JP2003136654A - ポリプロピレン系不織布積層体 - Google Patents
ポリプロピレン系不織布積層体Info
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Abstract
性に優れ、包装及び製袋加工時の作業性が優れるポリプ
ロピレン系不織布積層体の提供。 【解決手段】 フィルム、紙状物、織物、編み物から選
ばれる少なくとも1種と、オレフィン系樹脂層を積層し
てなる積層体であって、オレフィン系樹脂層が、メタロ
セン触媒によって重合され、MFRが5〜100g/1
0分、Q値が2.0〜4.0、Tmが110〜140
℃、T80−T20が10℃以下、TREF測定時の0
℃可溶分量が3重量%以下、α−オレフィン含有量が1
〜18モル%を有するプロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体を少なくとも1成分とする繊維からなる不
織布であるポリプロピレン系不織布積層体。
Description
不織布積層体に関し、特に、低温融着性、ホットタック
性に優れる包装材用ポリプロピレン系不織布積層体に関
する。
体として用いられている。特に、ポリオレフィンフィル
ム等との積層体としては、簡便さ、風合い、熱に対する
特性等から、断熱性包装材として食品包装材や使い捨て
カイロ包装材として多用されている。特に使い捨てカイ
ロの包装材としては、通常、空気の存在下で発熱する、
鉄粉、無機塩、活性炭などを不織布と熱可塑性樹脂フィ
ルムをラミネートした包装内に収納し、該包装材の外周
部分を熱融着させる事でカイロ用包装体として使用に供
している。
製袋加工時の熱によるシール性が良好なこと及び低温で
熱シール可能なこと、(2)発熱性組成物の熱及びその
重さで、熱融着した部分が破れたりしない、ホットタッ
ク性があること、(3)シール面に発熱性組成物が付着
しても熱シール不良が発生しない事など、夾雑物シール
性が良好である事、及び(4)不織布の感触がソフトで
肌に直接触れてもヒンヤリ感がなくサラサラ感のある良
好な不織布であること等である。
合の良さからナイロンやポリエステルなどの不織布と熱
シール性を持たせるための熱可塑性樹脂フィルムがラミ
ネートされた二層シートが用いられていた。この熱可塑
性樹脂フィルムには低融点のポリエチレンフィルムとエ
チレン−酢酸ビニル共重合体フィルム(EVA)、又は
低密度ポリエチレンフィルムとエチレン−メタアクリル
酸共重合樹脂(EMAA)などが用いられているが、こ
れら不織布は高価であり、又熱可塑性フィルムと積層ラ
ミシートにして熱シールする際に、十分なヒートシール
性やホットタック性が発現しない欠点があった。一方、
最近ではポリプロピレン系の不織布を用いて熱可塑性樹
脂(低密度ポリエチレンなど)と積層ラミシートにして
熱シールさせることによって風合がソフトでヒートシー
ル性も改善した提案がされているが、これらは不織布と
熱可塑性フィルム層との熱シール時に130℃以上の熱
処理を行う必要があり、界面接着性が低く必ずしも満足
するものではなかった。
る熱シール温度を低く設定でき、低温ヒートシール性、
ホットタック性及び夾雑物シール性に優れ、更に風合も
ソフトなポリプロピレン系不織布積層体、特にカイロ用
包装材及び袋を提供することを目的とするものである。
した結果、メタロセン触媒によって重合された特定のプ
ロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を用いた不
織布と熱可塑性フィルム等を積層することにより、上記
の課題を解決できることを見出し、本発明を完成したも
のである。
フィルム、紙状物、織物、編み物から選ばれる少なくと
も1種と、オレフィン系樹脂層を積層してなる積層体で
あって、オレフィン系樹脂層が、メタロセン触媒によっ
て重合され、下記特性(1)〜(6)を有するプロピレ
ン・α−オレフィンランダム共重合体を少なくとも1成
分とする繊維からなる不織布であるポリプロピレン系不
織布積層体が提供される。 特性(1):MFRが5〜100g/10分 特性(2):Q値が2.0〜4.0 特性(3):Tmが110〜140℃ 特性(4):T80−T20が10℃以下 特性(5):TREF測定時の0℃可溶分量が3重量%
以下 特性(6):α−オレフィン含有量が1〜18モル% (但し、MFRはJIS−K6921による230℃、
21.18Nでのメルトフローレート、Q値はGPCに
より測定した重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnと
の比(Mw/Mn)、Tmは示差走査熱量計(DSC)
によって得られる融解曲線のピーク温度、T80は温度
上昇溶離分別(TREF)によって得られる積分溶出曲
線において80重量%が溶出する温度、T20は20重
量%が溶出する温度をそれぞれ示す。)
ピレン・α−オレフィンランダム共重合体のα−オレフ
ィンがエチレンであり、その含有量が1〜12モル%で
ある第1の発明に記載のポリプロピレン系不織布積層体
が提供される。
ロセン触媒によって重合されたプロピレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体を少なくとも1成分とする繊維
が、芯鞘型複合繊維またはサイドバイサイド型複合繊維
であることを特徴とする第1又は2の発明に記載のポリ
プロピレン系不織布積層体が提供される。
布がスパンボンド法により得られたものであることを特
徴とする第1〜3のいずれかの発明に記載のポリプロピ
レン系不織布積層体が提供される。
〜4のいずれかの発明に記載のポリプロピレン系不織布
積層体を用いた断熱性包装用不織布が提供される。
〜4のいずれかの発明に記載のポリプロピレン系不織布
積層体を用いた食品包装用不織布が提供される。
〜4のいずれかの発明記載のポリプロピレン系不織布積
