JP2003136339A - ワイヤ放電加工方法及びワイヤ放電加工装置 - Google Patents

ワイヤ放電加工方法及びワイヤ放電加工装置

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JP2003136339A
JP2003136339A JP2001336224A JP2001336224A JP2003136339A JP 2003136339 A JP2003136339 A JP 2003136339A JP 2001336224 A JP2001336224 A JP 2001336224A JP 2001336224 A JP2001336224 A JP 2001336224A JP 2003136339 A JP2003136339 A JP 2003136339A
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Senha Gu
戦波 虞
Takahiro Sakayori
貴宏 坂寄
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Sodick Co Ltd
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 被加工体の板厚、加工液の噴射・噴流条件な
ど加工環境が変化する場合もワイヤ電極の断線を生じず
安定な加工を維持し得るように適切な加工条件への切換
え設定を行い効率的に加工を行うことができる放電加工
方法及び装置を提供する。 【解決手段】被加工体1の切断予定断面を側面から見て
ワイヤ電極軸方向の被加工体板厚が相対送り方向1Aの
位置で変化していることを噴射条件の違いとして複数種
に分別し噴射条件の種別毎に板厚・加工条件データとし
てメモリに記憶しておき、現に行なわれている加工から
の検出加工送り速度と検出平均加工電流とから被加工体
当該加工部分の板厚を求め、さらに加工液噴射条件の種
別を検出判別して該当する噴射条件の板厚・加工条件デ
ータをメモリから読み出し前記求めた板厚に対応する板
厚の加工条件に加工条件を切り換え設定して加工を継続
する。以後も同様に板厚の加工条件への設定切り換えを
繰り返しながら加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤ電極を用い
て被加工体を放電加工するワイヤ放電加工において、上
記被加工体の板厚変化等に基づく加工面積の変化および
同時発生的な加工液の噴射・噴流条件の変化に応じて加
工条件を適合するように自動制御する方法およびその方
法を実施する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ワイヤ放電加工装置は、直径が0.05
〜0.3mm程度の金属線を工具ワイヤ電極とし、被加
工体との間にxy方向の相対送りを与えて放電加工する
ことにより切断、抜き取り等の加工を行うものである。
この加工においては、被加工体の板厚が加工途中で増減
変化するものを加工する場合、短絡事故やワイヤ電極の
断線事故を生じさせることなく、かつ加工効率よく加工
するための一手法が、例えば特開昭54−13,096
号公報に開示されている。即ち、その手法は、被加工体
の各板厚に最適な加工電源の電気的加工条件とこれに対
応する加工送り速度(相対移動速度)とを組み合わせた
複数個の条件列データをメモリに記憶させておき、加工
中に加工送り速度を検出してこの検出加工送り速度に一
致する電気的加工条件列のデータを選択して加工を行う
というものである。つまり、同一の電気的加工条件下で
は、板厚が大きくなればなるほど加工取り量が多くなる
ので、加工送り速度が低下するから、これを検出するこ
とによって逆に対応する電気的加工条件が選択でき、板
厚に合った電気的加工条件に自動的に切り換えて加工し
て行けるようになるのである。
【0003】このように、被加工体の板厚が加工途中で
変化するのに対し、電気的加工条件がその変化した板厚
に適合した条件に切り変わるものの、加工液噴射ノズル
の位置は変化しないため、被加工体と加工液噴射ノズル
の間隔が板厚変化によって変化し、加工間隙に噴射され
る加工液圧が、被加工体と加工液噴射ノズルの間隔が小
さいときは強く、また大きいときには弱くなり、この加
工液圧が弱い場合、加工間隙に放電で生じた加工屑など
が充分に除去されない場合が生じ易く、短絡や集中放電
等の不安定異常状態が生じ易く、断線エネルギを越える
放電が可能な加工条件の設定がされていると、ワイヤ電
極の断線等が生じるのであった。
【0004】このため、加工間隙の加工液圧力と被加工
体の板厚とのマトリックスによる加工条件を予め設定し
ておき、加工間隙から検知された加工液圧力と数値制御
装置で計算された被加工体の板厚から、前記の加工送り
速度からの板厚に適合するものとして選定した電気的加
工条件を変更することにより、加工液圧力が低い状態で
高い放電エネルギを与えないようにすることが提案され
ている(特開平5−154,717号公報参照)。
【0005】しかしながら、上記公報に記載開示の技術
は、上述した加工液圧力の変化に対する電気的加工条件
等の補償制御は、検出加工送り速度から(板厚に適合す
るものとして)設定した加工条件と干渉する可能性もあ
り、実際上は極めて難しいものと思惟される。
【0006】以上のような問題点を解決するために、上
下ノズルを常に被加工体面と密着させるように構成する
ことも考えられるが、そのために次の問題点がある。第
