JP2003020425A - インクジェット記録用インク、カラーインクセット及び画像の形成方法 - Google Patents

インクジェット記録用インク、カラーインクセット及び画像の形成方法

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JP2003020425A
JP2003020425A JP2001206090A JP2001206090A JP2003020425A JP 2003020425 A JP2003020425 A JP 2003020425A JP 2001206090 A JP2001206090 A JP 2001206090A JP 2001206090 A JP2001206090 A JP 2001206090A JP 2003020425 A JP2003020425 A JP 2003020425A
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希世文 永井
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明彦 後藤
Toshiro Tokuno
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均 有田
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哲也 金子
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延崇 長田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像濃度が高く、かつ滲みの少ない高品
位な画像が提供でき、また、両面印字の可能な裏抜けの
少ない安全性にも優れたインクジェット記録用インクを
提供する。 【解決手段】 水、水に溶解する着色剤、界面活性剤、
湿潤剤、及び2−エチル−1,3−ヘキサンジオール
(以下EHDと略す)とからなる記録用インクにおい
て、前記EHDに含まれる不純物量が0.01〜2重量
%の範囲であるEHDを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像濃度が高くか
つ滲みの少ない高品位な画像を提供でき、また両面印字
を可能にする裏抜けの少ない、安全性にも優れたインク
ジェット記録用インク、また、特に耐水耐光性に優れ、
色調及び色再現性が良好なそのカラーインクセット及び
カラー画像の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、高速記録が
可能であること、記録媒体に非接触であるため記録媒体
には、普通紙を始め種々のものが使用可能であること、
安価にカラー画像を得ることが可能であるなどの利点か
ら、近年の普及状態にはめざましいものがある。インク
ジェット記録において、長期に亘って良好な印字記録を
行うためには、使用するインクが、以下の条件を満たす
ことが要求されている。
【0003】1.インクの噴射方向安定性や、吐出安定
性等の噴射特性が優れていること。 2.インクの保存安定性が優れていること。即ち、長期
間の保存、連続使用あるいは記録休止中に化学変化によ
り析出が生じて、ノズルが詰まったり、インク物性が変
化しないこと。 3.印字記録された画像のコントラストが十分に高く、
滲みのない鮮明画像であること。 4.記録画像の乾燥が速いこと。 5.印字記録された画像の耐水性、耐光性等すなわち保
存性が優れていること。 6.フルカラープリンター用カラーインクとして、高純
度の色調を有し、色再現性の優れた画像形成が可能なこ
と。
【0004】以上のような要求を満足するため、これま
でインクジェット記録等に用いられるインクとして、数
多くの提案がなされているが、上記の諸条件全てを充分
に満足するインクはまだ得られていないのが現状であ
る。
【0005】また、カラープリンターの場合、マゼン
タ、イエロー、シアンの単色印字部では高画質が確保で
きても、レッド、グリーン、ブルーの2色重ね部分で滲
み等の画像品質の低下が起こりやすく、特に定着装置を
用いないで乾燥を行う場合、インクの乾燥速度が遅いと
境界滲み等の画像品質の低下は著しい。
【0006】更に今後よりいっそう高速印字化が進むこ
と、またカラー画像における色境界や2色重ね部分の画
質を向上させることを考えると、インクの乾燥を速める
ことは重要な課題であり、そのためにもインクの浸透性
を制御する浸透剤種の選択が画質を左右すると言っても
過言ではない。
【0007】界面活性剤は、インクの表面張力を下げ、
紙への浸透性を高める目的で添加されるが、例えば特開
昭55−29546号公報記載の処方では、見かけ上の
乾燥性は上がるものの、この処方は紙により著しく滲む
という欠点があった。また、特公昭58−6752号公
報では、アセチレン結合を有するエチレンオキサイド付
加体対を界面活性剤として用いることにより、浸透性を
向上させ滲みの少ない速乾性インクが開示されているが
この界面活性剤は、同時に使用する染料によっては相互
作用のため、乾燥速度が向上しないといった問題があ
る。また、特公昭60−23793号公報によると、界
面活性剤として、ジアルキルスルホコハク酸が、乾燥性
を向上し、画質劣化も少ないとしているが、従来から知
られるジオクチルスルホ琥珀酸ナトリウムや、ジ(2−
エチルヘキシル)スルホ琥珀酸ナトリウム等では、紙に
よって画素径が著しく異なるなどの問題がある。また特
開平6−157959号公報では、2−エチル−1,3
−ヘキサンジオール(EHD)を添加すると良いとして
いるが、EHD単独では溶解性が悪く、またインクの乾
燥性と画質とのバランスが不十分であった。加えて、E
