JP2003137979A - フェノール樹脂およびエポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents
フェノール樹脂およびエポキシ樹脂の製造方法Info
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Abstract
有する不飽和環状炭化水素化合物を原料としてフェノー
ル樹脂およびエポキシ樹脂を効率的に製造する方法を提
供すること。 【解決手段】フェノール類と不飽和環状炭化水素類とを
酸触媒の存在下に連続式反応器を用いて反応させる工程
(I)、その反応を停止する工程(II)および反応液か
ら未反応原料を除去・回収する工程(III)を含む方法
でフェノール樹脂を製造するに際し、工程(II)で酸触
媒を無機アルカリ類で失活し、酸触媒および無機アルカ
リ類の合計量を原料に対して0.2〜3質量%とし、か
つこれらを除去することなく工程(III)に供すること
により、優れた性質のフェノール樹脂を効率的に製造で
きる。
Description
に半導体封止材用樹脂や積層板用樹脂として有用な耐熱
性、耐湿性、耐クラック性に優れたフェノール樹脂およ
びエポキシ樹脂の製造方法に関する。
おり、集積度の向上に伴う配線の微細化やスルーホール
実装から表面実装への移行が進んでいる。しかしなが
ら、表面実装の自動化ラインにおいては、リード線の半
田付けの際に半導体パッケージが急激な温度変化を受
け、半導体封止材用樹脂成形部にクラックが生じる等の
問題がある。また、半田の鉛フリー化などによる実装環
境の高温化も懸念されており、封止材用樹脂への要求特
性はより厳しくなることが予想されている。
ノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹脂等の
フェノール樹脂が硬化剤として使用され、また、それら
のフェノール樹脂から誘導されるエポキシ樹脂が主剤と
して使用されている。しかし、これらの樹脂を用いた場
合、半導体パッケージの耐湿性が悪く、その結果として
前述のような半田浴浸漬時におけるクラックの発生が避
けられないという問題がある。
て、ジシクロペンタジエン(以下、DCPDと称するこ
とがある。)等で変性したフェノール樹脂やエポキシ樹
脂が提案されており、耐湿性や耐熱性等の向上が図られ
ている。それらの樹脂の製造方法としては、例えば特開
平5−214051号公報、WO−66645号公報、
特開昭63−99224号公報、特開平11−1996
57号公報において開示されている。すなわち、フェノ
ール類と酸触媒を仕込んだ反応器中に、ジシクロペンタ
ジエン等の不飽和環状炭化水素類を逐次添加して反応を
行い、反応液をハイドロタルサイト類や無機アルカリ類
等の失活剤で処理して反応を停止させた後、失活剤や触
媒残さを除去し、未反応のフェノール類等を蒸留により
除去する方法が知られている。それらの方法において
は、毎回の反応時に新たな失活剤の充填作業が要求さ
れ、反応液から失活剤や触媒残さを除去するための濾過
処理や水洗処理等の作業が必要であり、工程数が多くな
るばかりでなく製造工程が煩雑になるという問題があっ
た。
は、上記公報に開示されている方法と同様に反応を行
い、失活処理を行うことなく反応液を減圧蒸留して、未
反応フェノール類とともに触媒を除去する方法が開示さ
れている。同様に、特開平5−5022号公報では、ト
リフルオロメタンスルホン酸などの超強酸を触媒とし
て、失活処理を行うことなく触媒を除去する方法が開示
されている。それらの方法においては、失活処理が省略
されるため製造工程が簡略化されるが、触媒の除去効率
が著しく悪く、樹脂中に触媒残さが残存して樹脂特性に
悪影響を及ぼし、樹脂の色相が著しく悪化する等の問題
があった。また、得られた樹脂を再度溶剤に溶解して水
洗する必要が生じるなど、かえって製造効率が低くなる
という問題もあった。
は、上記公報に開示されている方法と同様に反応を行
い、無機アルカリ類で中和(失活)処理した後、酸共存
下で未反応のフェノール類を蒸留除去してフェノール樹
脂を製造し、さらに該樹脂を用いてエポキシ樹脂を製造
する方法が開示されている。該方法においては、濾過や
水洗等の処理を行う必要はないが、酸触媒や無機アルカ
リ類に由来する無機塩類の量に関して何ら制御されてい
ないため、エポキシ樹脂の製造工程において作業性に悪
影響を及ぼす恐れがあった。
する課題は、フェノール類と炭素−炭素二重結合を2個
以上有する不飽和環状炭化水素化合物(以下、単に「不
飽和環状炭化水素類」と称することがある。)とを原料
とするフェノール樹脂およびエポキシ樹脂を効率的に製
造する方法を提供することにある。
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、酸触媒の存在下でフ
ェノール類と不飽和環状炭化水素類とを反応させて得ら
れる反応液に対して、無機アルカリ類を特定量用いて失
活処理を行い、酸触媒および無機アルカリ類に由来する
成分を除去することなく反応液から未反応の原料を除去
することにより、効率的にフェノール樹脂を製造するこ
