JP4055084B2 - 選択的脱ハロゲン化法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、優れた抗菌剤として期待されるキノロン誘導体(特開平2−231475号)の製造に使用する原料化合物の新規な製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、化11
【0003】
【化11】
Figure 0004055084
の1,2-シス-2- フルオロシクロプロパンカルボン酸(カルボン酸置換基とフッ素原子とがシクロプロパン環の平面に関して同じ側に存在する化合物を示す。)は、化12に示す工程によって製造されていた。すなわち、ブタジエンにブロモフルオロカルベンを付加して1-ブロモ-1- フルオロ-2- ビニルシクロプロパンを製造し、次いでこの化合物のビニル基を酸化してカルボン酸化合物に変換し、さらにこれをエステル化合物とした後に脱ブロム化し、そしてシス配置を有する1,2-シス-2- フルオロシクロプロパンカルボン酸エステルをトランス配置の化合物から分離した後、エステルを加水分解してカルボン酸に変換する方法である(和歌山大学教育学部紀要 33, 33(1984))。
【0004】
【化12】
Figure 0004055084
【0005】
しかしながら化12に示した方法は多段階の反応を必要とする他、脱ブロム化の工程では有毒でかつ高価な水素化トリブチルスズを使用しており、工業的に不利であることを免れ得なかった。
【0006】
一方、2-クロロ-2- フルオロシクロプロパンカルボン酸を塩基存在下に接触的水素化分解反応に付して脱クロル化する方法が報告されている。しかし、この方法ではトランス配置の2-フルオロシクロプロパンカルボン酸が低収率で得られたのみであって、シス配置の2-フルオロシクロプロパンカルボン酸は得られていなかった(Journal of Fluorine Chemistry, 49, 127(1990))。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、2-フルオロシクロプロパンカルボン酸誘導体、とりわけ1,2-シス-2- フルオロシクロプロパンカルボン酸誘導体を安全かつ安価で工業的に有利に製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の実情に鑑み本発明者らは鋭意研究を行った。その結果、後述の式(1)で表される化合物(以下、化合物(1)という。また、他の番号で表される式の化合物についても同様とする。)を塩基存在下に、緩和な条件下において接触的水素化分解反応を実施すると、全く予想外のことに脱ハロゲン化反応が立体保持で進行し、収率よく1,2-シス-2- フルオロシクロプロパンカルボン酸誘導体が得られることを見出した。さらに、同条件下に後述の化合物(3)を処理しても同様に脱ハロゲン化反応が進行することを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち本発明は、式(1)
【0010】
【化13】
Figure 0004055084
(式中、Rは水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表し、Xは塩素原子または臭素原子を表す。)
で表される化合物に、塩基存在下で接触的水素化分解反応を行うことを特徴とする式(2)
【0011】
【化14】
Figure 0004055084
(式中、Rは前記の定義に等しい。)
で表される化合物の製法に関する。
【0012】
さらに本発明は、式(3)
【0013】
【化15】
Figure 0004055084
(式中、Rは水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表し、Xは塩素原子または臭素原子を表す。)
で表される化合物に、塩基存在下で接触的水素化分解反応を行うことを特徴とする式(2)
【0014】
【化16】
Figure 0004055084
(式中、Rは前記の定義に等しい。)
で表される化合物の製法に関する。
【0015】
また本発明は、化合物(1)または化合物(3)を、1,2-ジアミノエタン存在下において、ラネーニッケルまたはパラジウム−炭素を触媒として使用し、1気圧から50気圧の範囲から選ばれる水素ガス圧の水素ガス雰囲気下にて処理することを特徴とする化合物(2)の製法に関する。
【0016】
さらに本発明は、式(2)の化合物が1,2-シス体であって、−COR置換基部分とフッ素原子がシクロプロパン環に関して同じ側に存在している化合物である上記の製法に関する。
【0017】
また本発明は、接触的水素化分解反応が、立体保持で進行する接触的水素化分解反応である前記の製法に関する。
【0018】
そして本発明は、処理が、立体保持で進行する反応からなる処理である前記の製法に関する。
【0019】
本発明でいう接触的水素化分解反応とは、反応基質を溶液中において、各種の金属触媒から選ばれた触媒の存在下に水素ガス雰囲気下において処理を行ない、化合物(1)または化合物(3)に置換している塩素原子または臭素原子を水素原子に置換する反応を意味する。
