JP2003131003A - 三次元フォトニック結晶の製造方法 - Google Patents

三次元フォトニック結晶の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屈折率が十分に異なる複数の誘電体材料(フ
ォトニック材料)からなる周期構造を有する三次元フォ
トニック結晶を、効率良く製造する方法を提供する。 【解決手段】 基材上に、三次元フォトニック結晶を製
造する方法において、第1のフォトニック材料および、
当該第1のフォトニック材料の屈折率よりも低い屈折率
を有する第2のフォトニック材料を、交互に配置するよ
うにパターン印刷して、第1の二次元フォトニック結晶
層を形成する工程と、第1の二次元フォトニック結晶層
上に、第1のフォトニック材料および第2のフォトニッ
ク材料が交互に配置するようにパターン印刷して、第2
の二次元フォトニック結晶層を積層する工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光機能素子などに
用いられる三次元フォトニック結晶の製造方法であっ
て、特に、屈折率が十分に異なる複数の誘電体材料(フ
ォトニック材料)からなる三次元フォトニック結晶が効
率的に得られる三次元フォトニック結晶の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、屈折率(誘電率)が異なる二種以
上の誘電体材料によって形成された微細構造であって、
より具体的には、1μm〜100μm程度の結晶粒径を
有し、かつそれが周期的に配列された三次元フォトニッ
ク結晶が、光の伝播を制御可能なフォトニックバンドギ
ャップ(PBG)を有することから着目されている。す
なわち、このフォトニックバンドギャップを利用して、
三次元フォトニック結晶を、分波器、光導波路、光遅延
素子、レーザーなどといった光機能素子へ応用すること
が期待されている。そこで、このような微細構造を有す
る三次元フォトニック結晶を得るための方法として、以
下ような製造方法が提案されている。 シリカやポリマーのビーズを積層する方法。 ポリマーなどの自己組織化構造を用いる方法。 CVD工程を用いた自己クローニング法。 半導体材料を、三軸方向から立体的にドライエッチン
グする方法。 ウェハーを融着により積層する方法。 ポリシリコン層を積層する方法。 二種の感光剤からなる媒体を光重合して、重合体中に
組成分布を形成する方法。 重合性モノマーを三次元的に光硬化させる光造形法。
【0003】しかしながら、これらの提案された方法で
は、いずれも生産効率が低く、実用的な製造方法として
は、採用できないという問題が見られた。例えば、上述
したビーズを積層する方法や、ポリマーなどの自己
組織化構造を用いる方法では、生産効率が低いばかり
か、形成可能な三次元構造が過度に制限されるという問
題がある。また、上述した自己クローニング法、ド
ライエッチング法、ウェハー融着法、ポリシリコン
積層法は、高価な半導体プロセスが必要なうえに、生産
効率が低く、しかも使用可能な材料選択の幅が狭いとい
う問題がある。また、上述した重合体中に組成分布を
形成する方法は、屈折率が異なる領域間の屈折率比を大
きくすることが難しく、しかも生産効率が低いという問
題がある。さらに、上述した光造形法についても、形
成可能な三次元構造が過度に制限される一方、生産効率
が極めて低いという問題がある。
【0004】そこで、特開2001−42144号公報
には、無機酸化物粒子分散ゾルを、基材表面に、滴下法
(キャスト法)等を用いて塗布した後、50〜760m
mHgの溶媒の蒸気圧下で乾燥し、平均粒径が0.05
〜1μmの無機酸化物粒子を層状に配列したフォトニッ
ク結晶の製造方法が開示されている。また、特開200
1−191025号公報には、主として高分子物質から
なる高分子含有層を形成する工程と、当該高分子含有層
に対して、高分子物質を膨潤させることができる溶媒に
微粒子が分散した微粒子分散液を接触させて、高分子−
微粒子複合体を形成する工程と、高分子−微粒子複合体
の微粒子間の空隙に所定の物質を充填する工程と、高分
子−微粒子複合体中の微粒子を熱処理または化学処理に
より微粒子を除去する工程とからなる多孔質体の製造方
法が開示されており、製造された多孔質体を、フォトニ
ック結晶や分離膜等の製造に応用することが提案されて
いる。
【0005】また、特開2001−72414号公報に
は、フォトリソグラフィ法により作成したマイクロモー
ルドに対して、金属アルコキシドの部分加水分解溶液を
流し込み、それをエージングすることによりゲル化させ
てなるフォトニック結晶ゲルの製造方法が提案されてい
る。また、特開2001−83347号公報には、三次
元的に連続な貫通孔を有する多孔質体と、多孔質体中に
形成され、感光性物質が充填された領域とを具備し、感
光性物質が充填された領域を、フォトニックバンドギャ
ップを形成するように、平均0.1〜2μmの周期で配
列してなる三次元構造体の製造方法が提案されている。
【0006】さらに、特開2001−91911号公報
には、誘電体材料からなる電磁波の波長と同程度の周期
構造を有し、当該周期構造の少なくとも一箇所に周期性
を乱す手段が設けてあるとともに、この周期性を乱す手
段が外部から制御可能であることを特徴とした一次元構
造〜三次元構造の機能性材料が開示されている。そし
て、二次元構造の機能性材料として、例えばフォトニッ
ク結晶を作成する際に、一例として、インクジェット法
を用いることを提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開2
001−42144号公報に開示された製造方法は、無
機酸化物粒子からなる単一種類の構成が基本的に意図さ
れており、屈折率が十分に異なる2つの領域を有する三
次元フォトニック結晶を製造することは困難であった。
また、無機酸化物粒子分散ゾルの乾燥条件が厳格であっ
て、使用可能な溶媒種が過度に制限されるなどの問題も
見られた。したがって、開示された製造方法によって
は、屈折率が十分に異なる複数の誘電体材料からなるフ
ォトニック結晶を効率良く製造することは実質的に困難
であった。
【0008】また、特開2001−191025号公報
に開示された製造方法は、使用可能な高分子物質の種類
や、溶媒の種類が過度に選択される一方、フォトニック
結晶に適した微細な周期をもって微粒子を均一に配列す