とが可能であり、また、該フェノール樹脂をグリシジル
化してエポキシ樹脂を製造する場合、グリシジル化反応
時の油水分離性が優れ、効率的にエポキシ樹脂を製造で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
と炭素−炭素二重結合を2個以上有する不飽和環状炭化
水素化合物とを原料として酸触媒の存在下に反応させる
工程(I)、該反応を停止する工程(II)、反応液から
未反応の原料を除去・回収する工程(III)を含むフェ
ノール樹脂の製造方法において、前記工程(II)で酸触
媒を無機アルカリ類で失活させることにより反応を停止
し、酸触媒および無機アルカリ類の合計量を原料に対し
て0.2〜3質量%の範囲とし、かつ、酸触媒および無
機アルカリ類に由来する成分を除去することなく反応液
を前記工程(III)に供することを特徴とするフェノー
ル樹脂の製造方法に関するものである。
無機アルカリ類が水酸化ナトリウムであることを特徴と
するフェノール樹脂の製造方法に関するものである。
において、フェノール類がフェノールであることを特徴
とするフェノール樹脂の製造方法に関するものである。
いずれかにおいて、炭素−炭素二重結合を2個以上有す
る不飽和環状炭化水素化合物がジシクロペンタジエンで
あることを特徴とするフェノール樹脂の製造方法に関す
るものである。
いずれかにおいて、酸触媒が三フッ化ホウ素・フェノー
ル錯体であることを特徴とするフェノール樹脂の製造方
法に関するものである。
いずれかにおいて、無機アルカリ類が水酸化ナトリウム
であることを特徴とするフェノール樹脂の製造方法に関
するものである。
いずれかに記載の製造方法によりフェノール樹脂を製造
し、次いで塩基触媒の存在下で当該フェノール樹脂とエ
ピハロヒドリン類を反応させるエポキシ樹脂の製造方法
に関するものである。
する。本発明のフェノール樹脂の製造方法は、炭素−炭
素二重結合を2個以上有する不飽和環状炭化水素化合物
とフェノール類とを原料として酸触媒の存在下に反応さ
せる工程(I)、該反応を停止する工程(II)、反応液
から未反応の原料を除去・回収する工程(III)を含
む。
結合を2個以上有する不飽和環状炭化水素化合物として
は、ジシクロペンタジエン、4−ビニルシクロヘキセ
ン、5−ビニルノルボルナ−2−エン、3a,4,7,7
a−テトラヒドロインデン、α−ピネン、リモネン等が
挙げられる。これらは単独でも混合しても用いることが
できる。特にジシクロペンタジエンは、得られる樹脂の
耐熱性、耐湿性および機械的特性に優れる点から好まし
い。
フェノール性水酸基を有する芳香族化合物である限り特
に限定されるものではないが、例えばフェノール、o−
クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エ
チルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフ
ェノール、o−イソプロピルフェノール、m−プロピル
フェノール、p−プロピルフェノール、p−sec−ブ
チルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p
−シクロヘキシルフェノール、p−クロロフェノール、
o−ブロモフェノール、m−ブロモフェノール、p−ブ
ロモフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール等の
一価フェノール類;レゾルシン、カテコール、ハイドロ
キノン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、ビス(ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(ジヒドロキシナフチル)メタン、テトラメチルビフェ
ノール、ビフェノール等の二価フェノール類;トリスヒ
ドロキシフェニルメタン等の三価フェノール類を挙げる
ことができる。特にフェノール、o−クレゾール、m−
クレゾール、α−ナフトール、β−ナフトール及び2,
2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン等が経
済性及び製造の容易さの点から好ましい。これらは単独
でも混合しても用いることができる。また、例えばフェ
ノール類がフェノールである場合、フェノールの製造方
法の違いにより、不純物の少ない合成系フェノールと、
純度が若干低い石炭抽出系フェノールに大別されるが、
いずれも好ましく使用することができる。
ものではないが、触媒活性の点から、三フッ化ホウ素お
よび三フッ化ホウ素・エーテル錯体、三フッ化ホウ素・
フェノール錯体、三フッ化ホウ素・水錯体、三フッ化ホ
ウ素・アルコール錯体、三フッ化ホウ素・アミン錯体等
の錯体またはこれらの混合物等が用いられる。特に好ま
しくは、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素・フェノール
錯体、三フッ化ホウ素・エーテル錯体である。
ことができるが、フェノール類を不飽和環状炭化水素類