HDの精製度合いによっては、保存安定性に問題が残っ
たり、目詰まり等が起こりやすくなったり、また、不純
物による臭気が問題となる場合がある。
【0008】画像の耐光性、耐水性、及び色調、色再現
領域という点に関しては、主としてインクを構成する組
成物中の着色剤である染料に起因するものである。例え
ば、染料の濃度は高い方が、コントラストの高い、鮮明
な印字画像が得られるが、その濃度を上げるためには、
染料の溶解安定性が高いことが必要である。しかし、染
料の溶解安定性が高くなると、インクの保存安定性及び
吐出安定性は高くなるが、逆に、印字画像の耐水性は悪
くなるというジレンマがある。また、カラー画像形成に
おいては、良好な色調再現のための各染料の色調も重要
な問題である。
【0009】バランスのとれた、耐水耐光性、鮮明性、
相互の演色性に優れたカラー画像形成のためのインクセ
ットとして、例えば特開平8−310116号公報で
は、特定の構造を有するイエロー、マゼンタ、シアン、
及びブラック染料を組み合わせるとよいとしているが、
これらの染料は耐水性が十分とは言えず、また色調や色
再現性も満足できるものではない。また、米国特許第5
143547号によれば、イエロー、マゼンタ、シアン
の3色の組み合わせとして、アシッドイエロー23、ダ
イレクトレッド227、アシッドブルー9の組み合わせ
が色再現性が良好であるとしているが、アシッドイエロ
ー23は耐水性が悪く、また、ダイレクトレッド227
も耐水性及び色調の点で充分満足できるものではない。
また、米国特許第5145519号によれば、ダイレク
トイエロー86、アシッドレッド52、アシッドブルー
9の組み合わせが色再現性に優れるとしているが、ダイ
レクトイエロー86は色調が充分とは言えないなどの問
題があり、全てにバランスのとれた染料の組み合わせに
よるインクセットは得られていないのが現状である。
【0010】また、湿潤剤の役割としては、水中に着色
剤を安定に溶解させることで、ノズル近傍等での水分蒸
発に伴う染料析出等による目詰まりを防止することがで
きる。湿潤剤の量が多ければ、インクの保存安定性は増
すが、多すぎると粘度が高くなり、ノズルからの吐出が
困難になるなどの問題が生じる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は従来の
欠点を全て解消したインクジェット記録用カラーインク
セット及びカラー画像形成方法の提供にある。詳細に
は、特に画像濃度が高くかつ滲みの少ない高品位な画像
が提供でき、また両面印字を可能にする裏抜けの少な
い、安全性にも優れたインクジェット記録用インク、ま
た色調が良好で、耐水耐光性、色再現性に優れ、かつ保
存安定性、吐出安定性の高い、全てにバランスのとれた
カラーインクセット及びカラー画像を提供することにあ
る。
【0012】更に詳細には、第1に、高画質が得られ、
かつインクの信頼性、及び安全性をともに向上させるた
めの浸透剤種類を提示し、またその不純物量に関し許容
できる範囲を提示すること、第2に、高信頼性を保ち、
画像濃度が高く鮮明な画像を得るための浸透剤の適切な
添加量を提示すること、第3に、より鮮明な画像を提供
するための界面活性剤の構造及び添加量を提示するこ
と、第4に、より高い信頼性を確保するためのカウンタ
ーイオンの構造を提示すること、第5に、保存安定性の
より高いインクを提供するための湿潤剤の種類及び添加
量を提示すること、第6に、色調が良好で、耐水耐光性
及び色再現性に優れた染料の組み合わせを提示するこ
と、第7に、金属部材の腐食を抑え、目詰まりのない、
保存安定性及び吐出安定性に優れたインクを提供するた
めの適切なpH領域を提示すること、第8に従来の全て
の欠点を解消したインクジェット記録用カラーインクセ
ットを搭載した記録装置を提供すること、第9に、より
鮮明で高品位なカラー画像を提供するための、印字方法
を提示することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、画像濃度が高
くかつ滲みの少ない高品位な画像を提供でき、また両面
印字を可能にする裏抜けの少ない、安全性にも優れたイ
ンクジェット記録用インク、また、特に耐水耐光性に優
れ、色調及び色再現性が良好なそのカラーインクセット
及びカラー画像の形成方法に関するもので、その構成は
下記のとおりである。
【0014】[1]水、水に溶解する着色剤、界面活性
剤、湿潤剤、及び2−エチル−1,3−ヘキサンジオー
ル(以後EHDと略す)を含むインクにおいて、該EH
Dに含まれる不純物量が0.01〜2重量%の範囲であ
ることを特徴とするインクジェット記録用インク。
【0015】[2]含有されるEHDの量が、インク全
量の0.1〜4重量%の範囲であることを特徴とする前
記[1]記載のインクジェット記録用インク。
【0016】[3]含有される界面活性剤が、下記一般
式(1)で表される界面活性剤であり、かつインク全量
の0.5〜3重量%含有されることを特徴とする前記
[1]又は[2]記載のインクジェット記録用インク。 RO(CH2CH2O)nCH2COOM (1) R:炭素数13又は14の直鎖あるいは分岐したアルキ
ル基 n:3〜12の整数 M:アルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホスホ
ニウム又はアルカノールアミン
【0017】[4]インクに含有される着色剤の対イオ
ン及び/又は界面活性剤の対イオンが、ナトリウム、リ
チウム及び/又は下記一般式(2)で表される第4級ア
ンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミン
イオンであることを特徴とする前記[1]〜[3]のい
