JP2003132514A - 磁気ヘッド装置およびその組立方法ならびにフロッピー(登録商標)ディスクドライブ装置 - Google Patents

磁気ヘッド装置およびその組立方法ならびにフロッピー(登録商標)ディスクドライブ装置

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JP2003132514A
JP2003132514A JP2001330637A JP2001330637A JP2003132514A JP 2003132514 A JP2003132514 A JP 2003132514A JP 2001330637 A JP2001330637 A JP 2001330637A JP 2001330637 A JP2001330637 A JP 2001330637A JP 2003132514 A JP2003132514 A JP 2003132514A
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Japan
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slider
curable adhesive
magnetic head
head device
ultraviolet curable
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JP2001330637A
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English (en)
Inventor
Takeshi Tanaka
剛 田中
Katsuyoshi Furusawa
克佳 古澤
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Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スライダの摺動面の耐衝撃性を向上させること
ができるとともに、スライダの摺動面の平面度が低下す
るのを防止することが可能な磁気ヘッド装置を提供す
る。 【解決手段】磁気記録媒体に接触する摺動面6cを有す
るスライダ6aと、スライダ6aに取り付けられたコア
6bと、記録・再生コイル4および消去コイル5と、ス
ライダ6aの摺動面6cの裏面6dに接触するように導
入された紫外線硬化型接着剤8とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁気ヘッド装置
およびその組立方法ならびにフロッピーディスクドライ
ブ装置に関し、特に、フロッピーディスク用の磁気ヘッ
ド装置およびその組立方法ならびにフロッピーディスク
ドライブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フロッピーディスク用の磁気ヘッ
ド装置が知られている。このようなフロッピーディスク
用の磁気ヘッド装置では、パソコンの小型化および薄型
化に伴って、スライダなどの磁気ヘッドの構成部品の小
型化および薄型化が要求されている。具体的には、薄型
化および小型化に対応するために、スライダ摺動面を薄
くしたり、スライダの側壁を薄くしたりしている。この
ため、スライダを含む磁気ヘッドの耐衝撃性が低下する
傾向にある。その一方、近年では、磁気ヘッドの高い耐
衝撃性が要求されている。
【0003】そこで、従来、小型化および薄型化に起因
する磁気ヘッドの耐衝撃性の低下を補強する技術が種々
提案されている。たとえば、特開平11−110723
号公報には、シールド部材(シールドリング)の周囲に
シリコン樹脂などの弾性を有する部材を被着することに
よって、外部から加わる衝撃を吸収してシールド部材な
どを機械的破損から保護する構造が開示されている。
【0004】また、特開平11−283206号公報に
は、エポキシ樹脂またはシリコン樹脂をスライダに装着
される各部品間に充填することによって、各部品間の結
合を強化して耐衝撃性を向上させた構造が開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平11−110723号公報および特開平11−28
3206号公報に開示された技術には、以下のような問
