JP2003128965A - インク組成物 - Google Patents

インク組成物

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JP2003128965A
JP2003128965A JP2001326752A JP2001326752A JP2003128965A JP 2003128965 A JP2003128965 A JP 2003128965A JP 2001326752 A JP2001326752 A JP 2001326752A JP 2001326752 A JP2001326752 A JP 2001326752A JP 2003128965 A JP2003128965 A JP 2003128965A
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ink
carbon atoms
composition according
ink composition
colorant
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JP2001326752A
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Yasuharu Onishi
康晴 大西
Hiroyuki Endo
浩幸 遠藤
Hiroyuki Ueki
弘之 植木
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクとしての保存安定性が優れ、また、広
い色再現性を有し、裏抜け等を抑制した良好な印字画像
を与えるインクジェット記録用インクに含有されるイン
ク組成物に関する技術を提供する点にある。 【解決手段】 本実施の形態に係るインク組成物は、着
色材と、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリエチ
レングリコール#200(平均分子量200)、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、1−メチル−2−
ピロリドン、トリエタノールアミン、尿素の7種の化合
物とで概略構成され、特に、マゼンタインクの着色剤
は、図1の一般式(I)で示される化合物を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインク組成物に関
し、特にインクジェットプリンターに使用されるインク
に含有されるインク組成物に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットプリンター(IJ
プリンター)は現像定着などのプロセスがないため、カ
ラー化が非常に容易で、しかも普通紙への印刷が可能で
あることから飛躍的に普及してきている。特に、最近で
は、写真画像に対応したカラープリンターなどが市販さ
れており、インクジェットプリンター用記録液であるI
Jインクの更なる性能改善が要求されてきている。写真
画像用IJプリンター用インクの要求性能としては、広
い色再現性や、高い保存安定性、及び紙面上での裏写り
や滲みなどの抑制が挙げられているが、これらの要求特
性を全て満足させるインクは未だ開発されていなかっ
た。
【0003】通常の写真画像用インクには、水性インク
が使用されており、これらは水溶性の着色剤もしくは水
に分散可能な着色剤と、保湿剤として多価アルコールや
多価アルコールエーテル類、及び色材の安定化に寄与す
る添加剤などといった配合成分から構成され、インク中
での保湿剤成分と添加剤成分の選定と配合比の最適化が
インクの性能を決定する上で、大きな役割を果たす。
【0004】また、特開平10−046074号公報、
特開平10−053740号公報、特開平10−226
763号公報及び特開平11−131003号公報でも
多種類の水溶性有機溶媒の添加に関して、単独もしく
は、複数混合して用いる記録用インクの技術が公開され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術には以下に掲げる問題点があった。インクの安定性を
向上させる開発例として、特公平1−15542号公報
の有機溶剤を配合することや、特公平2−3837号公
報のように染料溶解促進剤を配合することがあったが、
これらのインクにおいても十分な安定性が実現されてい
なかった。また、色再現性を向上する例として、特開平
2−233781号公報のように特定の染料を用いたイ
ンク処方が示されているが、このインクでは色調は改善
できるものの十分な保存安定性が確保できていなかっ
た。
【0006】また、多種類の水溶性有機溶媒の添加に関
して、単独もしくは、複数混合して用いる記録用インク
の技術についても、インクとしての保存安定性が優れ、
また、広い色再現性を有し、裏抜け等を抑制した良好な
印字画像を与えるため、具体的な組合せを限定して効果