ずれかに記載のインクジェット記録用インク。
【0018】
【化2】 Z :窒素又はリン R〜R :水素、炭素数1〜4のアルキル基、ヒド
ロキシル基又はハロゲン化アルキル基
【0019】[5]含有される湿潤剤が、グリセロール
及びジエチレングリコールの混合物であって、かつイン
ク全量の10〜30重量%含有されることを特徴とする
前記[1]〜[4]のいずれかに記載のインクジェット
記録用インク。
【0020】[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記
載の構成を持つインクにおいて、イエローの着色剤とし
て少なくとも Pro-jet Fast Yellow 2(ゼネカ社製)
及びC.I.Direct Yellow 142を含有するイエローイン
ク、マゼンタの着色剤として少なくともC.I.Acid Red
52及びMJR611(三菱化学社製)を含有するマゼ
ンタインク、シアンの着色剤として少なくともPro-jet
Fast Cyan 2(ゼネカ社製)を含有するシアンインク、
ブラックインクの着色剤として少なくともC.I.Direct B
lack 168を含有するブラックインクとからなること
を特徴とするインクジェット記録用カラーインクセッ
ト。
【0021】[7]各インクのpHが、9〜11に調整
されたことを特徴とする前記[6]記載のインクジェット
記録用カラーインクセット。
【0022】[8]前記[6]又は[7]記載のインク
ジェット記録用カラーインクセットを搭載したインクジ
ェット記録装置。
【0023】[9]前記[6]又は[7]記載のインク
ジェット記録用カラーインクセットを用いたカラー画像
の形成方法において、ステキヒトサイズ度が3秒以上の
紙に、複数のインク吐出口を有するヘッドを用いて印字
する際、複数回のスキャンで全てのインク吐出口に対応
する印字ドットを印字することを特徴とするカラー画像
の形成方法。
【0024】以下具体例を挙げて、本発明の詳細な説明
を行う。本発明は、水、水に溶解する着色剤、浸透剤、
湿潤剤、界面活性剤を含むインクジェット記録用インク
において、浸透剤として不純物量がある特定の範囲内に
あるEHDを使用することにより、高速印字時も画像濃
度が高く滲みの少ない高品位な画像を得ることができる
ことを見いだしたものである。また不純物量を抑えるこ
とにより、より長期放置後の信頼性も向上し、また臭気
の問題も改善されることとなった。
【0025】このような不純物の少ないEHDは原材料
であるアルデヒドの段階から純度の高いものを使用する
ことで製造されるが、このようにして製造されたEHD
としては、例えば具体的には協和発酵社製の「オクタン
ジオール」として入手することができる。
【0026】本発明では、浸透剤として不純物量がある
特定範囲内にあるEHDを添加することで、インクの浸
透性を上げると同時に着色剤を表面にとどめることで、
境界滲みがなく、画像濃度が高くかつ裏写りの少ない印
字画像を得ることが可能となった。EHDの添加量とし
てはインク全量の0.1〜4重量%が好ましく、更に好
ましくは0.5〜3重量%である。0.1重量%未満で
は効果が少なく、4重量%を越えるとではこれ自体の溶
解性が低いために、信頼性が悪くなる。
【0027】また本発明では、EHD以外にも、特性に
影響を及ぼさない範囲内で、以下に示すような浸透剤を
併用しても良い。併用できる浸透剤としては、グリコー
ルエーテル類が望ましく、中でもジエチレングリコール
モノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、及びジプロピレングリコールモノブチルエーテル等
が好ましい。
【0028】また本発明で使用される界面活性剤として
は、下記一般式(1)で表される界面活性剤を使用する
ことで、乾燥性が速く、かつ境界滲み、文字滲みのない
鮮明なカラー画像の提供が可能となった。 RO(CH2CH2O)nCH2COOM (1) R:炭素数13又は14の直鎖あるいは分岐したアルキ
ル基 n:3〜12の整数 M:アルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホスホ
ニウム又はアルカノールアミン
【0029】市販の界面活性剤で本化合物を主成分とし
て含有するものとしては、日光ケミカルズ(株)より入
手可能なECTD−3NEX(一般式(1)において、
R:トリデシル基、n:3、M:Na)、ECTD−6
NEX(一般式(1)において、R:トリデシル、m:
6、M:Na)等の界面活性剤が挙げられる。
【0030】本発明では、上記界面活性剤の他に、イン
ク特性に影響を及ぼさない範囲内で、下記に示すような
界面活性剤を併用してもよい。併用できる界面活性剤と
しては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレングリコールエステル、あるいはアセチレン系界面
活性剤やシリコン系界面活性剤等のノニオン系界面活性
剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジ
アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン系界面活性剤が
挙げられる。
【0031】具体的には、ノニオン系界面活性剤として
は、BTシリーズ(日光ケミカルズ)ノニポールシリー
ズ(三洋化成)、サーフィノールシリーズ(エアープロ
ダクツ)シリコーン(東レダウコーニング等)として、
入手できる。またアニオン系界面活性剤としては、具体
的にはニッコールECTシリーズ(商品名、日本サーフ
ァクタント工業化学社製)等として、入手できる。
【0032】これらの界面活性剤はインクの表面張力を
下げ、インクの紙への浸透性を上げることによって、印
