JPH1120687A - 車両用構体における内装品支持構造とその取付け方法 - Google Patents

車両用構体における内装品支持構造とその取付け方法

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JPH1120687A
JPH1120687A JP9176690A JP17669097A JPH1120687A JP H1120687 A JPH1120687 A JP H1120687A JP 9176690 A JP9176690 A JP 9176690A JP 17669097 A JP17669097 A JP 17669097A JP H1120687 A JPH1120687 A JP H1120687A
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明能 水田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用構体をプラスチック化するとともにそ
の構体の内側に内装品を支持させるための適切な手段を
提供する。 【解決手段】 繊維強化プラスチック(FRP)からな
る内・外層のスキン11・13の間にプラスチック発泡
材であるコア12が積層されたサンドイッチ構造の車両
用構体2に、内装品7を支持させる構造である。内層ス
キン11の内側表面に補強板22が接着剤21にて接合
されている。また、それら内層スキン11と補強板22
とを貫通するとともに両者にかしめた状態でブラインド
ナット23が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項の発明は、プラスチッ
クの複合材で構成された車両用構体の内側に、種々の内
装品を支持させるための構造、およびその支持構造を取
り付ける方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な車両用構体は、図5に例
示されるように金属製のいわゆるセミモノコック構造に
なっている。つまり、アルミ合金等からなる金属製フレ
ーム42の外側に、やはりアルミ合金等の金属製外板4
1を張り付けることによって構体が構成されている。図
のような構体を製造するには、金属製フレーム42を先
に組み立ててその外側に金属製外板41を当て、その外
板をハンマーでたたくなどしてフレームに沿わせたう
え、溶接によって両者を一体化する。その過程で外板の
表面には凹凸ができているため、パテを塗って表面を平
らにし、さらにその上を滑らかに磨いて仕上げとする。
【0003】近年、車両技術者の間には、車両用構体を
プラスチック化しようという提案がある。図5のような
金属製のセミモノコック構造では上記のようなフレーム
・外板間の一体化や表面の仕上げにかなりの工数がかか
る等の不都合があるため、その構体をプラスチックで製
作してそれらの工数を減らそうというのである。構体の
プラスチック化は、とくに、高速先頭車両(または同様
の形をした後尾車両。以下同様)において実施する意義
が大きい。ほとんどの部分が平面や円筒面で構成されて
いる他の車両とは違って、高速車の先頭車両は三次元曲
面を主体とするため、従来どおり金属製のセミモノコッ
ク構造とする場合には上記のような一体化や仕上げに膨
大な工数を要するからである。
【0004】発明者らは、これまでの調査・研究に基づ
いて、プラスチック製の車両用構体としては、FRP
(繊維強化プラスチック)製の内・外層のスキンの間に
プラスチック発泡材からなるコアを積層したサンドイッ
チ構造の複合材を用いるのがよいと考えている。そのよ
うな複合材では、主として内・外層スキンが面内の引っ
張りや曲げ・剪断等に対する強度を有し、またそれら
が、相当の厚みを有するコアの作用と相俟って、面外の
曲げ等に対する剛性を発揮する。したがって、他のフレ
ーム類を一体化しなくても、かかる複合材により、必要
な強度を備える車両用構体を構成し得るのである。な
お、複合材を用いた高速車両についての参考的な従来技
術として、特開平5−345567号公報および特開平
