JP2003128658A - 4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール類の製造法 - Google Patents
4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール類の製造法Info
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D277/00—Heterocyclic compounds containing 1,3-thiazole or hydrogenated 1,3-thiazole rings
- C07D277/02—Heterocyclic compounds containing 1,3-thiazole or hydrogenated 1,3-thiazole rings not condensed with other rings
- C07D277/08—Heterocyclic compounds containing 1,3-thiazole or hydrogenated 1,3-thiazole rings not condensed with other rings having one double bond between ring members or between a ring member and a non-ring member
- C07D277/10—Heterocyclic compounds containing 1,3-thiazole or hydrogenated 1,3-thiazole rings not condensed with other rings having one double bond between ring members or between a ring member and a non-ring member with only hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached to ring carbon atoms
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾールの製
造法を改良し、生態学的側面を考慮しながらそれを工業
的に実施することができるように且つ以前の方法の欠点
が克服されるようにすること。 【解決手段】 中間体の単離なしで下記式の通り一容器
中で行われる、4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール
の合成のための改良され且つより経済的な方法に関す
る。 [式中、R1,R2,R3及びR4はそれぞれ互いに独
立して水素又は1〜10個の炭素原子を有する有機基で
ある]
造法を改良し、生態学的側面を考慮しながらそれを工業
的に実施することができるように且つ以前の方法の欠点
が克服されるようにすること。 【解決手段】 中間体の単離なしで下記式の通り一容器
中で行われる、4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール
の合成のための改良され且つより経済的な方法に関す
る。 [式中、R1,R2,R3及びR4はそれぞれ互いに独
立して水素又は1〜10個の炭素原子を有する有機基で
ある]
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は、4,5−ジヒドロ−1,3−
チアゾール類の合成のための改良され且つ同時により経
済的な方法に関する。 【0002】4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール類
はずっと以前から知られている材料であり、中でも農薬
及び製薬工業におけるジヒドロチアゾール−及びチアゾ
ールに基づく活性化合物の合成のための重要中間体とし
て用いられている。 【0003】4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール類
の製造のために非常に優れた選択率及び収率を与える有
効な合成経路が必要である。この目的のために必要な出
発材料は、工業的規模で入手可能でなければならない。 【0004】4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール類
(I)は既知であり、それらの合成は、例えば、DE−
A 1,964,276及び米国特許第3,678,0
64号に記載されている。記載されている合成経路で
は、1−アミノ−2−アルカンチオール類(II)を
2,2−ジアルコキシアルカンニトリル類(III)と
反応させてケタール(IV)を得、それを加水分解によ
り所望の4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール類