字画像の乾燥性を速めるために添加されるものであり、
その添加量は、インクの表面張力が、通常、50mN/
m以下、好ましくは40mN/m以下になるように調整
され、水性インク組成物全量に対して、0.5〜3重量
%が好ましい。前記界面活性剤の添加量は、0.5重量
%よりも少ないと、動的表面張力が高いため乾燥性が悪
く、逆に3重量%よりも多いと保存時に界面活性剤の析
出などが生じる。
【0033】また着色剤の対イオン及び界面活性剤の対
イオンはナトリウム、リチウム及び/又は下記一般式
(2)で示される第4級アンモニウム、第4級ホスホニ
ウム、アルカノールアミンイオンである場合に優れた溶
解安定性及び良好な印字画像が得られる。
【0034】
【化3】 Z :窒素又はリン R〜R :水素、炭素数1〜4のアルキル基、ヒド
ロキシル基又はハロゲン化アルキル基
【0035】対イオンをこのようなアルカリイオンにす
るには、インク調整時にこれらを水に溶解する際、所望
のアルカリイオンを含んだアルカリ水酸化物を添加する
ことにより容易に行える。例えばリチウム塩の場合は水
酸化リチウムを添加することにより行える。
【0036】また本発明で使用される湿潤剤としては、
ジエチレングリコール及びグリセロールの混合物を使用
することで、インクの保存安定性及び吐出安定性が、格
段に向上することが明らかとなった。
【0037】本発明では、上記湿潤剤の他に、特性に影
響を及ぼさない範囲内で、下記に示すような湿潤剤を併
用してもよい。併用できる湿潤剤としては、エチレング
リコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘ
キサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、
1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価
アルコール類、 エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエー
テル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多
価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコール
モノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジ
ルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2
−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒド
ロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミ
イダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環
化合物などが挙げられるが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0038】湿潤剤の含有量としては10〜30重量%
の範囲で使用されるが、より好ましくは12〜20重量
%である。湿潤剤量が10重量%より少ないと、染料の
溶解安定性が不十分でノズル部での染料析出が起こりや
すく、また湿潤剤量が30重量%を越えると環境温度変
化に伴うインクの増粘が問題となる。
【0039】また、特定の着色剤を組み合わせたインク
を使用することで、色調が良好で、耐水耐光性、色再現
性に優れ、コントラストが高く裏写りの少ない画像が得
られ、かつ保存安定性、吐出安定性の高い、全てにバラ
ンスのとれたインクセット及びカラー画像の提供が可能
となる。
【0040】さらに詳細には、水、水に溶解する着色
剤、湿潤剤、界面活性剤およびEHDを含む、イエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクで構成
されたインクジェット記録用インクセットにおいて、前
記イエローインクが少なくともPro-jet Fast Yellow 2
(ゼネカ社製)及びC.I.Direct Yellow 142を染料と
して含有し、前記マゼンタインクが少なくともC.I.Acid
Red 52及びMJR611(三菱化学社製)を染料と
して含有し、前記シアンインクが少なくともPro-jet Fa
st Cyan 2(ゼネカ社製)を染料として含有し、前記ブ
ラックインクのが少なくともC.I.Direct Black 168
を染料として含有するインクを用いることにより、色調
が良好で、耐水耐光性、色再現性に優れ、保存安定性、
吐出安定性の高い、全てにバランスのとれたインクセッ
ト及びカラー画像の提供が可能となった。
【0041】本発明で使用されるインク中に含有される
着色剤としては、上記染料以外の染料でも、色調その他
の特性に悪影響を及ぼさない範囲であれば、添加しても
構わない。併用可能な染料の具体例を以下に示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】 酸性染料、食用染料としては C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142 C.I.アシッドレッド 1,8,13,14,18,26,27,35, 37,42,87,89,92,97,106, 111,114,115,134,186, 249,254,289 C.I.アシッドブルー 9,29,45,92,249 C.I.アシッドブラック 1,2,7,24,26,94 C.I.フードイエロー 3,4 C.I.フードレッド 7,9,14 C.I.フードブラック 1,2
