JP2003136725A - 液体噴射記録ヘッド - Google Patents

液体噴射記録ヘッド

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JP2003136725A
JP2003136725A JP2002326249A JP2002326249A JP2003136725A JP 2003136725 A JP2003136725 A JP 2003136725A JP 2002326249 A JP2002326249 A JP 2002326249A JP 2002326249 A JP2002326249 A JP 2002326249A JP 2003136725 A JP2003136725 A JP 2003136725A
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liquid
heating element
heat
heating
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JP2002326249A
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English (en)
Inventor
Takuro Sekiya
卓朗 関谷
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、2値記録しかできなかったバブルイン
クジェット型インクジェット記録ヘッドにおいて、階調
記録を可能とし、さらに、その階調幅を広くできるよう
な構造を提供する。 【解決手段】 液室に導入された記録液体を前記熱エネ
ルギー作用部により加熱して気泡を発生させ、該気泡の
体積増加にともなう作用力により、前記記録液体を前記
熱エネルギー作用部111,112面とほぼ平行方向に吐
出口から液滴として吐出させる。エネルギー作用部11
1,112は独立駆動が可能であって、前記吐出口からほ
ぼ等距離に配置された2つの発熱体からなるとともに、
該発熱体には制御電極71,72、共通電極8が接続さ
れ、該電極は基板12上で前記発熱体が形成された側と
反対方向に伸び、前記電極の端部が不一致になるように
形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、液体噴射記録ヘッ
ド、より詳細には、バブルインクジェット型の液体噴射
記録ヘッドに関するものである。 【0002】 【従来の技術】ノンインパクト記録法は、記録時におけ
る騒音の発生が無視し得る程度に極めて小さいという点
において、最近、関心を集めている。その中で、高速記
録が可能であり、しかも、所謂普通紙に特別の定着処理
を必要とせずに記録の行える所謂インクジェット記録法
は、極めて有力な記録法であって、これまでにも様々な
方式が提案され、改良が加えられて商品化されたものも
あれば、現在もなお実用化への努力が続けられているも
のもある。このようなインクジェット記録法は、所謂イ
ンクと称される記録液体の小滴(droplet)を飛翔させ
記録部材に付着させて記録を行うものであって、この記
録液体の小滴の発生法及び発生された記録液体小滴の飛
翔方向を制御するための制御方法によって、幾つかの方
式に大別される。 【0003】先ず、第1の方法は、Tele type
方式(例えば、特許文献1)のものであって、記録液体
の小滴の発生を静電吸引的に行い、発生した記録液体小
滴を記録信号に応じて電界制御し、記録部材上に記録液
体小滴を選択的に付着させて記録を行うものである。こ
れに就いて、更に詳述すれば、吐出口と加速電極に電解
をかけて、一様に帯電した記録液体の小滴を吐出口より
吐出させ、該吐出した記録液体の小滴を記録信号に応じ
て電気制御可能なように構成されたxy偏向電極間を飛
翔させ、電界の強度変化によって選択的に小滴を記録部
材上に付着させて記録を行うものである。 【0004】第2の方法は、Sweet方式(例えば、
特許文献1,2)のものであって、連続振動発生法によ
って帯電量の制御された記録液体の小滴を発生させ、こ
の発生された帯電量の制御された小滴を一様の電界がか
けられている偏向電極間を飛翔させることで、記録部材
上に記録を行うものである。具体的には、ピエゾ振動素
子の付設されている記録ヘッドを構成する一部である吐
出口の前に、記録信号が印加されているように構成した
帯電電極を所定距離だけ離して配置し、前記ピエゾ振動
素子に一定周波数の電気信号を印加することでピエゾ振
動素子を機械的に振動させ、前記吐出口より記録液体の
小滴を吐出させる。この時、前記帯電電極によって吐出
する記録液体小滴には電荷が静電誘導され、小滴は記録
信号に応じた電荷量で帯電される。帯電量の制御された
記録液体の小滴は、一定の電界が一様にかけられている
偏向電極間を飛翔するとき付加された帯電量に応じて偏
向を受け、記録信号を担う小滴のみが記録部材上に付着
し得るようにされている。 【0005】第3の方式は、Hertz方式(例えば、
特許文献4)のものであって、吐出口とリング状の帯電
電極間に電界をかけ、連続振動発生法によって記録液体
