JP2003136220A - 低圧鋳造方法および低圧鋳造装置 - Google Patents

低圧鋳造方法および低圧鋳造装置

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JP2003136220A
JP2003136220A JP2001330543A JP2001330543A JP2003136220A JP 2003136220 A JP2003136220 A JP 2003136220A JP 2001330543 A JP2001330543 A JP 2001330543A JP 2001330543 A JP2001330543 A JP 2001330543A JP 2003136220 A JP2003136220 A JP 2003136220A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湯切りが確実に行える低圧鋳造装置を提供す
る。 【解決手段】 湯道11の中途部に配置して、ばね14
に押圧されて湯道11に進入して湯道11を遮断可能で
あり、注湯圧力により後退されて湯道11を開放し、注
湯流量の減少に応じてばね14により湯道11を閉じる
方向へ前進するゲートブロック12を設け、キャビティ
空間への溶湯の押し湯終了時に作動してゲートブロック
12を押圧して湯道11を遮断するシリンダ15とを設
けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低圧鋳造方法およ
び低圧鋳造装置に関し、特に、湯道を遮断可能な低圧鋳
造方法および低圧鋳造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から金型キャビティへの溶湯の注入
完了後に湯道を遮断可能とした低圧鋳造装置が知られて
おり、例えば、特開平5−69105号公報に記載され
たものがある。
【0003】これは、溶湯の炉から金型キャビティへの
流動は許容するが金型キャビティから炉への逆流を阻止
する耐熱セラミックボールよりなるチェック弁機構を湯
道に挿入して構成される。そして、チェック弁機構を含
む周辺の湯道での溶湯の凝固を防ぐようにチェック弁機
構の周囲にセラミックヒータ等の加熱装置を配置して溶
湯を凝固点以上の温度に保持している。
【0004】上記構成のチェック弁機構は、金型キャビ
ティへの溶湯注入時には開弁して溶湯の流入を許容し、
注入完了後に閉弁して金型キャビティから溶湯が流出す
るのを防止して金型キャビティの湯切りがなされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、チェック弁機構により湯切りしているため、
チェックボールの自重や真球度によって湯切りタイミン
グおよび湯切り性能が安定せず、湯切りが不充分となる
可能性がある。
【0006】また、チェック弁機構および周辺の湯道は
加熱機構により溶湯の凝固を防止する構造としている。
このため、金型冷却時に金型側の湯道の冷却が不充分と
なり、凝固していない溶湯が金型内から流れ出す湯洩れ
を起こし易く、鋳物製品に空洞部分が生ずる可能性が高
い不具合があり、しかも、エネルギー消費も大きくなる
不具合がある。
【0007】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、湯切りが確実に行える低圧鋳造方法および
低圧鋳造装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、鋳造方法
に係わり、炉内の加圧により湯道を介して溶湯を金型の
キャビティ空間に注湯する低圧鋳造方法において、後部
から付勢されて湯道に進入し湯道を遮断可能なゲートブ
ロックを湯道の中途部に設け、溶湯の注湯時には、ゲー