ることは困難であった。また、かかる微粒子を均一に除
去することも容易なことではなかった。さらに、このよ
うに微粒子を除去して得られた多孔質体中に、所定物質
を均一に充填することも実質的に不可能であった。した
がって、開示された製造方法によっては、屈折率が十分
に異なる複数の誘電体材料からフォトニック結晶を効率
良く製造することは実質的に困難であった。
【0009】また、特開2001−72414号公報に
開示された製造方法では、マイクロモールド内に、金属
アルコキシドの部分加水分解溶液を均一に充填すること
が困難であって、そのため、得られたフォトニック結晶
ゲルの光学特性がばらつくばかりか、生産効率がいまだ
低いという問題も見られた。また、使用するマイクロモ
ールド自体の形成も容易でなく、構成材料の種類が制限
されたり、製造コストが上昇したりするという問題が見
られた。したがって、開示された製造方法によっては、
屈折率が十分に異なる複数の誘電体材料からフォトニッ
ク結晶を効率良く製造することは実質的に困難であっ
た。
【0010】また、特開2001−83347号公報に
開示された製造方法においても、三次元的に連続な貫通
孔を有する多孔質体中に、感光性物質を均一に充填する
ことが困難であって、三次元構造体の光学特性がばらつ
くばかりか、生産効率がいまだ低いという問題が見られ
た。また、使用する多孔質体自体の形成も容易でなく、
構成材料の種類が制限されたり、製造コストが上昇した
りするという問題が見られた。したがって、開示された
製造方法によっては、屈折率が十分に異なる複数の誘電
体材料からフォトニック結晶を効率良く製造することは
実質的に困難であった。
【0011】また、特開2001−91911号公報に
開示された製造方法においては、基本的に単一種の誘電
体材料からなる周期構造の作成を意図しており、しか
も、周期構造の途中に周期性を乱す手段を設けて、外部
から制御することが必要であるため、屈折率が十分に異
なる複数の誘電体材料からフォトニック結晶を効率良く
製造することは実質的に困難であった。
【0012】そこで、本発明の発明者らは、上述した問
題を解決すべく、鋭意検討した結果、屈折率が十分に異
なる2つ以上の誘電体材料(フォトニック材料)を用
い、それを水平方向および垂直方向にパターン印刷する
ことにより、三次元フォトニック結晶を効率良く製造で
きることを見出したものである。すなわち、本発明は、
屈折率が十分に異なる誘電体材料(フォトニック材料)
からなる周期構造を有する三次元フォトニック結晶を、
パターン印刷法により、効率良く、しかも安価に製造す
る方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、基材上
に、第1のフォトニック材料および、当該第1のフォト
ニック材料の屈折率よりも低い屈折率を有する第2のフ
ォトニック材料を、交互に配置するようにパターン印刷
し、第1の二次元フォトニック結晶層を形成する工程
と、第1の二次元フォトニック結晶層上に、第1のフォ
トニック材料および第2のフォトニック材料を交互に配
置するようにパターン印刷し、第2の二次元フォトニッ
ク結晶層を積層する工程と、を含むことを特徴とする三
次元フォトニック結晶の製造方法が提供され、上述した
問題を解決することができる。すなわち、このように実
施すると、屈折率が十分に異なるフォトニック材料を用
いるとともに、それらをパターン印刷法により形成して
いるため、屈折率が十分に異なる2つの領域を有する三
次元フォトニック結晶を、効率良く、しかも精度良く製
造することができる。
【0014】また、本発明の三次元フォトニック結晶の
製造方法を実施するにあたり、第1のフォトニック材料
および第2のフォトニック材料を、インクジェット法、
スクリーン印刷法、オフセット印刷法、穴あきフィルタ
ー法、またはサーマルヘッド法の少なくとも一つの印刷
法によりパターン印刷することが好ましい。このように
実施すると、特定のパターン印刷法を用いているため、
例えば、30μm以下の微細な周期構造を有する三次元
フォトニック結晶であっても、効率良く製造することが
できる。
【0015】また、本発明の三次元フォトニック結晶の
製造方法を実施するにあたり、インクジェット法または
スクリーン印刷法と、オフセット印刷法とを組み合わせ
たパターン印刷を用い、第1のフォトニック材料および
第2のフォトニック材料を、インクジェット法またはス
クリーン印刷法によって、オフセット印刷板に対してパ
ターン印刷した後、当該第1のフォトニック材料および
第2のフォトニック材料をオフセット印刷板から基材に
対して転写することが好ましい。このように実施する
と、インクジェット法またはスクリーン印刷法により印
刷した、例えば30μm程度の印刷パターンを、オフセ
ット印刷板で生じるはじき現象を利用して、10μm以
下の微細な印刷パターンとすることができる。したがっ
て、より微細な周期構造を有する三次元フォトニック結
晶であっても、効率良く製造することができる。
【0016】また、本発明の三次元フォトニック結晶の
製造方法を実施するにあたり、インクジェット法または
スクリーン印刷法と、前記穴あきフィルター法とを組み
合わせたパターン印刷を用い、基材上に、パターン化さ
れた穴あき板を設けた後、当該穴あき板を介して、第1
のフォトニック材料および第2のフォトニック材料を、
インクジェット法またはスクリーン印刷法によりパター
ン印刷することが好ましい。このように実施すると、イ
ンクジェット法またはスクリーン印刷法により印刷し
た、例えば30μm程度の印刷パターンであっても、微
細な周期構造を有する穴あき板を利用して、例えば、1
0μm以下のさらに微細な印刷パターンとすることがで
きる。したがって、より微細な周期構造を有する三次元
フォトニック結晶であっても、効率良く製造することが
できる。
【0017】また、本発明の三次元フォトニック結晶の
製造方法を実施するにあたり、フォトニック材料とし
て、電離放射線硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を使用
することが好ましい。このように実施すると、機械的特
性や耐熱性に優れた三次元フォトニック結晶を、効率良
く製造することができる。
【0018】また、本発明の三次元フォトニック結晶の
製造方法を実施するにあたり、第1のフォトニック材料
および第2のフォトニック材料として、屈折率差が0.