の小滴を発生霧化させて記録するものである。即ち、こ
の方式では、吐出口と帯電電極間にかける電界強度を記
録信号に応じて変調することによって小滴の霧化状態を
制御し、記録画像の階調性を出して記録する。 【0006】第4の方式は、Stemme方式(例え
ば、特許文献5)のものであって、前記3つの方式とは
根本的に原理が異なるものである。即ち、前記3つの方
式は、何れも吐出口より吐出された記録液体の小滴を飛
翔している途中で電気的に制御し、記録信号を担った小
滴を選択的に記録部材上に付着させて記録を行うのに対
して、このStemme方式は、記録信号に応じて吐出
口より記録液体の小滴を吐出飛翔させて記録するもので
ある。つまり、Stemme方式は、記録液体を吐出す
る吐出口を有する記録ヘッドに付設されているピエゾ振
動素子に電気的な記録信号を印加し、この電気的記録信
号をピエゾ振動素子の機械的振動に変え、該機械的振動
に従って前記吐出口より記録液体の小滴を吐出飛翔させ
て記録部材に付着させることで行うものである。 【0007】これ等従来の4つの方式は各々に特徴を有
するものであるが、また、他方において、解決され得る
べき点が存在する。即ち、前記第1から第3の方式は、
記録液体の小滴の発生の直接的エネルギーが電気エネル
ギーであり、また小滴の偏向制御も電界制御である。 【0008】そのため、第1の方式は、構成上はシンプ
ルであるが、小滴の発生に高電圧を要し、また記録ヘッ
ドのマルチノズル化が困難である。従って、高速記録に
は不向きである。 【0009】第2の方式は、記録ヘッドのマルチノズル
化が可能で高速記録に向くが、構成上複雑であり、また
記録液体小滴の電気的制御が高度で困難であること,記
録部材上にサテライトドットが生じやすいこと等の問題
点がある。 【0010】第3の方式は、記録液体小滴を霧化するこ
とによって階調性に優れた画像を記録できる特徴を有す
るが、他方、霧化状態の制御が困難であること,記録画
像にカブリが生ずることおよび記録ヘッドのマルチノズ
ル化が困難で高速記録には不向きであること等の諸問題
点が存在する。 【0011】第4の方式は、第1乃至第3の方式に比べ
て比較的多くの利点を有する。即ち、構成上シンプルで
あること,オンデマンド(on−demand)で記録
液体を吐出口より吐出して記録を行うために、第1乃至
第3の方式のように吐出飛翔する小滴の中、画像の記録
に要さなかった小滴を回収することが不要であることお
よび第1乃至第2の方式のように導電性の記録液体を使
用する必要性がなく、記録液体の物質上の自由度が大で
あること等の大きな利点を有する。しかしながら、一方
において、記録ヘッドの加工上に問題があること,所望
の共振数を有するピエゾ振動素子の小型化が極めて困難
であること等の理由から、記録ヘッドのマルチノズル化
が難しく、またピエゾ振動素子の機械的振動という機械
的エネルギーによって記録液体小滴の吐出飛翔を行うの
で、高速記録には向かないこと等の欠点を有する。 【0012】更には、前記特許文献5に対応する特開昭
48−9622号公報(特許文献6)には、変形例とし
て前記ピエゾ振動素子等の手段による機械的振動エネル
ギーを利用する代わりに熱エネルギーを利用することが
記載されている。即ち、上記公報には、圧力上昇を生じ
させる蒸気を発生するために液体を直接加熱する加熱コ
イルをピエゾ振動素子の代わりの圧力上昇手段として使
用する、所謂バブルインクジェットの液体噴射記録装置
が記載されている。 【0013】しかし、上記公報(特許文献6)には、圧
力上昇手段としての加熱コイルに通電して液体インクが
出入りし得る口が一つしかない袋状のインク室(液室)
内の液体インクを、直接加熱して蒸気化することが記載
されているにすぎず、連続繰り返し液吐出を行う場合は
どのように加熱すれば良いかについては何等示唆される
ところがない。加えて、加熱コイルが設けられている位
置は、液体インクの供給路から遙かに遠い袋状液室の最
深部に設けられているので、ヘッド構造上複雑であるの
に加えて、高速での連続繰り返し使用には不向きとなっ
ている。しかも、上記公報(特許文献6)に記載の技術
内容からでは、実用上重要である発生する熱で液吐出を
行った後に、次の液吐出の準備状態を速やかに形成する
ことはできない。このように、従来法には、構成上,高
速記録化,記録ヘッドのマルチノズル化上,サテライト
ドットの発生および記録画像のカブリ発生等の点におい
て一長一短があって、その長所を利用する用途にしか適
用し得ないという制約が存在していた。 【0014】しかしながら、これも先に本出願人が提案
した方式(特許文献7)によって解消される。この公報
(特許文献7)記載のものは、液室内のインクを加熱し
てインクの中で気泡を発生せしめ、その気泡の作用力に
より吐出口よりインク滴を吐出させる、いわゆるバブル
インクジェット型インクジェット記録装置の基本となる
ものである。 【0015】而して、このようなバブルインクジェット
型インクジェット記録装置においては、その気泡の発生
メカニズムは、伝熱理倫の分野で知られているいわゆる
膜沸騰現象を利用しているものであり、この膜沸騰現象
によって、発生する気泡は、発生〜消滅の再現性が非常