的な印字・印刷特性が得られる技術は公開されていな
い。
【0007】更に、紙面上での滲みや裏写りを抑制する
方法として、特開平3−259967号公報のようにポ
リプロピレングリコールのアルキルエーテルをインク中
に配合することが示されているが、このインクにおいて
も滲みや裏移りは抑制できるものの、十分な保存安定性
を得ることができないという問題点があった。
【0008】本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、インクとしての保
存安定性が優れ、また、広い色再現性を有し、裏抜け等
を抑制した良好な印字画像を与えるインクジェット記録
用インクに含有されるインク組成物に関する技術を提供
する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
要旨は、シアン、マゼンタ及びイエローの各色をつける
ための着色剤と、ジエチレングリコールとグリセリンと
平均分子量200のポリエチレングリコールとジエチレ
ングリコールモノブチルエーテルと1−メチル−2−ピ
ロリドンとトリエタノールアミンと尿素との7種の化合
物とを含有することを特徴とするインク組成物に存す
る。請求項2記載の本発明の要旨は、前記ジエチレング
リコールの含有量がインク総重量の8〜15%であるこ
とを特徴とする請求項1に記載のインク組成物に存す
る。請求項3記載の本発明の要旨は、前記グリセリンの
含有量がインク総重量の3〜7%であることを特徴とす
る請求項1又は2に記載のインク組成物に存する。請求
項4記載の本発明の要旨は、前記ポリエチレングリコー
ルの含有量がインク総重量の4〜6%であることを特徴
とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインク組成物
に存する。請求項5記載の本発明の要旨は、前記ジエチ
レングリコールモノブチルエーテルの含有量がインク総
重量の1〜5%であることを特徴とする請求項1乃至4
のいずれかに記載のインク組成物に存する。請求項6記
載の本発明の要旨は、前記1−メチル−2−ピロリドン
の含有量がインク総重量の3%以下であることを特徴と
する請求項1乃至5のいずれかに記載のインク組成物に
存する。請求項7記載の本発明の要旨は、前記トリエタ
ノールアミンの含有量がインク総重量の3%以下である
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のイ
ンク組成物に存する。請求項8記載の本発明の要旨は、
前記尿素の含有量がインク総重量の3%以下であること
を特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のインク
組成物に存する。請求項9記載の本発明の要旨は、前記
着色剤が水溶性染料であることを特徴とする請求項1乃
至9のいずれかに記載のインク組成物に存する。請求項
10記載の本発明の要旨は、シアンインクの前記着色剤
に、DirectBlue199、又は、AcidBl
ue86のうち、少なくともどちらか1つを使用するこ
とを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のイン
ク組成物に存する。請求項11記載の本発明の要旨は、
マゼンタインクの前記着色剤は、下記一般式(I)で示
される化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至
10のいずれかに記載のインク組成物に存する。
【化3】 (式中、Aは、環内に2個乃至3個のヘテロ原子を有す
る複素環化合物を表し、X及びYは、水素、炭素数1〜
6のアルキル基、又は、炭素数1〜6のアルコキシル
基、又は、置換基がSONaである炭素数1〜6の置
換アルキル、又は、置換基がOHである炭素数1〜6の
置換アルキルを表し、XとYとは互いに同一の場合、又
は、異なっている場合があり、Rは、水素、又は、炭素
数1〜6のアルキル基であり、Zは、炭素数1〜6の置
換アルキレン基である。) 請求項12記載の本発明の要旨は、イエローインクの前
記着色剤に、少なくともDirectYellow13
2、又は、DirectYellow86のうち、少な
くともどちらか1つを使用することを特徴とする請求項
1乃至11のいずれかに記載のインク組成物に存する。
請求項13記載の本発明の要旨は、カラープリンターで
の印刷に用いられるインクセットであって、ブラック色
以外の複数色の各カラーインクに請求項1乃至12のい
ずれかに記載のインク組成物を含有することを特徴とす
るインクセットに存する。請求項14記載の本発明の要
旨は、複数色のインクを用いるインクジェットプリンタ
ーであって、請求項13に記載のインクセットを備え、
該インクセットを印刷に使用することを特徴とするイン
クジェットプリンターに存する。請求項15記載の本発
明の要旨は、プリンターでの印刷に用いられるインクジ