7−96833号公報がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】車両用構体の内側、つ
まり車室側の壁面には、内装品を取り付けたり電気配線
を沿わせたりする必要があるため、それらを支持・固定
するための構造が設けられねばならない。そしてその構
造としては、構体の内側にネジ部材(つまりナットやボ
ルト、またはネジ部を含むその他の部品)を設けてお
き、その部材のネジを用いて取り外しができるように内
装品またはその支持具を取り付けるのが好ましい。
【0006】構体が図5のような金属製のものであれ
ば、上記のようなネジ部材をフレームの一部に溶接(ま
たはネジ止め)等することによって取り付けることも容
易であるが、上記のような複合材製の構体ではそれは難
しい。複合材構体にネジ部材を取り付けるにあたって
は、つぎのような課題があるからである。
【0007】 複合材構体の場合、内側に物を取り付
けること自体が容易でない。なぜなら、金属の場合と違
って溶接による取り付けができないほか、構体の内側全
面を内層スキンが覆っているために、ネジ止めその他の
係止手段によっても構体の一部にネジ部材を取り付ける
ことは簡単でないからである。
【0008】 プラスチック複合材は、局部的に作用
する荷重に対して金属ほどの強度を有しない。すなわ
ち、内・外層のスキンは、高弾性のFRPであるとはい
え薄いものであるため、何の補強もしないで内層スキン
のみにネジ部材を固定すると、その部分に内装品等の荷
重が集中的に作用して内層スキン等が破損する可能性が
高くなる。内・外層の両方のスキンに対してネジ部材を
固定できるなら、両スキンに荷重が分散して破損しにく
くなるが、上記のように構体の内側全面を内層スキンが
覆っているため現実的にはそのような固定をするのが難
しく、また外層スキンに穴があくと、外観や雨水の浸入
についての課題が付随することにもなる。プラスチック
発泡材であるコアはそれ自体の機械的強度が低いため、
コアに対してネジ部材を固定するとしても、それに荷重
を分担させることはできない。
【0009】 上記の点を考慮して内層スキンを厚
くしたり、またはコアの密度を(したがって強度も)増
したりすると、上記複合材のコストを大幅に引き上げて
しまうことになる。内層スキンの全部ではなく、ネジ部
材の取付け位置の周辺のみについて部分的に厚みが増す
ように構体を成形できればよいが、内装品等を設ける箇
所は車両の組立て現場等において変更または追加される
ことが多いため、その位置を事前に特定することは容易
でなく、また不都合を生じやすい。
【0010】各請求項の発明は、以上のような課題を考
慮しつつ、車両用構体をプラスチック化するとともにそ
の構体の内側に内装品を支持させるための適切な手段を
提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した車両
用構体における内装品支持構造は、 a) 繊維強化プラスチック(FRP)からなる内・外層
のスキンの間にプラスチック発泡材であるコアが積層さ
れたサンドイッチ構造の車両用構体に、内装品を支持さ
せる構造であって、 b) 内層スキンの内側表面に補強板が接合(つまり重ね
られて一体化)されており、 c) それら内層スキンと補強板とを貫通するとともに両
者にかしめた状態(つまり、変形させて両者に密着させ
係合させた状態)でブラインドナットが設けられている− ことを特徴とする。なお、ここでいう内装品とは、
化粧板や天井板、電気配線の留め具、その他の小物部品
をいう。「内・外層」「内側」などの表現における
「内」とは、車両に組み立てられた状態で車室に近くな
る側をいい、「外」とはその反対側(車外を向く側)を
いう(以下同様)。またブラインドナットとは、リブナ
ット等とも呼ばれるもので、板などに対して差し込んだ
側のみからかしめて取り付けることができ、その側から
ナットとして使用できるものをいい、前記説明における
ネジ部材に相当する。
【0012】請求項1に記載したこの内装品支持構造で
は、まず、プラスチック複合材で構成された構体そのも
