JP2003137639A - 磁器用陶土、磁器及びその製造方法 - Google Patents
磁器用陶土、磁器及びその製造方法Info
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- JP2003137639A JP2003137639A JP2001328756A JP2001328756A JP2003137639A JP 2003137639 A JP2003137639 A JP 2003137639A JP 2001328756 A JP2001328756 A JP 2001328756A JP 2001328756 A JP2001328756 A JP 2001328756A JP 2003137639 A JP2003137639 A JP 2003137639A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P40/00—Technologies relating to the processing of minerals
- Y02P40/60—Production of ceramic materials or ceramic elements, e.g. substitution of clay or shale by alternative raw materials, e.g. ashes
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、窯業廃棄物を再利用した磁器用陶
土にあって、可塑性、耐火度に優れると共に1250℃
〜1350℃での焼成後の熱膨張係数が5.7×10-6
〜8.2×10-6/℃(30℃〜700℃)とでき、上
絵具が剥離したり、貫入を生じない磁器用陶土、磁器お
よびその製造方法の提供を課題とする。 【解決手段】 本発明の磁器用陶土は、窯業廃棄物15
〜60重量%、アタパルジャイト0.1〜2重量%、熱
膨張性成分および可塑性成分とからなり、また、本発明
の磁器は、磁器用陶土を1250℃〜1350℃で焼成
したものである。
土にあって、可塑性、耐火度に優れると共に1250℃
〜1350℃での焼成後の熱膨張係数が5.7×10-6
〜8.2×10-6/℃(30℃〜700℃)とでき、上
絵具が剥離したり、貫入を生じない磁器用陶土、磁器お
よびその製造方法の提供を課題とする。 【解決手段】 本発明の磁器用陶土は、窯業廃棄物15
〜60重量%、アタパルジャイト0.1〜2重量%、熱
膨張性成分および可塑性成分とからなり、また、本発明
の磁器は、磁器用陶土を1250℃〜1350℃で焼成
したものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は陶磁器製造分野の原
料である陶土に関し、産業廃棄物である窯業廃棄物を再
利用した磁器用陶土に関する。
料である陶土に関し、産業廃棄物である窯業廃棄物を再
利用した磁器用陶土に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の環境問題や省資源(リサイクル)
問題により窯業廃棄物の再利用が行われている。その一
つとして窯業廃棄物が陶土へ再利用されている。一般
に、素焼き屑や磁器屑などの窯業廃棄物の陶土への再利
用は、窯業廃棄物を粉砕後、成形時に必要となる可塑性
を付与する目的て粘土類を多量に配合し、長石などで磁
器化焼成温度に適合するように耐火度調整を行って陶土
としている。
問題により窯業廃棄物の再利用が行われている。その一
つとして窯業廃棄物が陶土へ再利用されている。一般
に、素焼き屑や磁器屑などの窯業廃棄物の陶土への再利
用は、窯業廃棄物を粉砕後、成形時に必要となる可塑性
を付与する目的て粘土類を多量に配合し、長石などで磁
器化焼成温度に適合するように耐火度調整を行って陶土
としている。
【0003】このような従来の窯業廃棄物を再利用した
陶土は、成形時に必要となる可塑性を付与する目的で、
粘土類を多量に配合しているために、焼成後の磁器素地
の熱膨張係数が5×10-61/℃(30℃〜700℃)
前後まで小さくなり、磁器の加飾に用いられる上絵具が
剥離したり、貫入を生じたりする。そのため、磁器素地
に珪石を配合して熱膨張係数を大きくする手段が取られ
るが、同時に、成形性のために陶土に可塑性を付与した