に良く、インクジェットのインク噴射の原動力としては
最適のものである。しかしながら、その気泡の発生〜消
滅の挙動は、1か0か(気泡が発生する/消滅する)と
いうように2値的な挙動であって、気泡の大きさを変化
させることは困難である。よって、このようなバブルイ
ンクジェット型インクジェット記録装置は、2値記録に
適した記録方法である。 【0016】しかしながら、近年、市場ではより高画質
が要求されるようになり、単なる2値記録画像ではな
く、いわゆる階調記録が必要になってきている。そし
て、このような階調記録を実現するための1方法とし
て、例えば、特開昭55−132259号公報(特許文
献8)に開示されている方法がある。それによれば、少
なくとも2つの独立に信号を入力し得る発熱体の各々に
入力される信号の入力タイミングを適宜ずらすことによ
って、階調記録を行うというものである。つまり、2つ
の発熱体で、2つの気泡を発生させ、その発生タイミン
グをずらして、吐出口より吐出させるインク滴の量を微
妙に変化させようというものである。 【0017】この考え方は、アイデアとしてはおもしろ
いものではあるがもともと2値的な挙動をとる気泡に、
アナログ的な作用を持たせようとするにはやはり無理が
あり、吐出インク滴の量を変化させることは、必ずしも
再現良く実現できなかった。 【0018】 【特許文献1】米国特許第3060429号明細書 【特許文献2】米国特許第3596275号明細書 【特許文献3】米国特許第3298030号明細書 【特許文献4】米国特許第3416153号明細書 【特許文献5】米国特許第3747120号明細書 【特許文献6】特開昭48−9622号公報 【特許文献7】特公昭56−9429号公報 【特許文献8】特開昭55−132259号公報 【0019】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のごと
き実情に鑑みてなされたもので、その目的は、従来、2
値記録しかできなかったバブルインクジェット型インク
ジェット記録ヘッドにおいて、階調記録(多値記録)を
可能とし、さらに、その階調幅を広くできるような構造
を提案することにある。 【0020】 【課題を解決するための手段】本発明は、熱エネルギー
作用部を設けた流路、該流路に記録液体を導入するため
の液室、及び、該液室に記録液体を導入する手段を備
え、導入される記録液体を前記熱エネルギー作用部によ
り加熱して気泡を発生させ、該気泡の体積増加にともな
う作用力により、前記記録液体を前記熱エネルギー作用
部面とほぼ平行方向に吐出口から液滴として吐出させる
液体噴射記録ヘッドにおいて、前記熱エネルギー作用部
はシリコン基板上に半導体プロセスによって形成された
独立駆動が可能であって、前記吐出口からほぼ等距離に
配置された2つの発熱体からなるとともに、該発熱体に
は制御電極、共通電極が接続され、該電極は前期シリコ
ン基板上で前記発熱体が形成された側と反対方向に伸
び、前記発熱体が形成された側と対を成す側に伸びて、
前記電極の端部が不一致になるように形成されることを
特徴としたものである。 【0021】 【発明の実施の形態】図1は、本発明が適用されるバブ
ルインクジェット型記録ヘッドの一例を説明するための
分解斜視図であって、図1(A)はヘッド斜視図、図1
(B)はヘッドを構成する蓋基板の斜視図、図1(C)
は発熱体基板の斜視図、図1(D)は蓋基盤を裏側から
見た斜視図であり、図中、101は蓋基板、102は発
熱体基板、103は記録液体流入口、104は吐出口、
105は流路、106は液室を形成するための領域、1
07は個別(独立)の制御電極、108は共通電極、1
09は発熱体である。 【0022】図2は、本発明が好適に適用される熱を利
用するいわゆるバブルインクジェット方式のインクジェ
ットのインク滴吐出の原理を説明するための図である。
図2(A)は定常状態であり、吐出口面でインク110
の表面張力と外圧とが平衡状態にある。図2(B)は発
熱体109が加熱されて、発熱体109の表面温度が急
上昇し隣接インク層に沸騰現象が起きるまで加熱され、
微小気泡111が点在している状態にある。図2(C)
は発熱体109の全面で急激に加熱された隣接インク層
が瞬時に気化し、沸騰膜を作り、この気泡111が成長
した状態である。この時、吐出口内の圧力は、気泡の成
長した分だけ上昇し、吐出口面での外圧とのバランスが
くずれ、吐出口よりインク柱が成長し始める。図2
(D)は気泡111が最大に成長した状態であり、吐出
口面より気泡の体積に相当する分のインク110が押し
出される。この時、発熱体109には電流が流れていな
い状態にあり、発熱体109の表面温度は降下しつつあ
る。気泡111の体積の最大値は電気パルス印加のタイ
ミングからやや遅れる。 【0023】図2(E)は気泡111がインクなどによ
り冷却されて収縮を開始し始めた状態を示す。インク柱
の先端部では押し出された速度を保ちつつ前進し、後端
部では気泡の収縮に伴って吐出内口圧の減少により吐出
口面から吐口内へインクが逆流してインク柱にくびれが
生じている。図2(F)はさらに気泡111が収縮し、
発熱体面にインクが接し発熱体面がさらに急激に冷却さ
れる状態にある。吐出口面では、外圧が吐出口内圧より