題点があった。
【0006】まず、特開平11−110723号公報に
開示された技術には、シールド部材(シールドリング)
の周囲にシリコン樹脂などの弾性を有する部材を被着し
ているため、シールド部材の割れを防止することは可能
である。しかしながら、シールド部材の内側に位置する
スライダの摺動面の耐衝撃性を向上させるのは困難であ
った。また、弾性を有する部材としてシリコン樹脂を用
いた場合には、硬化した場合に珪素(シリコン)が凝集
する。そして、その凝集した珪素がスライダの摺動面に
付着する場合がある。その場合には、硬度の高い珪素に
よって磁気記録媒体であるフロッピーディスクが損傷を
受ける場合があるという問題点があった。
【0007】また、特開平11−283206号公報に
開示された技術では、充填剤としてエポキシ樹脂または
シリコン樹脂を使用することが開示されている。充填剤
としてエポキシ樹脂を使用した場合、エポキシ樹脂は粘
性が低いため、硬化前に樹脂が流れやすい。このため、
所望の位置にエポキシ樹脂を充填することが困難である
という問題点があった。また、エポキシ樹脂は収縮率が
大きいため、硬化の過程でエポキシ樹脂が大きく膨張す
る。そのため、エポキシ樹脂が接着されたスライダに歪
みが発生する場合がある。このような場合には、スライ
ダの摺動面の平面度が低下するという問題点があった。
【0008】また、特開平11−283206号公報の
構造において、充填剤としてシリコン樹脂を用いた場合
には、上記した特開平11−110723号公報の場合
と同様、凝集した珪素がスライダの摺動面に付着し、そ
の結果、磁気記録媒体であるフロッピーディスクを損傷
させるという問題点もある。
【0009】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、この発明の1つの目的は、
スライダの磁気記録媒体に接触する摺動面の耐衝撃性を
より向上させるとともに、スライダの摺動面の平面度が
低下するのを防止することが可能な磁気ヘッド装置を提
供することである。
【0010】この発明のもう1つの目的は、上記の磁気
ヘッド装置において、容易に、所望の位置に樹脂を充填
することを可能にするとともに、磁気記録媒体の損傷を
防止することである。
【0011】この発明のさらにもう1つの目的は、上記
のような磁気ヘッド装置を生産性よく製造することが可
能な磁気ヘッド装置の組み立て方法を提供することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1における磁気ヘッド装置は、磁気記録
媒体に接触する摺動面を有するスライダと、スライダに
取り付けられたコアと、コアに装着されるコイルと、ス
ライダの摺動面の裏面に接触するように導入された紫外
線硬化型接着剤とを備えている。
【0013】請求項1では、上記のように、スライダの
摺動面の裏面に接触するように紫外線硬化型接着剤を導
入することによって、スライダの摺動面の耐衝撃性を向
上させることができる。また、一般に、紫外線硬化型接
着剤は、エポキシ樹脂よりも粘性が高いので、エポキシ
樹脂と異なり、硬化前に樹脂が流れていくのを防止する
ことができる。これにより、容易に、所望の位置に紫外
線硬化型接着剤を導入することができる。また、一般
に、紫外線硬化型接着剤は、エポキシ樹脂よりも硬化後
の収縮率が小さいので、スライダに歪みが発生するのを
抑制することができる。これにより、歪みに起因してス
ライダの摺動面の平面度が低下するのを防止することが
できる。また、紫外線硬化型の接着剤は、紫外線照射に
より極めて短時間で硬化可能であるので、生産性を向上
させることができる。
【0014】請求項2における磁気ヘッド装置は、請求
項1の構成において、紫外線硬化型接着剤は、スライダ
の摺動面の裏面側から、スライダ、コアおよびコイルの
間に導入されている。このように構成すれば、容易に、
スライダ、コアおよびコイルの間に位置するスライダの
摺動面の裏面に紫外線硬化型接着剤を導入することがで
きる。
【0015】請求項3における磁気ヘッド装置は、請求
項1または2の構成において、スライダは、射出成形お
よびプレス加工のいずれかにより一体的に形成されたス
ライダを含む。このように構成すれば、コアの左右に位
置するスライダを別々に形成する場合に比べて、部品点
