JP2003138102A - 半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物及び半導体装置Info
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- JP2003138102A JP2003138102A JP2001340528A JP2001340528A JP2003138102A JP 2003138102 A JP2003138102 A JP 2003138102A JP 2001340528 A JP2001340528 A JP 2001340528A JP 2001340528 A JP2001340528 A JP 2001340528A JP 2003138102 A JP2003138102 A JP 2003138102A
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Abstract
ブデン化合物 (E)下記平均組成式(1)で示されるホスファゼン化
合物 【化1】 を必須成分とし、臭素化物及びアンチモン化合物を実質
的に含まない半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物。 【効果】 本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組
成物は、成形性に優れるとともに、難燃性及び耐湿信頼
性に優れた硬化物を得ることができる。
Description
ともに、難燃性及び耐湿信頼性に優れ、臭素化エポキシ
樹脂等の臭素化物、三酸化アンチモン等のアンチモン化
合物を含有しない硬化物を得ることができる半導体封止
用エポキシ樹脂組成物、及び該樹脂組成物の硬化物で封
止した半導体装置に関する。
半導体デバイスは樹脂封止型のダイオード、トランジス
ター、IC、LSI、超LSIが主流であるが、エポキ
シ樹脂が他の熱硬化性樹脂に比べ成形性、接着性、電気
特性、機械特性、耐湿性等に優れているため、エポキシ
樹脂組成物で半導体装置を封止することが一般的であ
る。半導体デバイスは家電製品、コンピュータ等、生活
環境のあらゆる所で使用されているため、万が一の火災
に備えて、半導体装置には難燃性が要求されている。
難燃性を高めるため、一般にハロゲン化エポキシ樹脂と
三酸化アンチモンとが配合されている。このハロゲン化
エポキシ樹脂と三酸化アンチモンとの組み合わせは、気
相においてラジカルトラップ、空気遮断効果が大きく、
その結果、高い難燃効果が得られるものである。
に有毒ガスを発生するという問題があり、また三酸化ア
ンチモンにも粉体毒性があるため、人体、環境に対する
影響を考慮すると、これらの難燃剤を樹脂組成物中に全
く含まないことが好ましい。
キシ樹脂あるいは三酸化アンチモンの代替として、従来
からAl(OH)3、Mg(OH)2等の水酸化物、赤リ
ン、リン酸エステル等のリン系難燃剤等の検討がなされ
てきている。しかし、Al(OH)3、Mg(OH)2等
の水酸化物は難燃効果が低いため、難燃組成とするため
には、エポキシ樹脂組成物中に水酸化物を多量に添加し
なければならず、その結果、組成物の粘度が上昇し、成
形時にボイド、ワイヤー流れ等の成形不良が発生すると
いう問題がある。一方、赤リン、リン酸エステル等のリ
ン系難燃剤をエポキシ樹脂組成物に添加した場合、半導
体装置が高温高湿条件にさらされると、リン系難燃剤が
加水分解されてリン酸が生成し、このリン酸がアルミ配
線を腐食させ、信頼性を低下させるという大きな問題が
あった。
244号公報では、赤リンの表面にSiXOY組成からな
る被覆層で被覆した化合物を難燃剤として使用したエポ
キシ樹脂組成物が提案されているが、上記の耐湿信頼性
は改善されていないのが現状である。また、特開平10
−259292号公報では、環状ホスファゼン化合物
を、充填剤を除く配合成分の合計量に対して、燐原子の
量が0.2〜3.0重量%となる量を使用したエポキシ
樹脂組成物も提案されているが、難燃性を得るためには
相当な量をエポキシ樹脂組成物に添加する必要があり、
その場合は硬化性の低下ならびに高温環境下での電気抵
抗性低下を引き起こす等の問題点があった。
で、臭素化エポキシ樹脂等の臭素化物及び三酸化アンチ
モン等のアンチモン化合物を含有せず、成形性に優れる
とともに、難燃性及び耐湿信頼性に優れる硬化物を得る
ことができる半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物、
及び該樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置を提供
することを目的とする。
発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結
果、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機質
充填剤、(D)モリブデン酸亜鉛を無機質充填剤に担持
したモリブデン化合物及び(E)下記平均組成式(1)
で示されるホスファゼン化合物を必須成分とし、臭素化
物及びアンチモン化合物を実質的に含まない半導体封止
用難燃性エポキシ樹脂組成物が、成形性に優れるととも
に、難燃性、耐湿信頼性に優れる硬化物を得ることがで
き、また該エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半
導体装置が、難燃性、耐湿信頼性に優れるものであるこ
