JP2003128621A - 含フッ素化合物の製法 - Google Patents

含フッ素化合物の製法

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JP2003128621A JP2002316984A JP2002316984A JP2003128621A JP 2003128621 A JP2003128621 A JP 2003128621A JP 2002316984 A JP2002316984 A JP 2002316984A JP 2002316984 A JP2002316984 A JP 2002316984A JP 2003128621 A JP2003128621 A JP 2003128621A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】抗菌性化合物の合成中間体の製造法を提供す
る。 【構成】 【化1】 【化2】 2-ブロモ-2-フルオロシクロプロパンカルボン酸を脱臭
素し、2-フルオロシクロプロパンカルボン酸を製造する
方法;または、一般式VIで表される化合物を脱臭素し、
一般式VIIで表される化合物を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌剤の中間体の製法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】化32で表される構造の化合物(特開平
2−231475号参照)は幅広い抗菌スペクトルと高
い抗菌活性、さらに高い安全性を有する優れた抗菌剤と
して期待されている。
【0003】
【化8】
【0004】その構造的特徴は1位にシス−フルオロシ
クロプロピル基を有していることである。
【0005】化32に示す化合物の1位のシスフルオロ
シクロプロピル基の構築には1,2-シス-2-フルオロシク
ロプロピルアミンを用いている。
【0006】2-フルオロシクロプロピルアミンは例え
ば、2-フルオロシクロプロパンカルボン酸から変換する
方法があるが、この2-フルオロシクロプロパンカルボン
酸の合成法としては化33に示す方法(和歌山大学教育
学部紀要 33, 33 (1984))が知られている。ここでは、
まず、ブタジエンとジブロモフルオロメタンから1-ブロ
モ-1-フルオロ-2-ビニルシクロプロパンを得、これを過
マンガン酸カリウムで酸化して2-ブロモ-2-フルオロシ
クロプロパンカルボン酸とした後に、エステルに変換
し、さらに脱ブロム反応および加水分解を行なって2-フ
ルオロシクロプロパンカルボン酸を得ていた。
【0007】
【化9】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この製
法は脱ブロム反応の際に毒性の高い水素化トリブチルス
ズを使用すること、また酸化工程において過マンガン酸
カリウム等の酸化剤が大量に必要であること等、工業的
には不利な製法であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、2-ブロモ-2-フルオロシクロプロパン誘導体は
水素源の存在下に、アルカリ金属またはアルカリ土類金
属に属する金属で処理する、または含水アセトン中にお
いて亜鉛で処理する、あるいは塩基存在下で接触的水素
化分解反応を行うことにより、収率よく安全に脱ブロム
反応を行うことができること、またヒドロキシメチルシ
クロプロパン誘導体は少量の酸化剤によってカルボン酸
誘導体への酸化を行なうことができることを見いだし本
発明を完成させた。
【0010】
【発明の構成】本発明は一般式I
【0011】
【化10】 (式中、R1 は置換基を有していてもよいベンジル基を
意味する。)で表される化合物、一般式II
【0012】
【化11】 (式中、R1 は置換基を有していてもよいベンジル基を
意味する。)で表される化合物、式III
【0013】
【化12】 で表される2-ブロモ-2-フルオロ-1-ヒドロキシメチルシ
クロプロパン、式IV
【0014】
【化13】 で表される2-フルオロ-1-ヒドロキシメチルシクロプロ
パンに関する。
【0015】また、本発明は一般式Iで表される化合物
