JP2003136272A - レーザー加工対象物載置台、及びこれを備えるレーザー加工装置 - Google Patents

レーザー加工対象物載置台、及びこれを備えるレーザー加工装置

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JP2003136272A JP2001341580A JP2001341580A JP2003136272A JP 2003136272 A JP2003136272 A JP 2003136272A JP 2001341580 A JP2001341580 A JP 2001341580A JP 2001341580 A JP2001341580 A JP 2001341580A JP 2003136272 A JP2003136272 A JP 2003136272A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザー加工対象物の撓みに起因するレーザ
ー加工精度の低下を抑え、しかも、加工後のレーザー加
工対象物の搬送作業性を向上させることができるレーザ
ー加工装置を提供する。 【解決手段】 レーザー加工対象物載置台としての移動
台5の空気室5eを外部と仕切る仕切壁の一部として、
複数の吸引孔5gが設けられた載置部材5aを支持部5
bに着脱可能に構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー加工対象
物が載置される載置部と、これを支持する支持部とを有
するレーザー加工対象物載置台、及びこれを備えるレー
ザー加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のレーザー加工装置とし
て、図8に示すようなX−Yテーブルを備えたものが知
られている。図8において、X−Yテーブル4は、レー
ザー加工対象物載置台としての移動台5、これを支持し
ながら図示しない駆動手段によってX−Y方向(図中左
右方向及び前後方向)に移動せしめる駆動部6などを備
えている。移動台5は、レーザー加工対象物が載置され
る載置部としての載置部材5a、これを支持する支持部
5bなどを有している。支持部5bは、載置部材5aを
直接支持する直接支持部5cと、間接的に支持する間接
支持部5dとからなり、内部には空気室5eが形成され
ている。空気室5eの天井を構成する直接支持部5cに
は、上述の載置部材5aが密着せしめられている。直接
支持部5cと載置部材5aとには、それぞれ互いに連通
する吸引孔5g、吸引孔5hが複数設けられており、直
接支持部5cの方の吸引孔5dは更に上述の空気室5e
に連通している。空気室5e内の空気が図示しない吸引
手段によって吸引されて空気室5e内が負圧になると、
載置部材5aに設けられた複数の吸引孔5gに吸引力が
発生し、これによってレーザー加工対象物100が載置
部材5a上に吸引固定される。このようにして固定され
たレーザー加工対象物100は、移動台5上でX−Y方
向に移動せしめられながら、図示しないレーザー光発生
手段によってYAGレーザー光Lが局所的に照射されて
照射部分が除去される。
【0003】上記レーザー加工対象物100がITO
(インジウム酸化スズ)等の光透過性材料から成ると、
YAGレーザー光Lがレーザー加工対象物100を透過
する。そして、移動台5に到達してこれにダメージを与
えてしまうことになる。そこで、図示の移動台5におい
ては、載置部材5aをYAGレーザー光Lに破壊されな
いガラス材で構成するとともに、直接支持部5cをYA
Gレーザー光Lに影響を受け難い(破壊され難い)ポリ
アセタール樹脂(商品名:ジュラコン)で構成してい
る。レーザー加工対象物100を透過したYAGレーザ
ー光Lは、更にガラス製の載置部材5aを透過した後、
直接支持部5cに到達する。直接支持部5cを構成する
ポリアセタール樹脂は、YAGレーザー光Lによるダメ
ージを全く受けないわけではないが、数msecといっ
た単位のレーザー照射であれば問題ない。また、直接支
持部5cは、このようにYAGレーザー光Lに強いポリ
アセタール樹脂から構成されていることに加えて、レー
ザー照射による影響が載置部材5aによって軽減される
ため、実使用においてダメージを受けることが殆ど無
い。載置部材5aが直接支持部5cへのレーザー照射の
