JP2003136065A - ボイラ給水処理装置 - Google Patents

ボイラ給水処理装置

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JP2003136065A
JP2003136065A JP2001339508A JP2001339508A JP2003136065A JP 2003136065 A JP2003136065 A JP 2003136065A JP 2001339508 A JP2001339508 A JP 2001339508A JP 2001339508 A JP2001339508 A JP 2001339508A JP 2003136065 A JP2003136065 A JP 2003136065A
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water
treated
boiler
electric deionization
chamber
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JP2001339508A
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Shin Sato
伸 佐藤
Kiminobu Osawa
公伸 大澤
Kunihiro Iwasaki
邦博 岩崎
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ薬品を添加することなしに、ボイラ
管の腐食を抑制しかつスケールを防止し、かつ、ボイラ
用の補給水として優れた性状を持つアルカリ水を製造す
ることのできるボイラ給水処理装置を提供する。 【解決手段】 pH8.5以下の被処理水をアルカリ薬
剤を添加することなしに処理したときに、被処理水のp
Hよりも1.0以上高いpHの処理水を得ることができ
る電気脱イオン装置101を含み、該電気脱イオン装置
101で上記被処理水を電気脱イオン処理して得られる
アルカリ水を補給水とすることとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボイラ給水処理装
置に関し、さらに詳細には、アルカリ薬品を添加するこ
となしに、ボイラ管の腐食を抑制しかつスケールを防止
するアルカリ水を製造することのできるボイラ給水処理
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】丸ボイラ、特殊循環ボイラ、圧力2Mp
a以下の低圧ボイラは補給水として軟化水が使用され
る。一方、圧力2Mpa以上の高圧ボイラは補給水とし
てイオン交換水(脱イオン水)が使用される。
【0003】ここで、軟化水を得るための軟化処理では
塩化物イオンが除去されず残留する。塩化物イオンは腐
食防止の観点から好ましくない。また、イオン交換水を
得る場合には、残留シリカを0.1ppm以下にすると
きに、シリカポリッシャーが必要となり、設備を過大と
することがあった。また、イオン交換水を得る場合に
は、処理水が1μS/cm以下となり、1価のイオンも
除去される。ところが、そこまでの高純度化は必要なか
った。また、イオン交換操作は、再生廃液の中和処理を
伴い、労力と薬品代を費やすという難点もあった。
【0004】一方、ボイラ水のpHは、腐食の抑制およ
びスケールの付着防止を目的として管理する必要があ
る。低圧ボイラでは、ボイラ水のpHは11.0〜1
1.8に管理する必要がある。また、高圧ボイラでは、
ボイラ水のpHは8.5〜9.8に管理する必要があ
る。このようにボイラ水のpHを調節するための薬剤と
しては、清缶剤があり、水酸化ナトリウム、りん酸塩な
どがその成分である。しかし、このような薬剤を加える
ことにより、ボイラ排水の処理がさらに必要となるので
問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたもので、アルカリ薬品を添加することな
しに、ボイラ管の腐食を抑制しかつスケールを防止し、
かつ、ボイラ用の補給水として優れた性状を持つアルカ
リ水を製造することのできるボイラ給水処理装置を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るボイラ給水処理装置は、pH8.5以
下の被処理水をアルカリ薬剤を添加することなしに処理
したときに、被処理水のpHよりも1.0以上高いpH
の処理水を得ることができる電気脱イオン装置を含み、
該電気脱イオン装置で上記被処理水を電気脱イオン処理
して得られるアルカリ水を補給水とすることを特徴とす
る。