01以上異なるフォトニック材料を使用することが好ま
しい。このように実施すると、フォトバンドギャップの
幅が大きい三次元フォトニック結晶を、効率良く製造す
ることができる。
【0019】また、本発明の三次元フォトニック結晶の
製造方法を実施するにあたり、第1の二次元フォトニッ
ク結晶層を形成する際に、マーカーを同時に印刷し、当
該マーカーを目印として、第2の二次元フォトニック結
晶層を形成することが好ましい。このように実施する
と、第1の二次元フォトニック結晶層と、第2の二次元
フォトニック結晶層との位置ずれが少なくなり、フォト
バンドギャップを確実に形成することができる。
【0020】また、本発明の三次元フォトニック結晶の
製造方法を実施するにあたり、第1の二次元フォトニッ
ク結晶層の表面に、平坦化処理を施す工程をさらに含む
ことが好ましい。このように実施すると、第1の二次元
フォトニック結晶層の表面が平坦化されているため、当
該第1の二次元フォトニック結晶層と、第2の二次元フ
ォトニック結晶層との位置ずれが少なくなって、フォト
バンドギャップを確実に形成することができる。また、
第1の二次元フォトニック結晶層の表面が平坦化されて
いると、全体として、平坦な三次元フォトニック結晶を
作成することができるため、均一な光学特性を発揮する
ことができる。なお、平坦化処理を施すにあたり、第1
の二次元フォトニック結晶層の表面を直接的に研磨等す
ることも好ましいし、あるいは、平坦化層を設けて、そ
の表面を研磨し、間接的に第1の二次元フォトニック結
晶層の表面を平坦化することも好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、以下の工
程を含むパターン印刷法を利用した三次元フォトニック
結晶の製造方法である。 屈折率が比較的高いフォトニック材料と、屈折率が比
較的低いフォトニック材料とを準備する工程(以下、準
備工程と称する。) 第1および第2のフォトニック材料を、それぞれ基材
上に、交互に配置するようにパターン印刷し、第1の二
次元フォトニック結晶層を形成する工程(以下、印刷工
程と称する。) 第1の二次元フォトニック結晶層上に、第1および第
2のフォトニック材料を交互に配置するようにパターン
印刷し、第2の二次元フォトニック結晶層を積層する工
程(以下、積層工程と称する。) なお、三次元フォトニック結晶の構造は特に制限される
ものではないが、例えば、図1に示すような三次元構造
であることが好ましい。
【0022】1.準備工程 (1)フォトニック材料 種類 フォトニック材料の種類は、特に制限されるものではな
いが、例えば、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコ
ーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリイ
ミド樹脂、オレフィン樹脂、ハロゲン化炭化水素樹脂、
アセタール樹脂、セルロース誘導体等の一種単独または
二種以上の組み合わせが挙げられる。また、これらのフ
ォトニック材料のうち、電離放射線硬化性樹脂あるいは
熱硬化性樹脂を使用することが好ましい。このようなフ
ォトニック材料であれば、機械的特性や耐熱性に優れた
三次元フォトニック結晶を、効率良く製造することがで
きる。また、これらのフォトニック材料を架橋したり、
耐熱性を向上させたりする目的のために、架橋剤、硬化
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加することも好ま
しい。さらに、これらのフォトニック材料中に、屈折率
や耐熱性等の調整のために、シリカ、ジルコニア、アル
ミナ、チタニア等の金属酸化物粒子等を添加することも
好ましい。
【0023】屈折率 また、フォトニック材料の屈折率についても特に制限さ
れるものでなく、屈折率の値さえ異なっていれば、相対
的に屈折率が高いフォトニック材料および相対的に屈折
率が低いフォトニック材料として、それぞれ使用可能で
ある。ただし、より具体的には、屈折率が高いフォトニ
ック材料の場合、その屈折率を1.4〜1.7の範囲内
の値とすることが好ましく、屈折率が低いフォトニック
材料の場合、その屈折率を1.3〜1.6の範囲内の値
とすることが好ましい。なお、フォトニック材料の屈折
率は、いずれもナトリウムのD線を基準として、温度2
5℃の測定条件において、屈折率計を用いて測定するこ
とができる。
【0024】(2)溶剤 フォトニック材料は、インクジェット法等によりパター
ン印刷することから溶液状で提供することも好ましい
が、その場合、フォトニック材料を溶解させるための溶
剤の種類として、例えば、水、アルコール、石油系炭化
水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等の一種単
独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
【0025】2.印刷工程、硬化工程および積層工程 印刷工程は、屈折率が十分に異なる第1および第2のフ
ォトニック材料をパターン印刷する工程であって、その
印刷方法は、特に制限されるものではないが、例えば、
後述するインクジェット法、スクリ−ン印刷法、オフセ
ット印刷法、穴あきフィルター法、またはサーマルヘッ
ド法等の微細パターンが印刷可能なパターン印刷法を採
用することが好ましい。
【0026】また、硬化工程は、パターン印刷した第1
および第2のフォトニック材料をそれぞれ硬化させる工
程(乾燥工程を含む。)であって、使用する第1および
第2のフォトニック材料の種類によって、以下のように
実施することが好ましい。 フォトニック材料の乾燥 溶液型の第1および第2のフォトニック材料を使用する