1に上下ノズルを共に移動可能にするように装置を構成
しなければならない。特に下側ノズルを可動にするには
ワイヤ放電加工装置の構造上難しいことであり、装置の
構成を非常に煩雑化する。すなわち、一般にワイヤ放電
加工装置ではノズル部とガイド装置が近接して、あるい
はホルダ部材内に一体に設けてあり、ノズルあるいはガ
イドを被加工体の大きさに合わせて適切な位置に位置決
めするよういずれか一方のノズル(通常、上ノズル)が
移動可能に構成されているからである。また、上下ノズ
ルを移動させることによってかえって加工精度が得られ
なくなることも考えられる。
【0007】第2に相対移動を指令するNCプログラム
自体もそのように作成しなければならないが、これはN
Cプログラム作成の負担を大きくするし、特にテーパ加
工がある場合は更に動きが複雑化する。第3に仮に以上
の方法を採ったとしても、端面から切り込む箇所や、板
厚が変化する箇所においては加工液が飛散し、加工液の
供給状態は悪くなることは避けられない。そして、何れ
にしても凹状等の角隅部にノズル先端を入り込ませるこ
とができず、全体に対するノズル密着は不可能であり、
何等かの対策無しには非効率な加工を強いられることが
少なくなかった。
【0008】また、上述したようにノズル開口部が被加
工体面に密着していない状態であっても、特に被加工体
を加工液中に沈めて設置する、所謂浸漬加工の場合、加
工液噴流の流量および液圧は加工可能な程度には充分で
あるので、供給状態は密着状態より悪くなっていても、
加工部には必要量供給されていることも少なくない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、上下ノズル間
距離を被加工体中の最も板厚の大きい部分にセットし、
基本的にはノズルを動かさない状態で加工を行うことが
有利である。本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明
の目的は、被加工体の板厚が変化するだけでなく、加工
液の噴射・噴流条件が変化するなど加工環境が変化する
場合においてもワイヤ電極の断線を生じさせず、加工の
安定性を維持しつつ加工を行い得るように、常により適
切な加工条件への切換設定を行い、より効率的に加工を
行うことができるワイヤ放電加工方法およびその装置を
提供することにある。
【0010】そして、このような被加工体の板厚変化に
対応する加工条件の切換制御と同様な対応は、各種の場
合によっては部分的に種々の板厚変化のある被加工体
を、該被加工体の所望のまたは任意の端面から、または
加工スタート穴から加工を開始させる加工の喰い付き
時、さらには、加工の輪郭線経路に至るアプローチの加
工区間、そしてさらに所定の輪郭線経路に入った当初の
加工区間等の加工のばらつきを生じ易い加工領域におい
て必要とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述の本発明の目的は、
(1)一対の間隔を置いて配置したガイド間にワイヤ電
極を軸方向に更新送りせしめつつ、前記軸方向と直角方
向から被加工体を微小間隙を介して相対向せしめ、該間
隙に被加工体の両側にワイヤ電極と同軸状に設けた加工
液噴射ノズルから加工液をワイヤ電極に沿って加工間隙
に噴流させた状態で、ワイヤ電極と被加工体間にパルス
的な加工電圧を印加して繰り返し放電を発生せしめると
共に前記直角方向の平面上に於ける相対的な送りを与え
て加工するワイヤ放電加工方法において、前記一対の加
工液噴射ノズルからの加工間隙への加工液噴射の態様
を、前記被加工体の切断予定断面を側面から見て、ワイ
ヤ電極軸方向の被加工体板厚が相対送り方向の位置で変
化していることを、噴射条件の違いとして複数種に分別
し、この分別した噴射条件の種別毎に、被加工体の異な
る各板厚と、該各板厚の被加工体の加工に適合した電気
的加工条件を含む設定加工条件の組み合わせから成る板
厚・加工条件データをメモリに記憶しておき、現に行な
われている加工からの検出加工送り速度と検出平均加工
電流とから被加工体の当該加工部分の板厚を求め、同様
に現に行なわれている加工の加工液噴射条件の種別を検
出判別して該当する噴射条件の板厚・加工条件データを
メモリから読み出し、該読み出したデータ中から前記求
めた板厚に対応する板厚の加工条件に加工条件を切り換
え設定して加工を継続させ、以後に継続する加工におい
ても、設定された所定のサンプリングタイム毎に、前記
板厚を加工からの検出により求め、加工から検出分別し
た加工液噴射条件の種別に応じメモリから読み出した板
厚、加工条件データ中の該当する板厚の加工条件への設
定切り換えを繰り返しながら加工するワイヤ放電加工方
法とすることにより達成される。
【0012】また、前述の本発明の目的は、(2)前記
新しい加工条件が選定、設定されたとき、前記加工条件
中の主要な加工条件の要素については、現に行なわれて
いた加工の当該要素の条件と対比し、所定値以上の大き
な差違がある場合には、前記サンプリングタイムの間に
夫々なだらかに増減して新しい要素条件に切り換わるよ
うに制御する前記(1)に記載のワイヤ放電加工方法と
することにより達成される。
【0013】また、前述の本発明の目的は、(3)前記
加工液噴射条件の種別を、前記加工液噴射ノズルの先端
と被加工体の表面との間によって形成される開口が、両
者所定の微細離隔位置以内の近接位置にあって、ノズル
先端廻りと被加工体表面間に、微細幅の円板状ノズルを
形成した状態をノズル密着、前記相対送りの方向と交叉