り、また、焼成温度に対して適正な耐火度を付与する必
要があり、窯業廃棄物を再利用した陶土の熱膨張係数と
しては、5.5×10-6/℃(30℃〜700℃)程度
まで上げるのが限界であった。
陶土は、成形時に必要となる可塑性を付与する目的で、
粘土類を多量に配合しているために、焼成後の磁器素地
の熱膨張係数が5×10-61/℃(30℃〜700℃)
前後まで小さくなり、磁器の加飾に用いられる上絵具が
剥離したり、貫入を生じたりする。そのため、磁器素地
に珪石を配合して熱膨張係数を大きくする手段が取られ
るが、同時に、成形性のために陶土に可塑性を付与した
り、また、焼成温度に対して適正な耐火度を付与する必
要があり、窯業廃棄物を再利用した陶土の熱膨張係数と
しては、5.5×10-6/℃(30℃〜700℃)程度
まで上げるのが限界であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、窯業廃棄物
を再利用した磁器用陶土にあって、可塑性、耐火度に優
れると共に1250℃〜1350℃での焼成後の熱膨張
係数が5.7×10-6〜8.2×10-6/℃(30℃〜
700℃)であり、上絵具が剥離したり、貫入を生じな
い磁器用陶土およびその製造方法の提供を課題とする。
を再利用した磁器用陶土にあって、可塑性、耐火度に優
れると共に1250℃〜1350℃での焼成後の熱膨張
係数が5.7×10-6〜8.2×10-6/℃(30℃〜
700℃)であり、上絵具が剥離したり、貫入を生じな
い磁器用陶土およびその製造方法の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の磁器用陶土は、
窯業廃棄物15〜60重量%、アタパルジャイト0.1
〜2重量%、熱膨張性成分および可塑性成分とからなる
ことを特徴とする。
窯業廃棄物15〜60重量%、アタパルジャイト0.1
〜2重量%、熱膨張性成分および可塑性成分とからなる
ことを特徴とする。
【0006】上記の窯業廃棄物が、5.0×10-6〜
8.0×10-6/℃(30℃〜700℃)の熱膨張係数
を有する素焼き屑であることを特徴とする。
8.0×10-6/℃(30℃〜700℃)の熱膨張係数
を有する素焼き屑であることを特徴とする。
【0007】上記の窯業廃棄物が、4.9×10-6〜
7.5×10-6/℃(30℃〜700℃)の熱膨張係数
を有する磁器屑であることを特徴とする。
7.5×10-6/℃(30℃〜700℃)の熱膨張係数
を有する磁器屑であることを特徴とする。
【0008】上記の熱膨張性成分および可塑性成分が、
陶石、珪石、カオリン族粘土から選ばれる少なくとも1
種であることを特徴とする。
陶石、珪石、カオリン族粘土から選ばれる少なくとも1
種であることを特徴とする。
【0009】上記の磁器用陶土に耐火度調整成分とし
て、カリ長石をさらに添加することを特徴とする。
て、カリ長石をさらに添加することを特徴とする。
【0010】本発明の磁器は、窯業廃棄物15〜60重
量%、アタパルジャイト0.1〜2重量%、熱膨張性成
分および可塑性成分とからなり、1250℃〜1350
℃で焼成されたものであることを特徴とする。
量%、アタパルジャイト0.1〜2重量%、熱膨張性成
分および可塑性成分とからなり、1250℃〜1350
℃で焼成されたものであることを特徴とする。
【0011】本発明の陶器用陶土の製造方法は、窯業廃
棄物および熱膨張性成分の微粉砕物に、アタパルジャイ
トおよび可塑性成分を水で解いたものを添加して泥漿と
した後、脱水することを特徴とする。
棄物および熱膨張性成分の微粉砕物に、アタパルジャイ
トおよび可塑性成分を水で解いたものを添加して泥漿と
した後、脱水することを特徴とする。
【0012】本発明の磁器の製造方法は、窯業廃棄物お
よび熱膨張性成分の微粉砕物に、アタパルジャイトおよ
び可塑性成分を水で解いたものを添加して泥漿とした
後、脱水、成形し、1250℃〜1350℃で焼成する
ことを特徴とする。
よび熱膨張性成分の微粉砕物に、アタパルジャイトおよ
び可塑性成分を水で解いたものを添加して泥漿とした
後、脱水、成形し、1250℃〜1350℃で焼成する
ことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の磁器用陶土は、窯業廃棄
物、アタパルジャイト、熱膨張性成分および可塑性成分
を必須成分とする。窯業廃棄物は、窯業廃棄物の再利用
