JP2003128152A - 揮散性薬剤徐放部材及びその包装方法 - Google Patents

揮散性薬剤徐放部材及びその包装方法

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JP2003128152A
JP2003128152A JP2001328831A JP2001328831A JP2003128152A JP 2003128152 A JP2003128152 A JP 2003128152A JP 2001328831 A JP2001328831 A JP 2001328831A JP 2001328831 A JP2001328831 A JP 2001328831A JP 2003128152 A JP2003128152 A JP 2003128152A
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volatile drug
drug sustained
humidity
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JP2001328831A
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English (en)
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Hironao Numamoto
浩直 沼本
Narihiro Sato
成広 佐藤
Shiho Furuya
志保 古谷
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 揮散性薬剤徐放部材の表面にビスコース加工
を有する湿度感受性膜は低温低湿度下で製造された後、
高温下に放置されると内部圧力の上昇によって破れやす
い。したがって一年中を通じてざまざまな気象環境の条
件下で製造しても、市場において揮散性薬剤徐放部材の
湿度感受性膜が破れることのないものである。 【解決手段】 揮散性薬剤を容器内部に配置し、前記容
器の少なくとも一部に湿度変化によって前記薬剤の透過
量が変化する湿度感受性膜を具備した揮散性薬剤徐放部
材において、前記揮散性薬剤徐放部材を所定量の水分と
ともに前記薬剤と水に対する非透過性フィルムで包装す
る揮散性薬剤徐放部材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、揮散性の薬剤を外
部の湿度環境変化によって徐放させる揮散性薬剤徐放部
材の包装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】充填された液体状のものを長期間にわた
って徐放させるための技術は種々雑多と提案されてきて
いる。一般的には多孔性の材料物質中に含浸させて毛細
管現象によって徐々に揮散させる方法である。その多孔
性物質とはゼオライト、シルカゲルのような無機化合物
であったり、ポリプロピレン、ポリエステル、セルロー
スの発泡体あるいは繊維束であったりしていた。さらに
シクロデキストリンと呼ばれる有機物の小さな孔に包接
させて徐放させるような方法も特開平5−176733
号公報、特開平6−40890号公報に提案されてい
る。またマイクロカプセル化して徐放性を具現化する方
法も特開平6−9377号公報、特開平6−65064
号公報、特開平7−89848号公報、特開平9−12
447号公報、特開平9−57091号公報等で提案さ
れている。
【0003】また吸い上げ体を使用した場合には、防虫
忌避剤の分野あるいは芳香剤の分野でよく用いられる方
法として、吸い上げ体をヒータで加熱し、揮散速度をさ
らに向上させることも特開昭55−57502号公報、
特開昭63−240738号公報等で提案されている。
【0004】これら従来の方式は揮散性薬剤を外部の湿
度環境に応じて徐放するものではなかったので、本発明
者らはビスコース膜を利用して揮散性薬剤を必要な場合
に有効に徐放させる方法を提案してきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】揮散性薬剤徐放部材は
一年中を通じてざまざまな気象環境の条件下で製造され
る。たとえば、冬場の低湿度環境下で揮散性薬剤徐放部
材を非透過性フィルムで包装したものが、市場の物流途
上にて夏場、60℃程度でしばらく放置されたとする
と、揮散性薬剤の蒸気圧と部材内部空気の体積膨張によ
って、内部圧力が上昇して湿度感受性膜に引っ張りスト
レスを与えることになる。その時、部材の表面にビスコ
ース加工を有する湿度感受性膜は膜の柔軟性が乏しいた
め、強い引っ張り力に負けてビスコース部分にやがて亀
裂を生じてしまうことがわかった。亀裂を生じた湿度感
受性膜は設計基準の薬剤放出量に対して、かなりオーバ
ーな放出量となってしまう。したがって、非透過性フィ
ルムで包装した揮散性薬剤徐放部材の湿度感受性膜が市
場において、ある程度劣悪な環境下に置かれても破れな
いような包装方法が必要となってきた。
【0006】本発明は、このような課題に対して、年中
を通じてざまざまな気象環境の条件下で製造しても市場
において揮散性薬剤徐放部材の湿度感受性膜が破れるこ
とのない包装形態を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題に対して、揮散
性薬剤を容器内部に配置し、前記容器の少なくとも一部
に湿度変化によって前記薬剤の透過量が変化する湿度感
受性膜を具備した揮散性薬剤徐放部材において、前記揮
散性薬剤徐放部材を所定量の水分とともに前記薬剤と水
に対する非透過性フィルムで包装する揮散性薬剤徐放部
材の包装方法である。
【0008】上記構成により、市場において約60℃の
高温下に置かれても非透過性フィルム内部に揮散性薬剤
徐放部材とともに包装された水分の蒸発によって湿度感
受性膜に柔軟性を与えることができる。さらに水分の水
蒸気圧によって揮散性薬剤が揮散性薬剤徐放部材から非
透過性フィルム内部に放出することも抑制するため、市
場で開封された場合にも一時的に多量の揮散性薬剤が放
出されて利用者に不快感を与えるのを軽減することがで
きた。
【0009】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、揮散性薬
剤を容器内部に配置し、前記容器の少なくとも一部に湿
度変化によって前記薬剤の透過量が変化する湿度感受性
膜を具備した揮散性薬剤徐放部材において、前記揮散性
薬剤徐放部材を所定量の水分とともに前記薬剤と水に対
する非透過性フィルムで包装する揮散性薬剤徐放部材で
ある。
【0010】請求項2記載の発明は、揮散性薬剤を前記
薬剤の揮散量を制御する揮散量制御膜内部に配置し、前
記揮散量制御膜の外装に湿度変化によって前記薬剤の透
過量が変化する湿度感受性膜を具備した揮散性薬剤徐放
部材において、前記揮散性薬剤徐放部材を所定量の水分
とともに前記薬剤と水に対する非透過性フィルムで包装
する揮散性薬剤徐放部材である。
【0011】請求項3記載の発明は、所定量の水分を吸
水性物質に保持させて揮散性薬剤徐放部材とともに非透
過性フィルムで包装する揮散性薬剤徐放部材である。
【0012】請求項4記載の発明は、吸水性物質が化学
繊維、天然繊維またはそれらを複合して構成される不織