影響を軽減する理由は次の通りである。即ち、YAGレ
ーザー光Lは、レーザー加工対象物100にその焦点が
合うように発せられ、レーザー加工対象物100を透過
すると拡散光になる。このため、透過後のYAGレーザ
ー光Lは、レーザー加工対象物100から遠ざかるほど
拡散が進行して単位面積あたりのエネルギー量が少なく
なる。ガラス製の載置部材5aは、レーザー加工対象物
100と直接支持部5cとの間に介在することで、この
エネルギー量が十分に減衰した後に、YAGレーザー光
Lが直接支持部5cに到達するようにしてその影響を軽
減しているのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図8に示し
た従来の移動台5においては、空気室5e内に発生した
負圧の影響により、載置部材5a上のレーザー加工対象
物100だけでなく、直接支持部5cも空気室5e内に
向けて引かれる。直接支持部5cには、レーザー加工対
象物100やガラス製の載置部材5aを透過したYAG
レーザー光Lを遮断させてアルミ等の金属からなる間接
支持部5dへのダメージを回避するという目的から、剛
性の強い金属材料ではなく、剛性の弱いポリアセタール
樹脂を用いている。このため、空気室5eに向けて引か
れ続ける直接支持部5cは、使用に伴って空気室5eに
向けて微妙に撓んでくる。そして、この撓みにより、載
置部材5a、レーザー加工対象物100も追従して撓ん
でしまい、加工精度が低下するという問題が発生してし
まう。
【0005】一方、電子回路部品の分野においては、レ
ーザー加工対象物100として、例えば液晶パネル用の
ガラス基板などというように、フィルム状の薄いものを
使用することがある。このようなフィルム状の薄いレー
ザー加工対象物100については、自らの腰の強さによ
って平面形状を維持させることができず、把持すると容
易に撓んでしまうため、専用の収容ケースに複数枚収容
するなどして搬送することになる。ところが、電子回路
基板などの製造ラインでは、レーザー加工を施されたレ
ーザー加工対象物100が、例えば半田ペースト印刷工
程などといった後工程を経ることが少なくない。このよ
うな状況下では、レーザー加工対象物100を各工程に
おいてその度に収容ケースから出し入れしなければなら
ず、搬送作業が非常に厄介なものとなってしまう。
【0006】本発明は、以上の背景に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、レーザー加工対象
物の撓みに起因するレーザー加工精度の低下を抑え、し
かも、加工後のレーザー加工対象物の搬送作業性を向上
させることができるレーザー加工対象物載置台及びこれ
を備えるレーザー加工装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、レーザー加工対象物が載置され
る載置部と、該載置部に設けられた複数の孔と、該載置
部を支持する支持部と、該支持部内で上記複数の孔に連
通する気体収容室とを備え、該気体収容室に発生せしめ
られる負圧によって上記複数の孔から上記載置部上のレ
ーザー加工対象物を吸引して固定するレーザー加工対象
物載置台において、上記気体収容室を外部と仕切る仕切
壁の一部として、上記載置部を上記支持部に着脱可能に
構成したことを特徴とするものである。
【0008】また、請求項2の発明は、請求項1のレー
ザー加工対象物載置台において、上記気体収容室内を複
数に仕切る内部仕切壁を設け、該内部仕切壁に上記載置
部を支持させるようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0009】また、請求項3の発明は、レーザー加工対
象物を載置するレーザー加工対象物載置台と、該レーザ
ー加工対象物載置台上の該レーザー加工対象物に向けて
レーザー光を照射するレーザー光照射手段とを備え、該
レーザー光の照射によって該レーザー加工対象物を加工
するレーザー加工装置において、上記レーザー加工対象
物載置台として請求項1又は2のものを用いたことを特
徴とするものである。
【0010】これらの発明においては、載置部を支持部
に対して着脱可能に構成しているため、加工後のレーザ
ー加工対象物を載置部と一緒に支持部から取り外して、
そのまま後工程に搬送することが可能になる。よって、
加工後のレーザー加工対象物の搬送作業性を向上させる