のために使用するもので、5.0×10-6〜8.0×1
0-6/℃(30℃〜700℃)の熱膨張係数を有する素
焼き屑や、4.9×10-6〜7.5×10-6/℃(30
℃〜700℃)の熱膨張係数を有する磁器屑が使用さ
れ、その単独、または混合したものであり、平均粒子径
が3〜7μmの微粒状ものが例示され、磁器用陶土中、
15〜60重量%、好ましくは15〜55重量%、更に
好ましくは20〜50重量%配合される。15重量%以
下であると、窯業廃棄物の再利用という観点から効率が
悪く、60重量%以上であるとその他に配合する原料が
少なくなるため、高熱膨張性、すなわち熱膨張係数を目
標まで高くすることが困難になるという問題が生じる。
物、アタパルジャイト、熱膨張性成分および可塑性成分
を必須成分とする。窯業廃棄物は、窯業廃棄物の再利用
のために使用するもので、5.0×10-6〜8.0×1
0-6/℃(30℃〜700℃)の熱膨張係数を有する素
焼き屑や、4.9×10-6〜7.5×10-6/℃(30
℃〜700℃)の熱膨張係数を有する磁器屑が使用さ
れ、その単独、または混合したものであり、平均粒子径
が3〜7μmの微粒状ものが例示され、磁器用陶土中、
15〜60重量%、好ましくは15〜55重量%、更に
好ましくは20〜50重量%配合される。15重量%以
下であると、窯業廃棄物の再利用という観点から効率が
悪く、60重量%以上であるとその他に配合する原料が
少なくなるため、高熱膨張性、すなわち熱膨張係数を目
標まで高くすることが困難になるという問題が生じる。
【0014】アタパルジャイトは、Mg5 Si8 O
20(OH)2 (OH2 )4 ・4H2 Oの理想式を有する
繊維状の粘土鉱物で、通常AlがMg、Siの一部を置
換した構造を有する。アタパルジャイトは、陶土に可塑
性を付与するために使用するもので、0.1〜2重量
%、好ましくは0.1〜1.5重量%、さらに好ましく
は、0.1〜1重量%とすると良い。2重量%以上であ
ると素地の焼成中の軟化変形が大きくなるという問題が
生じる。本発明にあっては、磁器用陶土としてアタパル
ジャイトを少量添加することにより、熱膨張係数や耐火
度に影響を与えないで鋳込み成形またはロクロ成形に適
した可塑性を付与できることを見いだしたものである。
20(OH)2 (OH2 )4 ・4H2 Oの理想式を有する
繊維状の粘土鉱物で、通常AlがMg、Siの一部を置
換した構造を有する。アタパルジャイトは、陶土に可塑
性を付与するために使用するもので、0.1〜2重量
%、好ましくは0.1〜1.5重量%、さらに好ましく
は、0.1〜1重量%とすると良い。2重量%以上であ
ると素地の焼成中の軟化変形が大きくなるという問題が
生じる。本発明にあっては、磁器用陶土としてアタパル
ジャイトを少量添加することにより、熱膨張係数や耐火
度に影響を与えないで鋳込み成形またはロクロ成形に適
した可塑性を付与できることを見いだしたものである。
【0015】次に、熱膨張性成分および可塑性成分につ
いて説明する。熱膨張性成分および可塑性成分として
は、陶石、例えば天草陶石、服部陶石、出石陶石等が例
示される。陶石は、通常、石英成分約65重量%、カオ
リナイトやセリサイト等の粘土成分約35重量%からな
るが、石英成分は陶土に熱膨張性を付与し、また、粘土
成分は陶土に可塑性を付与する。陶石は熱膨張性成分お
よび可塑性成分を共に含有するために、陶土として、窯
業廃棄物、アタパルジャイト、陶石の3者から構成する
ことが可能であるが、後述する珪石等の熱膨張性成分や
カオリナイト質粘土等の可塑性成分を使用する場合に
は、適宜、その添加量は調整される。陶石としては、陶
土中、0〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、
更に好ましくは20〜50重量%とすると良い。ただ、
70重量%以上であるとその他に配合する原料が少なく
なるため、熱膨張係数を目標まで高くすることが困難に
なるという問題が生じる。
いて説明する。熱膨張性成分および可塑性成分として
は、陶石、例えば天草陶石、服部陶石、出石陶石等が例
示される。陶石は、通常、石英成分約65重量%、カオ
リナイトやセリサイト等の粘土成分約35重量%からな
るが、石英成分は陶土に熱膨張性を付与し、また、粘土
成分は陶土に可塑性を付与する。陶石は熱膨張性成分お