トブロックを湯道内を通過する溶湯の圧力により後退さ
せて湯道の連通を確保し、注湯末期の押し湯段階では、
ゲートブロックを付勢力により湯道内の溶湯流量の減少
に対応して前進させ、押し湯終了後に、ゲートブロック
を強制的に前進させて湯道を遮断して金型のキャビティ
空間を炉側から分離して湯切りを行うことを特徴とす
る。前記湯道は、金型内を除く炉との間に位置する溶湯
の通路である。
【0009】第2の発明は、鋳造装置に係わり、炉内の
加圧により湯道を介して溶湯を金型のキャビティ空間に
注湯する低圧鋳造装置において、湯道の中途部に配置さ
れ、付勢手段により湯道に進入して湯道を遮断可能であ
り、注湯圧力により後退されて湯道を開放し、注湯流量
の減少に応じて付勢手段により湯道を閉じる方向へ前進
するゲートブロックと、キャビティ空間への溶湯の押し
湯終了時に作動してゲートブロックを押圧して湯道を遮
断する押圧手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】第3の発明は、第2の発明において、前記
付勢手段は弾性体で構成され、前記押圧手段は供給され
る流体圧力によりピストンロッドが伸縮する流体シリン
ダで構成されることを特徴とする。
【0011】第4の発明は、第2の発明において、前記
付勢手段と押圧手段とは、供給される流体圧力によりピ
ストンロッドが伸縮する一個の流体シリンダで構成さ
れ、導入する流体の圧力値を変更することで付勢手段と
押圧手段とのいずれかに切換えることを特徴とする。
【0012】第5の発明は、第2ないし第4の発明にお
いて、前記押圧手段は、押し湯作動中のゲートブロック
の所定以上の前進時、押し湯の設定時間の経過時、若し
くは、鋳造工程制御プログラムよりの押し湯終了信号の
出力時のいずれか一つにおいて作動されることを特徴と
する。
【0013】第6の発明は、第2ないし第4の発明にお
いて、前記ゲートブロックは、その後端部に冷却手段が
配置され、冷却手段は押圧手段の作動時にゲートブロッ
クを冷却することを特徴とする。
【0014】第7の発明は、第2ないし第4の発明にお
いて、前記付勢手段は、注湯圧力の変更に連動してその
付勢力が変更されることを特徴とする。
【0015】第8の発明は、第6の発明において、前記
ゲートブロックは、金型キャビティ側の湯道に面する側
に配置された比較的高い熱伝導率をもつ材料と、炉側の
湯道に面する側に配置された比較的低い熱伝導率をもつ
材料との積層により形成されていることを特徴とする。
【0016】
【発明の効果】したがって、第1および第2の発明で
は、湯道を遮断可能なゲートブロックを付勢手段により
湯道に進入させるため、注湯圧力および注湯流量に応じ
て後退して湯路を開放し、押し湯段階では注湯流量の減
少に応じて湯道を閉じることができる。
【0017】また、押し湯段階を終了すると押圧手段に
よってゲートブロックを押圧して強制的に湯路を遮断す
るため、確実に湯切りでき、湯洩れしたり出来上がった
鋳造品に空洞が生じる危険性も非常に少なくなる。
【0018】第3の発明では、第2の発明の効果に加え
て、付勢手段をスプリング等の弾性体で構成するため、
構造が簡単化される一方、押圧手段を流体シリンダで構
成するため、確実にゲートブロックを押圧して確実に湯
切りできる。
【0019】第4の発明は、第2の発明の効果に加え
て、付勢手段と押圧手段とを一個の流体シリンダで構成
し流体の圧力値により切換えるようにしているため、構
成が簡単化され、しかも、注湯圧力を変更する場合にも
供給圧力値を変更するのみで対応可能となる。
【0020】第5の発明では、押し湯終了時にゲートブ
ロックがシリンダで押圧されるため、押し湯終了後の湯
切りの確実性が格段に向上し、湯洩れや仕上がり鋳造品
に空洞が生じる虞をさらに減少できる。
【0021】第6の発明では、ゲートブロックは金型の
冷却段階においてその後端部が冷却手段により冷却され