【0043】 直接性染料としては C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,26,33,44,50, 86,120,132,142,144 C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,13,17,20,28,31, 39,80,81,83,89,225, 227 C.I.ダイレクトオレンジ 26,29,62,102 C.I.ダイレクトブルー 1,2,6,15,22,25,71,76, 79,86,87,90,98,163, 165,199,202 C.I.ダイレクトブラック 19,22,32,38,51,56,71, 74,75,77,154,171 等が、挙げられる。
【0044】また本発明においては、上記添加剤の他
に、防腐防かび剤を添加しても良い。良好な防腐防かび
剤としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン
が使用でき、これにより保存安定性及び吐出安定性等の
信頼性を確保しつつ、防腐防かび効果に優れるインク及
びカラー画像が提供できる。防腐防かび剤の添加量とし
ては、0.2〜1.0重量%が好ましい。添加量が0.2
重量%より少ないと、防腐防かび効果が不十分となり、
また添加量が1.0重量%を越えると、防腐防かび剤自
体の析出が問題となる場合がある。1,2−ベンズイソ
チアゾリン−3−オンを含有する、市販される防腐防か
び剤としては、サンアイバックAP(三愛石油社製)
や、プロキセルXL(I.C.I.製)などが挙げられ
る。
【0045】本発明のインクは、染料の溶解安定性を保
ち、またノズルプレートに使用される金属への影響を考
慮し、pHを9〜11に調整することで、より信頼性の
高いインクとして提供できることとなった。
【0046】また、本発明においては、その他目的に応
じて、浸透剤、金属腐食抑制剤、水溶性紫外線吸収剤、
水溶性赤外線吸収剤等を添加することもできる。
【0047】本発明のインクセットを、ステキヒトサイ
ズ度が3秒以上の紙に、複数のインク吐出口を有するヘ
ッドを用いて印字する際、複数回のスキャンで全てのイ
ンク吐出口に対応する印字ドットを印字することのでき
るカラー画像の形成方法に用いることにより、より鮮明
で高品位なカラー画像を得ることができる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例および比較
例を示す。 実施例1 協和発酵社製のEHD「オクタンジオール」の純度を、
ガスクロマトグラフィーにて分析し、不純物量が0.0
1重量以上で1重量%未満であることを確認した。
【0049】このEHDを使用して、下記の組成でイン
クを作製したが、インク作製時の臭気は全く気にならな
かった。 〈ブラックインクの組成〉 C.I.Direct Black 168(ゼネカ社製) 4重量% EHD(「オクタンジオール」協和発酵社製) 2重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセロール 5重量% ECTD−3NEX(日光ケミカルズ) 1重量% プロキセルXL(I.C.I.製) 0.4重量% イオン交換水 残量
【0050】比較例1 市販の特級試薬のEHDの純度を、実施例1同様にガス
クロマトグラフィーにて分析し、不純物量が3重量%以
上あることを確認した。
【0051】このEHDを使用して、下記の組成でイン
クを作製したが、インク作製時の臭気が気になった。 〈ブラックインクの組成〉 C.I.Direct Black 168(ゼネカ社製) 4重量% EHD(市販の特級試薬) 2重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセロール 5重量% ECTD−3NEX(日光ケミカルズ) 1重量% プロキセルXL(I.C.I.製) 0.4重量% イオン交換水 残量
【0052】上記組成で処方した実施例1及び比較例1
のインク組成物を、それぞれ室温中で撹拌溶解し、水酸
化リチウムにてpHを10.5に調整した後、0.22
μmのテフロン(登録商標)フィルターにて濾過し、更
に30分程度の脱気を行って各インクを作製した。
【0053】次にこれらのインクについて、長期放置後
の信頼性評価、及びインク作製時の臭気のありなしを評
価した。結果は表1に示す。
【0054】評価1:長期放置後の信頼性評価 ノズルプレートがニッケルで形成された積層PZTを液
室流路の加圧に使用した300dpiのノズルを有するイ
ンクジェットプリンターに実施例1インク、及び比較例
1インクを充填し、キャップをした状態で室温中に3ヶ
月間放置後、ワイピング、吸引等のクリーニング操作を
0回及び1回行って印字させ、放置前後の画素径、ドッ
ト位置精度の比較を行った。クリーニング操作0回で、
画素径、ドット位置精度ともに問題がない場合を○、ク
リーニング操作1回で回復する場合に△、それ以外を×
とした。
【0055】
【表1】
【0056】比較例2 実施例1インクのEHDの量を2重量%から5重量%に
変えた他は、実施例1と同様にしてインクを作製した。
【0057】比較例3 実施例1インクのEHDの量を2重量%から0.05重
量%に変えた他は、実施例1と同様にしてインクを作製
した。
【0058】上記比較例2インク及び比較例3インクに
ついて、下記に示す画像の鮮明性の評価及び上記に示し
た長期放置後の信頼性評価を行い、実施例1インクと比
較した。結果は表2に示す。
【0059】評価2:画像鮮明性の評価 試験2−1:画像濃度の評価 各インクにて印字した100%黒のベタ部を、反射型カ
ラー分光測色濃度計X−Rite938(X−Rite社製)