のが、車両用構体としての十分な強度を発揮できる。そ
の構体が、上記a)のようなサンドイッチ構造を有してい
て内・外層スキンとコアとが上記のとおり積層されたも
のであることに基づいて、前記のとおり面内および面外
の力に対して十分な強度を発揮し得るからである。
【0013】そして、内装品を取り付けるための前述の
ねじ部材としては、上記c)のようにブラインドナットを
採用して内層スキンに取り付けるのであるから、複合材
構体の内側にねじ部材を取り付けることは困難でない。
つまり、ブラインドナットは内層スキンに対して上記の
ように内側のみから取り付けることができるため、その
構体の内側全面を内層スキンが覆っているとはいえ、ネ
ジ部材であるブラインドナットを構体の内側に固定する
ことが比較的容易なのである。なお、ブラインドナット
は、外層スキンを貫通することがないように構体に取り
付けるので、外観を低下させる恐れはなく、また雨水の
浸入防止について特別な処置をとる必要もない。
【0014】内装品を支持させるブラインドナットを内
層スキンに取り付けるとはいえ、この内装品支持構造で
は、内層スキンのうちそのブラインドナットの取付け箇
所のみに集中的に荷重が作用することは回避されやす
い。上記b)およびc)のように、内層スキンに補強板を接
合するとともに両者にかしめた状態でブラインドナット
を取り付けているからである。つまり、内装品等からの
荷重がブラインドナットに作用したとき、その荷重は、
内層スキンのうち、補強板と一体になり剛体に近い状態
となった部分(つまり補強板の面積の範囲)に広く作用
する。広い面積の部分に荷重が分散して作用するなら、
内層スキンがFRP製であり金属よりも脆いとしても、
簡単には破損等を起こすことがなくなる。
【0015】上記のような内層スキンの補強は、ブライ
ンドナットを取り付ける部分のみに補強板を一体化して
なすものであって内層スキンの全体を厚くするのではな
いため、内装品の取り付けに伴う複合材構体の製造コス
トの上昇はわずかである。しかも、複合材構体に対して
補強板を接合することもブラインドナットを取り付ける
ことも車両の組立て現場等において困難なく行うことが
できるため、内装品の取り付け箇所が構体の成形後に
(たとえば現物合わせで)決定されるとしても、何ら不
都合がない。
【0016】請求項2の内装品支持構造は、さらに、 d) 上記構体における内・外層のスキンが高弾性カーボ
ン繊維強化プラスチック(高弾性CFRP)であり、コ
アが、耐熱構造用のポリメタクリルイミド発泡材である
こと、をも特徴とする。
【0017】発明者らの調査・研究によると、内・外層
のスキンとその間のコアとを積層したサンドイッチ構造
の板状複合材のうちでも、この請求項2のような材料を
用いたものが車両用構体として最適であると考えられ
る。高弾性CFRP製の内・外層スキンとポリメタクリ
ルイミド発泡材からなるコアとを複合させたその複合材
が、車両用構体に必要な機械的強度をもたらすとともに
製造手順やコストの面でも好ましいからである。なお、
新幹線程度の高速度で走行する先頭車両を上記のような
複合材構体で構成する場合、トンネルに入ったとき等に
相当の圧力差が内外間に繰り返して生じることやカラス
・トビ等の鳥が外面に衝突することを考慮して、内・外
層の各スキンは厚さを1〜8mm程度、コアについては
厚さを30〜70mm程度にするのがよい。
【0018】請求項3に記載した車両用構体における内
装品支持構造の取り付け方法は、繊維強化プラスチック
からなる内・外層のスキンの間にプラスチック発泡材で
あるコアが積層されたサンドイッチ構造の車両用構体
に、内装品支持構造を取り付ける方法であって、 1) 内層スキンの内側から、それを貫通してコアに達す
る穴をあけ、 2) 同様の貫通穴を有する補強板を、内層スキンの内側
表面に、未硬化の常温硬化型接着剤を介し、かつ穴の位
置を合わせて重ね、 3) 上記接着剤が未硬化のうちに、ブラインドナット
を、上記補強板の内側からその補強板と内層スキンの上
記穴の内部に挿入し両者(補強板と内層スキン)にかし