を脱臭素し、一般式IIで表される化合物を得る製法に関
する。
【0016】そして、本発明は2-ブロモ-2-フルオロ-1-
ヒドロキシメチルシクロプロパンを脱臭素し、2-フルオ
ロ-1-ヒドロキシメチルシクロプロパンを得る製法に関
する。
【0017】さらに、本発明は2-ブロモ-2-フルオロシ
クロプロパンカルボン酸を脱臭素し、2-フルオロシクロ
プロパンカルボン酸を得る製法に関する。
【0018】あるいは、本発明は一般式VIで表される化
合物を脱臭素し、一般式VIIで表される化合物を得る製
法に関する。
【0019】次に本発明について詳しく説明する。
【0020】一般式Iおよび一般式IIで表される化合物
中のR1 は置換基を有していてもよいベンジル基である
が、例えば、ベンゼン環部分がアルキル基やアルコキシ
ル基で置換されたものが挙げられ、これらの置換基は1
種以上が1以上あってもよい。また、酸素原子とベンゼ
ン環をつなぐメチレン部分がアルキル基によって置換さ
れていてもよい。なお、ベンゼン環部分の置換基とメチ
レン部分の置換基は両方あるいはどちらか一方だけでも
よい。
【0021】一般式Iで表される1-置換ベンジルオキシ
メチル-2-フルオロシクロプロパン誘導体、例えば、1-
ベンジルオキシメチル-2-ブロモ-2-フルオロシクロプロ
パンは、ベンジルアリルエーテルにブロモフルオロカル
ベンを反応させることにより製造することができる。こ
の製法は、従来の方法で用いていたガス状物質であるブ
タジエンの使用を回避でき、反応操作および合成した化
合物の単離操作が著しく簡便であるという特徴を有して
いる。
【0022】この様にして得られた1-ベンジルオキシメ
チル-2-ブロモ-2-フルオロシクロプロパンに通常用いら
れる脱ベンジル反応を行い、式IIIで表される2-ブロモ-
2-フルオロ-1-ヒドロキシメチルシクロプロパンを得る
ことができる。
【0023】一般式Iあるいは式IIIで表される化合物
は脱臭素することにより、それぞれ一般式IIで表される
1-置換ベンジルオキシメチル-2-フルオロシクロプロパ
ン誘導体および式IVで表される2-フルオロ-1-ヒドロキ
シメチルシクロプロパンを得ることができる。なお、式
IVで表される2-フルオロ-1-ヒドロキシメチルシクロプ
ロパンは一般式IIで表される化合物を脱ベンジル反応に
付すことによっても得ることができる。
【0024】式IIIあるいは式VIの化合物は酸化反応に
よって2-フルオロシクロプロパンカルボン酸を製造する
ことができる。式IIIおよび式VIの化合物は、従来のビ
ニル基を有するシクロプロパン類を酸化するのに比べ少
量の酸化剤でカルボン酸に変換できる利点を有してい
る。
【0025】式IIIで表される化合物を酸化することに
よって式Vで表される2-ブロモ-2-フルオロシクロプロ
パンカルボン酸を得ることができる。得られた式Vの化
合物をエステル化することにより一般式VIの2-ブロモ-2
-フルオロシクロプロパンカルボン酸エステル誘導体が
得られる。ここで、一般式VIのR2 の低級アルキル基
は、炭素数が1から6のアルキル基を意味する。
【0026】本発明に関する化合物の関係を化38に示
す。
【0027】
【化14】 なお、これらの化合物はそれぞれ4つの立体異性体が存
在するが、単一の立体異性体あるいはそれらの混合物の
いずれであってもよい。
【0028】次に、本発明の脱臭素反応には以下の3つ
の方法がある。 1.水素源の存在下、アルカリ金属またはアルカリ土類
金属で処理 2.含水アセトン中において亜鉛で処理 3.接触的水素化分解 以下に、それぞれの方法を詳しく説明する。
【0029】1.水素源の存在下、アルカリ金属または
アルカリ土類金属で処理する方法 この方法は、一般式Iで表される1-置換ベンジルオキシ
メチル-2-ブロモ-2-フルオロシクロプロパン誘導体、式
IIIで表される2-ブロモ-2-フルオロ-1-ヒドロキシメチ
ルシクロプロパン、式Vで表される2-ブロモ-2-フルオ
ロシクロプロパンカルボン酸および一般式VIで表される
2-ブロモ-2-フルオロシクロプロパンカルボン酸エステ
ル誘導体に適用することができる。
【0030】この方法は具体的には、上記化合物と水素
