JP2003136548A - Rtm成形用資材およびその資材を用いたrtm成形法 - Google Patents

Rtm成形用資材およびその資材を用いたrtm成形法

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JP2003136548A JP2002239411A JP2002239411A JP2003136548A JP 2003136548 A JP2003136548 A JP 2003136548A JP 2002239411 A JP2002239411 A JP 2002239411A JP 2002239411 A JP2002239411 A JP 2002239411A JP 2003136548 A JP2003136548 A JP 2003136548A
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resin
rtm molding
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Shiyouji Murai
彰児 村井
Akihiko Kitano
彰彦 北野
Hitoshi Nishiyama
等 西山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 離型資材および分散媒体を使用するRTM成
形法において、これら成形用資材の賦形を容易にかつ短
時間で行うことができるようにすると共に、分散媒体の
賦形性を確保しつつそのずれを防止して、成形品に樹脂
未含浸部が発生しないようにした、RTM成形用資材1
およびその資材1を用いたRTM成形法を提供する。 【解決手段】 液状樹脂を透過可能な可撓性の離型資材
2の少なくとも一部に、可撓性の樹脂分散媒体3が局部
的に接合されて接合部4を形成し、そして一体化されて
いることを特徴とするRTM成形用資材1、およびその
資材を用いたRTM成形法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば輸送機器、
建築材料、各種産業機器用部材などに好適に使用できる
FRP(繊維強化プラスチック)構造体を成形するため
のRTM(ResinTransfer Molding) 成形法に用いる成
形用資材およびその成形用資材を用いたRTM成形法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば自動車のボンネットや
航空機のドアフレームなどの製造に用いられているFR
P構造体を成形法の一つとして、強化繊維基材が配され
減圧された成形型内へ液状の樹脂を注入して強化繊維基
材に含浸させ、硬化させるRTM成形法が知られてい
る。また、このRTM成形法において、注入樹脂を所定
部位全般にわたって良好に分散させるために、ネット状
のもの等からなる樹脂の分散媒体を強化繊維基材の表面
上に配置する方法、および、この分散媒体は本質的にF
RPを構成するものではないから、成形後に剥離できる
ように、分散媒体と強化繊維基材の間に樹脂透過性の離
型資材(ピールプライとも呼ばれている。)を介在させ
る方法も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のRTM成形法においては、強化繊維基材の表面上
に離型資材を配置し、さらにその上に分散媒体を配置す
るので、これら成形用資材を強化繊維基材の表面に沿わ
せて賦形するのに時間がかかるという問題がある。ま
た、分散媒体は、ネット状のもの等からなるので、変形
したり位置がずれやすく、型内で分散媒体がずれると、
樹脂が良好に分散されない部分が生じることがあり、そ
の部分に対応する強化繊維基材部分に樹脂が良好に含浸
されなくなって、成形品に樹脂未含浸部が生じるおそれ
がある。特に複雑な形状や曲面部を有するFRP構造体
を成形する場合に、このような問題が生じやすい。
【0004】そこで本発明の課題は、離型資材および分
散媒体を使用するRTM成形法において、これら成形用
資材の賦形を容易にかつ短時間で行うことができるよう
にするとともに、分散媒体の賦形性を確保しつつそのず
れを防止して成形品に樹脂未含浸部が発生しないように
した、RTM成形用資材およびその資材を用いたRTM
成形法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るRTM成形用資材は、液状樹脂を透過
可能な可撓性の離型資材の少なくとも一部に、可撓性の
樹脂分散媒体が局部的に接合されて一体化されているこ
とを特徴とするものからなる。
【0006】このRTM成形用資材においては、上記離
型資材と分散媒体の接合部の面積を1箇所当たり1cm
2 以下とすることが好ましい。