を用いてその画像濃度を測定をした。 試験2−2:裏抜けの評価 各インクにて印字した100%黒のベタ部を、紙の裏側
から反射型カラー分光測色濃度計X−Rite938(X
−Rite社製)を用いてその画像濃度(裏抜け)を測定
した。 試験2−3:.滲みの評価 各インクにて、印字したサンプルの滲みを目視によりそ
れぞれ評価した。印字用紙としては、市販の再生紙、コ
ピー用紙、インクジェット専用紙の3紙に印字し、評価
は、3紙とも良好なものを○、それ以外を×とした。
【0060】
【表2】
【0061】実施例2 下記組成にて、インクを作製し、実施例1インクの黒イ
ンクと合わせて、実施例2インクセットとした。 〈イエローインクの組成〉 Pro-jet Fast Yellow 2(ゼネカ社製) 1.5重量% C.I.Direct Yellow 142(ダイワ化成社製) 0.5重量% EHD(「オクタンジオール」協和発酵社製) 2重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセロール 5重量% ECTD−3NEX(日光ケミカルズ) 1重量% サンアイバックAP(三愛石油社製) 0.4重量% イオン交換水 残量
【0062】 〈マゼンタインクの組成〉 C.I.Acid Red 52(ダイワ化成社製) 0.7重量% MJR611(三菱化学社製) 1.3重量% EHD(「オクタンジオール」協和発酵社製) 1重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセロール 5重量% ECTD−3NEX(日光ケミカルズ) 1重量% プロキセルXL(I.C.I.製) 0.4重量% イオン交換水 残量
【0063】 〈シアンインクの組成〉 Pro-jet Fast Cyan 2(ゼネカ社製) 3重量% EHD(「オクタンジオール」協和発酵社製) 1重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセロール 5重量% ECTD−3NEX(日光ケミカルズ) 1重量% サンアイバックAP(三愛石油社製) 0.4重量% イオン交換水 残量
【0064】上記組成で処方した各インク組成物を、室
温中で撹拌溶解し、水酸化リチウムにてpHを10.5
に調整した後、0.22μmのテフロンフィルターにて
濾過し、更に30分程度の脱気を行ってインクを作製し
た。
【0065】比較例4 下記組成でインクを作製し、比較例4インクセットとし
た。 〈イエローインクの組成〉 Pro-jet Fast Yellow 2(ゼネカ社製) 2重量% 1,5−ペンタンジオール 10重量% グリセロール 2重量% ECTD−3NEX(日光ケミカルズ) 1重量% サンアイバックAP(三愛石油社製) 0.4重量% イオン交換水 残量
【0066】 〈マゼンタインクの組成〉 C.I.Acid Red 52(ダイワ化成社製) 1.8重量% 1,5−ペンタンジオール 10重量% ECTD−3NEX(日光ケミカルズ) 1重量% サンアイバックAP(三愛石油社製) 0.4重量% イオン交換水 残量
【0067】 〈シアンインクの組成〉 Pro-jet Fast Cyan 2(ゼネカ社製) 3重量% ジエチレングリコール 5重量% グリセロール 2重量% ECTD−3NEX(日光ケミカルズ) 1重量% サンアイバックAP (三愛石油社製) 0.4重量% イオン交換水 残量
【0068】 〈ブラックインクの組成〉 C.I.Direct Black 168(ゼネカ社製) 4重量% ジエチレングリコール 23重量% グリセロール 10重量% ECTD−3NEX(日光ケミカルズ) 1重量% サンアイバックAP(三愛石油社製) 0.4重量% イオン交換水 残量
【0069】上記組成で処方した各インク組成物を、室
温中で撹拌溶解し、水酸化リチウムにてpHを10.5
に調整した後、0.22μmのテフロンフィルターにて
濾過し、更に30分程度の脱気を行ってインクを作製し
た。
【0070】比較例5 下記組成にて、インクを作製し、比較例5インクセット
とした。 〈イエローインクの組成〉 C.I.Acid Yellow 23 1.5重量% EHD(市販の特級試薬) 1重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセロール 5重量% ECTD−3NEX(日光ケミカルズ) 1重量% サンアイバックAP(三愛石油社製) 0.4重量% イオン交換水 残量
【0071】 〈マゼンタインクの組成〉 C.I.Direct Red 227 3重量% EHD(市販の特級試薬) 1重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセロール 5重量% ECTD−3NEX(日光ケミカルズ) 1重量% サンアイバックAP(三愛石油社製) 0.4重量% イオン交換水 残量
【0072】 〈シアンインクの組成〉 C.I.Direct Blue 199 3重量% EHD(市販の特級試薬) 1重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセロール 5重量% ECTD−3NEX(日光ケミカルズ) 1重量% サンアイバックAP(三愛石油社製) 0.4重量% イオン交換水 残量
【0073】 〈ブラックインクの組成〉 C.I.Direct Black 154 3重量% EHD(市販の特級試薬) 1重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセロール 5重量% ECTD−3NEX(日光ケミカルズ) 1重量% プロキセルXL(I.C.I.製) 0.4重量% イオン交換水 残量
【0074】上記組成で処方した各インク組成物を、室