【0007】本発明に係るボイラ給水処理装置は、一実
施の形態において、上記電気脱イオン装置と、被処理水
を前処理するためのUFまたはMF装置とを含む。
【0008】また、別の実施の形態において、上記電気
脱イオン装置と、被処理水を前処理するためのUFまた
はMF装置と、被処理水を脱塩するためのRO装置とを
含む。この場合、上記電気脱イオン装置の濃縮水をRO
装置の前に戻すことが好適である。
【0009】また、別の実施の形態において、上記電気
脱イオン装置と、被処理水を前処理するためのUFまた
はMF装置と、被処理水を脱塩するためのNF装置とを
含む。この場合、電気脱イオン装置の後にシリカポリッ
シャー装置を設置することが好適である。
【0010】さらに、本発明に係るボイラ給水処理装置
では、上記電気脱イオン装置の前に膜脱気装置を設置し
て、溶存酸素を除去したアルカリ水を補給水とすること
が好適である。
【0011】本発明に係るボイラ給水処理装置では、陰
極、陽極、該陰極と陽極の間に複数のカチオン交換膜と
アニオン交換膜とを配列することにより形成して、濃縮
室と脱塩室、および該脱塩室に充填されたイオン交換体
を有する電気脱イオン装置を用いる。このような電気脱
イオン装置を用い、脱塩室の厚さ、操作電圧および/ま
たは電流、通水SVを調整することにより、pH8.5
以下の被処理水をアルカリ薬剤を添加することなしに処
理したときに、被処理水のpHよりも1.0以上高いp
Hの処理水が得られる。このような電気脱イオン装置に
よると、シリカ、ホウ素等の弱電解物質が被処理水から
効率的に除去される。
【0012】本発明で用いる電気脱イオン装置は、脱塩
室の厚みが7mm以上であって、脱塩室にアニオン交換
体単独もしくはアニオン交換体とカチオン交換体との混
合が充填された電気脱イオン装置であり、特異な挙動を
示す。すなわち、被処理水がこの電気脱イオン装置を通
過すると、水中の炭酸ガス(CO2)やアニオンは除去
され、シリカ、ホウ素も約90%除去される。また、C
2+、Mg2+等の硬度成分も除去される。ところが、N
+、K+等の1価のカチオンは除去されにくい。結果と
して処理水にはモル伝導率が大きいNaOH、KOHな
どのアルカリ成分を含むことができ、pHが上昇すると
共に、導電率も若干大きくなる。
【0013】本発明で用いる電気脱イオン装置がこのよ
うな現象を起こす原因の詳細は明らかではないが、次の
ように推定される。すなわち、電気脱イオン装置では限
界電流密度以上の電流を流して脱塩を行うが、この時、
前述のように水解離が生じてOH-、H+が発生し、電荷
を運ぶようになる。このH+イオンのイオン移動度は3
49.7cm2Ω-1eq-1で、他のイオンのイオン移動
度(30〜70cm2Ω -1eq-1)に比べ、圧倒的に速
い(イオン移動度は無限希釈溶液におけるデータ、日本
化学会編「化学便覧」参照)。このため、脱塩室厚みが
厚くなると、水解離が生じたときにイオン移動度の違い
による移動速度の差が広がり、H+が一方的に濃縮室側
に排出されることになり、OH-イオンが脱塩室に取り
残されるようになる。Ca2+、Mg2+などの多価のカチ
オンやアニオンは比較的容易に濃縮室側に排出される
が、Na+、K+はH+イオンが電荷を運ぶ役割をしてい
るため脱塩室に残る。結果として、処理水にはNaO
H、KOH等の1価のアルカリ金属が含まれることとな
り、pHが上昇する。
【0014】なお、同様の理由で、脱塩室からOH-
排出され難く、H+が排出され易いため、濃縮室ではp
Hが酸性となる。したがって、Ca2+、Mg2+等が高濃
度で濃縮されてもスケールを生成することはない。
【0015】本発明で採用する電気脱イオン装置では、
最も陽極側の脱塩室のアニオン交換膜と陽極との間にカ
チオン交換膜を配置し、このカチオン交換膜と該最も陽
極側の脱塩室との間を濃縮室とし、このカチオン交換膜
と陽極との間を陽極室としてもよい。
【0016】上記のように本発明で採用する電気脱イオ
ン装置にあっては、陰極室のカチオン濃度が高く、電極
間の電気抵抗が小さい。したがって、セル電圧を低減す
ることができる。この陰極室でのスケール発生を防止す
るには、陰極室に流入する電極水のpHを低く(酸性
と)する。このためには、この電極水として用いられる
濃縮室流出水のpHを低くすれば良く、このためには脱
塩室の厚さを大きくすれば良い。
【0017】例えば、10μS/cmの導電率、200
ppbのシリカ、20ppbのホウ素を含む被処理水が
上記電気脱イオン装置に通水されると、シリカは10p
pb以下となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面に示した実施の
