JP2003132877A - 正極及び固体電解質電池、並びに正極の製造方法 - Google Patents

正極及び固体電解質電池、並びに正極の製造方法

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JP2003132877A
JP2003132877A JP2001325579A JP2001325579A JP2003132877A JP 2003132877 A JP2003132877 A JP 2003132877A JP 2001325579 A JP2001325579 A JP 2001325579A JP 2001325579 A JP2001325579 A JP 2001325579A JP 2003132877 A JP2003132877 A JP 2003132877A
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polymer
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Yoshinari Sasaki
良成 佐々木
Kiyomi Kiyoi
清美 清井
Eiju Murase
英寿 村瀬
Kouji Shimotoku
浩司 下徳
Yukinari Aso
幸成 阿蘇
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Sony Corp
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Sony Corp
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン伝導性と電子伝導性とを両立しつつ、
高容量を実現する。また、材料を均一に分散させて常温
での動作を可能とする。 【解決手段】 正極集電体2と、上記正極集電体2上に
形成された正極合剤層3とを有し、上記正極合剤層3
は、イオン伝導性高分子と結着剤と電解質塩と正極活物
質粒子4と導電助剤5とが互いに分散してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集電体と、上記集
電体上に形成された合剤層とを有する正極及び固体電解
質電池、並びに正極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カメラ一体型VTR、携帯電話、ラップ
トップコンピュータ等の携帯型電子機器が多く登場し、
その小型軽量化が図られている。そしてこれらの電子機
器の電源となる電池、特に二次電池に対しては、小型軽
量化、薄型化等の要求が強まっている。
【0003】さらに近年では、例えば衣服の一部に電池
を収納して携帯する等、人体に直接接触して使用するよ
うな用途も想定されている。
【0004】従来の電池は、電解質として液体又はゲル
状の電解質を用いているため、電池の容器から電解質が
漏洩する虞があり、上述したような着用可能な電池には
不向きである。
【0005】そこで、電解質として液系の溶媒を含まな
い固体電解質を用いたいわゆる固体電解質電池が考案さ
れている。固体電解質電池は、一般的に、正極と、負極
と、固体電解質との3要素で構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、固体電解質
電池の正極の構造は、図4に示すようなブレード型、図
5に示すような複合型、図6に示すようなバンピー型等
が挙げられる。
【0007】具体的には、図4に示すブレード型の正極
を用いた固体電解質電池100は、Alからなる正極集
電体101上と、例えばLiCoOからなる平均粒径
20μm程度の正極活物質粒子102を含有する正極合
剤合剤層103と、ポリエチレンオキサイド(PE
O)、エチレンオキシドと2−(2−メトキシエトキシ
エチル)グリシジルエーテルとの重合体〔P(EO/M
EEGE)〕等を含有する固体電解質フィルム104
と、金属リチウムからなる負極105とがこの順に積層
されてなる。
【0008】図4に示す固体電解質電池100を作製す
る際には、先ず、正極を作製する。具体的には、正極活
物質粒子102、又は正極活物質粒子102と結着剤と
導電助剤とを溶媒に溶解してなる塗料を正極集電体10
1上に塗布し、正極活物質粒子102が略1層分正極集
電体101上に並べられてなる正極合剤層103を形成
して正極を作製する。次に、得られた正極と、金属リチ
ウムからなる負極105とを、固体電解質フィルム10
4を介在させて圧着することにより、固体電解質電池1
00が得られる。
【0009】このように、ブレード型の正極合剤層10
3は、正極活物質粒子104が略1層分並ぶように塗料
を単純に塗布してなるため、比較的作製が容易であると
いった利点を有する。
【0010】しかしながら、このブレード型の正極は、
正極集電体101と正極活物質粒子102との電子伝導
性を確保するために、正極集電体101上に正極活物質
粒子102を略1層分しか並べられないため、活物質を
増加させる事による電池容量の増加が不可能である。
【0011】また、図5に示す複合型の正極を用いた固
体電解質電池110は、高容量化を目的として、上述し
たブレード型の正極を改良したものである。具体的に
は、ブレード型の正極の正極合剤層は正極活物質粒子を
略1層分しか含有していないのに対して、複合型の正極
の正極合剤層111は、平均粒径20μm程度の正極活
物質粒子113の層間にグラファイト112があり、正
極集電体114上に塗布されてなる。
【0012】このような複合型の正極と、金属リチウム
からなる負極115とを、固体電解質フィルム116を
介在させて圧着することにより、固体電解質電池が得ら
れる。
【0013】このように、複合型の正極は、正極活物質
粒子113層間にグラファイト112が介在することに
より、正極活物質粒子113を膜厚方向に積層した場合
でも正極集電体114との電子伝導性を確保し、ブレー
ド型に比べて大幅な高容量化が可能となる。
【0014】しかしながら、複合型の正極は、正極合剤
層111の表層、すなわち固体電解質フィルム116側
に存在する正極活物質粒子113のみがイオンの移動に
寄与するため、イオンの動作の効率が悪いといった問題
がある。
【0015】また、ブレード型と複合型との双方の利点
を兼ね備えた、図6に示すようなバンピー型の正極を用
いた固体電解質電池120も考案されている。具体的に