【0020】
本発明の方法で使用される化合物(1)は例えば以下の方法によって得ることができる。すなわち、式(4)
【0021】
【化17】
Figure 0004055084
(式中、Xは塩素原子または臭素原子を表す。)
で表される化合物と式(5)
【0022】
【化18】
N2CHCOOR (5)
(式中、Rは水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表す。)
で表される化合物とを、ロジウム等の触媒存在下で反応させる方法である。
【0023】
また、化合物(3)は次に示す方法によって得ることができる。すなわち、式(6)
【0024】
【化19】
CH2=CHCOOR' (6)
(式中、R’は水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表す。)
で表される化合物とジハロゲノ酢酸エステルとを、例えば L. McCoy の方法(L. McCoy, J. Am. Chem. Soc., 80, 6568(1958) )に基づいて塩基存在下に反応させ、式(7)
【0025】
【化20】
Figure 0004055084
(式中、RおよびR’は、各々独立に炭素数1から4のアルキル基を表す。)
で表される化合物とした後に、通常使用される方法を用いて一方のエステル基を加水分解し、式(8)
【0026】
【化21】
Figure 0004055084
(式中、Rは炭素数1から4のアルキル基を表す。)
で表される化合物に導き、さらにこれを塩基存在下でフッ素ガスで処理する方法である。
【0027】
化合物(1)、化合物(2)および化合物(3)において、−COR置換基は、Rが水素原子の場合はカルボキシル基であり、Rがアルキル基の場合はアルコキシカルボニル基である。このうちアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ノルマルブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、第三級ブトキシカルボニル基を挙げることができる。
【0028】
また、化合物(1)および化合物(3)において、Xで表されるハロゲンは塩素原子または臭素原子である。
【0029】
本発明の製法において使用される触媒としては、通常の接触水素化反応で使用される金属触媒でよい。これらのうちで好ましい触媒としては、パラジウム−炭素あるいはパラジウム黒といったパラジウム触媒やラネーニッケル等を挙げることができる。
【0030】
本発明の接触水素化分解反応は塩基存在下に実施するが、使用する塩基としては無機塩基あるいは有機塩基のいずれであってもよい。このうち無機塩基としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属類や炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類を挙げることができる。一方、有機塩基としてはメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン類、エタノールアミン等のアルカノールアミン類、1,2-ジアミノエタン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン類、ベンジルアミン等のアラルキルアミン類、ジシアンジアミド等、そしてピリジン、ピペリジン等の飽和もしくは芳香族複素環化合物等を例示することができる。これらの塩基のうちでは有機塩基が好ましく、特に1,2-ジアミノエタンが好ましい。
【0031】
本発明の方法は、通常、原料化合物を溶液状態として実施するが、使用できる希釈剤または溶媒は反応に対して不活性であれば如何なるものも使用できる。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、第三級ブチルアルコール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、トルエン、ヘキサンまたはシクロヘキサン等の炭化水素類そして水を挙げることができる。これらのものを単独または混合溶媒として使用すればよい。
【0032】
本発明の方法は水素ガス雰囲気下において実施するが、水素圧は、通常、1気圧から 100気圧(bar )の範囲の圧力から選ばれる。そしてより好ましくは1気圧から50気圧(bar )の範囲から選ばれる水素ガス圧で実施するのがよい。
【0033】
本発明の方法を実施する温度は、通常、0℃から80℃の範囲から選ばれるが、より好ましくは5℃から50℃の範囲から選ばれる温度である。
【0034】
本反応を実施するには、1モルの化合物(1)または化合物(3)に対して、塩基は0.55から11モルの範囲で使用し(反応の進行に伴い生成する酸性成分を除去するのに必要な塩基分を含む。)、必要十分量の触媒の存在下で、常圧の水素ガスまたは加圧した水素ガス雰囲気下において、数時間から数十時間に亙って、先に示した反応温度で水素化反応を実施すればよい。なお反応に際し、これらの条件を適宜組み合わせることによって、化合物(1)の立体は保持したまま、しかも収率よく化合物(2)を得ることができる。また、化合物(3)からも、同様にして化合物(2)を得ることができる。