に対して過剰に用いる場合は溶媒を使用しなくてもよ
い。
原料および酸触媒の供給方法は特に限定されるものでは
なく、バッチ式あるいは連続式のいずれの反応方式でも
よいが、過剰のフェノール類および所定量の酸触媒の存
在下に不飽和環状炭化水素類が添加されるようにするこ
とにより、物性の良好なフェノール樹脂を製造すること
ができる。例えば、バッチ式で反応させる場合、反応器
にフェノール類と酸触媒を仕込んで均一にしておき、そ
こに不飽和環状炭化水素類を滴下して反応させることが
できる。また、反応器の外側もしくは内部に、スチーム
あるいは熱媒油を流通させることのできるジャケットあ
るいはコイルなどを設置することにより、反応温度すな
わち反応器内の反応液の温度を好ましく制御することが
できる。
状炭化水素類とフェノール類のモル比は、目的とするフ
ェノール樹脂の分子量および溶融粘度により適宜に調節
される。通常は、フェノール類/不飽和環状炭化水素類
=1〜20(モル比)の範囲が好ましい。特に溶融粘度
を低くする場合には、フェノール類/不飽和環状炭化水
素類=2〜15(モル比)の範囲が好ましい。なお、溶
融粘度が低いフェノール樹脂及びそれから誘導されるエ
ポキシ樹脂は、半導体封止材料に用いた場合にフィラー
の高充填が可能で、線膨張係数が小さくなり、また耐湿
性が向上するので好ましい。また、酸触媒の使用量が少
ない場合には、フェノール類/不飽和環状炭化水素類=
3〜10(モル比)とするのが好ましい。以上のような
範囲で制御することにより、物性の良好なフェノール樹
脂を製造することができる。
るフェノール類、不飽和環状炭化水素類および酸触媒の
合計重量に対して0.05〜1質量%とするのが好まし
い。三フッ化ホウ素・フェノール錯体を用いる場合は、
不飽和環状炭化水素類、フェノール類および三フッ化ホ
ウ素・フェノール錯体の合計重量に対して、三フッ化ホ
ウ素が0.05〜1質量%となるようにする。触媒濃度
が1質量%より多い場合、分解などの副反応を起こしや
すく、樹脂物性に影響を与える可能性があるため好まし
くない。また触媒濃度が0.05質量%より少ない場
合、反応が十分に進行せず、得られるフェノール樹脂の
耐熱性が低くなる恐れがあるので好ましくない。酸触媒
濃度のさらに好ましい範囲は0.1〜0.8質量%であ
る。なお、触媒濃度は反応の全工程にわたって維持する
必要がある。したがって、フェノール類と酸触媒を先に
反応器に仕込み、不飽和環状炭化水素類を滴下すること
により反応させる場合、反応開始時点の触媒濃度は、実
質的にフェノール類に対する濃度となるが、その場合に
おいても上記の触媒濃度の範囲となるようにする。
が樹脂物性に大きく影響するため、フェノール類および
不飽和環状炭化水素類中の水分濃度を200ppm以
下、好ましくは100ppm以下、とすることが必要で
ある。特にフェノール類は極性基を含むため水分を含有
し易く、適宜、常法により脱水して水分を制御すること
が重要である。不飽和環状炭化水素類も常法により脱水
して用いるのが好ましい。また反応系内は、通常、窒素
やアルゴン等の不活性ガスで置換し、系内に水分が入り
込まないようにして、反応系中の水分量を200ppm
以下とすることが肝要である。
るフェノール樹脂中には主な成分として、不飽和環状炭
化水素類とフェノール類の1:2付加物であり、フェノ
ール性水酸基を2つ有する化合物(以下、2核体成分と
称することがある。)が含まれるが、その生成メカニズ
ムは次のように考えられる。まず、フェノール類と不飽
和環状炭化水素類との付加反応による1:1付加物(フ
ェノール性水酸基を1つ有する。)が生成し、これにさ
らにフェノール類が付加反応して目的とする2核体を生
成するか、またはエーテル結合を有するものを生成す
る。このエーテル結合生成物は好ましくない成分であ
り、これを転位反応によって目的とする2核体にする。
これらの付加反応と転位反応とを制御して行うことが重
要である。特に、反応を2段階に分けてそれぞれの反応
条件を制御することにより、物性の良好なフェノール樹
脂を効率的に製造することができる。第1反応段階は、
フェノール類および酸触媒の存在下に、不飽和環状炭化
水素類を逐次添加し、それらを接触させて付加反応させ
る工程であり、第2反応段階は、それらの反応混合液に
ついてさらに付加反応を進行させるとともに転位反応を
起こさせ、樹脂物性を所望のものとするための工程であ
る。反応領域をこのように分割する場合に、反応温度お
よび反応時間は、樹脂物性および製造効率に影響を与え
るため、適宜制御を行うことが重要である。
階の反応温度は、フェノール類の融点あるいは50℃の
いずれか高い方の温度ないし110℃の範囲が好まし
い。フェノール類の融点あるいは50℃のいずれか低い
方よりも低温では反応の進行が著しく遅くなり、110
℃より高温では不飽和環状炭化水素類の分解などにより
低分子量の不純物が生成するため好ましくない。また、
第1反応段階の反応時間としては、10分〜60時間の
範囲から適宜に選択することができる。作業効率を向上
させるという点から、特に1〜3時間の範囲で接触させ
るようにするのが好ましい。