は、バンピー型の正極は、正極集電体121上に、正極
合剤層として、表面形状が凹凸状となるように平均粒径
20μm程度の正極活物質粒子122が塗布されてな
る。
【0016】このようなバンピー型の正極と、金属リチ
ウムからなる負極123とを、固体電解質フィルム12
4を介在させて圧着することにより、固体電解質フィル
ム124が正極活物質粒子122の凹凸の間に埋め込ま
れて密着し、固体電解質電池120が得られる。
【0017】このバンピー型の正極においては、正極活
物質粒子122を部分的に積層させるとともに、正極活
物質粒子122と固体電解質フィルム124との接触面
積を広く確保している。このため、バンピー型の正極
は、イオンの移動が効率的になるとともに、容量の向上
も見込まれる。
【0018】しかしながら、バンピー型の正極は、正極
活物質粒子122の塗布量を部分的に変化させる必要が
ある等、正極合剤層の作製が極めて困難であるという不
都合がある。
【0019】そこで本発明はこのような従来の実情に鑑
みて提案されたものであり、イオン伝導性と電子伝導性
とを両立しつつ、高容量を実現した正極及びこれを用い
た固体電解質電池を提供することを目的とする。また、
本発明は、材料を均一に分散させて常温での動作を可能
とする正極の製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る正極は、正極集電体と、上記正極集
電体上に形成された正極合剤層とを有し、上記正極合剤
層は、イオン伝導性高分子と結着剤と電解質塩と正極活
物質粒子と導電助剤とが互いに分散してなることを特徴
とする。
【0021】以上のように構成された正極は、正極活物
質粒子、導電助剤、イオン伝導性高分子、結着剤及び電
解質塩が、分散状態、すなわち凝集することなく一様に
分布して正極合剤層を形成している。これにより、導電
助剤によって正極活物質粒子同士及び正極活物質粒子と
集電体との接触面積が広くなり、電子伝導性が向上す
る。これとともに、イオン伝導性高分子が正極活物質粒
子間に介在することによって、殆ど全ての正極活物質粒
子の表層からのイオンの移動を可能とする。
【0022】また、本発明を適用した固体電解質電池
は、負極と、上記負極と対向して配された正極とを備
え、上記正極は、正極集電体と、上記正極集電体上に形
成された正極合剤層とを有し、上記正極合剤層は、イオ
ン伝導性高分子と結着剤と電解質塩と正極活物質粒子と
導電助剤とが互いに分散してなることを特徴とする。
【0023】以上のような固体電解質電池に用いられる
正極は、正極活物質粒子、導電助剤、イオン伝導性高分
子、結着剤及び電解質塩が、分散状態、すなわち凝集す
ることなく一様に分布して正極合剤層を形成している。
これにより、導電助剤によって正極活物質粒子同士及び
正極活物質粒子と集電体との接触面積が広くなり、電子
伝導性が向上する。これとともに、イオン伝導性高分子
が正極活物質粒子間に介在することによって、殆ど全て
の正極活物質粒子の表層からのイオンの移動を可能とす
る。
【0024】また、本発明に係る正極の製造方法は、結
着剤を第1の溶媒に溶解させて第1の溶液を調製する第
1の工程と、上記第1の溶液に導電助剤及び正極活物質
粒子を分散させて第2の溶液を調製する第2の工程と、
イオン伝導性高分子及び電解質塩を第2の溶媒に溶解さ
せて第3の溶液を調製する第3の工程と、上記第2の溶
液と上記第3の溶液とを混合して第4の溶液を調製する
第4の工程と、上記第4の溶液を粘度調整する第5の工
程と、粘度調整された上記第4の溶液を正極集電体上に
塗布し、溶媒を除去して正極合剤前駆体を得る第6の工
程と、上記正極集電体及び上記正極合剤前駆体をプレス
して、上記正極集電体及び正極合剤層からなる正極を作
製する第7の工程とを有することを特徴とする。
【0025】以上のような製造方法によれば、各正極材
料に対して溶解性の良好な溶媒を使い分けて正極材料を
均一に分散させるとともに、塗料の濃度及び粘度を任意
に設定可能とするため、良好な塗布特性を実現する正極
合剤層用塗料を迅速に調製できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した正極及び
固体電解質電池、並びに正極の製造方法について、図面
を参照しながら詳細に説明する。
【0027】本発明を適用した正極は、電解質として固
体電解質を用いた固体電解質電池に用いられ、中でも、
非水電解液等の液系の成分を含有しない、いわゆる真性
ポリマ電池に用いられて好適である。
【0028】図1に、本発明を適用した正極1を用いた
固体電解質電池10を示す。この固体電解質電池10
は、正極1と、この正極1に対向した負極11とを備え
る。また、正極1は、正極集電体2と、正極集電体2の
一主面上に形成された正極合剤層3とからなる。
【0029】正極集電体2としては、例えば金属箔を用
いることができる。具体的な金属箔としては、例えばア
ルミニウム箔、ニッケル箔、ステンレス箔等が挙げられ
る。また、金属箔としては、正極合剤層3との密着性を
高めるために、表面処理を施した金属箔、多孔性の金属
箔等を用いても構わない。具体的な多孔性の金属箔とし
ては、パンチングメタル、エキスパンドメタル、エッチ
ング処理によって多数の開口部を形成した金属箔等が挙
げられる。
【0030】正極合剤層3は、図1に示すように、均一
に分散した正極活物質粒子4と、均一に分散した導電助
剤5と、均一に分散した正極活物質粒子4及び導電助剤
5の周囲を取り巻くように、これらの間に介在するポリ
マ6とからなる。ポリマ6は、結着剤と、電解質塩と、
イオン伝導性高分子とが混合されてなるものである。
【0031】本発明を適用した正極1に用いられる正極
活物質粒子4は、平均粒径が1μm〜20μm程度であ
ることが好ましい。正極活物質粒子4の平均粒径を従来
の正極活物質粒子の平均粒径よりも小とし、且つこのよ
うな正極活物質粒子4を後述する導電助剤5及びイオン
伝導性高分子とともに正極合剤層3中に均一に分散させ
ることによって、正極合剤層3の厚みが正極活物質粒子
4を複数層分積層してなる程の厚みを有する場合であっ
ても、電子伝導性及びイオン伝導性の両方を確保し、こ
の正極を用いた電池を常温で動作させられる。正極活物
質粒子4の平均粒径が上記範囲をこえると、電池が動作
できない虞がある。
【0032】正極活物質粒子4としては、アルカリ金属
イオンをドープ及び脱ドープすることが可能な材料であ
れば特に限定されることはなく、目的とする電池の種類
