JP3686843B2 - サンドイッチ構造の修理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、航空機、鉄道車両、自動車、船舶などの構造に用いられるサンドイッチ構造の修理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
航空機などの構造としては、従来からアルミニウム合金などの軽量な金属補強板構造が用いられていたが、近年、複合材の補強板構造や、ハニカムコアを心材とし、心材の両表面を複合材の面板で覆ったサンドイッチ構造が利用されるようになってきている。
複合材から成る外板が損傷し修理を要する場合には、まず損傷個所を削り取り、次に、繊維に予め樹脂を含浸させたプリプレグおよび接着剤を損傷個所に積層して損傷個所を埋め、その後加熱加圧してプリプレグを硬化させる修理が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
損傷個所にプリプレグを積層して修理する場合には、積層したプリプレグを加熱加圧して硬化させる必要があるが、そのためには特別な装置を必要とする。また、プリプレグの加熱加圧には、温度および圧力を厳密に管理しなければならず、非常に手間を要するといった問題を有する。さらに硬化後、補修個所の母構造と付加積層部との接着状態を検査しなければならない。このように複合材の修理には特別な装置を必要とするとともに、非常に多くの手間と時間を要するといった問題を有する。
【0004】
本発明の目的は、簡便な作業で修理することができるサンドイッチ構造の修理方法に関する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、独立気泡の発泡プラスチック材料を心材とし、心材の両表面を繊維強化複合材料からなる面板で覆ったサンドイッチ構造の修理方法において、
外表面側面板の損傷箇所を含む領域に開口を形成し、開口より大きな領域に展張可能な外支持板または複数枚の外支持板を開口から挿入して外表面側面板の裏側にリベットで結合することを特徴とするサンドイッチ構造の修理方法である。
【0006】
本発明に従えば、損傷個所の補強のための外支持板を、外表面側の面板の内側から取付けることができるので、たとえば開口にカバー板などを嵌め込むことによって、外表面を平滑な状態で修理することができる。また修理のために、手間と時間を要する接着修理を行わず、簡便なリベット結合を用いるので複合材の修理に関わる手間と時間を大幅に減らすことができる。
【0007】
請求項2記載の本発明は、独立気泡の発泡プラスチック材料を心材とし、心材の両表面を繊維強化複合材料からなる面板で覆ったサンドイッチ構造の修理方法において、
外表面側面板の損傷個所を含む領域に開口を形成し、開口の下部および開口周辺部の心材を除去し、開口より大きな領域に展張可能な外支持板を開口から挿入して外表面側面板の裏側にリベットで取付け、開口と同じ大きさで外表面側面板と同じ板厚のカバー板を開口に嵌め、前記外支持板にリベットで結合し、心材除去部に充填剤を充填することを特徴とするサンドイッチ構造の修理方法である。
【0008】
本発明に従えば、損傷個所の補強のための外支持板が外表面側の面板の内側から取付けられるので、外表面を平滑な状態で修理することができる。また修理のために、手間と時間を要する接着修理を行わず、簡便なリベット結合を用いるので複合材の修理に関わる手間と時間を大幅に減らすことができる。
しかも展張可能な外支持板を用いることにより、サンドイッチ構造の外側からのみ作業できる場合でも外表面を平滑に保ったままで修理を行うことができる。
【0009】
請求項3記載の本発明は、独立気泡の発泡プラスチック材料を心材とし、心材の両表面を繊維強化複合材料からなる面板で覆ったサンドイッチ構造の修理方法において、
外表面側面板の損傷個所を含む領域に開口を形成し、開口の下部および開口周辺部の心材を除去し、複数枚の外支持板を開口から挿入して開口周辺部内面に配置して外表面側面板の内側にリベットで取付け、開口と同じ大きさで外表面側面板と同じ板厚のカバー板を開口に嵌め、前記外支持板にリベットで結合し、心材除去部に充填剤を充填することを特徴とするサンドイッチ構造の修理方法である。
【0010】
本発明に従えば、損傷個所の補強のための外支持板が外表面側の面板の内側から取付けられるので、外表面を平滑な状態で修理することができる。また修理のために、手間と時間を要する接着修理を行わず、簡便なリベット結合を用いるので複合材の修理に関わる手間と時間を大幅に減らすことができる。