布または織布である揮散性薬剤徐放部材である。
【0013】請求項5記載の発明は、化学繊維がポリエ
ステル、ナイロン6、ポリウレタン、アセテート、アク
リレート、ビニロンまたは精製セルロース系繊維である
揮散性薬剤徐放部材である。
【0014】請求項6記載の発明は、天然繊維がコット
ンまたはパルプである揮散性薬剤徐放部材である。
【0015】請求項7記載の発明は、吸水性物質がポリ
ビニルアルコール、ナイロン6またはセルロースアセテ
ートの樹脂フィルムである揮散性薬剤徐放部材である。
【0016】請求項8記載の発明は、吸水性物質がポリ
ウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはポリビ
ニルアルコールの連続多孔質体である揮散性薬剤徐放部
材である。
【0017】請求項9記載の発明は、所定量の水分を非
透過性フィルムの内層面に樹脂フィルムをラミネート加
工して吸湿保持させ、揮散性薬剤徐放部材とともに非透
過性フィルムで包装する揮散性薬剤徐放部材である。
【0018】請求項10記載の発明は、所定量の水分を
揮散性薬剤徐放部材における湿度感受性膜面より他の外
層面の少なくとも一部に樹脂フィルムをラミネート加工
して吸湿保持させ、非透過性フィルムで包装する揮散性
薬剤徐放部材である。
【0019】請求項11記載の発明は、樹脂フィルムが
ポリビニルアルコール、ナイロン6またはセルロースア
セテートである揮散性薬剤徐放部材である。
【0020】請求項12記載の発明は、所定量の水分が
絶対湿度20g/kg(DA)〜150g/kg(DA)に非透過性フ
ィルム内部を維持できる水分量である揮散性薬剤徐放部
材である。
【0021】請求項13記載の発明は、所定量の水分が
絶対湿度50g/kg(DA)〜150g/kg(DA)に非透過性フ
ィルム内部を維持できる水分量である揮散性薬剤徐放部
材である。
【0022】請求項14記載の発明は、揮散性薬剤を容
器内部に配置し、前記容器の少なくとも一部に湿度変化
によって前記薬剤の透過量が変化する湿度感受性膜を具
備した揮散性薬剤徐放部材において、非透過性フィルム
内部の空気を窒素ガスまたは炭酸ガスと置換させた後に
前記揮散性薬剤徐放部材を包装する揮散性薬剤徐放部材
の包装方法である。
【0023】請求項15記載の発明は、揮散性薬剤を容
器内部に配置し、前記容器の少なくとも一部に湿度変化
によって前記薬剤の透過量が変化する湿度感受性膜を具
備した揮散性薬剤徐放部材において、非透過性フィルム
内部の空気を窒素ガスまたは炭酸ガスと置換させた後
に、前記揮散性薬剤徐放部材を所定量の水分とともに包
装する揮散性薬剤徐放部材の包装方法である。
【0024】請求項16記載の発明は、薬剤がアリルイ
ソチオシアネート、ティーツリー油、ユーカリ油である
揮散性薬剤徐放部材及びその包装方法である。
【0025】請求項17記載の発明は、湿度感受性膜が
表面にビスコース加工を有するラミネート構造である揮
散性薬剤徐放部材及びその包装方法である。
【0026】請求項18記載の発明は、薬剤の放出量が
30℃、相対湿度95%で20〜200mg/日である
揮散性薬剤徐放部材及びその包装方法である。
【0027】請求項19記載の発明は、薬剤の放出量が
30℃、相対湿度30%で10mg/日以下である揮散
性薬剤徐放部材及びその包装方法である。
【0028】請求項20記載の発明は、薬剤の揮散量を
制御する膜がポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフ
ィルム、ポリウレタンフィルム、ナイロンフィルム、ポ
リエチレンテレフタレートフィルムまたはそれらの複合
ラミネートフィルムである揮散性薬剤徐放部材及びその
包装方法である。
【0029】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照しな
がら説明する。
【0030】(実施例1)図1は本実施例で使用する揮
散性薬剤徐放部材の側面断面構成図であり、図2は湿度
感受性膜を配置した上面外観図である。1は薬剤となる
アリルイソチオシアネートを吸収して膨潤したポリウレ
タン連続多孔質体である。具体的には60×40×6mmのポ
リウレタン連続多孔質体、かさ密度0.35g/ml、平均
気孔径30μm、気孔率70%にアリルイソチオシアネート4
5gを吸収させて約84×56×8.4mmに膨潤した。2はそれ
を充填するための半透明なポリプロピレン、厚み2mm
からなる本体容器であり、射出成形にて加工した。容器
の内寸法は90×60×20mmである。3は本体容器2に対す
る蓋であり、これも半透明なポリプロピレン、厚み2m
mからなり、蓋3中央部には大きな窓があり、その大き
な窓に対して十文字にリブ4が形成され、蓋3の表面側
中央部には70×40mmの湿度感受性膜5が配置され、リブ
4によってポリウレタン連続多孔質体1を本体容器2の
底面部に位置固定するとともに湿度感受性膜5に対する
補強の役目を果たしている。湿度感受性膜5はビスコー
ス加工紙をポリエチレン/延伸ポリプロピレン/ポリエ
チレンテレフタレートにラミネートしたものである。具
体的にはポリエチレン 40μm/延伸ポリプロピレン 2
0μm/ポリエチレンテレフタレート 12μm上にレーヨ
ン/パルプ不織布を介してビスコース膜を8g/m2
塗布量で形成させたものを使用し、湿度感受性膜5の外
周部は蓋3にポリエチレン側をヒートシールで溶着接合
されている。ヒートシール巾は3mmである。本体容器2
と蓋3は超音波接合によって接合されている。6はポリ
ウレタン連続多孔質体1と本体容器2と蓋3とで形成さ
れる空間部であり、その空間容積は約65mlである。
【0031】揮散性薬剤徐放部材の徐放機構について説
明する。ポリウレタン連続多孔質体から揮散したアリル
イソチオシアネート蒸気は空間部6で飽和蒸気圧濃度ま
でに達せられる。たとえば25℃において、アリルイソ
チオシアネートの蒸気圧は約5mmHgであるため、空間
部における飽和蒸気濃度は最大約6600ppmとな
る。湿度感受性膜5によって低湿度の場合にはアリルイ
ソチオシアネートの外部への蒸気放出がある程度抑制さ
れるため、空間部6は飽和蒸気圧濃度に近い状態のまま
でずっと維持される。しかし湿度が高くなるとアリルイ
ソチオシアネート蒸気が湿度感受性膜5を通過して外部
へと放出されやすくなる。湿度感受性膜5は湿度変化に
よって膜組織が膨潤し、緩んだ構造となり、アリルイソ
チオシアネート分子が透過して外部へと放出されやすく
なる。この放出量分を補充するためにはポリウレタン連
続多孔質体1から揮散したアリルイソチオシアネートが
さらに揮散して空間部6へと充満する必要がある。この
ような構成の揮散性薬剤徐放部材によって、30℃、相
対湿度95%(以下RHと記す)条件にて湿度感受性膜
から薬剤を200mg/日レベルで継続して放出させる
ことが可能となる。
【0032】上記構成によって得られた揮散性薬剤徐放
部材を内容積1m3のシューズボックス上段部に配置し
て使用した結果、約1年間にわたってカビの発生を抑制
できることを確認した。シューズボックスの換気係数、
使用環境の風土にもよるが、このような揮散性薬剤徐放
部材をシューズボックスに使用することで、雨の日に使
った革靴をそのまま収納してしまってもカビが発生して
しまうようなことをなくすことができる。
【0033】次に包装形態について説明する。図3は揮