【0007】また、離型資材と分散媒体の接合部の形状
としては、長さ/幅比を表すアスペクト比にて20以下
とすることが好ましい。
【0008】また、離型資材と分散媒体の接合部の接合
強度としては、180度引き剥がし試験にて1箇所当た
り5g〜1000gの範囲内にあることが好ましい。
【0009】さらに、離型資材と一体化される分散媒体
は一種類であってもよいが、樹脂が流れやすい部位、流
れにくい部位等に応じて、複数種の分散媒体を使用し、
それらを離型資材と一体化するようにしてもよい。
【0010】本発明に係るRTM成形法は、このような
RTM成形用資材を用いる成形法であり、強化繊維基材
の表面に沿わせて、上記のようなRTM成形用資材を、
離型資材側が強化繊維基材の表面側になるように配し、
周囲を減圧して(たとえば、型内を減圧して)樹脂を注
入し、注入した樹脂を分散媒体を介して分散させつつ、
離型資材を通して強化繊維基材に含浸させ、含浸後に樹
脂を硬化させることを特徴とする方法からなる。また、
上記RTM成形法において、周囲を減圧せず、樹脂を加
圧注入して含浸させる方法であってもよい。樹脂硬化後
には、離型資材および分散媒体をそのまま成形品内に残
すことも可能であるが、通常、重量軽減のため、離型資
材を剥離することにより、離型資材および分散媒体を成
形品から除去する。
【0011】本発明の繊維強化複合材料は、離型資材お
よび分散媒体の少なくとも一部を成形品内に残すこと
で、成形品の剛性を向上させることができる。
【0012】上記のような本発明に係るRTM成形用資
材およびその資材を用いたRTM成形法においては、離
型資材と分散媒体が一体化されているので、これら部材
を別々に配置、賦形する必要がなく、単に一体化された
RTM成形用資材を強化繊維基材の表面に沿わせて配置
するだけで、所定の賦形が完了し、成形のための賦形の
作業が大幅に簡略化されるとともに時間が短縮される。
【0013】また、離型資材と分散媒体が一体化されて
いるので、分散媒体自体がずれやすいものから構成され
ていたとしても、離型資材によって保持されることによ
り、ずれの発生が防止される。また、一体化は、分散媒
体を局部的に離型資材に接合することによって行われて
いるので、分散媒体として要求される変形容易姓や賦形
性が損なわれることはなく、分散媒体は、曲面や複雑な
表面形状を有する強化繊維基材に対しても、その表面に
沿わせて容易にかつ良好に賦形される。その結果、分散
媒体は、所望の形態に良好に賦形されつつその形態が安
定して保持されることになり、注入樹脂が隅々まで良好
に拡散されて、未含浸部の発生が防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施態様に係るRTM
成形用資材を示している。図1において、1はRTM成
形用資材全体を示しており、該資材1は、液状樹脂を透
過可能な可撓性のシート状部材からなる離型資材2と、
該離型資材2に接合により一体化された可撓性のシート
状部材からなる樹脂分散媒体3とから形成されている。
分散媒体3は、必ずしも離型資材2の全面に配置される
必要はなく、樹脂の分散を必要とする部位について、少
なくとも一部に配置されればよい。この分散媒体3は、
成形時に注入されてきた液状の樹脂を、強化繊維基材に
含浸すべき部位全体にわたって良好に分散できるように
するための部材であり、この目的が達成される限り形態
は特に限定されず、たとえば図示の如くネット状のシー
ト部材からなる。分散媒体3は、その全面にわたって離
型資材2に接合されるのではなく、接合部4で局部的に
接合されて離型資材2と一体化されている。つまり、強
化繊維基材の表面に対して賦形する場合、離型資材2と
分散媒体3との間のずれについてはある程度許容し、と
くに分散媒体3が強化繊維基材の表面形状に沿って良好
に賦形できるように、分散媒体3自身の動きにはある程
度の自由度が付与されている。換言すれば、分散媒体3
と離型資材2を一体化されたRTM成形用資材1として
取り扱うことができるようにしつつ、分散媒体3には良
好な賦形性を確保するために必要な自由度が与えられて
いる。
【0016】したがって、分散媒体3と離型資材2が一
体化されたRTM成形用資材1を一体物の複合資材とし
て取り扱うことができ、従来の別々に配置していた場合
に比べ、賦形のための時間が大幅に短縮されるととも
に、取り扱い性も大幅に向上される。また、離型資材2
と一体化されても、両者の接合は局部的に行われてお
り、分散媒体3自身には良好な賦形性が確保されている
ので、強化繊維基材の表面形状に沿った良好な賦形が行
われ、分散媒体3のずれによる未含浸部の発生も防止さ
れる。
【0017】上記RTM成形用資材1において、離型資
材2と分散媒体3の接合部4の面積としては、1箇所当
たり1cm2 以下とすることが好ましい。接合部4のサ