める(つまり、変形させて両者に密着させ係合させる)
ことによって取り付ける− ことを特徴とする。
【0019】請求項3のこの取り付け方法によると、請
求項1または2に記載の内装品支持構造を車両の組立て
現場等において容易に実施することができる。ブライン
ドナットの取り付け穴を上記1)のように内層スキンの内
側からあけることもその理由の一つであるが、それのみ
ではなく、内層スキンに補強板を接合する前記b)の構成
を、上記した2)および3)の手順によって実現するからで
ある。この点は、詳しくはつぎのように説明できる。
【0020】複合材製の車両用構体が成形されたのちに
請求項1・2の支持構造を構成する場合、通常は、前記
b)のように内層スキンに補強板を接合する作業が極めて
煩わしい。両者の間に付けた接着剤が硬化するまで内層
スキンの内側表面に補強板を密着させておく必要があ
り、そのために、内層スキンと補強板との合わせ面を周
囲から吸引して低圧にする手段や、補強板を内側から内
層スキン上に押し付ける押圧手段などを各補強板ごとに
使用せねばならないからである。しかし、この請求項3
の取り付け方法では上記2)・3)のとおり、未硬化の常温
接着剤を介して内層スキンに補強板を重ね、その接着剤
が硬化しないうちにブラインドナットを取り付けて内層
スキンと補強板とにかしめるため、他の手段を使用しな
くてもそのブラインドナットの作用で内層スキンに補強
板を密着させておくことができる。つまり、内装品を取
り付けるねじ部材として使用する上記ブラインドナット
を、接着剤が硬化するまで内層スキンと補強板とを密着
させる手段としても使用するのである。したがって、上
記1)〜3)によって内層スキンに補強板とブラインドナッ
トとを取り付けたのちは、時間の経過によって常温硬化
型接着剤が硬化するのを待つだけで請求項1の内装品支
持構造が完成する。
【0021】
【発明の実施の形態】図1〜図3に発明の実施について
の一形態を紹介する。図1は車両用構体2の内側の一部
に設けた内装品支持構造20を示す断面図であり、図2
(a)〜(d)はその支持構造20を構体2に取り付けるた
めの手順を示す説明図である。また図3は、構体2を含
む鉄道車両であって、300km/hに近い最高速度設
定をした新幹線の先頭車両1を全体的に示す斜視図であ
る。
【0022】図3に示す先頭車両1においては、乗務員
室を覆う位置にある構体2をプラスチックの板状複合材
によって構成している。すなわち図1に示すように、そ
の構体2の主要部を、内外2層の高弾性CFRP(カー
ボンファイバーを強化材とする繊維強化プラスチック)
製スキン11・13の間に、耐熱構造用発泡材であるポ
リメタクリルイミド発泡材のコア12を積層したサンド
イッチ構造の板状複合材としている。そのような複合材
からなる構体2は、図3に示す外側表面に沿う形状をも
つ成形型(図示せず)の上に、FRP板の素材であるプ
リプレグ(プリポリマーをガラス繊維に含浸させたも
の)などを積層し、それらをオートクレーブ(図示せ
ず)内で加熱・加圧して硬化させることにより製造して
いる。外層スキン13の厚さは、鳥が衝突した場合の衝
撃力を車両の進行方向に対する各部の傾斜角に応じ考慮
して1.5〜6mmとするが、内層スキン11の厚さは
一律に1.6mmとしている。コア12の厚さは、それ
を含めた全体の厚さが50mmになるように定めてい
る。複合材製のこのような構体2は、図5に示した例と
は異なり、他のフレーム類を一体化することなく先頭車
両1の構体として必要な強度を発揮するものであり、ト
ンネルに入ったときの内外間の圧力差を繰り返し受けて
も、また外面に鳥の衝突を受けても破壊することがな
い。
【0023】上記のような構体2については、硬化させ
て成形が完了したのち、内側(室内側)の複数箇所に、
電気部品などの内装品を支持・固定するための内装品支
持構造20を図1のように構成している。同構造20
は、雌ネジ(ネジ穴)23aを有するブラインドナット
23を構体2の内側に設けたもので、内装品7を支持さ
せる際には、図の仮想線のように、その内装品7の一部
に通して雌ネジ23aに結合させるボルト6(および座