数を削減することができる。
【0016】請求項4における磁気ヘッド装置は、請求
項1〜3のいずれかの構成において、紫外線硬化型接着
剤は、嫌気性の紫外線硬化型接着剤を含む。このように
構成すれば、接着剤層の内部に紫外線が照射されない場
合にも、嫌気性であれば、接着剤層の内部を硬化させる
ことができるので、接着剤層の全てを硬化させることが
できる。これにより、接着強度を向上させることができ
る。
【0017】請求項5における磁気ヘッド装置は、請求
項1〜4のいずれかの構成において、紫外線硬化型接着
剤は、アクリル樹脂を主成分とする接着剤を含む。この
ようにアクリル樹脂を主成分とする紫外線硬化型接着剤
を用いれば、アクリル樹脂は、エポキシ樹脂よりも粘性
が高いので、エポキシ樹脂と異なり、硬化前に樹脂が流
れていくのを防止することができる。これにより、容易
に、アクリル樹脂を主成分とする紫外線硬化型接着剤を
所望の位置に導入することができる。また、アクリル樹
脂を主成分とする紫外線硬化型接着剤は、エポキシ樹脂
よりも硬化後の収縮率が小さいので、スライダに歪みが
発生するのを抑制することができる。これにより、歪み
に起因してスライダの摺動面の平面度が低下するのを防
止することができる。
【0018】請求項6における磁気ヘッド装置は、請求
項1〜5のいずれかの構成において、紫外線硬化型接着
剤は、エポキシ樹脂よりも小さい収縮率を有する紫外線
硬化型接着剤を含む。このように構成すれば、容易に、
スライダに歪みが発生するのを抑制することができる。
これにより、歪みに起因してスライダの摺動面の平面度
が低下するのを防止することができる。
【0019】請求項7における磁気ヘッド装置は、請求
項1〜6のいずれかの構成において、紫外線硬化型接着
剤は、1000mPa・s以上の粘度を有する。このよ
うに粘度の高い紫外線硬化型接着剤を用いれば、エポキ
シ樹脂と異なり、硬化前に樹脂が流れていくのを防止す
ることができるので、容易に所望の位置に樹脂を導入す
ることができる。
【0020】請求項8における磁気ヘッド装置の組立方
法は、射出成形およびプレス加工のいずれかによりスラ
イダを一体的に形成する工程と、スライダに、コアと、
コイルとを取り付ける工程と、スライダの摺動面の裏面
に接触するように紫外線硬化型接着剤を導入する工程
と、紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射することによっ
て、紫外線硬化型接着剤を硬化させる工程とを備えてい
る。
【0021】請求項8では、上記のように、スライダの
摺動面の裏面に接触するように紫外線硬化型接着剤を導
入することによって、スライダの摺動面の耐衝撃性を向
上させることができる。また、紫外線硬化型の接着剤
は、紫外線照射により極めて短時間で硬化可能であるの
で、生産性を向上させることができる。また、一般に、
紫外線硬化型接着剤は、エポキシ樹脂よりも粘性が高い
ので、エポキシ樹脂と異なり、硬化前に樹脂が流れてい
くのを防止することができる。また、一般に、紫外線硬
化型接着剤は、エポキシ樹脂よりも硬化後の収縮率が小
さいので、スライダに歪みが発生するのを抑制すること
ができる。これにより、歪みに起因してスライダの摺動
面の平面度が低下するのを防止することができる。
【0022】請求項9における磁気ヘッド装置の組立方
法は、請求項8の構成において、紫外線硬化型接着剤を
導入する工程は、ディスペンサを用いて、スライダ、コ
アおよびコイルの間に、紫外線硬化型接着剤を注入する
ことによって、スライダの摺動面の裏面に接触するよう
に紫外線硬化型接着剤を導入する工程を含む。このよう
にディスペンサを用いれば、容易に、スライダの摺動面
の裏面に接触するように紫外線硬化型接着剤を導入する
ことができる。
【0023】請求項10におけるフロッピーディスクド
ライブ装置は、請求項1〜9のいずれかに記載の磁気ヘ
ッド装置と、フロッピーディスクを回転させる駆動手段
とを備えている。このように構成すれば、スライダの摺
動面の耐衝撃性に優れ、かつ、スライダの摺動面の平面
度の低下を防止することが可能なフロッピーディスクド
ライブ装置を提供することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施形