るため、製品湯口付近の固化を補助し、従来一般に行わ
れる湯口径の縮小等をすることなく、鋳造品の冷却時間
の短縮が行え、鋳造のサイクルタイムを短縮できる。
【0022】第7の発明では、付勢手段は注湯圧力の変
更に連動してその付勢力が変更されるため、操作盤によ
り注湯圧力の設定を変更した場合にそれに連動して付勢
力が変更され、付勢力の変更を忘れて注湯不良等の各種
不具合を生ずることがない。
【0023】第8の発明では、第6の発明の効果に加え
て、ゲートブロックは、金型キャビティ側の湯道に面す
る側に配置された比較的高い熱伝導率をもつ材料と炉側
の湯道に面する側に配置された比較的低い熱伝導率をも
つ材料との積層により形成されるため、金型冷却時に鋳
造品湯口冷却性が向上し、さらなるサイクルタイム短縮
に寄与することが出来る。他方、ストークからの溶湯の
固化も防ぐことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0025】図1は、本発明を適用した低圧鋳造装置の
一例を示す構成図であり、この低圧鋳造装置は、溶湯を
貯留したるつぼを備える炉Aの内部に下端が挿入される
ストーク1の上端と金型2との間に位置させて湯切り機
構3を備える。
【0026】前記るつぼは、図示しない保温炉により加
熱保温され、内部に溶融したアルミニウム合金等の溶湯
を貯留している。以下では、るつぼと保温炉とを総称し
て炉Aという。炉Aは、密閉状態として外部から圧縮空
気を供給されると溶湯をストーク1等からなる湯道4に
押し上げて金型2内のキャビティに注入するよう作動す
る。また、金型2の冷却時等において、圧縮空気が外部
へ排出されて、ストーク1内で凝固していない溶湯を下
降させて戻す。前記圧縮空気の炉A内への給排および供
給圧力即ち注湯圧力は、空圧源5に連なる圧力制御弁で
構成される注湯制御弁6により制御調整される。注湯制
御弁6はコントローラ7により制御される。
【0027】コントローラ7は、低圧鋳造の射出工程、
および、押し湯工程において、注湯制御弁6を介して空
圧源5の圧縮空気を炉Aへ供給させ、その後の湯切り工
程、および、冷却工程において、炉A内の圧縮空気を外
気へ放出させる。
【0028】前記湯切り機構3は、前記ストーク1と金
型2との間に介在して配置された本体10を備え、本体
10内にはストーク1の湯道4と金型2の図示しない湯
口を連通させる湯道11が設けられている。本体10に
は湯道11を遮断可能に進入する一対のゲートブロック
12が先端部12Aを対向させて配置されている。各々
のゲートブロック12は厚板状の四角形状をなし、本体
10に設けたオイレスプレート13により進退自在に案
内されている。各ゲートブロック12の後端12Bには
スプリング14が配置され、スプリング14により付勢
されて湯道11内に進出してその先端12A同士が当接
することで湯道11を遮断するよう作用する。各ゲート
ブロック12の先端には斜面部12Cに形成され、これ
らの斜面部12Cは先端部12A同士が当接したときに
ストーク1側の湯道4に面するよう位置する。
【0029】前記ゲートブロック12の後端12B側の
本体10には夫々シリンダ15が装着されている。シリ
ンダ15から伸縮するピストンロッド15Aの先端には
断熱プレート16が装着され、ピストンロッド15Aの
先端は断熱プレート16を介してゲートブロック12の
後端部12Bに当接可能である。シリンダ15は、圧縮
空気が供給されることで内蔵するリターンスプリングに
抗してピストンロッド15Aを伸長させ、断熱プレート
16を介してゲートブロック12を押圧するよう作用す
る。リターンスプリングは省略することができる。ゲー
トブロック12は後端からスプリング14とシリンダ1
5との押圧力を受けて前方へ付勢され、湯道11内の内
圧により後方へ押し戻すよう付勢される。シリンダ15
