレン系不織布を提供することを目的とす
る。
を解決するために、不織布のべたつき感、臭い、溶出
性、ホートシール性を改良するために鋭意検討した結
果、メタロセン触媒で重合した特定のプロピレン・α−
オレフィンランダム共重合体がべたつき感、臭い、ヒー
トシール性、溶出性、味特性に優れた食品用不織布原料
として好適であることを見出し、本発明に至ったもので
ある。
メタロセン触媒によって重合され、下記特性(1)〜
(7)を有するプロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体を少なくとも1成分とする繊維からなる不織布で
あって、該不織布の少なくとも1方向の引張強度が50
00g/5cm幅以上であることを特徴とする食品用ポ
リプロピレン系不織布が提供される。 特性(1):MFRが10〜100g/10分 特性(2):Q値が2.0〜4.0 特性(3):Tmが110〜140℃ 特性(4):T80−T20が10℃以下 特性(5):TREF測定時の0℃可溶分量が3重量%
以下 特性(6):α−オレフィン含有量が1〜18モル% 特性(7):C12〜C30のオリゴマー成分量が60
wtppm以下 (但し、MFRはJIS−K6921による230℃、
21.18Nでのメルトフローレート、Q値はGPCに
より測定した重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnと
の比(Mw/Mn)、Tmは示差走査熱量計(DSC)
によって得られる融解曲線のピーク温度、T80は温度
上昇溶離分離(TREF)によって得られる積分溶出曲
線において80重量%が溶出する温度、T20は20重
量%が溶出する温度をそれぞれ示す。)
の発明に記載の特性(4):T80−T20が2〜8℃
であることを特徴とする食品用ポリプロピレン系不織布
が提供される。
又は2の発明に記載のプロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体のα−オレフィンがエチレンであり、その
含有量が1〜12モル%であることを特徴とする食品用
ポリプロピレン系不織布が提供される。
〜3のいずれかの発明に記載のプロピレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体を少なくとも1成分とする繊維が
単一繊維、芯鞘型複合繊維、あるいはサイドバイサイド
型複合繊維であることを特徴とする食品用ポリプロピレ
ン系不織布が提供される。
〜4いずれかの発明に記載のプロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体樹脂を少なくとも1成分とする繊維
からなる不織布が、スパンボンド法、メルトブロー法、
水流交絡法又はカード法のいずれかの方法によりなる製
造されたシート状不織布であることを特徴とする食品用
ポリプロピレン系不織布が提供される。
〜5のいずれかの発明に記載の食品用ポリプロピレン系
不織布を用いることを特徴とする灰汁取りフィルターが
提供される。
〜5のいずれかの発明に記載の食品用プロピレン系不織
布を用いることを特徴とする食品包装用不織布が提供さ
れる。
の発明に記載の食品包装用不織布を用いることを特徴と
するティーバックが提供される。
の発明に記載の食品包装用不織布を用いることを特徴と
する電子レンジ加熱包装用不織布が提供される。
本発明のプロピレン系不織布で用いるプロピレン・α−
オレフィンランダム共重合体は、メタロセン触媒を使用
して重合した共重合体である。メタロセン触媒は、チタ
ン、ジルコニウム、ハフニウム等の周期律表第4〜6族
遷移金属と、シクロペンタジエニル基あるいはシクロペ
ンタジエニル誘導体基との錯体を使用した触媒である。
エニル誘導体基としては、ペンタメチルシクロペンタジ
エニル等のアルキル置換体基、あるいは2以上の置換基
が結合して飽和もしくは不飽和の環状置換基を構成した
基を使用することができ、代表的にはインデニル基、フ
ルオレニル基、アズレニル基、あるいはこれらの部分水
素添加物を挙げることができる。また、複数のシクロペ
ンタジエニル基がアルキレン基、シリレン基、ゲルミレ
ン基等で結合したものも好ましく用いられる。
合物を好ましく挙げることができる。(1)メチレンビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(2)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、(3)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)
(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、(4)エチレン(シクロペンタジエニ
ル)(3,5−ジメチルペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、(5)メチレンビス(インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、(6)エチレンビス(2−メチルイ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、(7)エチレン