ェット記録方法であって、請求項1乃至12のいずれか
に記載のインク組成物を含有するインクを用いて印刷を
行うことを特徴とするインクジェット記録方法に存す
る。請求項16記載の本発明の要旨は、プリンターでの
印刷に用いられるインクジェット記録方法であって、ブ
ラック色以外の各色のインクに請求項1乃至12のいず
れかに記載のインク組成物を含有するインクを使用し
て、記録媒体に印字を行うことを特徴とする請求項15
に記載のインクジェット記録方法に存する。請求項17
記載の本発明の要旨は、前記インクの各色において、シ
アンインクの着色剤にはDirectBlue199、
マゼンタインクの着色剤には下記一般式(I)で示され
る化合物、イエローインクの着色剤にはDirectY
ellow132を含有させて前記記録媒体に印字を行
うことを特徴とする請求項15又は16に記載のインク
ジェット記録方法に存する。
【化4】 (式中、Aは、環内に2個乃至3個のヘテロ原子を有す
る複素環化合物を表し、X及びYは、水素、炭素数1〜
6のアルキル基、又は、炭素数1〜6のアルコキシル
基、又は、置換基がSONaである炭素数1〜6の置
換アルキル、又は、置換基がOHである炭素数1〜6の
置換アルキルを表し、XとYとは互いに同一の場合、又
は、異なっている場合があり、Rは、水素、又は、炭素
数1〜6のアルキル基であり、Zは、炭素数1〜6の置
換アルキレン基である。)
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。本実施の形態に係るインク
組成物は、着色材と、ジエチレングリコール、グリセリ
ン、ポリエチレングリコール#200(平均分子量20
0)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−
メチル−2−ピロリドン、トリエタノールアミン、尿素
の7種の化合物とで概略構成され、特に、マゼンタイン
クの着色剤は、図1の一般式で示される化合物を含有す
る。図中、Aは、環内に2個乃至3個のヘテロ原子を有
する複素環化合物を表す
【0011】即ち、インク組成物として、インク中に
は、少なくともジエチレングリコール、グリセリン、ポ
リエチレングリコール#200(平均分子量200)、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メチル
−2−ピロリドン、トリエタノールアミン、尿素で示さ
れる7種類の化合物を配合する必要がある。
【0012】インク組成物において、ブラック色以外の
複数色の各色インクに、ジエチレングリコール、グリセ
リン、ポリエチレングリコール#200(平均分子量2
00)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1
−メチル−2−ピロリドン、トリエタノールアミン、尿
素の7種の化合物を含有するインク組成物であり、イン
ク中には、少なくともジエチレングリコール、グリセリ
ン、ポリエチレングリコール#200(平均分子量20
0)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−
メチル−2−ピロリドン、トリエタノールアミン、尿素
で示される7種類の化合物を配合するのが好ましい。ブ
ラック色以外の複数色インクの全てに、上記7種の化合
物を配合することによって、インクセットとしての色再
現性が向上する上に、インクセットを構成する全ての複
数色インクでの保存安定性が向上し、インクセットとし
てインクの信頼性が大幅に向上する。
【0013】本実施の形態に係るインク組成物を含有す
るインクにおいて、ジエチレングリコールの含有量がイ
ンク総重量に対して、8〜15%であるのが好ましい。
インク中に、8重量%未満のジエチレングリコールを配
合した場合、インクとして十分な保存安定性が得られ
ず、一方で15%を超える量のジエチレングリコールを
配合した場合、粘度が上昇してしまい、インクジェット
プリンター用インクとしての十分な吐出安定性が確保で
きない。
【0014】また、グリセリンの含有量がインク総重量
に対して、3〜7%であるのが好ましい。インク中に、
3重量%未満のジエチレングリコールを配合した場合、
グリセリンは保湿剤として十分な役割を果たさずインク
として十分な保存安定性が得られない。一方、7%を超
える量のグリセリンを配合した場合、粘度が上昇してし
まい、インクジェットプリンター用インクとしての十分
な吐出安定性が確保できない。
【0015】更に、ポリエチレングリコール#200の
含有量がインク総重量に対して、4〜6%であるのが好
ましい。インク中に、4重量%未満のポリエチレングリ
コール#200を配合した場合、ポリエチレングリコー
ル#200は保湿剤として十分な役割を果たさず、一方
で、6%を超える量のポリエチレングリコール#200
を配合した場合、粘度が著しく上昇してしまい、インク
ジェットプリンター用インクとしての十分な吐出安定性