が作動していない場合においては、湯道11の内圧が大
気圧若しくは比較的低い場合には、スプリング14の付
勢力のみでゲートブロック12は湯道11を遮断し、湯
道11の内圧の上昇に連れてスプリング14の付勢力に
対向してゲートブロック12は後方に後退する。前記湯
道11の内圧は、ゲートブロック12の先端が斜面部1
2Cに形成されていることから、湯道11内に流れる溶
湯の流入速度に比例して増加する動圧を生じることか
ら、溶湯の動圧と静圧との和となる。シリンダ15が作
動される場合には、シリンダ15の付勢力が湯道の内圧
に打ち勝ちゲートブロック12を湯道11内に進出さ
せ、その先端12A同士を当接させて湯道11を遮断す
る。前記シリンダ15への圧縮空気の給排および供給圧
力は、空圧源5に連なる圧力制御弁8により制御調整さ
れる。圧力制御弁8はコントローラ7により制御され
る。前記供給圧力は、湯道11内の注湯圧力に打ち勝つ
値に設定される。
【0030】前記コントローラ7は、押し湯工程を終了
してゲートブロック12が所定位置を越えて前進したと
き圧力制御弁8へ供給指令を出力する。前記ゲートブロ
ック12の所定位置を越えての前進を検出するために、
オイレスプレート13にゲートブロック12の位置検出
センサ17が配置され、その検出信号がコントローラ7
に入力される。前記圧力制御弁8への供給指令の出力時
点は、前記の他に、例えば、押し湯工程の時間を設定し
たタイマのタイムアップ時点であっても、コントローラ
7に設定されている鋳造工程の制御プログラムからの押
し湯終了信号が発せられた時点であってもよい。
【0031】本体10内には、ゲートブロック12の後
端12B側を冷却するようオイレスプレート13のガイ
ド穴に開口して冷却エアを導く空気通路18が設けられ
ている。ゲートブロック12の後端12Bを冷却した空
気は図示しない通路を介して外気に排出される。空気通
路18は開閉弁9および冷却器9Aを介して空圧源5に
連通されている。開閉弁9はコントローラ7により制御
される。冷却器9Aは開閉弁9に供給する空気を冷却す
る。冷却器9Aは、通過する空気を通過中に冷却するも
のが利用される。しかし、予め、金型2の型開き、型締
め、射出工程、押し湯工程等の工程中に冷却した空気を
タンク等に貯留しておき、上記湯切り工程から冷却工程
の間に供給するものであってもよい。
【0032】前記コントローラ7は、前記開閉弁9を低
圧鋳造の押し湯工程の終了後の湯切り工程から冷却工程
まで開放作動させる。
【0033】以上の構成の低圧鋳造装置における作用を
説明する。なお、低圧鋳造においては、型締め工程、射
出工程、押し湯工程、湯切り工程、冷却工程、型開き工
程、製品取出し工程の順に実施される。金型2の型締め
工程、型開き工程、および、製品取出し工程は、本発明
の湯切り機構に直接関係しないので、これらは省略し
て、射出工程から冷却工程までを以下に説明する。
【0034】型締め工程を終えた状態では、金型2の上
型と下型が所定の状態に組立られている。注湯制御弁6
は炉A内を大気圧に維持し、シリンダ15への圧力制御
弁8はシリンダ15内を大気圧にしてピストンロッド1
5Aを収縮位置とし、ゲートブロック12は後端のスプ
リング14の付勢力により先端12A同士を当接させた
遮断状態となっている。また、開閉弁9も閉じた状態と
なっている。
【0035】(射出工程)上記状態から、先ず、注湯制
御弁6を開放して所定圧力に調圧した圧縮空気を炉A内
へ供給する。炉A内に供給された圧縮空気は炉A内を昇
圧して溶湯の表面に注湯圧力をかける。これにより、図
2に示すように、溶湯はストーク1中の湯道4に押し上
げられる。湯道4の途中にある湯切り機構3のゲートブ
ロック12は、溶湯の注湯圧力、および、溶湯がゲート
ブロック12を通過することによるゲートブロック12
先端の斜面部12Cに加わる動圧によって、スプリング