態を図面に基づいて説明する。
【0025】図1は、本発明の一実施形態による磁気ヘ
ッド装置の分解斜視図である。また、図2は、図1に示
した一実施形態による磁気ヘッド装置のスライダ部分の
側面図である。図3は、図1に示した一実施形態による
磁気ヘッド装置のスライダ部分にコイルおよびバックコ
アが装着された状態を示した平面図である。
【0026】まず、図1を参照して、本発明の一実施形
態による磁気ヘッド装置10の全体構成について説明す
る。本実施形態の磁気ヘッド装置10は、FPC(フレ
キシブルプリント回路基板)1と、ジンバル2と、バッ
クバー(バックコア)3と、記録・再生コイル4と、消
去コイル5と、コアアッセンブリ(コアアッシー)6
と、シールドリング7とを備えている。コアアッセンブ
リ6は、スライダ6aと、スライダ6aに固定されたコ
ア6bとを含んでいる。
【0027】記録・再生コイル4は、コイル端子4aを
有しており、消去コイル5は、コイル端子5aを有して
いる。記録・再生コイル4および消去コイル5は、本発
明の「コイル」の一例である。また、ジンバル2は、開
口部2aを有している。また、FPC1には、コイル端
子4aおよび5aに対応する位置に、コイル端子用穴1
aが設けられている。また、コイル端子用穴1aの外周
に沿って端子接続用ランド部1bが設けられている。ま
た、FPC1には、アース接続用ランド部1cが設けら
れている。
【0028】ここで、本実施形態による磁気ヘッド装置
10では、図3に示すように、スライダ6a、記録・再
生コイル4および消去コイル5の間に、アクリル樹脂を
主成分とする嫌気性の紫外線硬化型接着剤8が充填され
ている。この紫外線硬化型接着剤8は、図2に示すスラ
イダ6aの摺動面6cの裏面6dに接触するように形成
されている。
【0029】図4は、本発明の一実施形態による磁気ヘ
ッド装置の組立プロセスを説明するための斜視図であ
る。次に、図1〜図4を参照して、本実施形態の磁気ヘ
ッド装置10の組立プロセスについて説明する。
【0030】まず、図1を参照して、射出成形を用いて
スライダ6aを一体的に形成する。ここで、射出成形さ
れたスライダ6aは、チタン酸カルシウムセラミックス
系の材料からなるのが好ましい。すなわち、チタン酸カ
ルシウムセラミックス系の材料は、磁気記録媒体として
のフロッピーディスクの構成材料であるフェライトと硬
度が近く、かつ、コア6bをスライダ6aに溶着するた
めのガラス材と熱膨張係数が近い。このため、射出成形
されたスライダ6aを、チタン酸カルシウムセラミック
ス系の材料により形成することによって、良好な摺動特
性を得ることができる。また、その射出成形されたスラ
イダ6aにコア6bを装着することによって、コアアッ
センブリ6を形成する。コアアッセンブリ6に、記録・
再生コイル4および消去コイル5を装着するとともに、
バックバー3を取り付ける。
【0031】この状態で、図4に示すように、ディスペ
ンサ100を用いて、アクリル樹脂を主成分とする嫌気
性の紫外線硬化型接着剤8を、スライダ6a、記録・再
生コイル4、消去コイル5間の隙間(図3参照)に注入
する。この場合、紫外線硬化型接着剤8は、スライダ6
aの摺動面6cの裏面6d(図2参照)に接触するよう
に注入される。
【0032】上記した紫外線硬化型接着剤8をディスペ
ンサ100を用いて注入する際の条件としては、アクリ
ル樹脂の温度が約50℃〜約80℃、粘度が約1600
0〜約24000mPa・s/25℃、ディスペンサか
らの注入量が0.005gである。
【0033】その後、アクリル樹脂を主成分とする紫外
線硬化型接着剤8に対して紫外線を約1000mJ/c
2〜約3000mJ/cm2で約5秒〜約10秒間照射
することによって、アクリル樹脂を主成分とする紫外線
硬化型接着剤8を硬化させる。
【0034】上記のように紫外線硬化型接着剤8を硬化
させた後、スライダ6aをジンバル2に固定する。これ
により、記録・再生コイル4のコイル端子4aと、消去
コイル5のコイル端子5aとがジンバル2に設けられた
開口部2aから少しだけ突出した状態になる。この後、
スライダ6aおよびジンバル2に接着剤を用いてシール
ドリング7を固定する。
【0035】次に、ジンバル2から突出されたコイル端
子4aと5aとを、図1に示したFPC1のコイル端子
用穴1aに挿入する。そして、コイル端子4aおよび5
