JP2003137251A - プラスチック容器 - Google Patents

プラスチック容器

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JP2003137251A
JP2003137251A JP2001341962A JP2001341962A JP2003137251A JP 2003137251 A JP2003137251 A JP 2003137251A JP 2001341962 A JP2001341962 A JP 2001341962A JP 2001341962 A JP2001341962 A JP 2001341962A JP 2003137251 A JP2003137251 A JP 2003137251A
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Japan
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resin composition
alicyclic polyester
polycarbonate
plastic container
thermoplastic resin
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Application number
JP2001341962A
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English (en)
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Mitsunobu Sato
藤 光 伸 佐
Nobuaki Dan
宣 明 段
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SABIC Innovative Plastics Japan KK
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GE Plastics Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明性、耐衝撃性、耐薬品性、耐候性などがバ
ランスよく優れたプラスチック容器を提供する。 【解決手段】脂環族ポリエステルを含む熱可塑性樹脂組
成物からなるプラスチック容器。前記脂環族ポリエステ
ルが、ポリシクロヘキサンジメタノールシクロヘキサン
ジカルボキシレート(以後、PCCDと略す)であり、熱可塑
性樹脂組成物が、脂環族ポリエステルとともにポリカー
ボネートを含み、熱可塑性樹脂組成物中のポリカーボネ
ートと脂環族ポリエステルとのブレンド物の総量を10
0重量%としたときに、ポリカーボネート:脂環族ポリ
エステル重量比が5:95〜95:5の範囲にあることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は脂環族ポリエステルを含む
樹脂組成物からなるプラスチック容器に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】清涼飲料水や調味料などの液体、
洗剤、食料品、さらに錠剤などの保存容器には従来ポリ
エチレンなどのポリオレフィン系樹脂(PO)、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(P
C)樹脂などを主成分とする樹脂組成物が使用されてい
る。
【0003】ポリエチレンは強度や加工性、経済性の上
で非常にバランスのとれた樹脂であり、プラスチック容
器の中でもポリエチレン容器は幅広く用いられている。
しかしながら、環境問題、省資源の観点から容器を薄肉
化しようとすると、剛性が不足したり、耐衝撃性が低下
するなどの問題点があった。また透明化できないため、
意匠の面から制約がある。一方、PET等の芳香族ポリ
エステルの容器は、透明であり、着色などの意匠面での
制約は少なく、ポリエチレン容器と比較して剛性も高い
ためポリエチレン容器よりは薄肉化に適するが、無延伸
状態で比較すると衝撃強度は逆にポリエチレン容器より
も弱く、高衝撃強度が必要な用途に使用するには限界が
あった。また、PCを用いた容器は、耐衝撃性が高く、PE
Tと同様に着色などの意匠面での制約は使用初期には少
ないが、徐々に黄変するといった弱点を持っており、ま
た、特定の汎用薬品、特にガソリンやアルカリ洗剤に触
れると白化するという問題があった。
【0004】そこで、本発明者らはこのような従来技術
に伴う問題点、すなわち、透明性、耐衝撃性、長期の変
色(耐侯性)、耐薬品性などを解決すべく鋭意検討した
結果、脂環族ポリエステル樹脂を含む組成物を使用して
製造された容器が、従来のポリエチレン容器に比べ、こ
れらのバランスに非常に優れていることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0005】
【発明の目的】本発明は、透明性、耐衝撃性、耐薬品
性、耐候性などがバランスよく優れたプラスチック容器