とを見出し、本発明をなすに至ったものである。
ブデン化合物 (E)下記平均組成式(1)で示されるホスファゼン化
合物
O2、S、O、及びO(CO)Oから選ばれる基であ
り、YはOH、SH又はNH2であり、R1は炭素数1〜
4のアルキル基及びアルコキシ基、NH2、NR2R3並
びにSR2から選ばれる基であり、R2,R3は水素原子
又は炭素数1〜4のアルキル基である。d,e,f,n
は0≦d≦0.25n、0≦e<2n、0≦f≦2n、
2d+e+f=2n、3≦n≦1000を満たす数であ
る。]を必須成分とし、臭素化物及びアンチモン化合物
を実質的に含まないことを特徴とする半導体封止用難燃
性エポキシ樹脂組成物、及び上記難燃性エポキシ樹脂組
成物の硬化物で封止した半導体装置を提供する。
に、臭素化物、アンチモン化合物を実質的に含まないも
のである。一般に、エポキシ樹脂組成物中には、難燃性
を達成するため、臭素化エポキシ樹脂と三酸化アンチモ
ンとが配合されているが、本発明のエポキシ樹脂組成物
は、この臭素化エポキシ樹脂と三酸化アンチモンとを使
用せずに、難燃規格であるUL−94、V−0を達成す
ることができるものである。
化アンチモンの代替として、従来からAl(OH)3、
Mg(OH)2等の水酸化物、赤リン、リン酸エステル
等のリン系難燃剤等が検討されている。しかし、これら
の公知の代替難燃剤は、特に高温において耐水性が弱
く、難燃剤自身が溶解、分解して、抽出水中の不純物イ
オンを増加させるという共通の欠点があった。このた
め、臭素化物、アンチモン化合物を実質的に含まない従
来の難燃性エポキシ樹脂組成物で封止された半導体装置
を長時間高温高湿下に放置すると、半導体装置のアルミ
配線が腐食し、耐湿信頼性が低下するという問題があっ
た。
意検討を行った結果、難燃剤として、モリブデン酸亜鉛
を無機質充填剤に担持したモリブデン化合物(D)、及
び下記平均組成式(1)で示されるホスファゼン化合物
(E)の2種を併用した半導体封止用エポキシ樹脂組成
物が、前述のように抽出水中の不純物イオンを増加させ
ることもなく、成形性に優れ、難燃性及び耐湿信頼性に
優れた硬化物を得ることができることを見出したもので
ある。この場合、これら2種類の化合物は、いずれも耐
水性が高く、抽出水中の不純物イオンを増加させる作用
がないものである。しかし、これらの化合物をそれぞれ
単独で使用した場合は、難燃効果が不十分であったり、
エポキシ樹脂組成物の流動性が低下したり、あるいは硬
化性が低下したりする不都合があったが、本発明の難燃
性エポキシ樹脂組成物は、難燃剤として、モリブデン酸
亜鉛を無機質充填剤に担持したモリブデン化合物
(D)、及び平均組成式(1)で示されるホスファゼン
化合物(E)の2種を併用したことにより、それぞれの
添加量を最小限に抑えることができるため、上述のよう
な成形時の問題点もなく、しかも難燃性及び耐湿信頼性
に特に優れた硬化物を得ることができるものである。
る。本発明のエポキシ樹脂組成物を構成する(A)エポ
キシ樹脂は特に限定されない。一般的なエポキシ樹脂と
しては、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキ
シ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格含
有アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹
脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、複素環型エ
ポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキ
シ化合物、スチルベン型エポキシ樹脂等が挙げられ、こ
れらのうち1種又は2種以上を併用することができる
が、本発明においては臭素化エポキシ樹脂は配合されな
い。
000ppm以下、特に500ppm以下であり、ナト
リウム及びカリウムはそれぞれ10ppm以下とするこ
とが好ましい。加水分解性塩素が1000ppmを超え
たり、ナトリウム又はカリウムが10ppmを超える場
合は、長時間高温高湿下に半導体装置を放置すると、耐
湿性が劣化する場合がある。
れるものではない。一般的な硬化剤としては、フェノー
ル樹脂が好ましく、具体的にはフェノールノボラック樹
脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、アラルキル型フ
ェノール樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹
脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型フェノール樹脂、
ビフェニル型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、
複素環型フェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール
樹脂、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹
脂等のビスフェノール型フェノール樹脂などが挙げら
れ、これらのうち1種又は2種以上を併用することがで
きる。
トリウム及びカリウムをそれぞれ10ppm以下とする
ことが好ましい。ナトリウム又はカリウムが10ppm
を超える場合は、長時間高温高湿下に半導体装置を放置
すると、耐湿性が劣化する場合がある。
特に制限されないが、エポキシ樹脂中に含まれるエポキ