散性薬剤徐放部材を非透過性フィルム内に包装した断面
構成図である。上記構成によって得られた揮散性薬剤徐
放部材を非透過性フィルム7で水滴8とともに包装し
た。非透過性フィルム7はポリエチレン 40μm/ナイ
ロン 20μm/アルミニウム箔 7μm/ポリエチレン
40μmからなるラミネート構造であり、200×150mmであ
る。まず三方をヒートシール巾10mmにて熱溶着させた
後に、15℃、30%RH(絶対湿度3.2g/kg(DA))の作
業環境にて4mgの水滴とともに揮散性薬剤徐放部材を
非透過性フィルム内に挿入して最後に開放部をヒートシ
ール巾10mmにて熱溶着させた。この非透過性フィルム
で包装された揮散性薬剤徐放部材を60℃の恒温槽内に1
ヶ月間放置した。その後恒温槽から非透過性フィルムで
包装された揮散性薬剤徐放部材を取り出して、30℃まで
冷却の後、非透過性フィルムを破って揮散性薬剤徐放部
材を取り出してビスコース膜の状態を観察した。その結
果ビスコース膜に破れは発生していなかった。また非透
過性フィルムを破った時のアリルイソチオシアネート臭
気はある程度強いものであった。さらに非透過性フィル
ムで包装された揮散性薬剤徐放部材を60℃の恒温槽内に
3ヶ月間放置した。その後恒温槽から非透過性フィルム
で包装された揮散性薬剤徐放部材を取り出して、30℃ま
で冷却の後、非透過性フィルムを破って揮散性薬剤徐放
部材を取り出してビスコース膜の状態を観察した。その
結果ビスコース膜に破れは発生していなかった。しかし
非透過性フィルムを破った時のアリルイソチオシアネー
ト臭気はある程度強いものであり、その強い臭気の後に
はニンニク臭がした。
【0034】(実施例2)実施例1と同様な揮散性薬剤
徐放部材を15℃、30%RHの作業環境にて実施例1と同
様な非透過性フィルム内にまず三方をヒートシール巾10
mmにて熱溶着させた後に、10mgの水滴とともに挿入
して最後に開放部をヒートシール巾10mmにて熱溶着さ
せた。この非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐
放部材を60℃の恒温槽内に1ヶ月間放置した。その後恒
温槽から非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐放
部材を取り出して、30℃まで冷却の後、非透過性フィル
ムを破って揮散性薬剤徐放部材を取り出してビスコース
膜の状態を観察した。その結果ビスコース膜に破れは発
生していなかった。また非透過性フィルムを破った時の
アリルイソチオシアネート臭気は実施例1よりもある程
度軽減されていた。さらに非透過性フィルムで包装され
た揮散性薬剤徐放部材を60℃の恒温槽内に3ヶ月間放置
した。その後恒温槽から非透過性フィルムで包装された
揮散性薬剤徐放部材を取り出して、30℃まで冷却の後、
非透過性フィルムを破って揮散性薬剤徐放部材を取り出
してビスコース膜の状態を観察した。その結果ビスコー
ス膜に破れは発生していなかった。また非透過性フィル
ムを破った時のアリルイソチオシアネート臭気は実施例
1よりもある程度軽減されており、臭気の後にもニンニ
ク臭はしなかった。
【0035】(実施例3)実施例1と同様な揮散性薬剤
徐放部材を15℃、30%RHの作業環境にて実施例1と同
様な非透過性フィルム内にまず三方をヒートシール巾10
mmにて熱溶着させた後に、20mgの水滴とともに挿入
して最後に開放部をヒートシール巾10mmにて熱溶着さ
せた。この非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐
放部材を60℃の恒温槽内に1ヶ月間放置した。その後恒
温槽から非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐放
部材を取り出して、30℃まで冷却の後、非透過性フィル
ムを破って揮散性薬剤徐放部材を取り出してビスコース
膜の状態を観察した。その結果ビスコース膜に破れは発
生していなかった。また非透過性フィルムを破った時の
アリルイソチオシアネート臭気は実施例2よりもさらに
軽減されていた。さらに非透過性フィルムで包装された
揮散性薬剤徐放部材を60℃の恒温槽内に3ヶ月間放置し
た。その後恒温槽から非透過性フィルムで包装された揮
散性薬剤徐放部材を取り出して、30℃まで冷却の後、非
透過性フィルムを破って揮散性薬剤徐放部材を取り出し
てビスコース膜の状態を観察した。その結果ビスコース
膜に破れは発生していなかった。また非透過性フィルム
を破った時のアリルイソチオシアネート臭気は実施例2
よりもさらに軽減されており、1ヶ月間放置後とほとん
ど変らなかった。
【0036】(比較例1)実施例1と同様な揮散性薬剤
徐放部材を15℃、30%RHの作業環境にて実施例1と同
様な非透過性フィルム内にまず三方をヒートシール巾10
mmにて熱溶着させた後に、挿入して最後に開放部をヒ
ートシール巾10mmにて熱溶着させた。この非透過性フ
ィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材を60℃の恒温槽
内に1ヶ月間放置した。その後恒温槽から非透過性フィ
ルムで包装された揮散性薬剤徐放部材を取り出して、30
℃まで冷却の後、非透過性フィルムを破って揮散性薬剤
徐放部材を取り出してビスコース膜の状態を観察した。
その結果ビスコース膜に数ヶ所で破れを生じていた。ま
た非透過性フィルムを破った時のアリルイソチオシアネ
ート臭気もかなり強いものであり、その強い臭気の後に
はニンニク臭がした。
【0037】これは高温下に放置された時に揮散性薬剤
徐放部材から揮散したアリルイソチオシアネート蒸気が
非透過性フィルム内面にも付着しているために強い臭気
を感じる結果となった。また揮散性薬剤徐放部材の内部
にはアリルイソチオシアネート酸化防止剤が添加されて
いるが、部材から放出して非透過性フィルムに充満して
いる蒸気には酸化防止剤の効果は効かない。そのため包
装した時に同梱する結果となった空気中の酸素と反応し
て酸化されてしまい、臭気が変質したものと考えられ
る。
【0038】非透過性フィルムと揮散性薬剤徐放部材と
で構成される非透過性フィルム内部の空間容積を150ml
とすると、水の60℃における飽和蒸気圧は149mmHgであ
るため、約24mgの水分がほぼ蒸発して空間部の内部圧力
を上昇させるとともにビスコース膜にも十分水分を提供
して膜構造を膨潤させることができる。その結果揮散性
薬剤徐放部材内部のアリルイソチオシアネートは60℃で
30mmHgの蒸気圧を有すが、揮散性薬剤徐放部材外部の圧
力上昇がそれよりも大きいために外部側への揮散量を抑
制でき、開封時には従来感じていたアリルイソチオシア
ネートの強い臭気を軽減できたものと考えられる。さら
に部材そのものからアリルイソチオシアネートが放出さ
れないので非透過性フィルム内部の酸素で酸化されるこ
ともなく、ニンニク臭も発生しない。
【0039】(実施例4)図4は本実施例で使用する揮
散性薬剤徐放部材の側面断面図であり、図5は湿度感受
性膜を配置した上面外観図である。9は薬剤となるアリ
ルイソチオシアネートを吸収して膨潤したポリウレタン
連続多孔質体である。具体的には35×71×2mmのポリ
ウレタン連続多孔質体、かさ密度0.35g/ml、平均気
孔径30μm、気孔率70%にアリルイソチオシアネート15.