ことができる。また、載置部を取り外したレーザー加工
対象物載置台については、別の載置部を取り付けること
で新たなレーザー加工対象物のセッティングが可能にな
る。このようにして、載置部をレーザー加工対象物と一
体的に取り扱うと、個々の載置部に対しては殆どレーザ
ー加工対象物をレーザー加工しているときだけ気体収容
室の負圧を作用させることになるため、その撓みを抑え
ることができる。更に、極めて長期間使用したことによ
って撓み方向に微妙に変形させてしまった載置部につい
ては、それを廃棄することで、その載置部の使用による
レーザー加工精度の低下を解消することができる。以上
の結果、レーザー加工対象物の撓みに起因するレーザー
加工精度の低下を抑えることができる。
【0011】特に、請求項2のレーザー加工対象物載置
台においては、負圧の影響によって気体収容室に向けて
引かれる載置部を、該気体収容室に設けた内部仕切壁に
よって撓ませないように支持するため、載置部の撓み方
向への変形を抑えることができる。よって、レーザー加
工対象物の撓みに起因するレーザー加工精度の低下を更
に抑えることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用したレーザー
加工装置として、ハイブリッド型のタッチパネルの絶縁
性透明基板上に形成された透明導電膜の一部を、スリッ
ト状に除去して透明電極を形成するレーザー加工装置の
実施形態について説明する。
【0013】まず、このレーザー加工装置の基本的な構
成について説明する。図1は、本実施形態に係るレーザ
ー加工装置の概略構成図である。図において、Qスイッ
チ10aで制御されるYAGレーザー光源部10から出
射した波長λ=1064[nm]の近赤外光からなるY
AGレーザー光(以下、単にレーザー光という)は、ス
テップインデックス型の光ファイバ2によって加工ヘッ
ド3に導かれる。この加工ヘッド3は、複数のレンズか
ら構成されたレンズ群3a、これらを収容するヘッドケ
ース3b、レーザー出口3cなどを有している。加工ヘ
ッド3に進入したレーザー光Lは、レンズ群3aによっ
て集光せしめられながら、レーザー出口3cからレーザ
ー加工対象物100に向けて出射される。
【0014】レーザー加工対象物100は、透明なガラ
スやプラスチック材(例えばPET、ポリカーボネー
ト)などからなる絶縁性の透明基材100cと、これの
上に形成されたITO(インジウム酸化スズ)膜やネサ
(酸化スズ)膜などからなる透明導電膜100bとから
構成されている。
【0015】上記レーザー出口3cから出射されたレー
ザー光Lは、この透明導電膜100bを照射して加熱・
蒸発させる。この加熱・蒸発により、透明導電膜100
bが部分的に除去されて、絶縁性の透明基材100c上
に複数の透明電極が形成される。本レーザー加工装置で
は、加工ヘッド3内において、レンズ群3aによってレ
ーザー光Lを集光せしめてレーザー加工対象物100に
対する照射面積を小さくするため、そのエネルギー密度
を高めて加工効率を向上させることができる。しかも、
寸法の小さな加工パターンまで加工できるため、加工パ
ターンの微細化も可能となる。
【0016】透明導電膜100bが形成されたレーザー
加工対象物100はX−Yテーブル4の移動台5上に固
定されており、この移動台5は駆動部6内に配設された
リニアモータ6aで駆動されることで図中水平方向に2
次元的に移動可能となっている。YAGレーザー光源部
10、リニアモータ6aは、パーソナルコンピュータ1
1a、シーケンサ11b、同期連動型運転用の制御回路
基板11c等からなる制御部11で制御される。例え
ば、制御部11はYAGレーザー光源部10の駆動部を
制御し、これによってレーザー光の繰り返し周期が変更
される。
【0017】この制御部11により、YAGレーザー光
源部10からのレーザー光の出力に応じてリニアモータ
4aが駆動制御されてレーザー加工対象物100を移動
させたり、移動台5の移動状態に応じてYAGレーザー
光源部10からのレーザー光の出力が変化したりする。
例えば、移動台5の移動開始や移動終了の際における加
減速時に、透明導電膜100b上のレーザー光のエネル
ギー密度を一定にして均一な加工形状(テーパ形状)を
形成できるようにする等の目的のために、移動台5の移
動速度に応じて繰り返し周期をリアルタイムに変化させ