よび可塑性成分を共に含有するために、陶土として、窯
業廃棄物、アタパルジャイト、陶石の3者から構成する
ことが可能であるが、後述する珪石等の熱膨張性成分や
カオリナイト質粘土等の可塑性成分を使用する場合に
は、適宜、その添加量は調整される。陶石としては、陶
土中、0〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、
更に好ましくは20〜50重量%とすると良い。ただ、
70重量%以上であるとその他に配合する原料が少なく
なるため、熱膨張係数を目標まで高くすることが困難に
なるという問題が生じる。
【0016】珪石は、熱膨張性成分として機能するもの
であり、陶土中、0〜25重量%、好ましくは0〜15
重量%、更に好ましくは0〜10重量%配合させると良
い。ただ、25重量%以上であると珪酸分が過剰にな
り、焼成した素地中に異常熱膨張を示すα−クリストバ
ライトが生成し、冷却時にクラック等が生じるという問
題が生じる。
であり、陶土中、0〜25重量%、好ましくは0〜15
重量%、更に好ましくは0〜10重量%配合させると良
い。ただ、25重量%以上であると珪酸分が過剰にな
り、焼成した素地中に異常熱膨張を示すα−クリストバ
ライトが生成し、冷却時にクラック等が生じるという問
題が生じる。
【0017】カオリナイト質粘土は、可塑性成分として
機能するもので、カオリナイト質粘土はアタパルジャイ
トと同様に陶土に可塑性を与えることができるが、耐火
度が上昇するという問題がある。カオリナイト質粘土
は、陶土中、0〜25重量%、好ましくは0〜12重量
%、更に好ましくは0〜10重量%添加すると良い。た
だ、25重量%以上であると焼成後の素地の熱膨張を目
標まで高くすることが困難になるという問題がある。カ
オリナイト質粘土としては、蛙目粘土の他に木節粘土、
マレーシアカオリン、英国カオリン等が例示される。
機能するもので、カオリナイト質粘土はアタパルジャイ
トと同様に陶土に可塑性を与えることができるが、耐火
度が上昇するという問題がある。カオリナイト質粘土
は、陶土中、0〜25重量%、好ましくは0〜12重量
%、更に好ましくは0〜10重量%添加すると良い。た
だ、25重量%以上であると焼成後の素地の熱膨張を目
標まで高くすることが困難になるという問題がある。カ
オリナイト質粘土としては、蛙目粘土の他に木節粘土、
マレーシアカオリン、英国カオリン等が例示される。
【0018】また、本発明の陶土にあっては、必要に応
じて耐火度調整成分を添加することができる。本発明の
陶土にあっては、1250℃〜1350℃の焼成で磁器
化するように耐火度がSK26〜28に調整される必要
があり、陶土を構成するカリ分を含有した成分により調
整されるとよい。カリ分は、後述する表1に記載するよ
うに、例えば天草陶石中2.59重量%含有され、ま
た、磁器屑等の窯業廃棄物中には0.26重量%含有す
るが、所望の耐火度とするためには、例えば9.61重
量%含有する益田長石等のカリ長石をさらに添加すると
よく、添加量としては、陶土中0〜24重量%、好まし
くは0〜10重量%、さらに好ましくは0〜8重量%と
すると良い。ただ、24重量%以上であると、素地の焼
成中の軟化変形が大きくなるという問題が生じる。耐火
度調整成分としては他に福島長石、インド長石、金丸長
石等が例示される。
じて耐火度調整成分を添加することができる。本発明の
陶土にあっては、1250℃〜1350℃の焼成で磁器
化するように耐火度がSK26〜28に調整される必要
があり、陶土を構成するカリ分を含有した成分により調
整されるとよい。カリ分は、後述する表1に記載するよ
うに、例えば天草陶石中2.59重量%含有され、ま
た、磁器屑等の窯業廃棄物中には0.26重量%含有す
るが、所望の耐火度とするためには、例えば9.61重
量%含有する益田長石等のカリ長石をさらに添加すると
よく、添加量としては、陶土中0〜24重量%、好まし
くは0〜10重量%、さらに好ましくは0〜8重量%と
すると良い。ただ、24重量%以上であると、素地の焼
成中の軟化変形が大きくなるという問題が生じる。耐火
度調整成分としては他に福島長石、インド長石、金丸長
石等が例示される。
【0019】また、必要に応じてハロイサイト質粘土で
あるニュージーランドカオリン等を添加して耐火度を調
整してもよい。ハロイサイト質粘土は粘土鉱物に属する