aと、コイル端子用穴1aに沿って設けられた端子接続
用ランド部1bとを、半田などによって接合する。ま
た、FPC1のアース接合用ランド部1cとジンバル2
とを導電性塗料などによって接続する。このようにして
本実施形態による磁気ヘッド装置10が完成される。
【0036】この本実施形態の磁気ヘッド装置10を用
いてフロッピーディスクに情報を記録するとともに、フ
ロッピーディスクから情報を読み出し、かつ、フロッピ
ーディスクに記録された情報を消去する。なお、上記の
ようにして組み立てられた本実施形態の磁気ヘッド装置
10を、フロッピーディスクを回転させる駆動機構や他
の公知の部品とともに組み立てることによって、フロッ
ピーディスクドライブ装置が形成される。
【0037】なお、フロッピーディスクドライブ装置の
キャリッジ部50の全体構成が図5に示されている。こ
のキャリッジ部50は、上側キャリッジ51aと、下側
キャリッジ51bと、スプリング52と、下側キャリッ
ジ51bに取り付けられる本実施形態の磁気ヘッド装置
10と、上側キャリッジ51aに取り付けられる本実施
形態の磁気ヘッド装置10と同様のアクリル樹脂を主成
分とする紫外線硬化型接着剤8が充填された磁気ヘッド
装置11とを備えている。このキャリッジ部50では、
上側キャリッジ51aの一端部が下側キャリッジ51b
に設けられた軸によって支持される。そして、スプリン
グ52の弾性力によって、フロッピーディスク(図示せ
ず)を介在させる磁気ヘッド装置10および11の間に
押圧力を加える構造となっている。
【0038】本実施形態では、上記のように、アクリル
樹脂を主成分とする紫外線硬化型接着剤8を用いること
によって、アクリル樹脂は、エポキシ樹脂の粘度(20
0mPa・s/25℃に比べて高い粘度(16000〜
24000mPa・s/25℃)を有するので、エポキ
シ樹脂と異なり、硬化前に樹脂が流れていくのを防止す
ることができる。これにより、所望の位置に的確にアク
リル樹脂を主成分とする紫外線硬化型接着剤8を充填す
ることができる。
【0039】また、アクリル樹脂を主成分とする紫外線
硬化型接着剤8は、エポキシ樹脂よりも硬化後の収縮率
が小さいので、樹脂の収縮に引きずられてスライダ6a
に歪みが発生するのを抑制することができる。これによ
り、歪みに起因してスライダ6aの摺動面6cの平面度
が低下するのを防止すことができる。さらに、アクリル
樹脂を主成分とする紫外線硬化型接着剤8は、エポキシ
樹脂のように硬化を促すために加熱炉に投入する必要が
ないので、生産性よく、かつ、摺動面6cの熱歪みが少
ない状態で、スライダ6aを作製することができる。
【0040】本願発明者が実験により確認したところ、
エポキシ樹脂を充填した場合には、スライダの摺動面の
平面度が300nm〜500nmであったのに対して、
アクリル樹脂からなる紫外線硬化型接着剤8を充填した
場合には、スライダ6aの摺動面6cの平面度は、10
0nm〜150nmであった。このことから、本実施形
態では、歪みに起因してスライダ6aの摺動面6cの平
面度が低下するのを防止すことができることが判明し
た。ここで、平面度は、レーザ光を使用して磁気ヘッド
のロール方向とピッチ方向とを測定するとともに、光干
渉法により求めた。
【0041】また、本実施形態では、アクリル樹脂を主
成分とする嫌気性の紫外線硬化型接着剤8を用いること
によって、接着剤層の内部に紫外線が照射されない場合
にも、嫌気性であれば、接着剤層の内部を硬化させるこ
とができるので、接着剤層の全てを硬化させることがで
きる。これにより、接着強度を向上させることができ
る。
【0042】また、本実施形態では、上記のように、ス
ライダ6aを射出成形により一体的に形成することによ
って、コア6bの左右に位置するスライダ6aを別々に
形成する場合に比べて、部品点数を削減することができ
る。
【0043】また、本実施形態では、エポキシ樹脂の硬
度(ショア硬さ90)よりも小さい硬度(ショア硬さ7
0)を有するアクリル樹脂を主成分とする紫外線硬化型
接着剤8を用いることによって、硬化後の接着剤層が柔
らかくなるので、衝撃吸収性をより大きくすることがで
きる。
【0044】また、本実施形態では、アクリル樹脂を主
成分とする紫外線硬化型接着剤8を用いることによっ
て、シリコン樹脂を用いた場合と異なり、凝集した珪素