しかも展張可能な外支持板の代りに複数の外支持板を挿入するので、複雑な外支持板の加工が不要になって、加工のための労力をさらに減らすことができる。
【0011】
請求項4記載の本発明は、独立気泡の発泡プラスチック材料を心材とし、心材の両表面を繊維強化複合材料からなる面板で覆ったサンドイッチ構造の修理方法において、
外表面側面板の損傷個所を含む領域の下部の内面側面板および心材を除去し、損傷個所の裏側に外支持板をリベットにより結合し、心材除去部に充填剤を充填し、内面側面板の開口よりも大きな内支持板で開口を覆い、リベットで内面側面板の開口部周囲に取付けることを特徴とするサンドイッチ構造の修理方法である。
【0012】
本発明に従えば、損傷個所の補強のための外支持板が外表面側の面板の内側から取付けられるので、外表面を平滑な状態で修理することができる。また修理のために、手間と時間を要する接着修理を行わず、簡便なリベット結合を用いるので複合材の修理に関わる手間と時間を大幅に減らすことができる。
しかもサンドイッチ構造の内面側から作業者が修理できる場合で面板の損傷が軽微なときには、内面側から外表面側の面板の内側に外支持板を当ててリベットにより結合し、心材除去部の充填剤の注入や内面側面板用の内支持板も容易に取付けることができる。
【0013】
請求項5記載の本発明は、独立気泡の発泡プラスチック材料を心材とし、心材の両表面を繊維強化複合材料からなる面板で覆ったサンドイッチ構造の修理方法において、
外表面側面板の損傷個所を含む領域に開口を形成し、開口の下部の開口部よりも大きな領域の心材および内面側面板を除去し、外表面側面板の開口部周辺の裏側に、開口と同じ大きさで外表面側面板と同じ板厚のカバー板が結合される外支持板をリベットにより結合し、心材除去部に充填剤を充填し、内面側面板の開口よりも大きな内支持板で開口を覆い、リベットで内面側面板の開口部周囲に取付けることを特徴とするサンドイッチ構造の修理方法である。
【0014】
本発明に従えば、損傷個所の補強のための外支持板が外表面側の面板の内側から取付けられるので、外表面を平滑な状態で修理することができる。また修理のために、手間と時間を要する接着修理を行わず、簡便なリベット結合を用いるので複合材の修理に関わる手間と時間を大幅に減らすことができる。
しかも、サンドイッチ構造の内面側から作業者が修理できる場合で、外表面側面板の損傷個所を含む領域に開口を形成し、外面側の面板の裏側に外支持板を取付け、コア除去部に充填剤を注入することで、外表面を平滑な状態で修理することができる。またリベット修理なので労力と時間を低減する修理を実現できる。
【0015】
請求項6記載の本発明は、ブラスト材を噴射して発泡プラスチック材料の心材除去を行うことを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、サンドイッチ構造が心材として発泡プラスチックコアを使用しているために、ブラスト材を噴射する方法で容易に心材を除去することができ、修理のための労力と時間を減らすことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の基礎とする第1のサンドイッチ構造50を示す分解斜視図である。サンドイッチ構造50は、たとえば航空機の外板として用いられ、独立気泡の発泡プラスチック材料を心材51とし、心材の両表面が繊維強化複合材料から成る面板52,53で覆われて構成される。発泡プラスチック材料は、たとえばポリメタクリルイミド(PMI)またはポリビニールクロライド(PVC)であり、独立気泡の発泡プラスチック材料である。面板52,53は水に親和性のない無機繊維、たとえば炭素繊維を強化繊維とする繊維強化複合材料であり、強化繊維から成るクロス材にたとえばエポキシ樹脂などの樹脂を含浸させたプレグを複数枚積層して構成される。
【0018】
サンドイッチ構成50の心材51同士を接合する場合には、接合個所に発泡しないフィルム状の接着剤54、たとえばCytec FM300K(商標名)を用いる。また面板52,53と心材51とはキャリアを含まないフィルム状の接着剤55、たとえばCytec FM300U(商標名)で接着される。このようにキャリアを含まないフィルム状の接着剤で接着することにより、面板52,53と心材51との間に隙間が生じず、水が浸入することを阻止することができる。また、心材51と面板52,53との接着はフィルム状の接着剤を用いるのではなく、複合材である面板52,53の樹脂を用いてもよい。すなわち、心材51の両表面に面板52,53となるプリプレグを直接貼付け、加圧加熱してプリプレグを硬化させ、面板52,53と心材51とを接着する。
