JP2003134975A - 魚釣用リール - Google Patents
魚釣用リールInfo
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Abstract
止できるとともに、所望の耐食性を長期間にわたって維
持することができる安価な軸受を備えた魚釣リールの提
供を目的としている。 【解決手段】本発明は、回転駆動される回転部材2を軸
受41,42を介して支持部材1a(60A,60B)
に支持する構造を備えた魚釣用リールにおいて、軸受4
1,42は、支持部材1aに取り付けられた外輪41
b,42bと、回転部材2に取り付けられ且つ回転部材
2と一体で回転する内輪41a,42aと、内輪と外輪
との間に回転可能に介挿された転動体41c,42cと
から成り、転動体の両側部が開口した開放型のころがり
軸受として構成され、軸受41,42における内輪、外
輪、転動体の少なくとも一部品以上の表面には酸化クロ
ムの耐食処理層が形成され、軸受41,42の両側部に
は、軸受内への異物の浸入を防ぐシール部材62,64
が隣接して配置されていることを特徴とする。
Description
わり、特に、魚釣用リールに用いられる軸受の改良に関
する。
と、リール本体に取り付けられ且つ釣糸が巻回されるス
プールとを備えている。また、魚釣用リールは、スプー
ルに釣糸を巻回等するために回転駆動される多数の回転
部材を有している。このような回転部材は、通常、軸受
を介して、リール本体側の支持部に支持されている。
た、回転部材を軽い駆動力で回転させることができるよ
うに、前記軸受としては、一般に、内輪と外輪との間に
転動体が配置されたころがり軸受が用いられる。ころが
り軸受は、転動体の潤滑および腐食防止のためのグリス
を保持し、かつ、転動体への異物(砂や粉塵等)の付着
を防ぐ目的で、外輪と内輪との間を閉塞するシールドを
備えているのが一般的である。このシールドは、内輪と
外輪との間に挿入されて組み付けられるものであり、内
輪および外輪と一体となって軸受を構成する。
晒される過酷な環境下で使用されるため、前記軸受も外
部からの水に晒されることが多い。特に、ころがり軸受
は、使用時において常時回転しているため、長期間使用
すると、水等によりグリスが流出して、転動体の潤滑不
良に伴う回転性能の低下や、海水等による腐食といった
不具合が発生することが多い。また、ころがり軸受が腐
食すると、回転性能が劣化するばかりか、最悪の場合、
転動体と内外輪とが錆で固着して、リールの使用が不可
能になる虞もある。そのため、このような不具合が生じ
ないように、ころがり軸受に防食処理層を形成して、軸
受そのものの耐食性を向上させることが一般的に行なわ
れている。
を保持し且つ転動体への異物の付着を防ぐとともに、軸
受の腐食を防止するためには、防食処理層とシールド部
材とを設けることが望ましい。しかしながら、この場
合、シールド部材は、軸受全体に防食処理層を形成した
後に、内輪と外輪との間に挿入されて組み付けられるた
め、組み付け時に防食処理層が工具やシール部材との擦
れ等によって傷付けられてしまう場合がある。その場合
には、防食処理層の傷部分から素材が露出して、腐食す
る不具合が生じる。つまり、十分な腐食防止を行なうこ
とができなくなる。だからといって、シールド部材を設
けないようにすると(防食処理層が形成され且つシール
ドによって閉塞されていない開放型のころがり軸受を用
いると)、転動体への異物の浸入防止およびグリスの保
持が不十分となり、転動体や内外輪に傷を生じさせる結
果となり、防食処理層の耐食性を所望の程度に維持する
ことが難しくなる。
が高く、また、組み付けのコストが余分にかかるため、
ころがり軸受全体の単価を上げてしまうといった問題が
ある。したがって、現状では、防食処理層を施した軸受
を安価なリールに適用することが困難である。
であり、その目的とするところは、錆付きを防止でき、
転動体への異物の浸入を防止できるとともに、所望の耐
食性を長期間にわたって維持することができる安価な軸
受を備えた魚釣リールを提供することにある。
に、本発明は、回転駆動される回転部材を軸受を介して
支持部材に支持する構造を備えた魚釣用リールにおい
て、前記軸受は、支持部材に取り付けられた外輪と、前
記回転部材に取り付けられ且つ前記回転部材と一体で回
転する内輪と、前記内輪と前記外輪との間に回転可能に
介挿された転動体とから成り、転動体の両側部が開口し
た開放型のころがり軸受として構成され、前記軸受にお
ける内輪、外輪、転動体の少なくとも一部品以上の表面