(Si)がスライダの摺動面に付着してフロッピーディ
スクに損傷を与えるという不都合が発生することもな
い。
【0045】また、紫外線硬化型接着剤8は、紫外線照
射により極めて短時間(5秒〜10秒)で硬化可能であ
るので、生産性を向上させることができるという利点も
ある。
【0046】図6は、上記した本実施形態の磁気ヘッド
装置10の効果を確認するための実験結果を示したグラ
フであり、図7は、比較例による磁気ヘッド装置の実験
結果を示したグラフである。
【0047】この実験では、本実施形態によるアクリル
樹脂を主成分とする紫外線硬化型接着剤8を充填した磁
気ヘッド装置10と、同様のアクリル樹脂からなる紫外
線硬化型接着剤8を充填した磁気ヘッド装置11とを組
み込んだ10台のキャリッジ部50(図5参照)を組み
立てるとともに、比較例として、アクリル樹脂からなる
紫外線硬化型接着剤を充填しない磁気ヘッド装置を組み
込んだ10台のキャリッジを組み立てる。そして、本実
施形態による10台のキャリッジ部50と、比較例によ
る10台のキャリッジ部とを万力によって固定した状態
で、下側のスライダの摺動面と上側のスライダの摺動面
との間隔が約15nmになるまで上側キャリッジを持ち
上げた後、そこから手を離してスライダに衝撃を加え
た。
【0048】このようにして、1回〜30回まで、スラ
イダに衝撃を加え、1回ずつスライダの摺動面にクラッ
クや割れなどが発生しているかどうかを実体顕微鏡(倍
率10〜30倍)で確認した。そして、スライダの摺動
面にクラックや割れがない場合には合格とし、クラック
や割れが発見された場合には不合格とした。図6には、
横軸に実験した本実施形態による磁気ヘッド装置の番号
をとり、縦軸に合格回数がとられている。また、図7に
は、横軸に実験した比較例による磁気ヘッド装置の番号
をとり、縦軸に合格回数がとられている。
【0049】図6および図7から明らかなように、キャ
リッジの上側および下側の両方の磁気ヘッド装置のスラ
イダ6aにアクリル樹脂からなる紫外線硬化型接着剤8
を導入した本実施形態では、紫外線硬化型接着剤8を導
入しない比較例に比べて、スライダ6aの摺動面6cに
クラックや割れの発生が少なくなる。その結果、本実施
形態では、衝撃試験の合格回数が増加していることがわ
かる。このことから、スライダ6aの摺動面6cの裏面
6dに紫外線硬化型接着剤8を導入することによって、
スライダ6aの摺動面6cの耐衝撃性を著しく向上させ
ることができることが判明した。
【0050】なお、今回開示された実施形態は、すべて
の点で例示であって制限的なものではないと考えられる
べきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明
ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請
求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が
含まれる。
【0051】たとえば、上記実施形態では、紫外線硬化
型接着剤の一例としてアクリル樹脂を主成分とする嫌気
性の紫外線硬化型接着剤を用いたが、本発明はこれに限
らず、他の材料からなる紫外線硬化型接着剤を用いても
同様の効果を得ることができる。また、嫌気性を有しな
い紫外線硬化型接着剤を用いてもよい。
【0052】また、上記実施形態では、16000〜2
4000mPa・s/25℃の粘度を有するアクリル樹
脂からなる紫外線硬化型接着剤を用いたが、本発明はこ
れに限らず、1000mPa・s/25℃以上の粘度を
有する紫外線硬化型接着剤であればよい。これにより、
硬化前に接着剤が流出するのを防止することができる。
【0053】また、本実施形態では、上記のように、ス
ライダを射出成形により一体的に形成する例を示した
が、本発明はこれに限らず、プレス加工によってスライ
ダを一体的に形成することも可能である。この場合に
も、部品点数を削減することができる。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、スライ
ダの摺動面の耐衝撃性を向上させることができるととも
に、スライダの摺動面の平面度が低下するのを防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による磁気ヘッド装置の全