シ基1モルに対して、硬化剤中に含まれるフェノール性
水酸基のモル比が0.5〜1.5、特に0.8〜1.2
の範囲であることが好ましい。
化剤との硬化反応を促進させるため、硬化促進剤を用い
ることが好ましい。この硬化促進剤は、硬化反応を促進
させるものであれば特に制限はなく、例えばトリフェニ
ルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチ
ルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホス
フィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラ
ン、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレー
トなどのリン系化合物、トリエチルアミン、ベンジルジ
メチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、
1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7
などの第3級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、
2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル
イミダゾールなどのイミダゾール化合物等を使用するこ
とができる。
記リン系化合物、第3級アミン化合物、イミダゾール化
合物等のエポキシ樹脂と硬化剤(フェノール樹脂)との
硬化反応促進用の硬化促進剤は、(A)、(B)、
(E)成分の総量100重量部に対し、0.1〜5重量
部、特に0.5〜2重量部とすることが好ましい。
る(C)無機質充填剤としては、通常エポキシ樹脂組成
物に配合されるものを使用することができる。例えば、
溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒
化珪素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、酸化
チタン、ガラス繊維等が挙げられる。
無機質充填剤の充填量は、特に限定されないが、難燃性
を高めるためには、エポキシ樹脂組成物中に成形性を損
なわない範囲で可能な限り多量に充填させることが好ま
しい。この場合、無機質充填剤の平均粒径、形状とし
て、平均粒径5〜30μmの球状の溶融シリカが特に好
ましく、また、(C)成分の無機質充填剤の充填量は、
(A)、(B)、(E)成分の総量100重量部に対
し、400〜1200重量部、特に500〜1000重
量部とすることが好ましい。
剤との結合強度を強くするため、シランカップリング
剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤で
予め表面処理したものを配合することが好ましい。この
ようなカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラ
ン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン等のアミノシラン、γ−メルカプトシラン等のメル
カプトシランなどのシランカップリング剤を用いること
が好ましい。ここで表面処理に用いるカップリング剤の
配合量及び表面処理方法については、特に制限されるも
のではない。
組成物は、(D)モリブデン酸亜鉛を無機質充填剤に担
持したモリブデン化合物を使用するものである。
ン酸亜鉛をエポキシ樹脂組成物中に均一に分散させるこ
とが好ましく、分散性を向上させるためには、予めモリ
ブデン酸亜鉛をシリカ、タルク等の無機質充填剤に担持
したモリブデン化合物が最適である。
剤としては、溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、
タルク、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム、ボロ
ンナイトライド、酸化チタン、酸化亜鉛、ガラス繊維等
が挙げられる。この場合、無機質充填剤の平均粒径とし
ては、0.1〜40μmであることが好ましく、特に
0.5〜15μmであることが好ましい。また、比表面
積は、0.5〜50m2/gであることが好ましく、特
に0.7〜10m2/gであることが好ましい。
ばレーザー光回折法等による重量平均値(又はメディア
ン径)等として求めることができ、比表面積は、例えば
BET吸着法により求めることができる。
担持させたモリブデン化合物中のモリブデン酸亜鉛の含
有量は、5〜40重量%、特に10〜30重量%である
ことが好ましい。モリブデン酸亜鉛の含有量が少なすぎ
ると十分な難燃効果が得られない場合があり、また多す
ぎると成形時の流動性、硬化性が低下する場合がある。
剤に担持したモリブデン化合物としては、例えばSHE
RWIN−WILLIAMS社のKEMGARD126
0、1261、911B、911C等が挙げられる。
ン酸亜鉛を担持させたモリブデン化合物の添加量として
は、(A)、(B)、(E)成分の総量100重量部に
対して3〜100重量部、特に5〜100重量部が好ま
しい。3重量部未満では十分な難燃効果が得られない場
合があり、また100重量部を超えると、流動性、硬化
性の低下を引き起こす場合がある。この場合、モリブデ
ン化合物中のモリブデン酸亜鉛自体の添加量は、エポキ
シ樹脂と硬化剤との総量100重量部に対して0.1〜
40重量部、特に0.2〜40重量部が好ましい。0.