イズが1cm2 よりも大きくなると、接合部4によって
樹脂の流れが阻害されるおそれが生じるので好ましくな
い。1箇所当たり1cm2 以下であれば、接合部4にも
毛細管現象等により十分に樹脂が流れたり回り込んだり
することができる。
【0018】また、離型資材2と分散媒体3の接合部4
の形状に関しては、1箇所当たりについて、長さ/幅比
を表すアスペクト比にて20以下であることが好まし
い。アスペクト比が20よりも大きいと、とくにその長
手方向に垂直な方向の流れ等が、接合部によってせき止
められてしまうおそれがあり、未含浸部発生の原因とな
るおそれが生じる。アスペクト比が20以下であれば、
樹脂の流れを阻止することがないので、未含浸部の発生
が防止される。
【0019】また、離型資材2と分散媒体3の接合部4
の接合強度については、幅25mmの離型資材2と分散
媒体3を把持して引っ張り試験機により両者を180度
引き剥がししたときの強度(180度引き剥がし試験に
おける強度)にて、1箇所当たり5g〜1000gの範
囲内、より好ましくは5g〜500gの範囲内にあるこ
とが望ましい。接合強度がこの範囲よりも低いと、一体
化された分散媒体3が取り扱い時に不要に剥がれてしま
うおそれがあり、接合強度がこの範囲よりも高いと、修
正等が必要になり一旦分散媒体3を部分的にあるいは全
体にわたって離型資材2から剥がす必要が生じたとき、
簡単に引き剥がすことが難しくなる。上記の範囲内であ
れば、分散媒体3を簡単に引き剥がすことができ、容易
に修正を行うことが可能になる。
【0020】また、本発明に係るRTM成形用資材にお
いては、複数種の分散媒体が一体化された構成とするこ
ともできる。たとえば図2に示すように、各部の樹脂の
流れやすさに応じて、ネットの目の粗さの異なる分散媒
体3a、3b、3cを配置し、これらを局部的な接合部
4a、4b、4cを介して離型資材2と一体化すること
ができる。このようにすれば、各成形部位に応じて、そ
れぞれ最適な樹脂分散状態を得ることが可能になる。た
とえば、樹脂の流れにくい箇所(たとえば、コーナー部
や厚肉部など)には、選択的に流れの良い分散媒体を配
置することができる。
【0021】さらに、離型資材と分散媒体との接合方法
については、特に限定されず、上記のような局部的接合
を行うことができるものであれば、どのような方法でも
よい。たとえば図3に示すように、分散媒体3を離型資
材2に熱融着により接合する方法(熱融着部5)、接着
剤を介して接合する方法(接着部6)、ホッチキスなど
を用いて接合する方法(ホッチキス止め部7)等を採用
でき、これらを組み合わせて使用することもできる。
【0022】上記のように構成されたRTM成形用資材
1を用いて、本発明に係るRTM成形法は、たとえば図
4〜図6に示すように実施される。
【0023】図4は、RTM成形用の型、とくに下型1
1を示している。図示例では、下型11には、曲面を有
するキャビティ12が形成されており、このキャビティ
12に、図5に示すように、強化繊維基材13(たとえ
ば複数枚のドライの強化繊維織物)が配され、その上
に、または/および、その下あるいは基材13内に、R
TM成形用資材1が、離型資材2側が強化繊維基材13
側となるように配置される。分散媒体3と離型資材2が
一体化されたRTM成形用資材1であるので、取り扱い
は楽であり、所望の配置も容易に行われる。そして、こ
の上に図6に示すように上型14が配置されて型締めさ
れる。この状態で、真空吸引口15(図5に図示)を通
しての吸引によりキャビティ12内が減圧され、樹脂注
入口16(図5に図示)を通して液状の樹脂がキャビテ
ィ12内に注入される。樹脂を注入するときに強化繊維
基材に未含浸部がない状態で樹脂含浸ができれば、キャ
ビティ12内の負圧を利用して吸引注入しても、あるい
は樹脂を加圧して、キャビティ12内に注入してもよ
い。
【0024】注入された樹脂は、RTM成形用資材1の
分散媒体3を介して良好に拡散されつつ、離型資材2を
透過して強化繊維基材13に含浸されていく。分散媒体
3が強化繊維基材13の表面に沿って良好に賦形されて
いるので樹脂は良好に拡散され、含浸すべき強化繊維基
材13の含浸部に速やかに均一に含浸されていく。した
がって、未含浸部の発生は防止される。また、樹脂の拡
散過程においても、分散媒体3が離型資材2との一体化
により、ずれないように止められているので、分散媒体
3のずれ発生は防止され、樹脂の良好な拡散状態が確保
される。
【0025】樹脂含浸後には、加熱等により注入樹脂が
硬化され、樹脂硬化後に脱型されてFRP成形品が取り
出される。この状態では、RTM成形用資材1はFRP
成形品と一体化された状態にあるので、通常、離型資材
2をはぎ取ることにより、分散媒体3ごとRTM成形用
資材1が除去され、成形が完了する。なお、本発明にお