して被加工体の表裏面上に形成されている段差部にまた
がってノズル先端が相対向位置する場合を含み、前記ノ
ズ密着の離隔位置に対して、所定の限度以上の大きい相
対的な離隔位置にあって、円板状乃至は前方開放のノズ
ルを形成した状態が、前記一対の加工液噴射ノズルの一
方であるときをノズル片浮き、両方であるときをノズル
両浮きの3種に分別する前記(1)、または(2)に記
載のワイヤ放電加工方法とすることにより達成される。
【0014】また、前述の本発明の目的は、(4)前記
ノズル密着の微細幅の円板状ノズルを形成するノズル先
端と被加工体表面間の隙間が、0.3〜0.1mm以
内、好ましくは約0.1mmであり、前記ノズル片浮き
およびノズル両浮きの円板状乃至前方開放のノズルを形
成するノズル先端と被加工体表面間の間隔が0.3mm
以上である前記(3)に記載のワイヤ放電加工方法とす
ることにより達成される。
【0015】また、前述の本発明の目的は、(5)前記
現に行なわれているワイヤ放電加工が自動加工開始時の
前工程の最初の加工であって、目的とする加工の輪郭線
経路に到達する前のアプローチ区間の加工であり、前記
自動加工開始指令により設定される前記加工条件は、加
工中にワイヤ電極に断線事故を生じさせにくく、前記加
工条件中の主として電気的加工条件が高負荷の加工状態
を避ける設定であって、さらに前記相対送りの送り速度
が、通常加工時の送り速度に対して充分速い速度に設定
されている自動加工開始の加工条件である前記(1)、
(2)、(3)、または(4)に記載のワイヤ放電加工
方法とすることにより達成される。
【0016】また、前述の本発明の目的は、(6)前記
自動加工開始指令の入力により相対送りが開始され、設
定された加工条件で、ワイヤ電極と被加工体間に間歇放
電が開始されると、前記サンプリングタイムよりも充分
短い時間の間に放電を繰り返し発生し得る所定数の放電
パルス数をカウントしたのを検出すると、前記自動加工
開始の加工条件中の前記送り速度のみを通常加工時の送
り速度に切り換えた加工条件でしばらくの間加工を継続
し、加工状態が正常ならば、前記板厚の検出判断と加工
液噴射条件の検出判断とによる加工条件切り換え設定の
自動制御加工の段階に移行する前記(5)に記載のワイ
ヤ放電加工方法とすることにより達成される。
【0017】また、前述の本発明の目的は、(7)前記
自動制御加工の段階に移行して設定される最初の加工条
件が、前記ノズル両浮き条件での板厚、加工条件データ
から読み出された加工条件である前記(5)、または
(6)に記載のワイヤ放電加工方法とすることにより達
成される。
【0018】また、前述の本発明の目的は、(8)一対
の間隔を置いて配置したガイド間にワイヤ電極を軸方向
に更新送りせしめつつ前記軸方向と直角方向から被加工
体を微小間隙を介して相対向せしめ、該間隙に被加工体
の両側にワイヤ電極と同軸状に設けた加工液噴射ノズル
から加工液をワイヤ電極に沿って加工間隙に噴流させた
状態で、ワイヤ電極と被加工体間にパルス的な加工電圧
を印加して繰り返し放電を発生せしめると共に、前記直
角方向の平面上における相対的な送りを与えて加工する
ワイヤ放電加工装置において、前記一対の加工液噴射ノ
ズルからの加工間隙への加工液噴射の態様を、前記被加
工体の切断予定断面を側面から見て、ワイヤ電極軸方向
の被加工体板厚が相対送り方向の位置で変化しているこ
とを、噴射条件の違いとして複数種に分別した加工液の
分別噴射条件と、この分別した噴射条件の種別毎に、被
加工体の異なる各板厚と、該各板厚の被加工体の加工に
適合した電気的加工条件を含む設定加工条件の組み合わ
せから成る板厚・加工条件データを設定する手段と、該
設定された複数組の板厚・加工条件データを記憶装置に
記憶する手段と、現行なわれている加工からの検出加工
送り速度と検出平均加工電流とから被加工体の当該加工
部分の板厚を計算して求める手段と、また現に行なわれ
ている加工の加工液噴射条件を検出し、これを前記分別
噴射条件のひとつとして検出判別する手段と、検出判別
した分別噴射条件に該当する板厚・加工条件データを記
憶装置から読み出し、該読み出したデータ中から前記求
めた板厚に対応する板厚の加工条件に加工条件を切り換
え設定する手段と、設定された所定のサンプリングタイ
ム毎に、前記板厚と分別噴射条件との加工からの検出判
別と、対応する分別噴射条件の板厚・加工条件の読み出
して該当する板厚の加工条件への切換の設定を繰り返す
手段とを備えたワイヤ放電加工装置とすることにより達
成される。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、被加工体の加工中に於け
る板厚変化の一態様を、被加工体の切断予定断面を側面
から見て示した説明図である。図に於いて、1は被加工
体、2U、2Dは夫々上加工液噴射ノズル3Uと下加工
液噴射ノズル3Dを保持する上ガイドブロックと下ガイ
ドブロック、4は被加工体1を両側から直交するように
挟んで設けたノズル3U、3Dに同軸状に挿通し、所定
の張力を付与された状態で、軸方向の一方に更新送りさ
れ、被加工体1に対し相対的に矢符1A方向に送られる
工具としてのワイヤ電極である。
【0020】図1の一番左側の位置Aにおいては、右端
側の位置Fと同様に、被加工体1の切断予定断面のワイ
ヤ電極4軸方向の板厚が、他に比べて一番厚く、上面
(表面)と下面(裏面)とが相互に平行で、水平面に対
して平行である。そして、図示のように上下の両加工液
噴射ノズル3U、3Dが所定の微細離隔位置以内の近接