層体を用いたカイロ包装用不織布が提供される。
て具体的に説明する。本発明の不織布で用いるプロピレ
ン・α−オレフィンランダム共重合体は、メタロセン触
媒を使用して重合した共重合体である。メタロセン触媒
は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の周期律表第
4〜6族遷移金属と、シクロペンタジエニル基あるいは
シクロペンタジエニル誘導体基との錯体を使用すること
ができる。
エニル誘導体基としては、ペンタメチルシクロペンタジ
エニル等のアルキル置換体基、あるいは2以上の置換基
が結合して飽和もしくは不飽和の環状置換基を構成した
基を使用することができ、代表的にはインデニル基、フ
ルオレニル基、アズレニル基、あるいはこれらの部分水
素添加物を挙げることができる。また、複数のシクロペ
ンタジエニル基がアルキレン基、シリレン基、ゲルミレ
ン基等で結合したものも好ましく用いられる。
合物を好ましく挙げることができる。(1)メチレンビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(2)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、(3)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)
(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、(4)エチレン(シクロペンタジエニ
ル)(3,5−ジメチルペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、(5)メチレンビス(インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、(6)エチレンビス(2−メチルイ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、(7)エチレン
1,2−ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウム
ジクロリド、(8)エチレン(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(9)ジメ
チルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1
0)ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、(11)ジメチルシリレンビス(4,5,
6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロ
リド、(12)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニ
ル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(1
3)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(オク
タヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(1
4)メチルフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−
4,5−ベンゾ(インデニル)]ジルコニウムジクロリ
ド、(15)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル
−4,5−ベンゾインデニル)]ジルコニウムジクロリ
ド、(16)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル
−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、(1
7)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−
(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコ
ニウムジクロリド、(18)ジメチルシリレンビス[1
−(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−
アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、(19)ジメ
チルシリレンビス[1−(2−エチル−4−ナフチル−
4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、(2
0)ジフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4−
(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコ
ニウムジクロリド、(21)ジメチルシリレンビス[1
−(2−メチル−4−(フェニルインデニル))]ジル
コニウムジクロリド、(22)ジメチルシリレンビス
[1−(2−エチル−4−(フェニルインデニル))]
ジルコニウムジクロリド、(23)ジメチルシリレンビ
ス[1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニ
ル)]ジルコニウムジクロリド、(24)ジメチルゲル
ミレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(25)ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド。
物などの他の第4、5、6族遷移金属化合物についても
上記と同様の化合物が挙げられる。本発明の触媒成分お