源を含む溶媒に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属
を加えればよい。
【0031】本反応で用いるアルカリ金属またはアルカ
リ土類金属としては、例えば金属リチウム、金属ナトリ
ウム、金属カリウムまたは金属カルシウムがある。
【0032】アルカリ金属またはアルカリ土類金属の使
用量は、原料化合物に対して 5 から 50 当量使用すれ
ばよい。
【0033】この方法に使用できる溶媒としては液体ア
ンモニア、アルコール類またはエーテル類を挙げること
ができるが、これらは混合溶媒としてもよい。また、溶
媒に塩基を混在させてもよい。塩基としてはピリジンあ
るいはトリエチルアミン等のアルキルアミン類が使用で
きる。特に、原料化合物がカルボン酸であるときは塩基
を混在させる方が好ましい。アルコール類としてはメタ
ノール、エタノール、プロパノール、第三級ブタノール
等を挙げることができるほか、ペンタノール類、ヘキサ
ノール類を挙げることができる。また、エーテル類とし
ては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、1,2-ジメトキシエタンを例示することができる。
【0034】この反応には水素源が必要であるが、水素
源とは、水素原子を供給できる化合物のことである。例
えば、水、塩化アンモニウムあるいはアルコールなどが
挙げられる。なお、反応溶媒としてエーテル類を使用す
る場合は水素源が必須であるが、反応溶媒としてアルコ
ール類を使用する場合はアルコール類自体が水素源とな
るために、特に水素源を用いなくてもよい。また、液体
アンモニアを溶媒として使用し、金属としてリチウムを
使用する場合も水素源を用いなくともよい。
【0035】実際に反応に使用できる溶媒の混合物とし
ては、液体アンモニアと水もしくはアルコール類の混合
物、エーテル類とアルコール類もしくは水との混合物ま
たはアルコール類と水の混合物を挙げることができる。
具体的にはテトラヒドロフランと第三級ブタノールまた
はテトラヒドロフランとメタノールの混合物、あるいは
液体アンモニアと水の混合物等である。
【0036】反応温度は約零下 100 ℃から約 150 ℃の
範囲で溶媒の沸点以下であればよいが、好ましくは約零
下 50 ℃から溶媒の沸点までの範囲である。
【0037】反応時間はおよそ 5 分から 48 時間の範
囲であればよいが、好ましくは 1 時間から 24 時間の
範囲である。
【0038】2.含水アセトン中で亜鉛で処理する方法 この方法は、一般式Iで表される1-置換ベンジルオキシ
メチル-2-ブロモ-2-フルオロシクロプロパン誘導体、式
IIIで表される2-ブロモ-2-フルオロ-1-ヒドロキシメチ
ルシクロプロパン、式Vで表される2-ブロモ-2-フルオ
ロシクロプロパンカルボン酸および一般式VIで表される
2-ブロモ-2-フルオロシクロプロパンカルボン酸エステ
ル誘導体に適用することができる。
【0039】この方法は具体的には、上記化合物と含水
アセトンの混合物に、金属亜鉛を加えればよい。
【0040】金属亜鉛の使用量は、原料化合物に対して
5 から 50 当量使用すればよい。
【0041】この方法で使用できる溶媒としては、含水
アセトン単独でもよいが、塩基を混在させてもよい。塩
基としてはピリジンあるいはトリエチルアミン等のアル
キルアミン類が使用できる。
【0042】使用する含水アセトンは、アセトンと水を
混合比、アセトン:水= 70 : 30から 90 : 10 (v/v)
で混合させたものが好ましい。
【0043】反応温度は約零下 100 ℃から約 150 ℃の
範囲で溶媒の沸点以下であればよいが、好ましくは約零
下 50 ℃から溶媒の沸点の範囲である。
【0044】反応時間はおよそ 5 分から 48 時間の範
囲であればよいが、好ましくは 1 時間から 24 時間の
範囲である。
【0045】3.接触的水素化分解による方法 この方法は、一般式Iで表される1-置換ベンジルオキシ
メチル-2-ブロモ-2-フルオロシクロプロパン誘導体、式
IIIで表される2-ブロモ-2-フルオロ -1-ヒドロキシメチ
ルシクロプロパンに適用することができる。
【0046】この方法は具体的には、原料化合物を塩基