階の反応温度は第1反応段階より高温とするのが好まし
く、具体的には110〜170℃の範囲が好ましい。特
に140〜150℃の場合、樹脂物性、特に耐熱性の良
好な樹脂が効率的に得られるので好ましい。170℃を
超える場合には、触媒の分解又は副反応が起こり、また
110℃未満の場合には、反応の進行が遅くなり製造効
率が悪くなるので好ましくない。また、第2反応段階の
反応時間も特に制限されるものではないが、通常は1〜
3時間の範囲から適宜に選択することができる。反応の
終点は反応液中の樹脂物性等を確認することによって決
められる。
で、本発明の方法で製造されるフェノール樹脂について
説明する。樹脂物性としては、該フェノール樹脂を封止
材用樹脂として使用した場合に優れた硬化性や成形性等
を示し、さらに硬化後に優れた耐熱性や耐湿性等を発現
するために、以下のように制御することが好ましい。
成分として、不飽和環状炭化水素類とフェノール類の
1:2付加物であり、フェノール性水酸基を2つ有する
化合物(以下、2核体成分と称することがある。)が含
まれるが、その含有量は樹脂の粘度、流動性、硬化性等
に大きく影響するため、適宜調整することが重要であ
る。フェノール樹脂中の2核体成分の含有量としては、
30〜90質量%が好ましく挙げられ、特に40〜80
質量%の範囲において好ましい硬化特性を示す。2核体
成分の含有量が30質量%未満の場合は樹脂の流動性が
低下して成形性が悪くなり、また90質量%より多い場
合は流動性は良好であるものの硬化後の架橋密度が低下
するため好ましくない。2核体成分の量は、主としてフ
ェノール類と不飽和環状炭化水素類の反応モル比によっ
て制御可能であり、モル比を適宜調整して2核体成分の
量を制御するのが好ましい。
における一官能性成分の含有量が2質量%以下であるこ
とが好ましい。一官能性成分とはフェノール性水酸基を
ひとつだけ有するものであり、フェノール類と不飽和環
状炭化水素類との1:1付加物(A成分)や、フェノー
ル類と不飽和環状炭化水素類との2:1付加物でエーテ
ル結合をもつもの(B成分)が挙げられる。特に、樹脂
中の成分Aの含有量が1.5質量%以下、成分Bの含有
量が0.5質量%以下であることが好ましく、さらに
は、成分Aが1質量%以下、成分Bが0.2質量%以下
であることが好ましい。それらの範囲より多くなると、
樹脂の耐熱性が低くなる恐れがあるため好ましくない。
一官能性成分の量は、反応工程における触媒量、反応温
度および反応時間によって制御可能であり、さらに後述
する濃縮工程(未反応原料の除去・回収)において調整
することができる。反応工程終了後において、成分Aお
よび成分Bの生成量がそれぞれ樹脂全体の2質量%未満
および1.5質量%未満であれば、後の濃縮工程で効率
的に一官能性成分を低減することができる。
性に大きく影響を与えるため適度に調節する必要があ
る。粘度の規定については特に限定されるものではない
が、例えばキャノン−フェンスケ動粘度管手法による、
n−ブタノールの50%樹脂溶液の溶液粘度を把握する
ことが有効であり、同法による溶液粘度において50〜
250mm2/sの範囲に入るものが好ましく、特に7
0〜200mm2/sの範囲で制御された化合物は好ま
しい流動特性を発揮する。
中のフェノール性水酸基含有量は硬化特性等に影響する
ため、適宜調節する必要がある。フェノール性水酸基含
有量の規定については特に制限されるものではないが、
例えばピリジン−無水酢酸溶液中でのアセチル化物のア
ルカリ逆滴定法で測定された樹脂中水酸基の当量で16
0〜200g/eqの範囲が好ましく、特に165〜1
90g/eqに調整された樹脂は好ましい硬化特性を発
揮するだけでなく、流動性とのバランスが良く成型時の
ハンドリングが非常に良好である。本発明の製造方法に
よれば、上記の樹脂物性を満足するフェノール樹脂を製
造することができる。
程について説明する。反応器から抜き出された反応液に
は、生成したフェノール樹脂のほか、未反応の原料や酸
触媒が含まれており、所望の樹脂物性とするために、ま
ず反応を確実に停止させることが重要である。本発明に
おいては、無機アルカリ類を失活剤として反応液中の酸
触媒を失活することにより反応を停止する。無機アルカ
リ類としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属もしく
はそれらの酸化物、水酸化物、炭酸塩、水酸化アンモニ
ウム、アンモニアガス等を用いることができるが、特に
水酸化ナトリウムは、速く簡潔な処理が可能であること
から好ましく用いられる。反応液と無機アルカリ類の接
触方法は特に制限されないが、樹脂物性に影響を与える
ことから、効率的に接触するように工夫することが肝要
である。例えば、無機アルカリ類を充填した失活槽を別
途用意し、そこに反応液を一括注入する方法が挙げられ
る。無機アルカリ類の量は、失活処理される反応液中の
酸触媒量に対して過剰量使用することが望ましく、特
に、酸触媒(錯体の場合は錯体中の触媒成分)および無
機アルカリ類の合計量が、原料に対して0.2〜3質量
%となるようにするのが好ましい。より好ましくは0.