高い状態になるため、メニスカスが大きく吐出口内に入
り込んできている。インク柱の先端部は液滴112にな
り記録紙の方向へ5〜10m/secの速度で飛翔して
いる。図2(G)は吐出口にインクが毛細管現象により
再び供給(リフィル)されて図2(A)の状態に戻る過
程で、気泡は完全に消滅している。 【0024】以上が、従来より知られている熱を利用し
たバブルインクジェット型記録ヘッドの一般的な構成,
原理であるが、本発明は、1つの吐出口に対して、該吐
出口からほぼ等距離に配設され、独立駆動が可能で、発
熱能力が異なる2つの発熱体を有し、階調記録を可能と
したインクジェットヘッドを提案するものである。 【0025】図3に本発明の発熱体基板の一例を示す。
本発明は、図1(C)に示した発熱体109をそれぞれ
独立駆動可能な2つの発熱体11(111,112)にし
たものというように理解される。71,72はそれぞれに
対応した制御電極、8は共通電極である。 【0026】図4は、本発明に使用する発熱体基板につ
いて説明するための図で、図4(A)はインクジェット
ヘッドの吐出口側から見た正面詳細部分図、図4(B)
は図4(A)をB−B線で切断した場合の切断面部分図
である。図4に示された記録ヘッド10は、その表面に
発熱体11(111,112)が設けられている基板12
上に、所定の線密度で、所定の幅と深さの溝が所定数設
けられている流路基板13を、基板12を覆うように接
合することによって、液体を飛翔させるための吐出口1
4(141,142,143)を含む液吐出部15が形成
された構造を有している。液吐出部15は、吐出口14
と発熱体11より発生される熱エネルギーが液体に作用
して気泡を発生させ、その体積の膨張と収縮による急激
な状態変化を引き起こすところである熱作用部16とを
有する。 【0027】なお、発熱体11(111,112)は、前
述のように、1つの吐出口14に対して、該吐出口14
からほぼ等距離に配設され、独立駆動が可能で、発熱能
力が異なる2つの発熱体であり、画像情報に応じて、発
熱体111,あるいは発熱体112をそれぞれ単独で駆動
したり、あるいは発熱体111及び発熱体112を同時に
駆動する。 【0028】熱作用部16は、発熱体11の熱発生部1
7の上部に位置し、熱発生部17の液体と接触する面と
しての熱作用面18をその底面としている。熱発生部1
7は、基板12上に設けられた下部層19,該下部層1
9上に設けられた発熱抵抗層20(20−11,20−
2,20−21,20−22,20−31,20−
2),該発熱体抵抗層20上に設けられた上部層21
とで構成される。発熱抵抗層20(20−11,20−
2,20−21,20−22,20−31,20−32
には、熱を発生させるために該層20に通電させるため
の電極22,23がその表面に設けられており、これら
の電極間の発熱抵抗層20によって熱発生部17が形成
されている。 【0029】上部層21は、熱発生部17においては、
発熱抵抗層20を使用する液体から化学的,物理的に保
護するために、発熱抵抗層20と液吐出部15の液流路
を満たしている液体とを隔絶するとともに、液体を通じ
て電極22,23間が短絡するのを防止し、さらに、隣
接する電極間における電気的リークを防止する役目を有
している。上部層21は、上記のような機能を有するも
のであるが、発熱抵抗層20が耐液性であり、かつ液体
を通じて電極22,23間が電気的に短絡する必要が全
くない場合には、必ずしも設ける必要はなく、発熱抵抗
層20の表面に直ちに液体が接触する構造の発熱体とし
て設計してもよい。 【0030】下部層19は、熱容量制御機能を有する。
すなわち、この下部層19は液滴吐出の際には、発熱抵
抗層20で発生する熱が基板12側に伝導するよりも、
熱作用部18側に伝導する割合ができる限り多くなり、
液滴吐出後、つまり発熱抵抗層20への通電がOFFさ
れた後には、熱作用部18及び熱発生部17にある熱が
速やかに基板12側に放出されて、熱作用部16にある
液体および発生した気泡が急冷されるために設けられ
る。つまり、気泡発生時には蓄熱機能を持ち、気泡消滅
時には放熱機能を持つ。 【0031】具体的な材料としては、例えば、基板とし
てシリコンを用いる場合には、熱酸化によってシリコン
基板上に成長させられるSiO2、あるいはスパッタリ
ングによって形成されるSiO2が挙げられる。そし
て、それらの厚さは1μm〜10μmとされる。他に、
基板としてガラス等が用いられる場合は、スパッタリン
グによって形成されるSiO2を用いてもよいし、ガラ
ス自体がその主成分がSiO2であるため、特別にSi
2を形成することなく、基板そのものを下部層19と
兼用してもよい。他に、アルミナを基板として用いる場
合には、ガラス質のいわゆるグレース層が用いられる。 【0032】発熱抵抗層20を構成する材料として有用
なものには、タンタル−SiO2の混合物,窒化タンタ
ル,ニクロム,銀−パラジウム合金,シリコン半導体、
あるいはハフニウム,ランタン,ジルコニウム,チタ
ン,タンタル,タングステン,モリブデン,ニオブ,ク
ロム,バナジウム等の金属の硼化物が挙げられる。発熱
抵抗層20を構成するこれらの材料の中、殊に金属硼化