よび触媒については、これらの化合物を併用してもよ
い。
るいは両方が臭素、ヨウ素、水素、メチルフェニル、ベ
ンジル、アルコキシ、ジメチルアミド、ジエチルアミド
等に代わった化合物も例示することができる。さらに、
上記のジルコニウムの代わりに、チタン、ハフニウム等
に代わった化合物も例示することができる。
物、メタロセン化合物と反応してメタロセン化合物成分
をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物もし
くはルイス酸、固体酸、あるいは、イオン交換性層状珪
酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物が
用いられる。また、必要に応じてこれら化合物と共に有
機アルミニウム化合物を添加することができる。
ルアルモキサン、エチルアルモキサン、プロピルアルモ
キサン、ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサ
ン、メチルエチルアルモキサン、メチルブチルアルモキ
サン、メチルイソブチルアルモキサン等が例示される。
また、トリアルキルアルミニウムとアルキルボロン酸と
の反応物を使用することもできる。例えば、トリメチル
アルミニウムとメチルボロン酸の2:1の反応物、トリ
イソブチルアルミニウムとメチルボロン酸の2:1反応
物、トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニ
ウムとメチルボロン酸の1:1:1反応物、トリエチル
アルミニウムとブチルボロン酸の2:1反応物などであ
る。
リロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナ
イト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、
ベントナイト、テニオライト等のスメクタイト族、バー
ミキュライト族、雲母族などの珪酸酸塩が用いられる。
これらのケイ酸塩は化学処理を施したものであることが
好ましい。ここで化学処理とは、表面に付着している不
純物を除去する表面処理と層状ケイ酸塩の結晶構造、化
学組成に影響を与える処理のいずれをも用いることがで
きる。具体的には、(イ)酸処理、(ロ)アルカリ処
理、(ハ)塩類処理、(ニ)有機物処理等が挙げられ
る。これらの処理は、表面の不純物を取り除く、層間の
陽イオンを交換する、結晶構造中のAl、Fe、Mg等
の陽イオンを溶出させ、その結果、イオン複合体、分子
複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離、固
体酸性度等を変えることができる。これらの処理は単独
で行ってもよいし、2つ以上の処理を組み合わせてもよ
い。
リエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムクロリド等の有機アルミニウム化
合物が使用してもよい。
使用してプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体
を得る。α−オレフィンとしては、プロピレンを除く炭
素数2〜20のα−オレフィンがあげられ、例えばエチ
レン、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチル−1−ブ
テン、ヘキセン−1、3−メチル−1−ペンテン、4−
メチル−1−ペンテン、ヘプテン−1、オクテン−1、
ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1、テトラデセン
−1、ヘキサデセン−1、オクタデセン−1、エイコセ
ン−1等を例示できる。プロピレンと共重合されるα−
オレフィンは、一種類でも二種類以上併用してもよい。
このうちエチレン、ブテン−1が好適であり、特にエチ
レンが好適である。
不活性溶媒を用いたスラリー法、実質的に溶媒を用いな
い気相法や溶液法、あるいは重合モノマーを溶媒とする
バルク重合法等が挙げられる。
ンランダム共重合体は、前述のメタロセン触媒で重合さ
れた共重合体であって、次の特性(1)〜(6)を有し
ている必要がある。以下、各特性について説明する。
重合体のJIS−K6921による230℃、21.1
8Nでのメルトフローレート(MFR)は、5〜100
g/10分であり、好ましくは12〜90g/10分で
あり、より好ましくは15〜80g/10分である。M
FRが5g/10分未満であると紡糸圧力が高くなりす
ぎ、高倍率での延伸が困難となり、繊維径の不均一など
の弊害が生じる。一方、100g/10分を超えると溶
融粘度が低いことから紡糸時に糸揺れが顕著となり、隣
接する糸同士が融着し糸切れが多発するといった弊害が
生じる。ポリマーのMFRを調節するには、例えば、重
合温度、触媒量、分子量調節剤としての水素の供給量な
どを適宜調節する方法、あるいは重合終了後に過酸化物
の添加により調整する方法がある。
重合体のQ値は、GPCにより測定した重量平均分子量
Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)であっ
て、2.0〜4.0であり、好ましくは2.2〜3.7
であり、より好ましくは2.3〜3.5である。Q値が
4を超えると、高分子量成分の存在により紡糸延伸性が
損なわれるといった弊害が生じる。逆に、2.0未満で
あると、現状メタロセン触媒系でも製造が困難なもので
ある。プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の
Q値を調整する方法は、好ましくは2種以上のメタロセ
ン触媒成分の併用した触媒系や2種以上のメタロセン錯
体を併用した触媒系を用いて重合する、または重合時に
2段以上の多段重合を行うことによりQ値を広く制御す
ることができる。逆にQ値を狭く調整するためには、プ
ロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を重合後、
有機過酸化物を使用し溶融混練することにより調整する
ことができる。
こなう。 装置 :Waters社製HLC/GPC 150
C カラム温度:135℃ 溶媒 :o−ジクロロベンゼン 流量 :1.0ml/min カラム :東ソー株式会社製 GMHHR−H(S)
HT 60cm×1 注入量 :0.15ml(濾過処理無し) 溶液濃度 :5mg/3.4ml 試料調整 :o−ジクロロベンゼンを用い、5mg/
3.4mlの溶液に調整し140℃で1〜3時間溶解さ
せる。 検量線 :ポリスチレン標準サンプルを使用。 検量線次数:1次 PP分子量:PS×0.639
重合体のTmは、示差走査熱量計(DSC)によって得
られる融解曲線のピーク温度を表し、110〜140℃
である。Tmが140℃を超えると、不織布加工時に加
工温度を高温にする必要があり、エネルギーコストの観
点から好ましくない。また、110℃未満であると、部
分融解する可能性があり、好ましくない。
マー社製の示差走査熱量計(DSC)を用い、サンプル
量10mgを採り、200℃で5分間保持した後、40
℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、更に10℃
/分の昇温速度で融解させたときに描かれる曲線のピー
ク位置を、融解ピーク温度Tm(℃)とする。
よる溶出量差温度) 本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体は、温度上昇溶離分別(TREF:Temper
ature Rising ElutionFract
ion)によって得られる溶出曲線において、80重量
%が溶出する温度(T80)と20重量%が溶出する温
度(T20)の差、T80−T20が、10℃以下であ
り、好ましくは2〜9℃であり、より好ましくは2〜8
℃である。T80−T20が10℃を超えると、低融点
成分が増加するため、構成繊維のべたつき、不織布とし
た時の表面すべり特性の悪化、紡糸性能の低下等の弊害
が生じる。ポリマーのT80−T20が上記のように特
定の狭い範囲にあることは、ポリマーの分子量分布がよ
り均一であることを意味している。プロピレン・α−オ
レフィンランダム共重合体のT80−T20を調整する
方法は、2種以上のメタロセン触媒成分の併用した触媒
系や2種以上のメタロセン錯体を併用した触媒系を用い
て重合することにより、T80−T20を大きく調整す
ることができる。また、担体にメタロセン触媒成分を担
持する際、担持が不均一である触媒を使用して重合した
場合、低分子量成分が増え、これに伴いT8 0−T20
が大きくなってしまう。したがってメタロセン触媒成分
を担体に均一に担持する技術が重要である。
F)とは、不活性担体の存在下に一定高温下でポリマー
を完全に溶解させた後に冷却し、該不活性担体表面に薄
いポリマー層を生成させ、次に、温度を連続又は段階的
に昇温して、溶出した成分を回収し、その濃度を連続的
に検出して、その溶出量と溶出温度によって描かれるグ
ラフ(溶出曲線)により、ポリマーの組成分布を測定す
る方法である。温度上昇溶離分別(TREF)の測定の
詳細については、Journal of Applie
d Polymer Science第26巻 第42
17〜4231頁(1981年)に記載されており、本
発明においてもこれに従って行う。
の条件で測定した値である。測定装置は、ダイヤインス
ツルメンツ製CFC T−102Lを使用し、まず、測
定すべきサンプルを溶媒(o−ジクロロベンゼン)を用
い、3mg/mlとなるように、140℃で溶解し、こ
れを測定装置内のサンプルループ内に注入する。以下の
測定は設定条件にしたがって自動的に行われる。サンプ
ルループ内に保持された試料溶液は、溶解温度の差を利
用して分別するTREFカラム(不活性担体であるガラ
スビーズが充填された内径4mm、長さ150mmの装
置付属のステンレス製カラム)に0.4ml注入され
る。次に該サンプルを1℃/分の速度で140℃から0
℃の温度まで冷却させる。TREFカラムが0℃で更に
30分間保持された後、0℃の温度で溶解している成分
2mlが1ml/分の流速でTREFカラムからSEC
カラム(昭和電工製AD806MS 3本)へ注入され
る。SECで分子サイズの分別が行われている間に、T
REFカラムでは次の溶出温度(10℃)に昇温され、
その温度に約30分保持される。SECでの各溶出区分
の測定は39分間隔で行われる。溶出温度は0℃から4
0℃まで10℃毎に、40℃から90℃まで5℃毎に、
90℃から140℃までは4℃毎に階段的に昇温され
る。該SECカラムで分子サイズによって分別された溶
液は装置付属の赤外線分光光度計で検出され、各溶出温
度区分におけるクロマトグラフが得られる。なお、赤外
線分光光度計での検出は検出波数3.42μmにおける
吸光度を使用して行われ、溶液中のポリマー成分量と吸
光度とが比例するものとして以下のデータ処理が行われ
る。各溶出温度区分におけるクロマトグラムは内蔵のデ
ータ処理ソフトにより処理され、各クロマトグラムの面
積を基に、積算が100%となるように規格化された各
溶出温度区分の溶出量が計算される。更に、得られた各
溶出温度区分の溶出量から、積分溶出曲線が作成され
る。0℃可溶分量とは0℃で溶出したポリマー成分の量
(%)を示すものであり、T20とは積算溶出量が20
%となる温度を、T80とは積算溶出量が80%となる
温度を示すものである。
量 本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体のTREF測定時の0℃可溶分量は、3重量%以
下であり、好ましくは1.0重量%以下であり、更に好
ましくは0.5重量%以下であり、特に好ましくは0.
