JP2003128852A - 射出成形用ポリエチレン系樹脂組成物およびその射出成形体 - Google Patents

射出成形用ポリエチレン系樹脂組成物およびその射出成形体

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JP2003128852A
JP2003128852A JP2001332089A JP2001332089A JP2003128852A JP 2003128852 A JP2003128852 A JP 2003128852A JP 2001332089 A JP2001332089 A JP 2001332089A JP 2001332089 A JP2001332089 A JP 2001332089A JP 2003128852 A JP2003128852 A JP 2003128852A
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ethylene
molded product
density polyethylene
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injection molding
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Daigo Nakanishi
大悟 中西
Yoshiyuki Harada
嘉幸 原田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出成形して得られる成形体のそり変形がな
く、成形サイクル性に優れるポリエチレン系樹脂組成物
およびその射出成形体を提供する。 【解決手段】 密度が特定の範囲であり、メルトフロ−
レートが特定の範囲であり、エチレンおよび炭素数が一
定の範囲であるα−オレフィンからなり、配合量が一定
の範囲であるエチレン−α−オレフィン共重合体、およ
び密度が特定の範囲であり、メルトフローレートが特定
の範囲であり、配合量が一定の範囲である高圧ラジカル
重合法により得られる低密度ポリエチレン、および密度
が特定の範囲であり、メルトフローレートが特定の範囲
であり、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数が
一定の範囲であるα−オレフィンの共重合体であり、配
合量が一定の範囲である高密度ポリエチレンを含有する
射出成形用ポリエチレン系樹脂組成物およびその射出成
形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレン系樹
脂組成物およびそれを射出成形して得られる成形体に関
するものである。更に詳しくは、ポリエチレン系樹脂組
成物を射出成形して得られる成形体のそり変形がなく、
成形サイクル性に優れるポリエチレン系樹脂組成物およ
びそれを射出成形して得られる成形体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、粉状物、粒状物、液体または
半固形物、例えば、洗剤、食料品などを収容し保存する
ために用いられる合成樹脂製成形容器として、ポリエチ
レン系樹脂組成物を射出成形して得られる成形体が知ら
れている。
【0003】例えば、特開平9−31255号公報に
は、ポリエチレン樹脂と、特定の構造を有する安息香酸
系化合物および特定の構造を有する安息香酸系化合物の
酸無水物からなり、成形サイクル性の向上ならびに剛性
あるいは透明性の優れたポリエチレン樹脂組成物、およ
びそれを射出成形することが記載されている。
【0004】しかし、上記の特開平9−31255号公
報に記載されている安息香酸系化合物および安息香酸系
化合物の酸無水物を含むポリエチレン樹脂組成物を射出
成形して得られる成形体には、そり変形が発生すること
があるので、その改良が望まれており、また、成形サイ
クル性についても更なる改良が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
エチレン系樹脂組成物を射出成形して得られる成形体の
そり変形がなく、成形サイクル性に優れるポリエチレン
系樹脂組成物およびそれを射出成形して得られる成形体
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
状に鑑み、鋭意検討した結果、密度が特定の範囲であ
り、メルトフロ−レートが特定の範囲であり、エチレン
および炭素数が一定の範囲であるα−オレフィンからな
り、配合量が一定の範囲であるエチレン−α−オレフィ
ン共重合体、および密度が特定の範囲であり、メルトフ
ローレートが特定の範囲であり、配合量が一定の範囲で
ある高圧ラジカル重合法により得られる低密度ポリエチ
レン、および密度が特定の範囲であり、メルトフローレ
ートが特定の範囲であり、エチレン単独重合体またはエ
チレンと炭素数が一定の範囲であるα−オレフィンの共
重合体であり、配合量が一定の範囲である高密度ポリエ
チレンを含有する射出成形用ポリエチレン系樹脂組成
物、および、その樹脂組成物を射出成形して得られる成
形体が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完
成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明は、密度が860〜93
0Kg/m3であり、メルトフロ−レートが0.5〜1
00g/10分であり、エチレンおよび炭素数が3〜1
2のα−オレフィンからなるエチレン−α−オレフィン