物を優れたものとして挙げることができ、その中でも最
も特性の優れているのが硼化ハフニウムであり、次い
で、硼化ジルコニウム,硼化ランタン,硼化タンタル,
硼化バナジウム,硼化ニオブの順となっている。 【0033】発熱抵抗層20は、上記の材料を用いて、
電子ビーム蒸発やスパッタリング等の手法を用いて形成
することができる。発熱抵抗層20の膜厚は、単位時間
あたりの発熱量が所望通りとなるように、その面積,材
質および熱作用部分の形状及び大きさ、さらには実際面
での消費電力等にしたがって決定されるものであるが、
通常の場合、0.001μm〜5μm、好適には、0.0
1μm〜1μmとされる。本発明では、一例として、H
fB2を2000Å(0.2μm)スパッタリングした。 【0034】電極22,23を構成する材料としては、
通常使用されている電極材料の多くのものが有効に使用
され、具体的には、例えば、Al,Ag,Au,Pt,
Cu等があげられ、これらを使用して、蒸着等の手法で
所定位置に所定の大きさ,形状,厚さで設けられる。本
発明では、Alをスパッタリングにより1.4μm形成
した。 【0035】保護層(上部層)21に要求される特性
は、発熱抵抗層20で発生された熱を記録液体に効果的
に伝達することを妨げずに、記録液体より発熱抵抗層2
0を保護するということである。保護層21を構成する
材料として有用なものには、例えば、酸化シリコン,窒
化シリコン,酸化マグネシウム,酸化アルミニウム,酸
化タンタル,酸化ジルコニウム等が挙げられる。これら
は、電子ビーム蒸着やスパッタリング等の手法を用いて
形成することができる。また、炭化ケイ素,酸化アルミ
ニウム(アルミナ)等のセラミック材料も好適に用いら
れる材料である。保護膜層21の膜圧は、通常は、0.
01μm〜10μm、好適には、0.1μm〜5μm、
最適には0.1μm〜3μmとされるのが望ましい。本
発明では、スパッタリングにより、SiO2を1.2μm
形成した。 【0036】このように形成した発熱体基板は、図1に
示したように、流路基板を積層してインクジェットヘッ
ドとして完成する。前述のように、本発明と類似の構成
の液体噴射記録方法が、特開昭55−132259号公
報(特許文献8)に開示されているが、その方法は、2
つの発熱体で、2つの気泡を発生させ、その発生タイミ
ングをずらして、吐出口より吐出させるインク滴の量を
微妙に変化させようというものであるが、もともと2値
的な挙動をとる気泡に、アナログ的な作用を持たせよう
とするにはやはり無理があり、吐出インク滴の量を変化
させることは、必ずしも再現良く実現できなかった。 【0037】そこで、本発明では、1の吐出口に対して
2つの発熱体を有し、それら2つの発熱体はそれぞれ異
なる発熱能力を有するようにしている。そして、それら
2つの発熱体をそれぞれ単独で、あるいは同時に駆動し
て、それぞれの場合に流路内で異なる大きさの気泡を発
生させ、それによって吐出口より吐出させるインク滴の
量を変え、階調記録を行うというものである。 【0038】2つの発熱体がそれぞれ異なる発熱能力を
有するようにしているのは、 階調幅を増やすためであ
る。今、2つの発熱体が同じ発熱能力を有するものとし
た場合、とりうる階調段階は3段階である。つまり、1
つの発熱体の発熱能力をJとすると、0,J,2Jの3
段階に発熱状態をとることが可能である(3値)。 【0039】一方、本発明のように、2つの発熱体の発
熱能力が異なるようにした場合は、4段階に発熱状態を
とることができる。つまり、第1の発熱体の発熱能力を
J1、第2の発熱体の発熱能力をJ2とすると、本発明
では、画像情報に応じて、0,J1,J2,J1+J2
の段階に発熱状態をとることができる(4値)。 【0040】本発明では、さらに2つの発熱体の発熱能
力差が、一方の1倍より大きく2倍より小さいようにし
ている。これは、2値から3値の間における階調変化幅
が大きくなりすぎないようにするためである。具体例を
挙げて説明する。今、J1の発熱能力を1、J2の発熱
能力を2.5とする(これは本発明の範囲からはずれる
例である)と、その発熱状態は0,1,2.5,3.5と
いうように4値となる。しかしながら、2値から3値の
間における階調変化幅は、1から急に2.5になり、変
化率が大きすぎ(2.5倍)、滑らかな階調変化が得ら
れなくなり、画像としてみた場合、疑似輪郭が発生する
という不具合がある。 【0041】一方、例えば、J1の発熱能力を1,J2
の発熱能力を1.5とする(これは本発明の範囲に入る
例である)と、その発熱状態は、0,1,1.5,2.5
というように4値となり、2値から3値の間における階
調変化幅は、1から1.5になり、変化率が大きすぎる
ということはなく(1.5倍)、滑らかな階調変化が得
られ、画像としてみた場合、疑似輪郭はほとんどみられ
ない。もちろん、この例では、J2の発熱能力を1.5
としたが、その発熱知能力を2に近い、例えば、1.9
とすると、2値から3値の間における階調変化幅は、1
から1.9になり、変化率も1.9倍であり、次第に階調
変化の滑らかさはなくなっていくが、それでもその変化
率が2倍より小さければ実用的な範囲であることが実験