3重量%以下である。TREF測定時の0℃可溶分量
は、低分子量成分がそのほとんどを占めており、不織布
のべたつきの原因となる。上記範囲より大きい場合は、
不織布べたつきが顕著となり、好ましくない。プロピレ
ン・α−オレフィンランダム共重合体のTREF0℃可
溶分の量は、担体にメタロセン触媒成分を担持する際、
担持が不均一である触媒を使用して重合した場合、低分
子量が増え、これに伴いTREF0℃可溶分の量が増加
してしまう。したがってメタロセン触媒成分を担体に均
一に担持する触媒を使用して重合することによりTRE
F0℃可溶分の量を3重量%以下に調整することができ
る。
重合体中のα−オレフィン(コモノマー)含有量は、1
〜18モル%であり、好ましくは2.5〜10モル%で
あり、より好ましくは3〜8モル%である。特にコモノ
マーがエチレンの場合は、1〜12モル%が好ましい。
コモノマー含有量が上記範囲よりも少量であると融点が
高く、ヒートシール特性が改善されず好ましくない。一
方、多すぎると紡糸時の固化が遅く、生産性が損なわれ
る、また不織布強度や剛性が大きく低下してしまうとい
った弊害が生じる。ポリマー中のα−オレフィン含有量
は重合反応系へ供給するα−オレフィンの量を制御する
ことにより容易に調節することができる。なお、本発明
において、α−オレフィン含有量は、フーリエ変換赤外
分光光度計により定量されるものである。
ンランダム共重合体には、本発明の目的が損なわれない
範囲で、各種添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止
剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、結晶造核剤、銅害防止
剤、帯電防止剤、スリップ剤、抗ブロッキング剤、防曇
剤、着色剤、充填剤、エラストマー、石油樹脂などを配
合することができる。
フィンランダム共重合体と、必要に応じてこれらの各種
添加剤とを、ドライブレンドの状態あるいは溶融混練機
を用いて、好ましくは180〜300℃で加熱溶融混練
し、粒状に裁断されたペレットの状態で繊維不織布成形
材料として提供される。
レフィンランダム共重合体を少なくとも1成分とする繊
維は、単一繊維、芯鞘型複合繊維、あるいはサイドバイ
サイド型複合繊維であっても良く、複合繊維の場合は、
上記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体から
の繊維がどちらかの繊維の1成分として含まれていれば
良い。
は、芯鞘型複合繊維又はサイドバイサイド複合繊維から
得られる不織布がヒートシール性、ホットタック性の点
において優れており、特に、芯材に融点が150℃以上
の高融点ポリプロピレンを用い、鞘材として、上記プロ
ピレン・α−オレフィンランダム共重合体を用いる芯鞘
型複合繊維を用いるのが好ましい。芯材と鞘材の比は、
1:1が好ましい。
不織布は、上述の繊維をスパンボンド法、メルトブロー
ン法等で直接製造するか、一旦繊維化して、水流交絡
法、カード法などの成形法により製造される長繊維及び
/又は短繊維からなる不織布である。不織布製造工程に
おけるボンディング工程においては、通常スパンボンド
不織布などの長繊維ウェヴは部分的に熱融着されて不織
布成形されている。短繊維を利用した不織布を使用する
ケースでは、熱圧着(ホットカレンダー)方式又は熱風
(エアースルー)方式などで熱接着され不織布成形され
る。
熱融着方法は、熱接着(ホットカレンダー)方式が一番
多く使用され、一対のホットカレンダーの片側のロール
の表面に彫刻したエンボスロールを用いて行う。このエ
ンボスロールの表面の彫刻の仕方により、風合の異なる
製品が出きる。具体的には、ドット(〇、□、△、◇な
どの点)や破線、更には碁盤目状や格子状を凸状部とし
て彫刻したエンボスロールを用いる方法が使用されてい
る。
述のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体であ
る低融点樹脂が使用されており低温熱接着できるため、
上記の部分的に熱融着されるスパンボンド不織布の他、
芯鞘短繊維ウェブを熱風方式で熱接着した不織布、直接
繊維をブローさせ熱接着させたメルトブローン不織布な
どが単独(単層)又は複合(積層)で熱接着して使用で
きる。
は、フィルム、紙状物、織物、編み物から選ばれる少な
くとも1種であって、フィルム状物が好ましい。特に、
本発明の積層体を使い捨てカイロ用包装材として用いる
場合は、その積層体の一層としてのフィルムは、低温融
着熱可塑性樹脂のフィルム層を含む単層又は複層からな
るものが好ましい。
メタロセン系触媒を用いて得られる直鎖状低密度ポリエ
チレンが使用される。該メタロセン系触媒を用いて製造
された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含むフィルム層
は、フィルムの融点が70〜130℃、好ましくは80
〜125℃のものが好適である。フィルムの融点が70
℃未満では、積層体をカイロ用包装材として用いる場合
は、カイロ包装材内に充填される発熱材の発熱により、
シール界面が溶融剥離して破袋する恐れがあり、製品設
計上好ましくない。また、130℃以上では、ヒートシ
ール温度が高くなるため、熱履歴によるヒートシール部
分の不織布層の変形が大きくなったり、経済的にも好ま
しくない。
の積層方法は、特に限定されないが、一般に公知の方法
を使用できる。例えば、不織布上にメタロセン系触媒を
用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレンを溶融押出
した押出ラミネートや、ドライラミネートなどを用いる
ことが出きる。実生産においては、Tダイ型押出成形機
を使用して不織布上に押出ラミネートする方法などを用
いることができる。
ル性)、ホットタック性に優れ、断熱性包装用不織布と
して用いることができ、特に、食品用包装不織布、カイ
ロ包装用不織布として用いることができる。カイロ包装
用不織布としては、使い捨てカイロ用の包装材及び使い
捨てカイロ用袋のいずれに用いてもその効果を発揮する
ことができる。
明するが、本発明はその要旨を超えない限り下記の実施
例に限定されるものではない。物性等の測定は下記の通
りである。
属書に準拠し測定した。(条件:温度/230℃(ポリ
プロピレン)、190℃(ポリエチレン)、荷重21.