が確保できない。
【0016】また、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテルの含有量がインク総重量に対して、1〜5%であ
るのが好ましい。インク中に、1重量%未満のジエチレ
ングリコールモノブチルエーテルを配合した場合、紙面
上で十分な乾燥性が得られず、一方で、5%を超える量
のポリエチレングリコール#200を配合した場合、紙
面上で滲みなどを生じさせてしまう。
【0017】1−メチル−2−ピロリドンの含有量がイ
ンク総重量に対して、3%以下であるのが好ましい。イ
ンク中に、3%を超える量の1−メチル−2−ピロリド
ンを配合した場合、紙面上で乾燥性が大きく劣ってしま
う。
【0018】トリエタノールアミンの含有量がインク総
重量に対して、3%以下であるのが好ましい。インク中
に、3%を超える量のトリエタノールアミンを配合した
場合、粘度が上昇してしまい、インクジェットプリンタ
ー用インクとしての十分な吐出安定性が確保できない。
【0019】尿素の含有量がインク総重量に対して、3
%以下であるのが好ましい。インク中に、3%を超える
量の尿素を配合した場合、インクとしての保存安定性が
劣化してしまう。
【0020】本実施の形態に係るインク組成物を使用し
たインクセットでは、着色剤として水溶性染料を使用す
るのが好ましい。水性染料としては、酸性染料、塩基性
染料、直接染料、食用染料などが挙げられる。
【0021】例えば、ダイレクトブラック19、ダイレ
クトブラック32、ダイレクトブラック38、ダイレク
トブラック51、ダイレクトブラック62、ダイレクト
ブラック71、ダイレクトブラック105、ダイレクト
ブラック108、ダイレクトブラック112、ダイレク
トブラック154、ダイレクトブラック168、ダイレ
クトブラック171、アシッドブラック24、アシッド
ブラック31、アシッドブラック52、アシッドブラッ
ク94、フードブラック1、フードブラック2。
【0022】また、ダイレクトイエロー23、ダイレク
トイエロー50、ダイレクトイエロー86、ダイレクト
イエロー100、ダイレクトイエロー132、ダイレク
トイエロー142、ダイレクトイエロー157、アシッ
ドイエロー23、アシッドイエロー42。
【0023】また、ダイレクトレッド83、ダイレクト
レッド227、アシッドレッド35、アシッドレッド4
0、アシッドレッド52、アシッドレッド87、アシッ
ドレッド186、アシッドレッド254、アシッドレッ
ド289、リアクティブレッド24、リアクティブレッ
ド120、リアクティブレッド180。
【0024】また、ダイレクトブルー76、ダイレクト
ブルー86,ダイレクトブルー108,ダイレクトブル
ー199、ダイレクトブルー236、アシッドブルー
9、アシッドブルー78、アシッドブルー82、アシッ
ドブルー86、アシッドブルー234などが挙げられる
が、特にこれに限定されず、いかなる水溶性染料も使用
できる。
【0025】また、染料の添加量はインク総量に対して
1〜10重量%が好ましく、10%以上の染料を添加し
た場合、インクとしての安定性が悪いために、ヘッド吐
出部で目詰まりを生じさせやすく、粘度も大幅に増加し
てしまう。
【0026】また、インクセットでは、ノニオン性界面
活性剤を配合する。界面活性剤としては、アセチレング
リコール系化合物、プロピレンオキサイドエチレンオキ
サイド共重合体などが挙げられるが、特にこれに限定さ
れない。
【0027】なお、界面活性剤の添加量は0.01重量
%から10重量%が好ましい。0.01重量%未満の添
加量では、添加量が少ないため、表面張力調整剤として
十分な効果が得られない。一方、10重量%以上の場合
は、添加量が高いためにインクの粘度を大幅に増加させ
てしまう。一方、染料添加量が1重量%未満の場合は、
染料濃度が薄いために良好な印字画像が得られない等の
問題点がある。
【0028】インクセットでは、DirectBlue
199もしくはAcidBlue86を含有するシアン
インクを使用するの好ましい。シアン色インクの色材と
してDirectBlue199もしくはAcidBl
ue9を使用した場合、良好な色調が得られ、インクセ
ットとしての色再現性が優れる。また、DirectB
lue199もしくはAcidBlue86を含有した
インクは高い保存安定性を有する写真画像を得ることが
できる。
【0029】また、インクセットでは、下記一般式
(I)で示される化合物を含有するマゼンタインクを使
用するのが好ましい。マゼンタ色インクの色材として下
記一般式(I)で示される化合物を使用した場合、良好
な色調が得られ、インクセットとしての色再現性が優れ
る。なお、下記一般式(I)の代表的な化合物として、
M377(ILFORD AG)が挙げられる。
【0030】
【化5】
【0031】(式中、Aは、環内に2個乃至3個のヘテ
ロ原子を有する複素環化合物を表し、X及びYは、水
素、炭素数1〜6のアルキル基、又は、炭素数1〜6の