【0035】
本発明の方法を実施するに際の反応条件の選択の目安は、“既に示した各種の条件の中から、全体としてより緩和な反応条件となるように選択する。”ということである。例えば、反応温度が高いときはより低圧の水素ガス圧に設定すればよいし、また水素ガス圧が高いときには反応温度をより低く設定すればよい。さらに、反応温度および水素ガス圧がいずれも高いときには反応時間を短時間にする等の方法を挙げることができる。
【0036】
本発明の方法によって得られた1,2-シス-2- フルオロシクロプロパンカルボン酸誘導体と、1,2-トランス-2- フルオロシクロプロパンカルボン酸誘導体は、通常の分離方法によって、容易に分離できる。例えば、一般式(2)で表される化合物においてRがエチル基の化合物の場合、実施例に示した様に減圧蒸留によって容易に分離できる。
【0037】
このようにして得られた1,2-シス-2- フルオロシクロプロパンカルボン酸誘導体がエステルの場合は、酸もしくは塩基を用いる通常の加水分解または通常の接触的水素化分解によって、1,2-シス-2- フルオロシクロプロパンカルボン酸に導くことができる。この加水分解は、例えば塩酸等の鉱酸とアルコール類の混合物中、あるいは水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ等の水溶液とアルコール類との混合物中で処理する等の条件を挙げることができる。1,2-シス-2- フルオロシクロプロパンカルボン酸は、特開平2−231475号記載の方法によって優れた抗菌剤であるキノロン誘導体に導くことができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の方法を用いれば、優れた抗菌剤であるキノロン誘導体の製造原料として有用な1,2-シス-2- フルオロシクロプロパンカルボン酸誘導体を工業的に有利に製造することができる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例および参考例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中でシスまたはトランスと記載している化合物があるが、これはカルボン酸置換基部分とフッ素原子部分との配置によって定めたものである。即ち、シクロプロパン環に関してカルボン酸置換基部分とフッ素原子部分が同じ側にある場合をシスといい、異なる側にある場合をトランスという。
【0040】
[参考例1] 2- クロロ -2- フルオロ -1- シクロプロパンカルボン酸エチルエステル
ジクロロメタン 10 mlにテトラキス(トリフェニルアセタト)ジロジウム 16.9 mgを加えて溶解した後、粉末のモレキュラーシーブス 4A、 370 mgを加えた。反応容器をドライアイス−アセトン浴に浸して1-クロロ-1- フルオロエチレン 1.0 gを溶解させた。この溶液の温度を零下35℃から零下40℃に保ちながら、アルゴンガス雰囲気下にジアゾ酢酸エチル 2.5 mmol のジクロロメタン溶液 5.3 ml を滴下した。この際、最初の半量を15分、残りの半量は30分をかけて滴下した。滴下終了後、反応液をゆっくり室温に戻した。ガスクロマトグラフィーによって分析した結果、反応転化率 100%、収率91%、シス:トランス=1.59:1.0であることが判明した。この標記生成物の分析データは次の通りであった。
【0041】
Figure 0004055084
【0042】
[参考例2] 2- 第三級ブトキシカルボニル -1- クロロ -1- シクロプロパンカルボン酸メチルエステル
60%水素化ナトリウム 80 g をN,N-ジメチルホルムアミド 1000 mlに懸濁し、この懸濁液にアクリル酸第三級ブチルエステル 352 ml を氷冷下に30分で滴下した。次いでこの反応液にジクロロ酢酸メチルエステル 207 ml を内温が10℃を保つようにして 1.5時間で滴下した。滴下終了後、内温を10から20℃に保ち2時間撹拌した。反応液に濃塩酸を加えて中性とした後、さらに水を加えた。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。得られた残留物を減圧蒸留し、2-第三級ブトキシカルボニル-1- クロロ-1- シクロプロパンカルボン酸メチルエステル、384 g (収率84%)が無色油状物として得られた。
【0043】
沸点:96 - 105℃/1 mmHg
1H-NMR(CDCl3) δ:
1.44 and 1.49(9H, each s), 1.61(3/5H, dd, J = 6.8, 9.8 Hz),
1.88(1H, d, J = 8.8 Hz), 2.10(2/5H, dd, J = 6.3, 7.8 Hz),
2.37(2/5H, dd, J = 7.8, 9.8 Hz), 2.60(3/5H, dd, J = 8.8, 8.8 Hz),
3.78 and 3.81(3H, each s).