を提供することを目的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係るプラスチック容器は、脂環
族ポリエステルを含む熱可塑性樹脂組成物からなること
を特徴としている。前記脂環族ポリエステルとしては、
ポリシクロヘキサンジメタノールシクロヘキサンジカル
ボキシレート(以後、PCCDと略す)が好ましい。
【0007】また前記熱可塑性樹脂組成物が、脂環族ポ
リエステルとともにポリカーボネートを含んでいること
が好ましい。熱可塑性樹脂組成物中のポリカーボネート
と脂環族ポリエステルとのブレンド物の総量を100重
量%としたときに、ポリカーボネート:脂環族ポリエス
テル重量比が5:95〜95:5の範囲にあることが好ましい。
【0008】本発明で使用されるポリカーボネートは、
ビスフェノールA、スピロビインダンビスフェノール、
アリール基置換ビスフェノール、脂環式ビスフェノール
またはこれらの混合物から誘導される構成単位を含むこ
とが好ましい。熱可塑性樹脂組成物は75%以上の光線透
過率を有することが好ましく、熱可塑性樹脂組成物のガ
ラス転移温度は50〜150℃の範囲にあることをが好まし
い。
【0009】本発明では、前記熱可塑性樹脂組成物が20
重量%未満の量で実質的に透明な耐衝撃改良剤を含むこ
とが好ましい。この耐衝撃改良剤の屈折率は1.51〜1.58
の範囲にあることが好ましく、特にアクリロニトリル・
ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂が耐衝撃改良剤として
好ましい。本発明に係るプラスチック容器は、射出成形
品、インジェクション成形品、ブロー成形品、押出成形
品、または真空・圧空成形品であることが好ましい。
【0010】このようなプラスチック容器は、液体、粉
体、固体、エアロゾル、キゼロゲルの充填用として好適
である。
【0011】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る容器について
具体的に説明する。 [熱可塑性樹脂組成物]本発明では、熱可塑性樹脂組成
物としては、脂環族ポリエステルを含むものが使用され
る。 a)脂環族ポリエステル樹脂 脂環式ポリエステル樹脂としては、下記式(I)で表され
る繰返単位を有するポリエステルが挙げられる。
【0012】
【化1】
【0013】式中Rはジオールから誘導される二価の残
基であり、R1は二価酸(二価カルボン酸)から誘導され
る2価の残基であり、RまたはR1の少なくとも1つはシク
ロアルキル環を含む基である。具体的には、Rは6〜2
0の炭素原子を有するジオールを含むアリール、アルカ
ンまたはシクロアルカン残基であり、RあるいはR1の少
なくとも1方が脂環基である。特に、RおよびR1の両方
が、脂環基であることが望ましい。
【0014】このようなRおよびR1としては、下記で示
されるものが挙げられる。
【0015】
【化2】
【0016】このような脂環族ポリエステルは、二価酸
とジオールとの縮合物であり、二価酸とジオールとが化
学当量で反応したものであっても、いずれかが過量に含
まれていてもよく、50モル%以上の脂環族ジオールお
よび/または脂環族二価酸成分を含んでいれば、他の成
分は、線形(環状ではない)脂肪族二価酸および/また
は脂肪族ジオールからなる成分を含んでいてもよい。本
発明のように脂環族成分を含んでいると、ポリエステル
は高い剛性を有するともに、たとえばポリカーボネート
と混合したときに透明性が低下することもない。
【0017】脂環族ジオールとしては、HO-R-OH
(Rは前記(I)と同じ)で表され、たとえば、ジメタノ
ールデカリン、ジメタノールビシクロオクタン;1,4-シ
クロヘキサンジメタノール、特にそのcis-異性体および
trans異性体;2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタン
ジオール(TMCBD);トリエチレングリコール;1,10-デカ
ンジオール;またこれらの混合物が挙げられる。
【0018】他のジオールとしては、直鎖、分岐のアル
カンジオールであり、2〜16の炭素原子を含んでいるも
のが望ましい。このようなジオールの具体例としては、
特に制限されるものではないが、エチレングリコール;
プロピレングリコール(1、2-および1,3-プロピレングリ
コール);2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール;2-エチル
-2-メチル-1,3-プロパンジオール;1,3-および1,5-ペン
タンジオール;ジプロピレングリコール;2-メチル-1,5-
ペンタンジオール;1,6-ヘキサンジオールなどが挙げら
れる。
【0019】これらのジオール類はアルキルエステル、
ジアリールエステルなどの誘導体であってもよい。脂環
族二価酸は、飽和炭素に結合した2つのカルボキシル基
を含むカルボン酸であり、好ましい二価酸としては、環
状または二環状脂肪族酸;たとえばデカヒドロナフタレ
ンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ
オクタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン
酸またはこれらの誘導体が挙げられ、最も好ましくは、
1,4-シクロヘキサンジカルボン酸あるいはその誘導体で
ある。
【0020】またアジピン酸、アゼライン酸、ドデカン
ジカルボン酸およびコハク酸のような直鎖ジカルボン酸
も使用してもよい。二価酸としては、アルキルエステル
(たとえばジアルキルエステル、ジアリールエステル)、
無水物、塩類、酸クロライド、酸ブロマイドなどの誘導
体が含まれていてもよい。
【0021】このうち脂環族二価酸のジアルキルエステ
ルが好ましく、このうち最も好ましいのは、ジメチル-
1,4-シクロヘキサン-ジカルボキシレートである。好ま
しい脂環基R1は、1,4-シクロヘキシル二価酸から誘導さ
れ、最も好ましくは、その70モル%以上がトランス異
性体形状のものである。好ましい脂環基Rは、1,4-シク
ロヘキシルジメタノールなどの1,4-シクロヘキシル第1
ジオールから誘導され、最も好ましくは、その70モル%
以上がtrans異性体形状のものである。
【0022】本発明では、脂環族ポリエステル樹脂とし
て、下記式(II)で表されるポリ(シクロヘキサン-1,4-
ジメタノールシクロヘキサン-1,4-ジカルボキシレー
ト)[ポリ(1,4-シクロヘキサン-ジメタノール-1,4-ジ
カルボキシレート)、PCCDともいう]が好適である。
【0023】
【化3】
【0024】上記式(II)で表される脂環族ポリエステル
樹脂は、上記した式(I)中、Rが1,4-シクロヘキサンジ
メタノールから誘導される基であり、R1がシクロヘキサ
ンジカルボキシレートから誘導されるシクロヘキサン環
である。このようなポリエステル樹脂は、上記成分を用
いて、重縮合反応またはエステル交換反応によって製造
することができる。
【0025】ポリエステルの重合反応は、一般に、テト
エラキス(2-エチルヘキシル)チタネートなどのチタン系
触媒の存在下、溶融状態で行われる。このようなチタン
系触媒量は、最終製造樹脂に対し、チタン原子換算で5
0〜200ppmの量で含まれていることが好ましい。本
発明で使用される脂環式ポリエステル樹脂は、50℃以
上、好ましくは80℃以上、90℃、さらに好ましくは
100℃以上のガラス転移温度(Tg)を有していることが
望ましい。
【0026】また、上記のポリエステルは、約1〜50重
量%の量の重合性脂肪族酸および/または脂肪族ポリオ
ールに由来した構成単位を有して、コポリエステルが形
成されていてもよい。なお脂肪族ポリオールとしては、
ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコールなど
が例示される。このようなポリエステルの製造方法は、
たとえば米国特許2,465,319号明細書、同3,047,539号明
細書に記載されている。
【0027】本発明では、前記脂環族ポリエステル樹脂
とともにポリカーボネートを含んでいる。 b)ポリカーボネート系樹脂 本発明において使用されるポリカーボネート系樹脂(A)
は、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体と
を反応させて得られる芳香族ホモポリカーボネートまた
は芳香族コポリカーボネートである。
【0028】ポリカーボネート系樹脂は一般に、下記式
(1)で示される繰り返し構造単位を有するものであ
る。
【0029】
【化4】
【0030】(上記式中、Aは芳香族ジヒドロキシ化合
物から誘導される2価の残基である) 芳香族ジヒドロキシ化合物としては、官能基であるヒド
ロキシ基を2個含有し、各ヒドロキシ基が芳香核の炭素
原子に直接接合した単核または多核の芳香族化合物が挙
げられ、たとえば下記式(2)で表される。
【0031】
【化5】
【0032】式中、Aは、1〜15の炭素原子からなる二価
炭化水素基、または1〜15の炭素原子に含む置換二価炭
化水素基である。Xは、1以上の場合、互いに同一であ
っても、異なっていてもよく、水素、ハロゲンおよび1
〜8の炭素原子を有するアルキル基、6〜18の炭素原子
を有するアリール基、7〜14の炭素原子を有するアリー
ルアルキル基、1〜8の炭素原子を含むアルコキシ基な
どの1価炭化水素基から選択される。
【0033】mは0または1であり、nは、0〜5の整数
である。組成物の調製 本発明に係る組成物は、上記した脂環族ポリエステル樹
脂とポリカーボネート系樹脂とを混合する。混合方法と
しては特に制限されるものではないが、通常、常圧、減
圧あるいは加圧下での溶融混練が採用される。
【0034】混合装置としては特に押出機、バンバリー
ミキサー、ローラー、ニーダーなどを例として挙げるこ
とができ、これらを回分的または連続的に運転する。こ
のとき、成分の混合順は特に限定されない。脂環族ポリ
エステル樹脂とポリカーボネートとの重量比(ポリエス
テル:ポリカーボネート)は、5:95〜95:5の範囲、好ま
しくは50:50〜30:70の範囲にあることが望ましい。上記
範囲内のポリエステル量は、ポリカーボネート単独のも
のと比較して、結果として特性を向上させるという点
で、より低熱たわみ温度になるので望ましい。脂環式ポ
リエステルを加えることで、ポリカーボネート単独から
なる場合に比べて、高耐薬品性、高耐紫外線特性(耐候