位置であって、ノズル3U、3D先端廻りと被加工体1
表裏面間に、微細幅の前記表裏面に沿ってノズル軸(ワ
イヤ電極軸)を中心として広がる円板状ノズルを形成し
た状態をノズル密着という。即ち、より具体的には、前
記円板状ノズルを形成するノズル3U、3Dの各先端面
と被加工体1表裏間の隙間が0.3mm〜0.1mm以
内、好ましくは約0.1mmの設定値である場合がノズ
ル密着である。
【0021】図2は、前記ノズル3U、3Dに対する加
工液供給回路の構成例を示すもので、加工液は図示しな
い加工液槽からポンプ5によって汲み上げられ、高圧電
磁弁(制御弁)6を介して供給され、上下の各ノズル3
U、3Dの分岐供給回路へ供給される。前記各分岐供給
回路は、夫々逆止弁8U、8Dと流量計9U、9D、お
よび上下の各ノズル3U、3Dに繋がる流量調整弁10
U、10Dの直列回路から成り、各分岐供給回路または
ガイドブロック2U、2Dには圧力センサ11U、11
Dが設けられる。また前記ポンプ5には、インバータ周
波数(WP)を入力して回転数を制御する制御装置12
が設けられ、ポンプ出力の元圧は圧力計13によって表
示される。
【0022】次に、前記被加工体1の表面位置Aに対す
るノズル3Uの離隔間幅が前記0.1mm、位置Bにお
いて0.2mm、位置Cにおいて0.3mm、位置Dに
おいて10mm、位置Eにおいて20mm、位置Fにお
いて再び0.1mmとする。即ち、これは被加工体1表
面上を左から右方へかけて、位置Aに対し、位置Bは段
差部S−1から0.1mm、位置Cは段差部S−2から
さらに0.1mm、被加工体1の板厚が減少していると
いうことであって、ノズル3U、3Dと被加工体1表裏
面間に形成される隙間は、位置Aにおいて0.1mm、
位置Bにおいて0.2mm、位置Cにおいて0.3mm
で、両者間に形成される円板状ノズルによる加工液噴射
の開口面積は、位置Bにおいて位置Aの2倍、位置Cに
おいて3倍となり、そして図示していない約5倍の間隔
となると、ノズル先端の開口面積と、ノズル先端と被加
工体間のノズル先端廻りに形成される円板状ノズルの開
口面積とはほぼ等しくなり、加工液の流れの向きがπ/
2ラジアン曲げられる以外の流通抵抗は働かないことに
なり、上ノズル3Uへの加工液供給分岐回路の液圧は大
幅に減少し、流量は急激に増加して、ノズル前方開放
(オープン)状態と殆ど変わらなくなる。
【0023】以上により、ノズル先端と被加工体面間に
形成されるノズルの開口面積が前述ノズル密着の両者間
の間隔が標準の0.1mmの3倍の0.3mm迄をノズ
ル密着の加工液噴射の種別とし、前記0.3mmを越え
る離隔および/または前方開放状態にあるのが、上下の
何れか一方の加工液噴射ノズルであるときをノズル片浮
き、そして上下両方のノズルであるときをノズル両浮き
と分別するものである。このような開口ノズルの変化形
成のされ方としては、図1の位置Aの上ノズル3Uが、
ノズル密着(間隔0.1mm)から、段差S−1が0.
1mm増大する位置Bへ相対的に移動してなお円板状ノ
ズルを形成している状態での変化の態様のものと、上ノ
ズル3Uが位置Cから0.3mm以上の大きな段差部S
−3を経由して位置Dへ順次相対的に移動する場合と
か、または下ノズル3Dが段差S−4部で、ノズル密着
からノズル開放の浮き状態に移行する場合のように、相
対的に後方側にノズル密着の円板状ノズル形成を残した
状態で、前端側からノズル前方が三日月状に開放開口が
拡大して行く場合とがあるが、何れの場合にも、ノズル
開口の面積が、前記ノズル密着およびノズル浮きの主た
る指標となるものである。
【0024】図3、図4、および図5に、前記上下の各
加工液噴射ノズル3U、3Dとして外径φ16mm、開
口内径φ6mmで、この内外径間の円板状ノズル形成面
に一筋の溝(ラビリンス)を形成したものを用い、前述
上下ノズル両密着状態から上ノズル3Uを上方に順次に
離隔移動させて行った上ノズル片浮き移動の場合、下
ノズル3Dを下方に離隔移動させて行った下ノズル片浮
き移動の場合、下ノズル3Dを予め10mm隔離した
片浮きの状態から、密着上ノズル3Uを離隔させて行く
両浮きへ移行の場合、そして、上ノズル3Uを予め1
0mm隔離した片浮きの状態から、密着下ノズル3Dを
下方へ離隔させて行く両浮きへ移行の場合の、前記離
隔距離に対する加工液圧力の変化の状態を示したもの
で、前述ポンプ5の制御装置12の設定周波数(WP)
が、WP=63のときを3図、WP=55のときを4
図、WP=45のときを6図として示している。そして
図6は上記図3〜5の特性を、大略数値的に整理した表
である。
【0025】上記図3、図4、および図5によると上下
ノズル3U、3D何れの浮きの場合でも、密着からの離
隔距離が約0.5mmになると、液圧は殆ど開放に近い
状態に低下しているが、ノズルからの吐出流量を計測す
ると、離隔距離約0.2〜0.3mmで、流量が急増し
て10L/minを越え、ほぼ開放状態(ノズル浮きの
状態)にあるものと思われる。そしてこのノズル浮きの
状態になると、ノズル開口からの加工液吐出流量が増し
ても、流れ易い方へと噴射、噴流し、ワイヤ電極4と被
加工体1間の微細な放電間隙に、冷却を充分に行い、生
成加工屑を速やかに排出させるほどには、加工液が注
入、排出されず、このため、前述ノズル浮きの状態が、
被加工体1の板厚の減少変化によって生じたものである
とすると、加工条件を、例えば、電圧パルス間休止時間
を大きくするように切り換える等の加工負荷軽減の対応
処理無しには、加工の不安定から、ワイヤ電極4の断線