1重量部未満では十分な難燃効果が得られない場合があ
り、また40重量部を超えると、流動性、硬化性の低下
を引き起こす場合がある。
シ樹脂組成物は、(E)下記平均組成式(1)で示され
るホスファゼン化合物を使用するものである。
O2、S、O、及びO(CO)Oから選ばれる基であ
り、YはOH、SH又はNH2であり、R1は炭素数1〜
4のアルキル基及びアルコキシ基、NH2、NR2R3並
びにSR2から選ばれる基であり、R2,R3は水素原子
又は炭素数1〜4のアルキル基である。d,e,f,n
は0≦d≦0.25n、0≦e<2n、0≦f≦2n、
2d+e+f=2n、3≦n≦1000を満たす数であ
る。]
物を添加した本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂
組成物は、赤リン、リン酸エステル等のリン系難燃剤を
添加したエポキシ樹脂組成物と比較して、熱水抽出特性
に優れ、耐湿信頼性に特に優れる硬化物を得ることがで
きる。また、上記式(1)で示されるホスファゼン化合
物をモリブデン化合物と併用することにより、更に高い
難燃効果を得ることができる。
00であるが、より好ましい範囲は3〜10である。合
成上特に好ましくはn=3である。
0≦e<2n、0≦f≦2n、2d+e+f=2nであ
る。0.25n<dでは、ホスファゼン化合物の分子間
架橋が多いため、軟化点が高くなり、エポキシ樹脂中に
相溶しにくく、期待される難燃効果が得られない。dの
比率は、0.15n≦d≦0.25nであることが好ま
しい。e、fの比率は、0≦e<2n、0≦f≦2nで
あるが、難燃性と硬化性、高温保管時の電気抵抗性を高
いレベルで両立するためには、0.67n≦e≦1.3
3n、0.67n≦f≦1.33nが望ましい。
子供与性の基である。電子供与基の置換が無い場合、Y
の求核性が低下するため、エポキシ基との反応性が低く
なる。その為、式(1)のホスファゼン化合物の添加量
を増やした場合、硬化性の低下、高温時の電気抵抗性低
下が生じる。また硬化性が悪いと熱分解しやすい為、難
燃性も低下する。また、R1が炭素数5以上のアルキル
基、アルコキシ基において、炭素数が増加すると難燃性
が低下する。従って、メチル基、メトキシ基、アミノ
基、ジメチルアミノ基が望ましい。なお、Xが単結合で
ある場合、
物の添加量は、(A)、(B)、(E)成分の合計量1
00重量%に対し、1〜50重量%、特に2〜20重量
%が好ましい。添加量が1重量%未満では十分な難燃効
果が得られない場合があり、また50重量%を超える
と、流動性の低下を引き起こす場合がある。
組成物は、本発明の目的及び効果を発現できる範囲内に
おいて、他の難燃剤、例えば水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム等の水酸化物、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛
等の無機化合物、シリコーン化合物を添加することもで
きる。但し、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物は
配合されない。
組成物には、更に必要に応じて各種の添加剤を配合する
ことができる。例えば熱可塑性樹脂、熱可塑性エラスト
マー、有機合成ゴム、シリコーン系等の低応力剤、カル
ナバワックス、高級脂肪酸、合成ワックス等のワックス
類、カーボンブラック等の着色剤、ハロゲントラップ剤
等の添加剤を添加配合することができる。
組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤、その
他の添加物を所定の組成比で配合し、これをミキサー等
によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、
エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで
冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して成形材料とする
ことができる。
止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、各種の半導体装置の
封止用に有効に利用でき、この場合、封止の最も一般的
な方法としては、低圧トランスファー成形法が挙げられ
る。なお、本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組
成物の成形温度は150〜180℃で30〜180秒、
後硬化は150〜180℃で2〜16時間行うことが望
ましい。
脂組成物は、成形性に優れるとともに、難燃性及び耐湿
信頼性に優れた硬化物を得ることができる。しかも、臭
素化エポキシ樹脂等の臭素化物、三酸化アンチモン等の
アンチモン化合物をエポキシ樹脂組成物中に含有しない
ので、人体、環境に対する悪影響もないものである。
シ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置は、難燃
性、耐湿信頼性に優れたものであり、産業上特に有用で
ある。
ポキシ樹脂組成物の実施例と比較例を示し、本発明を具
体的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるもの
ではない。なお、式中のMeはメチル基を示す。
ナトリウム8.6g(214mmol)をTHF50m
lに懸濁させ、そこにフェノール19.8g(211m
mol)のTHF75ml溶液を滴下した。30分攪拌
後、ヘキサクロロトリホスファゼン12.0g(34.