場合には、それぞれパターン印刷した後、室温雰囲気下
での自然乾燥を実施することによって、含まれる溶剤を
除去することが可能である。ただし、通常は、加熱処理
によって、かかる溶剤を十分に除去することが好まし
い。また、乾燥させるのに加熱処理を実施する場合、恒
温槽、電気炉、スチームオーブン、赤外線方式の加熱炉
等の加熱手段を用いることが好ましい。さらに、加熱処
理を実施する場合、例えば、その加熱温度を25〜30
0℃の範囲内の値にするとともに、その加熱時間を1分
〜100時間の範囲内の値とすることが好ましい。な
お、本発明に使用するフォトニック材料は、通常、樹脂
であって、水や有機溶剤を含有することが多いため、そ
の場合には、加熱温度を50〜150℃の範囲内の値に
するとともに、その加熱時間を10分〜2時間の範囲内
の値とすることがより好ましい。
【0027】電離放射線硬化性樹脂の硬化 電離放射線硬化性樹脂を硬化させる場合、電離放射線と
して、X線、紫外線、可視光線、赤外線等を使用するこ
とができるが、取り扱いがさらに容易なことから、紫外
線および可視光線を使用することがより好ましい。ま
た、電離放射線を使用する場合、その光源として、例え
ば、キセノンランプ、水銀灯、太陽光、白熱球、あるい
は蛍光灯を用いることが好ましい。さらに、電離放射線
を使用する場合、その照射量は特に制限されるものでは
無いが、例えば、紫外線および可視光線を使用した場
合、その照射量を40〜200W/cm、照射時間を
0.1〜60分の範囲とすることがより好ましい。
【0028】熱硬化性樹脂の硬化 熱硬化性樹脂を硬化させる場合には、恒温槽、電気炉、
スチームオーブン、赤外線方式の加熱炉等の加熱手段を
用いて加熱硬化させることが好ましい。また、加熱硬化
させる場合、例えば、その加熱温度を25〜300℃の
範囲内の値にするとともに、その加熱時間を1分〜10
0時間の範囲内の値とすることが好ましい。ただし、本
発明に使用するフォトニック材料は、樹脂であることか
ら、通常、加熱温度を50〜150℃の範囲内の値にす
るとともに、その加熱時間を10分〜2時間の範囲内の
値とすることがより好ましい。
【0029】次に、積層工程について説明する。かかる
積層工程は、第1および第2のフォトニック材料が、水
平方向においても、第1の二次元フォトニック結晶層と
の関係上の垂直方向においても、それぞれ交互に配置さ
れるように塗布装置を所定個所に位置合わせした後、パ
ターン印刷し、第2の二次元フォトニック結晶層を第1
の二次元フォトニック結晶層上の所定位置に積層する工
程である。なお、かかる第2の二次元フォトニック結晶
層を形成する際のパターン印刷法も特に制限されるもの
ではないが、例えば、後述するインクジェット法、スク
リ−ン印刷法、オフセット印刷法、穴あきフィルター
法、またはサーマルヘッド法を適宜使用することが好ま
しい。
【0030】(1)インクジェット法 図2に、インクジェット法を用いた三次元フォトニック
結晶の形成方法の概略を示す。図2に示すインクジェッ
ト装置5は、一例として、荷電変調方式を採用してお
り、屈折率が十分に異なる第1および第2のフォトニッ
ク材料をそれぞれ含む第1の溶液または第2の溶液12
を収容するためのインクボトル10と、これらの第1の
溶液または第2の溶液12をノズル18へ供給するため
の供給ポンプ14と、パイプライン13の途中に設けら
れた調圧弁16と、ノズル18の先端付近に設けられ、
高周波電源22に電気接続された圧電素子20と、文字
信号発生装置26に電気接続された帯電用電極24と、
電源30に電気接続された一対の偏向電極28と、ガタ
ー34と、回収ポンプ36とを含んで基本的に構成され
ていることが好ましい。なお、以下、第1および第2の
フォトニック材料をそれぞれ含む第1の溶液または第2
の溶液を使用した場合をもとに説明するが、いずれか一
方、あるいは両方とも、無溶剤型の第1および第2のフ
ォトニック材料を使用することも可能である。
【0031】そして、このようなインクジェット装置5
の構成を採ることにより、インクボトル10に収容して
ある第1の溶液または第2の溶液12を、供給ポンプ1
4を用い、パイプライン13を介して、ノズル18に供
給することができる。また、パイプライン13の調圧弁
16により、第1の溶液または第2の溶液12の供給量
を制御するとともに、第1の溶液または第2の溶液12
を加圧して、ノズル18から噴射させることが可能であ
る。なお、噴射される第1の溶液および第2の溶液12
が、有機系溶剤や水系溶剤を用いて容易に粘度調整が可
能であることが好ましい。このような第1の溶液および
第2の溶液12であれば、ノズル18における目詰まり
を効率的に防止することができる。
【0032】次いで、ノズル18から噴射される第1の
溶液または第2の溶液12に対し、圧電素子20が所定
圧力を付与して、第1の溶液または第2の溶液12を微
小液滴とすることができる。すなわち、高周波電源22
からの高周波信号に呼応して圧電素子20が動作し、噴
射方向に対して交差する方向から、励振、振動周波数を
同期させて圧力を付与するため、連続的な第1の溶液ま
たは第2の溶液12を不連続な微小液滴とすることがで
きる。また、微小液滴とされた第1の溶液または第2の
溶液12を、帯電用電極24を用いて、文字信号発生装
置26からの印字信号に応じた所定の帯電量で帯電させ
ることができる。よって、一対の偏向電極28により、
帯電された第1の溶液または第2の溶液12の噴射方向
を制御し、基材32の所定箇所に非接触で、微細なパタ
ーン印刷を行うことができる。また、第1の溶液または
第2の溶液12が、基材32に対して優れた親和性を有