的にわかっている。 【0042】本発明では、さらに、2つの発熱体は、吐
出口からほぼ等距離に配設するようにしている。具体的
には、図3に示したように、2つの発熱体111,112
をパラレルにならべればよいが、一方で、1つの吐出口
に対して、2つあるいはそれ以上の発熱体を設ける例と
して、図5に示すように、シリーズにならべる方法も考
えられる。 【0043】この図5の方法は、本発明に比べて、1つ
の吐出口に対して、2つあるいはそれ以上の発熱体を設
けることが容易(本発明のような発熱体の配列方法は、
実用的には2つが限界であり、それ以上の数の発熱体を
設けることは困難)に見えて、一見良さそうに見える
が、実際には、安定したインク滴吐出を行うには、吐出
口発熱体間の距離が重要であり、安定したインク滴吐出
が得られる距離は、その許容値があまり大きくなく、2
つの発熱体を設けた場合、それらと吐出口での距離はほ
ぼ等距離にするのが望ましい。 【0044】つまり、図5のような発熱体の配列方法
は、一見、2つ以上の多くの発熱体(111,112,1
3)をならべることができて、本発明よりも良い方法
に見えるが、実は発熱体だけは2つ以上並べることがで
きても、安定したインク滴吐出ができるのは吐出口発熱
体間の距離が最適になっている1個の発熱体だけであ
り、良好なインク滴吐出を行うには不向きな構成といえ
る。 【0045】次に、このように2つの発熱体能力を異な
らせる具体的な構成について説明する。最も簡単な方法
として、発熱体へのエネルギーを変える方法がある。こ
の場合も単に入力エネルギーを変えればよいというわけ
ではなく、2つの発熱体への入力エネルギー差が、一方
の1倍より大きく2倍より小さいようにする。この理由
は、前述の2つの発熱体の発熱能力差が一方の1倍より
大きく2倍より小さくしている場合と同様に、2値から
3値の間における階調変化幅が大きくなりすぎないよう
にするためである。 【0046】さらにまた、別の理由は、発熱体の耐久性
のためである。前述のように、このような発熱体は、シ
リコン,アルミナ,ガラス等の基板上に、薄膜形成,エ
ッチング等のプロセスによって形成されるが、2つの発
熱体はほぼ同様な組成,膜厚にされる。もちろん後述す
るようにその発熱能力を変えるために、組成,膜厚等を
変えることもあるが、基本的には2つの発熱体を形成す
るプロセスは同じか、同じようなものであり、形成され
た発熱体の耐久性が大きく違うということはない。つま
り、2つの発熱体でそれぞれ入力エネルギーを変える場
合、一方に入力するエネルギーを他方に入力するエネル
ギーの何倍にもすることは実際には不可能である(破損
する)。耐久性の面からせいぜい他方の2倍まで位にす
る必要がある。 【0047】具体的には、例えば駆動電圧を変える場
合、一方を20Vとする場合、他方は最大でも40V未
満にすべきである。あるいは駆動パルス幅を変える場
合、一方を5μsとする場合、他方は最大でも10μs
未満にすべきである。さらにそれらを組み合わせて変え
る場合、一方を30μJとする場合、他方は最大でも6
0μJ未満にするべきである。このように、2つの発熱
体への入力エネルギー差を最大でも2倍未満とすること
により、2値から3値の間における階調変化率が大きす
ぎるということはなく、滑らかな階調変化が得られ、ま
た発熱体も破損するということがない。 【0048】次に、このように2つの発熱体の発熱能力
を異ならせる他の具体的な構成について説明する。前述
のように、本発明の発熱体は、シリコン,アルミナ,ガ
ラス等の基板上に、薄膜形成,エッチング等のいわゆる
半導体プロセスによって形成されるが、その際、エッチ
ングのためのフォトマスクのパターンサイズを変えるこ
とにより、簡単に2つの大きさの異なる発熱体を形成で
きる。この場合も前述と同様に2つの発熱体の発熱能力
差が、一方の1倍より大きく2倍より小さくなるように
2つの発熱体の大きさは決められる。具体的には、面積
を他方の2倍未満にすればよい。 【0049】次に、このように2つの発熱体の発熱能力
を異ならせるさらに他の具体的な構成について説明す
る。ここでは発熱体の抵抗値を異ならせる例を説明す
る。例えば、発熱体材料として、タンタル−SiO2
混合物を用いた場合、タンタルとSiO2の割合を変え
ることによって形成される2つの発熱体の抵抗値を容易
に変えることができる。通常発熱体の抵抗値は、50〜
150Ω程度にするが、例えば一方の発熱体の抵抗値を
100Ωとした場合、他方の発熱体は150Ω程度にす
る。この場合も最大でも、一方の発熱体の2倍未満の抵
抗値とする。 【0050】抵抗値を高くする場合は、この例ではSi
2の比率が高くなるようにすればよい。また2つの発
熱体でそれぞれ抵抗値が異なるので、発熱体部の薄膜形
成〜フォトリソ等の工程は2つの発熱体で別々に行う必
要がある。なお、ここではタンタル−SiO2の混合物
の例をあげたが、他の材料でも同様に比率を変えたり、
あるいは添加する不純物の量を変えることによって、抵
抗値を変えることができる。 【0051】次に、このように2つの発熱体の発熱能力
を異ならせるさらに他の具体的な構成について説明す
る。ここでは発熱体の厚さを異ならせる例を説明する。