1,2−ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウム
ジクロリド、(8)エチレン(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(9)ジメ
チルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1
0)ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、(11)ジメチルシリレンビス(4,5,
6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロ
リド、(12)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニ
ル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(1
3)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(オク
タヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(1
4)メチルフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−
4,5−ベンゾ(インデニル)]ジルコニウムジクロリ
ド、(15)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル
−4,5−ベンゾインデニル)]ジルコニウムジクロリ
ド、(16)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル
−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、(1
7)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−
(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコ
ニウムジクロリド、(18)ジメチルシリレンビス[1
−(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−
アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、(19)ジメ
チルシリレンビス[1−(2−エチル−4−ナフチル−
4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、(2
0)ジフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4−
(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコ
ニウムジクロリド、(21)ジメチルシリレンビス[1
−(2−メチル−4−(フェニルインデニル))]ジル
コニウムジクロリド、(22)ジメチルシリレンビス
[1−(2−エチル−4−(フェニルインデニル))]
ジルコニウムジクロリド、(23)ジメチルシリレンビ
ス[1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニ
ル)]ジルコニウムジクロリド、(24)ジメチルゲル
ミレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(25)ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド。
物などの他の第4、5、6族遷移金属化合物についても
上記と同様の化合物が挙げられる。本発明の触媒成分お
よび触媒については、これらの化合物を併用してもよ
い。
るいは両方が臭素、ヨウ素、水素、メチルフェニル、ベ
ンジル、アルコキシ、ジメチルアミド、ジエチルアミド
等に代わった化合物も例示することができる。さらに、
上記のジルコニウムの代わりに、チタン、ハフニウム等
に代わった化合物も例示することができる。
物、メタロセン化合物と反応してメタロセン化合物成分
をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物もし
くはルイス酸、固体酸、あるいは、イオン交換性層状珪
酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物が
用いられる。また、必要に応じてこれら化合物と共に有
機アルミニウム化合物を添加することができる。
ルアルモキサン、エチルアルモキサン、プロピルアルモ
キサン、ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサ
ン、メチルエチルアルモキサン、メチルブチルアルモキ
サン、メチルイソブチルアルモキサン等が例示される。
また、トリアルキルアルミニウムとアルキルボロン酸と
の反応物を使用することもできる。例えば、トリメチル
アルミニウムとメチルボロン酸の2:1の反応物、トリ
イソブチルアルミニウムとメチルボロン酸の2:1反応
物、トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニ
ウムとメチルボロン酸の1:1:1反応物、トリエチル
アルミニウムとブチルボロン酸の2:1反応物などであ
る。
リロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナ
イト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、
ベントナイト、テニオライト等のスメクタイト族、バー
ミキュライト族、雲母族などの珪酸酸塩が用いられる。
これらのケイ酸塩は化学処理を施したものであることが
好ましい。ここで化学処理とは、表面に付着している不
純物を除去する表面処理と層状ケイ酸塩の結晶構造、化
学組成に影響を与える処理のいずれをも用いることがで
きる。具体的には、(イ)酸処理、(ロ)アルカリ処
理、(ハ)塩類処理、(ニ)有機物処理等が挙げられ
る。これらの処理は、表面の不純物を取り除く、層間の
陽イオンを交換する、結晶構造中のAl、Fe、Mg等
の陽イオンを溶出させ、その結果、イオン複合体、分子
複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離、固
体酸性度等を変えることができる。これらの処理は単独
で行ってもよいし、2つ以上の処理を組み合わせてもよ
い。
リエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムクロリド等の有機アルミニウム化
合物が使用してもよい。
使用してプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体
を得る。α−オレフィンとしては、プロピレンを除く炭
素数2〜20のα−オレフィンがあげられ、例えばエチ
レン、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチル−1−ブ
テン、ヘキセン−1、3−メチル−1−ペンテン、4−
メチル−1−ペンテン、ヘプテン−1、オクテン−1、
ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1、テトラデセン
−1、ヘキサデセン−1、オクタデセン−1、エイコセ
ン−1等を例示できる。プロピレンと共重合されるα−
オレフィンは、一種類でも二種類以上併用してもよい。
このうちエチレン、ブテン−1が好適であり、特にはエ
チレンが好ましい。
不活性溶媒を用いたスラリー法、実質的に溶媒を用いな
い気相法や溶液法、あるいは重合モノマーを溶媒とする
バルク重合法等が挙げられる。
ンランダム共重合体は、前述のメタロセン触媒で重合さ
れた共重合体であって、次の特性(1)〜(7)を有し
ている必要がある。以下、各特性について説明する。
重合体のJIS−K6921による230℃、21.1
8Nでのメルトフローレート(MFR)は、10〜10
0g/10分であり、好ましくは12〜90g/10分
であり、より好ましくは15〜80g/10分である。
MFRが10g/10分未満であると紡糸圧力が高くな
りすぎ、高倍率での延伸が困難となり、繊維径の不均一
などの弊害が生じる。一方、100g/10分を超える
と溶融粘度が低いことから紡糸時に糸揺れが顕著とな
り、隣接する糸同士が融着し糸切れが多発するといった
弊害が生じる。ポリマーのMFRを調節するには、例え
ば、重合温度、触媒量、分子量調節剤としての水素の供
給量などを適宜調節する方法、あるいは重合終了後に過
酸化物の添加により調整する方法がある。
重合体のQ値は、GPCにより測定した重量平均分子量
Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)であっ
て、2.0〜4.0であり、好ましくは2.2〜3.7
であり、より好ましくは2.3〜3.5である。Q値が
4を超えると、高分子量の存在により紡糸延伸性が損な
われるといった弊害が生じる。逆に、2.0未満である
と、高分子量成分が少なすぎることにより、紡糸ノズル
直下での溶融繊維の粘性が低くなり、これに伴う糸揺れ
が顕著となり、紡糸安定性が損なわれ好ましくない。プ
ロピレン・α−オレフィンランダム共重合体のQ値を調
整する方法は、好ましくは2種以上のメタロセン触媒成
分の併用した触媒系や2種以上のメタロセン錯体を併用
した触媒系を用いて重合する、または重合時に2段以上
の多段重合を行うことによりQ値を広く制御することが
できる。逆にQ値を狭く調整するためには、プロピレン
・α−オレフィンランダム共重合体を重合後、有機過酸
化物を使用し溶融混練することにより調整することがで
きる。
こなう。 装置 :Waters社製HLC/GPC 150
C カラム温度:135℃ 溶媒 :o−ジクロロベンゼン 流量 :1.0ml/min カラム :東ソー株式会社製 GMHHR−H(S)
HT 60cm×1 注入量 :0.15ml(濾過処理無し) 溶液濃度 :5mg/3.4ml 試料調整 :o−ジクロロベンゼンを用い、5mg/
3.4mlの溶液に調整し140℃で1〜3時間溶解さ
せる。 検量線 :ポリスチレン標準サンプルを使用する。 検量線次数:1次 PP分子量:PS×0.639
重合体のTmは、示差走査熱量計(DSC)によって得
られる融解曲線のピーク温度を表し、110〜140℃
である。Tmが140℃を超えると、不織布加工時、並