【0044】
[参考例3] 2- クロロ -2- メトキシカルボニル -1- シクロプロパンカルボン酸 2-第三級ブトキシカルボニル-1- クロロ-1- シクロプロパンカルボン酸メチルエステル 158 gをジクロロメタン 350 ml に溶解し、ここへトリフルオロ酢酸 160 ml を加えて室温で6時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物にn-ヘキサンを加えた。生じた結晶を濾取してn-ヘキサンで洗浄し、2-クロロ-2- メトキシカルボニル-1- シクロプロパンカルボン酸 116 g(収率97%)が無色結晶として得られた。
【0045】
融点: 77.7 - 79.1 ℃
1H-NMR(CDCl3) δ:
1.76(2/5H, dd, J = 6.8, 9.8 Hz), 1.95(3/5H, dd, J = 6.3, 7.8 Hz),
2.01(3/5H, dd, J = 5.8, 9.4 Hz), 2.20(2/5H, dd, J = 6.8, 7.8 Hz),
2.47(2/5H, dd, J = 7.8, 9.8 Hz), 2.72(3/5H, dd, J = 7.8, 9.3 Hz),
3.79 and 3.83(3H, each s).
【0046】
[参考例4] 1- クロロ -2- フルオロ -1- シクロプロパンカルボン酸メチルエステル
2-クロロ-2- メトキシカルボニル-1- シクロプロパンカルボン酸 111 gに水 200 ml を加え、さらに水酸化ナトリウム 24.87 gを水 300 ml に溶解した溶液を氷冷撹拌下に加えカルボン酸ナトリウム塩とした。この水溶液にフッ化ナトリウム 52.25 g を加えた後、カルボン酸に対し1.3 当量の10%(v/v)フッ素ガス(窒素希釈: 600ml/min)を氷冷撹拌下に導入した。導入終了後、反応液に 1N 水酸化ナトリウム水溶液を加えて pH 8 - 9 とした後、ジクロロメタン 250 ml で2回抽出を行った。有機層を分取し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して標記の化合物の粗生成物 75 g を得た(シス:トランス=3:2)。また、分離した水層を塩酸で pH 2 - 3 に調整したのち、ジクロロメタン100 mlで2回抽出することにより、原料を 23.1 g 回収した。反応粗生成物の蒸留の結果、反応収率はシス体とトランス体を合わせて 76.4 %(原料回収分を除く)であった。この標記生成物の分析データは次の通りであった。
【0047】
Figure 0004055084
【0048】
実施例1:2- フルオロ -1- シクロプロパンカルボン酸エチルエステル
オートクレーブにガラス内筒を入れ、この中に、2-クロロ-2- フルオロ-1- シクロプロパンカルボン酸エチル 0.5 g(シス:トランス=1.4:1)、ラネーニッケル 0.5 ml およびエタノール 5 ml を加えた後、1,2-ジアミノエタン 0.54 g を加え、加圧水素ガス雰囲気下(50 Kgf/cm2)に室温で24時間撹拌した。反応終了後触媒を濾去した。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、反応転化率 100%、収率 88.9 %、シス:トランス=1.4:1 であった。また、この標記生成物の分析データは次の通りであった。
【0049】
Figure 0004055084
【0050】
実施例2:2- フルオロ -1- シクロプロパンカルボン酸
オートクレーブにガラス内筒を入れ、この中に、2-クロロ-2- フルオロ-1- シクロプロパンカルボン酸 1.0 g(シス:トランス=1.2:1 )、ラネーニッケル 1.0 ml およびエタノール 10 mlを加えた後、1,2-ジアミノエタン 4.34 g を加え、加圧水素ガス雰囲気下(10 Kgf/cm2)、 50℃で24時間撹拌した。反応終了後触媒を濾去し、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、反応転化率 100%、収率91%、シス:トランス=1.2:1 であった。また、この標記生成物の分析データは次の通りであった。
【0051】
Figure 0004055084
【0052】
実施例3:2- フルオロ -1- シクロプロパンカルボン酸エチルエステル