共重合体(A)65〜80重量部、および密度が910
〜935Kg/m3であり、メルトフローレートが4〜
20g/10分であり、高圧ラジカル重合法により得ら
れる低密度ポリエチレン(B)5〜30重量部、および
密度が945〜970Kg/m3であり、メルトフロー
レートが20〜50g/10分であり、エチレン単独重
合体またはエチレンと炭素数が3〜12のα−オレフィ
ンの共重合体である高密度ポリエチレン(C)5〜15
重量部を含有する射出成形用ポリエチレン系樹脂組成
物、および、その樹脂組成物を射出成形して得られる成
形体に係るものである。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるエチレン−α
−オレフィン共重合体(A)は、エチレンおよび炭素数
が3〜12のα−オレフィンからなるエチレン−α−オ
レフィン共重合体であり、炭素数が3〜12のα−オレ
フィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペ
ンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、
ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−
1、ドデセン−1等が挙げられ、好ましくはプロピレ
ン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−
1、4メチルヘキセン−1、オクテン−1である。これ
らのα−オレフィンは単独で用いてもよく、少なくとも
2種を併用してもよい。
【0009】エチレン−α−オレフィン共重合体(A)
に含まれるα−オレフィンの含有量は、特に制限される
ものではなく、成形体の剛性と強度の観点から、好まし
くは1〜20モル%であり、より好ましくは1〜10モ
ル%である。
【0010】本発明で用いられるエチレン−α−オレフ
ィン共重合体(A)としては、例えば、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチ
レン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1
共重合体等が挙げられ、好ましくは、エチレン−ブテン
−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体であ
る。
【0011】本発明で用いられるエチレン−α−オレフ
ィン共重合体(A)の密度は、860〜930Kg/m
3であり、好ましくは900〜930Kg/m3であり、
より好ましくは910〜930Kg/m3である。
【0012】エチレン−α−オレフィン共重合体(A)
の密度が、860Kg/m3未満の場合、成形体の剛性
が不充分なことがあり、930Kg/m3を超えた場
合、衝撃強度が不充分なことがある。
【0013】エチレン−α−オレフィン共重合体(A)
のメルトフローレート(MFR)は、0.5〜100g
/10分であり、好ましくは2〜50g/10分であ
り、より好ましくは5〜30g/10分である。
【0014】エチレン−α−オレフィン共重合体(A)
のMFRが0.5g/10分未満の場合、射出成形にお
いて押出し負荷が高くなり過ぎたり、成形体の外観を損
なうことがあり、100g/10分を超えた場合、成形
体の剛性や衝撃強度が低下することがある。
【0015】本発明の射出成形用ポリエチレン系樹脂組
成物におけるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)
の配合量は、65〜80重量部であり、好ましくは70
〜75重量部である。エチレン−α−オレフィン共重合
体(A)の配合量が65重量部未満の場合、成形体の衝
撃強度が不充分なことがあり、80重量部を超えた場
合、溶融した樹脂組成物の流動性が不充分なことがあ
る。
【0016】本発明で用いられるエチレン−α−オレフ
ィン共重合体(A)の製造方法は、特に限定されるもの
ではなく、公知の触媒を用いる公知の重合方法が挙げら
れる。公知の触媒としては、遷移金属化合物を含む触媒
系等が挙げられ、例えば、遷移金属化合物を含有する固
体触媒成分と有機アルミニウム化合物からなる触媒系、
シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を有する
遷移金属化合物を含む触媒系等が挙げられる。
【0017】遷移金属化合物を含有する固体触媒成分と
有機アルミニウム化合物からなる触媒系で用いられる固
体触媒成分としては、例えば、酸化クロム、酸化モリブ
デン、三塩化チタン、四塩化チタンや四塩化チタン−ア
ルキルアルミニウム化合物を含有する固体触媒成分が挙
げられる。シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する
基を有する遷移金属化合物を含む触媒系で用いられる遷
移金属化合物としては、例えば、メタロセン系化合物が
挙げられ、通常、一般式 MLan-a(式中、Mは元素
の周期律表の第4族又はランタナイド系列の遷移金属原
子を表す。Lはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有
する基又はヘテロ原子を含有する基を表し、少なくとも
一つはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を
表し、複数のLは互いに架橋していてもよい。Xはハロ
ゲン原子、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基を表
す。nは遷移金属原子の原子価を表し、aは0<a≦n