びにティーバッグなどの2次加工時に加工温度を高温に
する必要があり、エネルギーコストの観点から好ましく
ない。また、110℃未満であると、沸騰水中で部分融
解する可能性があり、好ましくない。Tmを調整するに
は重合反応系へ供給するα−オレフィンの量を制御する
ことにより容易に調整することができる。
マー社製の示差走査熱量計(DSC)を用い、サンプル
量10mgを採り、200℃で5分間保持した後、40
℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、更に10℃
/分の昇温速度で融解させたときに描かれる曲線のピー
ク位置を、融解ピーク温度Tm(℃)とする。
よる溶出量差温度) 本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体は、温度上昇溶離分別(TREF:Temper
ature Rising ElutionFract
ion)によって得られる積分溶出曲線において、80
重量%が溶出する温度(T80)と20重量%が溶出す
る温度(T20)の差、T80−T2 0が、10℃以下
であり、好ましくは2〜9℃であり、より好ましくは2
〜8℃である。T80−T20が10℃を超えると、低
融点成分が増加するため、構成繊維のべたつき、不織布
とした時の表面すべり特性の悪化、紡糸性能の低下等の
弊害が生じる。ポリマーのT80−T20が上記のよう
に特定の狭い範囲にあることは、ポリマーの分子量分布
がより均一であることを意味している。プロピレン・α
−オレフィンランダム共重合体のT80−T20を調整
する方法は、2種以上のメタロセン触媒成分の併用した
触媒系や2種以上のメタロセン錯体を併用した触媒系を
用いて重合することにより、T80−T20を大きく調
整することができる。また、担体にメタロセン触媒成分
を担持する際、担持が不均一である触媒を使用して重合
した場合、低分子量成分が増え、これに伴いT80−T
20が大きくなってしまう。したがってメタロセン触媒
成分を担体に均一に担持する技術が重要である。
F)とは、不活性担体の存在下に一定高温下でポリマー
を完全に溶解させた後に冷却し、該不活性担体表面に薄
いポリマー層を生成させ、次に、温度を連続又は段階的
に昇温して、溶出した成分を回収し、その濃度を連続的
に検出して、その溶出量と溶出温度によって描かれるグ
ラフ(積分溶出曲線)により、ポリマーの組成分布を測
定する方法である。温度上昇溶離分別(TREF)の測
定の詳細については、Journal of Appl
ied Polymer Science第26巻 第
4217〜4231頁(1981年)に記載されてお
り、本発明においてもこれに従って行う。
の条件で測定した値である。測定装置はダイヤインスツ
ルメンツ製CFC T−102Lを使用し、まず、測定
すべきサンプルを溶媒(o−ジクロロベンゼン)を用
い、3mg/mlとなるように、140℃で溶解し、こ
れを測定装置内のサンプルループ内に注入する。以下の
測定は設定条件にしたがって自動的に行われる。サンプ
ルループ内に保持された試料溶液は、溶解温度の差を利
用して分別するTREFカラム(不活性担体であるガラ
スビーズが充填された内径4mm、長さ150mmの装
置付属のステンレス製カラム)に0.4ml注入され
る。次に該サンプルを1℃/分の速度で140℃から0
℃の温度まで冷却させる。TREFカラムが0℃で更に
30分間保持された後、0℃の温度で溶解している成分
2mlが1ml/分の流速でTREFカラムからSEC
カラム(昭和電工製AD806MS 3本)へ注入され
る。SECで分子サイズの分別が行われている間に、T
REFカラムでは次の溶出温度(10℃)に昇温され、
その温度に約30分保持される。SECでの各溶出区分
の測定は39分間隔で行う。溶出温度は0℃から40℃
まで10℃毎に、40℃から90℃まで5℃毎に、90
℃から140℃までは4℃毎に階段的に昇温される。該
SECカラムで分子サイズによって分別された溶液は装
置付属の赤外線分光光度計で検出され、各溶出温度区分
におけるクロマトグラフが得られる。なお、赤外線分光
光度計での検出は検出波数3.42μmにおける吸光度
を使用して行われ、溶液中のポリマー成分量と吸光度と
が比例するものとして以下のデータ処理が行われる。各
溶出温度区分におけるクロマトグラムは内蔵のデータ処
理ソフトにより処理され、各クロマトグラムの面積を基
に、積算が100%となるように規格化された各溶出温
度区分の溶出量が計算される。更に、得られた各溶出温
度区分の溶出量から、積分溶出曲線が作成される。0℃
可溶分量とは0℃で溶出したポリマー成分の量(%)を
示すものであり、T20とは積算溶出量が20%となる
温度を、T80とは積算溶出量が80%となる温度を示
すものである。
量 本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体のTREF測定時の0℃可溶分量は、3重量%以
下であり、好ましくは1.0重量%以下であり、更に好
ましくは0.5重量%以下であり、特に好ましくは0.
3重量%以下である。TREF測定時の0℃可溶分量
は、低分子量成分がそのほとんどを占めており、不織布
のべたつきの原因となる。上記範囲より大きい場合は、
不織布べたつきが顕著となり、これは沸騰水での溶出原