オ−トクレ−ブにガラス内筒を入れ、この中に、2-ブロモ-2- フルオロ-1- シクロプロパンカルボン酸エチル 211 mg (和歌山大学教育学部紀要 33, 33(1984)の方法によって得た。シス:トランス=0.8:1 )、5%パラジウム−炭素(55% wet )40 mg およびエタノール 8 ml を加えた後、1,2-ジアミノエタン 90 mgを加え、加圧水素ガス雰囲気下(50 Kgf/cm2)に室温で48時間撹拌した。反応終了後、触媒を濾去し、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、反応転化率95%、収率81%、シス:トランス=0.8:1 であった。
【0053】
実施例4:2- フルオロ -1- シクロプロパンカルボン酸エチルエステル
オートクレーブにガラス内筒を入れ、この中に、2-ブロモ-2- フルオロ-1- シクロプロパンカルボン酸エチル 0.5 g(シス:トランス=0.8:1 )、ラネーニッケル 0.5 ml およびエタノール 5 ml を加えた後、1,2-ジアミノエタン 0.43 g を加え、水素ガス雰囲気下(1 Kgf/cm2)室温で24時間撹拌した。反応終了後、触媒を濾去し、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、反応転化率 100%、収率78%、シス:トランス=0.8:1 であった。
【0054】
実施例5:2- フルオロ -1- シクロプロパンカルボン酸
オートクレーブにガラス内筒を入れ、この中に、2-ブロモ-2- フルオロ-1- シクロプロパンカルボン酸 183 mg (シス:トランス=0.8:1 )、5%パラジウム−炭素 (55%wet) 20 mg およびエタノール 1.8 ml を加えた後、1,2-ジアミノエタン 130 mg を加え、加圧水素ガス雰囲気下(50 Kgf/cm2)室温で24時間撹拌した。反応終了後、触媒を濾去し、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、反応転化率 100%、収率73%、シス:トランス=0.8:1 であった。
【0055】
実施例6:2- フルオロ -1- シクロプロパンカルボン酸
オートクレーブにガラス内筒を入れ、この中に、2-ブロモ-2- フルオロ-1- シクロプロパンカルボン酸 0.5 g(シス:トランス=0.8:1 )、ラネーニッケル 0.5 ml およびエタノール 5 ml を加えた後、1,2-ジアミノエタン 0.49 g を加え、水素ガス雰囲気下(1 Kgf/cm2)に室温で24時間撹拌した。反応終了後、触媒を濾去し、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、反応転化率 100%、収率86%、シス:トランス=0.8:1 であった。
【0056】
実施例7:2- フルオロ -1- シクロプロパンカルボン酸エチルエステル
オートクレーブにガラス内筒を入れ、この中に、1-クロロ-2- フルオロ-1- シクロプロパンカルボン酸エチル 0.5 g(シス:トランス=1.4:1 )、ラネーニッケル 0.5 ml およびエタノール 5 ml を加えた後、1,2-ジアミノエタン 0.18 g を加え、加圧水素ガス雰囲気下(10 Kgf/cm2)に室温で48時間撹拌した。反応終了後、触媒を濾去し、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、反応転化率95%、収率81%、シス:トランス=0.3:1 であった。
【0057】
実施例8:2- フルオロ -1- シクロプロパンカルボン酸
オ−トクレ−ブにガラス内筒を入れ、この中に、1-クロロ-2- フルオロ-1- シクロプロパンカルボン酸 0.5 g(シス:トランス=0.8:1 )、ラネーニッケル 0.5 ml およびエタノール 5 ml を加えた後、1,2-ジアミノエタン 2.17 g を加え、加圧水素ガス雰囲気下(10 Kgf/cm2)に室温で24時間撹拌した。反応終了後、触媒を濾去し、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、反応転化率 100%、収率57%、シス:トランス=0.1:1 であった。
【0058】
上記参考例1および実施例1、3、4、7において使用したガスクロマトグラフィーの分析条件を以下に示す。
【0059】
カラム: TC-WAX (GL Sciences) 30 m x 0.25 mm φ
カラム温度: 70℃