に応じて、例えば金属酸化物、金属硫化物等の粉末等を
用いることができる。
【0033】例えば、リチウム電池を構成する場合、正
極活物質粒子4として、TiS、MoS、NbSe
、FeS、FeS、V等のリチウムを含有し
ない金属酸化物、又は金属硫化物を用いることができ
る。また、正極活物質粒子4として、LiMO(た
だし、式中Mは、1種以上の遷移金属元素を表す。ま
た、xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.0
5以上1.10以下の範囲内である。)や、LiNi
M1M2MO(ただし、式中M1及びM2は、A
l、Mn、Fe、Co、Ni、Cr、Ti及びZnから
なる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表す。また
は、M1及びM2は、P、B等の非金属元素でも構わな
い。また、p、q、rは、p+q+r=1の条件を満た
すものである。)を主体とするリチウム複合酸化物等を
用いることもできる。
【0034】上記のリチウム複合酸化物を構成する遷移
金属Mは、Co、Ni、Mn等であることが好ましい。
具体的にはLiCoO、LiNiO、LiNi
−y(ただし、式中yは、0<y<1であ
る。)等が挙げられる。特に、高電圧及び高エネルギー
密度を得られるとともに、サイクル特性に優れることか
ら、リチウムコバルト複合酸化物やリチウムニッケル複
合酸化物を用いることが好ましい。
【0035】なお、正極活物質粒子4として、上述した
ような材料を複数種類混合して用いることも勿論可能で
ある。
【0036】正極合剤層3に占める正極活物質粒子4の
割合は、80重量%以上91重量%未満の範囲内である
ことが好ましい。正極活物質粒子4の割合が80重量%
未満であると、容量の低下を招く虞がある。また、正極
活物質粒子4の割合が91重量%以上であると、他の正
極材料の割合が相対的に低下して電池特性が損なわれる
虞がある。
【0037】導電助剤5は、正極活物質粒子4に比べて
小さい平均粒径を有している。導電助剤5は、正極活物
質粒子4の間及び正極活物質粒子4と集電体2との間に
介在することによって、これらの接触面積を増大させ、
正極1における電子伝導性を向上させる。この結果、正
極活物質粒子4を正極合剤層3の厚み方向に積層するこ
と、すなわち、正極合剤層3を厚膜化することが可能と
なるため、正極活物質量を増加させることによって正極
1の高容量化を図ることができる。
【0038】導電助剤5の平均粒径は、例えば0.1μ
m〜5μm程度であることが好ましい。導電助剤5の平
均粒径が上記範囲をこえると、容量劣化の虞がある。
【0039】具体的な導電助剤5としては、電子伝導性
を有する従来公知の導電助剤を用いることができ、例え
ばグラファイト、ケッチェンブラック等が挙げられる。
【0040】正極合剤層3に占める導電助剤5の割合
は、1重量%以上6重量%未満の範囲内であることが好
ましい。導電助剤5の割合が1重量%未満であると、正
極活物質粒子4間の接触抵抗が増大し、電子伝導性が著
しく損なわれる。また、導電助剤5の割合が6重量%以
上であると、相対的に他の材料の割合が低下し、電池特
性が損なわれる場合がある。
【0041】ポリマ6が含有する結着剤としては、少量
でも充分な結着力を示す高分子を用いることができる。
このような高分子としては、例えばポリフッ化ビニリデ
ン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられ
る。
【0042】正極合剤層3に占める結着剤の割合は、1
重量%以上3重量%未満の範囲内であることが好まし
い。結着剤の割合が1重量%未満であると、正極材料間
の結着力が充分でないため、充放電を繰り返すうちに正
極活物質粒子4間及び正極合剤層3と正極集電体2との
剥離を生じ、容量の劣化、すなわちサイクル特性の劣化
が著しい。また、結着剤の割合が3重量%以上である
と、相対的に正極活物質粒子4の割合が低下するために
容量の低下を招く虞がある。
【0043】ポリマ6は、上述したように、固体電解質
としてイオン伝導性高分子を含有している。すなわち、
本発明を適用した正極1は、正極合剤層3において、固
体電解質中に正極活物質粒子4及び導電助剤5の粉体材
料が均一に分散した、いわゆるコンポジット型の正極で
ある。
【0044】ポリマ6が含有するイオン伝導性高分子
は、具体的には、エチレンオキシドと2−(2−メトキ
シエトキシエチル)グリシジルエーテルとの重合体(以
下、ポリマAと称する。)と、シロキサン、ポリエチレ
ンオキシド、ポリエチレンオキシド誘導体から選ばれる
1種以上のポリマ(以下、ポリマBと称する。)とのポ
リマーアロイである。
【0045】このうち、ポリマAは、後述するポリマB
に比べてイオン伝導性には劣るものの、極めて柔軟性に
富むポリマである。ポリマAは、例えば下記の構造式
(1)に示されるようなエチレンオキシド構造単位を含
有するエーテル系高分子を用いることが好ましい。
【0046】
【化1】
【0047】また、ポリマAとしては、主鎖構造が下記
の構造式(2)で示される構成単位及び下記の構造式
(3)で示される構成単位を含むランダム共重合体を用
いることが好ましい。構造式(2)で示される構成単位
及び構造式(3)で示される構成単位のランダム共重合
体とすることにより、自由末端側鎖の存在によって、さ
らに高いイオン伝導度を実現することができる。また、
ポリマAとしては、これらの単独重合体又はランダム共
重合体のポリマーブレンドを用いても構わない。
【0048】
【化2】
【0049】
【化3】
【0050】また、ポリマAの分子量は、数十万以上で
あることが好ましい。
【0051】さらに、ポリマAは、示差走査熱量分析
(differential scanning calorimetry:DSC)によ
って測定されるガラス転移点が、−60℃以下であるこ
とが好ましい。これにより、さらに高いイオン伝導度を
実現することができる。ガラス転移点が−60℃を上回
る場合、充分なイオン伝導性が得られないため、良好な
電池特性を得られない虞がある。
【0052】ここで、示差走査熱量分析は、昇温速度1
0℃/分、−150℃〜80℃の走査範囲で測定したも
のである。
【0053】正極合剤層3に占めるポリマAの割合は、
0.9重量%以上3重量%未満の範囲内であることが好
ましい。ポリマAの割合が0.9重量%未満であると、
正極の柔軟性が不足するため、形状の自由度の向上が見
込めない。また、ポリマAの割合が3重量%以上である