(I)に転換する。DE−A 1,964,276の方
法による2,2−ジアルコキシアルカンニトリル(II
I)の製造は40日の許容され得ない反応時間を必要と
する。Synthesis,1983,498−500
に記載されている改良法は83重量%の収率を与える。
この場合の反応時間は3〜12時間である。 【0005】 【化6】 【0006】 【化7】【0007】反応式1及び2の式中、R1、R2、R3及
びR4はそれぞれ互いに独立して水素又は1〜10個の
炭素原子を有する有機基である。 【0008】反応式2おける第1段階は、非常に高価な
1−アミノ−2−アルカンチオール(II)を1.57
当量必要とする。記載されている合成経路の欠点は、中
間体の単離を伴う複雑な仕上げ段階である。工業的実施
を目的とすると、過剰の濃硫酸(すなわち15.5当
量)を用いる加水分解は特に危険であり、それは、これ
らの大量の酸を続いて中和しなければならず、それは非
常に発熱性だからである。さらに中和は大量の塩を生成
させ、それは生態学的観点から望ましくない。記載され
ている方法の各段階には、後の精製を伴う水性の仕上げ
が続く。水性の仕上げは常にかなりの量の塩の生成を伴
い、それは同様に工業的プロセスにおいて不利である。 【0009】従って、本発明の目的は方法を改良し、生
態学的側面を考慮しながらそれを工業的に実施すること
ができるように且つ以前の方法の欠点が克服されるよう
にすることであった。本発明に従えばこの目的を達成す
ることができた。 【0010】驚くべきことに、合成順全体を複雑な仕上
げ段階なしで一容器合成(single−vessel
synthesis)として行い得ることが見いださ
れた。 【0011】 【発明の概略】従って、本発明は(1)式 【0012】 【化8】 【0013】[式中、R3及びR4はそれぞれ互いに独立
して水素又は1〜10個の炭素原子を有する有機基であ
る]のトリアルコキシアルカンをCN-と反応させて式 【0014】 【化9】 【0015】[式中、R3及びR4は上記の通りに定義さ
れる]の2,2−ジアルコキシアルカンニトリルを生成
せしめ、(2)2,2−ジアルコキシアルカンニトリル
を式 【0016】 【化10】 【0017】[式中、R1及びR2はそれぞれ互いに独立
して水素又は1〜10個の炭素原子を有する有機基であ
る]のアミノアルカンチオールと反応させて式 【0018】 【化11】 【0019】[式中、R1、R2、R3及びR4は上記の通
りに定義される]のケタールを生成せしめ、(3)酸を
用いてケタールを加水分解して下記式(I)の4,5−
ジヒドロ−1,3−チアゾールを生成せしめることを含
んでなり、ここで反応順全体を中間体の単離なしで一容
器中で行う、式(I) 【0020】 【化12】 【0021】[式中、R1、R2及びR3は上記の通りに
定義される]の4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール
類の製造法を提供する。 【0022】本発明の方法を以下の反応順によりまとめ
ることができる: 【0023】 【化13】【0024】 【発明の詳細な記述】有機基R1、R2及びR3が置換さ
れ得る官能基の例はアルコール及びハロゲンである。R
1及びR2は好ましくは水素又は1〜10個の炭素原子を
有するアルキル基であり、特に好ましくはそれぞれ水素
である。R3は好ましくは1〜10個の炭素原子を有す
るアルキル基であり、特に好ましくはエチルである。R
4は好ましくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル
基であり、特に好ましくはメチル、エチル又はプロピル
である。 【0025】例えば、2−プロピオニル−4,5−ジヒ
ドロ−1,3−チアゾール(R3がC2H5である式
(I))の合成における全収率は40%である。さら
に、1−アミノ−2−アルカンチオール(II)の量を
1.57当量から1.1当量に減らすことができた。 【0026】 【表1】 【0027】本発明の第1の利点は有意に優れた技術的
扱い易さであり、それは一容器合成のために複数の仕上
げ及び精製段階を省略することができるからである。第
2に、必要な酸の量を15当量から5当量に減らすこと
ができ、それは特に工業的合成の観点からすると大きな
利点である。結果として中和において生成する塩の量が
大きく減少する。 【0028】式(I)の4,5−ジヒドロ−1,3−チ
アゾール類の製造のための本発明の方法においては、等
モル量のトリアルコキシアルカン及びシアン化物(好ま
しくはシアン化トリメチルシリルからのもの)を、触媒
量のルイス酸(好ましくはZnCl2)を添加して、4
0〜100℃の温度範囲内(好ましくは55〜70℃の
温度範囲内)で3〜20時間(好ましくは12〜18時
間)加熱するのが好ましい。冷却後、有機溶媒中の1.