形態を参照しながら、本発明に係るボイラ給水処理装置
をさらに詳細に説明する。
【0019】なお、本発明で処理される被処理水の原水
としては、井水、工水、市水を使用することができる。
【0020】実施の形態(その1) 図1に、本発明に係るボイラ給水処理装置の実施の形態
(その1)を示す。この実施の形態は、前処理装置とし
て、UF装置100を用い、UF装置100を経由した
被処理水を電気脱イオン装置101で脱塩することとし
ている。UF装置100は、UF膜を用いたろ過装置で
あり、原水中の濁度成分や高分子有機物等を予め除去し
て、後段のRO装置や電気脱イオン装置の汚染を防ぐこ
とを目的としている。
【0021】本実施の形態では、電気脱イオン装置10
1で、被処理水をさらに処理し、アルカリ水である補給
水を得ることとしている。図7に、電気脱イオン装置1
01の一形態を概念的に示す。図に示すように、陽極1
1と、陰極12との間にカチオン交換膜14と、アニオ
ン交換膜13とを交互に設置し、陽極室17、陰極室1
8に加え、濃縮室15と脱塩室16とを形成する。脱塩
室16には、イオン交換体10を充填する。なお、陰
極、陽極、該陰極と陽極の間に複数のカチオン交換膜と
アニオン交換膜とを配列することにより形成して、濃縮
室と脱塩室、および該脱塩室に充填されたイオン交換体
を有するように形成すれば良く、個々の要素の配列は図
7に限定されるものではない。
【0022】もっとも、本発明では、電気脱イオン装置
101について、次のi),ii)の構成を採用すること
が好ましい。 i) 脱塩室16の厚さは7mm以上が好ましく、処理
水のpHを効率良く上げるために、脱塩室16の厚さは
8〜30mmがより好ましい。脱塩室16の厚みとは、
図7のWで示す如く、陽極11と陰極12との間の脱塩
室16の厚みを指す。
【0023】ii) 脱塩室16に充填するイオン交換
体はアニオン交換体とカチオン交換体との混合層が最も
良い。もっとも、印加電圧が高いときには、アニオン交
換体の単独層でもよい。一部の脱塩室16に混合層が充
填され、他の脱塩室にアニオン交換体層が充填されても
よい。
【0024】電気脱イオン装置101は、図7に示すよ
うに、被処理水を通じることにより、濃縮室15から濃
縮水として取り出し、脱塩室16から脱イオン水として
取り出す。この脱イオン水は、アルカリ水であり、補給
水(処理水)としてボイラに供給することができる。
【0025】電気脱イオン装置101は、pH8.5以
下の被処理水にアルカリ薬剤を添加することなく処理し
た場合において、被処理水よりもpHが1.0以上、好
ましくは1.3〜3.0程度高い処理水(脱イオン水)
を得ることができるよう構成することができる。 この
ように水のpHが上昇することにより、シリカやホウ素
等の弱電解物質及び硬度成分も効率よく除去される。
【0026】イオン交換体は、濃縮室15にも充填され
ていてもよい。このようにすればセル電圧が低減され、
消費電力が減少する。濃縮室15にイオン交換体が無
く、セル電圧が15V/cellの場合と、濃縮室15
にイオン交換体が充填され、セル電圧が3〜6V/ce
llの場合とで、同等の処理が可能である。
【0027】イオン交換体の種類は、ビーズ状、繊維状
のイオン交換樹脂、繊維や不織布等にグラフト重合を利
用して交換基を導入したグラフト重合交換体などのいず
れであっても良い。
【0028】良好な水質を得るためには、イオン交換体
としては均一寸法のビーズ状のイオン交換樹脂が好まし
い。この「均一寸法のイオン交換樹脂」とはビーズの9
0%が平均ビード寸法の10%以内にあり、ビード混合
物内におけるアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の相
対平均寸法が少なくとも0.8のものを指す。
【0029】最も好ましくは上記i)及びii)の構成
を採用した電気脱イオン装置101は、次の条件で運転
される。脱塩室16のセルは1〜50V/cell、好
ましくは6〜50V/cell、特に好ましくは10〜
30V/cellの電圧が印加される。水は30〜15
0/hr、好ましくは50〜100/hrのSVで流れ
る。印加電圧が低すぎる場合、及びSVが高すぎる場合
は処理水に塩化物イオン等の1価のアニオンやシリカ、
ホウ素が漏出する。逆に印加電圧が高すぎる場合及びS
Vが低すぎる場合は1価のカチオンが過度に除去され
る。
【0030】電気脱イオン装置101の脱塩室16内部
のpHが9.0以上であると、シリカ、ホウ素が除去さ
れ易い。脱塩室16内部のpHを9.0以上にするに
は、セルの厚みを調整することにより可能である。
【0031】上記イオン交換膜は均一膜及び不均一膜の