3〜2.5質量%である。0.2質量%未満の場合は、
未失活の触媒が系内に残留して装置の腐食の原因となっ
たり、得られる樹脂の特性に悪影響を与える恐れがあ
り、また失活効率が悪く失活処理に長時間を要するため
好ましくない。3質量%を超える場合は、最終的に得ら
れるフェノール樹脂をグリシジル化してエポキシ樹脂を
製造する場合、洗浄工程における油水分離性が著しく悪
化する等の影響を与え、作業効率が著しく低下するため
好ましくない。
工程を経た反応液は、次に未反応原料の除去・回収(以
下、濃縮と称することがある。)を行うための工程へと
供される。濃縮条件は、濃縮系内の温度や圧力と蒸気圧
との関係から一定の条件が定められるものではないが、
以下の条件で行うことにより効率的な濃縮が可能であ
る。すなわち、系内温度については、樹脂の分解が起こ
らない範囲であれば特に制限されるものではないが、2
50℃以下が好ましく、さらに好ましくは180〜22
0℃の範囲である。
いずれの条件下でも良いが、前記の温度範囲で濃縮を円
滑かつ迅速に実施するために系内を減圧下にすることが
好ましい。具体的には、66.5kPa(500tor
r)以下の範囲が好ましく、特に40kPa(300t
orr)以下にすることが好ましい。さらに、未反応フ
ェノール類や一官能性成分を効率良く除去するために、
減圧条件下において系内に窒素あるいは高圧水蒸気等を
吹き込む操作を行うのが好ましい。系内に導入する水蒸
気の圧力については特に限定されるものではないが、具
体的には0.3〜2MPaの範囲が好ましく、より好ま
しくは0.5〜1.5MPaの範囲で吹き込み操作を行
った場合に効率良く不純物を除去できる。
が、好ましい濃縮方法として以下の例が挙げられる。反
応停止工程を経た反応液を濃縮用の釜に移送し、加熱を
開始すると同時に系内を連続的に減圧していく。系内が
200℃に到達した時点で、系内をフル減圧とし13k
Pa(100torr)以下とする。この状態で任意の
時間濃縮を行った後、さらに、減圧下において系内に窒
素あるいは高圧水蒸気等を吹き込む操作を行うのが好ま
しい。
濃縮方法として採用することができる。例えば薄膜蒸留
器が用いられ、特に制限されるものではないが、系内温
度を少なくとも200℃まで上げることが可能で、系内
圧力を13kPa(100torr)以下にすることが
できるものが好ましい。本発明においては,上述の濃縮
方法をそれぞれ単独で実施しても良いが、バッチ式濃縮
器あるいは連続式濃縮器の複数連結方式や、バッチ式濃
縮器による予備濃縮から連続式濃縮器による本濃縮への
複合方式等により、さらに濃縮効率を高めることが可能
である。
れるフェノール樹脂中の未反応フェノール類および一官
能性成分の量を確認することによって決定される。未反
応フェノール類の含有量は特に限定されるものではない
が、樹脂を使用する際の環境への配慮の点から、樹脂中
の残存量が500ppm以下にするのが好ましく、より
好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは100
ppm以下である。また前述のように、一官能性成分の
含有量を制御するのが好ましい。
得られたフェノール樹脂は、耐熱特性が優れていること
からエポキシ樹脂の原料とするほか、電気絶縁材料、特
に半導体封止材用あるいは積層板用のエポキシ樹脂の硬
化剤として有用であるが、特にその用途が限定されるも
のではない。
ール樹脂に含まれる酸触媒および無機アルカリ類に由来
する成分は、エポキシ樹脂製造におけるグリシジル化反
応時に特に悪影響を及ぼさないことから、上記のフェノ
ール樹脂をエポキシ樹脂の原料とする場合は、特に処置
を施すことなくそのまま使用することができる。しか
し、エポキシ樹脂の硬化剤として使用する場合などは、
それらの無機塩類の存在が好ましくない場合もありう
る。そのような場合は、必要に応じて、フェノール樹脂
を適当な溶媒に溶解し、水洗により無機塩類を除去した
後、溶剤を蒸留により除去して精製することが好まし
い。フェノール樹脂の溶解に用いられる溶剤は特に制限
されるものではないが、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族溶剤等が好ましく用いられる。
方法について説明する。 (グリシジル化反応)エポキシ樹脂は、上記のフェノー
ル樹脂を、塩基触媒の存在下でエピハロヒドリン類と反
応させグリシジル化することにより得ることができる。
グリシジル化の反応は、常法により行うことができる。
具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等の塩基の存在下、通常10〜150℃、好ましくは