14に抗して後退される。溶湯の通過流量が大きいほど
ゲートブロック12の斜面部12Cに加わる動圧が大き
くなるため、前記後退量は大きくなり、湯道11は大き
く開放される。溶湯が金型2のキャビティに流入し、キ
ャビティ内を満たすまでこの状態が継続され、キャビテ
ィ内に溶湯が充満される。
【0036】(押し湯工程)キャビティ内に充満された
溶湯は注湯圧力に上昇される一方、充満された溶湯は金
型2のキャビティ表面に冷却されて凝固を開始する。こ
の状態では、図3に示すように、湯道11を流れる溶湯
の通過流量が減少を開始し、ゲートブロック12の斜面
部12Cに加わる溶湯の動圧も低下してゆく。動圧の低
下により、ゲートブロック12は後退位置からスプリン
グ14の付勢力により徐々に、矢印で示すように、押し
出される。キャビティ内での溶湯の凝固割合が増加する
に従い注湯流量も減少してゲートブロック12も前進す
る。
【0037】(湯切り工程)ゲートブロック12の前進
が設定した所定量を超えると、位置検出センサ17の検
出信号がコントローラ7に入力される。コントローラ7
は押し湯工程終了と判断し、シリンダ15への圧力制御
弁8を開放して空圧源5の圧縮空気を圧力制御弁8で調
圧してシリンダ15へ供給する。図4に示すように、シ
リンダ15は、矢印で示すように、ピストンロッド15
Aを進出させて絶縁プレート16を介してゲートブロッ
ク12を前方へ押出し、ゲートブロック12の先端12
A同士を当接させて湯道11を遮断する。
【0038】(冷却工程)コントローラ7は、湯切り工
程の終了に応じて開閉弁9を開放する一方、注湯制御弁
6への指令を解除し、炉A内に大気圧を導入させる。開
閉弁9は冷却器9Aで冷却した空気を空気通路18を経
由して、図5に矢印で示すように、ゲートブロック12
の後端12B側を冷却するよう供給してゲートブロック
12を冷却する。ゲートブロック12から炉A側のスト
ーク1中に残った溶湯は炉A内へ戻される。ゲートブロ
ック12の冷却は、それに接する湯道11内の溶湯の固
化を促進させる。従って、金型2へ通じた湯道11中に
存在する溶湯はゲートブロック12で阻止された状態に
おいてゲートブロック12側で冷却され固化される一
方、金型2のキャビティ側の固化による収縮に連れてキ
ャビティ側へ引き寄せられる。
【0039】引き続き、型開き工程、製品取出し工程を
経て固化した鋳物は金型2から取り出され、次の注湯の
ための型締め工程が開始される。
【0040】本実施の態様にあっては、以下に記載した
効果を奏する。即ち、湯道11を遮断可能なゲートブロ
ック12を付勢手段であるスプリング14により湯道1
1に進入させるため、注湯圧力および注湯流量に応じて
後退して湯道11を開放し、押し湯段階では注湯流量の
減少に応じて湯道11を閉じることができる。
【0041】また、押し湯段階を終了すると押圧手段で
あるシリンダ15によってゲートブロック12を押圧し
て強制的に湯道11を遮断するため、確実に湯切りで
き、湯洩れや仕上がり鋳造品に空洞が生じる虞も非常に
少なくなる。
【0042】付勢手段をスプリング14等の弾性体で構
成するため、構造が簡単化される一方、押圧手段を流体
シリンダ15で構成するため、確実にゲートブロック1
2を押圧して確実に湯切りできる。
【0043】押し湯終了時にゲートブロック12がシリ
ンダ15で押圧されるため、押し湯終了後の湯切りの確
実性が格段に向上し、湯洩れや仕上がり鋳造品に空洞が
生じる虞をさらに減少できる。
【0044】ゲートブロック12は金型2の冷却段階に
おいてその後端部12Bが冷却手段として冷却器9Aよ
りの冷却空気により冷却されるため、製品湯口付近の固
化を補助し、従来一般に行われる湯口径の縮小等をする
ことなく、鋳造品の冷却時間の短縮が行え、鋳造のサイ
クルタイムを短縮できる。