いて分散媒体とは、型内での樹脂流動を補助的に促進で
きればよいものであり、例えば金属、ネット、プラスチ
ックネット等がある。また、離型資材とは、強化繊維基
材に樹脂を透過することができ、後に成形品から剥ぎ取
ることができるものであればよく、例えばナイロン繊
維、ポリエステル繊維等からなる織物や不織布などがあ
る。また、本発明においてFRPとは、強化繊維により
強化されている樹脂を指し、強化繊維としては、例え
ば、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維、あるいはケブ
ラー繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維などの有
機繊維からなる補強繊維が挙げられる。FRPのマトリ
ックス樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹
脂、ポリウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、さ
らには、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ジシク
ロペンタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、及び前記
熱硬化樹脂と熱可塑樹脂のアロイ樹脂も使用可能であ
る。
【0026】また、本発明で使用する強化繊維基材と
は、上記FRPに成形する前の基材を指し、例えば樹脂
の含浸されていない強化繊維の他、強化繊維の織物やチ
ョップドファイバー、マット、ニット材料、さらにこれ
らとインサート部品との組み合わせ等が挙げられ、その
用途により使い分けられる。前記インサート部品とは、
例えばスチールやアルミニウムなどの金属板や、金属
柱、金属ボルト、ナット、ヒンジなどの接合用の金属、
アルミハニカムコア、ノメックスハニカム、あるいはポ
リウレタン、ポリスチレン、ポリイミド、塩化ビニル、
フェノール、アクリルなどの高分子材料からなるフォー
ム材やゴム質材、木質材等が挙げられ、主として、釘が
効くことや、ネジが立てられる等の接合を目的としたイ
ンサート部品、中空構造で軽量化を目的としたインサー
ト部品、振動時の減衰を目的としたインサート部品など
が多く用いられる。
【0027】以上より、本発明のRTM成形用資材は、
短時間で効率よく所定形状に賦形できることから、自動
車や鉄道車輌等の輸送機器や、また、壁や床材などの建
築材料および各種産業機器部材として好適である。
【0028】
【実施例】以下に、具体的な実施例、比較例に基づいて
説明する。
【0029】実施例1 ナイロン製厚み0.1mmの離型資材(AIRTECH 社製、
Release Ply A )、およびポリプロピレン製の厚み0.
6mmの分散媒体(三井石化産資社製、TSX-160)を準備
した。これら離型資材と分散媒体を400mm×400
mmにカットし、離型資材の上に分散媒体を配置した。
続いて、分散媒体の一部分(不連続に5カ所)を、15
0℃に加温したはんだごてで円形状(アスペクト比1)
に面積0.5cm2 だけ溶かし、離型資材に熱融着する
ことで、離型資材および分散媒体を一体化し、RTM成
形用資材を作成した。
【0030】このような方法で作成したRTM成形用資
材は、曲げたり、折ったり、ねじるなど作業上、手で扱
っても剥がれることはなく、離型資材と分散媒体は十分
に一体化されていた。このとき、融着部分1個あたりの
接着強度は10gであった。
【0031】続いて、このRTM成形用資材を使用して
FRP製部材を成形した。成形にはCK6250E(炭
素繊維:T700S−12K、組織:平織、目付:19
0g/m2 、東レ(株)製)のドライクロスを準備し
た。このドライクロスを300mm×300mmにカッ
トし、500mm×500mmの曲面を有するアルミ製
下型上に4層積層し、次にRTM成形用資材をドライク
ロスの上に賦形し、型締めを行った。このRTM成形用
資材を賦形する際、予め一体化してあるため、型上での
賦形作業は大変効率的に行うことができ、短時間で作業
を終了した。
【0032】その後”エピコート”807(油化シェル
エポキシ社製、エポキシ樹脂)70重量部”エピコー
ト”630(油化シェルエポキシ社製、エポキシ樹脂)
30重量部、”アンカミン”2049(パシフィックア
ンカーケミカル社製、アミン硬化剤)43重量部を混合
して得た液状エポキシ樹脂を型内に圧力0.3MPa下
にて圧注入を行い、100℃に昇温して2時間硬化し、
脱型後、FRP製部材を得た。得られたFRP製部材の
表面部分には未含浸部分はなく、健全かつ高剛性な成形
品を得ることができた。
【0033】比較例1 離型資材と分散媒体を一体化することなくFRP製部材
を成形した。実施例1と同様に、ドライクロスを300