等を生じさせてしまうのである。
【0026】そして、このことは、既に段落[002
3]で述べたように、段差部S−4に対する下ノズルの
ように、ワイヤ電極4と被加工体1間の矢符1Aの相対
移動により、ノズル密着状態からノズル先端の開口が、
移動方向の前縁により月が欠けまたは満ちるように開放
の開口を順次に拡大して行く噴射、噴流条件の変化の場
合にも、同一の指標として開口面積を取ることにより同
じことが言えるものである。図7の表に、上ノズルの開
口(口径φ6mm)の中心が、段差部S−5の縁から、
被加工体1表面の密着面側へ4mmの位置F上に在る状
態から前記相対移動を開始させたところ、ノズル開口の
円弧外縁から径方向に約1.2mmの幅開放状となった
ところで、上ノズルからの吐出流量が、使用流量計9
U、9Dで測定可能な10L/minを越えて、上ノズ
ル浮き状態となったことを示している。
【0027】故に、図1ノズルような切断面に板厚変化
のある被加工体1を、上下ノズルを最初の設定位置から
動かすことなく自動制御でワイヤ放電加工するとき、ワ
イヤ電極4を断線させることなく、かつ効率の良い加工
を実現するために、被加工体1を挟み両側に設けた一対
の加工液噴射ノズル3U、3Dからの加工間隙への加工
液噴射の態様を、被加工体1の切断予定断面を側方から
見て、ワイヤ電極4軸方向の被加工体板厚が、相対送り
方向の位置で変化していることによる加工液噴射条件の
違いを、両方の各ノズルの先端と被加工体の表面との間
の隙間によって形成される開口が、両者所定の微細離隔
位置以内の近接位置にあって、ノズル先端廻りと被加工
体表面間に微細幅の円板状ノズルを形成した状態をノズ
ル密着の噴射とし、前記相対送りの方向と交叉して被加
工体の表裏面上に形成されている段差部にまたがってノ
ズル先端が相対向する場合を含み、前記ノズル密着の離
隔位置に対して、開口面積が少なくとも3倍以上の円板
状乃至は前方開放のノズルを形成したノズルが、前記一
対の加工液噴射ノズルの一方であるときをノズル片浮き
の噴射、そしてこれが両方であるときをノズル両浮きの
噴射の少なくとも3種に分別し、この分別した噴射条件
の種別毎に、被加工体の異なる各板厚と、該各板厚の被
加工体の加工に適合した電気的加工条件を含む設定加工
条件の組み合わせからなる板厚・加工条件列のデータを
予め各種の実験等により作成しておき、これをNC等の
メモリに予め記憶させておくものである。
【0028】図8は、前記板厚・加工条件列のデータを
加工液の前記噴射条件の種別毎にカード化して示したも
ので、板厚tは各噴射条件の種別毎に、t1からtn
迄、例えば10mmきざみで10段階あり、各板厚t1
〜tn毎にノズル密着では加工条件C101〜C10n
が、ノズル片浮きでは加工条件C301〜C30nが、
また、ノズル両浮きでは加工条件C501〜C50nが
対応設定され、記憶されている。
【0029】前記各加工条件の各加工条件列の要素とし
ては、 τON:休止時間(τOFF)置いて加えられる電圧パ
ルス、または発生した放電パルスの時間幅の設定、 τOFF:電圧パルスまたは放電パルス(τON)間の
休止時間幅の設定、 IP:放電パルスの放電電流振幅の設定 MAO:加工状態の安定、不安定を判断する基準の設
定、 V :電源電圧(電圧パルスの無負荷電圧)の設定、 SV:送りサーボ基準電圧の設定、 SF:送り速度の設定 C :間隙、コンデンサの設定、 WT:ワイヤ電極の材質および径の設定 WT:ワイヤ電極の張力の設定、 WS:ワイヤ電極の更新移動速度の設定、 WP:加工液ポンプの回転数制御インバータの設定、 等があり、之等の各値が加工液噴射条件の種別毎に、ワ
イヤ放電加工機のNC装置を含む制御装置の記憶装置に
記憶させられる。
【0030】一方ワイヤ放電加工中は、所定の定められ
たサンプリング・タイム、例えば6秒毎にその間に現に
行なわれている加工の加工送り速度を検出し、この検出
送り速度と、設定されている加工条件中の主として電気
的加工条件に依存するものの、サンプリングタイム毎の
検出平均加工電流値とから、現に加工が行われている部
分の被加工体1の板厚を計算値tiとして求め、他方同
一またはより短く設定されたサンプリング・タイム、例
えば3秒毎に、加工液噴射条件の種別を、上下の各ガイ
ドブロック2U、2Dにつき液圧と流量とから検出判別
し、制御装置から該当する噴射条件種別の板厚、加工条
件のデータを読み出しておき、前記検出計算により求め
た板厚tiの加工条件列の加工条件に切り換え設定して
加工を行うのである。そして以後に継続する加工におい
ても、前記設定された所定のサンプリング・タイム毎
に、前記板厚を加工からの加工送り速度検出と検出平均
加工電流のデータとから計算により求め、他方加工部に
おける加工液噴射条件の種別を上下の各ノズルの加工液
の液圧と流量とを検出することにより判別して記憶装置
から読み出した該当する噴射条件の板厚・加工条件デー
タ中の該当する板厚の加工条件への設定切り換えて加工
することを繰り返しながら加工を継続するようにするも
のである。
【0031】以上の如き本発明のワイヤ放電加工方法、
または、加工部の被加工体の板厚、形状が複雑に変化す
るのに対応して加工条件を自動制御しながら加工を進め
る方法は、前記板厚、形状、寸法が複雑に変化し、加工
液噴射の条件も複雑に変化する被加工体の加工を、加工
条件のプログラム等を予め作成することなく加工する自
動加工等に適用して有用なものである。但し、被加工体
の板厚、形状、寸法等の如何にかかわらず、切断、切抜