【0045】図6は、本発明を適用した低圧鋳造装置の
第2の実施の態様を示す構成図であり、第1の実施の態
様においては一種類の注湯圧力に対応するのに対し、本
実施の態様においては、注湯圧力を変更可能としたもの
である。なお、図1と同一部品には同一符号を付してそ
の部品の詳細な説明は省略して変更点について詳細に説
明する。
【0046】図6において、図1と相違する部分は、ゲ
ートブロック12の付勢手段であり、スプリング14を
用いる代わりにシリンダ15への供給圧力を低圧と高圧
の二段階に調整可能としたものである。そして、低圧側
の圧力は、注湯圧力に応じて増減されるよう設定され
る。従って、コントローラ7からシリンダ15への圧力
制御弁8に出力される指令は、可変値の低圧の圧力指令
と固定値の高圧の圧力指令となる。そして、可変値の低
圧の圧力指令は、コントローラ7に装備された注湯圧力
の調整ダイアル20に応じて、注湯制御弁6への圧力指
令値とともに変更される。注湯制御弁6への圧力指令値
とシリンダ15の圧力制御弁8への圧力指令値とは、同
一の指令値ではなく、注湯圧力のみの場合にゲートブロ
ック12がシリンダ15により前進し、注湯圧力と注湯
の動圧によりゲートブロック12が後退するよう差異が
設定される。
【0047】上記構成においては、シリンダ15のピス
トンロッド15Aの先端は常時断熱プレート16を介し
てゲートブロック12の後端に接触し、射出工程におい
ては、図7に示すように、低圧の圧力指令値に応じて圧
力制御弁8により調圧された圧力値でシリンダ15はゲ
ートブロック12を付勢し、スプリングで付勢するのと
同様に、溶湯の通過時の動圧と注湯圧力との合力により
ゲートブロック12は後退方向に押圧される。
【0048】押し湯工程においては、溶湯がキャビン内
に充満されるため、および、キャビン内での溶湯の凝固
のため、図8に示すように、溶湯の通過流量が減少す
る。流量の減少に伴い溶湯の動圧も減少するため、ゲー
トブロック12はシリンダ15の付勢力により、矢印で
示すように、湯道11内に前進する。
【0049】押し湯工程が終了した湯切り工程において
は、図9に示すように、コントローラ7はシリンダ15
の圧力制御弁8への圧力指令値を高圧に変更する。圧力
制御弁8で調圧された高圧の圧縮空気はピストンロッド
15Aを介してゲートブロック12を先端12A同士が
当接するよう押圧する。図9に示すように、調圧弁2
1、22を並列に二個用意し、低圧の可変の圧力を得た
い場合には、低圧側の調圧弁21を電磁弁23で選択
し、高圧の圧力を得たい場合には、高圧側の調圧弁22
を電磁弁23で選択するようにしてもよい。
【0050】冷却工程においては、注湯制御弁6への圧
力指令が解除され、炉A内に大気圧を導入させ、ゲート
ブロック12から炉A側のストーク1中に残った溶湯は
炉A内へ戻される。また、開閉弁9が開放して冷却器9
Aで冷却した圧縮空気を、図10に示すように、空気通
路18からゲートブロック12の後端12B側に吹き付
けてゲートブロック12が冷却される。金型2とゲート
ブロック12との間の溶湯は、ゲートブロック12側か
ら冷却される一方、金型2の冷却によってキャビティ側
の固化による収縮に連れてキャビティ側へ引き寄せられ
る。
【0051】調整ダイアル20により注湯圧力を変更し
た場合には、注湯制御弁6への圧力指令値が変更される
とともに、それに伴って、シリンダ15への圧力制御弁
8への低圧側の圧力指令値も変更される。
【0052】本実施の態様にあっては、第1の実施の態
様の効果に加えて、以下に記載した効果を奏する。即
ち、付勢手段と押圧手段とを一個の流体シリンダ15で
構成し流体の圧力値により切換えるようにしているた
め、構成が簡単化され、しかも、注湯圧力を変更する場
合にも供給圧力値を変更するのみで対応可能となる。
【0053】付勢手段としてのシリンダ15は注湯圧力