温中で撹拌溶解し、水酸化リチウムにてpHを10.5
に調整した後、0.22μmのテフロンフィルターにて
濾過し、更に30分程度の脱気を行ってインクを作製し
た。
【0075】実施例2インクセット、比較例4インクセ
ット、比較例5インクセットについて、長期保存後の信
頼性評価、及び下記に示す、耐水性評価、色調、色境界
滲みの評価、保存性評価を行った。評価結果は表3に示
す。
【0076】評価3:印字画像の耐水性評価 各インクにて印字した画像サンプルを30℃の水に1分
間浸漬し、浸漬前後の画像濃度の変化をマクベス濃度計
で測定し、下記の式にて耐水性(退色率%)を求め、退
色率が30%未満の場合に○、30%以上の場合に×と
した。
【0077】
【数1】
【0078】評価4:色調、色境界滲みの評価 各インクセットにて、カラー画像の印字を行い、色調、
色境界滲みを目視によりそれぞれ評価した。印字用紙と
しては、市販の再生紙、コピー用紙、インクジェット専
用紙の3紙に印字し、評価は、3紙とも良好なものを
○、それ以外を×とした。
【0079】評価5:保存安定性の評価 各インクをポリエチレン容器に入れ、−20℃、20
℃、50℃のそれぞれの条件下で2カ月保存し、保存後
の表面張力、粘度、及び沈澱物析出の有無を調べた。ど
の条件で保存しても、物性等の変化がなく、沈殿がみら
れないものを○とし、それ以外を×とした。
【0080】
【表3】
【0081】比較例6 実施例2インクセットの各インク組成において、界面活
性剤をノニオン系界面活性剤BT−7(日光ケミカル
ズ)に変えた他は、同様の組成として、比較例6インク
セットを作製した。
【0082】このインクについて、評価2を行ったとこ
ろ印字画像の滲みが×となった。また下記に示す評価6
を実施例2インクセット及び比較例6インクセットにつ
いて行った。結果は表4に示す。
【0083】評価6:印字方法による画像の鮮明性 リコー社製のプリンター IPSiO JET 300
を用い、1スキャンによる印字画像と2スキャンによる
印字画像との境界滲み及び文字の滲みを評価した。印字
用紙は、市販の再生紙、コピー用紙、インクジェット専
用紙の3紙を用い、目視により総合的に判断した。
【0084】
【表4】
【0085】表4に示す通り、2スキャンで印字を行う
方が、2色重ね部での境界滲み及び文字の滲みが、1ス
キャンでの印字に比べ格段に向上することが、確認され
た。
【0086】比較例7 実施例2インクセットにおいて、pH調整を行わない
で、比較例7インクセットとした。
【0087】次に実施例2インクセット及び比較例7イ
ンクセットに対し、評価1及び下記に示す評価7を行っ
た。結果は表5に示す。
【0088】評価7:金属腐食性評価 各インク20mlに対し、オリフィスを形成させたニッ
ケルプレート(表面積2cm2)を、浸漬させ、60℃の
環境中に2週間放置し、試験の前後でインク中のニッケ
ルイオン量が、変化するかどうかを、ICP(inductiv
ely coupledplasma)発光分析にて測定した。試験の前
後で、ニッケルイオンの増加量が、2ppm以下の場合
を○とし、2ppmを越える場合に×とした。
【0089】
【表5】
【0090】
【発明の効果】請求項1の効果:本発明によれば、浸透
剤として純度の高いEHDを添加することで、印字した
ときの画像濃度が高く、かつ裏抜けの少ない、滲みのな
い画像が得られるインクを提供することが可能となっ
た。
【0091】請求項2の効果:本発明によれば、EHD
の添加量を特定の範囲にすることで、信頼性が高く、高
品質な画像が得られるインクの提供が可能となった。
【0092】請求項3の効果:本発明によれば、特定の
界面活性剤を含有させることで、速乾性で、かつ文字滲
み、境界滲みのない、鮮明なカラー画像の提供が可能と
なった。
【0093】請求項4の効果:本発明によれば、特定の
カウンターイオンを用いることで、より信頼性の高いイ
ンク及びカラー画像の提供が可能となった。
【0094】請求項5の効果:本発明によれば、特定の
湿潤剤を含有させることで、より保存安定性及び吐出安
定性に優れたインク及びカラー画像の提供が可能となっ
た。
【0095】請求項6の効果:滲みのない特定の染料を
組み合わせたインクを使用することで、耐水耐光性に優
れ、画像濃度も高く、色調も良好で、かつ色再現性に優
れた高品位なカラー画像の提供が可能となった。
【0096】請求項7の効果:本発明によれば、pHを
特定の領域に調整することで、金属腐食を抑え、目詰ま
りのない、保存安定性及び吐出安定性に優れたインク及
びカラー画像の提供が可能となった。
【0097】請求項8の効果:本発明によれば、従来の
欠点を解消したカラー画像を得られる記録装置の提供が
可能となった。
【0098】請求項9の効果: 本発明によれば、従来
のような1スキャンで全印字ドットを印字する方法に比
較して、2色の境界滲みだけでなく、文字の滲みも少な
い高品位なカラー画像を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 希世文 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 後藤 明彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 得能 敏郎 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 有田 均 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小谷野 正行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 金子 哲也 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 長田 延崇 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 関根 朋子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2C056 EA05 FC01 2H086 BA01 BA53 BA55 BA59 BA62 4J039 BA29 BC07 BC09 BC11 BC12 BC19 BC33 BC35 BC56 BE22 BE30 EA10 EA15 EA16 EA17 EA19 EA35 EA38 EA44 EA47 EA48 GA24