および触媒の存在下に水素ガス雰囲気下で処理すればよ
い。
【0047】この製法に用いることができる触媒として
は、この種の水素化で通常使用される金属触媒でよい。
これらのうちで好ましくは、パラジウム−炭素、ラネー
ニッケル等である。
【0048】また、この水素化分解反応は塩基存在下に
実施するが、この塩基としては無機または有機塩基でよ
い。無機塩基としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムおよび水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金
属類、そして炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属塩類を
挙げることができる。一方、有機塩基としてはメチルア
ミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン等のアルキルアミン類、エタノールアミン等のアルカ
ノールアミン類、1,2-ジアミノエタン、トリメチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミ
ン類、ベンジルアミン等のアラルキルアミン類、ジシア
ンジアミド等、ピリジン、ピペリジン等の飽和、不飽和
もしくは芳香族複素環化合物等を例示することができ
る。これらの塩基のうちでは有機塩基が好ましく、特に
エチレンジアミンが好ましい。
【0049】この方法は水素ガス雰囲気下において実施
するが、水素圧は、通常、1 から 100気圧 (bar) の範
囲、好ましくは 1 から 50 気圧 (bar) での範囲で実施
すればよい。
【0050】反応温度は、通常 0 から 80 ℃、好まし
くは 5 ないし 60 ℃の範囲であればよい。
【0051】本反応を実施する際、一般式IIで表される
化合物 1 モルに対して、1.1 から11 モルの範囲の塩基
を使用し、通常は触媒量でよい必要量の触媒が使用さ
れ、水素化は常圧または加圧化の水素ガス雰囲気下にお
いて、数時間から数十時間にわたって実施すればよい。
【0052】以下、実施例および参考例をもって本発明
を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0053】なお、実施例および参考例中においてシク
ロプロパン環平面に対して2位のフッ素原子と1位の置
換基が同じ側にあるものをシス(Cis) とし、異なる側に
あるものをトランス(Trans) とする。
【0054】
【実施例】参考例1:1-ベンジルオキシメチル-2-フル
オロシクロプロパン
【0055】
【化15】
【0056】1-ベンジルオキシメチル-2-ブロモ-2-フル
オロシクロプロパン 259 mg(1 mmol、Trans / Cis = 1.
04)をメタノール 5 ml に溶解し、金属ナトリウム 644
mg(28 mmol) を加え、室温にて 24 時間撹拌した。反
応液に水を加え、反応を停止し、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた粗生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン=1 : 4)に付し、黄色油状物として、ト
ランス-1-ベンジルオキシメチル-2-フルオロシクロプロ
パン 50.9 mg(28.2 %) およびシス-1-ベンジルオキシメ
チル-2-フルオロシクロプロパン 77.6 mg(43.1 %) を得
た。
【0057】トランス-1-ベンジルオキシメチル-2-フル
オロシクロプロパン1 H-NMR(CDCl3)δ:0.61 - 1.49(3H, m), 3.34(2H, dd,
J = 3.6, 7.2 Hz), 4.11, 4.82(each0.5H, m), 4.53(2
H, s), 7.38(5H, s). シス-1-ベンジルオキシメチル-2-フルオロシクロプロパ
1 H-NMR(CDCl3)δ:0.60 - 1.54(3H, m), 3.34 - 3.81(2
H, m), 4.34, 5.08(each 0.5H, m), 4.58(2H, s), 7.38
(5H, s).