因にもなり、好ましくない。プロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体のTREF0℃可溶分の量は、担体
にメタロセン触媒成分を担持する際、担持が不均一であ
る触媒を使用して重合した場合、低分子量が増え、これ
に伴いTREF0℃可溶分の量が増加してしまう。した
がってメタロセン触媒成分を担体に均一に担持する触媒
を使用して重合することによりTREF0℃可溶分の量
を3重量%以下に調整することができる。
重合体中のα−オレフィン(コモノマー)含有量は、1
〜18モル%であり、好ましくは2.5〜10モル%で
あり、より好ましくは3〜8モル%である。特にコモノ
マーがエチレンの場合は、1〜12モル%が好ましい。
コモノマー含有量が上記範囲よりも少量であると融点が
高く、ヒートシール特性が改善されず好ましくない。一
方、多すぎると紡糸時の固化が遅く、生産性が損なわれ
る、また不織布強度や剛性が大きく低下してしまうとい
った弊害が生じる。ポリマー中のα−オレフィン含有量
は重合反応系へ供給するα−オレフィンの量を制御する
ことにより容易に調節することができる。なお、本発明
において、α−オレフィン含有量は、フーリエ変換赤外
分光光度計により定量されるものである。
成分量 本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体のC12〜C3 0のオリゴマー成分量は、60w
tppm以下であり、好ましくは30wtppm以下、
より好ましくは15wtppm以下、特に好ましくは1
0wtppm以下である。オリゴマー成分は、紡糸時の
発煙成分となり、繊維表面に付着してしまうものであ
る。オリゴマー成分量が60ppmwtを超えると、オ
リゴマーの繊維表面への付着量が多くなり、ティーバッ
グ加工したときの臭い、味に影響を及ぼし、好ましくな
い。ポリプロピレン系樹脂のオリゴマー成分や揮発性炭
化水素を減少させる方法としては、 (1)スラリー重合でオリゴマー分を除去し、かつドラ
イヤーで感想を強化して溶剤と揮発性炭化水素を低減す
るする方法。 (2)重合の滞留時間を短くしてオリゴマー成分の生成
を押さえ、かつドライヤーで乾燥を強化して揮発性炭化
水素を低減する方法。 (3)プロピレン等の低沸点溶媒による洗浄工程を設け
てオリゴマーを低減し、かつドライヤーで乾燥を強化し
て揮発性炭化水素を低減する方法が挙げられる。上記
(3)の洗浄工程においては、メタロセン触媒を用いた
重合終了後、得られたプロピレン系重合体を、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの不活
性飽和炭化水素溶剤や液状α−オレフィンなどを用い
て、さらに好ましくは炭素数3または4の不活性炭化水
素溶剤や液状α−オレフィンを用いて、洗浄を行うこと
が好ましい。洗浄方法としては、特に制限はなく、攪拌
槽での接触処理後上澄みのデカンテーション、向流洗
浄、サイクロンによる洗浄液との分離など、公知の方法
を用いることができる。また、洗浄前あるいは洗浄と同
時に、失活剤を添加してもよい。失活剤に関しては、特
に制限はなく、水、メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、などのアルコール類、アセトン、メチルエチ
ルケトンなどのケトン類など、あるいはこれらの混合物
を用いることができる。また、上記の樹脂パウダーを用
いる乾燥を強化する方法としては、乾燥処理温度が60
〜100℃、乾燥時間が1〜4時間であり、さらに脱臭
処理として、ペレットの温風乾燥の処理方法を組み合わ
せてもよい。
具体的な測定は、「高分子分析ハンドブック」(紀伊国
屋書店刊)の記載に基づき下記の手法で分析される。凍
結粉砕した試料2.5gをヘキサン100mlで加熱還
流抽出を1時間行った後、冷却濾過し、ロータリーエバ
ポレータにより脱溶剤して乾固し、これにヘキサン4m
lを加え超音波洗浄機にて抽出する。これを次の条件で
ガスクロマトグラフ/質量分析法(SIM)で測定す
る。 装置:HP−GCD カラム:HP−1 0.23mm×30m 温度:100℃→5℃/min→300℃ 注入量:1μl スプリットレス 検出:SIM(m/Z=43、57モニター m/Z=
43にて定量) C18換算:絶対検量線法(絶対検量線法は、JIS
K 0123に準拠)
ンランダム共重合体には、本発明の目的が損なわれない
範囲で、各種添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止
剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、結晶造核剤、銅害防止
剤、帯電防止剤、スリップ剤、抗ブロッキング剤、防曇
剤、着色剤、充填剤、エラストマー、石油樹脂などを配
合することができる。
フィンランダム共重合体と、必要に応じてこれらの各種
添加剤とを、ドライブレンドの状態あるいは溶融混練機
を用いて180〜300℃で加熱溶融混練し、粒状に裁
断されたペレットの状態で繊維不織布成形材料として提
供される。
の繊維不織布成形材料をスパンボンド法、メルトブロー
ン法等で直接製造するか、一旦繊維化して、水流交絡
法、カード法などの成形法により製造される。該不織布