金6a)によって内装品7を固定する。ブラインドナッ
ト23は、よく知られているブラインドリベット(図示
せず)等と同様、構体2の内層スキン11に通したうえ
それにかしめて取り付けるという一連の作業を、構体2
の内側のみから行うことができる市販(たとえば(株)友
渕製作所製)の金属製(たとえばアルミ合金製)部品で
ある。通常のブラインドリベットとは違って軸心部分に
雌ネジ23aを有しており、構体2の内側から上記(図
1)のようにナットとして使用することができる。
【0024】図1に示す支持構造20においては、内層
スキン11のうちブラインドナット23を通す部分の付
近に補強板22を接合している。補強板22は、内層ス
キン11と同じ高弾性CFRPの板であり、厚さ2.5
mm・直径50mmの円盤状のもので、常温硬化型の接
着剤21を介して内層スキン11の内側表面に接着して
ある。ブラインドナット23の取付け部分とその付近に
おいて内層スキン11にこのように補強板22を一体化
しているため、ブラインドナット23を介して作用する
内装品7等の荷重は補強板22の面積の範囲にほぼ均等
に分散され、したがって内層スキン11等が容易には破
損しない。つまり、ブラインドナット23から図の上向
きに引張り力を受けても内層スキン11とコア12とが
剥離しにくく、またブラインドナット23が図の横向き
の力を受けてモーメントを作用させても、内層スキン1
1の一部(ブラインドナット23と接する付近)が割れ
るようなことは起こり難い。そのため、この支持構造2
0においては50kgという強度要求(つまり、ブライ
ンドナット23から図の上向き(室内寄り)に50kg
の力が作用しても破損箇所がないという条件)が満たさ
れる。
【0025】図1に示す内装品支持構造20は、図2の
手順によって構体2に取り付けている。すなわち、 内層スキン11の内側(室内側、つまり図における
上側)から、図2(a)のようにそれを貫通してコア1
2に達する穴をあける。図中の符号11aは、これによ
って内層スキン11に設けられた貫通穴、同12aはコ
ア12の内部に形成された穴である。CFRP製の内層
スキン11は硬いため、穴加工にはダイヤモンドドリル
を使用する。
【0026】 内層スキン11に設ける貫通穴11a
と同じ径の貫通穴22aを設けた上記サイズの円盤状の
補強板22を、図2(a)のとおり内層スキン11の内
側表面に重ねる。ただし、重ねる直前には、内層スキン
11と補強板22との間に未硬化の常温硬化型接着剤2
1を塗布しておき、また貫通穴22aの位置は貫通穴1
1aの位置に合わせるものとする。
【0027】 上記接着剤21が硬化しないうちに、
ブラインドナット23を、補強板22と内層スキン11
との両者にかしめて取り付ける。詳しくは下記1)〜3)の
手順による。
【0028】1) まずブラインドナット23を、上記補
強板22の内側から上記の貫通穴22a・11aを通し
て穴12aの内部にまで挿入し、さらに、正逆回転可能
な雄ネジ31を基部32の先に有するカシメ具30を、
そのブラインドナット23に結合させる。つまり図2
(b)のように、雌ネジ23aをコア12の穴12aに差
し入れて基端側のツバ23cを補強板22の貫通穴22
aの周囲に掛け止めることによりブラインドナット23
を装着したうえ、その内部にカシメ具30の雄ネジ31
を挿入し、雄ネジ31を右回転させて雌ネジ23aにね
じ込む。
【0029】2) カシメ具30について基部32を回転
させないで雄ネジ31の右回転を続けることにより、ブ
ラインドナット23を補強板22と内層スキン11との
両者にかしめる。雄ネジ31の右回転を続けると、ブラ
インドナット23の雌ネジ23aがツバ23c寄りに強
く引き寄せられる結果、基端寄りにある薄肉部分23b
が座屈変形して屈曲部23dとなり、図2(c)のように
ツバ23cとの間に補強板22と内層スキン11とをは
さみ込むのである。
【0030】3) その後、雄ネジ32を左回転させなが
ら図2(d)のようにカシメ具30をブラインドナット2
3から抜き出す。上記の屈曲部23dは永久変形してい