【0058】参考例2:1-ベンジルオキシメチル-2-フ
ルオロシクロプロパン
【0059】
【化16】
【0060】1-ベンジルオキシメチル-2-ブロモ-2-フル
オロシクロプロパン 259 mg(1 mmol、Cis / Trans = 1.
04) をエタノール 5 ml に溶解し、金属ナトリウム 805
mg(35 mmol) を加え、室温にて 24 時間撹拌した。反
応液に水を加え、反応を停止し、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた粗生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン=1 : 4)に付し、黄色油状物として、ト
ランス-1-ベンジルオキシメチル-2-フルオロシクロプロ
パン 71.4 mg(39.6 %) およびシス-1-ベンジルオキシメ
チル-2-フルオロシクロプロパン 82.0 mg(45.5 %) を得
た。
【0061】参考例3:1-ベンジルオキシメチル-2-フ
ルオロシクロプロパン
【0062】
【化17】 1-ベンジルオキシメチル-2-ブロモ-2-フルオロシクロプ
ロパン 252 mg(0.98 mmol 、Cis / Trans = 1.04) をイ
ソプロパノールとテトラヒドロフランの混合溶媒(混合
比 5 : 2 (v/v)) 7 mlに溶解し、 55 ℃にて金属ナトリ
ウム 460 mg(20mmol) を加え、 24 時間撹拌した。反応
液に水を加え、反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。
有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムにて乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:
ヘキサン=1 : 4)に付し、黄色油状物として、トラン
ス-1-ベンジルオキシメチル-2-フルオロシクロプロパン
63.0 mg(35.8 %) およびシス-1-ベンジルオキシメチル
-2-フルオロシクロプロパン 62.9 mg(35.8 %)を得た。
【0063】参考例4:2-フルオロ-1-ヒドロキシメチ
ルシクロプロパン
【0064】
【化18】
【0065】2-ブロモ-2-フルオロ-1-ヒドロキシメチル
シクロプロパン 676 mg(4 mmol)を含水アセトン(混合
比、アセトン:水= 80 : 20 (v/v)) 10 ml に溶解
し、亜鉛末 3.92 g(60 mmol) を加えて、 16 時間加熱
還流した。反応液を室温にもどし、亜鉛末を濾去した
後、エーテルで抽出を行なった。有機層を飽和食塩水で
洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を留
去し、無色油状物として、2-フルオロ-1-ヒドロキシメ
チルシクロプロパン 291.2 mg (80.8 %) を得た。この
ものを分留しシス体とトランス体を単離した。
【0066】シス-2-フルオロ-1-ヒドロキシメチルシク
ロプロパン 沸点; 140℃1 H-NMR(CDCl3)δ:0.5 - 1.6(3H, m), 2.18(1H), 3.4 -
4.21(2H, m), 4.5, 5.1(each 0.5H,m). トランス-2-フルオロ-1-ヒドロキシメチルシクロプロパ
ン 沸点: 142℃1 H-NMR(CDCl3)δ:0.4 - 1.9(3H, m), 1.90(1H), 3.5(2
H, d), 4.15, 4.85(each 0.5H, m).