の目付量は、5〜200g/m 2であるのが好ましい。
また、不織布は単層での使用だけでなく、例えば、スパ
ンボンド法で得られた不織布とメルトブローン法で得ら
れた不織布の積層体、あるいは不織布とフィルムや吸水
紙との積層体としても好適に使用できる。
レフィンランダム共重合体を少なくとも1成分とする繊
維は、単一繊維、芯鞘型複合繊維、あるいはサイドバイ
サイド型複合繊維であっても良く、複合繊維の場合は、
上記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体から
の繊維がどちらかの繊維の1成分として含まれていれば
良い。
不織布は、少なくとも1方向の引張強度が5000g/
5cm幅以上である。好ましくは6000g/5cm幅
以上である。引張強度が5000g/5cm幅未満であ
ると、包装材料として用いる場合、包装される内容物が
破れて出てきてしまうといった弊害が生じる。
1096に従い測定する。具体的測定方法は、50mm
×300mmの不織布をチャック間距離が200mm、
引張速度:200mm/分の条件で、縦方向(MD)と
横方向(TD)の2方向を測定する。
つき感および不織布の臭いがなく、溶出性が改良され、
ヒートシール性、味特性に優れ、強度に優れるため、食
品用不織布として用いることができ、例えば、コーヒ
ー、紅茶、お茶、漢方薬等のためのティーバッグ、灰汁
取りフィルター、電子レンジ加熱包装用不織布等として
用いることができる。
するが、本発明はその要旨を超えない限り下記の実施例
に限定されるものではない。物性等の測定は下記の通り
である。また、実施例、比較例で用いたプロピレン・α
−オレフィン共重合体の製造方法を重合例に示した。
附属書に準拠し測定した。(条件:温度/230℃、荷
重21.18N)
って行った。 検量線 :表1のポリスチレン標準サンプルを使用し
た。
方法により測定した。
る、T80−T20、0℃可溶分量:前述の測定方法に
従って測定した。
前述の測定方法に従って測定した。
096に従い、50mm×300mmの不織布をチャッ
ク間距離が200mm、引張速度:200mm/分の条
件で、縦方向(MD)と横方向(TD)の2方向を測定
した。
mの不織布を清潔な臭いの無い広口ガラス瓶(200m
l)に入れる。瓶に栓をして、80℃のヤマト社製オー
ブン中に1時間入れ加熱後、取り出して3分以内に次の
臭い基準に従い、評価を行った。 0級:感じない 1級:やっと感じる 2級:感じられる 3級:楽に感じる 4級:強く感じる
00mlのミネラルウォーターと200mm×200m
m不織布(目付20g/m2)を入れ、バーナーで10
分間煮沸させる。その後、不織布を取り出し沸水が60
℃になった時点で、実際に飲んで次の味基準で判定を行
った。 0級:無味無臭 1級:飲んだ後、僅かに臭う 2級:飲んだ後、臭う 3級:舌に刺激を伴う
れたスメクタイト族ケイ酸塩(水沢化学社製ベンクレイ
SL)20g、ヘプタン200mLを仕込み、トリノル
マルオクチルアルミニウム50mmolで処理後ヘプタ
ンで洗浄し、スラリー1とした。また別のフラスコ(容
積200mL)中に、ヘプタン90mL、〔(r)−ジ
クロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル
−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]
ジルコニウム〕0.3mmol、トリイソブチルアルミ
ニウム1.5mmolを仕込みスラリー2とした。スラ
リー2を、上記スラリー1に加えて、室温で60分攪拌
した。その後ヘプタンを210mL追加し、このスラリ
ーを1Lオートクレーブに導入した。オートクレーブの
内部温度を40℃にしたのちプロピレンを10g/時の
速度でフィードし4時間40℃を保ちつつ予備重合を行
い予備重合触媒83gを得た。
ム共重合体の製造 内容積270Lの反応器に液状プロピレン、エチレン、
水素、およびトリイソブチルアルミニウム(TIBA)
のヘキサン希釈溶液を連続的に供給し、内温を62℃に
保持した。プロピレンの供給量は、38kg/hrであ
り、エチレンの供給量は1.1kg/hrであり、水素
の供給量は0.24g/hrであり、TIBAの供給量
は18g/hrであった。前記予備重合触媒を流動パラ
フィンによりスラリー状とし、1.2g/hrでフィー
ドした。その結果、14.5kg/hrのプロピレン・
エチレンランダム共重合体Iを得た。得られたプロピレ
ン・エチレンランダム共重合体Iは、MFR=22.0
g/10分、エチレン含量=5.0mol%、Tm=1
25.1℃、Q値=2.7であった。
0.36g/hr、予備重合触媒を流動パラフィンによ
りスラリー状としたフィード量を0.87g/hrに変
更した以外は、重合例1と同様にして重合を行った。そ
の結果、11.6kg/hrのプロピレン・エチレンラ
ンダム共重合体IIを得た。得られたプロピレン・エチ
レンランダム共重合体IIは、MFR=39.0g/1
0分、エチレン含量=5.0mol%、Tm=125.
3℃、Q値=2.8であった。
を0.85kg/hr、水素の供給量を0.42g/h
r、予備重合触媒を流動パラフィンによりスラリー状と
したフィード量を1.95g/hrに変更した以外は、
重合例1と同様にして重合を行った。その結果、12.