るため、カシメ具30を抜き出したのちもブラインドナ
ット23が補強板22と内層スキン11とをはさみ込ん
だ状態が維持される。
【0031】 内層スキン11と補強板22・ブライ
ンドナット23などを図2(d)の状態で適当時間だけ放
置し、内層スキン11と補強板22との間に塗布してお
いた常温硬化型接着剤21が硬化するのを待つ。この
間、接着剤21をはさむ内層スキン11と補強板22と
の圧着は、上記のようにかしめられたブラインドナット
23が行うため、他の手段を用いる必要は全くない。そ
うして接着剤21が硬化すると図1の支持構造20が完
成し、これに内装品7を支持させることが可能になる。
【0032】ところで、プラスチックの板状複合材を主
体に構成した上記の構体2については、図3のように先
頭車両1に取り付けられた後はその内側から加えられる
べき作業がほとんどないため、車両1の組立て工程のう
ち概ね最後の段階で車両1に付けることができる。つま
り、内側のフレームに対して金属板を溶接したり内側か
ら金属板を叩いたりする必要があって組立て工程の初期
に組み付けられねばならない図5の構体などとは異な
り、図1に示す構体2は、車両1に各種の機器・電装部
品等を搭載した後に、図3のように取り付ければよい。
したがって、複合材製の構体2を使用する車両1におい
てはそれら機器・部品等の搭載作業がきわめて行いやす
くなり、とくに、搭載機器の多い先頭車両1においては
この点による利益が大きい。
【0033】図1における内装品7として構体2の内側
に設けられる小型の電気部品等のうちには、上記のよう
に構体2が車両1に取り付けられた後に固定位置が決定
されるものがある。そのため、図1の支持構造20のう
ち幾つかは、車両1の組立て現場など車両1の製造工程
における終盤の部分で構体2の内側に取り付けられるこ
とになる。図1・図2および上記〜のように補強板
22や接着剤21・ブラインドナット23等を使用して
支持構造20を構成することは、そのような終盤の工程
において当該支持構造20を構体2に取り付けることを
極めて容易にする。しかし図4のように、もし補強板等
を用いずに内装品の支持構造20を構成するとしたら、
同様の工程でそれを取り付けることは極めて困難にな
る。強度的な要求を満たすためには、ブラインドナット
23を設ける箇所の付近で図4のとおり内層スキン1
1’の厚みを増す必要があるが、構体2’の内側全域に
おいてその厚みを増すとしたら著しいコストアップを招
くことになり、一方、あらかじめ特定した箇所に限って
増厚するとしたら、構体2’が車両1に取り付けられた
後にも内装品の(したがってその支持構造20の)位置
を決定するという製造上の要求が満たされないからであ
る。
【0034】なお、図3に示す先頭車両1では、構体2
に対して図3のように後部および下部につながる構体3
については、ほとんどの部分が平板または単純な二次曲
面を主体に構成されるため、図5に示したのと同様なア
ルミ合金製のセミモノコック構造を採用している。平板
や二次曲面の部分は、フレームを組み立てたのちに金属
板を沿わせて一体化することが比較的簡単であり、その
後の仕上げにも多くは工数を要しないからである。金属
製のフレームは荷重が集中しても破損しにくいため、そ
の構体3の内側の内装品支持構造としては、特別な補強
をすることなくそのフレームにブラインドナットを取り
付け、または従来どおり溶接またはネジ止めによって適
当なネジ部材(内装品等をネジで固定できるもの。図示
せず)を取り付けている。ただし、そのような構体3、
または先頭車両1以外の車両の構体(やはり平板や二次
曲面を主体に構成されるのが一般である)を構体2と同
様の複合材構体とし、それに対して前記と同様に内装品
支持構造を取り付けることも、もちろん可能である。
【0035】
【発明の効果】請求項1に記載した車両用構体における
内装品支持構造は、つぎのような効果を有する。すなわ
ち、イ ) 補強板を接合することもブラインドナットを設ける
ことも内層スキンの内側(室内側)のみから行うことが
できるので、構体に対して取り付けることが容易であ
る。