【0067】実施例1:2-フルオロシクロプロパンカル
ボン酸
【0068】
【化19】
【0069】2-ブロモ-2-フルオロシクロプロパンカル
ボン酸 183 mg(1 mmol) をn-ブタノールとトリエチルア
ミンの混合溶媒 (混合比4 : 1 (v/v)) 5 ml に溶解し、
金属ナトリウム 460 mg(20 mmol) を室温にて加え、1
時間撹拌した。反応液に水を加え、反応を停止し、濃塩
酸を加えて水層を pH 1 に調整した。酢酸エチルにて抽
出を行ない、抽出液をガスクロマトグラフィーによって
分析したところ、トランス-2-フルオロシクロプロパン
カルボン酸が収率 10 % およびシス-2-フルオロシクロ
プロパンカルボン酸が収率 9.6 % で生成していた。
【0070】実施例2:2-フルオロシクロプロパンカル
ボン酸 2-ブロモ-2-フルオロシクロプロパンカルボン酸 183 mg
(1 mmol) を 80 % 含水アセトンとトリエチルアミンの
混合溶媒 (混合比 4 : 1 (v/v)) 5 ml に溶解し、亜鉛
末 784.7 mg(12 mmol) を加え、 20 時間加熱還流し
た。反応液に水を加え、反応を停止し、亜鉛末の濾去を
行ない、濃塩酸を加えて水層を pH 1 に調整した。酢酸
エチルにて抽出を行ない、抽出液をガスクロマトグラフ
ィーによって分析したところ、トランス-2-フルオロシ
クロプロパンカルボン酸が収率 32.6% およびシス-2-フ
ルオロシクロプロパンカルボン酸が収率 26.1 % で生成
していた。
【0071】実施例3:2-フルオロシクロプロパンカル
ボン酸エチルエステル
【0072】
【化20】
【0073】2-ブロモ-2-フルオロシクロプロパンカル
ボン酸エチルエステル 211 mg(1 mmol) を含水アセトン
(混合比、アセトン:水= 80 : 20 (v/v)) 5 ml に溶
解し、亜鉛末 588.6 mg(9 mmol)を加え、5.5 時間加熱
還流した。反応液を室温にもどし、亜鉛末の濾去を行な
い、酢酸エチルにて抽出を行なった。抽出液をガスクロ
マトグラフィーによって分析したところ、トランス-2-
フルオロシクロプロパンカルボン酸エチルエステルが収
率 47.4 % およびシス-2-フルオロシクロプロパンカル
ボン酸エチルエステルが収率 45.4 % で生成していた。
【0074】参考例5:2-フルオロ-1-ヒドロキシメチ
ルシクロプロパン
【0075】
【化21】
【0076】1-ベンジルオキシメチル-2-ブロモ-2-フル
オロシクロプロパン 200 mg(0.78 mmol) をメタノール
4 ml に溶解し、5 % パラジウム−炭素 20 mg を加えて
オートクレーブ中で、 40 気圧の水素圧下、室温で 17
時間撹拌した。その後、反応系にエチレンジアミン 80
μl を加えた後、更に 40 気圧の水素圧下で 15 時間撹
拌を行ない、触媒を濾過して 73 % の収率(シス体 35
%) で、2-フルオロ-1-ヒドロキシメチルシクロプロパン
を得た。
【0077】参考例6: 1-ベンジルオキシメチル-2-ブ
ロモ-2-フルオロシクロプロパン
【0078】
【化22】
【0079】アリルベンジルエーテル 14.2 g(100 mmo
l)に水酸化カリウム 2.24 g(40 mmol)、無水硫酸マグ
ネシウム 3.61 g(30 mmol) およびベンジルトリブチル
アンモニウムブロミド 178.2 mg(2 mol) を加え、氷冷
下、ジブロモフルオロメタン 1.92 g(10 mmol)を滴下し
た。そのままの温度にて 1 時間、室温にて 3 時間撹拌
した。反応液に、塩化メチレンを加え、濾過を行ない、
濾液の溶媒を減圧留去した。残渣にジイソプロピルエー
テルを加えて、析出したベンジルトリブチルアンモニウ
ムブロミドを濾去した。濾液を減圧蒸留に付し、30 mmH
g で 105 から 108 ℃にてアリルベンジルエーテルを回
収し、1-ベンジルオキシメチル-2-ブロモ-2-フルオロシ
クロプロパンを無色油状物として 1.53 g(59 %) 得た。
【0080】参考例7:2-ブロモ-2-フルオロ-1-ヒドロ
キシメチルシクロプロパン
【0081】
【化23】
【0082】2-ブロモ-2-フルオロ-1-ベンジルオキシメ
チルシクロプロパン 2.59 g(10 mmol) をメタノール 26
mlに溶解し、5 % パラジウム−炭素 259 mg を加え、
水素雰囲気下、室温にて 4時間撹拌した。5 % パラジウ
ム−炭素を濾去し、溶媒を減圧留去を行ない、2-ブロモ
-2-フルオロ-1-ヒドロキシメチルシクロプロパンを黄色
油状物として 1.5 g(98 %) 得た。
【0083】1H-NMR(CDCl3)δ:0.82 - 2.16(3H, m),
2.44(1H, bs), 3.46 - 4.04(2H, m), 4.15, 4.85(each
0.5H, m).