と、相対的に活物質の割合が低下し、容量が低下する。
【0054】ポリマBは、イオン伝導性が極めて高いポ
リマである。具体的なポリマBとしては、上述したよう
に、シロキサン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレン
オキシド誘導体から選ばれる少なくとも1種を用いるこ
とができる。
【0055】具体的なポリエチレンオキシド誘導体とし
ては、例えば、主鎖構造が下記の構造式(1)で示され
る構成単位からなる単独重合体、主鎖構造が下記の構造
式(2)で示される構成単位を含む単独重合体、主鎖構
造が下記の構造式(1)で示される構成単位及び下記の
構造式(2)で示される構成単位を含むランダム共重合
体、これらポリマーブレンド等が挙げられる。これらの
うち、主鎖構造が下記の構造式(1)で示される構成単
位及び下記の構造式(2)で示される構成単位を含むラ
ンダム共重合体は、自由末端側鎖の存在によって、さら
に高いイオン伝導度を実現する。
【0056】
【化4】
【0057】
【化5】
【0058】正極合剤層3に占めるポリマBの割合は、
0.9重量%以上5重量%未満の範囲内であることが好
ましい。ポリマBの割合が0.9重量%未満であると、
正極のイオン伝導性が不充分となる。また、ポリマBの
割合が5重量%以上であると、正極の柔軟性が不足し、
サイクル劣化が生じる。
【0059】正極合剤層3が含有する電解質塩として
は、イオン伝導性を発現するものであれば、特に限定さ
れるものではない。例えば、六フッ化リン酸リチウム
(LiPF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、
六フッ化ヒ素リチウム(LiAsF)、四フッ化ホウ
酸リチウム(LiBF)、トリフルオロメタンスルホ
ン酸リチウム(LiCFSO)、ビストリフルオロ
メチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CFSO
)等の従来公知のリチウム塩を用いることができ
る。また、これら電解質塩を単独又は2種以上混合して
用いることもできる。また、ナトリウム等のリチウム以
外のアルカリ金属塩も、電解質塩として用いることがで
きる。
【0060】正極合剤層3に占める電解質塩の割合は、
1重量%以上3重量%未満の範囲内であることが好まし
い。電解質塩の割合がこの範囲をこえると、イオン伝導
度が低下し、容量劣化を生じる。
【0061】以上のような構成の正極1は、正極合剤層
3において、イオン伝導性高分子、結着剤及び電解質塩
を含有するポリマ6に対して、粒径の小なる正極活物質
粒子4及びさらに粒径の小なる導電助剤5が分散状態、
すなわち凝集することなく一様に分布している。これに
より、導電助剤5によって正極活物質粒子4同士及び正
極活物質粒子4と正極集電体2との接触面積が広くな
り、正極1における電子伝導性が著しく向上する。ま
た、正極活物質粒子4を増加させて正極合剤層3の膜厚
を増大しても、導電助剤5によって正極合剤層3におけ
る電子伝導性が確保されるため、正極1の高容量化が可
能となる。
【0062】これとともに、ポリマ6中のイオン伝導性
高分子が正極活物質粒子4間及び正極活物質粒子4と正
極集電体2との間に介在することによって、殆ど全ての
正極活物質粒子4の表層からのイオンの移動を可能とす
る。すなわち、正極1におけるイオン伝導性が著しく向
上する。
【0063】また、この正極1は、電解液等の液系成分
を含有しないため、液漏れ等の発生がなく、極めて高い
安全性を有する。
【0064】また、この正極1は、ポリマ6で覆われて
正極活物質粒子4及び導電助剤5が露出しないようにな
されているため、固体電解質電池10に用いられたと
き、負極11との短絡を防止するための固体電解質フィ
ルム等を別途用いる必要がない。
【0065】また、正極合剤層3において、イオン伝導
性高分子として柔軟性に優れたポリマAとイオン伝導性
に特に優れたポリマBとを併用してなるポリマアロイを
含有している。このポリマアロイは、ポリマAとポリマ
Bとの相乗効果によって固体電解質電池の正極に要求さ
れる高いイオン伝導性と、適度な柔軟性とを兼ね備えて
いる。したがって、このポリマアロイをポリマ6として
正極材料間に分散させることによって、正極1は、正極
合剤層3の全体にわたって優れた反応効率と、曲げ等の
外力が加わった場合でも破損することのない、高い形状
自由度とを両立することができる。
【0066】また、正極1は、ポリマ6として結着剤を
含有しているため、正極1に外力が加わった場合や正極
1が充放電を繰り返した場合であっても、正極活物質粒
子4間及び正極活物質粒子4と集電体2との剥離が防止
される。
【0067】以上のように、本発明を適用した正極1
は、イオン伝導性高分子、結着剤及び電解質塩と、正極
活物質粒子4、導電助剤5等の粉体材料とを、分離や凝
集させることなく均一に分散させた、いわゆるコンポジ
ット型の正極である。このため、後述するような固体電
解質電池の正極に用いられたときに、電子伝導性とイオ
ン伝導性との両立、すなわち、電荷移動抵抗、固体内拡
散、接触抵抗等の従来の問題点を一挙に解決して優れた
電池特性を示すとともに、高容量化が可能である。ま
た、本発明を適用した正極1は、安全性と高い形状自由
度とを両立しているため、後述するような、衣服の一部
に収納して携帯するような固体電解質電池を実現でき
る。
【0068】つぎに、上述の正極1を用いた固体電解質
電池10について説明する。
【0069】負極11は、例えば負極集電体上に負極活
物質が保持された構成である。負極集電体としては、例
えば銅箔を用いることができる。負極活物質としては、
アルカリ金属、アルカリ金属をドープ及び脱ドープする
ことが可能な合金、又はアルカリ金属をドープ及び脱ド
ープすることが可能な炭素材料等、従来公知の材料を用
いることができる。具体的には、リチウム、ナトリウム
等のアルカリ金属やそれらを含有する合金、炭素材料等
が挙げられる。炭素材料の具体的な例としては、熱分解
炭素類、コークス類、カーボンブラック、ガラス状炭
素、有機高分子焼成体、炭素繊維等が挙げられる。
【0070】正極1としては、上述した正極1を用いる
ことができるため、ここでは説明を省略する。
【0071】なお、この固体電解質電池10は、正極1
の正極活物質粒子4及び導電助剤5が表面に露出しない
ようになされているため、正極1と負極11とを直接当
接したとしても短絡する虞がない。したがって、固体電