の変更に連動してその付勢力が変更されるため、操作盤
のダイアル20により注湯圧力の設定を変更した場合に
それに連動して付勢力が変更され、付勢力の変更を忘れ
て注湯不良等の各種不具合を生ずることがない。
【0054】図11は、本発明を適用した低圧鋳造装置
の第3の実施の態様を示す湯切り機構3の断面図であ
り、前記した実施態様とは、ゲートブロック12の構成
が相違している。
【0055】図11に示すゲートブロック12において
は、金型2のキャビティの湯口側とストーク1側とで異
なる熱伝導率の材料25、26を積層して構成してい
る。キャビティへの湯口側の材料25は、高い熱伝導率
を備えた金属やセラミック若しくは他の材料が利用さ
れ、ストーク側の材料26は、低い熱伝導率を備えた金
属やセラミック若しくは他の材料が利用される。
【0056】上記ゲートブロック12においては、射出
工程、押し湯工程、および、湯切り工程の作動は上記し
た各実施態様と同様に作動される。
【0057】しかし、ゲートブロック12が湯道11を
遮断した後の冷却工程においては、キャビティへの湯口
側の湯道11の溶湯はゲートブロック12の高い熱伝導
率を備えた材料25に接触し、ストーク1側の湯道11
の溶湯はゲートブロック12の低い熱伝導率の材料26
に接触する。
【0058】ゲートブロック12の後端12B側は冷却
した圧縮空気で冷却されており、キャビティへの湯口側
の湯道11の溶湯は接触している高い熱伝導率を備えた
材料25を経由して積極的に冷却され固化が促進され
る。他方、ストーク1側の湯道11の溶湯は低い熱伝導
率の材料26に接触しているためにゲートブロック12
により冷却されることがなく固化が抑制される。
【0059】このため、キャビティ内およびそれに連な
る湯道11内の溶湯の凝固が促進されて、冷却工程の時
間を短縮でき、型開き工程を早めることができ、サイク
ルタイムを短縮できる。
【0060】また、ストーク1側の湯道11、4の溶湯
は固化が抑制されることから、凝固してゲートブロック
12やストーク1内に付着することが防止できる。
【0061】本実施の態様にあっては、ゲートブロック
12は、金型キャビティ側の湯道11に面する側に配置
された比較的高い熱伝導率をもつ素材25と炉A側の湯
道11、4に面する側に配置された比較的低い熱伝導率
をもつ素材26との積層により形成されるため、金型冷
却時に鋳造品湯口冷却性が向上し、さらなるサイクルタ
イム短縮に寄与することが出来る。他方、ストーク1か
らの溶湯の固化も防ぐことができる。
【0062】なお、上記実施形態において、空圧源5か
ら供給される圧縮空気によりシリンダ15を作動させる
ものについて説明したが、図示しないが、空圧源と油圧
源とを備え、空圧源から炉側への圧縮空気とゲートブロ
ック後端側の冷却空気を供給し、油圧源からの作動油で
シリンダを作動させるものであってもよい。
【0063】また、上記実施形態において、二枚の対向
するゲートブロック12で湯道11を遮断するものにつ
いて説明したが、図示しないが、三枚以上の対向するゲ
ートブロックで湯道を遮断するものであってもよく、ま
た、一枚のみのゲートブロックにより湯道を遮断するも
のであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す低圧鋳造装置の構成
図。
【図2】同じく射出工程の作動を示す断面図。
【図3】同じく押し湯工程の作動を示す断面図。
【図4】同じく湯切り工程の作動を示す断面図。
【図5】同じく冷却工程の作動を示す断面図。
【図6】本発明の第二の実施形態を示す低圧鋳造装置の
構成図。
【図7】同じく射出工程の作動を示す断面図。
【図8】同じく押し湯工程の作動を示す断面図。
【図9】同じく湯切り工程の作動を示す断面図。
【図10】同じく冷却工程の作動を示す断面図。
【図11】本発明の第三の実施形態を示す低圧鋳造装置