5gを吸収させて約50×100×2.8mmに膨潤した。10
はポリウレタン連続多孔質体1の外装となるラミネート
フィルムのピロー包装体であり、ポリプロピレン 30
μmとポリエチレン 70μmとのラミネートフィルムに
対してポリエチレン側をヒートシール巾5mmにてピロ
ー包装化したものであり、一次制御膜となる。11はそ
れを充填するための半透明なポリプロピレン、厚み2m
mからなる本体容器であり、射出成形にて加工した。容
器の内寸法は55×120×10mmである。12は本体容器1
1に対する蓋であり、これも半透明なポリプロピレン、
厚み2mmからなる。蓋12の中央部に大きな窓を有
し、長手方向の渡しとなるように2ヶ所にリブ13が形
成され、蓋12の表面側中央部には40×100mmの湿度感
受性膜14が配置され、リブ4によってピロー包装体1
0の容器内部での位置固定と湿度感受性膜14に対する
補強の役目を果たしている。湿度感受性膜14はビスコ
ース加工紙をポリエチレン40μm/延伸ポリプロピレン
20μm上にレーヨン/パルプ不織布を介してビスコー
ス膜を8g/m2の塗布量で形成させたラミネート構造
のものを使用し、湿度感受性膜14の外周部は蓋12に
ポリエチレン側をヒートシールで溶着接合されている。
ヒートシール巾は3mmである。本体容器11と蓋12は
超音波接合によって接合されている。蓋にはピロー包装
体5を本体容器の底面側に位置固定するためのリブが配
設されている。15はピロー包装体10と本体容器11
と蓋12とで形成される空間部であり、その空間容積は
約45mlである。
【0040】揮散性薬剤徐放部材の徐放機構について説
明する。ポリウレタン連続多孔質体から揮散したアリル
イソチオシアネート蒸気はまずピロー包装体10を形成
する一次制御膜となるラミネートフィルムで揮散量を抑
制されながら、ピロー包装体10と湿度感受性膜14と
で形成される空間部15へと至る。たとえば25℃にお
いてアリルイソチオシアネートの蒸気圧は約5mmHgで
あるため、一次制御膜内部はすぐに飽和蒸気濃度は最大
約6600ppmとなり、空間部15はそれに対してあ
る程度の濃度勾配を有しながら、アリルイソチオシアネ
ート蒸気が充満し、二次制御膜からの放出量が小さけれ
ば、ある程度雰囲気温度に対する蒸気圧特性まで揮散量
が増大し、最終的には空間部15をほぼ飽和蒸気圧濃度
までに達せられる。湿度感受性膜14によって低湿度の
場合にはアリルイソチオシアネートの外部への蒸気放出
がある程度抑制されるため、空間部15は飽和蒸気圧濃
度に近い状態のままでずっと維持される。しかし、湿度
が高くなるとアリルイソチオシアネート蒸気が湿度感受
性膜14を通過して外部へと放出されやすくなる。湿度
感受性膜14は湿度変化によって膜組織が膨潤し、緩ん
だ構造となり、アリルイソチオシアネート分子が透過し
て外部へと放出されやすくなる。この放出量分を補充す
るためにはポリウレタン連続多孔質体から揮散したアリ
ルイソチオシアネート蒸気がさらにラミネートフィルム
13を通過して空間部15へと充満する必要がある。こ
の時湿度感受性膜14から外部へのアリルイソチオシア
ネート放出速度とポリウレタン連続多孔質体から揮散し
たアリルイソチオシアネートが空間部15へ透過してく
るアリルイソチオシアネート揮散速度を比較すると後者
のほうが速いので、アリルイソチオシアネートの放出量
が不足することはない。このような薬剤の透過量を制御
する膜を2段階有する揮散性薬剤徐放部材によって、3
0℃、95%RH条件にて湿度感受性膜から薬剤を10
0mg/日レベルで継続して放出させることが可能とな
った。
【0041】次に、空気調和機の室内機に本実施例よっ
て得られた揮散性薬剤徐放部材を使用した場合について
説明する。
【0042】図6は、本実施例を示す空気調和機の室内
機断面構成図である。吸い込みグリル16、17を通じ
て室内空気を吸い込み、吸い込んだ空気は熱交換器1
8、19によって冷却、除湿された後、クロスフローフ
ァン20によって吸い込み送風されながら、最終吹出し
口21から室内空間に冷風を提供する。吹出し口21に
は上下偏向羽根22が配設され、室内空間への吹出し方
向をコントロールしている。この時、熱交換器18、1
9によって除湿された結露水は熱交換器アルミニウムフ
ィンをつたって、ドレンパン部23、24へと至る。ド
レンパン部23は室内機台枠25に一体物として構成さ
れ、ドレンパン部24は吹出しグリル26に一体物とし
て構成される。ドレンパン部23に溜まった結露水は台
枠25を介してドレンパン部24側に流れて水受けさ
れ、最終的にはドレン口(図示せず)を経由して外部へ
と排出される。熱交換器18,19のアルミニウムフィ
ンには熱交換性能の高効率化を図るため、縦スリットが
設けられた構造を有している。そのために結露した水は
スリット部で表面張力によって水膜を形成して、ドレン
パン部23,24へとすぐには滴下し難い構造のため、
アルミニウムフィンが乾くスピードが遅くなってしま
う。たとえば25℃、90%RHの環境雰囲気では、熱
交換器アルミニウムフィンが乾くのに数十時間を要して
しまい、なかなか乾燥しない。この時室内機空間、特に
熱交換器18,19で構成される送風回路内部は相対湿
度95%以上の雰囲気に曝され、カビが非常に繁殖しや
すい環境条件となっている。27は揮散性薬剤徐放部材
であり、熱交換器19に近接した下部上流側に配置さ
れ、揮散性薬剤徐放部材27の湿度感受性膜14側が熱
交換器に向かい合う構成とした。このことによって冷
房、除湿運転停止後、上下偏向羽根22が閉状態になる
とともに、高湿度状態となった空気が室内機全体に充満
して湿度感受性膜14に達すると、揮散性薬剤徐放部材
27の内部からアリルイソチオシアネートが熱交換器1
9側へ拡散し、アルミニウムフィン間を通過しながら、
上下偏向羽根22が閉状態となっているので熱交換器1
8、19で構成された空間部等へと徐々に拡散、堆積し
て充満する。この結果室内機内部は熱交換器18、19
で構成された空間底部で3〜5ppm程度、上部低濃度
の空間でも1ppm以上のアリルイソチオシアネート蒸
気を滞留させることが可能となる。揮散性薬剤徐放部材
27の空間部15に滞留している高濃度のアリルイソチ
オシアネート蒸気が湿度感受性膜14を透過して500
〜5000倍の空間へと拡散していく構成である。アリ