性)を付与することができる。
【0035】上記した組成物は、75%以上、好ましくは
80%以上の光線透過率を有することが好ましい。この
ような光線透過率であれば、透明性に優れたプラスチッ
ク容器作製することができる。また上記組成物は、50〜
150℃、好ましくは60〜110℃の範囲のガラス転移温度を
有していることが望ましい。通常ポリカーボネートはガ
ラス転移温度が高いが、本樹脂組成物はガラス転移温度
が低い脂環族ポリエステルを含んでいるので、ガラス転
移温度が低くなり、このため組成物自体が流動性に優れ
るようになり薄肉の成形品を成形することが可能とな
る。
【0036】また、このような組成物は、従来の熱可塑
性樹脂に比べて非常に耐候性に優れた脂環族ポリエステ
ルを含んでいるので、得られた成形品は紫外線領域での
光の吸収が少なく紫外線を吸収して変色することがな
い。特に、従来より使用されていたポリカーボネートな
どの熱可塑性樹脂に比べて、優れた耐候性を有してい
る。このような本発明で使用される樹脂組成物の紫外線
吸収特性を図1に示す。
【0037】なお、紫外線吸収特性は、所定の成形品か
ら作成した試験片、もしくは有機溶剤に溶解させた試料
を用いて分光光度計により、紫外部から可視光領域の吸
収を測定することで評価される。溶解に使用される有機
溶剤として、クロロホルム、塩化メチレン等が使用され
る。(なお図1では有機溶媒として、クロロホルムを使
用し、また、脂環族ポリエステル組成物として、脂環族
ポリエステルを使用した。) このような樹脂組成物には、安定剤が含まれていること
が好ましい。このような安定剤は、樹脂成分(特にポリ
カーボネート樹脂)に含まれる触媒を失活させるための
ものであり、たとえば米国特許5,441,997号明細書に詳
細に記載されている。
【0038】このような安定剤は、樹脂成分に対して、
0.001〜10重量%、好ましくは0.005〜2重量%の量で含
まれていることが望ましい。耐衝撃改良剤としては、共
役ジエンまたはアクリルエラストマーのアクリル酸また
はメタクリル酸変性物、またはその芳香族ビニル共重合
物が挙げられる。一般に、これらの耐衝撃改良剤は、ブ
タジエンまたはイソプレン、ブチルアクリレート、また
は必要に応じて芳香族ビニル化合物から誘導される構成
単位を含んでいる。具体的な耐衝撃改良剤としては、エ
チレン・酢酸ビニル、エチレン・エチルアクリレート共
重合体、SEBS(スチレン・エチレン・ブチレン・スチレ
ン)、およびSBS(スチレン・ブタジエン・スチレン)ブロ
ック共重合体、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・
モノマー)、EPR(エチレン・プロピレン・ゴム)共重合体
などが挙げられるが、これらに制限されるものではな
い。
【0039】本発明で使用される耐衝撃改良剤の屈折率
は、1.51〜1.58、好ましくは1.53〜1.56の範囲にあるこ
とが望ましい。このような特定の屈折率を有する耐衝撃
改良剤としては、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン
・スチレン)樹脂、MBS(ブタジエン・スチレン・メチ
ルメタクリレート)樹脂、PVC(塩化ビニル)樹脂など
が挙げられ、このうち、ABSが好ましい。
【0040】また組成物には、離型剤、酸化防止剤、安
定剤、紫外線吸収剤、などが含まれていてもよい。離型
剤としてはメチルフェニルシリコーンオイルなどのシリ
コーン系離型剤、ペンタエリスリトールテトラステアレ
ートやグリセリンモノステアレート、モンタン酸ワック
スなど多価アルコールのカルボン酸エステル、ポリα-
オレフィンもしくはその誘導体などのオレフィン系離型
剤などが挙げられる。
【0041】安定剤として好適に用いられるものとして
は、少なくとも1個の水素又はアルキル基をもつ酸性ホ
スファイト、アルキルホスファイト、アリールホスファ
イト又は混合ホスファイト、第IB族又は第IIB族金属
のリン酸塩、リンのオキソ酸、酸性ピロリン酸金属塩又
はそれらの混合物が挙げられる。使用すべき割合の決定
はポリエステル成分、ポリカーボネート成分個々の使用
量に対して最適化される必要がある。
【0042】酸化防止剤としては、3-(3,5-ジ第三ブチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸または3-(3-第
三ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン
酸と1価ないし4価のアルコールのエステル化合物などが
挙げられる。フェノール系抗酸化剤の具体例としては、
たとえば、ステアリル-3-(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート、チオジエチレングリコ
ールビス〔3-(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕、1,6-ヘキサメチレンビス〔3-(3,
5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、1,3,5-トリス〔3-(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキ
シフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレ
ート、テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ第三ブチル-4-
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、3,9-
ビス〔1,1-ジメチル-2-{3-(3-第三ブチル-4-ヒドロキ
シ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕-
2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5. 5〕ウンデカン、ト
リエチレングリコールビス〔3-(3-第三ブチル-4-ヒドロ
キシ-5-メチルフェニル)プロピオネート〕などが好適に
用いられる。
【0043】紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリ
チレート系紫外線吸収剤などが用いられるが、特に2-(5
-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2
-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾト
リアゾール、2-(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシ
フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-te
rt-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリ
アゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5-オクチルフェニル)ベン
ゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤が好適に用いられる。
【0044】エポキシ系安定剤も用いる事ができる。さ
らに、無機及び有機燐系もしくはチォエステル系の安定
剤、チオール系、金属塩系などの安定剤を用いることも
できる。樹脂組成物には、その物性を損なわない限り、
目的に応じて樹脂組成物の混合時または成形時に、公知
の添加剤、たとえば着色剤(カーボンブラック、酸化チ
タンなどの顔料、染料)、充填剤、補強剤(ガラス繊
維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレー
ク、ミルドガラス、ガラスビーズなど)、滑剤、可塑
剤、難燃剤、流動性改良剤などが、添加されていてもよ
い。
【0045】これらの添加剤の添加量は、ポリエステル
成分、ポリカーボネート成分などの使用量に応じて適宜
選択される。 [プラスチック容器]本発明に係るプラスチック容器に
は上記した熱可塑性樹脂組成物からなる。ここでいう容
器とはボトル、ブリスターパック、プラスチック袋、ス
タンディングパウチなどが挙げられる。このようなプラ
スチック容器は、射出成形、ブロー成形、押出成形、ま
たは真空・圧空成形などにより好適に製造される。さら
にフィルムから得られる袋状の容器を作る際には、上記
熱可塑性樹脂組成物を熱溶融したのち、無延伸、1軸延
伸、逐次2軸延伸、同時2軸延伸、もしくはインフレー
ション製膜法により製造したフィルムから通常の方法に
て工業的に生産することができ、または上記熱可塑性樹
脂組成物が特定の溶媒に溶解した溶液をキャストしてフ
ィルム化するキャストフィルム製造法により製造された
フィルムから生産することができる。またキャストフィ
ルム製造法により得られたフィルムを無延伸、1軸延
伸、逐次2軸延伸、同時2軸延伸して望ましい強度、厚
さなどに調整して用いてもよい。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、特定の樹脂組成物から
形成さているので、従来製造できなかった耐衝撃性もあ
り耐薬品性もありそして耐候性もあるプラスチック容器
を得ることができる。また、耐候性にも優れているの
で、容器自身の変色も非常に少なくなる。また、本発明
で使用される樹脂組成物は成形性(高流動)にも優れて
いるため、薄肉化も可能であり、また、それによって生
産性も向上させることができるとともに、環境問題、省
資源の観点からも優れた容器を得ることが可能である。
【0047】さらに成形品自体の透明性が高いため、意
匠性に幅が広がり製品に付加価値を付けられるという優
れた特性を有する。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例により、より詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるも
のではない。なお、実施例、比較例では、以下の樹脂材
料を使用した。脂環族ポリエステル 脂環族ポリエステルとしては、ポリシクロヘキサンジメ
タノールシクロヘキサンジカルボキシレート(PCCD)を
使用した。