なる整数である。)で表され、単独で用いてもよく、少
なくとも2種類を併用してもよい。
【0018】さらに、シクロペンタジエン形アニオン骨
格を有する基を有する遷移金属化合物を含む触媒系とし
ては、アルモキサン化合物を含む有機アルミニウム化合
物、および/またはトリチルボレートやアニリニウムボ
レート等のイオン性化合物が用いられる。また、SiO
2やAl23等の無機担体、オレフィン重合体(例え
ば、ポリエチレンやポリスチレン)等の有機ポリマー担
体を含む粒子状担体を組合せて用いてもよい。
【0019】公知の重合方法としては、溶媒の存在下ま
たは無存在下で行われる気相−固相重合法、液相−固相
重合法や、均一液相重合法等が挙げられる。重合温度
は、通常、30〜300℃であり、重合圧力は、通常、
常圧〜300MPaである。
【0020】本発明で用いられる低密度ポリエチレン
(B)は、高圧法ラジカル重合法により得られる低密度
ポリエチレンである。低密度ポリエチレン(B)の密度
は、910〜935Kg/m3であり、好ましくは91
5〜925Kg/m3である。
【0021】低密度ポリエチレン(B)の密度が910
Kg/m3未満の場合、成形体の剛性が不充分なことが
あり、935Kg/m3を超えた場合、溶融した樹脂組
成物の流動性が不充分なことがある。
【0022】低密度ポリエチレン(B)のMFRは、4
〜20g/10分であり、好ましくは5〜10g/分で
ある。低密度ポリエチレン(B)のMFRが4g/10
分未満の場合、成形体の表面に「肌荒れ」が多く発生
し、外観が損なわれることがあり、MFRが20g/1
0分を超えた場合は、成形体の剛性や衝撃強度が低下す
ることがある。
【0023】本発明の射出成形用ポリエチレン系樹脂組
成物における高圧ラジカル重合法により得られる低密度
ポリエチレン(B)の配合量は、5〜30重量部であ
り、好ましくは10〜30重量部、より好ましくは15
〜30重量部である。低密度ポリエチレン(B)の配合
量が5重量部未満の場合、溶融した樹脂組成物の流動性
が不充分なことがあり、30重量部を超えた場合、成形
体の剛性が不充分なことがある。
【0024】本発明で用いられる高圧ラジカル重合法に
より得られる低密度ポリエチレン(B)の製造方法とし
ては、一般に槽型反応器または管型反応器を用いて、ラ
ジカル発生剤の存在下、重合圧力140〜300MP
a、重合温度200〜300℃の条件下でエチレンを重
合する方法が挙げられる。また、メルトフローレートの
調節には、分子量調節剤として水素やメタン、エタンな
どの炭化水素を用いることができる。
【0025】本発明で用いられる高密度ポリエチレン
(C)は、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数
3〜12のα−オレフィンの共重合体であり、炭素数3
〜12のα−オレフィンとしては、前述のエチレン−α
−オレフィン共重合体(A)において用いられる炭素数
が3〜12のα−オレフィンと同様のα−オレフィンが
用いられる。
【0026】高密度ポリエチレン(C)として用いられ
るエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンの共重合
体におけるα−オレフィンとして、好ましくはブテン−
1またはヘキセン−1である。
【0027】高密度ポリエチレン(C)として用いられ
るエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンの共重合
体に含まれるα−オレフィンの含有量は、特に制限され
るものではなく、射出成形における成形体の冷却時間短
縮の観点から、好ましくは1〜10モル%であり、より
好ましくは1〜5モル%である。
【0028】高密度ポリエチレン(C)の密度は、94
5〜970Kg/m3であり、好ましくは、950〜9
70Kg/m3であり、より好ましくは955〜970
Kg/m3である。高密度ポリエチレン(C)の密度
が、945Kg/m3未満の場合、射出成形において成
形体の冷却に要する時間が長くなり過ぎることがあり、
970Kg/m3を超えた場合、成形体の衝撃強度が不
充分なことがある。
【0029】高密度ポリエチレン(C)のメルトフロー
レート(MFR)は、20〜50g/10分であり、好
ましくは20〜40g/分である。高密度ポリエチレン
(C)のMFRが20g/10分未満の場合、成形体の
柔軟性が低下することがあり、MFRが50g/10分
を超えた場合は、成形体の剛性や耐衝撃強度が低下する
ことがある。
【0030】本発明で用いられる高密度ポリエチレン
(C)の製造方法としては、特に限定されるものではな
く、前述のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の
製造方法と同じ方法である公知の触媒を用いる公知の重
合方法が挙げられる。公知の触媒としては、遷移金属化
合物を含む触媒系等が挙げられ、例えば、遷移金属化合
物を含有する固体触媒成分と有機アルミニウム化合物か
らなる触媒系、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有
する基を有する遷移金属化合物を含む触媒系等が挙げら
れる。公知の重合方法としては、溶媒の存在下または無
存在下で行われる気相−固相重合法、液相−固相重合法
や、均一液相重合法等が挙げられる。
【0031】本発明の射出成形用ポリエチレン系樹脂組
成物における高密度ポリエチレン(C)の配合量は、5
〜15重量部であり、好ましくは5〜10重量部であ
る。高密度ポリエチレン(C)の配合量が5重量部未満