【0019】
また心材51は独立気泡の発泡プラスチック材料から成るので、水が心材内部まで浸入することが防がれる。また心材同士の接着は発泡しないフィルム状の接着剤54を用いるので、面板52,53が損傷し、水が浸入したとしても、心材51の接合面を伝って浸入した水がサンドイッチ構造50内部に広がるといったことが防がれる。
【0020】
図2は、本発明の基礎とする第2のサンドイッチ構造60を示す分解斜視図である。本実施形態のサンドイッチ構造60は、心材67としてハニカムコア66およびこのハニカムコア66を外囲する発泡プラスチック材料から成り、面板62,63は図1で述べたサンドイッチ構造50と同様に、水に親和性のない無機繊維を強化繊維とする複合材料であり、キャリアを含まないフィルム状の接着剤64、または複合材面板62,63に含まれる樹脂で接着される。
【0021】
心材67は、図2に示されるように内側にハニカムコア66を有し、ハニカムコア66を外囲するように周縁に額縁状に発泡プラスチック材料61が配置される。
【0022】
ハニカムコア66は板厚方向の強度剛性は強いが板厚方向に垂直な横方向への強度剛性は低い。そのため、ハニカムコアのみを心材として用いるサンドイッチ構造では加熱加圧時の側圧に耐えるために額縁状の金属製ロケータ治具で、サンドイッチ構造を囲うか、またはサンドイッチ構造の周縁をゆるやかなテーパ状に形成する必要があったが、本実施形態では周縁部に額縁状に発泡プラスチック材料61を配置することによって、サンドイッチ構造の周縁部の横方向の強度剛性を高めることができ、サンドイッチ構造周縁のテーパ角度を大きくすることができる。
【0023】
なお本実施形態の発泡プラスチック材料61も図1に示したサンドイッチ構造と同様に、独立気泡を有し、発泡プラスチック材料61同士の接合は発泡しないフィルム状の接着剤65を用いる。
【0024】
図3は、本発明の基礎とする第3のサンドイッチ構造70を示す断面図である。サンドイッチ構造70の心材77は、ハニカムコア71の両面を発泡プラスチック材料72,73で挟んで構成され、ハニカムコア71と発泡プラスチック材料72,73とキャリアを含まないフィルム状の接着剤78を介して接合される。また、心材77と面板75,76との間も、キャリアを含まないフィルム状の接着剤79を介して接着される。面板75,76は前述と同様に、水に親和性のない無機繊維を強化繊維とする複合材料である。
【0025】
このようにハニカムコア71の両面を発泡プラスチック材料72,73で挟むことにより、面板75,76が損傷をうけて割れた場合でもサンドイッチ構造内部に水が浸入することがない。また衝撃を吸収しやすい発泡プラスチック72,73を面板75,76の直下に配置することによって損傷を受けにくいサンドイッチ構造70を実現することができる。
【0026】
図4は、本発明の基礎とする第4のサンドイッチ構造80を示す断面図である。本実施形態では、心材86はハニカムコア81と発泡プラスチック材料85とから構成され、サンドイッチ構造80の板厚変化の大きい部分には発泡プラスチック材料85を使用し、板厚変化が緩やかな部分はハニカムコア81を使用する。
【0027】
板厚変化が大きいサンドイッチ構造の場合、ハニカムコアを機械加工する必要があるが、ハニカムコアの機械加工は手間のかかる作業であるため、本実施形態では、板厚変化の大きいところは機械加工が容易な発泡プラスチック材料85を用い、板厚変化の緩やかな部分はハニカムコア81を使用することによって、心材86の加工が容易となる。また、面板83,84はプリプレグから成り、心材86に積層して形成する。面板83,84と心材86との接着は、キャリアを含まないフィルム状の接着剤87を用いる。また、面板83,84の強化繊維は前述と同様に水に親和性のない無機繊維を用いる。
【0028】
次に、本発明のサンドイッチ構造の修理方法の一実施形態について説明する。図5は、損傷したサンドイッチ構造1を切欠いて示す斜視図である。サンドイッチ構造1は、厚さ12.7mmの板状の心材4の両表面を面板2,3で覆ったサンドイッチ構造を有する複合材である。心材4は独立気泡の発泡プラスチック材料から成り、面板2,3は水に親和性のない無機繊維を強化繊維とする繊維強化複合材料である。本実施形態のサンドイッチ構造1は、たとえば航空機や高速鉄道車両などの乗用輸送機の外板として用いられる。
【0029】