する場合には、インク垂れ等を効率的に防止することが
でき、結果として、高解像度で印刷することが可能とな
る。そして、帯電用電極24による帯電が不十分な場合
には、第1の溶液または第2の溶液12は、基材32に
対して噴射されることなく、ガター34により回収さ
れ、さらに回収ポンプ36により、インクボトル10に
戻されることになる。
【0033】なお、以上の説明は、荷電変調方式による
インクジェット装置に使用した場合に基づいているが、
インクジェット法を実施する場合、拡散方式(発散方
式)、電気機械変換方式、電気熱変換方式、静電吸引方
式、放電方式(スパークジェット)、電気滲透方式、熱
溶融インク方式、インクミスト方式等のインクジェット
装置を使用することも可能である。また、第1および第
2のフォトニック材料をそれぞれ含む第1の溶液および
第2の溶液のパターン印刷は、ノズルを複数設けて、そ
れぞれ同時に実施することもできるし、あるいは、第1
の溶液をパターン印刷した後、第2の溶液をパターン印
刷することも好ましい。いずれにしても、インクジェッ
ト法によれば、第1および第2のフォトニック材料を基
材の所定個所にそれぞれパターン印刷し、屈折率がそれ
ぞれ十分に異なる第1および第2のフォトニック材料か
らなる交互パターンを水平方向のみならず、垂直方向に
も比較的精度良く形成することができる。
【0034】(2)スクリ−ン印刷法 図3に、スクリ−ン印刷法を用いた三次元フォトニック
結晶の形成方法の概略を示す。まず、図3(A)に示す
ように、スクリーン印刷装置41を構成するスクリ−ン
40の下方に基材32を載置した後、スキージ39を下
方に押圧しながら、水平方向に移動させることにより、
スクリ−ン40上に滴下した第1の溶液を、基材32の
所定個所のみにパターン印刷し、第1のフォトニック材
料からなるパターン42を形成する。次いで、図3
(B)に示すように、スクリ−ン40あるいは第1の溶
液を塗布した基材32を、所定ピッチ分だけ移動させ、
第1のフォトニック材料からなるパターン42の間隙に
露出した基材32に対して、第2の溶液をスクリーン印
刷装置41によりパターン印刷し、第2のフォトニック
材料からなるパターン44を形成し、第1の二次元フォ
トニック結晶層48を形成する。次いで、スクリ−ン4
0と、第1の二次元フォトニック結晶層48を有する基
材32との間の位置合わせを実施する。その後、第1の
二次元フォトニック結晶層48上に、屈折率が異なる第
1および第2のフォトニック材料をそれぞれ含む第1の
溶液および第2の溶液を、さらに交互に配置するように
スクリ−ン印刷装置41によってパターン印刷し、第2
の二次元フォトニック結晶層(図示せず。)を積層す
る。そして、このようにスクリ−ン印刷法を採用するこ
とにより、第1の溶液および第2の溶液を基材の所定個
所にそれぞれパターン印刷し、屈折率がそれぞれ十分に
異なる第1および第2のフォトニック材料からなる交互
パターンを水平方向のみならず、垂直方向にも比較的精
度良く形成することができる。なお、以上のスクリ−ン
印刷法の説明は、第1および第2のフォトニック材料を
それぞれ含む第1の溶液または第2の溶液を使用した場
合に基づいているが、いずれか一方、あるいは両方と
も、無溶剤型の第1および第2のフォトニック材料を使
用することも可能である。
【0035】(3)オフセット印刷法 図4に、オフセット印刷法を用いた三次元フォトニック
結晶の形成方法の概略を示す。まず、図4(A)に示す
ように、親油性部分46と、親水性部分47とが、それ
ぞれパターン状に形成されたオフセット印刷板45を準
備する。なお、かかるオフセット印刷板45には、シリ
コーンプレート上に、微細な開口部を有する光硬化性樹
脂層を積層した、いわゆる水無し平板も含む。次いで、
このオフセット印刷板45上に、例えば、親水性の第1
のフォトニック材料を含む第1の溶液をロール塗布す
る。このように塗布することにより、親水性部分のみに
第1の溶液が塗布され、親油性部分では第1の溶液がは
じかれてしまう。したがって、この状態で、オフセット
印刷板45上に、基材32を、例えば、加圧ロール(図
示せず。)を用いて押圧することにより、第1のフォト
ニック材料からなるパターン42を形成することができ
る。次いで、別に、親油性部分46と、親水性部分47
とが、同様にパターン状に形成されたオフセット印刷板
45を準備する。その上に親油性の第2のフォトニック
材料を含む第2の溶液をロール塗布することにより、親
油性部分のみに第2の溶液が塗布されるため、親水性部
分では第2の溶液がはじかれてしまう。したがって、こ
の状態で、オフセット印刷板45上に、基材32を押圧
することにより、第2のフォトニック材料からなるパタ
ーン44を、第1のフォトニック材料からなるパターン
42の間隙に形成することができる。このオフセット印
刷の操作を繰り返すことにより、屈折率が十分に異なる
第1のフォトニック材料および第2のフォトニック結晶
からなる交互パターンを、水平方向のみならず、垂直方
向にも比較的精度良く形成することができる。なお、以
上のオフセット印刷の説明は、第1および第2のフォト
ニック材料をそれぞれ含む第1の溶液または第2の溶液
を使用した場合に基づいているが、いずれか一方、ある
いは両方とも、無溶剤型の第1および第2のフォトニッ
ク材料を使用することも可能である。
【0036】(4)穴あきフィルター法 図5に、穴あきフィルター法を用いた三次元フォトニッ
ク結晶の形成方法の概略を示す。まず、図5(A)に示
すように、基材32上に、穴あきフィルター50を載置
した後、基材32の所望個所のみに、矢印の方向に第1
の溶液を滴下し、図5(B)に示すように、第1のフォ
トニック材料からなるパターン42を形成するための印