き等の所定プログラムの輪郭線に沿っての加工を、加工
に合わせた加工条件の設定プログラム無しに加工を行お
うとするものであるから、その自動加工開始時の喰い付
き時の最初の加工から、或る程度喰い付きが終わり、加
工状態がそれなりに安定した状態でワイヤ電極の断線が
生じない加工状態となるまでの間は、自動加工開始の指
令による制御された喰い付き加工の工程を採ることが必
要なものである。
【0032】図9は、前述したような自動加工開始指令
により加工を開始して、所定の喰い付き状態になると、
前述した自動制御により加工条件の切り換え設定を繰り
返して加工を進める場合の1例を説明するためのもの
で、被加工体1はワイヤ電極4に対し、矢符1Cのよう
に相対的に加工送りされて切断加工されたときの、切断
側面図で、上下のノズル3U、3D間隔が約100mm
の場合である。図示のものの場合、ワイヤ電極4と相対
向する側の被加工体1の面には、ワイヤ電極軸方向に傾
斜や円弧面が無く、ワイヤ電極4の軸を直角座標の1軸
とする直交直線のみから成る図形であるから、加工条件
切り換えのプログラムは比較的作り易いと思われるが、
ワイヤ電極4に断線を生じさせないで効率の良い加工を
実行させる加工プログラムを作成することは容易ではな
いと思われる。
【0033】図9の場合、被加工体1の板厚方向途中に
ある凸状部1a端面からの前記ノズル両浮きでの加工開
始で、ワイヤ電極4と前記端面1aとを相対移動により
接触感知して位置を検知し、加工開始に際して両者が短
絡しないように相対移動により所定微少距離離隔させ、
自動加工を指令して図10の加工条件C101、即ち、
端面からの喰い付きによる不安定加工程度では、ワイヤ
電極の断線が生じることが殆ど無いところの、主として
電気的加工条件C101が設定される。この設定加工条
件は、τON=0.5μs、τOFF=8μs、IP=
135A、V=80V、そしてMAO=390で、安定
状態の判定条件がやや厳しく、かつ、非安定状態との検
知時のτOFF増大倍率が大きい設定であると言う、非
安定でもワイヤ電極の断線が生じ難いという設定であ
る。しかし、サーボ送り速度SFの設定は、後述するよ
うにSF=0100と言う高い値に選定されている。
【0034】ここで、自動加工の開始指令を押釦等によ
り入力すると、プログラム等された切断線や輪郭線に沿
った前記の設定された加工条件C101での加工が相対
送り1Cの開始により行われているが、前記端面位置出
し時の微小離隔距離を高速度に設定されたサーボ送り速
度SF=0100で送られ、無駄な長い加工(放電)開
始待ち時間を生ずること無く加工開始に入ることができ
る。但し、このままでは直ぐに短絡、そしてワイヤ電極
4断線と言うことになるので、前記加工開始の指令後、
ワイヤ電極4と被加工体1間が、両者間に放電を発生し
て加工をし得るような状態になったことを確認し得る数
の放電、例えば、約2000発の放電が発生したのを検
知カウントした時、前記加工条件C101を、前記サー
ボ送り速度が並のSF=0010で、その他の加工条件
は前記加工条件C101と同一か、ほぼ同一の図10に
示す加工条件C102に切り換え設定して、加工の喰い
付きが或る程度進むと思われる所定時間、例えば約5秒
間、この加工条件C102で加工を行う。
【0035】上記5秒間の加工の終了後、本発明の自動
の加工条件制御の加工に移行すべく、準備段階の、なお
低負荷の加工条件、例えば、図10の「ノズル両浮き」
板厚=50mmの加工条件C505を選定し、前記加工
条件C102から加工条件C505に順次なだらかに切
り換え変更しながら加工を継続させる。即ち、図10に
おいて、加工条件C102と加工条件C505の各要素
を対比すると、電圧(放電)パルス幅τONが「00
0」(0.5μs)から「015」(8μs)へ、サー
ボ送り速度SFが「0010」から「0020」へ、お
よびインバータの設定WPが「45」から「50」へ等
各要素値に所定値以上の大きな差異がある加工条件要素
に就いては、上記の場合、例えばサーボ基準電圧SVを
「40」から「50」まで、1/sのピッチで、10秒
間掛けてなだらかに上昇させるのに同期させて増減等切
り替えながら加工する事により、切断加工面に筋や段差
が発生することが無いようにするものである。
【0036】そして、現に行なわれている加工の加工条
件が、前記C505と合致したところで、加工喰い付き
が完了し、安定加工の確保が行われたものと判定して、
前述した行なわれている加工の加工速度検出と検出平均
加工電流とからの板厚計算サイクルと、加工液噴射条件
種別の検出判断サイクルに移行する。そして前述所定の
サンプリングタイム毎に、検出板厚と検出噴射条件の種
別の両方または何れか一方に変化があれば、その検出変
化に従って加工条件の切り換えを行い、以後これを繰り
返すことにより、自動制御による自動加工が可能となる
ものである。
【0037】前述図9のように切断経路中において切断
板厚が変化する被加工体1の場合、1条件で加工をしよ
うとすると、熟練加工技術者でも、加工条件を探して設
定するのに、時間や手間を要し、その際加工の効率も高
く求められると、テスト加工や、やり直し等が必要とな
ることが少なくなかったのであるが、前述本発明の自動
加工方法によれば、加工条件を探し設定する必要がな
く、熟練者なみの加工結果が得られるようになる。
【0038】以上、詳述したように、本発明によれば、
被加工体1の板厚が加工経路途中において種々を変化す
るだけでなく、加工液噴出ノズルからの加工液の噴出、
噴流条件が同様に種々変化するなど、加工環境が大きく