が、カオリナイト質粘土と比較すると非常に可塑性が小
さいため、陶土に可塑性を付与する効果は非常に小さ
い。しかしながら、ハロイサイト質粘土を添加すること
により耐火度が上昇するので、耐火度調整成分としてカ
リ長石の補助的な原料として使用できる。ハロイサイト
質粘土の添加量としては、陶土中0〜20重量%、好ま
しくは0〜15重量%、さらに好ましくは0〜10重量
%とすると良い。ただ、20重量%以上であると、焼成
後の素地の熱膨張を高くすることが困難になると同時に
焼成後の素地の焼き締まりが低下するという問題が生じ
る。ハロイサイト質粘土としては他に中国カオリン、朝
鮮カオリン等が例示される。
あるニュージーランドカオリン等を添加して耐火度を調
整してもよい。ハロイサイト質粘土は粘土鉱物に属する
が、カオリナイト質粘土と比較すると非常に可塑性が小
さいため、陶土に可塑性を付与する効果は非常に小さ
い。しかしながら、ハロイサイト質粘土を添加すること
により耐火度が上昇するので、耐火度調整成分としてカ
リ長石の補助的な原料として使用できる。ハロイサイト
質粘土の添加量としては、陶土中0〜20重量%、好ま
しくは0〜15重量%、さらに好ましくは0〜10重量
%とすると良い。ただ、20重量%以上であると、焼成
後の素地の熱膨張を高くすることが困難になると同時に
焼成後の素地の焼き締まりが低下するという問題が生じ
る。ハロイサイト質粘土としては他に中国カオリン、朝
鮮カオリン等が例示される。
【0020】本発明における原料の酸化物組成(重量
%)を表1〜表3に示す。
%)を表1〜表3に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】本発明の磁器用陶土の製造方法は、窯業廃
棄物および熱膨張性成分、必要に応じて耐火度調整成分
を高熱膨張磁器用の基礎陶土となるように配合し、ボー
ルミルで平均粒子径が3〜7μmとなるように粉砕し、
得られた粉砕物に、可塑性成分およびアタパルジャイト
を予め水で解いたものを添加して高熱膨張磁器用陶土泥
漿とした後、フィルタープレスなどで脱水して得られ
る。
棄物および熱膨張性成分、必要に応じて耐火度調整成分
を高熱膨張磁器用の基礎陶土となるように配合し、ボー
ルミルで平均粒子径が3〜7μmとなるように粉砕し、
得られた粉砕物に、可塑性成分およびアタパルジャイト
を予め水で解いたものを添加して高熱膨張磁器用陶土泥
漿とした後、フィルタープレスなどで脱水して得られ
る。
【0025】本発明の磁器用陶土は、泥漿とされた後、
フィルタープレスなどで脱水して得られた後、ロクロ成
形や鋳込成形などの方法で成形・乾燥され、焼成温度1
250℃〜1350℃、還元雰囲気中で10〜20時
間、本焼き焼成される。本発明の陶土を使用して得られ
る磁器にあっては、釉薬や上絵具としては、通常使用さ
れるものが使用でき、その熱膨張係数は5.5×10-6
〜7.0×10-6/℃(30℃〜700℃)のものが使
用できる。また、釉薬の耐火度としてはSK6〜8程度
である。以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
フィルタープレスなどで脱水して得られた後、ロクロ成
形や鋳込成形などの方法で成形・乾燥され、焼成温度1
250℃〜1350℃、還元雰囲気中で10〜20時
間、本焼き焼成される。本発明の陶土を使用して得られ
る磁器にあっては、釉薬や上絵具としては、通常使用さ
れるものが使用でき、その熱膨張係数は5.5×10-6
〜7.0×10-6/℃(30℃〜700℃)のものが使
用できる。また、釉薬の耐火度としてはSK6〜8程度
である。以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
【0026】
【実施例】下記の表4〜表7に記載の重量割合でそれぞ
れ原料を配合し、ポットミルにて湿式法で粉砕、混合
し、平均粒子約5μmの陶土とした後、それを鋳込み泥
漿に調製して鋳込み成形を行い、成形体を乾燥させてガ
ス炉を使用して焼成温度1280℃、還元雰囲気中で1
2時間本焼き焼成して本発明の陶土を使用した実施例1
〜実施例16の磁器を作成した。なお各成分の合計は1
00重量%である。
れ原料を配合し、ポットミルにて湿式法で粉砕、混合
し、平均粒子約5μmの陶土とした後、それを鋳込み泥
漿に調製して鋳込み成形を行い、成形体を乾燥させてガ