解質電池10は、正極1と負極11との間に介在させる
固体電解質フィルム等が不要となる。
【0072】以上のような固体電解質電池10は、上述
したような正極1を用いているため、電子伝導性及びイ
オン伝導性を両立して優れた電池特性を示すとともに、
高容量化が可能である。また、本発明を適用した固体電
解質電池10は、高い安全性や高い形状自由度を示すと
いう利点を活かして、衣服の一部に収納して携帯するこ
と等、人体に接触した状態での使用が可能となり、電池
の応用範囲を新たに拡大するものである。
【0073】また、この固体電解質電池10は、以下に
示すような製造方法で作製された正極1を用いることに
よって、従来は不可能であった、例えば24℃〜26℃
程度の常温にて動作することが可能である。
【0074】なお、本発明を適用した固体電解質電池1
0は、一次電池であっても二次電池であっても構わな
い。
【0075】ところで、上述した正極1の構成材料であ
る、正極活物質粒子4及び導電助剤5は粉末状であるの
に対し、ポリマA及びポリマBからなるイオン伝導性高
分子は、温度によってその形態は異なるが、例えば液
状、ゲル状、ゴム状等の形態をとる。すなわち、正極活
物質粒子4及び導電助剤5と、ポリマ6とは全く形態の
異なる材料である。
【0076】このため、正極1を作製するために、上述
した材料と適当な溶媒とを単純に混合して正極合剤層用
塗料を調製したとしても、異種材料間での分離及び沈
殿、同種材料間での凝集等を引き起こしてしまう。この
塗料を用いて作製された正極は、正極材料が凝集した極
めて分散性の悪い正極合剤層となるため、電池に用いら
れたときに常温での動作が不可能である。
【0077】したがって、本願発明者等は、正極材料が
均一に分散した正極合剤層用塗料の新規な調合プロセス
を考案し、上述したような本発明を適用した正極1、及
びこの正極1を用いた常温で動作可能な固体電解質電池
10を作製することに成功した。
【0078】以下、上述したような正極1を作製する方
法について説明する。まず、図2に示すフローチャート
にしたがって、正極合剤層3の原料となる正極合剤層用
塗料を調製する。
【0079】先ず、ステップS1に示すように、結着剤
を第1の溶媒中に均一に溶解する。このとき、例えば−
0.1MPa程度減圧した環境下に数分間放置すること
によって、結着剤に第1の溶媒を含浸させることが好ま
しい。これによって結着剤と第1の溶媒とがなじみやす
くなり、第1の溶媒に結着剤を均一に溶解させることが
できる。
【0080】結着剤の溶解が不均一である場合、引き続
く正極活物質粒子4等の粉体状の材料を調合したときに
粉体材料が凝集し、正極材料が正極集電体2から剥離す
ることによって、電池容量の低下、サイクル特性の低
下、内部短絡といった様々な不都合を起こす虞がある。
【0081】結着剤を溶解するための第1の溶媒として
は、用いる結着剤の種類に応じて適宜選択する必要があ
るが、例えばN−メチルピロリドン(NMP)、テトラ
ヒドロフラン(THF)、アセトニトリル等が使用可能
である。
【0082】なお、本発明を適用した固体電解質10
は、微量の水分によって電池特性の変動、材料の変質等
の不具合を生じる虞があるため、上述したような溶媒
等、正極合剤用塗料を調製する際に用いる溶媒は、混入
水分量が50ppm以下とされていることが好ましい。
【0083】次に、ステップS2に示すように、結着剤
が溶解された溶液に、粉体材料である正極活物質粒子4
及び導電助剤5を供給して撹拌する。このとき、比重、
すなわち粒径が供給する材料によって異なる場合には、
比重の小さい材料、すなわち粒径の小さい材料から順に
供給することが重要である。この順番で各粉体材料を溶
液に供給し、撹拌することによって、溶液中での比重の
大きい粉体材料の沈殿を極力抑えて、溶液中に粉体材料
を均一に分散させられる。
【0084】具体的には、先ず、ステップS2−1に示
すように、結着剤が溶解された溶液に、導電助剤5を供
給し、撹拌する。次に、ステップS2−2に示すよう
に、正極活物質粒子4を供給し、撹拌する。
【0085】また、ステップS3に示すように、イオン
伝導性高分子であるポリマAを第2の溶媒に溶解して溶
液を調製する。このとき用いる第2の溶媒は、ポリマA
が迅速に溶解すること、沸点が低く且つ蒸気圧が高いこ
と等の特性を有することが好ましい。さらに具体的に
は、常温25℃〜100℃の範囲で揮発しやすい溶媒が
挙げられ、例えばアセトニトリル、テトラヒドロフラン
(THF)、エタノール、エチレングリコール、ジエチ
ルエーテル等が挙げられる。
【0086】次に、ステップS4に示すように、ポリマ
Aが溶解した溶液中に、電解質塩及びポリマBを供給
し、撹拌する。この溶液を撹拌する方法としては、容器
を自転させながら、他の軸を中心に公転させることによ
って生じる、遠心力及び向心力を利用した方法、溶液全
体を撹拌可能な大きさのスクリューを用いる方法等が挙
げられる。ただし、スクリューを用いる撹拌方法を採用
する場合には、スクリューがポリマを切断してポリマの
物性を変化させないように、スクリューの回転数を制御
することが好ましい。
【0087】また、ステップS4の工程においては、溶
液を撹拌する際に生じる熱及び撹拌時間等に起因して、
溶媒が徐々に気化するため、密閉式容器を用いることが
好ましい。また、溶液を撹拌する際には、溶液中の電解
質塩が分解しない程度に溶液の昇温を制御することが好
ましい。
【0088】次に、ステップS5に示すように、ステッ
プS4で調製した溶液に、上述したステップS2で調製
した溶液を供給し、撹拌する。このステップS5の工程
においても、ステップS4と同様に密閉式容器を用いる
ことが好ましい。
【0089】次に、ステップS6に示すように、真空
度、温度、時間等を適宜制御することによって、ステッ
プS5で調製した溶液から溶媒を除去して所定の濃度及
び粘度の混合物を調製する。溶媒を除去する方法として
は、ステップS5で調製した溶液を減圧下に放置する方
法、ステップS5で調製した溶液を昇温させる方法等が
挙げられる。このとき、減圧によって溶媒の除去を行う
場合には、突沸防止のために、減圧処理前に脱泡処理を
行うことが好ましい。
【0090】次に、ステップS7に示すように、ステッ
プS6で得られた高粘度及び高濃度の混合物に溶媒を供
給して粘度及び濃度を低下させ、所定の粘度及び濃度に
することによって、正極合剤層用塗料の調合を終了す
る。
【0091】ここで、粘度及び濃度の調整に用いる溶媒