30〜80℃の温度で、フェノール樹脂を、エピクロル
ヒドリン、エピブロムヒドリン等のグリシジル化剤と反
応させたのち、水洗、乾燥することにより得ることがで
きる。グリシジル化剤の使用量は、フェノール樹脂に対
して好ましくは2〜20倍モル当量、特に好ましくは3
〜7倍モル当量である。本発明においては、上述のよう
に、フェノール樹脂中に酸触媒および無機アルカリ類に
由来する成分等の不純物が含まれているため、グリシジ
ル化剤の使用量については、フェノール樹脂からそれら
の不純物を除いた分の重量を基本として計算する必要が
ある。例えば、20%の不純物を含む100gのフェノ
ール樹脂を原料とする場合、グリシジル化反応に有効な
樹脂分は80gとなるので、この量をベースにモル比を
計算する。また反応の際、減圧下にて、グリシジル化剤
との共沸蒸留により水を留去することによって反応をよ
り速く進行させることができる。
使用する場合、副生する塩化ナトリウム等の塩および原
料フェノール樹脂中に含まれる樹脂以外の成分は、水洗
工程で完全に除去しておかなければならない。この際、
未反応のグリシジル化剤を蒸留により回収して反応溶液
を濃縮した後、濃縮物を溶剤に溶解して水洗してもよ
い。好ましい溶剤としては、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン、ベンゼン、ブチルセロソルブ等を挙
げることができる。水洗した濃縮物は、加熱濃縮を行
う。本発明によれば、フェノール樹脂中の触媒および無
機アルカリ類に由来する成分の量が好ましく制御されて
いるため、エポキシ化における洗浄操作の際の油水分離
性が良好である。
としては、エポキシ樹脂を封止材用樹脂として使用した
場合に、優れた硬化性、成形性等を示し、硬化後に優れ
た耐熱性、耐湿性等を付与するために、以下のように樹
脂物性を制御することが重要である。2核体成分にグリ
シジル基が2つ付加した化合物(以下、2核体エポキシ
化成分と表現することがある)のエポキシ樹脂中の含有
量は、樹脂の粘度、流動性、硬化性に大きく影響を与え
るため、適宜調整することが重要である。エポキシ樹脂
中の2核体エポキシ化成分の含有量としては、30〜9
0質量%が好ましく、特に40〜80質量%の範囲が好
ましい。30質量%未満の場合は、流動性が低下し硬化
物の成形性に大きく影響を与え、また90質量%より多
い場合は良好な流動性が得られるものの、架橋密度が低
下し硬化特性を悪化させるため好ましくない。樹脂粘度
は成形時の流動特性に大きく影響を与えるため適度に調
節する必要がある。この粘度の規定については特に限定
されるものではないが、例えばキャノン−フェンスケ動
粘度管手法による、1,4−ジオキサンの50%樹脂溶
液の溶液粘度を把握することが有効であり、同法による
溶液粘度において、100mm 2/s以下の範囲が好ま
しく、特に70mm2/s以下の範囲で制御された化合
物は好ましい流動特性を発揮する。エポキシ樹脂中のエ
ポキシ基の含量は、通常200〜500g/グラム当
量、好ましくは250〜450g/グラム当量であるの
が望ましい。エポキシ基の含量が500g/グラム当量
以上の場合には、架橋密度が低くなりすぎるため好まし
くない。本発明に記載の製造法によれば、上記の物性を
満足するエポキシ樹脂を製造することができる。
れたエポキシ樹脂は、従来の方法で得られる同様の構造
を有するエポキシ樹脂と比較すると耐熱性に優れ、特に
耐ハンダクラック性に著しく優れる等の利点から半導体
封止材料用途が極めて有用である。また、積層板用のエ
ポキシ樹脂組成物原料としても有用であり、エポキシ樹
脂の溶剤への溶解性に優れるために電気積層板用途での
ワニス等として用いることができる。
説明する。尚、以下の実施例並びに比較例におけるフェ
ノール樹脂の特性は以下の方法により測定した。 1)2核体成分量、2核体エポキシ化成分量および一官
能性成分量 フェノール樹脂の1質量%THF溶液を用い、WATE
RS社製の示差屈折検出器「WATERS 410」に
より検出し、同社製高速液体クロマトグラフィーマネー
ジャー「ミレニアム」を用いて測定した。 2)溶液粘度 ASTM D446に記載のキャノン−フェンスケ動粘
度管手法に従い、25℃に制御された恒温槽内でSiz
e No.300の粘度管を使用して測定した。なお、
フェノール樹脂の測定についてはn−ブタノール50%
樹脂溶液、エポキシ樹脂については1,4−ジオキサン
50%樹脂溶液を用いて測定を行った。 3)OH当量 製造で得られたフェノール樹脂をピリジン−無水酢酸混
合溶液中で加熱還流し、反応後の溶液を水酸化カリウム