ス炉を使用して焼成温度1280℃、還元雰囲気中で1
2時間本焼き焼成して本発明の陶土を使用した実施例1
〜実施例16の磁器を作成した。なお各成分の合計は1
00重量%である。
【0027】また、得られた磁器の熱膨張係数(/℃)
は(株)マック・サイエンス社製「TMA4020 熱
膨張測定装置」により、昇温速度10℃/min、測定
荷重10gの条件で測定した結果を表4〜表7に示す。
は(株)マック・サイエンス社製「TMA4020 熱
膨張測定装置」により、昇温速度10℃/min、測定
荷重10gの条件で測定した結果を表4〜表7に示す。
【0028】また、吸水率(%)をASTMC373−
88(和訳名、陶器製品の吸水率、密度、見かけ気孔
率、見かけ比重の標準試験法)を使用して測定し、同様
に表4〜表7に示す。
88(和訳名、陶器製品の吸水率、密度、見かけ気孔
率、見かけ比重の標準試験法)を使用して測定し、同様
に表4〜表7に示す。
【0029】得られた実施例1〜実施例16の乾燥成形
体を大気中900℃で素焼したものに、釉薬{組成Si
O2 71.7重量%、Al2 O3 12.1重量%、Fe
2 O 3 0.2重量%、TiO2 0.1重量%、CaO
7.4重量%、MgO0.2重量%、Na2 O4.1重
量%、K2 O2.6重量%、ZnO1.6重量%、熱膨
張係数5.7×10-6/℃(30℃〜700℃)}を施
釉して、ガス炉で焼成温度1280℃、還元雰囲気中1
2時間本焼き焼成した。
体を大気中900℃で素焼したものに、釉薬{組成Si
O2 71.7重量%、Al2 O3 12.1重量%、Fe
2 O 3 0.2重量%、TiO2 0.1重量%、CaO
7.4重量%、MgO0.2重量%、Na2 O4.1重
量%、K2 O2.6重量%、ZnO1.6重量%、熱膨
張係数5.7×10-6/℃(30℃〜700℃)}を施
釉して、ガス炉で焼成温度1280℃、還元雰囲気中1
2時間本焼き焼成した。
【0030】本焼き焼成後、上絵具{組成SiO2 45
重量%、Al2 O3 3重量%、ZrO2 5重量%、B2
O3 26重量%、BaO5重量%、ZnO5重量%、N
a2O3重量%、K2 O6重量%、La2 O3 2重量
%、熱膨張係数6.5×10-6/℃(30℃〜700
℃)}を塗布し、800℃、大気中8時間で焼成した。
重量%、Al2 O3 3重量%、ZrO2 5重量%、B2
O3 26重量%、BaO5重量%、ZnO5重量%、N
a2O3重量%、K2 O6重量%、La2 O3 2重量
%、熱膨張係数6.5×10-6/℃(30℃〜700
℃)}を塗布し、800℃、大気中8時間で焼成した。
【0031】得られた磁器は、上絵具が剥離したり、ま
た、貫入は生じないものであった。
た、貫入は生じないものであった。
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】比較として、窯業廃棄物21.0重量%、
天草陶石64.0重量%、蛙目粘土10.0重量%、珪
石5.0%の組成の陶土を使用し、実施例と同様に磁器
を作成した。得られた磁器素地の熱膨張係数は7.10
×10-6/℃(30℃〜700℃)、吸水率は0.06
%であり、上絵の加飾が可能な範囲ではあったが、実施
例のものに比して可塑性がなく、素地の成形性に劣るも
のであった。
天草陶石64.0重量%、蛙目粘土10.0重量%、珪
石5.0%の組成の陶土を使用し、実施例と同様に磁器
を作成した。得られた磁器素地の熱膨張係数は7.10
×10-6/℃(30℃〜700℃)、吸水率は0.06
%であり、上絵の加飾が可能な範囲ではあったが、実施
例のものに比して可塑性がなく、素地の成形性に劣るも
のであった。
【0037】
【発明の効果】本発明の磁器用陶土は、窯業廃棄物を原
料とするもので、環境性に優れると共に、素地の成形に
必要な充分な可塑性と高熱膨張性を有し、上絵の加飾が
可能な陶土である。
料とするもので、環境性に優れると共に、素地の成形に
必要な充分な可塑性と高熱膨張性を有し、上絵の加飾が
可能な陶土である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 堤 靖幸
佐賀県佐賀市高木瀬町長瀬698
(72)発明者 蒲地 伸明
佐賀県杵島郡山内町大字三間坂甲14331
Claims (8)
- 【請求項1】 窯業廃棄物15〜60重量%、アタパル