18N)
マトグラフィ(GPC)により測定した重量平均分子量
Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)をQ値と
した。測定条件は前記のとおりである。 検量線 :以下のポリスチレン標準サンプルを使用し
た。
法により測定した。
る、T80−T20、0℃可溶分量:温度上昇溶離分別
(TREF)は前記の条件で測定した。測定装置はダイ
ヤインスツルメンツ製CFC T−102Lを使用し
た。
は不織布層とフィルム層で積層された積層シートで評価
し、積層シートのフィルム面とフィルム面を重ね合わせ
てヒートシールした。測定はシール温度を傾斜して昇温
設定できる熱傾斜型ヒートシーラーで行った。圧力2k
gf/cm2で1秒間加熱してヒートシールした。
れた15mm幅のサンプルを引張試験器(東洋精機製ス
トログラフ)で引張速度50mm/分でヒートシール部
位が剥離する時の強度を測定した。
側ダイロール方式の連続製袋機を用いて充填テストを行
った。この時に加熱ロール温度を100℃から10℃刻
みで140℃まで上昇させてカイロを製造し、各設定温
度におけるヒートシール性などの製袋評価を行った。
れたスメクタイト族ケイ酸塩(水沢化学社製ベンクレイ
SL)20g、ヘプタン200mLを仕込み、トリノル
マルオクチルアルミニウム50mmolで処理後ヘプタ
ンで洗浄し、スラリー1とした。また別のフラスコ(容
積200mL)中に、ヘプタン90mL、〔(r)−ジ
クロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル
−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]
ジルコニウム〕0.3mmol、トリイソブチルアルミ
ニウム1.5mmolを仕込みスラリー2とした。スラ
リー2を、上記スラリー1に加えて、室温で60分攪拌
した。その後ヘプタンを210mL追加し、このスラリ
ーを1Lオートクレーブに導入した。オートクレーブの
内部温度を40℃にしたのちプロピレンを10g/時の
速度でフィードし4時間40℃を保ちつつ予備重合、1
時間残重合を、行い予備重合触媒83gを得た。
ム共重合体の製造 内容積270Lの反応器に液状プロピレン、エチレン、
水素、およびトリイソブチルアルミニウム(TIBA)
のヘキサン希釈溶液を連続的に供給し、内温を62℃に
保持した。プロピレンの供給量は、38kg/hrであ
り、エチレンの供給量は0.92kg/hrであり、水
素の供給量は0.25g/hrであり、TIBAの供給
量は18g/hrであった。前記予備重合触媒を流動パ
ラフィンによりスラリー状とし、2.35g/hrでフ
ィードした。その結果、12.2kg/hrのプロピレ
ン・エチレンランダム共重合体Iを得た。得られたプロ
ピレン・エチレンランダム共重合体Iは、MFR=2
6.0g/10分、エチレン含量=4.5mol%、T
m=128℃、Q値=2.7、でありT80−T
20は、6.3℃、0℃可溶分量は0.13重量%であ
った。プロピレン・エチレンランダム共重合体Iのパウ
ダー100重量部に対して、結晶造核剤として3−メチ
ルブテン重合体のマスターバッチを0.10重量部、酸
化防止剤として1、3、5−トリス[(4−tert−
ブチル−3−ヒドロキシ−2、6−キシリル)メチル]
−1、3、5−トリアジン−2、4、6(1H、3H、
5H)−トリオン(サイテック製、商品名サイアノック
ス1790)を0.04重量部、トリス−(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ製、商品名イルガホス168)を
0.05重量部、及び中和剤としてステアリン酸カルシ
ウム(日東化成工業製、商品名Ca−St)を0.05
重量部、ヘンシェルミキサーで500rpm、3分間高
速混合した後、φ50mm単軸押出機(ユニオンプラス
チック社製)を使用し、押出温度230℃の条件で、溶
融、混練、冷却、カットしてペレット状のプロピレン・
エチレンランダム共重合体組成物Iを調整した。
ボンド不織布(芯材に融点161℃、MFR60g/1
0分、Q値が3のホモポリプロピレン(日本ポリケム製
SA06)を使用し、鞘材にプロピレン・エチレンラン
ダム共重合体組成物Iを使用した芯鞘比率1:1の複合
繊維)の表面上に、メタロセン系触媒を用いて製造され
た直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリケム製、カーネ
ルKS560、融点90℃、MFR16.5g/10分
@190℃)を、Tダイ型押出機を用いて厚み50μm
に押出ラミネートして、非通気性の二層積層シートを得
た。さらに通気性の二層シートを得るために、この非通