変化する被加工体のワイヤ放電加工を行う場合において
も、ワイヤ電極の断線事故を生じさせず、加工の安定を
維持しつつ、適切な加工条件に自動で切り換えて加工を
行い、高い効率のワイヤ放電加工を実現させる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のワイヤ放電加工方法を適用する被加工
体の切断経路の板厚変化の一態様と上下の加工液噴射ノ
ズルを配して示した側面図。
【図2】本発明のワイヤ放電加工方法で用いた上下の加
工液噴射ノズルに対する加工液供給回路の構成図。
【図3】所定のポンプ元圧状態において、上下の加工液
噴射ノズルの一方を所定の固定状態として、他方のノズ
ルを被加工体から順次に隔離移動させたときの、上下ノ
ズル加工液供給回路の液圧変化を示す特性図。
【図4】前記図3と異なるポンプ元圧条件における図3
と同様な特性図。
【図5】前記図4と更に異なるポンプ元圧条件時の特性
図。
【図6】図3の液圧変化の特性図を数値化整理し、流量
と共に示した特性表。
【図7】ノズル隔離移動距離と、流量との特性表。
【図8】異なる加工液噴射条件種別毎の板厚・加工条件
列の各データ表。
【図9】図1の被加工体と異なる板厚変化の例を示す側
面図。
【図10】自動加工による喰い付き時に、順次に切り換
えられる加工条件列の例を示す加工条件表。
【符号の説明】
1 :被加工体 1A、1C:相対移動の矢符 1a :凸状部 2U、2D:上下のガイドブロック 3U、3D:上下の加工液噴射ノズル 4 :ワイヤ電極 S−1〜5:段差部 5 :ポンプ 6 :制御弁 8U、8D:上下の分流路の逆止弁 9U、9D:流量計 10U、10D:絞り弁 11U、11D:圧力センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C059 AA01 AB05 CC02 CC03 CL08 EE12 FD00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の間隔を置いて配置したガイド間に
    ワイヤ電極を軸方向に更新送りせしめつつ、前記軸方向
    と直角方向から被加工体を微小間隙を介して相対向せし
    め、該間隙に被加工体の両側にワイヤ電極と同軸状に設
    けた加工液噴射ノズルから加工液をワイヤ電極に沿って
    加工間隙に噴流させた状態で、ワイヤ電極と被加工体間
    にパルス的な加工電圧を印加して繰り返し放電を発生せ
    しめると共に前記直角方向の平面上に於ける相対的な送
    りを与えて加工するワイヤ放電加工方法において、 前記一対の加工液噴射ノズルからの加工間隙への加工液
    噴射の態様を、前記被加工体の切断予定断面を側面から
    見て、ワイヤ電極軸方向の被加工体板厚が相対送り方向
    の位置で変化していることを、噴射条件の違いとして複
    数種に分別し、この分別した噴射条件の種別毎に、被加
    工体の異なる各板厚と、該各板厚の被加工体の加工に適
    合した電気的加工条件を含む設定加工条件の組み合わせ
    から成る板厚・加工条件データをメモリに記憶してお
    き、 現に行なわれている加工からの検出加工送り速度と検出
    平均加工電流とから被加工体の当該加工部分の板厚を求
    め、同様に現に行なわれている加工の加工液噴射条件の
    種別を検出判別して該当する噴射条件の板厚・加工条件
    データをメモリから読み出し、該読み出したデータ中か
    ら前記求めた板厚に対応する板厚の加工条件に加工条件
    を切り換え設定して加工を継続させ、以後に継続する加
    工においても、設定された所定のサンプリングタイム毎
    に、前記板厚を加工からの検出により求め、加工から検
    出分別した加工液噴射条件の種別に応じメモリから読み
    出した板厚、加工条件データ中の該当する板厚の加工条
    件への設定切り換えを繰り返しながら加工することを特
    徴とするワイヤ放電加工方法。
  2. 【請求項2】 前記新しい加工条件が選定、設定された
    とき、前記加工条件中の主要な加工条件の要素について
    は、現に行なわれていた加工の当該要素の条件と対比
    し、所定値以上の大きな差違がある場合には、前記サン
    プリングタイムの間に夫々なだらかに増減して新しい要
    素条件に切り換わるように制御することを特徴とする請
    求項1に記載のワイヤ放電加工方法。
  3. 【請求項3】 前記加工液噴射条件の種別を、前記加工
    液噴射ノズルの先端と被加工体の表面との間によって形
    成される開口が、 両者所定の微細離隔位置以内の近接位置にあって、ノズ
    ル先端廻りと被加工体表面間に、微細幅の円板状ノズル
    を形成した状態をノズル密着、 前記相対送りの方向と交叉して被加工体の表裏面上に形
    成されている段差部にまたがってノズル先端が相対向位
    置する場合を含み、前記ノズル密着の離隔位置に対し
    て、所定の限度以上の大きい相対的な離隔位置にあっ
    て、円板状乃至は前方開放のノズルを形成した状態が、
    前記一対の加工液噴射ノズルの一方であるときをノズル
    片浮き、両方であるときをノズル両浮きの3種に分別す
    ることを特徴とする請求項1、または2に記載のワイヤ
    放電加工方法。
  4. 【請求項4】 前記ノズル密着の微細幅の円板状ノズル
    を形成するノズル先端と被加工体表面間の隙間が、0.