で逆滴定することにより決定した。 4)軟化点 JIS K2207に記載の環球式軟化点測定法に従い
測定した。
ルを備えた容量5リットルのセパラブルフラスコに、フ
ェノール1050g(11.2モル)を仕込み、三フッ
化ホウ素・フェノール錯体4g(三フッ化ホウ素30質
量%含有)を添加して均一にした後、液温を80℃に保
持しながら、滴下ロートからジシクロペンタジエン18
8g(1.4モル)を1時間かけて徐々に滴下して第1
段階の反応を行った。続いて、反応液を昇温し、140
℃で3時間攪拌して第2段階の反応を行った。なお、フ
ェノールは反応前に脱水して水分量を100ppm以下
とし、ジシクロペンタジエンおよび反応系内について
も、反応前に水分量が100ppm以下であることを確
認した。また、反応は窒素雰囲気下で行った。第2段階
の反応工程終了時において、反応液中の一官能性成分の
含有量が、樹脂に対して1.9質量%(成分Aが1.1
質量%、成分Bが0.8質量%)であることを確認し、
反応液を70℃に冷却した。続いて、反応液に40%水
酸化ナトリウム水溶液20g(0.2モル)を加えて1
時間攪拌し、失活処理を行った。三フッ化ホウ素および
水酸化ナトリウムの使用量は原料に対して0.74質量
%であった。失活処理後の反応液を13kPa(100
torr)、200℃の条件下で4時間蒸留濃縮し、フ
ェノール樹脂(I)433gを得た。得られたフェノー
ル樹脂の物性等を測定するため、樹脂100gをトルエ
ン200gに溶解し、濾過により三フッ化ホウ素および
水酸化ナトリウムに由来する成分等の不純物を全量除去
した後、13kPa(100torr)、150℃の条
件下で1時間蒸留濃縮して精製を行い、98gの樹脂を
得た。精製後のフェノール樹脂を使用して物性を測定し
た結果、軟化点は92.5℃、フェノール性水酸基当量
は170g/eq、溶液粘度は91mm2/sであっ
た。また、2核体成分の含有量は65質量%、一官能性
成分の含有量は1.7質量%(成分Aが1.1質量%、
成分Bが0.6質量%)であった。
付きの3リットル4つ口フラスコに、実施例1で製造し
たフェノール樹脂(I)174gとエピクロルヒドリン
400gとを仕込んだ後、撹拌、溶解した。反応系内の
圧力を20kPa(150torr)に調節し、68℃
に昇温した。そこへ、濃度48質量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液100gを連続的に添加しながら3.5時間反
応させた。該反応により生成する水および水酸化ナトリ
ウム水溶液の水を、水−エピクロルヒドリン共沸混合物
の還流により分解し、反応系外へ連続的に除去した。反
応終了後、反応系を常圧に戻し、110℃まで昇温して
反応系の水を完全に除去した。過剰のエピクロルヒドリ
ンを常圧下で蒸留除去し、さらに2kPa(15tor
r)の減圧下に140℃で蒸留を行った。 (水洗)生成した樹脂、塩化ナトリウムの混合物に、メ
チルイソブチルケトン300gおよび10質量%の水酸
化ナトリウム水溶液36gを加え、85℃で1.5時間
反応を行った。反応終了後、メチルイソブチルケトン7
50gおよび水300gを加え、下層の無機塩水溶液を
分液除去した。油層と水層の分離性は非常に良かった。
次にメチルイソブチルケトン液層に水150gを加えて
洗浄し、リン酸で中和し、水層を分離したのちさらに水
800gで洗浄して水層を分離した。定量的に無機塩類
を回収した後、メチルイソブチルケトン液層を常圧下で
蒸留し、続いて0.67kPa(5torr)、140
℃で減圧蒸留を行い、216gのエポキシ樹脂(I)を
得た。得られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量が263
g/eq、溶液粘度が26mm2/s、2核体エポキシ
化成分の含有量が53質量%であり、特に問題なく所望
の物性を有する樹脂が得られた。
活に用いる40%水酸化ナトリウム水溶液の量を0.8
g(0.008モル)とした以外は実施例1と同様に行
った。三フッ化ホウ素および水酸化ナトリウムの合計の
使用量は原料に対して0.12質量%であった。失活終
了後の反応液より未反応フェノール類を除去しようとし
たところ、ガラス製セパラブルフラスコの内部空間に接
触する壁面が白濁し、失活不足による触媒成分ガスの揮
発が確認された。最終的にフェノール樹脂(III)41
6gを得た。得られた樹脂は実施例1と同様にして精製
を行った。精製後のフェノール樹脂を使用して物性を測
定した結果、軟化点は88.5℃、フェノール性水酸基
当量は173g/eq、溶液粘度は88mm2/sであ