気性二層積層シートの一部を加熱ニードル針を用いて通
気加工処理を行って通気性二層シートを得た。
層シートをメタロセン系触媒を用いて製造された直鎖状
低密度ポリエチレンフィルム層を互いに接着する様にし
て重ね合わせて、原反として供給し、熱ロール方式の充
填シール機で発熱性組成物(発熱主剤として粒子径70
〜360メッシュのアトマイズ鉄粉と、吸水性ポリマー
のポリアクリル酸ソーダ及び発熱助剤のヤシガラ活性炭
とを、重量比13:1:1で混合したもの)を充填しな
がら、四方をシールすることにより、使い捨てカイロを
得た。このときのシール温度は125℃でシールした。
ヒートシール部の剥離強力は2.0kgf/15mm以
上得られており、シール不良はなく良好な製品が得られ
た。なお、下限シール温度は100℃であった。内容物
充填時の製袋評価は、100℃〜115℃ではシール強
度が不足している部分が発生したが、120℃以上で
は、シール不良は解消し、良好な製品が得られた。
ド不織布上に、低密度ポリエチレン(日本ポリケム製、
商品名ノバテックLC500、融点106℃)とメタロ
セン系触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレ
ン(日本ポリケム製、カーネルKS560、融点90
℃、MFR16.5g/10分@190℃)を、3:7
にブレンドした組成物をTダイ型押出機を用いて、厚み
25μmに押出ラミネートし二層積層シートを得た。実
施例1と同様の手順で使い捨てカイロを製造した。この
ときのシール温度は120℃でシールした。ヒートシー
ル部の剥離強力は2.0kgf/15mm以上得られて
おり、シール不良はなく良好な製品が得られた。なお、
下限シール温度は105℃であった。内容物充填時の製
袋評価は、100℃〜115℃ではシール強度が不足し
ている部分が発生したが、120℃以上では、シール不
良は解消し、良好な製品が得られた。
ド複合繊維で構成された短繊維不織布からなる不織布
(ポリマーAに161℃の日本ポリケム製SA06を使
用、ポリマーBに、メタロセン系触媒で重合されたプロ
ピレン・エチレンランダム共重合体組成物Iを使用し、
ポリマーAとポリマーBの複合比率1:1のサイドバイ
サイド型複合繊維を用いて製造された不織布)の表面上
に、メタロセン系触媒を用いて製造された直鎖状低密度
ポリエチレン(日本ポリケム製、カーネルKS560、
融点90℃、MFR16.5g/10分)を、Tダイ型
押出機を用いて厚み50μmに押出ラミネートして、非
通気性の二層積層シートを得た。さらに通気性の二層シ
ートを得るために、この非通気性二層積層シートの一部
を加熱ニードル針を用いて通気加工処理を行って通気性
二層シートを得た。
層シートをメタロセン系触媒を用いて製造された直鎖状
低密度ポリエチレンフィルム層を互いに接着する様にし
て重ね合わせて、原反として供給し、熱ロール方式の充
填シール機で発熱性組成物(発熱主剤として粒子径70
〜360メッシュのアトマイズ鉄粉と、吸水性ポリマー
のポリアクリル酸ソーダ及び発熱助剤のヤシガラ活性炭
とを、重量比13:1:1で混合したもの)を充填しな
がら、四方をシールすることにより、使い捨てカイロを
得た。このときのシール温度は130℃でシールした。
ヒートシール部の剥離強力は2.0kgf/15mm以
上得られており、シール不良はなく良好な製品が得られ
た。なお、下限シール温度は110℃であった。内容物
充填時の製袋評価は、110℃〜115℃ではシール強
度が不足している部分が発生したが、120℃以上で
は、シール不良は解消し、良好な製品が得られた。
系芯鞘複合スパンボンド不織布上に、直鎖状低密度ポリ
エチレン(日本ユニカー製NUC−8007、融点10
8℃、MFR6.5g/10分@190℃)をTダイ型
押出機を用いて、厚み50μmに押出ラミネートして、
二層積層シートを得た。実施例1と同様の手順で使い捨
てカイロを製造した。このときのシール温度は125℃
でシールしたが、ヒートシール部の剥離強力は十分でな
く、シール不良が発生した。135℃以上ではシール不
良は改善された。なお、下限シール温度は120℃であ
った。内容物充填時の製袋評価は、115℃〜125℃
ではシール強度が不足している部分が発生したが、13
5℃以上では、シール不良は解消したが熱履歴によるヒ
ートシール部分の不織布層の変形が一部大きくなった製
品が得られた。
単一系のポリプロピレン不織布(実施例1で使用の日本
ポリケム製SA06)を使用、メタロセン系触媒を用い
て製造された直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリケム
製、カーネルKS560、融点90℃、MFR16.5
g/10分@190℃)を、Tダイ型押出機を用いて厚