なお、サンドイッチ構造1の面板2が外表面側となり、面板3が内面側となる。外側の面板2は、強化繊維から成るクロス材に樹脂を含浸させたプリプレグを8枚積層して形成された繊維強化複合材料であり、内側の面板3は面板2より薄く、プリプレグを4枚積層した繊維強化複合材料である。
【0030】
図5において参照符5が損傷個所であり、この損傷個所5を修理するには、まず損傷個所5を含む領域の面板2をくりぬく。そのために図6に示すホールソー11を用いる。ホールソー11は円筒状であり、先端部に外周全周にわたって鋸歯12が形成され、軸線まわりに高速で回転させることによって円形にくりぬくことができる。したがって、損傷個所5よりも大きい直径を有するホールソー11を用いることによって、損傷個所を含む領域の面板2をくりぬくことができる。このように損傷個所を円形にくり抜くことによって、応力の集中を低く抑えることができる。なお本実施形態ではホールソー11の直径はたとえば50mmとする。また、図6に示すように、面板2とともに、面板2の下の心材4も円形にくりぬかれる。このようにして、面板2に円形の開口10が形成される。
【0031】
次に面板2の開口10下部および開口10周辺部の心材4を除去する。心材4は前述したように発泡樹脂であり、面板2,3は繊維強化複合材料であるので、ブラストショットを用いることによって心材4のみ効率よく除去することができる。
【0032】
図7は心材除去作業を示す斜視図であり、図8はそのときの断面図である。ブラスト材としては、たとえばクルミ粉、アルミナまたはコーンなどが用いられ、このようなブラスト材をブラスト噴射ノズル15から心材4に向けて噴射することによって、心材4のみ削取ることができる。
【0033】
また、面板2の裏側に付着する心材4の除去は図8に示すようにブラスト噴射ノズル15の先端部が180°屈曲したものを用いることによって、開口10からブラスト噴射ノズル15を挿入して容易に面板2の裏側の心材4を除去することができる。
【0034】
心材4を除去した後、支持板16を取付ける。図9は支持板16を取付けた状態を示す平面図であり、図10はその断面図である。支持板16は、図9に示すように放射状もしくは花びら状で展張可能であり、チタン合金から成る。支持板16は、中央部の円形の支持部17と、矩形状であり、支持部17から半径方向外方に放射状に広がる複数、本実施形態では8枚の支持片18とから成り、1枚のチタン合金板から切取られて形成される。中央部の円形の支持部17は開口10よりも小径である。支持片18を含む支持板16全体の大きさは開口10よりも充分に大きく形成される。
【0035】
この支持板16を開口10から挿入し、各支持片18を開口10周辺の面板2の裏側にリベット25によって結合する。支持板16を開口10から挿入する場合には、各支持片18を内側に湾曲させた状態で開口10に挿入し、開口10内で支持片18を押広げる。次に、リベット25を挿通するための透孔24をドリルによって面板2から支持片18に貫通させて形成する。なおこの透孔24は予め支持板16および面板2に個別に形成しておいてもよい。
【0036】
次に支持板16の各支持片18と面板2とをリベット25によって固定する。図11はリベット25の締付け方法を説明する断面図である。リベット25は片側からかしめることができるブラインドリベットであり、また頭部26は皿状でり、面板2の外表面上に突出せず平滑となる。
【0037】
リベット25は軸部27が中空であり、この軸部27内に引抜き棒28が挿通されている。軸部27から突出する引抜き棒28の先端部にはスリーブ30が挿通され、このスリーブ30の先端部の中実のコアボルト31に引き抜き棒28の先端が接続される。また、スリーブ30の基端部にはコイルドワッシャ32が設けられ、また軸部27の先端部はテーパー形状となっている。
【0038】
このようなリベット25を図11(1)に示すように、面板2の表側から透孔24に挿通する。次に工具で引抜き棒28を引抜くと、図11(2)に示されるようにコイルドワッシャ32が軸部27の先端のテーパ部に案内されて巻ほどかれ拡径する。さらに引抜き棒28を引抜くとコイルドワッシャ32が支持板16の裏面に当接し、完全にかしめられる。最後に引抜き棒28を切断し、リベットのかしめ作業が完了する。このようにして支持板16の8枚の各支持片18をそれぞれリベット25によって面板2に結合する。
【0039】
次にカバー板40で開口10を塞ぐ。カバー板40は面板2と同じ板厚の繊維強化複合材料から成り、開口10と同じ大きさに形成される。したがって、開口10を形成するのに用いたホールソー11を用いて、面板2と同じ板厚の繊維強化複合材料を円形にくりぬいて形成する。
【0040】