5mmol)のTHF75ml溶液を滴下し、18時間
加熱還流を行った。溶媒を減圧留去し、メタノールを加
え、析出した結晶をメタノール、水で洗浄し、白色結晶
を23.8g得た。
サクロロトリホスファゼン13.0g(37.0mmo
l)、ヒドロキノン36.9g(335mmol)、シ
クロヘキサン150mlの混合物中に、ピリジン32.
4g(410mmol)を滴下した。22時間加熱還流
後、デカンテーションにより得られた下層の黄色シロッ
プ状物を80%酢酸80mlに溶解し、水500mlに
移して結晶を得た。その結晶をメタノールに溶かし、水
に移して結晶を得た。この操作を水が中性になるまで繰
返し、白色結晶を16.5g得た。
サクロロトリホスファゼン25.5g(73mmo
l)、メチルヒドロキノン121.8g(733mmo
l)、シクロヘキサン900mlの混合物中に、γ−ピ
コリン68.3g(733mmol)を滴下した。4時
間加熱還流後、デカンテーションにより得られた下層の
黄色シロップ状物を80%酢酸160mlに溶解し、水
500mlに移して結晶を得た。その結晶をメタノール
に溶かし、水に移して結晶を得た。この操作を水が中性
になるまで繰返し、淡茶色結晶を68.2g得た。
サクロロトリホスファゼン12.0g(35.0mmo
l)、メチルヒドロキノン25.8g(155mmo
l)、フェノール14.6g(155mmol)、シク
ロヘキサン150mlの混合物中に、ピリジン30.0
g(380mmol)を滴下した。16時間加熱還流
後、デカンテーションにより得られた下層の黄色シロッ
プ状物を80%酢酸80mlに溶解し、水500mlに
移して結晶を得た。その結晶をメタノールに溶かし、水
に移して結晶を得た。この操作を水が中性になるまで繰
返し、白色結晶を22.8g得た。
ナトリウム4.8g(119mmol)をTHF50m
lに懸濁させ、そこにフェノール10.2g(108m
mol)、4,4'−スルホニルジフェノール0.45
g(1.8mmol)のTHF50ml溶液を滴下し
た。30分攪拌後、ヘキサクロロトリホスファゼン1
2.5g(36.0mmol)のTHF50ml溶液を
滴下し、5時間加熱還流を行った。そこに、別途0℃で
水素化ナトリウム5.2g(130mmol)をTHF
50mlに懸濁させ、そこにフェノール11.2g(1
19mmol)のTHF50ml溶液を滴下し、更に1
9時間加熱還流した。溶媒を減圧留去後、クロロベンゼ
ンを加えて溶解し、5%NaOH水溶液200ml×
2、5%硫酸水溶液200ml×2、5%炭酸水素ナト
リウム水溶液200ml×2、水200ml×2で抽出
を行った。溶媒を減圧留去し、黄褐色結晶を20.4g
得た。
ナトリウム4.6g(114mmol)をTHF50m
lに懸濁させ、そこにフェノール9.7g(104mm
ol)、4,4’−スルホニルジフェノール0.40g
(1.7mmol)のTHF50ml溶液を滴下した。
30分攪拌後、ヘキサクロロトリホスファゼン12.5
g(36.0mmol)のTHF50ml溶液を滴下
し、5時間加熱還流を行った。溶媒を減圧留去後、シク
ロヘキサン150ml、メチルヒドロキノン57.3g
(345mmol)を加え、そこにピリジン27.3g
(345mmol)を滴下した。18時間加熱還流した
後、デカンテーションにより得られた下層の黄色シロッ
プ状物を80%酢酸80mlに溶解し、水500mlに
移して結晶を得た。その結晶をメタノールに溶かし、水
に移して結晶を得た。この操作を水が中性になるまで繰
返し、茶褐色結晶を25.8g得た。
す成分を熱2本ロールにて均一に溶融混合し、冷却、粉
砕して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。これら
の組成物につき、次の(i)〜(vi)の諸特性を測定
した。結果を表2に示した。 (i)スパイラルフロー値 EMMI規格に準じた金型を使用して、175℃、6.