0〜1.5当量(好ましくは1.0〜1.2当量)の1
−アミノ−2−アルカンチオール(II)を加える。有
機溶媒として極性溶媒、例えばアルコールを用いるのが
好ましい。次いで、反応混合物を40〜100℃に加熱
し;反応温度は好ましくは60〜80℃である。反応時
間は3〜20時間、好ましくは12〜18時間である。
好ましくは溶媒を減圧下で蒸留する。残る反応混合物
に、5〜30当量(好ましくは5〜15当量、特に好ま
しくは5〜7当量)の酸(好ましくは濃硫酸)を10℃
〜−10℃(好ましくは0℃〜5℃)の温度で滴下す
る。上記の温度で1〜5時間(好ましくは1〜3時間)
撹拌した後、塩基水溶液(好ましくはNaHCO3)に
より反応混合物を中和する。4,5−ジヒドロ−1,3
−チアゾール(I)を、好ましくはジクロロメタン又は
有機エーテル(例えばジエチルエーテル)を溶媒として
用いて有機相中に抽出した後、所望の化合物を約40%
の収率で単離する。 【0029】以下の実施例は本発明の方法に関する詳細
をさらに例示するものである。前記の開示において示し
た本発明は、これらの実施例によって精神又は範囲にお
いて制限されるべきではない。当業者は、以下の手順の
条件の既知の変形が用いられ得ることを容易に理解する
であろう。他にことわらない限り、すべての温度は度摂
氏であり、すべてのパーセンテージは重量パーセンテー
ジである。 【0030】 【実施例】実施例1:2−(1,1−ジメトキシプロピ
ル)−4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール(IV)
−個別の合成段階 アルゴン下に、20.04gの無水酢酸アンモニウム
(260ミリモル)、6.79g(88ミリモル)のシ
ステアミン及び10.33g(80ミリモル)の2,2
−ジメトキシ−ブチロニトリルを80mlの無水メタノ
ール中に溶解し、16時間還流させた。減圧下で溶媒を
蒸留した後、反応溶液を18.4gのKOH、164m
lの氷水及び40mlのジエチルエーテルの混合物に、
1回に少しづつ加えた。相を分離し、水相をジエチルエ
ーテルで抽出した(5x10ml)。合わせた有機相を
NaSO4及びKOHペレット上で乾燥した後、溶液を
蒸発させ、2−プロピオニル−4,5−ジヒドロ−1,
3−チアゾールに直接転換することができた。 粗収量:13.89g(73.4ミリモル、91.7
%)。1 H−NMR(400MHz;CDCl3):0.85
(t,3H,CH3);1.94(q,2H,CH2);
2.27(t,8H,CH2S及びOCH3);4.38
(t,2H,CH2N)実施例2 :2−プロピオニル−4,5−ジヒドロ−1,
3−チアゾール(I)−個別の合成段階 10.13g(53.5ミリモル)の2−(1,1−ジ
メトキシプロピル)チアゾリンを0〜5℃において43
mlの硫酸(96%)に加えた。この温度で20分間撹
拌した後、溶液を187mgのNaHCO3、965m
gの氷及び64mlのジエチルエーテルの混合物に、1
回に少しづつ加えた。相の分離、CH2Cl2を用いる水
相の抽出及び合わせた有機相のNa2SO4上における乾
燥の後、溶媒を減圧下で除去した。 【0031】残留物をビグルーカラムを用いて蒸留し、
ガスクロマトグラフィー(GC)に従って98%の純度
を有する生成物を3.099g(21.6ミリモル、収
率40%)得た。1 H−NMR(400MHz;CDCl3):1.14
(t,3H,CH3);2.95(q,2H,CH2);
3.33(t,2H,CH2S);4.52(t,2
H,CH2N)。実施例3 :2−プロピオニル−4,5−ジヒドロ−1,
3−チアゾール(I)の一容器合成−本発明に従う 536mgの1,1,1−トリメトキシプロパン(4ミ
リモル)、0.53mlのシアン化トリメチルシリル
(4ミリモル)及び1mgのZnCl2をアルゴン下で
16時間、60℃において加熱した。339mgのシス
テアミン(4.4ミリモル)、154.2mgの酢酸ア
ンモニウム(2.0ミリモル)及び4mlのメタノール
を加え、混合物をさらに17時間還流させた。減圧下で
溶媒を除去した後、0〜5℃において2.043gの硫
酸(96%)を滴下した。この温度で2時間撹拌した
後、反応溶液を4.7gのNaHCO3(56ミリモ
ル)、75mlの氷水及び5mlのジエチルエーテルの
混合物に、1回に少しづつ加えた。CH2Cl2を用いて
水相を抽出し、その後合わせた有機相をNaSO4上で
乾燥し、減圧下で蒸発させた。 収量(粗生成物):229mg(40%);GCに従う