このカバー板40を用いて図12に示すように開口10を塞ぎ、リベット25で固定する。支持板16は図9に示すように、中央の円形の支持部17が開口10内の中央に露出し、周辺の支持片18が支持板2の裏側に固定されているので、中央の支持部17上にカバー板40を配置する。次に、リベット25を挿通するための挿通孔を、たとえば支持片18に対応して8箇所、カバー板40から支持板16にドリルで貫通させて形成する。そして前述と同様に、ブラインドリベット25を用いて支持板26とカバー板40とを結合する。カバー板40は面板2と同じ板厚であるので、支持板16上に固定することによって面板2の表面は平滑となる。
【0041】
カバー板40をリベット25で結合した後、カバー板40上に2つの透孔41,42をあけ、一方の透孔41から充填材43を注入する。充填材43は、微小な気泡を含む液状の発泡樹脂であり、注入ガンによって透孔41から注入する。注入された充填剤43は、心材4を除去して形成された凹所に満たされ、図13に示すように完全に充填されると、もう一方の透孔42から出てくる。このことによって完全に充填されたことを確認することができる。充填材注入後、所定時間放置して充填材43を完全に硬化させる。なお充填材43は常温で硬化する。
【0042】
このようにして特別な装置を用いることなく、リベットを用いて容易にサンドイッチ構造1を修理することができる。また、支持板16はチタン合金から成り、チタン合金は面板2,3の繊維強化複合材料と熱膨張率がアルミ合金等に比べると近い。したがって、リベット25で結合したとしても使用中に過大な熱応力が生じるといったことが防がれる。
【0043】
本実施形態では支持板16として放射形状の支持板16を用いたが、本発明はこれに限らず、たとえば複数枚の支持板を開口10周辺部の裏側にリベットで結合し、支持板を部分的に開口10に露出させ、この露出した支持板上にカバー板40を載置してカバー板と支持板とをリベットで結合してもよい。
【0044】
また、本実施形態では損傷した表側からのみ修理する場合を想定して説明したが、外板の裏側から修理作業可能な場合にはホールソー11で外板を貫通させ、すなわち内面側の面板3まで貫通させて開口を形成する。これによって表側だけでなく裏側からも作業ができるので、心材4の除去作業を容易に行うことができる。また、裏側は目立たず、平滑に処理する必要がないので、支持板を用いず、開口よりも大きいカバー板を直接リベットによって面板3に結合するようにしてもよい。
【0045】
図14は、本発明のさらに他の形態のサンドイッチ構造1の修理方法を示す断面図である。なお、前述した図5〜図13に対応する構成においては同一の参照符号を付し、説明は省略する。
【0046】
本実施形態の修理方法では、サンドイッチ構造1の内側の面板3から修理可能な場合の修理方法である。損傷個所5の裏側に対応する内側の面板3および心材4をホールソー11およびブラスト材の噴射によって前述と同様に除去する。次に、外表面側の面板2の裏側に損傷個所5を覆って上支持板45を面板2の裏側に当接させ、リベット25で結合する。上支持板45はチタン合金または面板2と同様の繊維強化複合材料から成る。次に、コア除去部に充填剤43を充填し、その後ホールソー11で開けた内側の面板3の開口を下支持板46で覆い、リベット25によって面板3に結合する。このように修理することによって、外表面側面板2に開口を形成することなく修理することが可能である。
【0047】
また本実施形態の修理方法ではサンドイッチ構造は発泡プラスチック材料のみを心材とする場合としたが、このような形態に限らず、図2〜図4に示すようにハニカムコアおよび発泡プラスチック材料を心材とするサンドイッチ構造の場合にも本発明の修理方法を適用することができる。また、サンドイッチ構造には、図1〜図4で説明したようなフィルム状の接着剤が用いられても良い。
【0048】
【発明の効果】
また本発明によれば、損傷個所の裏側に外支持板をリベットで結合して修理することによって、接着修理を行う場合に比べて手間と時間を大幅に低減させることができる。
【0049】
また本発明によれば、損傷個所に開口を形成し、裏側から外支持板をリベットで結合し、開口にカバー板を嵌め込んで外支持板とリベットで結合することによって、外表面は平滑な状態で修理することができる。
【0050】
また本発明によれば、ブラスト材を噴射することで発泡プラスチック材料から成る心材を容易に除去することができ、修理時間を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】サンドイッチ構造50を示す分解斜視図である。