の場合、射出成形において成形体の冷却時間に要する時
間が長くなり過ぎることがあり、15重量部を超えた場
合、成形体の衝撃強度が不充分なことがある。
【0032】本発明の射出成形用ポリエチレン系樹脂組
成物には、必要に応じて、本発明の目的、効果を損なわ
ない範囲で、添加剤を添加してもよい。添加剤として
は、例えば、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、加工性改
良剤、抗ブロッキング剤等が挙げられる。酸化防止剤と
しては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ
ール(BHT)、テトラキス[メチレン−3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]メタン(チバ・スペシャリティーケミカルズ社
製、商品名:IRGANOX 1010)やn−オクタ
デシル−3−(4’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−
ブチルフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャリテ
ィーケミカルズ社製、商品名:IRGANOX 107
6)等のフェノール系安定剤、ビス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト
やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファ
イト等のホファイト系安定剤等が挙げられる。
【0033】滑剤としては、例えば、エルカ酸アミド、
高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル等が挙げられ、
帯電防止剤としては、例えば、炭素数8〜22の脂肪酸
のグリセリンエステル、ソルビタン酸エステル、ポリエ
チレングリコールエステル等が挙げられ、加工性改良剤
としては、例えば、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸
金属塩等が挙げられ、抗ブロッキング剤としては、例え
ば、シリカ、珪藻土、炭酸カルシウム、タルク等が挙げ
られる。
【0034】本発明の射出成形用ポリエチレン系樹脂組
成物の製造方法としては、特に制限されることはなく、
公知のブレンダーや溶融混練装置を用いる方法が挙げら
れ、ブレンド装置としては、例えば、ヘンシェルミキサ
ー、タンブラーミキサー等が挙げられ、溶融混練装置と
しては、例えば、単軸押出機、2軸押出機、バンバリー
ミキサー、熱ロール等が挙げられる。
【0035】上記の種々の添加剤の添加方法としては、
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)と低密度ポリ
エチレン(B)および高密度ポリエチレン(C)を予め
ブレンドした後に添加する方法、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体(A)または低密度ポリエチレン(B)の
それぞれに添加する方法、または、添加剤をエチレン−
α−オレフィン共重合体(A)または低密度ポリエチレ
ン(B)に高濃度で添加して得られたマスターバッチを
用いる方法等があげられる。
【0036】本発明の成形体は、本発明の射出成形用ポ
リエチレン樹脂組成物を射出成形して得られる成形体で
ある。本発明の射出成形用ポリエチレン樹脂組成物を射
出成形する方法としては、特に制限されるものではな
く、公知の射出成形装置を用いる方法が挙げられる。
【0037】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
更に詳しく説明するが、本発明は、これら実施例に限定
されるものではない。実施例および比較例で用いた樹脂
の物性の測定、および、得られた成形体の評価は、以下
の方法に従って行なった。 (1)密度(d、単位:Kg/m3) JIS K6760に規定された方法に従って、測定し
た。 (2)メルトフローレート(MFR、単位:g/10
分) JIS K6760に規定された方法に従って、測定し
た。荷重は2.16kgで、温度は190℃であった。
【0038】(3)成形サイクル性 射出成形して得られた成形体を金型から離型する際の
「剥がし易さ」の状況を目視で観察し、成形体が金型か
ら離型できなくなる時間によって、成形サイクル性を評
価した。成形体が金型から離型できなくなる時間が短い
ほど成形サイクル性に優れ、成形体が金型から離型でき
なくなる時間が長いほど成形サイクル性が不充分である
ことを示す。
【0039】(4)そり変形 射出成形して得られた成形体を目視観察し、変形のない
ものを○、やや変形しているものを×とした。
【0040】実施例および比較例で用いた樹脂を、以下
に示した。 (A1)エチレン−ブテン−1共重合体 住友化学工業(株)製、スミカセンL、CL5030 密度:927Kg/m3、MFR:20g/10分 (B1)低密度ポリエチレン 住友化学工業(株)製、スミカセン、G720 密度:920Kg/m3、MFR:7.0g/10分 (C1)高密度ポリエチレン KEIYOポリエチ(株)製、M6910 密度:961Kg/m3、MFR:23.0g/10分 (C2)高密度ポリエチレン KEIYOポリエチ(株)製、G1900 密度:956Kg/m3、MFR:17.0g/10分
【0041】実施例1 エチレン−ブテン−1共重合体(A1)71重量部、低
密度ポリエチレン(B1)24重量部および高密度ポリ
エチレン(C1)5重量部を単軸押出機で混合した。得