9N/mm2、成形時間120秒の条件で測定した。 (ii)ゲル化時間 組成物のゲル化時間を175℃熱板上で測定した。 (iii)成形硬度 JIS−K6911に準じて175℃、6.9N/mm
2、成形時間90秒の条件で10×4×100mmの棒
を成形したときの熱時硬度をバーコール硬度計で測定し
た。 (iv)高温電気抵抗特性 175℃、6.9N/mm2、成形時間120秒の条件
で70φ×3mmの円板を成形して180℃で4時間ポ
ストキュアーした。その後150℃雰囲気下で体積抵抗
率を測定した。 (v)難燃性 UL−94規格に基づき、1/16インチ厚の板を、成
形条件175℃、6.9N/mm2、成形時間120秒
で成形し、180℃で4時間ポストキュアーしたものの
難燃性を調べた。 (vi)耐湿性 アルミニウム配線を形成した6×6mmの大きさのシリ
コンチップを14pin−DIPフレーム(42アロ
イ)に接着し、更にチップ表面のアルミニウム電極とリ
ードフレームとを30μmφの金線でワイヤボンディン
グした後、これにエポキシ樹脂組成物を成形条件175
℃、6.9N/mm2、成形時間120秒で成形し、1
80℃で4時間ポストキュアーした。このパッケージ2
0個を140℃/85%RHの雰囲気中−5Vの直流バ
イアス電圧をかけて500時間放置した後、アルミニウ
ム腐食が発生したパッケージ数を調べた。
型エポキシ樹脂、EOCN1020−55(日本化薬
製、エポキシ当量200) 硬化剤:フェノールノボラック樹脂、DL−92(明和
化成製、フェノール性水酸基当量110) モリブデン化合物:モリブデン酸亜鉛、KEMGARD
911C(SHERWIN−WILLIAMS製、モリ
ブデン酸亜鉛含有量18重量%、コア材:タルク、平均
粒径2.0μm、比表面積2.0m2/g) 無機質充填剤:球状溶融シリカ(龍森製、平均粒径20
μm) 硬化触媒:トリフェニルホスフィン(北興化学製) 離型剤:カルナバワックス(日興ファインプロダクツ
製) カーボンブラック:デンカブラック(電気化学工業製) シランカップリング剤:KBM−403(信越化学工業
製)
半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、硬化性に優
れると共に、難燃性、耐湿信頼性に優れ、高温電気抵抗
特性に優れる硬化物を得ることができ、本発明のエポキ
シ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置は、難燃
性、耐湿信頼性に優れるものである。しかも、Br化エ
ポキシ樹脂等の臭素化物、三酸化アンチモン等のアンチ
モン化合物を樹脂組成物中に含有しないので、人体・環
境に対する悪影響がないものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂 (B)硬化剤 (C)無機質充填剤 (D)モリブデン酸亜鉛を無機質充填剤に担持したモリ
ブデン化合物 (E)下記平均組成式(1)で示されるホスファゼン化
合物 【化1】 [式中、Xは単結合、又はCH2、C(CH3)2、S
O2、S、O、及びO(CO)Oから選ばれる基であ
り、YはOH、SH又はNH2であり、R1は炭素数1〜
4のアルキル基及びアルコキシ基、NH2、NR2R3並
びにSR2から選ばれる基であり、R2,R3は水素原子
又は炭素数1〜4のアルキル基である。d,e,f,n
は0≦d≦0.25n、0≦e<2n、0≦f≦2n、
2d+e+f=2n、3≦n≦1000を満たす数であ
る。]を必須成分とし、臭素化物及びアンチモン化合物
を実質的に含まないことを特徴とする半導体封止用難燃
性エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の難燃性エポキシ樹脂組成
物の硬化物で封止した半導体装置。
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