純度:84%。 本発明の主たる特徴及び態様を要約すれば以下のとおり
である。 【0032】1.(1)式 【0033】 【化14】 【0034】[式中、R3及びR4はそれぞれ互いに独立
して水素又は1〜10個の炭素原子を有する有機基であ
る]のトリアルコキシアルカンをCN-と反応させて式 【0035】 【化15】 【0036】[式中、R3及びR4は上記の通りに定義さ
れる]の2,2−ジアルコキシアルカンニトリルを生成
せしめ、(2)2,2−ジアルコキシアルカンニトリル
を式 【0037】 【化16】 【0038】[式中、R1及びR2はそれぞれ互いに独立
して水素又は1〜10個の炭素原子を有する有機基であ
る]のアミノアルカンチオールと反応させて式 【0039】 【化17】 【0040】[式中、R1、R2、R3及びR4は上記の通
りに定義される]のケタールを生成せしめ、(3)酸を
用いてケタールを加水分解して下記式(I)の4,5−
ジヒドロ−1,3−チアゾールを生成せしめることを含
んでなり、ここで反応順全体を中間体の単離なしで一容
器合成において行う、式(I) 【0041】 【化18】 【0042】[式中、R1、R2及びR3は上記の通りに
定義される]の4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール
類の製造法。 【0043】2.R3がエチルである上記1に従う方
法。 【0044】3.CN-がシアン化トリメチルシリルか
らのものである上記1に従う方法。 【0045】4.トリアルコキシアルカンのCN-との
反応を触媒量のルイス酸の存在下で行う上記1に従う方
法。 【0046】5.等モル量のトリアルコキシアルカンと
シアン化物を、触媒量のルイス酸の存在下に、40〜1
00℃の温度で加熱する上記1に従う方法。 【0047】6.ルイス酸がZnCl2である上記4に
従う方法。 【0048】7.段階(2)において、有機溶媒中の
1.0〜1.5当量のアミノアルカンチオールをジアル
コキシアルカンニトリルに加える上記1に従う方法。 【0049】8.有機溶媒を段階(3)の前に減圧下で
蒸留する上記7に従う方法。 【0050】9.段階(3)で用いられる酸が濃硫酸で
ある上記1に従う方法。 【0051】10.段階(3)において、5〜30当量
の酸を10℃〜−10℃の温度において滴下する上記1
に従う方法。 【0052】11.段階(3)の完了後に、塩基水溶液
を用いて酸を中和する上記1に従う方法。 【0053】12.式(I)の4,5−ジヒドロ−1,
3−チアゾールを有機相中に抽出し、式(I)の4,5
−ジヒドロ−1,3−チアゾールを単離することをさら
に含む上記1に従う方法。
チアゾール類の合成のための改良され且つ同時により経
済的な方法に関する。 【0002】4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール類
はずっと以前から知られている材料であり、中でも農薬
及び製薬工業におけるジヒドロチアゾール−及びチアゾ
ールに基づく活性化合物の合成のための重要中間体とし
て用いられている。 【0003】4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール類
の製造のために非常に優れた選択率及び収率を与える有
効な合成経路が必要である。この目的のために必要な出
発材料は、工業的規模で入手可能でなければならない。 【0004】4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール類
(I)は既知であり、それらの合成は、例えば、DE−
A 1,964,276及び米国特許第3,678,0
64号に記載されている。記載されている合成経路で
は、1−アミノ−2−アルカンチオール類(II)を
2,2−ジアルコキシアルカンニトリル類(III)と
反応させてケタール(IV)を得、それを加水分解によ
り所望の4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール類
(I)に転換する。DE−A 1,964,276の方
法による2,2−ジアルコキシアルカンニトリル(II
I)の製造は40日の許容され得ない反応時間を必要と
する。Synthesis,1983,498−500
に記載されている改良法は83重量%の収率を与える。