ルイソチオシアネートの閾値は10ppm程度であるの
で匂いを感じないレベルの滞留濃度である。これによっ
て室内空間に存在するCladosporium、Alternaria、Aspe
rgillus、Penicillium、Rhizopusと言った一般的なカビ
には十分な防カビ効果を得ることができた。防カビの効
果を得るためには室内機へのアリルイソチオシアネート
蒸気を0.5ppm以上にすることが望ましく、人間の閾
値である10ppm以下にすることが実用上望ましい。
【0043】次に包装形態について説明する。図7は揮
散性薬剤徐放部材を非透過性フィルム内に包装した断面
構成図である。上記揮散性薬剤徐放部材27を非透過性
フィルム28で水滴29とともに包装した。非透過性フ
ィルムはポリエチレン 40μm/ナイロン 20μm/ア
ルミニウム箔 9μm/ポリエチレン 30μmからなるラ
ミネート構造であり、120×220mmである。まず三方をヒ
ートシール巾10mmにて熱溶着させた後に、15℃、30%
RHの作業環境にて10mgの水滴とともに揮散性薬剤徐
放部材を非透過性フィルム内に挿入して最後に開放部を
ヒートシール巾10mmにて熱溶着させた。この非透過性
フィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材を60℃の恒温
槽内に1ヶ月間放置した。その後恒温槽から非透過性フ
ィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材を取り出して、
30℃まで冷却の後、非透過性フィルムを破って揮散性薬
剤徐放部材を取り出してビスコース膜の状態を観察し
た。その結果、ビスコース膜に破れは発生していなかっ
た。また非透過性フィルムを破った時のアリルイソチオ
シアネート臭気はそれ程強いものではなかった。さらに
非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材を60
℃の恒温槽内に3ヶ月間放置した。その後恒温槽から非
透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材を取り
出して、30℃まで冷却の後、非透過性フィルムを破って
揮散性薬剤徐放部材を取り出してビスコース膜の状態を
観察した。その結果、ビスコース膜に破れは発生してい
なかった。また非透過性フィルムを破った時のアリルイ
ソチオシアネート臭気はそれ程強いものではなく、1ヶ
月間放置後とほとんど変らなかった。
【0044】(比較例2)実施例4と同様な揮散性薬剤
徐放部材を、15℃、30%RHの作業環境にて実施例4と
同様な非透過性フィルム内にまず三方をヒートシール巾
10mmにて熱溶着させた後に、挿入して最後に開放部を
ヒートシール巾10mmにて熱溶着させた。この非透過性
フィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材を60℃の恒温
槽内に1ヶ月間放置した。その後恒温槽から非透過性フ
ィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材を取り出して、
30℃まで冷却の後、非透過性フィルムを破って揮散性薬
剤徐放部材を取り出してビスコース膜の状態を観察し
た。その結果ビスコース膜に数ヶ所で破れを生じてい
た。また非透過性フィルムを破った時のアリルイソチオ
シアネート臭気もかなり強いものであり、その強い臭気
の後にはニンニク臭がした。
【0045】(実施例5)図8は本実施例で使用する非
透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材の側面
断面構成図である。30は非透過性フィルムであり、3
1はポリエステル繊維布である。実施例1と同様な揮散
性薬剤徐放部材を、15℃、30%RHの作業環境にて20m
gの水分量を吸水させた20×20×0.5mmのポリエステル
繊維布31とともに実施例1と同様な非透過性フィルム
30内にまず三方をヒートシール巾10mmにて熱溶着さ
せた後に、挿入して最後に開放部をヒートシール巾10m
mにて熱溶着させた。この時ポリエステル繊維布31は
湿度感受性膜側に配置した。この非透過性フィルムで包
装された揮散性薬剤徐放部材を60℃の恒温槽内に1ヶ月
間放置した。その後、恒温槽から非透過性フィルムで包
装された揮散性薬剤徐放部材を取り出して、30℃まで冷
却の後、非透過性フィルムを破って揮散性薬剤徐放部材
を取り出してビスコース膜の状態を観察した。その結果
ビスコース膜に破れは発生していなかった。また非透過
性フィルムを破った時のアリルイソチオシアネート臭気
はそれ程強いものではなかった。さらに非透過性フィル
ムで包装された揮散性薬剤徐放部材を60℃の恒温槽内に
3ヶ月間放置した。その後、恒温槽から非透過性フィル
ムで包装された揮散性薬剤徐放部材を取り出して、30℃
まで冷却の後、非透過性フィルムを破って揮散性薬剤徐
放部材を取り出してビスコース膜の状態を観察した。そ
の結果、ビスコース膜に破れは発生していなかった。ま
た非透過性フィルムを破った時のアリルイソチオシアネ
ート臭気はそれ程強いものではなく、1ヶ月間放置後と
ほとんど変らなかった。
【0046】(実施例6)図9は本実施例で使用する非
透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材の側面
断面構成図である。32は非透過性フィルムであり、3
3はナイロン繊維布である。実施例1と同様な揮散性薬
剤徐放部材を、15℃、30%RHの作業環境にて20mgの
水分量を吸水させた20×20×0.5mmのナイロン繊維布3
3とともに実施例1と同様な非透過性フィルム32内に
まず三方をヒートシール巾10mmにて熱溶着させた後
に、挿入して最後に開放部をヒートシール巾10mmにて
熱溶着させた。この時ナイロン繊維布32は湿度感受性
膜側に配置した。この非透過性フィルムで包装された揮
散性薬剤徐放部材を60℃の恒温槽内に1ヶ月間放置し
た。その後恒温槽から非透過性フィルムで包装された揮
散性薬剤徐放部材を取り出して、30℃まで冷却の後、非
透過性フィルムを破って揮散性薬剤徐放部材を取り出し
てビスコース膜の状態を観察した。その結果ビスコース
膜に破れは発生していなかった。また非透過性フィルム