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、水に溶解する着色剤、界面活性剤、
    湿潤剤、及び2−エチル−1,3−ヘキサンジオール
    (以後EHDと略す)を含むインクにおいて、該EHD
    に含まれる不純物量が0.01〜2重量%の範囲である
    ことを特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. 【請求項2】 含有されるEHDの量が、インク全量の
    0.1〜4重量%の範囲であることを特徴とする請求項
    1記載のインクジェット記録用インク。
  3. 【請求項3】 含有される界面活性剤が、下記一般式
    (1)で表される界面活性剤であり、かつインク全量の
    0.5〜3重量%含有されることを特徴とする請求項1
    又は2記載のインクジェット記録用インク。 RO(CH2CH2O)nCH2COOM (1) R:炭素数13又は14の直鎖あるいは分岐したアルキ
    ル基 n:3〜12の整数 M:アルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホスホ
    ニウム又はアルカノールアミン
  4. 【請求項4】 インクに含有される着色剤の対イオン及
    び/又は界面活性剤の対イオンが、ナトリウム、リチウ
    ム及び/又は下記一般式(2)で表される第4級アンモ
    ニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミンイオ
    ンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のインクジェット記録用インク。 【化1】 Z :窒素又はリン R〜R :水素、炭素数1〜4のアルキル基、ヒド
    ロキシル基又はハロゲン化アルキル基
  5. 【請求項5】 含有される湿潤剤が、グリセロール及び
    ジエチレングリコールの混合物であって、かつインク全
    量の10〜30重量%含有されることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用イン
    ク。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の構成を
    持つインクにおいて、イエローの着色剤として少なくと
    も Pro-jet Fast Yellow 2(ゼネカ社製)及び C.I.
    Direct Yellow 142 を含有するイエローインク、マ
    ゼンタの着色剤として少なくとも C.I.Acid Red 52
    及びMJR611(三菱化学社製)を含有するマゼン
    タインク、シアンの着色剤として少なくとも Pro-jet
    Fast Cyan 2 (ゼネカ社製)を含有するシアンイン
    ク、ブラックインクの着色剤として少なくとも C.I.Di
    rect Black 168 を含有するブラックインクとから
    なることを特徴とするインクジェット記録用カラーイン
    クセット。
  7. 【請求項7】 各インクのpHが、9〜11に調整され
    たことを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録
    用カラーインクセット。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7記載のインクジェット記
    録用カラーインクセットを搭載したインクジェット記録
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項6又は7記載のインクジェット記
    録用カラーインクセットを用いたカラー画像の形成方法
    において、ステキヒトサイズ度が3秒以上の紙に、複数
    のインク吐出口を有するヘッドを用いて印字する際、複
    数回のスキャンで全てのインク吐出口に対応する印字ド
    ットを印字することを特徴とするカラー画像の形成方
    法。
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US20200354599A1 (en) * 2018-01-31 2020-11-12 Fujifilm Corporation Ink set and inkjet recording method

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JP2000239583A (ja) * 1999-02-19 2000-09-05 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用カラーインクセット及び記録方法

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