    3〜0.1mm以内、好ましくは約0.1mmであり、
    前記ノズル片浮きおよびノズル両浮きの円板状乃至前方
    開放のノズルを形成するノズル先端と被加工体表面間の
    間隔が0.3mm以上であることを特徴とする請求項3
    に記載のワイヤ放電加工方法。
  5. 【請求項5】 前記現に行なわれているワイヤ放電加工
    が自動加工開始時の前工程の最初の加工であって、目的
    とする加工の輪郭線経路に到達する前のアプローチ区間
    の加工であり、前記自動加工開始指令により設定される
    前記加工条件は、加工中にワイヤ電極に断線事故を生じ
    させにくく、前記加工条件中の主として電気的加工条件
    が高負荷の加工状態を避ける設定であって、さらに前記
    加工条件中の一要素である前記相対送りの送り速度が、
    通常加工時の送り速度に対して充分速い速度に設定され
    ている自動加工開始の加工条件であることを特徴とする
    前記請求項1、2、3、または4に記載のワイヤ放電加
    工方法。
  6. 【請求項6】 前記自動加工開始指令の入力により相対
    送りが開始され、設定された加工条件で、ワイヤ電極と
    被加工体間に間歇放電が開始されると、前記サンプリン
    グタイムよりも充分短い時間の間に放電を繰り返し発生
    し得る所定数の放電パルス数をカウントしたのを検出す
    ると、前記自動加工開始の加工条件中の前記送り速度の
    みを通常加工時の送り速度に切り換えた加工条件でしば
    らくの間加工を継続し、加工状態が正常ならば、前記板
    厚の検出判断と加工液噴射条件の検出判断とによる加工
    条件切り換え設定の自動制御加工の段階に移行すること
    を特徴とする請求項5に記載のワイヤ放電加工方法。
  7. 【請求項7】 前記自動制御加工の段階に移行して設定
    される最初の加工条件が、前記ノズル両浮き条件での板
    厚、加工条件データから読み出された加工条件であるこ
    とを特徴とする請求項5、または6に記載のワイヤ放電
    加工方法。
  8. 【請求項8】 一対の間隔を置いて配置したガイド間に
    ワイヤ電極を軸方向に更新送りせしめつつ前記軸方向と
    直角方向から被加工体を微小間隙を介して相対向せし
    め、該間隙に被加工体の両側にワイヤ電極と同軸状に設
    けた加工液噴射ノズルから加工液をワイヤ電極に沿って
    加工間隙に噴流させた状態で、ワイヤ電極と被加工体間
    にパルス的な加工電圧を印加して繰り返し放電を発生せ
    しめると共に、前記直角方向の平面上における相対的な
    送りを与えて加工するワイヤ放電加工装置において、 前記一対の加工液噴射ノズルからの加工間隙への加工液
    噴射の態様を、前記被加工体の切断予定断面を側面から
    見て、ワイヤ電極軸方向の被加工体板厚が相対送り方向
    の位置で変化していることを、噴射条件の違いとして複
    数種に分別した加工液の分別噴射条件と、この分別した
    噴射条件の種別毎に、被加工体の異なる各板厚と、該各
    板厚の被加工体の加工に適合した電気的加工条件を含む
    設定加工条件の組み合わせから成る板厚・加工条件デー
    タを設定する手段と、該設定された複数組の板厚・加工
    条件データを記憶装置に記憶する手段と、 現に行なわれている加工からの検出加工送り速度と検出
    平均加工電流とから被加工体の当該加工部分の板厚を計
    算して求める手段と、また現に行なわれている加工の加
    工液噴射条件を検出し、これを前記分別噴射条件のひと
    つとして検出判別する手段と、検出判別した分別噴射条
    件に該当する板厚・加工条件データを記憶装置から読み
    出し、該読み出したデータ中から前記求めた板厚に対応
    する板厚の加工条件に加工条件を切り換え設定する手段
    と、設定された所定のサンプリングタイム毎に、前記板
    厚と分別噴射条件との加工からの検出判別と、対応する
    分別噴射条件の板厚・加工条件の読み出して該当する板
    厚の加工条件への切り換えの設定を繰り返す手段とから
    なることを特徴とするワイヤ放電加工装置。
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