には、酸化クロムの耐食処理層が形成され、前記軸受の
両側部には、軸受内への異物の浸入を防ぐシール部材が
隣接して配置されていることを特徴とする。この場合、
前記シール部材は、前記内輪または前記外輪の一方と接
触し、他方と非接触状態で配設されていることが望まし
い。
一実施形態について説明する。
形態の魚釣用リールはスピニングリール1であり、この
スピニングリール1は、リール本体1aと、リール本体
1aから延出する脚部1bと、脚部1bの端部に形成さ
れ且つ釣竿のリールシートSに取り付けられる竿取付部
1cとを有している。
リール本体1a内には、ハンドル5が固定されるハンド
ル軸(回転部材)2が回転可能に支持されている。ハン
ドル軸2にはドライブギア3が一体形成されており、こ
のドライブギア3には、ハンドル軸2に対して直交する
方向に延び且つリール本体1aに回転可能に支持された
管状のピニオンギア13が噛合している。このピニオン
ギア13の先端部には、ベール6および釣糸案内装置1
5を備えたロータ8が一体的に取り付けられている。
プール軸9がピニオンギア13を貫通している。この場
合、スプール軸9は、ピニオンギア13と同心的に配さ
れており、ハンドル軸2と直交する方向に沿って前後動
できる。また、スプール軸9の先端部には釣糸が巻回さ
れるスプール10(図1参照)が取り付けられている。
3を介してオシレーティング機構が係合している。この
オシレーティング機構は、ピニオンギア13と噛み合っ
て回転するウォームシャフト(トラバースカム軸)19
と、ウォームシャフト19の溝と噛み合い且つスプール
軸9に対してその軸方向に移動不能に取り付けられたス
ライダとからなり、ハンドル軸2がハンドル5の回転操
作によって回転されると、スプール軸9を軸方向に沿っ
て往復駆動(前後動)する。
作してハンドル軸2を回転させると、オシレーティング
機構19を介してスプール軸9に取り付けられたスプー
ル10が前後に往復動するとともに、ドライブギア3お
よびピニオンギア13を介してロータ8が回転駆動す
る。したがって、スプール10には、釣糸案内装置15
を介して、釣糸が均等に巻回される。
に、ハンドル軸2は、ハンドル5を左右で付け替え可能
とするべく、リール本体1a内でスプール軸9と交差す
るように延びている。具体的には、ハンドル軸2の両側
部は軸受41,42を介してリール本体1aに回転可能
に支持されるとともに、ハンドル5が固定されるハンド
ル軸2の左右両端部2b,2cは、リール本体1aの左
右両側に臨むべく、リール本体1aの左右両側に形成さ
れた開口部50,50に位置決めされている。なお、リ
ール本体1aの開口部50,50には雌ネジ51が形成
されており、この雌ネジ51には開口部50を閉塞する
ための蓋体40が螺合されるようになっている。
は、ハンドル軸2の右端部2cの外径よりも大きく設定
されている。また、左端部2bの外周面には第1の雄ネ
ジ(正ネジ)33が形成され、右端部2cの外周面には
第1の雄ネジ33とネジ方向が逆の第2の雄ネジ(逆ネ
ジ)34が形成されている。
られるハンドル5は、図2および図3に明確に示される
ように、釣り人が握持する摘み部23と、リール本体1
a内のハンドル軸2の端部2b(2c)に連結される連
結軸20と、連結軸20と摘み部23とを繋ぐアーム部
22とによって構成されている。また、ハンドル5は、
連結軸20とアーム部22との接合部を覆ってこの接合
部が外部に露出することを防止するカバー部材21を備
えている。
軸2に連結される連結軸20の端部20aには、段付き
孔31が形成されている。この段付き孔31は、外方に
位置する大径孔31aと、内方に位置する小径孔31b
とからなる。また、大径孔31aの内周面にはハンドル
軸2の第1の雄ネジ33と螺合可能な第1の雌ネジ35
が形成され、小径孔31bの内周面にはハンドル軸2の
第2の雄ネジ34と螺合可能な第2の雌ネジ36が形成
されている。
転可能に支持する軸受41,42は、スプール軸9の両
側からハンドル軸2の軸方向に沿って対向するように延
びるリール本体1aの一対の筒状部60A,60B内に
それぞれ配設されている。具体的には、軸受41(4
2)は、支持部材であるリール本体1aの筒状部60A
(60B)の内面に取り付け固定された外輪41b(4
2b)と、ハンドル軸2の外周面に取り付けられ且つハ
ンドル軸2と一体で回転する内輪41a(42a)と、
内輪41a(42a)と外輪41b(42b)との間に
回転可能に介挿された複数の転動体41c(42c)と
から成り、転動体41c(42c)の両側部が外部に開