るように制御する。このような制御を行うことにより、
移動台5の加速及び減速にそれぞれ100mm程度の助
走を必要として移動台5の全体移動量が700mm×7
00mmであるところ、この助走が不要となって全体移
動量を500mm×500mm程度まで短縮することが
できる。このことにより、従来のエッチング加工と同等
もしくはそれ以上の加工速度(例えば1基板あたり35
秒〜15秒程度)でスリット加工が可能となるととも
に、寸法精度の向上を図り、焦げ付きや未加工部分の発
生を防止することができる。なお、本実施形態に係るレ
ーザー加工装置には上記移動台5の移動距離を検知する
センサを設けており、このセンサの出力に基づいてリニ
アモータ6aをフィードバック制御させるようにしてい
る。
【0018】図2は、本レーザー加工装置でのレーザー
加工対象物100の加工によって電極パターンが形成さ
れたタッチパネルの断面図である。また、図3(a)及
び(b)はそれぞれ、同タッチパネルの分解斜視図及び
平面図である。図2に示すように、タッチパネルは、各
透明導電膜100bからなる透明電極が通常状態で接触
しないように1組の上下タッチパネル基板101、10
2を所定の高さ(例えば9〜12μm)のスペーサー1
03を介して対向させた構造になっている。このタッチ
パネルを図2中の上方から押圧すると、上タッチパネル
基板101が2点鎖線で示すように変形し、上下のタッ
チパネル基板101、102の透明電極同士が接触す
る。この接触による上下透明電極間の抵抗の変化から、
押圧されたか否か及び押圧された位置を知ることができ
る。また、図3(a)及び(b)に示すように、上下の
タッチパネル基板101、102のそれぞれには、互い
に直交するスリット104、105が各透明導電膜10
0bに形成されている。
【0019】本実施形態に係るレーザー加工装置は、図
3(a)及び(b)に示すスリット104、105を、
透明導電膜100bに形成するものである。真空蒸着、
イオンプレーティング、スパッタリング等によって表面
に透明導電膜100b(厚さ=約500オングストロー
ム)が形成されたレーザー加工対象物100は、透明導
電膜100b側の上方に向けてX−Yテーブル4上にセ
ットされる。セットされたレーザー加工対象物100の
透明導電膜100bは、所定のスポット径に絞られたレ
ーザー光が照射されながら移動台5とともにX−Y方向
に移動せしめられる。この移動の過程で、数[μm]〜
1000[μm]程度の幅のレーザー光の照射によって
発生した熱によってレーザー光照射部分が蒸発して透明
導電膜100bから除去され、各電極領域を絶縁するス
リット104、105が形成される。
【0020】以上の構成のレーザー加工装置では、エッ
チング処理を伴うフォトリソグラフィー法を用いること
なく、透明導電膜100bを加工してレーザー加工対象
物100(透明基材100c上)に複数の透明電極を形
成することができる。このため、フォトレジストの現像
液やエッチング液の廃液によって環境を汚すことなく、
上下のタッチパネル基板101、102を製造すること
ができる。また、透明電極のパターン形状を変える場合
でも、フォトリソグラフィー用の遮光マスクを用いるこ
となくCADデータに基づいた透明導電膜100bの加
工を施してパターンに応じた複数の透明電極を形成する
ことができる。このため、異なった電極パターンのタッ
チパネル用基板101、102についてそれぞれ専用の
遮光パターンの遮光マスクを用意しなければならないと
いったフォトリソグラフィー法に起因するレジスト液除
去作業によるリードタイムの延長化などといた不具合が
起こらず、他品種少量生産といういわゆるオンデマンド
の要求に対しても十分に対応することができる。
【0021】一方、フォトリソグラフィー法を用いた電
極加工では、フォトレジストの現像液やエッチング液等
の廃液が発生して環境を汚してしまうという不具合があ
る。また、透明電極のパターンを変える場合は、フォト
リソグラフィー用の遮光マスクを新規に作成しなければ
ならないため、加工効率が悪く、他品種少量生産への対
応及び低コスト化が難しかった。特に、ハイブリッド方
式のタッチパネルのように透明導電膜100bに数本の
スリットを形成するような場合でも、数百本のスリット
を形成するデジタル方式のタッチパネルの場合と同じフ