刷を行う。次いで、図5(C)に示すように、スクリ−
ンあるいは第1の溶液を塗布した基材を、所定ピッチ分
だけ移動させ、第1のフォトニック材料からなるパター
ン42の間隙に露出した基材32に対して、第2の溶液
を穴あきフィルター50を介して、パターン印刷し、第
1の二次元フォトニック結晶層48を形成する。次い
で、第1の二次元フォトニック結晶層48上に、屈折率
が異なるフォトニック材料を含む第1の溶液および第2
の溶液を、さらに交互に配置するように穴あきフィルタ
ーを用いて、パターン印刷し、第2の二次元フォトニッ
ク結晶層(図示せず。)を積層する。したがって、この
ように穴あきフィルターを用いることにより、屈折率の
異なる第1のフォトニック材料および第2のフォトニッ
ク結晶からなる交互パターンを、水平方向のみならず、
垂直方向にも比較的精度良く形成することができる。な
お、以上の穴あきフィルター法の説明は、第1および第
2のフォトニック材料をそれぞれ含む第1の溶液または
第2の溶液を使用した場合に基づいているが、いずれか
一方、あるいは両方とも、無溶剤型の第1および第2の
フォトニック材料を使用することも可能である。
【0037】(5)サーマルヘッド法 図6に、サーマルヘッド装置70を用いた三次元フォト
ニック結晶の形成方法の概略を示す。図6に示すよう
に、第1の溶液から形成された第1のフォトニック材料
からなる昇華性インク60と、支持フィルム62とから
構成された昇華性インク用フィルム63の下方に、サー
マルヘッド64を載置した後、CPU(中央演算処理装
置)68により温度制御しながら、サーマルヘッド64
のスイッチ66をONして発熱させ、支持フィルム62
を介して、所望個所の昇華性インク60のみを加熱する
ことにより、基材32に対して、フォトニック結晶の原
料としての昇華性インク60をパターン印刷する。次い
で、第2の溶液から形成された第2のフォトニック材料
からなる昇華性インクと、支持フィルムとから構成され
た昇華性インク用フィルム(図示せず。)の下方に、サ
ーマルヘッドを載置した後、CPUにより温度制御しな
がら、サーマルヘッドのスイッチをONして発熱させ、
所望個所の昇華性インクのみを加熱することにより、第
2のフォトニック結晶からなる昇華性インクをパターン
印刷し、第1の二次元フォトニック結晶層(図示せ
ず。)を形成する。次いで、第1の二次元フォトニック
結晶層上に、再び、第1のフォトニック材料を含む第1
の溶液からなる昇華性インクと、支持フィルムとから構
成された昇華性インク用フィルムと、第2のフォトニッ
ク材料を含む第2の溶液からなる昇華性インクと、支持
フィルムとから構成された昇華性インク用フィルムと、
をそれぞれ準備し、第1の二次元フォトニック結晶層を
有する基材に対して、位置合わせを実施する。その後、
サーマルヘッドによって昇華性インクを含むシートの所
望位置を加熱し、第1のフォトニック材料および第2の
フォトニック材料からなる交互パターン印刷し、第2の
二次元フォトニック結晶層を積層する。このようにサー
マルヘッド法によれば、屈折率の異なる第1のフォトニ
ック材料および第2のフォトニック結晶からなる交互パ
ターンを、水平方向のみならず、垂直方向にも比較的精
度良く形成することができる。
【0038】(6)組み合わせ法1 また、第1および第2のフォトニック材料をパターン印
刷する際に、オフセット印刷法と、インクジェット法あ
るいはスクリーン印刷法とを組み合わせることも好まし
い。すなわち、オフセット印刷法において上述したオフ
セット印刷板に対して、ロール塗布する際に、インクジ
ェット法あるいはスクリーン印刷法を用いることを特徴
とする。例えば、親水性の第1のフォトニック材料を含
む第1の溶液を塗布する際に、インクジェット法あるい
はスクリーン印刷法を用いることにより、親水性部分の
みに第1の溶液を極めて精度良く塗布することができ
る。一方、仮に、親油性部分に第1の溶液が部分的に塗
布された場合であっても、第1の溶液は、親油性部分に
よって完全にはじかれてしまう。したがって、この状態
で、オフセット印刷板上に基材を押圧することにより、
第1のフォトニック材料からなるパターンを極めて精度
良く、例えば、10μm以下の直径パターンであって
も、確実に形成することができる。そして、オフセット
印刷法において上述した操作を、インクジェット法ある
いはスクリーン印刷法と組み合わせて繰り返すことによ
り、第1のフォトニック材料および第2のフォトニック
結晶からなる交互パターンを、水平方向のみならず、垂
直方向にも極めて精度良く形成することができる。な
お、以上のインクジェット法あるいはスクリーン印刷法
の説明は、第1および第2のフォトニック材料をそれぞ
れ含む第1の溶液または第2の溶液を使用した場合に基
づいているが、いずれか一方、あるいは両方とも、無溶
剤型の第1および第2のフォトニック材料を使用するこ
とも可能である。
【0039】(7)組み合わせ法2 また、第1の溶液および第2の溶液をパターン印刷する
際に、インクジェット法と、穴あきフィルター法とを組
み合わせることも好ましい。すなわち、穴あきフィルタ
ー法において上述した塗布の際に、インクジェット法を
用いることを特徴とする。例えば、第1のフォトニック
材料を含む第1の溶液を穴あきフィルターを介して塗布
する際に、インクジェット法を用いることにより、所望
の穴に対して、第1の溶液を極めて精度良く吹き付ける
ことができ、結果として、基材に対して、極めて精度良
く塗布することができる。一方、仮に、特定の穴の近傍
に第1の溶液が部分的に吹き付けられた場合であって
も、第1の溶液は、特定の穴の中に回り込んで、その穴
を介してのみ、基材に到達することができる。そして、