この場合の反応時間は3〜12時間である。 【0005】 【化6】 【0006】 【化7】【0007】反応式1及び2の式中、R1、R2、R3及
びR4はそれぞれ互いに独立して水素又は1〜10個の
炭素原子を有する有機基である。 【0008】反応式2おける第1段階は、非常に高価な
1−アミノ−2−アルカンチオール(II)を1.57
当量必要とする。記載されている合成経路の欠点は、中
間体の単離を伴う複雑な仕上げ段階である。工業的実施
を目的とすると、過剰の濃硫酸(すなわち15.5当
量)を用いる加水分解は特に危険であり、それは、これ
らの大量の酸を続いて中和しなければならず、それは非
常に発熱性だからである。さらに中和は大量の塩を生成
させ、それは生態学的観点から望ましくない。記載され
ている方法の各段階には、後の精製を伴う水性の仕上げ
が続く。水性の仕上げは常にかなりの量の塩の生成を伴
い、それは同様に工業的プロセスにおいて不利である。 【0009】従って、本発明の目的は方法を改良し、生
態学的側面を考慮しながらそれを工業的に実施すること
ができるように且つ以前の方法の欠点が克服されるよう
にすることであった。本発明に従えばこの目的を達成す
ることができた。 【0010】驚くべきことに、合成順全体を複雑な仕上
げ段階なしで一容器合成(single−vessel
synthesis)として行い得ることが見いださ
れた。 【0011】 【発明の概略】従って、本発明は(1)式 【0012】 【化8】 【0013】[式中、R3及びR4はそれぞれ互いに独立
して水素又は1〜10個の炭素原子を有する有機基であ
る]のトリアルコキシアルカンをCN-と反応させて式 【0014】 【化9】 【0015】[式中、R3及びR4は上記の通りに定義さ
れる]の2,2−ジアルコキシアルカンニトリルを生成
せしめ、(2)2,2−ジアルコキシアルカンニトリル
を式 【0016】 【化10】 【0017】[式中、R1及びR2はそれぞれ互いに独立
して水素又は1〜10個の炭素原子を有する有機基であ
る]のアミノアルカンチオールと反応させて式 【0018】 【化11】 【0019】[式中、R1、R2、R3及びR4は上記の通
りに定義される]のケタールを生成せしめ、(3)酸を
用いてケタールを加水分解して下記式(I)の4,5−
ジヒドロ−1,3−チアゾールを生成せしめることを含
んでなり、ここで反応順全体を中間体の単離なしで一容
器中で行う、式(I) 【0020】 【化12】 【0021】[式中、R1、R2及びR3は上記の通りに
定義される]の4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール
類の製造法を提供する。 【0022】本発明の方法を以下の反応順によりまとめ
ることができる: 【0023】 【化13】【0024】 【発明の詳細な記述】有機基R1、R2及びR3が置換さ
れ得る官能基の例はアルコール及びハロゲンである。R
1及びR2は好ましくは水素又は1〜10個の炭素原子を
有するアルキル基であり、特に好ましくはそれぞれ水素
である。R3は好ましくは1〜10個の炭素原子を有す
るアルキル基であり、特に好ましくはエチルである。R
4は好ましくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル
基であり、特に好ましくはメチル、エチル又はプロピル
である。 【0025】例えば、2−プロピオニル−4,5−ジヒ
ドロ−1,3−チアゾール(R3がC2H5である式
(I))の合成における全収率は40%である。さら
に、1−アミノ−2−アルカンチオール(II)の量を
1.57当量から1.1当量に減らすことができた。 【0026】 【表1】 【0027】本発明の第1の利点は有意に優れた技術的
扱い易さであり、それは一容器合成のために複数の仕上
げ及び精製段階を省略することができるからである。第
2に、必要な酸の量を15当量から5当量に減らすこと
ができ、それは特に工業的合成の観点からすると大きな
利点である。結果として中和において生成する塩の量が
大きく減少する。 【0028】式(I)の4,5−ジヒドロ−1,3−チ
アゾール類の製造のための本発明の方法においては、等
モル量のトリアルコキシアルカン及びシアン化物(好ま
しくはシアン化トリメチルシリルからのもの)を、触媒
量のルイス酸(好ましくはZnCl2)を添加して、4
0〜100℃の温度範囲内(好ましくは55〜70℃の
温度範囲内)で3〜20時間(好ましくは12〜18時
間)加熱するのが好ましい。冷却後、有機溶媒中の1.