ォトリソグラフィー工程が必要になってくるため、加工
部分が少ないにもかかわらず廃液の低減及び低コスト化
を図ることが難しかった。
【0022】次に、本実施形態に係るレーザー加工装置
の特徴的な構成について説明する。図4は、本レーザー
加工装置のX−Yテーブルを示す断面図である。図にお
いて、X−Yテーブル4のレーザー加工対象物載置台た
る移動台5は、従来のものと同様に、図示しないレーザ
ー加工対象物が載置される載置部たる載置部材5aと、
これを支持する支持部5bとを備えている。但し、載置
部材5aは、載置面側に配設されるガラス層51と、反
対面側に配設されるポリアセタール樹脂層52とからな
る2層構造となっている。また、支持部5bは、アルミ
製の一体物として形成されており、従来のように直接支
持部と間接支持部とに別れた構造にはなっていない。支
持部5b内の空気室5eは、複数の内部仕切壁56によ
って複数の部屋に仕切られており、各部屋をその上端で
開口させている。即ち、気体収容室としての空気室5e
の上端を覆う天井部分を備えていない。この天井部分の
役割は載置部材5aが担っている。載置部材5aは支持
部5bに対して着脱可能に構成されており、支持部5b
に支持された状態で空気室5eの上端を覆ってその天井
部分として機能するのである。載置部材5aの四隅付近
にはそれぞれ孔53が設けられている。これらに位置決
めピン55が挿入されてその先端が支持部5bに設けら
れた凹部54に係合すると、載置部材5aが支持部5b
上に位置決め固定される。このように位置決め固定され
た載置部材5a上には、図5に示すようにレーザー加工
対象物100が載置されてこれにレーザー加工が施され
る。なお、本実施形態において、内部仕切壁56によっ
て仕切られた空気室5eの各部屋の平面寸法は15×1
5[mm]となっている。また、載置部材5a、支持部
5bの平面寸法は、それぞれ450×350[mm]、
550×550[mm]となっている。
【0023】図6は、載置部材5aを部分的に示す拡大
平面図である。図示のように、載置部材5aは、10×
10[mm]の領域の四隅をそれぞれ中心とするように
設けられた4つの吸引孔5gからなる吸引孔ユニットが
複数設けられている。各吸引孔5gの直径φは1.0
[mm]となっている。
【0024】図7は、移動台5を部分的に示す拡大断面
図である。図示のように、支持部5bの各内部仕切壁5
6は、載置部材5aに設けられた4つの吸引孔5gから
なる吸引孔ユニットを囲むように配設されており、空気
室5eの各部屋を連通させる連通孔57を備えている。
この連通孔57を介して各部屋が吸引されることで、各
部屋に負圧が発生せしめられるようになっている。
【0025】以上の構成の移動台5においては、載置部
材5aを支持部5bに対して着脱可能に構成しているた
め、レーザー加工後のレーザー加工対象物100を載置
部材5aと一緒に支持部5bから取り外して、そのまま
後工程に搬送することが可能になる。よって、加工後の
レーザー加工対象物100の搬送作業性を向上させるこ
とができる。また、載置部材5aを取り外した後の移動
台5については、別の載置部材5aを取り付けることで
新たなレーザー加工対象物100のセッティングが可能
になる。このようにして、載置部材5aをレーザー加工
対象物100と一体的に取り扱うと、個々の載置部材5
aに対しては殆どレーザー加工対象物100をレーザー
加工しているときだけ空気室5eの負圧を作用させるこ
とになるため、その撓みを抑えることができる。また、
極めて長期間使用したことによって撓み方向に微妙に変
形させてしまった載置部材5aについては、それを廃棄
することで、その載置部材5aの使用によるレーザー加
工精度の低下を解消することができる。更に、負圧の影
響によって空気室5eに向けて引かれる載置部材5a
を、空気室5e内の内部仕切壁56によって撓ませない
ように支持するため、載置部材5aの撓み方向への変形
を抑えることができる。以上の結果、レーザー加工対象
物100の撓みに起因するレーザー加工精度の低下を効
果的に抑えることができる。なお、内部仕切壁56の配
設ピッチを調整することで、載置部材5aに対する撓み
の抑制度合いを調整することができる。
【0026】以上、本実施形態において、光ファイバ2
としてステップインデックス型のものを設けたレーザー
加工装置について説明したが、光伝送路での屈折や反射