穴あきフィルター法において上述した操作を繰り返すこ
とにより、第1のフォトニック材料および第2のフォト
ニック結晶からなる交互パターンを、水平方向のみなら
ず、垂直方向にも極めて精度良く、例えば、10μm以
下の直径パターンであっても確実に形成することができ
る。なお、以上のインクジェット法の説明は、第1およ
び第2のフォトニック材料をそれぞれ含む第1の溶液ま
たは第2の溶液を使用した場合に基づいているが、いず
れか一方、あるいは両方とも、無溶剤型の第1および第
2のフォトニック材料を使用することも可能である。
【0040】(8)組み合わせ法3 また、上述したいずれかのインクジェット法と、フォト
リソグラフィ法(リフトオフ法を含む。)を組み合わせ
ることも好ましい。すなわち、フォトニック材料とし
て、光硬化性樹脂を使用するとともに、上述したいずれ
かのパターン印刷法あるいはその組み合わせによりパタ
ーン印刷した後に、フォトマスク等を介してパターン露
光し、次いで、非露光部を現像して、さらに微細なパタ
ーンとすることも好ましい。このように実施すると、例
えば、5μm以下の微細な周期構造を有する三次元フォ
トニック結晶であっても、効率良く製造することができ
る。
【0041】(9)位置合わせ また、第1の二次元フォトニック結晶層を形成した後、
パターン印刷して、第2の二次元フォトニック結晶層を
形成する際に、位置合わせをすることが重要である。第
1の二次元フォトニック結晶層と、第2の二次元フォト
ニック結晶層との位置がずれていると、三次元フォトニ
ック結晶において、フォトバンドが形成されない場合が
あるためである。したがって、第1の二次元フォトニッ
ク結晶層を形成する際に、マーカーを同時に印刷し、当
該マーカーを目印として、第2の二次元フォトニック結
晶層を形成することが好ましい。例えば、トンボマーク
や目盛りを、第1の二次元フォトニック結晶層と隣接し
て印刷しておき、当該トンボマークや目盛りを目印とし
て、インクジェット法におけるノズル位置、スクリ−ン
印刷法におけるスクリ−ン位置、オフセット印刷法にお
けるオフセット板の位置、穴あきフィルター法における
穴あきフィルターの位置を適宜調整することが好まし
い。
【0042】また、第1の二次元フォトニック結晶層の
表面を平坦化する平坦化工程をさらに含むことにより、
正確に位置合わせすることが好ましい。例えば、第1の
二次元フォトニック結晶層の表面を、直接的に化学研磨
あるいは物理研磨するか、あるいは、平坦化層を一旦形
成し、それを化学研磨あるいは物理研磨することが好ま
しい。すなわち、第2の二次元フォトニック結晶層を形
成すべく、垂直方向にパターン印刷しようとすると、第
1の二次元フォトニック結晶層の表面凹凸が影響して、
第2の二次元フォトニック結晶層のパターンを形成する
際に、位置ずれが生じる場合がある。そのため、平坦化
層を設けて、第1の二次元フォトニック結晶層の表面凹
凸の影響を排除し、第1の二次元フォトニック結晶層の
パターン上に、第2の二次元フォトニック結晶層のパタ
ーンを正確に位置合わせして、形成することが好まし
い。
【0043】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明のフォトニッ
ク結晶の製造方法を詳細に説明するが、言うまでもな
く、本発明はこれらの実施例の記載によって限定される
ものではない。
【0044】[実施例1] 1.三次元フォトニック結晶の作成 (1)準備工程 メチルアクリレート35重量部と、エチルメタクリレー
ト30重量部と、ウレタンアクリレート(重量平均分子
量:4500)35重量部と、をそれぞれ容器内に収容
し、均一に混合して、硬化後の屈折率が1.57となる
ような混合液を調製した。次いで、この混合液100重
量部に対して、ベンゾイルパーオキサイドを2重量部加
え、さらに均一に混合して、第1のフォトニック材料と
した。また、屈折率が1.45である酢酸ビニルポリマ
ー(重量平均分子量:28000)100重量部に対し
て、40重量部のトルエンを加えて、第2のフォトニッ
ク材料(溶液)とした。
【0045】(2)印刷工程 次いで、第1のフォトニック材料および第2のフォトニ
ック材料を、それぞれ基材上に、交互に配置するように
インクジェット法により、隣接ピッチが20μmとなる
ようにパターン印刷した。その後、窒素雰囲気下、10
0℃の恒温槽に1時間投入し、第1の二次元フォトニッ
ク結晶層を形成した。
【0046】(3)積層工程 次いで、第1の二次元フォトニック結晶層上に、第1の
フォトニック材料および第2のフォトニック材料を交互
にさらなるパターン印刷が可能なように、インクジェッ
ト装置の位置合わせを行った。その状態で、インクジェ
ット法により、隣接ピッチが20μmとなるようにパタ
ーン印刷した後、窒素雰囲気下、100℃の恒温槽に1
時間投入し、第2の二次元フォトニック結晶層を形成し
た。
【0047】2.三次元フォトニック結晶の評価 このようにして得られた三次元フォトニック結晶は、第
1の二次元フォトニック結晶層と、第2の二次元フォト
ニック結晶層とがほとんど位置ずれすることなく、積層
されていた。したがって、本発明の製造方法によれば、
屈折率が十分に異なる複数の誘電体材料からなる三次元
フォトニック結晶が、効率的に得られることが確認され
た。
【0048】[実施例2]第1の二次元フォトニック結
晶層を形成した後、CMP(Chemical MechanicalPolish
ing)法により、第1の二次元フォトニック結晶層に対し
て、平坦化処理を実施した以外は、実施例1と同様に三
次元フォトニック結晶を製造した。その結果、得られた
三次元フォトニック結晶は、第1の二次元フォトニック