いずれでも良いが、不均一膜は均一膜よりもNa+リー
ク率が高く、処理水pHが上昇する。したがって、カチ
オン膜は不均一膜が好ましい。アニオン膜はシリカ、ホ
ウ素除去率維持のため均一膜の方がよい。
【0032】電気脱イオン装置101は、Caスケール
の発生を防止するために、下記式で算出されるスケール
指標数値SIが500以下特に200以下となる条件で
運転されることが好ましい。これによって、電気脱イオ
ン装置の濃縮室内での炭酸カルシウムスケールの析出を
確実に防止することができ、該電気脱イオン装置を長期
間に亘って安定に運転することが可能となる。
【0033】スケール指標数値SI=〔無機炭酸の単位
膜面積当りの負荷量(mg−CO2/hr・dm2)〕・
〔濃縮水Ca2+濃度(mg−CaCO3/L)〕無機炭
酸の単位膜面積当りの負荷量(mg−CO2/hr・d
2)は、電気脱イオン装置101のアニオン交換膜1
dm2当たりの負荷量(mg−CO2/hr)である。濃
縮水Ca2+濃度は濃縮室流出水のCa2+濃度(CaCO
3換算)である。
【0034】電気脱イオン装置101では前述のように
供給水のイオンを排出させるのに必要な理論電流値以上
の電流を流して、脱塩室内で水解離を生じさせて、イオ
ン交換体を連続的に再生している。したがって、電流を
流すほどアニオン交換膜面のpHはアルカリ性になり、
炭酸カルシウムは析出し易くなる。そのため、許容SI
値は電流値によって変化する。
【0035】90%以上の高シリカ除去率が要求されな
い場合、SI値が200以下になるようにすればよく、
好ましくは150以下である。特に、経済的な考慮から
は、必要以上の脱ガス装置や軟化装置による処理を避け
るために、SI値を80〜200とするのが望ましい。
【0036】電気脱イオン装置101がシリカ除去率9
0%以上を要求される場合、すなわち電流効率を20%
以下で運転する場合は、SI値は120以下、特に80
以下で運転することが好ましい。経済的にはSI値を5
0〜120で運転するのが望ましい。
【0037】濃縮室15にイオン交換体を充填した電気
脱イオン装置101の場合には、アニオン交換膜を透過
したOH-イオンが濃縮室内を移動し易くなるため、ス
ケール層が分散する効果がある。この場合、SI値は電
流値を増加させても80以上で運転が可能であり、80
〜200で運転を行うことができる。この場合の特に好
ましいSI値は80〜150であるが、経済的な考慮を
除けば80以下であっても良い。
【0038】SI値を規定値以下にまで低下させるため
には、次のような方法がある。すなわち、濃縮水のCa
2+濃度を低下させるためには、水回収率を下げたり、濃
縮室に軟化装置等のCa2+除去装置を設けてCa2+を除
去する方法がある。また、無機炭酸膜面積負荷量を低下
させるためには、電気脱イオン装置101の処理水量を
低下させる方法がある。さらに、電気脱イオン装置10
1の電流値を制御することによっても無機炭酸膜面積負
荷量を低下させることができる。
【0039】電気脱イオン装置101が80%以上の水
回収率にて運転されると、濃縮室15内の水の導電率が
高くなり、優れた処理水水質がもたらされる。本発明で
は、濃縮室15の導電率を50μS/cm以上とするこ
とが好ましい。導電率が50μS/cmよりも小さくな
ると電気抵抗が急激に増大する。したがって、濃縮室1
5出口の電気導電率が50μS/cmないと電流値が確
保できない。仮に確保できたとしても電気抵抗値が上昇
し、消費電力費が上昇する。
【0040】UF装置100で濁度成分等を除去し、電
気脱イオン装置101で良好に脱塩処理することによ
り、特段アルカリ薬品を添加することなく、リークした
NaOH、KOHを含むアルカリ水の補給水を得ること
ができる。また、水中の炭酸ガスやアニオンが除去さ
れ、シリカやホウ素、およびその他のCaイオン、Mg
イオン等の他のイオンも除去されるので、ボイラの補給
水として優れた性状を持つ補給水を得ることができる。
これによって、ボイラ管の腐食を抑制し、かつスケール
を防止できる。さらに、本実施の形態では、電気脱イオ
ン装置の汚染による性能低下を防止するといった効果を
得ることができる。シリカが除去されるので、シリカポ
リッシャーは必ずしも必要ではない。しかし、特に被処
理水のシリカ濃度が高い場合に、前処理としてシリカ除
去率の高いRO装置を使用しないときは、シリカポリッ
シャーの使用が有効である。なお、ボイラからのブロー
廃液は、再度電気脱イオン装置の濃縮液と混合して系外
に排出すれば、その中和処理等も不要である。
【0041】なお、UF装置100は、MF装置に置き
換えることもできる。MF装置は、UF装置と同様に濁