られた組成物の組成を表1に示した。次に、得られた組
成物を、射出成形機(東芝機械製 商品名IS−100
EN−3A)を用いて、シリンダー温度が210℃であ
り、射出圧が600kg/cm2であり、金型温度が8
0℃である条件で、厚みが2mmで、90×150mm
の平板を射出成形した。得られた射出成形体の評価結果
を表1に示した。
【0042】実施例2 実施例1において、エチレン−ブテン−1共重合体(A
1)、低密度ポリエチレン(B1)および高密度ポリエ
チレン(C1)の配合量を、エチレン−ブテン−1共重
合体(A1)68重量部、低密度ポリエチレン(B1)
24重量部、高密度ポリエチレン(C1)10重量部に
変更した以外は、実施例1と同様にして実施した。得ら
れた組成物の組成および得られた射出成形体の評価結果
を表1に示した。
【0043】比較例1 実施例1において、エチレン−ブテン−1共重合体(A
1)および低密度ポリエチレン(B1)の配合量を、エ
チレン−ブテン−1共重合体(A1)75重量部、低密
度ポリエチレン(B1)25重量部に変更し、高密度ポ
リエチレン(C1)を用いなかった以外は、実施例1と
同様にして実施した。得られた組成物の組成および得ら
れた射出成形体の評価結果を表1に示した。
【0044】比較例2 実施例1において、エチレン−ブテン−1共重合体(A
1)、低密度ポリエチレン(B1)および高密度ポリエ
チレン(C1)の配合量を、エチレン−ブテン−1共重
合体(A1)73重量部、低密度ポリエチレン(B1)
24重量部、高密度ポリエチレン(C1)3重量部に変
更した以外は、実施例1と同様にして実施した。得られ
た組成物の組成および得られた射出成形体の評価結果を
表1に示した。
【0045】比較例3 実施例1で用いた高密度ポリエチレン(C1)を高密度
ポリエチレン(C2)に変更した以外は、実施例1と同
様にして実施した。得られた組成物の組成および得たれ
た射出成形体の評価結果を表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】本発明の要件を満足する実施例は、金型か
ら成形体が離型できなくなる時間が短く成形サイクル性
に優れ、成形体のそり変形がないものであることが分か
る。これに対して、本発明の要件である低密度ポリエチ
レン(B)および高密度ポリエチレン(C)を用いなか
った比較例1、および、本発明の要件である高密度ポリ
エチレン(C)の配合量を満足しない比較例2は、金型
から成形体が離型できなくなる時間が長く成形サイクル
性が不充分なものであり、本発明の要件である高密度ポ
リエチレン(C)のMFRを満足しない比較例3は、成
形体にそり変形があるものであることが分かる。
【0048】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明により、
ポリエチレン系樹脂組成物を射出成形して得られる成形
体のそり変形がなく、成形サイクル性に優れるポリエチ
レン系樹脂組成物およびそれを射出成形して得られる成
形体を得ることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23:04) B29K 23:00 B29K 23:00 Fターム(参考) 4F071 AA15 AA16 AA18 AA82 AA88 AF54 AH05 BA01 BB05 BC11 BC17 4F206 AA04C AA04D AA04E AA05C AA05D AA05E AA07C AA07D AA07E AH55 AM35 JA07 JB02 4J002 BB032 BB033 BB051 BB053 BB151 FD070 FD100 FD170 FD200 GG01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密度が860〜930Kg/m3であり、
    メルトフロ−レートが0.5〜100g/10分であ
    り、エチレンおよび炭素数が3〜12のα−オレフィン
    からなるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)65
    〜80重量部、および密度が910〜935Kg/m3
    であり、メルトフローレートが4〜20g/10分であ
    り、高圧ラジカル重合法により得られる低密度ポリエチ
    レン(B)5〜30重量部、および密度が945〜97
    0Kg/m3であり、メルトフローレートが20〜50
    g/10分であり、エチレン単独重合体またはエチレン
    と炭素数が3〜12のα−オレフィンの共重合体である
    高密度ポリエチレン(C)5〜15重量部を含有するこ
    とを特徴とする射出成形用ポリエチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の射出成形用ポリエチレン系
    樹脂組成物を射出成形して得られることを特徴とする成
    形体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006501352A (ja) * 2002-10-01 2006-01-12 エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク 射出成形用ポリエチレン組成物
JP2016223107A (ja) * 2015-05-28 2016-12-28 フクビ化学工業株式会社 止水部材、薄肉成形体およびその製造方法

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