0kg/hrのプロピレン・エチレンランダム共重合体
IIIを得た。得られたプロピレン・エチレンランダム
共重合体IIIは、MFR=40.0g/10分、エチ
レン含量=4.1mol%、Tm=130.1℃、Q値
=2.7であった。
を1.6kg/hr、水素の供給量を0.31g/h
r、予備触媒を流動パラフィンによりスラリー状とした
フィード量を0.76g/hrに変更した以外は、重合
例1と同様にして重合を行った。その結果、12.5k
g/hrのプロピレン・エチレンランダム共重合体IV
を得た。得られたプロピレン・エチレンランダム共重合
体IVは、MFR=22g/10分、エチレン含量=
6.2mol%、Tm=120.2℃、Q値=2.8で
あった。
0.03g/hr、予備重合触媒を流動パラフィンによ
りスラリー状としたフィード量を1.5g/hrに変更
した以外は、重合例1と同様にして、重合を行った。そ
の結果、12.5kg/hrのプロピレン・エチレンラ
ンダム共重合体Vを得た。得られたプロピレン・エチレ
ンランダム共重合体Vは、MFR=6g/10分、エチ
レン含量5.0mol%、Tm=125.4℃、Q値=
2.7であった。
レンで十分に置換した後、脱水・脱酸素処理したn−ヘ
プタン60Lを導入し、ジエチルアルミニウムクロリド
16g、三塩化チタン触媒(エム・アンド・エム社製)
4.1gを50℃でプロピレン雰囲気下で導入した。更
に気相水素濃度を6.0容量%に保ちながら、50℃の
温度で、プロピレン5.7kg/時及びエチレン0.2
8kg/時の速度で4時間フィードした後、更に1時間
重合を継続した。その結果、12kgのプロピレン・エ
チレンランダム共重合体VIを得た。得られたプロピレ
ン・エチレンランダム共重合体VIは、MFR=6.4
g/10分、エチレン含量=5.9mol%、Tm=1
40℃、Q値=4.4であった。
合例6と同様にして重合を行い、その結果、11kgの
プロピレン・エチレンランダム共重合体VIIを得た。
得られたプロピレン・エチレンランダム共重合体VII
は、MFR=6.0g/10分、エチレン含量=6.5
mol%、Tm=130℃、Q値=4.5であった。
・エチレンランダム共重合体I〜VIIの各物性を表2
に示す。表2から明らかな通り、重合体I〜IVは、特
性(1)〜(7)を有する本発明のプロピレン・エチレ
ンランダム共重合体であり、重合体V〜VIIは本発明
外の共重合体である。
して、結晶造核剤として3−メチルブテン重合体のマス
ターバッチを0.10重量部、酸化防止剤として1、
3、5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロ
キシ−2、6−キシリル)メチル]−1、3、5−トリ
アジン−2、4、6(1H、3H、5H)−トリオン
(サイテック製、商品名サイアノックス1790)を
0.04重量部、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ホスファイト(チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ製、商品名イルガホス168)を0.05重量部、
及び中和剤としてステアリン酸カルシウム(日東化成工
業製、商品名Ca−St)を0.05重量部配合し、ヘ
ンシェルミキサーで500rpm、3分間高速混合した
後、φ50mm単軸押出機(ユニオンプラスチック社
製)を使用し、押出温度230℃の条件で、溶融、混
練、冷却、カットしてペレット状のプロピレン共重合体
組成物を調製した。次に、得られた組成物を第1成分
(鞘材)原料として使用し、第2成分(芯材)原料とし
てホモポリプロピレン(SA05:日本ポリケム社製)
を使用し、芯鞘比1/1になるようにし、ホール数24
個の芯鞘型紡糸口金を用いて溶融紡糸を行った。溶融紡
糸は、紡糸温度230℃、吐出量0.8g/分・孔で行
い、その後エアサッカーにて延伸し、繊度2デニールの
芯鞘型複合繊維を得た。この複合繊維をエアサッカー下
方にあるコンベアーに集積させた後、110℃に設定し
たエンボスロールにより繊維同士を融着させ、目付量2
0g/m2の不織布を得た。得られた不織布の強度を測
定し、臭いと味の判定を行った。その結果を表3に示
す。
合体(重合体I)組成物を、ホール数24個の単一紡糸
口金を用いて溶融紡糸を行った。溶融紡糸は、紡糸温度
230℃、吐出量0.8/分・孔で行い、その後エアサ
ッカーにて延伸し、繊度2デニールの単一繊維を得た。
この繊維をエアサッカー下方にあるコンベアーに集積さ
せた後、110℃に設定したエンボスロールにより繊維
同士を融着させ、目付量20g/m2の不織布を得た。
得られた不織布の強度を測定し、臭いと味の判定を行っ
た。その結果を表3に示す。
本油脂社製)を0.03重量部加え、それぞれ最終MF
Rが25g/10分になるように調製した重合体を鞘材
として用いる以外は、実施例1と同様にして不織布を得
た。ただし、比較例1ではエンボスロール温度を120
℃とした。得られた不織布の強度を測定し、臭いと味の
判定を行った。その結果を表3に示す。
た重合体V組成物を第1成分(鞘材)原料として使用
し、第2成分(芯材)原料としてホモポリプロピレン
(SA05:日本ポリケム(株)製)を使用し、芯鞘型
紡糸口金を用いて溶融紡糸を行ったが、エアサッカーで