前述のように、本発明の発熱体は、シリコン,アルミ
ナ,ガラス等の基板上に、薄膜形成,エッチング等のい
わゆる半導体プロセスによって形成されるが、スパッタ
リング等による発熱体材料の薄膜形成時に、その形成時
間をコントロールして、膜厚を変えればよい。この場合
も前述と同様に2つの発熱体の発熱能力差が、一方の1
倍より大きく2倍より小さくなるように2つの発熱体の
厚さは決められる。また2つの発熱体でそれぞれ厚さが
異なるので、発熱体部の薄膜形成〜フォトリソ等の行程
は2つの発熱体で別々に行う必要がある。 【0052】次に、このように2つの発熱体の発熱能力
を異ならせるさらに他の具体的な構成について説明す
る。ここでは、発熱体の材質を異ならせる例を説明す
る。前述のように、本発明に使用される発熱体の材料
は、タンタル−SiO2の混合物,窒化タンタル,ニク
ロム,銀−パラジウム合金,シリコン半導体,あるいは
ハフニウム,ランタン,ジルコニウム,チタン,タンタ
ル,タングステン,モリブデン,ニオブ,クロム,バナ
ジウム等の金属の硼化物があるが、2つの発熱体でそれ
ぞれ別々の材料で薄膜形成を行えばよい。その際、形成
された2つの発熱体は、この場合も最大でも、一方の発
熱体の2倍未満の抵抗値となるようにする。 【0053】次に、このように2つの発熱体の発熱能力
を異ならせるさらに他の具体的な構成について説明す
る。ここでは、発熱体の放熱特性を異ならせる例を説明
する。本発明では、インク中で発熱体を瞬時に発熱さ
せ、いわゆる膜沸騰気泡を発生させ、その気泡の成長に
よる作用力でインク滴を吐出口より噴射させるわけであ
るが、発生する気泡の大きさは、発熱体の発熱能力によ
って変わることはいうまでもないが、発熱体の放熱特性
によっても変わる。別の表現をするならば、発熱体及び
その周辺の領域の放熱特性、あるいは発熱体およびその
周辺の領域の熱容量,熱伝導特性の違いによっても変わ
る。 【0054】つまり、2つの発熱体に同じ入力エネルギ
ーを加えても、発熱体の放熱特性、あるいは熱容量等が
異なれば、結果として気泡を発生させるための発熱能力
が異なることと同じである。この場合も、前述と同様
に、2つの発熱体の放熱特性、あるいは熱容量等の差
は、一方の1倍より大きく2倍より小さくなるように決
められる。 【0055】次に、このように2つの発熱体の放熱特
性、あるいは熱容量等を異ならせる具体的な構成につい
て説明する。図6は、2つの発熱体(111,112
を、それぞれ独立駆動させるための電極(71,72)の
幅を変えた例である。通常このような電極は、Al等の
金属材料が用いられるが、Alは非常に熱伝導率の高い
材料であるため、発熱体で発生した熱は、発生と同時に
Alの方に移動する。言い換えるならば、このようなA
lの電極は放熱性がよいということである。 【0056】よって、図6のように、2つの発熱体で電
極幅を異ならせれば、この2つの発熱体は発熱能力が同
じであったとしても、放熱能力が異なるため、結果とし
て気泡を発生させる能力が異なったものとなる。つま
り、電極幅が細い方の発熱体は、電極幅が太い方の発熱
体よりも熱が逃げにくいので、気泡発生能力が大きいと
いうことができる(大きい気泡が発生する)。なお、こ
こではAlを例に挙げて説明したが、他のAu,Cu等
の金属材料であってもよいことはいうまでもない。 【0057】次に、このように2つの発熱体の放熱特
性、あるいは熱容量等を異ならせる他の具体的な構成に
ついて説明する。前述のように、本発明の下部層19
は、熱容量制御機能を有する。すなわち、2つの発熱体
が形成される領域のこの下部層19の厚さを変えること
によって2つの発熱体の放熱特性、あるいは熱容量等を
異ならせることができる。具体的には、例えば、基板と
してシリコンを用い、熱酸化によってシリコン基板上に
SiO2を成長させた後に、フォトリソ,エッチングを
行って、2つの発熱体が形成される領域の一方のSiO
2を薄くする。この場合も、この熱作用領域の発熱能力
の差が、一方の1倍より大きく2倍より小さくなるよう
に下部層19の厚さが決められる。 【0058】次に、このように2つの発熱体の放熱特
性、あるいは熱容量等を異ならせるさらに他の具体的な
構成について説明する。前述のように、Al等の金属材
料が熱伝導率が高く、発熱体で発生した熱の放熱量を制
御できることを説明した。そこで、ここでは、前述の例
のように、Al等の金属材料を電極として用いるだけで
はなく、放熱体として用いる例を説明する。 【0059】つまり、前記2つの発熱体のどちらか一方
に放熱体を設けるか、もしくは両方にそれぞれ放熱能力
の異なる放熱体を設けるものである。図7に示すものは
はその一例であり、図3に示した2つの発熱体の一方の
上(又は下)にAl等の金属材料層24を形成し、その
領域の放熱特性を高くした例である。このように一方の
発熱体の放熱特性を高くすることにより、2つの発熱体
の発熱能力が異なり、それぞれで発生させる気泡の大き
さを変えることができる。 【0060】この場合も、この熱作用領域の発熱能力の
差が、一方の1倍より大きく2倍より小さくなるように
上記金属層24による放熱体形成領域の広さが決められ
る。またこのような金属層は、Au等のように耐インク