【0049】ポリカーボネート(PC) PCとして、日本ジーイープラスチックス(株)製、レキ
サン141を使用した。脂環族ポリエステル樹脂組成物 脂環族ポリエステル組成物として、前記PCCD:30重量
部、前記PC(レキサン141):70重量部とを溶融混
練して得られた組成物(A)、及びPCCD:25重量部、P
C:70重量部及びABS:5重量部とを溶融混練して得ら
れた組成物(B)を使用した。
【0050】ABS樹脂 ABS樹脂として、ジーイースペシャリティケミカルズ製B
LENDEX415を用いた。PET樹脂 PET樹脂としては、三井化学(株)製PET樹脂J125[P
ET樹脂(C)]及びイーストマンコダック社製のPET1
3339[PET樹脂(D)]を用いた。
【0051】PE樹脂 PE樹脂としては、昭和電工(株)製5503Dを用い
た。
【0052】
【実施例1および2、比較例1〜4】プラスチックス容
器の製造 上記各樹脂のうち、脂環族ポリエステル樹脂組成物
(A)および(B)[実施例1、2]、レキサン141、PE
T樹脂(C)、(D)、PE樹脂[比較例1〜4]を、除湿
乾燥機により80℃〜120℃で一晩乾燥させた後、押し出
しブロー成形機によりボトル状の容器を作成した。落下強度試験 容器にイオン交換水500gを加えてキャップをし、23
℃、65%RHの条件で1日放置し、その後1mの高さか
らコンクリート面に落下させ、何回目で割れたかを示し
た(n=10の平均)、最高10回まで落下させた。透明性試験 目視により、得られたボトル状プラスチック容器の透明
性を判定した。透明性の指標は以下のとおり。 液体を通し反対側が見える---○ 全く反対側が見えない---×耐薬品性 2%のひずみ治具に、ガソリン、コパトーンサンプロテ
クト(SPF30)を塗布したASTM規定された1/8インチの成
形品を固定して48時間放置して変化を観察した。耐薬品
性の指標は以下のとおり。 割れやクレーズが認められない---○ クレーズが認められる---△ 割れが認められる---×
【0053】
【表1】
【0054】表1より、脂環式ポリエステル組成物から
得られる成形品は、実使用時の耐衝撃性が高く、また耐
薬品性もPC単独の場合に比べて優れており、透明性があ
ることがわかる。また脂環式ポリエステルが流動性に優
れているため、成形性にも優れ、薄肉の成形品も成形す
ることもできる。また前記図1に説明したように、本樹
脂組成物が実質的に可視光領域の吸収を持たない脂肪族
ポリエステルを使用しているため、樹脂組成物とした
時、PCなどの光吸収による変色を抑えるという特徴を有
している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用される脂環族ポリエステルの紫
外線吸収特性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E033 BA17 BA26 BB01 CA03 CA11 CA18 4F071 AA01 AA43 AA44 AA50 AE22 AF30Y AF31Y AH05 BC04 4J002 BD033 BN153 BN163 CF03W CG01X CG03X FD010 FD050 FD070 FD090 FD160 FD203 GG01 GG02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂環族ポリエステルを含む熱可塑性樹脂組
    成物からなるプラスチック容器。
  2. 【請求項2】前記脂環族ポリエステルが、ポリシクロヘ
    キサンジメタノールシクロヘキサンジカルボキシレート
    (以後、PCCDと略す)であることを特徴とする請求項1に
    記載のプラスチック容器。
  3. 【請求項3】前記熱可塑性樹脂組成物が、脂環族ポリエ
    ステルとともにポリカーボネートを含み、 熱可塑性樹脂組成物中のポリカーボネートと脂環族ポリ
    エステルとのブレンド物の総量を100重量%としたと
    きに、ポリカーボネート:脂環族ポリエステル重量比が
    5:95〜95:5の範囲にあることを特徴とする請求項2に記
    載のプラスチック容器。
  4. 【請求項4】前記熱可塑性樹脂組成物が、75%以上の光
    線透過率を有することを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載のプラスチック容器。
  5. 【請求項5】前記熱可塑性樹脂組成物が20重量%未満の
    量で実質的に透明な耐衝撃改良剤を含むことを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチック容器。
  6. 【請求項6】耐衝撃改良剤の屈折率が1.51〜1.58の範囲
    にあることを特徴とする請求項5に記載のプラスチック
    容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006274239A (ja) * 2004-12-24 2006-10-12 Toyobo Co Ltd 透明樹脂成形物

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