として、ステップS1で用いた第1の溶媒を用いること
が好ましい。
【0092】正極合剤層用塗料の粘度は、引き続く塗布
工程で塗布密度が一定となるような値とすることが好ま
しく、例えば5000cps〜10000cps程度と
することが好ましい。
【0093】次に、得られたペースト状の正極合剤層用
塗料を正極集電体2上に塗布する。正極合剤層用塗料を
塗布する方法としては、ブレード塗布、スピンコート、
ロール塗布、フィルム転写、スプレー塗布、ディップ塗
布等が挙げられる。この中でもブレード塗布は、工程が
単純であるとともに、集電体及び電極の材料、寸法、厚
さ等の変更に対応し易いという利点を有する。
【0094】正極合剤層用塗料をブレード塗布で塗布す
る場合には、図3に示すような電極塗布装置を用いるこ
とが好ましい。
【0095】図3に示す電極塗布装置20は、塗布基材
となる正極集電体2が設置され、表面が鏡面とされた作
業台21と、作業台21上に設置される正極集電体2と
所定の距離をもって対向し、正極集電体2上に正極合剤
層用塗料を塗布する塗布ブレード22と、作業台21又
は正極集電体2の表面形状に応じて正極集電体2の表面
と塗布ブレード22との距離を一定に維持するイコライ
ズ手段としてベアリング23とを有する。
【0096】この正極集電体2上に正極合剤層用塗料を
塗布する際には、先ず、作業台21上に正極集電体2を
設置し、次に、塗布ブレード23と正極集電体2との間
に所定のギャップを形成する。そして、この正極集電体
2上に所望の量の正極合剤層用塗料を供給し、塗布ブレ
ード22を矢印A方向に一定速度で移動させるととも
に、ベアリング23によって一定のギャップを維持しな
がら、正極集電体2上に塗料を塗布する。
【0097】この電極用塗布装置20は、作業台21の
表面が鏡面とされているとともに、ベアリング23がイ
コライズすることによって塗布ブレード22と正極集電
体2とのギャップが一定となされているため、膜厚の均
一な塗膜を形成することができる。
【0098】次に、正極合剤層用塗料が塗布された正極
集電体2に対して加熱及び乾燥処理を施し、正極合剤層
用塗料中の溶媒を除去して正極合剤層前駆体とする。
【0099】具体的には、正極合剤層用塗料が塗布され
た正極集電体2を例えばコンベクションオーブン等に導
入し、材料が分解及び変質しない温度範囲(例えば90
℃〜120℃程度)で10分間〜20分間程度放置し、
溶媒を蒸発させる。
【0100】次に、正極合剤層前駆体の溶媒が抜けた後
の空間は電池動作に寄与しないため、得られた正極合剤
層前駆体に対して、垂直プレス、カレンダープレス等に
よって圧縮処理を行う。これによって、正極集電体2上
に正極合剤層3が形成されてなる正極1が得られる。
【0101】なお、この圧縮処理と同時に温度を加える
ことによって、正極合剤層3におけるポリマ6が溶融
し、正極合剤層3における結着性を向上させることがで
きる。
【0102】また、以上のように作製された正極1と負
極11とを、正極合剤層3側が負極11と対向するよう
に積層し、必要に応じて所定の形状に組み立てることに
よって素電池とし、この素電池を外装材等によって密閉
することによって、固体電解質電池10が得られる。
【0103】以上説明したように、本発明では、先ず、
イオン伝導性高分子であるポリマAとポリマBとのポリ
マアロイ溶液と、結着剤中に導電助剤5及び正極活物質
粒子4の順でこれらを分散させた溶液とを、別途用意
し、これらを混合する。次に、この混合物から一度溶媒
を一定量除去し、再度粘度調整用の溶媒を添加すること
によって正極合剤層用塗料を得ている。
【0104】この製造方法によれば、ポリマA及びポリ
マBと、結着剤、導電助剤5及び正極活物質粒子4と
の、各材料群に対して、溶解性の高い溶媒をそれぞれ別
に選択できる。すなわち、材料に応じて最適な溶媒を選
択することが可能となるため、各材料の溶解時間の短縮
と良好な分散とが達成される。
【0105】また、本発明では、粘度又は濃度の調整の
ための溶媒と、比較的溶媒に溶解しにくいポリマAを溶
解するための溶媒とを使い分ける。このため、正極材料
を凝集させることなく各材料の溶解時間の短縮と、粘度
及び濃度の任意調整とが可能となり、安定した塗布特性
を実現する正極合剤層用塗料を得られる。
【0106】したがって、この正極合剤層用塗料を用い
ることによって、正極材料が均一に分散した正極1が得
られ、これを固体電解質電池の正極として用いることに
よって、常温動作が可能な、高容量且つ高性能な固体電
解質電池10を製造できる。
【0107】また、ポリマアロイが、正極活物質粒子及
び導電助剤を覆っており、正極1と負極11とが短絡す
ることがない。したがって、本発明を適用した固体電解
質電池10は、正極1と負極11との間に新たに固体電
解質フィルム等を設ける必要がない。
【0108】
【実施例】本発明の効果を確認すべく、実際に、上述し
たような正極及びこれを用いた充放電可能な固体電解質
電池を作製した。
【0109】まず、正極を作製するために、正極合剤層
用塗料を調合した。
【0110】粉末状のポリフッ化ビニリデン(PVD
F)を3gと、溶媒としてN−メチルピロリドン(NM
P)を40ccとを混合し、−0.1MPa程度減圧し
た環境下に1分間放置することによって、PVDFにN
MPを含浸させた。
【0111】次に、このPVDFのNMP溶液に、導電
助剤としてグラファイトを5g供給し、充分に撹拌し
た。グラファイトとしては、平均粒径が0.1〜5μm
であるものを用いた。
【0112】次に、得られたPVDFとグラファイトと
のNMP溶液に、正極活物質粒子を82g供給し、充分
に撹拌した。正極活物質粒子としては、平均粒径が5μ
mであるLiCoOを用いた。
【0113】また、ポリマAとして、エチレンオキシド
と2−(2−メトキシエトキシエチル)グリシジルエー
テルとの重合体のアセトニトリル溶液34gを用いた。
【0114】このポリマAのアセトニトリル溶液を34
gに対して、ポリマBとしてシロキサンを4gと、電解
質塩としてビストリフルオロメチルスルホニルイミドリ
チウム(LiN(CFSO、LiTFSi)を
2gとを供給し、充分に撹拌してポリマアロイ溶液を得
た。
【0115】次に、このポリマアロイ溶液に対して、別
に作製したPVDFとグラファイトとLiCoOとの
NMP溶液を供給し、各材料が凝集することなく均一に
分散するまで撹拌した。
【0116】次に、得られた溶液を撹拌しながら減圧下
に放置し、溶媒であるNMP及びアセトニトリルを蒸発