度成分等を除去することができる。したがって、UF装
置と同等の前処理効果を期待することができる。以下の
他の実施の形態においても、UF装置100を用いてい
る場合には、MF装置で置き換えることができる。
【0042】実施の形態(その2) 図2に示す実施の形態は、図1の実施の形態に加え、R
O装置102を加えたものである。RO装置102は、
逆浸透膜装置である。2価カチオン、例えばCa2+に代
表される硬度成分やシリカは電気脱イオン装置内におい
てスケール化し易く、また、これらを電気脱イオン装置
101において除去するためには電流値を相当に高くす
る必要がある。したがって、硬度成分及びシリカは、電
気脱イオン装置101の前段で極力除去しておくことが
好ましい。RO装置102としては。硬度成分及びシリ
カの除去率が97%以上のRO膜を用いたものが好まし
い。このようなRO膜は、市販品を用いても良いが、酸
化剤による親水化処理を施して脱塩率97%以下、硬度
成分及びシリカの除去率97%以上となるように調整す
ることもできる。本実施の形態では、図1の実施の形態
(その1)の上記した効果を期待できると共に、さら
に、電気脱イオン装置101の電流値を高くしないで済
むといった利点がある。
【0043】実施の形態(その3) 図3に示す実施の形態は、図2のRO装置102に代え
て、ナノフィルトレーション膜を用いたNF装置103
を用いている。このNF装置103を用いることによ
り、硬度成分の除去と他の一部のイオンやシリカイオン
の除去を行う。これによって、実施の形態(その2)の
上記した効果を期待できると共に、さらにRO装置より
も低コストで処理できるといった利点がある。
【0044】実施の形態(その4) 図4に示す実施の形態では、図2の実施の形態で、ライ
ン104を設け、電気脱イオン装置101からの濃縮水
をRO装置102の上流に供給している。この実施の形
態では、図2の実施の形態の効果に加え、水処理システ
ム全体の水回収率を高くできるといった利点を得ること
ができる。
【0045】実施の形態(その5) 図5に示す実施の形態では、図2の実施の形態に加え、
膜脱気装置105を備えている。この膜脱気装置105
でRO装置102からの処理水の脱気を行うことによ
り、酸素や一部のCO2成分を除去できるといった作用
を期待することができる。したがって、図2の実施の形
態の効果に加え、CO2負荷低減、酸素除去によるスラ
イム発生の抑制といった効果を期待することができる。
【0046】実施の形態(その6) 図6に示す実施の形態では、図2の実施の形態と異な
り、RO装置102Aの他にRO装置102Bをさらに
設けている。そして、RO装置102Aからの濃縮水を
ライン106で、電気脱イオン装置101からの濃縮水
をライン107で回収する。これらを、RO装置102
Bに送り、ここで得られる脱塩水をライン108からラ
イン109に戻している。この実施の形態では、図2の
実施の形態の効果に加え、さらにシステム全体の水回収
率を高くするといった効果を期待することができる。
【0047】
【実施例】実施例1 実施の形態(その2)のUF装置100、電気脱イオン
装置101、RO装置102として、それぞれ栗田工業
(株)製プレブロックスR、栗田工業(株)製KCDIR
−UP1、日東電工(株)製ES−20を用い、表1の
性状の原水の処理を行った。表中ROとあるのは、RO
装置102の出口の水の性状である。KCDIとあるの
は、電気脱イオン装置101の出口の処理水の性状であ
る。
【0048】実施例2 実施の形態(その3)のUF装置100、電気脱イオン
装置101は、実施例1と同様の仕様のものを用い、N
F装置103として、日東電工(株)製NTR−725
0を用い、表1の性状の原水の処理を行った。表中RO
とあるのは、NF装置103の出口の水の性状である。
KCDIとあるのは、電気脱イオン装置101の出口の
処理水の性状である。
【0049】
【表1】
【0050】表1の結果から了解されるように、本発明
によれば、良好な性状のアルカリ水を得ることができ、
ボイラ管の腐食を抑制しかつスケールを防止し、かつ、
ボイラ用の補給水として優れた性状を持つアルカリ水を
得ることが期待できる。
【0051】
【発明の効果】上記したところから明らかなように、本
発明によれば、アルカリ薬品を添加することなしに、ボ
イラ管の腐食を抑制しかつスケールを防止し、かつ、ボ
イラ用の補給水として優れた性状を持つアルカリ水を製
造することのできるボイラ給水処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るボイラ給水処理装置の一実施の形
態を説明するブロック図である。