アルコキシル基、又は、置換基がSONaである炭素
数1〜6の置換アルキル、又は、置換基がOHである炭
素数1〜6の置換アルキルを表し、XとYとは互いに同
一の場合、又は、異なっている場合があり、Rは、水
素、又は、炭素数1〜6のアルキル基であり、Zは、炭
素数1〜6の置換アルキレン基である。)
【0032】また、インクセットにおいて、Direc
tYellow132もしくはDirectYello
w86を含有するイエローインクを使用するの好まし
い。イエロー色インクの色材としてDirectYel
low132もしくはDirectYellow86を
使用した場合、良好な色調が得られ、インクセットとし
ての色再現性が優れる。
【0033】また、DirectBlue199を含有
するシアンインク、下記一般式(I)で示される化合物
を含有するマゼンタインク、DirectYellow
132を含有するイエローインクを使用するのが好まし
い。インクセットして、DirectBlue199を
含有するシアンインク、下記一般式(I)で示される化
合物を含有するマゼンタインク、DirectYell
ow132を含有するイエローインクを使用した場合、
広い色再現性が得られる上に、高い保存安定性を有する
インクセットの作製が可能となる。
【0034】
【化6】
【0035】(式中、Aは、環内に2個乃至3個のヘテ
ロ原子を有する複素環化合物を表し、X及びYは、水
素、炭素数1〜6のアルキル基、又は、炭素数1〜6の
アルコキシル基、又は、置換基がSONaである炭素
数1〜6の置換アルキル、又は、置換基がOHである炭
素数1〜6の置換アルキルを表し、XとYとは互いに同
一の場合、又は、異なっている場合があり、Rは、水
素、又は、炭素数1〜6のアルキル基であり、Zは、炭
素数1〜6の置換アルキレン基である。)
【0036】実施の形態に係るインク組成物は上記の如
く構成されているので、以下に掲げる効果を奏する。7
種の化合物、即ちジエチレングリコールとグリセリンと
ポリエチレングリコール#200(平均分子量200)
とジエチレングリコールモノブチルエーテルと1−メチ
ル−2−ピロリドンとトリエタノールアミンと尿素と、
着色剤とを含むインク組成物を使用したインクは、保存
安定性が優れ、かつ広い色再現性を有し、裏抜け等を抑
制した良好な印字画像を印刷することができる。特に普
通紙などの印刷において、両面カラー印刷も十分可能と
なる。
【0037】
【実施例】以下、実施例をもとに、本実施の形態に係る
インク組成物に関する技術を詳細に説明するが、本発明
はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されな
い。
【0038】(印字)シアン、マゼンタ、イエロー3色
から構成されるインクセットを用いて、1滴のインク液
滴量が20ピコリットルとなるように調整されたピエゾ
型インクジェットプリンターにて、解像度360dpi
の格子全てに配置されるように普通紙に水性インクを印
字して印字サンプルを作製した。印字は2cm×2cm
の正方形にベタ印刷でシアン色、マゼンタ色、イエロー
色、レッド色、グリーン色、ブルー色の6色を行い、レ
ッド色はイエロー、マゼンタ色を1:1でドットを配列
し、グリーン色はイエロー色、シアン色を1:1に配
列、ブルー色はシアン色とマゼンタ色を1:1に配列し
て作製する。また、印字紙はXeroxLを使用した。
【0039】(光学濃度(OD値)測定)3色インクセ
ットを用いて印字されたシアン、マゼンタ、イエロー、
レッド、グリーン、ブルー6色の印字部の光学濃度(O
D値)を測定した。測定は、938Spectro−D
ensitometer(X−Rite社製)を用いて
行った。
【0040】(裏移り評価)3色インクセットを用いて
印字されたシアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリ
ーン、ブルー6色印字部の裏面の光学濃度(OD値)を
測定した。測定は、938Spectro−Densi
tometer(X−Rite社製)を用いて行った。
【0041】 ○ : OD値 <0.3 × : OD値 ≧0.3
【0042】(保存安定性評価1)ガラスプレート上に
インクを0.5ml滴下し、25℃下大気中に放置し、
固形物(染料)の析出の有無を計時的に目視で観察し
た。
【0043】 ○: 観察開始48時間後においても析出物が確認され
ない。 △: 観察開始24時間から48時間の間に析出物が確
認された。 ×: 観察開始24時間以内に析出物が確認された。
【0044】(保存安定性の評価2)水性インクをポリ
エチレン製容器内に60℃で1ヶ月保存し、表面張力、
粘度、pHの変化と、析出物の有無を調べ、下記の評価
基準に従って保存安定性を評価した。
【0045】 ○:物性の変化が殆どなく、析出物が確認されない。 △:物性の変化が若干あったが、析出物は確認されな
い。 ×:物性が大きく変化し、析出物が確認される。