させた。溶媒を除去した後、得られた高粘度の混合物に
対して脱泡処理を行った。
【0117】次に、得られた混合物に、PVDF、グラ
ファイト及びLiCoOの溶解に用いた溶媒であるN
MPを供給して7000)cps程度まで粘度を下げ、
正極材料が均一に分散してなるペースト状の正極合剤層
用塗料の調合を終了した。
【0118】次に、正極集電体であるアルミ箔上に、得
られた正極合剤層用塗料を乾燥後膜厚40μmとなるよ
うに塗布した。正極合剤層用塗料の塗布には、図3に示
すような電極塗布装置を用いた。
【0119】次に、コンベクションオーブンで、90
℃、20分間、正極集電体上に塗布された正極合剤層用
塗料を乾燥させ、塗料中のNMPを蒸発させた。これに
より、正極合剤層前駆体を得た。
【0120】次に、正極集電体と正極合剤層前駆体とに
対して加熱と垂直プレスとを同時に行い、2cm×4c
mの所定形状に切り出すことよって、厚さが25μmで
あり、正極材料が正極合剤層中に均一に分散してなる正
極合剤層を得た。このときの垂直プレスの条件は、圧力
を263g/cmとし、温度を100℃とし、時間を
1分間とした。以上のようにして、正極を作製した。
【0121】上述のように得られた正極と、金属リチウ
ムからなる負極とを、正極合剤層が負極と対向するよう
に積層するとともに圧着し、正極及び負極にそれぞれ正
極リード及び負極リードを溶接し、素電池を作製した。
【0122】次に、この素電池を10層積層するととも
に正極リード及び負極リードをそれぞれ束ねて素電池間
での電気的接続を確保し、外装材中に封入することによ
って、固体電解質電池を作製した。
【0123】以上のようにして作製された固体電解質電
池に対して、室温25℃での充放電試験を行った。具体
的には、4.1Vで定電圧定電流充電を行い、次に終止
電圧3.0V、放電電流2mAの条件で放電を行った。
【0124】以上のような充放電試験を行ったところ、
実施例の固体電解質電池は電池として動作し、1400
mAhの初回放電容量を測定することができた。
【0125】また、曲率を付与する等の外力を繰り返し
与えられた後であっても、実施例の固体電解質電池は、
破損することなく良好な柔軟性を示し、電池としての動
作が可能であった。
【0126】一方、正極の調合工程をランダムに変えた
こと以外は、上述の説明と同様の正極材料を用いて正極
を作製し、この正極を用いて比較例となる固体電解質電
池を作製した。この固体電解質電池に対して、上述した
室温での充放電試験を行った。しかしながら、この固体
電解質電池は、電池として動作不可能であった。なお、
この固体電解質電池の正極を調べたところ、正極材料が
均一に分散せずに凝集を生じていた。
【0127】また、上述した正極材料のうちいずれか1
つを欠いて正極を作製したこと以外は、上述した方法と
同様の工程で比較例となる固体電解質電池を作製した。
しかしながら、何れの材料を欠いた場合であっても、作
製された固体電解質電池は、電池として動作不可能であ
った。なお、これらの固体電解質電池の正極を調べたと
ころ、正極材料が均一に分散せずに凝集を生じていた。
【0128】以上の結果から、特定の組み合わせからな
る材料を、特定の順序からなる工程を経て調合すること
によって、正極材料が均一に分散した正極を作製できる
ことがわかった。また、この正極を用いることによっ
て、常温での動作が可能であるとともに、高い形状自由
度を発揮する固体電解質電池を作製できることがわかっ
た。
【0129】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、正極活物質粒子、導電助剤、イオン伝導性高
分子、結着剤及び電解質塩が、分散状態、すなわち凝集
することなく一様に分布して正極合剤層を形成してい
る。これにより、導電助剤によって正極活物質粒子同士
及び正極活物質粒子と集電体との接触面積が広くなり、
電子伝導性が向上する。これとともに、イオン伝導性高
分子が正極活物質粒子間に介在することによって、殆ど
全ての正極活物質粒子の表層からのイオンの移動を可能
とする。
【0130】したがって本発明によれば、電子伝導性と
イオン伝導性とを両立しつつ高容量化を達成した正極を
提供することが可能である。また、本発明に係る正極
は、液系成分を含有しないために極めて高い安全性を示
し、繰り返し曲げ等の外力が加わるような使用方法をさ
れる電池に搭載されることが可能である。
【0131】また、本発明によれば、上述したような正
極を用いることにより、イオン伝導性及び電子伝導性に
優れるとともに、高容量を達成した固体電解質電池を提
供できる。
【0132】また、本発明に係る正極の製造方法は、各
正極材料に対して溶解性の良好な溶媒を使い分けて正極
材料を均一に分散させるとともに、塗料の濃度及び粘度
を任意に設定可能とするため、良好な塗布特性を実現す
る正極合剤層用塗料を迅速に調製できる。
【0133】したがって、この塗料を集電体上に塗布す
ることにより、互いに混和しにくい材料が一様に分布し
た正極合剤層が得られ、電池の正極として用いられたと
きに、常温での動作が可能な正極を作製できる。また、
本発明によれば、電子伝導性及びイオン伝導性の両方に
優れるとともに、高容量を達成する正極を作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した固体電解質電池の断面図であ
る。
【図2】正極合剤層用塗料の調製方法のフローチャート
である。
【図3】電極塗布装置の斜視図である。
【図4】従来の正極の一例を示す断面図である。
【図5】従来の正極の他の例を示す断面図である。
【図6】従来の正極の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 正極、2 正極集電体、3 正極合剤層、4 正極
活物質粒子、5 導電助剤、6 ポリマ、10 固体電