によってレーザー光のエネルギー分布を均一化せしめ得
るものであれば、他のものを用いてもよい。
【0027】また、移動台5の移動によって透明導電膜
100bに対するレーザー光の走査を行わせているが、
レーザー加工対象物100を固定したまま、レーザー光
をガルバノミラー等のスキャン機構によって走査させた
り、加工ヘッド3の移動によって走査させたりしてもよ
い。
【0028】また、タッチパネル用の透明導電膜100
bの加工に適用した場合について説明したが、本発明
は、タッチパネルに限定されることなく、例えば液晶パ
ネル用の透明導電膜を加工する場合にも適用することが
でき、同様な効果が得られるものである。
【0029】また、透明導電膜100bの加工にレーザ
ー光源としてのYAGレーザーを用いているが、本発明
は、CO2レーザー等の他の赤外光レーザー、可視光レ
ーザー、高周波レーザ、上記透明導電膜を主にアブレー
ションで除去するKrFエキシマレーザー等の紫外光レ
ーザーを用いた場合にも適用が可能である。
【0030】
【発明の効果】請求項1、2又は3の発明によれば、レ
ーザー加工対象物の撓みに起因するレーザー加工精度の
低下を抑え、しかも、加工後のレーザー加工対象物の搬
送作業性を向上させることができるという優れた効果が
ある。
【0031】特に、請求項2の発明によれば、レーザー
加工対象物の撓みに起因するレーザー加工精度の低下を
更に抑えることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るレーザー加工装置を示す概略構
成図。
【図2】同レーザー加工装置によって製造されるタッチ
パネルの拡大断面図。
【図3】(a)は同タッチパネルの分解斜視図。(b)
は同タッチパネルの平面図。
【図4】同レーザー加工装置のX−Yテーブルを示す断
面図。
【図5】同X−Yテーブルをレーザー加工対象物ととも
に示す断面図。
【図6】同X−Yテーブルの載置部材を部分的に示す拡
大平面図。
【図7】同X−Yテーブルの移動台を部分的に示す拡大
断面図。
【図8】従来のレーザー加工装置のX−Yテーブルを示
す断面図。
【符号の説明】
1 レーザー発生部 2 光ファイバ 3 加工ヘッド 3a レンズ群 3b ヘッドケース 3c レーザー出口 4 X−Yテーブル 5 移動台(載置台) 5a 載置部材 5b 支持部 5e 空気室(気体収容室) 5g 吸引孔 51 カラス層 52 ポリアセタール樹脂層 53 孔 54 凹部 55 位置決めピン 56 内部仕切壁 57 連通孔 6 駆動部 6a リニアモータ 100 レーザー加工対象物 100b 透明導電膜 100c 透明基材 101 上タッチパネル基板 102 下タッチパネル基板 103 スペーサー 104 スリット 105 スリット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザー加工対象物が載置される載置部
    と、該載置部に設けられた複数の孔と、該載置部を支持
    する支持部と、該支持部内で上記複数の孔に連通する気
    体収容室とを備え、該気体収容室に発生せしめられる負
    圧によって上記複数の孔から上記載置部上のレーザー加
    工対象物を吸引して固定するレーザー加工対象物載置台
    において、上記気体収容室を外部と仕切る仕切壁の一部
    として、上記載置部を上記支持部に着脱可能に構成した
    ことを特徴とするレーザー加工対象物載置台。
  2. 【請求項2】請求項1のレーザー加工対象物載置台にお
    いて、上記気体収容室内を複数に仕切る内部仕切壁を設
    け、該内部仕切壁に上記載置部を支持させるようにした
    ことを特徴とするレーザー加工対象物載置台。
  3. 【請求項3】レーザー加工対象物を載置するレーザー加
    工対象物載置台と、該レーザー加工対象物載置台上の該
    レーザー加工対象物に向けてレーザー光を照射するレー
    ザー光照射手段とを備え、該レーザー光の照射によって
    該レーザー加工対象物を加工するレーザー加工装置にお
    いて、上記レーザー加工対象物載置台として請求項1又
    は2のものを用いたことを特徴とするレーザー加工装
    置。
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