【0036】ロ) ブラインドナットが外層スキンを貫通
することがないので、構体の外観が低下せず、また雨水
の浸入する心配もない。
【0037】ハ) 内層スキンに補強板を接合するととも
に両者にかしめた状態でブラインドナットを取り付けて
いるため、内装品等からの荷重が内層スキンの一部に集
中的に作用することが防止され、内層スキンが破損等を
起こしにくい。
【0038】ニ) 内層スキンの補強を、一部に補強板を
接合することによって行うため、内装品の取り付けに伴
う複合材構体の製造コストの上昇はわずかである。ま
た、補強部分を随時に決定することができるため、構体
の成形後に車両の組立て現場等においてこの支持構造を
構成することが可能である。
【0039】請求項2の内装品支持構造には、さらに、ホ ) 車両用構体そのものが、必要な機械的強度を備える
とともに低コストで容易に製造されるという利点があ
る。
【0040】また、請求項3に記載した車両用構体にお
ける内装品支持構造の取り付け方法によると、ヘ ) 請求項1または2のような内装品支持構造を、車両
の組立て現場等においてとくに容易に実施することがで
きる。内装品を支持させるためのブラインドナットを、
接着剤が硬化するまで内層スキンと補強板とを密着させ
ておく手段としても使用するので、その密着のために他
の手段を使用する必要はなく、接着剤が硬化するのを待
てばよいからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】出願に係る発明の実施について一形態を示す図
であり、車両用構体2の内側の一部に設けた内装品支持
構造20を示す断面図である。
【図2】図2(a)〜(d)は、図1の内装品支持構造20
を構体2に取り付けるための手順を示す説明図である。
【図3】図1に示す構体2などを一部に用いて構成した
先頭車両1を全体的に示す斜視図である。
【図4】比較例として、出願の発明に属しない内装品支
持構造20’の要部を示す断面図である。
【図5】高速先頭車両の従来の一般的な構体を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 先頭車両 2 車両用構体 11 内層スキン 12 コア 13 外層スキン 20 内装品支持構造 21 接着剤 22 補強板 23 ブラインドナット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化プラスチックからなる内・外層
    のスキンの間にプラスチック発泡材であるコアが積層さ
    れたサンドイッチ構造の車両用構体に、内装品を支持さ
    せるための構造であって、 内層スキンの内側表面に補強板が接合されており、それ
    ら内層スキンと補強板とを貫通するとともに両者にかし
    めた状態でブラインドナットが設けられていることを特
    徴とする車両用構体における内装品支持構造。
  2. 【請求項2】 上記構体における内・外層のスキンが高
    弾性カーボン繊維強化プラスチックであり、コアが、耐
    熱構造用のポリメタクリルイミド発泡材であることを特
    徴とする請求項1に記載の車両用構体における内装品支
    持構造。
  3. 【請求項3】 繊維強化プラスチックからなる内・外層
    のスキンの間にプラスチック発泡材であるコアが積層さ
    れたサンドイッチ構造の車両用構体に、内装品支持構造
    を取り付ける方法であって、 内層スキンの内側から、それを貫通してコアに達する穴
    をあけ、 同様の貫通穴を有する補強板を、内層スキンの内側表面
    に、未硬化の常温硬化型接着剤を介し、かつ穴の位置を
    合わせて重ね、 上記接着剤が未硬化のうちに、ブラインドナットを、上
    記補強板の内側からその補強板と内層スキンの上記穴の
    内部に挿入し両者にかしめることによって取り付けるこ
    とを特徴とする車両用構体における内装品支持構造の取
    り付け方法。
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