を破った時のアリルイソチオシアネート臭気はそれ程強
いものではなかった。さらに非透過性フィルムで包装さ
れた揮散性薬剤徐放部材を60℃の恒温槽内に3ヶ月間放
置した。その後恒温槽から非透過性フィルムで包装され
た揮散性薬剤徐放部材を取り出して、30℃まで冷却の
後、非透過性フィルムを破って揮散性薬剤徐放部材を取
り出してビスコース膜の状態を観察した。その結果ビス
コース膜に破れは発生していなかった。また非透過性フ
ィルムを破った時のアリルイソチオシアネート臭気はそ
れ程強いものではなく、1ヶ月間放置後とほとんど変ら
なかった。
【0047】(実施例7)図10は本実施例で使用する
非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材の側
面断面構成図である。34は非透過性フィルムであり、
35はコットンシートである。実施例1と同様な揮散性
薬剤徐放部材を、15℃、30%RHの作業環境にて20mg
の水分量を吸水させた20×20×0.5mmのコットンシート
35とともに実施例1と同様な非透過性フィルム34内
にまず三方をヒートシール巾10mmにて熱溶着させた後
に、挿入して最後に開放部をヒートシール巾10mmにて
熱溶着させた。この時コットンシート35を湿度感受性
膜側に配置した。この非透過性フィルムで包装された揮
散性薬剤徐放部材を60℃の恒温槽内に1ヶ月間放置し
た。その後恒温槽から非透過性フィルムで包装された揮
散性薬剤徐放部材を取り出して、30℃まで冷却の後、非
透過性フィルムを破って揮散性薬剤徐放部材を取り出し
てビスコース膜の状態を観察した。その結果ビスコース
膜に破れは発生していなかった。また非透過性フィルム
を破った時のアリルイソチオシアネート臭気はそれ程強
いものではなかった。さらに非透過性フィルムで包装さ
れた揮散性薬剤徐放部材を60℃の恒温槽内に3ヶ月間放
置した。その後恒温槽から非透過性フィルムで包装され
た揮散性薬剤徐放部材を取り出して、30℃まで冷却の
後、非透過性フィルムを破って揮散性薬剤徐放部材を取
り出してビスコース膜の状態を観察した。その結果ビス
コース膜に破れは発生していなかった。また非透過性フ
ィルムを破った時のアリルイソチオシアネート臭気はそ
れ程強いものではなく、1ヶ月間放置後とほとんど変ら
なかった。
【0048】実施例5、6では吸水性物質としてポリエ
ステル繊維、ナイロン6繊維を使用したが、本発明で使
用できる化学繊維はこの限りではない。化学繊維におい
て吸水性を有し、温度の上昇に伴って保持している水分
が簡単に化学繊維から蒸発できるようなものであれば本
発明に使用できる。したがって、この他にポリウレタン
繊維、アセテート繊維、アクリレート繊維、ビニロン繊
維、精製セルロース系繊維なども使用できる。また実施
例7では吸水性物質としてコットンシートを使用した
が、この他に天然パルプシートを使用することもでき
る。また化学繊維と天然繊維とを混合したものを使用す
ることも可能である。またこれら吸水性物質を非透過性
フィルム同梱する場合は揮散性薬剤徐放部材の湿度感受
性膜側に配置して隣接させることで膜への水分供給を迅
速に行うことができる。また蒸発した水分が再凝縮する
場合にはこれらの吸水性物質に再度吸着される。
【0049】(実施例8)図11は本実施例で使用する
非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材の側
面断面構成図である。36は非透過性フィルムであり、
37はポリビニルアルコールの樹脂フィルムである。実
施例1と同様な揮散性薬剤徐放部材を、15℃、30%RH
の作業環境にて30℃雰囲気で約30wt%まで水分を吸水さ
せた20×20×0.5mmポリビニルアルコールの樹脂フィル
ム37とともに実施例1と同様な非透過性フィルム35
内にまず三方をヒートシール巾10mmにて熱溶着させた
後に、挿入して最後に開放部をヒートシール巾10mmに
て熱溶着させた。この時ポリビニルアルコールの樹脂フ
ィルム37は湿度感受性膜側に配置した。この非透過性
フィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材を60℃の恒温
槽内に1ヶ月間放置した。その後恒温槽から非透過性フ
ィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材を取り出して、
30℃まで冷却の後、非透過性フィルムを破って揮散性薬
剤徐放部材を取り出してビスコース膜の状態を観察し
た。その結果ビスコース膜に破れは発生していなかっ
た。また非透過性フィルムを破った時のアリルイソチオ
シアネート臭気はそれ程強いものではなかった。さらに
非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材を60
℃の恒温槽内に3ヶ月間放置した。その後恒温槽から非
透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材を取り
出して、30℃まで冷却の後、非透過性フィルムを破って
揮散性薬剤徐放部材を取り出してビスコース膜の状態を
観察した。その結果ビスコース膜に破れは発生していな
かった。また非透過性フィルムを破った時のアリルイソ
チオシアネート臭気はそれ程強いものではなく、1ヶ月
間放置後とほとんど変らなかった。
【0050】(実施例9)図12は本実施例で使用する
非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材の側
面断面構成図である。38は非透過性フィルムであり、
39はナイロン6の樹脂フィルムである。実施例1と同
様な揮散性薬剤徐放部材を、15℃、30%RHの作業環境
にて水中に浸漬して飽和水分量まで吸水させた50×30×
0.5mmのナイロン6の樹脂フィルムとともに実施例1と
同様な非透過性フィルム内にまず三方をヒートシール巾
10mmにて熱溶着させた後に、挿入して最後に開放部を
ヒートシール巾10mmにて熱溶着させた。この時ナイロ
ン6の樹脂フィルム39は湿度感受性膜側に配置した。
この非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材
を60℃の恒温槽内に1ヶ月間放置した。その後恒温槽か