放した開放型のころがり軸受として構成されている。
(42a)と外輪41b(42b)と転動体41c(4
2c)はそれぞれ、SUS材によって形成されるととも
に、その表面が所定の深さにわたって改質処理されてい
る(本実施形態では、軸受における内輪、外輪、転動体
の全ての表面に改質処理が施されているが、内輪、外
輪、転動体の少なくとも一部品以上の表面に改質処理が
施されていても良い)。具体的には、前記改質処理は、
SUS材の表面に均一で強固なクロム酸化物質を生成さ
せる高耐食表面改質処理であり、例えば、軸受41(4
2)を構成する各部品41a,41b,41c(42
a,42b,42c)をクロム酸と硝酸または硫酸とを
含有する処理液に浸漬して各部品の表面にクロム酸化物
質からなる不働態被膜L(図4参照)を形成するととも
に、不働態被膜Lが形成された各部品を陰極としてクロ
ム酸を含む所定の電解液中で電解する。
ち、転動体41c(42c)を外部に開放させる軸受4
1(42)の開口部には、シール部材62,64がそれ
ぞれ配置されている。これらのシール部材62,64
は、内輪41a(42a)と外輪41b(42b)との
間を閉塞して、転動体41c(42c)の潤滑および腐
食防止のためのグリスを保持するとともに、転動体41
c(42c)への異物(砂や粉塵等)の付着を防ぐ。
輪41b(42b)または内輪41a(42a)とリー
ル本体1aまたはハンドル軸2との間で挟持されつつ保
持される固定端62b(64b)になっているととも
に、シール部材62,64の他端は、リール本体1aま
たはハンドル軸2にシール状態で単に接触する自由端6
2a,(64a)となっている。具体的には、図5に拡
大して示されるように、第1のシール部材62の固定端
62bは、リール本体1aの筒状部60Aの内面に形成
された段部60aと外輪41bとの間に挟持されてお
り、また、第1のシール部材62の自由端62aは、ハ
ンドル軸2の外周面にシール状態で接触している。一
方、第2のシール部材64の固定端64bは、ハンドル
軸2の鎧袖面に形成された段部2aと内輪41aとの間
に挟持されており、また、第2のシール部材64の自由
端64aは、リール本体1aの筒状部60Aの内周面に
シール状態で接触している。
aまたは外輪41bの一方と接触し、他方と非接触状態
で配設されている。具体的には、第1のシール部材62
は、その固定端62bが外輪41bと接触するととも
に、その自由端62aが内輪41aと所定の隙間S1を
保って離間している。一方、第2のシール部材64は、
その固定端64bが内輪41aと接触するとともに、そ
の自由端64aが外輪41bと所定の隙間S2を保って
離間している。すなわち、シール部材62,64は、挟
持される固定端62b(64b)が軸受41と接触し、
挟持されない自由端62a(64a)が軸受41と接触
しないように配置されている。なお、図5は軸受41に
関するシール部材62,64を示しているが、軸受42
側のシール部材62,64も図5と同様の形態で保持さ
れて配置されている。
ングリール1は、軸受41,42の表面に酸化クロムの
耐食処理層Lが形成され、転動体41c,42cを外部
に開放させる軸受41,42の両側部に、軸受41,4
2内への異物の浸入を防ぐシール部材62,64が隣接
して配置されている。このように、軸受41,42の内
外輪の側部にシール部材62,64を隣接して配置すれ
ば、軸受本体にシールド部材を取り付けることなく、転
動体41c,42cへの異物の浸入を防ぐことができ且
つグリス等の潤滑材を保持することができるため、酸化
クロム耐食処理が施された開放型のころがり軸受を用い
ることができる。すなわち、シールド付きの高価な軸受
を使用する必要がなく、また、耐食処理層Lを傷付ける
ことなく軸受41,42をシールすることができる(シ
ールド部材が不要となるため、シールド部材の組み付け
時に生じる耐食処理層の傷付きの問題を解消でき、耐食
性能を向上させることができる)。その結果、軸受の腐
食を安価に防ぐことができ、コストを抑えた低価格帯の
リールにも耐食性の良いころがり軸受を用いることが可
能になる。
り、シール部材62,64を軸受41,42から離脱さ
せて軸受41,42の側部を容易に開放できるため、転
動体41c、42cへの注油(グリス添加)を必要に応
じていつでも簡単に行なうことができ、メンテナンス性
を向上させることができる。
SUS材によって形成され、このSUS材の表面に均一
で強固なクロム酸化物質を生成させる高耐食改質処理が
施されている。このような構成によれば、ころがり軸受