の延伸追随性が非常に悪く、延伸切れを多発したため、
不織布を得ることができなかった。
(株)製)を0.05重量部加えた以外は実施例1と同
様に調製し、MFR=60g/10分、Q値=1.8の
重合体V*を得た。当該組成物を第1成分(鞘材)とし
て使用し、第2成分(芯材)原料としてホモポリプロピ
レン(SA05:日本ポリケム(株)製)を使用し、芯
鞘型紡糸口金を用いて溶融紡糸を行ったが、紡糸口金直
下での溶融繊維の糸揺れに伴う融着が顕著に起こり、不
織布を得ることができなかった。
実施例によれば、いずれもエンボスロール温度が低くて
も融着が可能であり、不織布強度に優れるとともに、臭
い及び味の判定に優れたポリプロピレン系樹脂不織布が
得られる。一方、各比較例の不織布は、臭い、味ともに
芳しくなく本発明の効果を発揮しない。また、メタセロ
ン触媒によって重合された、プロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体であっても、MFR、Q値などの条
件を満たされないものは、不織布の成形が困難であり、
本発明の効果を発揮した。
定のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を用
いているので、べたつき感および不織布の臭いがなく、
溶出性が改良され、ヒートシール性、味特性に優れるた
め、食品用不織布として好適に使用することができる。
Claims (9)
- 【請求項1】 メタロセン触媒によって重合され、下記
特性(1)〜(7)を有するプロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体を少なくとも1成分とする繊維から
なる不織布であって、該不織布の少なくとも1方向の引
張強度が5000g/5cm幅以上であることを特徴と
する食品用ポリプロピレン系不織布。 特性(1):MFRが10〜100g/10分 特性(2):Q値が2.0〜4.0 特性(3):Tmが110〜140℃ 特性(4):T80−T20が10℃以下 特性(5):TREF測定時の0℃可溶分量が3重量%
以下 特性(6):α−オレフィン含有量が1〜18モル% 特性(7):C12〜C30のオリゴマー成分量が60
wtppm以下 (但し、MFRはJIS−K6921による230℃、
21.18Nでのメルトフローレート、Q値はGPCに
より測定した重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnと
の比(Mw/Mn)、Tmは示差走査熱量計(DSC)
によって得られる融解曲線のピーク温度、T80は温度
上昇溶離分別(TREF)によって得られる積分溶出曲
線において80重量%が溶出する温度、T20は20重
量%が溶出する温度をそれぞれ示す。) - 【請求項2】 特性(4):T80−T20が2〜8℃
であることを特徴とする請求項1に記載の食品用ポリプ
ロピレン系不織布。 - 【請求項3】 プロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体のα−オレフィンがエチレンであり、その含有量
が1〜12モル%であることを特徴とする請求項1又は
2に記載の食品用ポリプロピレン系不織布。 - 【請求項4】 プロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体を少なくとも1成分とする繊維が単一繊維、芯鞘
型複合繊維、あるいはサイドバイサイド複合型繊維であ
ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
の食品用ポリプロピレン系不織布。 - 【請求項5】 プロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体を少なくとも1成分とする繊維からなる不織布
が、スパンボンド法、メルトブロー法、水流交絡法又は
カード法のいずれかの方法により製造されたシート状不
織布であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項
に記載の食品用ポリプロピレン系不織布。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の食
品用ポリプロピレン系不織布を用いることを特徴とする
灰汁取りフィルター。 - 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の食
品用ポリプロピレン系不織布を用いることを特徴とする
食品包装用不織布。 - 【請求項8】 請求項7に記載の食品包装用不織布を用
いることを特徴とするティーバッグ。 - 【請求項9】 請求項7に記載の食品包装用不織布を用
いることを特徴とする電子レンジ加熱包装用不織布。
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- 2001-10-30 JP JP2001332147A patent/JP3728414B2/ja not_active Expired - Fee Related
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