腐食性に優れた材料である場合には、発熱領域の最表面
(インクに接する面)に形成してもよいが、Al,Cu
等のように耐インク腐食性に劣る材料を使用する場合に
は、直接インクに接しないように、保護層より下の層の
どこかに形成する。また、不必要な導通を避けるため
に、絶縁処理をしておくことはいうまでもない。 【0061】次に、このように2つの発熱体の放熱特
性、あるいは熱容量等を異ならせるさらに他の具体的な
構成について説明する。前述のように、本発明の保護層
(上部層)21の代表例としてSiO2が挙げられる
が、これは下部層19の例でも説明したように、熱容量
制御機能を有する。従って、下部層19の場合と同じよ
うに、2つの発熱体が形成される領域のこの保護層(上
部層)21の厚さを変えることにより、2つの発熱体の
放熱特性、あるいは熱容量等を異ならせることができ
る。具体的には、スパッタリング等によってSiO2
保護層を形成した後に、フォトリソ,エッチングを行っ
て、2つの発熱体が形成される領域の一方のSiO2
薄くすればよい。この場合も、この熱作用領域の発熱能
力の差が、一方の1倍より大きく2倍より小さくなるよ
うに保護層(上層部)21の厚さが決められる。なお、
保護層(上部層)21の材料としてSiO2の例で説明
したが、他の材料であってもよいことはいうまでもな
い。 【0062】 【発明の効果】1つの吐出口に対応して、独立駆動が可
能であって、吐出口からほぼ等距離に配置された2つの
発熱体を設けたので、画像情報に応じてそれぞれの発熱
体を独立、あるいは共同して駆動して、発生させる気泡
の大きさを変え、前記吐出口から吐出する液滴の質量を
変えるいわゆるドット径変調による階調記録(多値記
録)が可能となった。また、このような独立駆動が可能
な2つの発熱体に接続される電極は数が多くなるが、基
板端部において電極の端部が不一致になるようにしたの
で、外部との接続部(ボンディングパット部)を前後さ
せた配置にすることができ、それが機能を果たすのに十
分な大きさとすることができた。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明が適用される液体噴射記録ヘッドの分
解斜視図である。 【図2】 本発明が適用されるバブルインクジェット方
式のインクジェットのインク滴吐出の原理を説明するた
めの図である。 【図3】 本発明の発熱体基板の斜視図である。 【図4】 本発明の発熱体基板を説明するための断面図
であって、図4(A)は表面詳細図、図4(B)は図4
(A)におけるB―B断面図である。 【図5】 電極及び発熱体の配列例を説明するための図
である。 【図6】 電極及び発熱体の他の配列例を説明するため
の図である。 【図7】 放熱特性、あるいは熱容量を異ならせた2つ
の発熱体を備えた本発明の発熱体基板の斜視図である。 【符号の説明】 8,108…共通電極、10…ノズル、11…発熱体、
12…基板、13…流路基板、14…吐出口、15…液
吐出部、16…熱作用部、17…熱発生部、18…熱作
用部、19…下層部、20…発熱抵抗層、21…上部
層、22,23…電極、24…金属材料層、101…蓋
基板、102…発熱体基板、103…記録液体流入口、
104…吐出口、105…流路、106…液室を形成す
る領域、107…個別制御電極、109…発熱体、11
0…インク、111…気泡、112…液滴。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 熱エネルギー作用部を設けた流路、該流
    路に記録液体を導入するための液室、及び、該液室に記
    録液体を導入する手段を備え、導入された記録液体を前
    記熱エネルギー作用部により加熱して気泡を発生させ、
    該気泡の体積増加にともなう作用力により、前記記録液
    体を前記熱エネルギー作用部面とほぼ平行方向に吐出口
    から液滴として吐出させる液体噴射記録ヘッドにおい
    て、前記熱エネルギー作用部はシリコン基板上に半導体
    プロセスによって形成された独立駆動が可能であって、
    前記吐出口からほぼ等距離に配置された2つの発熱体か
    らなるとともに、該発熱体には制御電極、共通電極が接
    続され、該電極は前記シリコン基板上で前記発熱体が形
    成された側と反対方向に伸び、前記発熱体が形成された
    側と対を成す側に伸びて、前記電極の端部が不一致にな
    るように形成されることを特徴とする液体噴射記録ヘッ
    ド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3815759A1 (en) * 2019-10-31 2021-05-05 Canon Kabushiki Kaisha Ultrafine bubble generating apparatus and method of manufacturing element substrate

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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