mm×300mmにカットし、500mm×500mm
の曲面を有するアルミ製下型上に4層積層し、次に離型
資材をドライクロスの上に賦形し、さらに分散媒体を離
型資材の上に賦形し、型締めを行った。これ以外は実施
例1と同様の成形方法でFRP製部材を得た。
【0034】この方法では離型資材と分散媒体が一体化
されていないため、曲面を持つ型上に分散媒体を賦形す
る時、分散媒体が型面に沿わず、型締めしようとすると
分散媒体の位置が所定の位置よりずれてしまい、型締め
することが非常に困難であった。そのため、分散媒体の
型上への賦形、および型締めに大変時間がかかったこと
は言うまでもない。
【0035】この方法で得られたFRP製部材は、樹脂
拡散流路である分散媒体が型内でずれてしまっていたた
め、樹脂が含浸していないところができてしまい、健全
な成形品を得ることができなかった。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るRT
M成形用資材およびその資材を用いたRTM成形法によ
れば、離型資材と分散媒体を局部接合により一体化した
RTM成形用資材を用いるので、該成形用資材を短時間
で効率よく所定の形態に賦形でき、作業効率の向上を達
成しつつ、樹脂未含浸部のない優れたFRP成形品を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るRTM成形用資材の
斜視図である。
【図2】本発明の別の実施態様に係るRTM成形用資材
の斜視図である。
【図3】離型資材と分散媒体の接合の各種方法を示すR
TM成形用資材の斜視図である。
【図4】本発明の一実施態様に係るRTM成形法に用い
る下型の斜視図である。
【図5】図4の下型に強化繊維基材およびRTM成形用
資材を配置した状態を示す斜視図である。
【図6】図5の状態から上型により型締めした状態を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1 RTM成形用資材 2 離型資材 3、3a、3b、3c 分散媒体 4、4a、4b、4c 接合部 5 熱融着部 6 接着部 7 ホッチキス止め部 11 下型 12 キャビティ 13 強化繊維基材 14 上型 15 真空吸引口 16 樹脂注入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F204 AA36 AA39 AB03 AD16 AD19 EA03 EA04 EB01 EB11 EF01 EF05 EF27 EF30 EK09 EK17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状樹脂を透過可能な可撓性の離型資材
    の少なくとも一部に、可撓性の樹脂分散媒体が局部的に
    接合されて一体化されていることを特徴とするRTM成
    形用資材。
  2. 【請求項2】 離型資材と分散媒体の接合部の面積が1
    箇所当たり1cm2以下である、請求項1のRTM成形
    用資材。
  3. 【請求項3】 離型資材と分散媒体の接合部の形状が、
    長さ/幅比を表すアスペクト比にて20以下である、請
    求項1または2のRTM成形用資材。
  4. 【請求項4】 離型資材と分散媒体の接合部の接合強度
    が1箇所当たり5g〜1000gの範囲内にある、請求
    項1ないし3のいずれかに記載のRTM成形用資材。
  5. 【請求項5】 複数種の分散媒体が一体化されている、
    請求項1ないし4のいずれかに記載のRTM成形用資
    材。
  6. 【請求項6】 強化繊維基材の表面に沿わせて、請求項
    1ないし5のいずれかに記載のRTM成形用資材を、離
    型資材側が強化繊維基材の表面側になるように配し、周
    囲を減圧した後、樹脂を注入し、注入した樹脂を分散媒
    体を介して分散させつつ離型資材を通して強化繊維基材
    に含浸させ、含浸後に樹脂を硬化させることを特徴とす
    る、RTM成形法。
  7. 【請求項7】 離型資材と樹脂分散媒体とが、少なくと
    も一部に付着してなることを特徴とする繊維強化複合材
    料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008018493A1 (fr) * 2006-08-08 2008-02-14 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Appareil de formation rtm et procédé de formation rtm

Cited By (6)

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