41,42の主材料であるSUS材の表面を処理するだ
けで耐食処理層を形成できるため、処理後の寸法変化が
少なく、精度の高い耐食性軸受を安価に実現できる(こ
れに対し、クロムが混入されていない材料によって軸受
を形成すると、軸受の表面にクロムをメッキしてから、
これを酸化しなければならないため、工程数が増え、高
価となる)。したがって、ハンドル軸2の回転駆動時の
振動等を防止できる。
2,64は、内輪41a(42a)または外輪41b
(42b)の一方と接触し、他方と非接触状態で配設さ
れており、しかも、その固定端のみが内外輪の一方と接
触されて挟持されている。したがって、シール部材6
2,64が内外輪の双方に接触する場合と異なり、ハン
ドル軸2の回転時にシール部材62,64と軸受側面と
の間で摩擦抵抗が生じないため、耐食処理層Lが摩耗す
ることがなく、長期にわたって高い耐食性能を維持する
ことができるとともに、簡単且つ効果的にシール部材を
位置決め保持することができる。
定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変
形実施できることは言うまでもない。例えば、前述した
実施形態においては、スピニングリールに本発明が適用
されているが、本発明は、両軸受型リール(電動リール
を含む)にも適用することができる。また、前述した実
施形態では、ハンドル軸2の支持構造に本発明が適用さ
れているが、リールを構成するあらゆる回転部材の支持
構造に本発明を適用できることは言うまでもない。ま
た、前述した実施形態において、シール部材62,64
の自由端62a,64aの先端を先細りに形成して、筒
状部60A,60Bまたはハンドル軸2と自由端62
a,64aとの接触面積を小さくすれば、さらに摩擦抵
抗を低減することができる。
錆付きを防止でき、転動体への異物の浸入を防止できる
とともに、所望の耐食性を長期間にわたって維持するこ
とができる安価な軸受を備えた魚釣リールを提供するこ
とができる。
側面図である。
る。
断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 回転駆動される回転部材を軸受を介して
支持部材に支持する構造を備えた魚釣用リールにおい
て、 前記軸受は、支持部材に取り付けられた外輪と、前記回
転部材に取り付けられ且つ前記回転部材と一体で回転す
る内輪と、前記内輪と前記外輪との間に回転可能に介挿
された転動体とから成り、転動体の両側部が開口した開
放型のころがり軸受として構成され、 前記軸受における内輪、外輪、転動体の少なくとも一部
品以上の表面には、酸化クロムの耐食処理層が形成さ
れ、 前記軸受の両側部には、軸受内への異物の浸入を防ぐシ
ール部材が隣接して配置されていることを特徴とする魚
釣用リール。 - 【請求項2】 前記シール部材は、前記内輪または前記
外輪の一方と接触し、他方と非接触状態で配設されてい
ることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001335820A JP2003134975A (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | 魚釣用リール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001335820A JP2003134975A (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | 魚釣用リール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003134975A true JP2003134975A (ja) | 2003-05-13 |
Family
ID=19150754
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001335820A Pending JP2003134975A (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | 魚釣用リール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003134975A (ja) |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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