ら非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材を
取り出して、30℃まで冷却の後、非透過性フィルムを破
って揮散性薬剤徐放部材を取り出してビスコース膜の状
態を観察した。その結果ビスコース膜に破れは発生して
いなかった。また非透過性フィルムを破った時のアリル
イソチオシアネート臭気はそれ程強いものではなかっ
た。さらに非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐
放部材を60℃の恒温槽内に3ヶ月間放置した。その後恒
温槽から非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐放
部材を取り出して、30℃まで冷却の後、非透過性フィル
ムを破って揮散性薬剤徐放部材を取り出してビスコース
膜の状態を観察した。その結果ビスコース膜に破れは発
生していなかった。また非透過性フィルムを破った時の
アリルイソチオシアネート臭気はそれ程強いものではな
く、1ヶ月間放置後とほとんど変らなかった。
【0051】実施例8、9ではポリビニルアルコール樹
脂フィルム、ナイロン6の樹脂フィルムを使用したが本
発明で使用できるものはこの限りではない。吸水性に優
れた樹脂フィルムであれば、この他にセルロースアセテ
ート等の樹脂フィルムも使用できる。ポリビニルアルコ
ール樹脂フィルムは飽和吸水率が70%以上もあるため、
樹脂フィルムを飽和状態まで吸湿させず、ある程度吸湿
させた状態で使用した。しかしナイロン6は飽和吸水率
が約8wt%、セルロースアセテートは飽和吸水率が約
6wt%であるため、これらの樹脂フィルムは事前に水
中に浸漬させるか、飽和水蒸気の環境状態に放置して十
分吸湿させておき、揮散性薬剤徐放部材とともに包装す
ることが好ましい。また吸湿性の樹脂フィルムは揮散性
薬剤徐放部材の湿度感受性膜側に配置して隣接させるこ
とで膜への水分供給を迅速に行うことができる。
【0052】(実施例10)図13は本実施例で使用す
る非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐放部材の
側面断面構成図であり、図14は非透過性フィルムに対
する要部拡大断面構成図である。40は非透過性フィル
ムであり、ナイロン6 50μm/アルミニウム箔 7μm
/ナイロン6 50μmからなるラミネート構造であり、15
0×120mmである。まず三方をヒートシール巾10mmにて
熱溶着させた後に、30℃、95%RHの状態に放置してナイ
ロン6に十分吸湿させた後、15℃、30%RHの作業環境に
て揮散性薬剤徐放部材を非透過性フィルム内に挿入して
最後に開放部をヒートシール巾10mmにて熱溶着させ
た。
【0053】この非透過性フィルムで包装された揮散性
薬剤徐放部材を60℃の恒温槽内に1ヶ月間放置した。そ
の後恒温槽から非透過性フィルムで包装された揮散性薬
剤徐放部材を取り出して、30℃まで冷却の後、非透過性
フィルムを破って揮散性薬剤徐放部材を取り出してビス
コース膜の状態を観察した。その結果ビスコース膜に破
れは発生していなかった。また非透過性フィルムを破っ
た時のアリルイソチオシアネート臭気はそれ程強いもの
ではなかった。さらに非透過性フィルムで包装された揮
散性薬剤徐放部材を60℃の恒温槽内に3ヶ月間放置し
た。その後恒温槽から非透過性フィルムで包装された揮
散性薬剤徐放部材を取り出して、30℃まで冷却の後、非
透過性フィルムを破って揮散性薬剤徐放部材を取り出し
てビスコース膜の状態を観察した。その結果ビスコース
膜に破れは発生していなかった。また非透過性フィルム
を破った時のアリルイソチオシアネート臭気はそれ程強
いものではなく、1ヶ月間放置後とほとんど変らなかっ
た。
【0054】本実施例では非透過性フィルムの内層面に
吸湿性を有する樹脂フィルムをラミネート加工して、そ
の樹脂フィルムを多湿環境下で十分吸湿させた後にヒー
トシール包装に供した。このような樹脂フィルムとして
はナイロン6のほかにポリビニルアルコールまたはセル
ロースアセテートが使用できた。揮散性薬剤徐放部材と
同梱する部材は必要となくすことができる。
【0055】(実施例11)図15に本実施例を示す揮
散性薬剤徐放部材の側面断面構成図であり、図16は揮
散性薬剤徐放部材の本体容器に対する要部拡大断面構成
図である。41はアリルイソチオシアネートを吸収して
膨潤したポリウレタン連続多孔質体である。具体的には
35×71×2mmのポリウレタン連続多孔質体、かさ密度
0.35g/ml、平均気孔径30μm、気孔率70%にアリル
イソチオシアネート15.5gを吸収させて約50×100×2.8
mmに膨潤した。42はポリウレタン連続多孔質体41
の外装となるラミネートフィルムのピロー包装体であ
り、ポリプロピレン 30μmとポリエチレン 70μm
とのラミネートフィルムに対してポリエチレン側をヒー
トシールにてピロー包装したものであり、一次制御膜と
なる。43はそれを充填するための本体容器であり、非
晶質PET、厚み1mm/ナイロン6 50μmのラミネー
トフィルムを真空成形にて加工した。容器の内寸法は55
×120×10mmである。44はビスコース加工紙をポリエ
チレン/延伸ポリプロピレンにラミネートした湿度感受
性膜であり、二次制御膜となり、実施例4と同様な構成
である。45はピロー包装体の表面に熱溶着で配設され
たポリプロピレンのリブである。リブ45はピロー包装
体42の湿度感受性膜44側に位置し、ピロー包装体が
本体容器43内部で位置固定するためのものである。4
6はピロー包装体から揮散したアリルイソチオシアネー
トが充満、滞留するための空間部であり、その空間容積
は45mlである。
【0056】上記実施例にて得られた揮散性薬剤徐放部
材を予め30℃、90%RHの環境下に十分放置し、本体容器
となる非晶質PETとナイロン6に飽和水分量まで吸湿さ
せた後、15℃、30%の作業環境にて実施例4と同様な非
透過性フィルム内にまず三方をヒートシール巾10mmに
て熱溶着させた後に、挿入して最後に開放部をヒートシ
ール巾10mmにて熱溶着させた。この非透過性フィルム
で包装された揮散性薬剤徐放部材を60℃の恒温槽内に1
ヶ月間放置した。その後恒温槽から非透過性フィルムで
包装された揮散性薬剤徐放部材を取り出して、30℃まで