【0046】(滲みの評価)解像度720dpiのピエ
ゾ型インクジェットプリンターを用いて印字テストを行
い、画像の滲みの度合いを確認した。
【0047】 ○:滲まない。 △:若干滲む。 ×:滲む。
【0048】これらの条件において、実施例1〜28を
表1〜7に示す。
【0049】また、比較例1〜28を表8〜14に示
す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】
【表8】
【0058】
【表9】
【0059】
【表10】
【0060】
【表11】
【0061】
【表12】
【0062】
【表13】
【0063】
【表14】
【0064】(Gamut面積)3色インクセットを用
いて印字されたシアン、マゼンタ、イエロー、レッド、
グリーン、ブルー6色の印字部をL*a*b*表色系に
て測色する。6色のa*b*値からインクセットの色再
現性の指標となるGamut面積を算出する。なお、測
色は938Spectro−Densitometer
(X−Rite社製)を用いて、L*a*b*表色系
(CIELAB表色系)にて行った。
【0065】(吐出安定性の評価)1滴のインク液滴量
が20pl(ピコリットル)となるように調整された解
像度720dpiのピエゾ型インクジェットプリンター
を用いて100枚の印刷テストを行った。印字紙として
は、市販の再生紙(A4版)を使用した。100枚の印
刷サンプルについて画像の鮮明度を確認し、下記評価基
準に従って吐出安定性を評価した。
【0066】 ○:全て良好な印刷画像である。 △:殆どが良好であったが、一部異常な画像が見られ
た。 ×:異常な印刷画像が多く見られた。
【0067】実施例29を表15に、比較例29を表1
6に示す。
【0068】
【表15】
【0069】
【表16】
【0070】なお、本実施の形態においては、本発明は
それに限定されず、本発明を適用する上で好適なインク
組成物に関する技術に適用することができる。
【0071】また、上記構成部材の数、位置、形状等は
上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好
適な数、位置、形状等にすることができる。
【0072】なお、各図において、同一構成要素には同
一符号を付している。
【0073】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、以下に掲げる効果を奏する。着色剤と、ジエチレン
グリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール#2
00(平均分子量200)、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、1−メチル−2−ピロリドン、トリエ
タノールアミン、尿素の7種の化合物を含有するインク
組成物を使用したインクは、インクジェット記録用とし
て保存安定性が優れ、かつ広い色再現性を有し、裏抜け
等を抑制した良好な印字画像を印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るインク組成物におけ
る化合物の一例の一般式である。
【符号の説明】
A 複素環化合物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植木 弘之 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA05 FA04 FC02 2H086 BA01 BA52 BA56 BA59 4J039 AE07 BC07 BC11 BC15 BC33 BC35 BC37 BC40 BC50 BC51 BC52 BC65 BC73 BC77 BC79 BE06 EA15 EA16 EA17 EA44 EA47 GA24

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シアン、マゼンタ及びイエローの各色を
    つけるための着色剤と、 ジエチレングリコールとグリセリンと平均分子量200
    のポリエチレングリコールとジエチレングリコールモノ
    ブチルエーテルと1−メチル−2−ピロリドンとトリエ
    タノールアミンと尿素との7種の化合物とを含有するこ
    とを特徴とするインク組成物。
  2. 【請求項2】 前記ジエチレングリコールの含有量がイ
    ンク総重量の8〜15%であることを特徴とする請求項
    1に記載のインク組成物。
  3. 【請求項3】 前記グリセリンの含有量がインク総重量
    の3〜7%であることを特徴とする請求項1又は2に記
    載のインク組成物。
  4. 【請求項4】 前記ポリエチレングリコールの含有量が
    インク総重量の4〜6%であることを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載のインク組成物。