の断面図。
【符号の説明】
C 炉 1 ストーク 2 金型 3 湯切り機構 4、11 湯道 5 空圧源 6 注湯制御弁 7 コントローラ 8 圧力制御弁 9 開閉弁 9A 冷却器 10 本体 12 ゲートブロック 13 オイレスプレート 14 スプリング(付勢手段) 15 シリンダ(押圧手段、付勢手段) 17 位置検出センサ 18 空気通路 20 調整ダイアル 25 高い熱伝導率の材料 26 低い熱伝導率の材料

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内の加圧により湯道を介して溶湯を金
    型のキャビティ空間に注湯する低圧鋳造方法において、 後部から付勢されて湯道に進入し湯道を遮断可能なゲー
    トブロックを湯道の中途部に設け、 溶湯の注湯時には、ゲートブロックを湯道内を通過する
    溶湯の圧力により後退させて湯道の連通を確保し、 注湯末期の押し湯段階では、ゲートブロックを付勢力に
    より湯道内の溶湯流量の減少に対応して前進させ、 押し湯終了後に、ゲートブロックを強制的に前進させて
    湯道を遮断して金型のキャビティ空間を炉側から分離し
    て湯切りを行うことを特徴とする低圧鋳造方法。
  2. 【請求項2】 炉内の加圧により湯道を介して溶湯を金
    型のキャビティ空間に注湯する低圧鋳造装置において、 湯道の中途部に配置され、付勢手段により湯道に進入し
    て湯道を遮断可能であり、注湯圧力により後退されて湯
    道を開放し、注湯流量の減少に応じて付勢手段により湯
    道を閉じる方向へ前進するゲートブロックと、 キャビティ空間への溶湯の押し湯終了時に作動してゲー
    トブロックを押圧して湯道を遮断する押圧手段と、を備
    えることを特徴とする低圧鋳造装置。
  3. 【請求項3】 前記付勢手段は弾性体で構成され、前記
    押圧手段は供給される流体圧力によりピストンロッドが
    伸縮する流体シリンダで構成されることを特徴とする請
    求項2に記載の低圧鋳造装置。
  4. 【請求項4】 前記付勢手段と押圧手段とは、供給され
    る流体圧力によりピストンロッドが伸縮する一個の流体
    シリンダで構成され、導入する流体の圧力値を変更する
    ことで付勢手段と押圧手段とのいずれかに切換えること
    を特徴とする請求項2に記載の低圧鋳造装置。
  5. 【請求項5】 前記押圧手段は、押し湯作動中のゲート
    ブロックの所定以上の前進時、押し湯の設定時間の経過
    時、若しくは、鋳造工程制御プログラムよりの押し湯終
    了信号の出力時のいずれか一つにおいて作動されること
    を特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか一つに
    記載の低圧鋳造装置。
  6. 【請求項6】 前記ゲートブロックは、その後端部に冷
    却手段が配置され、冷却手段は押圧手段の作動時にゲー
    トブロックを冷却することを特徴とする請求項2ないし
    請求項4のいずれか一つに記載の低圧鋳造装置。
  7. 【請求項7】 前記付勢手段は、注湯圧力の変更に連動
    してその付勢力が変更されることを特徴とする請求項2
    ないし請求項4のいずれか一つに記載の低圧鋳造装置。
  8. 【請求項8】 前記ゲートブロックは、金型キャビティ
    側の湯道に面する側に配置された比較的高い熱伝導率を
    もつ材料と、炉側の湯道に面する側に配置された比較的
    低い熱伝導率をもつ材料との積層により形成されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の低圧鋳造装置。
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