み50μmに押出ラミネートして、非通気性の二層積層
シートを得た。さらに通気性の二層シートを得る為に、
この非通気性二層積層シートの一部を加熱ニードル針を
用いて通気加工処理を行って通気性二層シートを得た。
層シートをメタロセン系触媒を用いて製造された直鎖状
低密度ポリエチレンフィルム層を互いに接着する様にし
て重ね合わせて、原反として供給し、熱ロール方式の充
填シール機で発熱性組成物(発熱主剤として粒子径70
〜360メッシュのアトマイズ鉄粉と、吸水性ポリマー
のポリアクリル酸ソーダ及び発熱助剤のヤシガラ活性炭
とを、重量比13:1:1で混合したもの)を充填しな
がら、四方をシールすることにより、使い捨てカイロを
得た。このときのシール温度は125℃でシールした
が、剥離強力は十分でなく、シール不良が発生した。シ
ール不良は不織布と直鎖状低密度ポリエチレンの界面で
顕著に発生していた。なお、下限シール温度は115℃
であった。内容物充填時の製袋評価は、110℃〜13
0℃ではシール強度が不足している部分が発生したが、
135℃以上では、シール不良は解消したが、熱履歴に
よるヒートシール部分の不織布層の変形がややみられる
製品が得られた。
は、不織布とラミフィルム層の界面剥離がなく、低温シ
ール性、夾雑物シール性及びホットタック性に優れてい
る。この積層体を包装材に利用すると、熱シールする際
の製袋温度が低温加工できるため、使い捨てカイロ用の
包装材料、袋として用いることができ、経済的にも好適
な包装袋として用いることができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 フィルム、紙状物、織物、編み物から選
ばれる少なくとも1種と、オレフィン系樹脂層を積層し
てなる積層体であって、オレフィン系樹脂層が、メタロ
セン触媒によって重合され、下記特性(1)〜(6)を
有するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を
少なくとも1成分とする繊維からなる不織布であること
を特徴とするポリプロピレン系不織布積層体。 特性(1):MFRが5〜100g/10分 特性(2):Q値が2.0〜4.0 特性(3):Tmが110〜140℃ 特性(4):T80−T20が10℃以下 特性(5):TREF測定時の0℃可溶分量が3重量%
以下 特性(6):α−オレフィン含有量が1〜18モル% (但し、MFRはJIS−K6921による230℃、
21.18Nでのメルトフローレート、Q値はGPCに
より測定した重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnと
の比(Mw/Mn)、Tmは示差走査熱量計(DSC)
によって得られる融解曲線のピーク温度、T80は温度
上昇溶離分別(TREF)によって得られる積分溶出曲
線において80重量%が溶出する温度、T20は20重
量%が溶出する温度をそれぞれ示す。) - 【請求項2】 プロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体のα−オレフィンがエチレンであり、その含有量
が1〜12モル%である請求項1記載のポリプロピレン
系不織布積層体。 - 【請求項3】 メタロセン触媒によって重合されたプロ
ピレン・α−オレフィンランダム共重合体を少なくとも
1成分とする繊維が、芯鞘型複合繊維またはサイドバイ
サイド型複合繊維であることを特徴とする請求項1又は
2に記載のポリプロピレン系不織布積層体。 - 【請求項4】 不織布がスパンボンド法により得られた
ものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
項に記載のポリプロピレン系不織布積層体。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポ
リプロピレン系不織布積層体を用いた断熱性包装用不織
布。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポ
リプロピレン系不織布積層体を用いた食品包装用不織
布。 - 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポ
リプロピレン系不織布積層体を用いたカイロ包装用不織
布。
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KR102372221B1 (ko) | 2018-11-06 | 2022-03-10 | 주식회사 엘지화학 | 프로필렌 공중합체 수지 조성물 및 그 제조방법 |
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