ジャイト0.1〜2重量%、熱膨張性成分および可塑性
成分とからなることを特徴とする磁器用陶土。 - 【請求項2】 窯業廃棄物が、5.0×10-6〜8.0
×10-6/℃(30℃〜700℃)の熱膨張係数を有す
る素焼き屑であることを特徴とする請求項1記載の磁器
用陶土。 - 【請求項3】 窯業廃棄物が、4.9×10-6〜7.5
×10-6/℃(30℃〜700℃)の熱膨張係数を有す
る磁器屑であることを特徴とする請求項1記載の磁器用
陶土。 - 【請求項4】 熱膨張性成分および可塑性成分が、陶
石、珪石、カオリン族粘土から選ばれる少なくとも1種
であることを特徴とする請求項1記載の磁器用陶土。 - 【請求項5】 耐火度調整成分として、カリ長石をさら
に添加することを特徴とする請求項1〜請求項4のいず
れか1項記載の磁器用陶土。 - 【請求項6】 窯業廃棄物15〜60重量%、アタパル
ジャイト0.1〜2重量%、熱膨張性成分および可塑性
成分とからなり、1250℃〜1350℃で焼成された
ものであることを特徴とする磁器。 - 【請求項7】 窯業廃棄物および熱膨張性成分の微粉砕
物に、アタパルジャイトおよび可塑性成分を水で解いた
ものを添加して泥漿とした後、脱水することを特徴とす
る磁器用陶土の製造方法。 - 【請求項8】 窯業廃棄物および熱膨張性成分の微粉砕
物に、アタパルジャイトおよび可塑性成分を水で解いた
ものを添加して泥漿とした後、脱水、成形し、1250
℃〜1350℃で焼成することを特徴とする磁器の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001328756A JP2003137639A (ja) | 2001-10-26 | 2001-10-26 | 磁器用陶土、磁器及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001328756A JP2003137639A (ja) | 2001-10-26 | 2001-10-26 | 磁器用陶土、磁器及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003137639A true JP2003137639A (ja) | 2003-05-14 |
Family
ID=19144769
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001328756A Pending JP2003137639A (ja) | 2001-10-26 | 2001-10-26 | 磁器用陶土、磁器及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003137639A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100423808C (zh) * | 2005-09-28 | 2008-10-08 | 许盛英 | 凹凸棒陶粒滤料的生产方法 |
JP2010220749A (ja) * | 2009-03-23 | 2010-10-07 | Miyao Company Ltd | 加熱調理用の容器 |
CN102503364A (zh) * | 2011-10-21 | 2012-06-20 | 陈相洪 | 内嵌有不同颜色瓷泥的陶瓷产品的生产方法 |
CN102924057A (zh) * | 2012-11-22 | 2013-02-13 | 盱眙县东强新型建材厂 | 凹凸棒页岩建筑垃圾陶粒烧结多孔砌块 |
CN108530028A (zh) * | 2018-04-26 | 2018-09-14 | 佛山市东鹏陶瓷有限公司 | 一种用于3d打印洁具的陶瓷粉料及陶瓷洁具生产工艺 |
CN109574628A (zh) * | 2019-01-31 | 2019-04-05 | 江西红星瓷业有限公司 | 一种高强度输电用瓷绝缘子的制备工艺 |
JP7343031B1 (ja) | 2022-12-28 | 2023-09-12 | Toto株式会社 | 陶器素地 |
-
2001
- 2001-10-26 JP JP2001328756A patent/JP2003137639A/ja active Pending
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