【図2】サンドイッチ構造60を示す分解斜視図である。
【図3】サンドイッチ構造70を示す断面図である。
【図4】サンドイッチ構造80を示す断面図である。
【図5】損傷したサンドイッチ構造1を示す斜視図である。
【図6】損傷個所をくりぬく時の方法を示す斜視図である。
【図7】心材4の除去方法を示す斜視図である。
【図8】心材4の除去方法を示すサンドイッチ構造1の断面図である。
【図9】支持板16を取付けた状態を示すサンドイッチ構造1の平面図である。
【図10】支持板16を取付けた状態を示すサンドイッチ構造1の断面図である。
【図11】リベット25のかしめ方法を示す断面図である。
【図12】カバー板40を取り付けた状態を示すサンドイッチ構造1の斜視図である。
【図13】充填材43を注入した状態を示すサンドイッチ構造1を示す断面図である。
【図14】本発明のサンドイッチ構造の修理方法の他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1,50,60,70,80 サンドイッチ構造
2,3,52,53,62,63,75,76,83,84 面板
4,51,67,77,86 心材
5 損傷個所
10 開口
11 ホールソー
12 鋸歯
16 支持板
25 リベット
40 カバー板
43 充填材
45 上支持板
46 下支持板
54,55,64,65,78,79,87 フィルム状の接着剤
61,72,73,85 発泡プラスチック材料
66,71,81 ハニカムコア

Claims (6)

  1. 独立気泡の発泡プラスチック材料を心材とし、心材の両表面を繊維強化複合材料からなる面板で覆ったサンドイッチ構造の修理方法において、
    外表面側面板の損傷箇所を含む領域に開口を形成し、開口より大きな領域に展張可能な外支持板または複数枚の外支持板を開口から挿入して外表面側面板の裏側にリベットで結合することを特徴とするサンドイッチ構造の修理方法。
  2. 独立気泡の発泡プラスチック材料を心材とし、心材の両表面を繊維強化複合材料からなる面板で覆ったサンドイッチ構造の修理方法において、
    外表面側面板の損傷個所を含む領域に開口を形成し、開口の下部および開口周辺部の心材を除去し、開口より大きな領域に展張可能外支持板を開口から挿入し外表面側面板の裏側にリベットで取付け、開口と同じ大きさで外表面側面板と同じ板厚のカバー板を開口に嵌め、前記外支持板にリベットで結合し、心材除去部に充填剤を充填することを特徴とするサンドイッチ構造の修理方法。
  3. 独立気泡の発泡プラスチック材料を心材とし、心材の両表面を繊維強化複合材料からなる面板で覆ったサンドイッチ構造の修理方法において、
    表面側面板の損傷個所を含む領域に開口を形成し、開口の下部および開口周辺部の心材を除去し、複数枚の外支持板を開口から挿入して開口周辺部内面に配置して外表面側面板の内側にリベットで取付け、開口と同じ大きさで外表面側面板と同じ板厚のカバー板を開口に嵌め、前記外支持板にリベットで結合し、心材除去部に充填剤を充填することを特徴とするサンドイッチ構造の修理方法。
  4. 独立気泡の発泡プラスチック材料を心材とし、心材の両表面を繊維強化複合材料からなる面板で覆ったサンドイッチ構造の修理方法において、
    外表面側面板の損傷個所を含む領域の下部の内面側面板および心材を除去し、損傷個所の裏側に外支持板をリベットにより結合し、心材除去部に充填剤を充填し、内面側面板の開口よりも大きな内支持板で開口を覆い、リベットで内面側面板の開口部周囲に取付けることを特徴とするサンドイッチ構造の修理方法。
  5. 独立気泡の発泡プラスチック材料を心材とし、心材の両表面を繊維強化複合材料からなる面板で覆ったサンドイッチ構造の修理方法において、
    外表面側面板の損傷個所を含む領域に開口を形成し、開口の下部の開口部よりも大きな領域の心材および内面側面板を除去し、外表面側面板の開口部周辺の裏側に、開口と同じ大きさで外表面側面板と同じ板厚のカバー板が結合される外支持板をリベットにより結合し、心材除去部に充填剤を充填し、内面側面板の開口よりも大きな内支持板で開口を覆い、リベットで内面側面板の開口部周囲に取付けることを特徴とするサンドイッチ構造の修理方法。
  6. ブラスト材を噴射して発泡プラスチック材料の心材除去を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のサンドイッチ構造の修理方法。
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