  5. 【請求項5】 前記ジエチレングリコールモノブチルエ
    ーテルの含有量がインク総重量の1〜5%であることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインク組
    成物。
  6. 【請求項6】 前記1−メチル−2−ピロリドンの含有
    量がインク総重量の3%以下であることを特徴とする請
    求項1乃至5のいずれかに記載のインク組成物。
  7. 【請求項7】 前記トリエタノールアミンの含有量がイ
    ンク総重量の3%以下であることを特徴とする請求項1
    乃至6のいずれかに記載のインク組成物。
  8. 【請求項8】 前記尿素の含有量がインク総重量の3%
    以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか
    に記載のインク組成物。
  9. 【請求項9】 前記着色剤が水溶性染料であることを特
    徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のインク組成
    物。
  10. 【請求項10】 シアンインクの前記着色剤に、Dir
    ectBlue199、又は、AcidBlue86の
    うち、少なくともどちらか1つを使用することを特徴と
    する請求項1乃至9のいずれかに記載のインク組成物。
  11. 【請求項11】 マゼンタインクの前記着色剤は、下記
    一般式(I)で示される化合物を含有することを特徴と
    する請求項1乃至10のいずれかに記載のインク組成
    物。 【化1】 (式中、Aは、環内に2個乃至3個のヘテロ原子を有す
    る複素環化合物を表し、X及びYは、水素、炭素数1〜
    6のアルキル基、又は、炭素数1〜6のアルコキシル
    基、又は、置換基がSONaである炭素数1〜6の置
    換アルキル、又は、置換基がOHである炭素数1〜6の
    置換アルキルを表し、XとYとは互いに同一の場合、又
    は、異なっている場合があり、Rは、水素、又は、炭素
    数1〜6のアルキル基であり、Zは、炭素数1〜6の置
    換アルキレン基である。)
  12. 【請求項12】 イエローインクの前記着色剤に、少な
    くともDirectYellow132、又は、Dir
    ectYellow86のうち、少なくともどちらか1
    つを使用することを特徴とする請求項1乃至11のいず
    れかに記載のインク組成物。
  13. 【請求項13】 カラープリンターでの印刷に用いられ
    るインクセットであって、ブラック色以外の複数色の各
    カラーインクに請求項1乃至12のいずれかに記載のイ
    ンク組成物を含有することを特徴とするインクセット。
  14. 【請求項14】 複数色のインクを用いるインクジェッ
    トプリンターであって、請求項13に記載のインクセッ
    トを備え、該インクセットを印刷に使用することを特徴
    とするインクジェットプリンター。
  15. 【請求項15】 プリンターでの印刷に用いられるイン
    クジェット記録方法であって、請求項1乃至12のいず
    れかに記載のインク組成物を含有するインクを用いて印
    刷を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
  16. 【請求項16】 プリンターでの印刷に用いられるイン
    クジェット記録方法であって、ブラック色以外の各色の
    インクに請求項1乃至12のいずれかに記載のインク組
    成物を含有するインクを使用して、記録媒体に印字を行
    うことを特徴とする請求項15に記載のインクジェット
    記録方法。
  17. 【請求項17】 前記インクの各色において、 シアンインクの着色剤にはDirectBlue19
    9、 マゼンタインクの着色剤には下記一般式(I)で示され
    る化合物、 イエローインクの着色剤にはDirectYellow
    132を含有させて前記記録媒体に印字を行うことを特
    徴とする請求項15又は16に記載のインクジェット記
    録方法。 【化2】 (式中、Aは、環内に2個乃至3個のヘテロ原子を有す
    る複素環化合物を表し、X及びYは、水素、炭素数1〜
    6のアルキル基、又は、炭素数1〜6のアルコキシル
    基、又は、置換基がSONaである炭素数1〜6の置
    換アルキル、又は、置換基がOHである炭素数1〜6の
    置換アルキルを表し、XとYとは互いに同一の場合、又
    は、異なっている場合があり、Rは、水素、又は、炭素
    数1〜6のアルキル基であり、Zは、炭素数1〜6の置
    換アルキレン基である。)
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