解質電池、11 負極、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 6/18 H01M 6/18 E 10/40 10/40 B Z (72)発明者 村瀬 英寿 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 下徳 浩司 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 阿蘇 幸成 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5H024 AA02 AA12 BB02 BB03 BB05 BB07 BB08 CC04 DD17 EE02 EE03 EE09 FF23 HH08 5H029 AJ03 AJ06 AJ12 AJ14 AK02 AK03 AK05 AL12 AM07 AM16 BJ04 BJ12 CJ02 CJ03 CJ08 CJ12 CJ22 DJ07 DJ08 DJ09 DJ12 EJ03 EJ04 EJ12 HJ08 5H050 AA08 AA12 AA15 AA19 BA07 BA18 CA08 CB12 DA02 DA10 DA11 DA13 DA18 DA19 EA01 EA08 EA23 EA24 EA28 FA02 FA12 GA02 GA03 GA10 GA12 GA22 HA08

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極集電体と、上記正極集電体上に形成
    された正極合剤層とを有し、 上記正極合剤層は、イオン伝導性高分子と結着剤と電解
    質塩と正極活物質粒子と導電助剤とが互いに分散してな
    ることを特徴とする正極。
  2. 【請求項2】 上記イオン伝導性高分子は、 エチレンオキシドと2−(2−メトキシエトキシエチ
    ル)グリシジルエーテルとの重合体からなる第1のイオ
    ン伝導性ポリマと、 シロキサン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキ
    シド誘導体から選ばれる1種以上である第2のイオン伝
    導性ポリマとのポリマーアロイであることを特徴とする
    請求項1記載の正極。
  3. 【請求項3】 上記結着剤は、ポリフッ化ビニリデン、
    ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブタジエンゴム
    等から選ばれる少なくとも1種のポリマであることを特
    徴とする請求項1記載の正極。
  4. 【請求項4】 上記合剤層の表層から、上記正極活物質
    粒子及び導電助剤が露出していないことを特徴とする請
    求項1記載の正極。
  5. 【請求項5】 負極と、上記負極と対向して配された正
    極とを備え、 上記正極は、正極集電体と、上記正極集電体上に形成さ
    れた正極合剤層とを有し、 上記正極合剤層は、イオン伝導性高分子と結着剤と電解
    質塩と正極活物質粒子と導電助剤とが互いに分散してな
    ることを特徴とする固体電解質電池。
  6. 【請求項6】 上記イオン伝導性高分子は、 エチレンオキシドと2−(2−メトキシエトキシエチ
    ル)グリシジルエーテルとの重合体からなる第1のイオ
    ン伝導性ポリマと、 シロキサン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキ
    シド誘導体から選ばれる1種以上である第2のイオン伝
    導性ポリマとのポリマーアロイであることを特徴とする
    請求項5記載の固体電解質電池。
  7. 【請求項7】 上記結着剤は、ポリフッ化ビニリデン、
    ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブタジエンゴム
    等から選ばれる少なくとも1種のポリマであることを特
    徴とする請求項5記載の固体電解質電池。
  8. 【請求項8】 上記合剤層の表層から、上記正極活物質
    粒子及び導電助剤が露出していないことを特徴とする請
    求項5記載の固体電解質電池。
  9. 【請求項9】 結着剤を第1の溶媒に溶解させて第1の
    溶液を調製する第1の工程と、 上記第1の溶液に導電助剤及び正極活物質粒子を分散さ
    せて第2の溶液を調製する第2の工程と、 イオン伝導性高分子及び電解質塩を第2の溶媒に溶解さ
    せて第3の溶液を調製する第3の工程と、 上記第2の溶液と上記第3の溶液とを混合して第4の溶
    液を調製する第4の工程と、 上記第4の溶液を粘度調整する第5の工程と、 粘度調整された上記第4の溶液を正極集電体上に塗布
    し、溶媒を除去して正極合剤前駆体を得る第6の工程
    と、 上記正極集電体及び上記正極合剤前駆体をプレスして、
    上記正極集電体及び正極合剤層からなる正極を作製する
    第7の工程とを有することを特徴とする正極の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 上記第2の工程において、導電助剤及
    び正極活物質粒子のうち比重の小さい材料から順に上記
    第1の溶液に分散させることを特徴とする請求項9記載
    の正極の製造方法
  11. 【請求項11】 上記第2の工程において、上記第1の
    溶液に対して、導電助剤、正極活物質粒子の順に供給及
    び撹拌を行うことを特徴とする請求項10記載の正極の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 上記イオン伝導性高分子として、エチ
    レンオキシドと2−(2−メトキシエトキシエチル)グ
    リシジルエーテルとの重合体からなる第1のイオン伝導
    性ポリマと、 シロキサン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキ
    シド誘導体から選ばれる1種以上である第2のイオン伝
    導性ポリマとのポリマーアロイを用いることを特徴とす
    る請求項9記載の正極の製造方法。
  13. 【請求項13】 上記第3の工程において、先ず、第1
    のイオン伝導性ポリマと電解質塩とを第2の溶媒に溶解
    させ、次に、第2のイオン伝導性ポリマを添加して溶解
    させて第3の溶液を調製することを特徴とする請求項1
    2記載の正極の製造方法。
  14. 【請求項14】 上記第6の工程において、先ず上記第
    5の溶液中の第2の溶媒を除去し、次に第1の溶媒を供
    給して粘度調整を行うことを特徴とする請求項9記載の
    正極の製造方法。
  15. 【請求項15】 上記合剤層の表層から、上記正極活物
    質粒子及び導電助剤が露出していないことを特徴とする
    請求項9記載の正極の製造方法。
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