【図2】本発明に係るボイラ給水処理装置の他の実施の
形態を説明するブロック図である。
【図3】本発明に係るボイラ給水処理装置の他の実施の
形態を説明するブロック図である。
【図4】本発明に係るボイラ給水処理装置の他の実施の
形態を説明するブロック図である。
【図5】本発明に係るボイラ給水処理装置の他の実施の
形態を説明するブロック図である。
【図6】本発明に係るボイラ給水処理装置の他の実施の
形態を説明するブロック図である。
【図7】本発明に係るボイラ給水処理装置で採用するこ
とのできる電気脱イオン装置の一実施の形態を説明する
概念図である。
【符号の説明】
10 イオン交換体 11 陽極 12 陰極 13 アニオン交換膜 14 カチオン交換膜 15 濃縮室 16 脱塩室 17 陽極室 18 陰極室 100 UF装置 101 電気脱イオン装置 102 RO装置 103 NF装置 105 膜脱気装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月5日(2002.4.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】
【実施例】実施例1 実施の形態(その2)のUF装置100、電気脱イオン
装置101、RO装置102として、それぞれ栗田工業
(株)製プレブロックス(登録商標)、栗田工業(株)
製KCDI(登録商標)−UP1、日東電工(株)製E
S−20を用い、表1の性状の原水の処理を行った。表
中ROとあるのは、RO装置102の出口の水の性状で
ある。KCDIとあるのは、電気脱イオン装置101の
出口の処理水の性状である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F22D 11/00 C02F 1/46 103 (72)発明者 岩崎 邦博 東京都新宿区西新宿三丁目4−7 栗田工 業株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 GA17 HA47 JA30A JA41A JA42A JA43A JA44A JA44B KA52 KA53 KA55 KA57 KA64 KB11 KB17 KE18Q KE19Q MA03 MA13 MA14 MB09 PA01 PB07 PB22 PB23 PC31 4D011 AA17 AD03 4D037 AA08 AB11 BA23 CA03 CA04 4D061 DA02 DA08 EA09 EB01 EB04 EB13 EB39 GC05 GC14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 pH8.5以下の被処理水をアルカリ薬
    剤を添加することなしに処理したときに、被処理水のp
    Hよりも1.0以上高いpHの処理水を得ることができ
    る電気脱イオン装置を含み、該電気脱イオン装置で上記
    被処理水を電気脱イオン処理して得られるアルカリ水を
    補給水とすることを特徴とするボイラ給水処理装置。
  2. 【請求項2】 上記電気脱イオン装置と、被処理水を前
    処理するためのUFまたはMF装置とを含むことを特徴
    とする請求項1のボイラ給水処理装置。
  3. 【請求項3】 上記電気脱イオン装置と、被処理水を前
    処理するためのUFまたはMF装置と、被処理水を脱塩
    するためのRO装置とを含むことを特徴とする請求項1
    のボイラ給水処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項3のボイラ給水処理装置におい
    て、上記電気脱イオン装置の濃縮水をRO装置の前に戻
    すことを特徴とするボイラ給水処理装置。
  5. 【請求項5】 上記電気脱イオン装置と、被処理水を前
    処理するためのUFまたはMF装置と、被処理水を脱塩
    するためのNF装置とを含むことを特徴とする請求項1
    のボイラ給水処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において電気脱イオン装置の後
    にシリカポリッシャー装置を設置することを特徴とする
    ボイラ給水処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかのボイラ給水処
    理装置において、上記電気脱イオン装置の前に膜脱気装
    置を設置して、溶存酸素を除去したアルカリ水を補給水
    とすることを特徴とするボイラ給水処理装置。
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