った。また、2核体成分の含有量は64質量%、一官能
性成分の含有量は2.8質量%(成分Aが1.1質量
%、成分Bが1.6質量%)であった。
失活に用いる40%水酸化ナトリウム水溶液の量を10
0g(1モル)とした以外は実施例1と同様に行い、フ
ェノール樹脂(III)455gを得た。三フッ化ホウ素
および水酸化ナトリウムの使用量は原料に対して3.3
質量%であった。得られたフェノール樹脂(II)は実施
例1と同様にして精製を行い、91gの樹脂を得た。精
製後のフェノール樹脂を使用して物性を測定した結果、
軟化点は92℃、フェノール性水酸基当量は171g/
eq、溶液粘度は90mm2/sであった。また、2核
体成分の含有量は65質量%、一官能性成分の含有量は
1.5質量%(成分Aが1.1質量%、成分Bが0.4
質量%)であった。
脂(III)187gを使用する他は実施例2と同様にし
てグリシジル化反応を行った。 (水洗)生成した樹脂、塩化ナトリウム混合物に、メチ
ルイソブチルケトン300gおよび10質量%の水酸化
ナトリウム水溶液36gを加え、85℃で1.5時間反
応を行った。反応終了後、メチルイソブチルケトン75
0gおよび水300gを加え、下層の無機塩水溶液を分
液処理しようとした。しかし、反応液油層と水層の分離
能は非常に悪く、界面が明確にならなかったため水層の
除去が非常に困難であった。次にメチルイソブチルケト
ン液層に水150gを加えて洗浄し、リン酸で中和し、
水層を分離したのちさらに水800gで洗浄して水層を
分離した。定量的に無機塩類を回収した後、メチルイソ
ブチルケトン液層を常圧下で蒸留し、続いて0.67k
Pa(5torr)、140℃で減圧蒸留を行い、21
6gのエポキシ樹脂(II)を得た。得られたエポキシ樹
脂は、エポキシ当量が265g/eq、溶液粘度が23
mm2/s、2核体エポキシ化成分の含有量が55質量
%であった。
ール類と不飽和環状炭化水素類とを反応させて得られる
反応液を、無機アルカリ類で失活処理して反応停止操作
を行い、酸類の存在下に未反応原料を除去・回収を行う
が、その際、酸触媒、無機アルカリ類および酸類に由来
する成分の樹脂中における含有量を制御して、該成分を
除去せずにフェノール樹脂を製造するため、該成分を除
去する煩雑な操作が不要で、フェノール樹脂を効率的か
つ安価に製造することが可能となる。さらに、該フェノ
ール樹脂を原料として問題なくエポキシ樹脂を製造する
ことが可能であり、エポキシ樹脂も安価に提供すること
ができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 フェノール類と炭素−炭素二重結合を2
個以上有する不飽和環状炭化水素化合物とを原料として
酸触媒の存在下に反応させる工程(I)、該反応を停止
する工程(II)、反応液から未反応の原料を除去・回収
する工程(III)を含むフェノール樹脂の製造方法にお
いて、前記工程(II)で酸触媒を無機アルカリ類で失活
させることにより反応を停止し、酸触媒および無機アル
カリ類の合計量を原料に対して0.2〜3質量%の範囲
とし、かつ、酸触媒および無機アルカリ類に由来する成
分を除去することなく反応液を前記工程(III)に供す
ることを特徴とするフェノール樹脂の製造方法。 - 【請求項2】 無機アルカリ類が水酸化ナトリウムであ
ることを特徴とする請求項1に記載のフェノール樹脂の
製造方法。 - 【請求項3】 フェノール類がフェノールであることを
特徴とする請求項1または2に記載のフェノール樹脂の
製造方法。 - 【請求項4】 炭素−炭素二重結合を2個以上有する不
飽和環状炭化水素化合物がジシクロペンタジエンである
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフェ
ノール樹脂の製造方法。 - 【請求項5】 酸触媒が三フッ化ホウ素・フェノール錯
体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
載のフェノール樹脂の製造方法。 - 【請求項6】 無機アルカリ類が水酸化ナトリウムであ
ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフ
ェノール樹脂の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方
法によりフェノール樹脂を製造し、次いで塩基触媒の存
在下で当該フェノール樹脂とエピハロヒドリン類を反応
させるエポキシ樹脂の製造方法。
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