0〜1.5当量(好ましくは1.0〜1.2当量)の1
−アミノ−2−アルカンチオール(II)を加える。有
機溶媒として極性溶媒、例えばアルコールを用いるのが
好ましい。次いで、反応混合物を40〜100℃に加熱
し;反応温度は好ましくは60〜80℃である。反応時
間は3〜20時間、好ましくは12〜18時間である。
好ましくは溶媒を減圧下で蒸留する。残る反応混合物
に、5〜30当量(好ましくは5〜15当量、特に好ま
しくは5〜7当量)の酸(好ましくは濃硫酸)を10℃
〜−10℃(好ましくは0℃〜5℃)の温度で滴下す
る。上記の温度で1〜5時間(好ましくは1〜3時間)
撹拌した後、塩基水溶液(好ましくはNaHCO3)に
より反応混合物を中和する。4,5−ジヒドロ−1,3
−チアゾール(I)を、好ましくはジクロロメタン又は
有機エーテル(例えばジエチルエーテル)を溶媒として
用いて有機相中に抽出した後、所望の化合物を約40%
の収率で単離する。 【0029】以下の実施例は本発明の方法に関する詳細
をさらに例示するものである。前記の開示において示し
た本発明は、これらの実施例によって精神又は範囲にお
いて制限されるべきではない。当業者は、以下の手順の
条件の既知の変形が用いられ得ることを容易に理解する
であろう。他にことわらない限り、すべての温度は度摂
氏であり、すべてのパーセンテージは重量パーセンテー
ジである。 【0030】 【実施例】実施例1:2−(1,1−ジメトキシプロピ
ル)−4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール(IV)
−個別の合成段階 アルゴン下に、20.04gの無水酢酸アンモニウム
(260ミリモル)、6.79g(88ミリモル)のシ
ステアミン及び10.33g(80ミリモル)の2,2
−ジメトキシ−ブチロニトリルを80mlの無水メタノ
ール中に溶解し、16時間還流させた。減圧下で溶媒を
蒸留した後、反応溶液を18.4gのKOH、164m
lの氷水及び40mlのジエチルエーテルの混合物に、
1回に少しづつ加えた。相を分離し、水相をジエチルエ
ーテルで抽出した(5x10ml)。合わせた有機相を
NaSO4及びKOHペレット上で乾燥した後、溶液を
蒸発させ、2−プロピオニル−4,5−ジヒドロ−1,
3−チアゾールに直接転換することができた。 粗収量:13.89g(73.4ミリモル、91.7
%)。1 H−NMR(400MHz;CDCl3):0.85
(t,3H,CH3);1.94(q,2H,CH2);
2.27(t,8H,CH2S及びOCH3);4.38
(t,2H,CH2N)実施例2 :2−プロピオニル−4,5−ジヒドロ−1,
3−チアゾール(I)−個別の合成段階 10.13g(53.5ミリモル)の2−(1,1−ジ
メトキシプロピル)チアゾリンを0〜5℃において43
mlの硫酸(96%)に加えた。この温度で20分間撹
拌した後、溶液を187mgのNaHCO3、965m
gの氷及び64mlのジエチルエーテルの混合物に、1
回に少しづつ加えた。相の分離、CH2Cl2を用いる水
相の抽出及び合わせた有機相のNa2SO4上における乾
燥の後、溶媒を減圧下で除去した。 【0031】残留物をビグルーカラムを用いて蒸留し、
ガスクロマトグラフィー(GC)に従って98%の純度
を有する生成物を3.099g(21.6ミリモル、収
率40%)得た。1 H−NMR(400MHz;CDCl3):1.14
(t,3H,CH3);2.95(q,2H,CH2);
3.33(t,2H,CH2S);4.52(t,2
H,CH2N)。実施例3 :2−プロピオニル−4,5−ジヒドロ−1,
3−チアゾール(I)の一容器合成−本発明に従う 536mgの1,1,1−トリメトキシプロパン(4ミ
リモル)、0.53mlのシアン化トリメチルシリル
(4ミリモル)及び1mgのZnCl2をアルゴン下で
16時間、60℃において加熱した。339mgのシス
テアミン(4.4ミリモル)、154.2mgの酢酸ア
ンモニウム(2.0ミリモル)及び4mlのメタノール
を加え、混合物をさらに17時間還流させた。減圧下で
溶媒を除去した後、0〜5℃において2.043gの硫
酸(96%)を滴下した。この温度で2時間撹拌した
後、反応溶液を4.7gのNaHCO3(56ミリモ
ル)、75mlの氷水及び5mlのジエチルエーテルの
混合物に、1回に少しづつ加えた。CH2Cl2を用いて
水相を抽出し、その後合わせた有機相をNaSO4上で
乾燥し、減圧下で蒸発させた。 収量(粗生成物):229mg(40%);GCに従う
純度:84%。 本発明の主たる特徴及び態様を要約すれば以下のとおり