結晶層と、第2の二次元フォトニック結晶層とが、全く
位置ずれすることなく、積層されていた。したがって、
本発明の別の態様の製造方法によれば、屈折率が十分に
異なる複数の誘電体材料(フォトニック材料)からなる
三次元フォトニック結晶が、精度良く得られることが確
認された。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】 三次元フォトニック結晶の構造例を説明する
ために供する図である。
【図2】 インクジェット法を用いた三次元フォトニッ
ク結晶の形成方法を説明するために供する図である。
【図3】 スクリーン印刷法を用いた三次元フォトニッ
ク結晶の形成方法を説明するために供する図である。
【図4】 オフセット印刷法を用いた三次元フォトニッ
ク結晶の形成方法を説明するために供する図である。
【図5】 穴あきフィルター法を用いた三次元フォトニ
ック結晶の形成方法を説明するために供する図である。
【図6】 サーマルヘッド法を用いた三次元フォトニッ
ク結晶の形成方法を説明するために供する図である。
【0050】
【符合の説明】
5: インクジェット装置 32:基材 41:スクリーン印刷装置 42:パターン(第1のフォトニック材料) 44:パターン(第2のフォトニック材料) 45:オフセット印刷板 50:穴あきフィルター 63:昇華性インク用フィルム 64:サーマルヘッド

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、第1のフォトニック材料およ
    び、当該第1のフォトニック材料の屈折率よりも低い屈
    折率を有する第2のフォトニック材料が、交互に配置す
    るようにパターン印刷し、第1の二次元フォトニック結
    晶層を形成する工程と、 前記第1の二次元フォトニック結晶層上に、前記第1の
    フォトニック材料および第2のフォトニック材料が、交
    互に配置するようにパターン印刷し、第2の二次元フォ
    トニック結晶層を積層する工程と、 を含むことを特徴とする三次元フォトニック結晶の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記第1のフォトニック材料および第2
    のフォトニック材料を、インクジェット法、スクリーン
    印刷法、オフセット印刷法、穴あきフィルター法、また
    はサーマルヘッド法の少なくとも一つの印刷法によりパ
    ターン印刷することを特徴とする請求項1に記載の三次
    元フォトニック結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記インクジェット法またはスクリーン
    印刷法と、前記オフセット印刷法とを組み合わせたパタ
    ーン印刷を用い、前記第1のフォトニック材料および第
    2のフォトニック材料を、前記インクジェット法または
    スクリーン印刷法によって、オフセット印刷板に対して
    パターン印刷した後、当該第1のフォトニック材料およ
    び第2のフォトニック材料をオフセット印刷板から前記
    基材に対して転写することを特徴とする請求項2に記載
    の三次元フォトニック結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記インクジェット法またはスクリーン
    印刷法と、前記穴あきフィルター法とを組み合わせたパ
    ターン印刷を用い、前記基材上にパターン化された穴あ
    き板を設けた後、当該穴あき板を介して、前記第1のフ
    ォトニック材料および第2のフォトニック材料を、前記
    インクジェット法またはスクリーン印刷法によりパター
    ン印刷することを特徴とする請求項2に記載の三次元フ
    ォトニック結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記フォトニック材料として、電離放射
    線硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を使用することを特
    徴とした請求項1〜4いずれか一項に記載の三次元フォ
    トニック結晶の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1のフォトニック材料および第2
    のフォトニック材料として、屈折率差が0.01以上異
    なるフォトニック材料を使用することを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか一項に記載の三次元フォトニック結
    晶の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の二次元フォトニック結晶層を
    形成する際に、マーカーを同時に印刷し、当該マーカー
    を目印として、前記第2の二次元フォトニック結晶層を
    形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項
    に記載の三次元フォトニック結晶の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の二次元フォトニック結晶層の
    表面に、平坦化処理を施す工程をさらに含むことを特徴
    とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の三次元フォ
    トニック結晶の製造方法。
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