【0084】参考例8:2-フルオロシクロプロパンカル
ボン酸
【0085】
【化24】
【0086】2-フルオロ-1-ヒドロキシメチルシクロプ
ロパン 291.2 mg(3.23 mmol) を含水アセトン(混合
比、アセトン:水= 80 : 20 (v/v)) 10 ml に溶解
し、過マンガン酸カリウム 1.26 g(8 mmol)を加え、室
温にて 23 時間撹拌した。溶媒を留去し、水 10 ml を
加え、濃塩酸にて pH 1 に調整し、酢酸エチル(30 ml)
で 3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去し、白色
結晶として、2-フルオロシクロプロパンカルボン酸 23
5.3 mg(70.0 %)を得た。
【0087】参考例9:2-ブロモ-2-フルオロシクロプ
ロパンカルボン酸
【0088】
【化25】
【0089】2-ブロモ-2-フルオロ-1-ヒドロキシメチル
シクロプロパン 200 mg(2.2 mmol)を 7 ml のアセトン
に溶解し、炭酸水素ナトリウム 373 mg およびアセトン
7ml に過マンガン酸カリウム 420 mg(2.6 mmol) を溶
解したものを加えた後、室温で一晩撹拌した。濃硫酸お
よび亜硫酸水素ナトリウム溶液を沈殿物が溶解するまで
適量加えた後濃縮し、水を加えてクロロホルムで 3 回
抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水洗浄の後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、2-ブロ
モ-2-フルオロシクロプロパンカルボン酸を、粗収率 90
% で得た。
【0090】参考例10:2-ブロモ-2-フルオロシクロ
プロパンカルボン酸エチルエステル
【0091】
【化26】
【0092】2-ブロモ-2-フルオロシクロプロパンカル
ボン酸 107 mg (0.58 mmol) を、10ml のエタノールに
溶解し、触媒量の濃硫酸を添加した後、4 時間加熱還流
したのち、水を加えて塩化メチレンで抽出した。有機層
を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、2-ブロモ-2-
フルオロシクロプロパンカルボン酸エチルエステルを定
量的に得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲永 美奈子 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内 (72)発明者 佐藤 耕司 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC13 AC46 AC48 BB14 BB16 BE24 BJ20 BM20 BM71

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式V 【化1】 で表される化合物を含水アセトン中において亜鉛で処理
    することを特徴とする2-フルオロシクロプロパンカルボ
    ン酸の製法
  2. 【請求項2】 一般式VI 【化2】 (式中、R2 は低級アルキル基を意味する。)で表され
    る化合物を水素源の存在下に、アルカリ金属またはアル
    カリ土類金属に属する金属で処理することを特徴とする
    一般式VII 【化3】 (式中、R2 は前記と同じ。)で表される化合物の製法
  3. 【請求項3】 一般式VI 【化4】 (式中、R2 は低級アルキル基を意味する。)で表され
    る化合物をアルコール中において金属ナトリウムで処理
    することを特徴とする一般式VII 【化5】 (式中、R2 は前記と同じ。)で表される化合物の製法
  4. 【請求項4】 一般式VI 【化6】 (式中、R2 は低級アルキル基を意味する。)で表され
    る化合物を含水アセトン中において亜鉛で処理すること
    を特徴とする一般式VII 【化7】 (式中、R2 は前記と同じ。)で表される化合物の製法
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