である。 【0032】1.(1)式 【0033】 【化14】 【0034】[式中、R3及びR4はそれぞれ互いに独立
して水素又は1〜10個の炭素原子を有する有機基であ
る]のトリアルコキシアルカンをCN-と反応させて式 【0035】 【化15】 【0036】[式中、R3及びR4は上記の通りに定義さ
れる]の2,2−ジアルコキシアルカンニトリルを生成
せしめ、(2)2,2−ジアルコキシアルカンニトリル
を式 【0037】 【化16】 【0038】[式中、R1及びR2はそれぞれ互いに独立
して水素又は1〜10個の炭素原子を有する有機基であ
る]のアミノアルカンチオールと反応させて式 【0039】 【化17】 【0040】[式中、R1、R2、R3及びR4は上記の通
りに定義される]のケタールを生成せしめ、(3)酸を
用いてケタールを加水分解して下記式(I)の4,5−
ジヒドロ−1,3−チアゾールを生成せしめることを含
んでなり、ここで反応順全体を中間体の単離なしで一容
器合成において行う、式(I) 【0041】 【化18】 【0042】[式中、R1、R2及びR3は上記の通りに
定義される]の4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール
類の製造法。 【0043】2.R3がエチルである上記1に従う方
法。 【0044】3.CN-がシアン化トリメチルシリルか
らのものである上記1に従う方法。 【0045】4.トリアルコキシアルカンのCN-との
反応を触媒量のルイス酸の存在下で行う上記1に従う方
法。 【0046】5.等モル量のトリアルコキシアルカンと
シアン化物を、触媒量のルイス酸の存在下に、40〜1
00℃の温度で加熱する上記1に従う方法。 【0047】6.ルイス酸がZnCl2である上記4に
従う方法。 【0048】7.段階(2)において、有機溶媒中の
1.0〜1.5当量のアミノアルカンチオールをジアル
コキシアルカンニトリルに加える上記1に従う方法。 【0049】8.有機溶媒を段階(3)の前に減圧下で
蒸留する上記7に従う方法。 【0050】9.段階(3)で用いられる酸が濃硫酸で
ある上記1に従う方法。 【0051】10.段階(3)において、5〜30当量
の酸を10℃〜−10℃の温度において滴下する上記1
に従う方法。 【0052】11.段階(3)の完了後に、塩基水溶液
を用いて酸を中和する上記1に従う方法。 【0053】12.式(I)の4,5−ジヒドロ−1,
3−チアゾールを有機相中に抽出し、式(I)の4,5
−ジヒドロ−1,3−チアゾールを単離することをさら
に含む上記1に従う方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 アントン・ビダル−フエラン
ドイツ50733ケルン・ネツテルベクシユト
ラーセ4
(72)発明者 マンフレート・ヤウテラト
ドイツ51399ブルシヤイト・ミユラースバ
ウム28
(72)発明者 ミヒヤエル・シエルハース
ドイツ50733ケルン・トゴシユトラーセ3
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 (1)式 【化1】 [式中、R3及びR4はそれぞれ互いに独立して水素又は
1〜10個の炭素原子を有する有機基である]のトリア
ルコキシアルカンをCN-と反応させて式 【化2】 [式中、R3及びR4は上記の通りに定義される]の2,
2−ジアルコキシアルカンニトリルを生成せしめ、
(2)2,2−ジアルコキシアルカンニトリルを式 【化3】 [式中、R1及びR2はそれぞれ互いに独立して水素又は
1〜10個の炭素原子を有する有機基である]のアミノ
アルカンチオールと反応させて式 【化4】 [式中、R1、R2、R3及びR4は上記の通りに定義され
る]のケタールを生成せしめ、(3)酸を用いてケター
ルを加水分解して下記式(I)の4,5−ジヒドロ−
1,3−チアゾールを生成せしめることを含んでなり、
ここで反応順全体を中間体の単離なしで一容器合成にお
いて行う、式(I) 【化5】 [式中、R1、R2及びR3は上記の通りに定義される]
の4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール類の製造法。
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DE10142749.2 | 2001-08-31 |
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