インジェクタ−温度: 200 ℃
検出器温度: 200 ℃
キャリアーガス: ヘリウム
Figure 0004055084
【0060】
上記実施例2、5、6、8において使用したガスクロマトグラフィーの分析条件を以下に示す。
【0061】
カラム: Unisole F-200 (GL Sciences) 6 FT x 2 mm φ
カラム温度: 140 ℃
インジェクター温度: 200 ℃
検出器温度: 200 ℃
キャリアーガス: 窒素
Figure 0004055084

Claims (12)

  1. 式(1)
    Figure 0004055084
    (式中、Rは水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表し、Xは塩素原子または臭素原子を表す。)
    で表される化合物に、塩基存在下において0℃から50℃で接触的水素化分解反応を行うことを特徴とする式(2)
    Figure 0004055084
    (式中、Rは前記の定義に等しい。)
    で表される化合物の製法
  2. 接触的水素化分解反応が、立体保持で進行する接触的水素化分解反応である請求項1に記載の製法
  3. 式(3)
    Figure 0004055084
    (式中、Rは水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表し、Xは塩素原子または臭素原子を表す。)
    で表される化合物に、塩基存在下で接触的水素化分解反応を行うことを特徴とする式(2)
    Figure 0004055084
    (式中、Rは前記の定義に等しい。)
    で表される化合物の製法
  4. 式(1)
    Figure 0004055084
    (式中、Rは水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表し、Xは塩素原子または臭素原子を表す。)
    で表される化合物を、塩基および金属触媒の存在下において0℃から50℃で水素ガス雰囲気下で処理することを特徴とする式(2)
    Figure 0004055084
    (式中、Rは前記の定義に等しい。)
    で表される化合物の製法
  5. 処理が、立体保持で進行する反応からなる処理である請求項4に記載の製法
  6. 金属触媒がラネーニッケルまたはパラジウム−炭素である請求項1から5のいずれかに記載の製法
  7. 塩基が1,2−ジアミノエタンである請求項6に記載の製法
  8. 式(2)の化合物が1,2−シス体であって、−CO2R置換基部分とフッ素原子がシクロプロパン環に関して同じ側に存在している化合物である請求項7に記載の製法
  9. 式(1)
    Figure 0004055084
    (式中、Rは水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表し、Xは塩素原子または臭素原子を表す。)
    で表される化合物を、1,2−ジアミノエタン存在下で、ラネーニッケルまたはパラジウム−炭素を触媒として使用し、1気圧から50気圧の範囲から選ばれる水素ガス圧の水素ガス雰囲気下にて、0℃から50℃で処理することを特徴とする式(2)
    Figure 0004055084
    (式中、Rは前記の定義に等しい。)
    で表される化合物の製法
  10. 処理が、立体保持で進行する反応からなる処理である請求項9に記載の製法
  11. 式(3)
    Figure 0004055084
    (式中、Rは水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表し、Xは塩素原子または臭素原子を表す。)
    で表される化合物に、1,2−ジアミノエタン存在下で、ラネーニッケルまたはパラジウム−炭素を触媒として使用し、1気圧から50気圧の範囲から選ばれる水素ガス圧の水素ガス雰囲気下にて処理することを特徴とする式(2)
    Figure 0004055084
    (式中、Rは前記の定義に等しい。)
    で表される化合物の製法
  12. 式(2)の化合物が1,2−シス体であって、−CO2R置換基部分とフッ素原子がシクロプロパン環に関して同じ側に存在している化合物である請求項9から11のいずれかに記載の製法
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