体構成を示した分解斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による磁気ヘッド装置
のスライダ部分の側面図である。
【図3】図1に示した一実施形態による磁気ヘッド装置
のスライダ部分にコイルおよびバックコアが装着された
状態を示した平面図である。
【図4】本発明の一実施形態による磁気ヘッド装置の組
立プロセスを説明するための斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態の磁気ヘッド装置を含むキ
ャリッジ部を示した概略図である。
【図6】本発明の一実施形態による磁気ヘッド装置の効
果を確認するための実験結果を示したグラフである。
【図7】本発明の比較例による磁気ヘッド装置の実験結
果を示したグラフである。
【符号の説明】
6 コアアッセンブリ(コアアッシー) 6a スライダ 6b コア 6c 摺動面 6d 裏面 3 バックバー(バックコア) 4 記録・再生コイル(コイル) 5 消去コイル(コイル) 8 紫外線硬化型接着剤 100 ディスペンサ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体に接触する摺動面を有する
    スライダと、 前記スライダに取り付けられたコアと、 前記コアに装着されるコイルと、 前記スライダの摺動面の裏面に接触するように導入され
    た紫外線硬化型接着剤とを備えた、磁気ヘッド装置。
  2. 【請求項2】 前記紫外線硬化型接着剤は、前記スライ
    ダの摺動面の裏面側から、前記スライダ、前記コアおよ
    び前記コイルの間に導入されている、請求項1に記載の
    磁気ヘッド装置。
  3. 【請求項3】 前記スライダは、射出成形およびプレス
    加工のいずれかにより一体的に形成されたスライダを含
    む、請求項1または2に記載の磁気ヘッド装置。
  4. 【請求項4】 前記紫外線硬化型接着剤は、嫌気性の紫
    外線硬化型接着剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の磁気ヘッド装置。
  5. 【請求項5】 前記紫外線硬化型接着剤は、アクリル樹
    脂を主成分とする接着剤を含む、請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の磁気ヘッド装置。
  6. 【請求項6】 前記紫外線硬化型接着剤は、エポキシ樹
    脂よりも小さい収縮率を有する紫外線硬化型接着剤を含
    む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気ヘッド装
    置。
  7. 【請求項7】 前記紫外線硬化型接着剤は、1000m
    Pa・s以上の粘度を有する、請求項1〜6のいずれか
    1項に記載の磁気ヘッド装置。
  8. 【請求項8】 射出成形およびプレス加工のいずれかに
    よりスライダを一体的に形成する工程と、 前記スライダに、コアと、コイルとを取り付ける工程
    と、 前記スライダの摺動面の裏面に接触するように紫外線硬
    化型接着剤を導入する工程と、 前記紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射することによっ
    て、前記紫外線硬化型接着剤を硬化させる工程とを備え
    た、磁気ヘッド装置の組立方法。
  9. 【請求項9】 前記紫外線硬化型接着剤を導入する工程
    は、 ディスペンサを用いて、前記スライダ、前記コアおよび
    前記コイルの間に、紫外線硬化型接着剤を注入すること
    によって、前記スライダの摺動面の裏面に接触するよう
    に紫外線硬化型接着剤を導入する工程を含む、請求項8
    に記載の磁気ヘッド装置の組立方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の磁気
    ヘッド装置と、フロッピーディスクを回転させる駆動手
    段とを備えた、フロッピーディスクドライブ装置。
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