冷却の後、非透過性フィルムを破って揮散性薬剤徐放部
材を取り出してビスコース膜の状態を観察した。その結
果ビスコース膜に破れは発生していなかった。また非透
過性フィルムを破った時のアリルイソチオシアネート臭
気はそれ程強いものではなかった。さらに非透過性フィ
ルムで包装された揮散性薬剤徐放部材を60℃の恒温槽内
に3ヶ月間放置した。その後恒温槽から非透過性フィル
ムで包装された揮散性薬剤徐放部材を取り出して、30℃
まで冷却の後、非透過性フィルムを破って揮散性薬剤徐
放部材を取り出してビスコース膜の状態を観察した。そ
の結果ビスコース膜に破れは発生していなかった。また
非透過性フィルムを破った時のアリルイソチオシアネー
ト臭気はそれ程強いものではなく、1ヶ月間放置後とほ
とんど変らなかった。
【0057】実施例では、非晶質PETとナイロン6と
のラミネートフィルムを使用したが、本発明にしようで
きるものはこの限りではない。この他にポリビニルアル
コールを非晶質PETと組み合わせたもの、セルロース
アセテートを非晶質PETと組み合わせたものも使用で
きる。非晶質PET単独でも吸湿性を有するが、飽和吸
湿率が小さいのでナイロン6、ポリビニルアルコールま
たはセルロースアセテートと非晶質PETとをラミネー
トフィルム化して非晶質PET側を本体容器の内側とし
て使用することが好ましかった。これらは真空成形によ
って本体容器に供することができるため、安価に生産性
よく揮散性薬剤徐放部材を提供することができる。また
揮散性薬剤徐放部材と同梱する部材は必要となくすこと
ができる。
【0058】(実施例12)30℃、80%RHの作業環境
にて、実施例1と同様な非透過性フィルムをまず三方を
ヒートシール巾10mmにて熱溶着させた後に、非透過性
フィルム内部に実施例1と同様な揮散性薬剤徐放部材を
挿入し、炭酸ガスを充填してから、素早く開放部をヒー
トシール巾10mmにて熱溶着させた。この非透過性フィ
ルムで包装された揮散性薬剤徐放部材を60℃の恒温槽内
に1ヶ月間放置した。その後恒温槽から非透過性フィル
ムで包装された揮散性薬剤徐放部材を取り出して、30℃
まで冷却の後、非透過性フィルムを破って揮散性薬剤徐
放部材を取り出してビスコース膜の状態を観察した。そ
の結果ビスコース膜に破れは発生していなかった。また
非透過性フィルムを破った時のアリルイソチオシアネー
ト臭気はかなり強いものであったが、アリルイソチオシ
アネートの酸化によるニンニク臭は感じられなかった。
さらに非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐放部
材を60℃の恒温槽内に3ヶ月間放置したが、1ヶ月間放
置後とほとんど変化はなかった。
【0059】(比較例3)30℃、80%RHの作業環境に
て、実施例1と同様な非透過性フィルムをまず三方をヒ
ートシール巾10mmにて熱溶着させた後に、非透過性フ
ィルム内部に実施例1と同様な揮散性薬剤徐放部材を挿
入して最後に開放部をヒートシール巾10mmにて熱溶着
させた。この非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤
徐放部材を60℃の恒温槽内に1ヶ月間放置した。その後
恒温槽から非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐
放部材を取り出して、30℃まで冷却の後、非透過性フィ
ルムを破って揮散性薬剤徐放部材を取り出してビスコー
ス膜の状態を観察した。その結果ビスコース膜に破れは
発生していなかった。また非透過性フィルムを破った時
のアリルイソチオシアネート臭気もかなり強いものであ
り、その強い臭気の後にはニンニク臭がした。
【0060】実施例12と比較例3と比較すると、絶対
湿度20g/kg(DA)の作業環境下で揮散性薬剤徐放部材
を非透過性フィルム内部に包装すれば、60℃の環境下
に放置されても湿度感受性膜が破れを生じることはなか
った。しかし、揮散性薬剤徐放部材内部にはアリルイソ
チオシアネート酸化防止剤が添加されているが、部材か
ら放出して非透過性フィルムに充満している蒸気には酸
化防止剤の効果は効かない。したがって包装する時に非
透過性フィルム内部を本発明の実施例で示すように炭酸
ガスでガス置換するとアリルイソチオシアネートの蒸気
が非透過性フィルム内部に充満しても酸化することがな
いので、結果としてニンニク臭が発生することもなかっ
た。
【0061】(実施例13)15℃、30%RHの作業環境
にて、実施例1と同様な非透過性フィルムをまず三方を
ヒートシール巾10mmにて熱溶着させた後に、非透過性
フィルム内部に実施例1と同様な揮散性薬剤徐放部材を
4mgの水滴とともに挿入し、炭酸ガスを充填してか
ら、素早く開放部をヒートシール巾10mmにて熱溶着さ
せた。この非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐
放部材を60℃の恒温槽内に1ヶ月間放置した。その後恒
温槽から非透過性フィルムで包装された揮散性薬剤徐放
部材を取り出して、30℃まで冷却の後、非透過性フィル
ムを破って揮散性薬剤徐放部材を取り出してビスコース
膜の状態を観察した。その結果ビスコース膜に破れは発
生していなかった。また非透過性フィルムを破った時の
アリルイソチオシアネート臭気はある程度強いものであ
ったが、アリルイソチオシアネートの酸化によるニンニ
ク臭は感じられなかった。
【0062】実施例12,13では非透過性フィルム内
部を置換させるガスとして炭酸ガスを使用したが、この
他に窒素ガスを使用することができる。しかし炭酸ガス
のほうが空気よりも密度が重いので開放部を上部にして
ヒートシールする場合には作業性が良好となる。
【0063】(実施例14)本実施例で使用する揮散性
薬剤徐放部材は実施例1と構成的にはほぼ同じなので相
違点を簡略に説明する。アリルイソチオシアネートを吸
収して100×100×30mmに膨潤したポリウレタン連続多
孔質体を実施例1と同様な半透明なポリプロピレン、厚
み2mmからなる本体容器、内寸法は110×110×50mm内
に充填し、本体容器と同じ半透明なポリプロピレン、厚
み2mmからなる蓋で超音波接合し、蓋の表面側中央部
には80×80mmの湿度感受性膜が配置され、リブによって
ポリウレタン連続多孔質体を本体容器の底面部に位置固
定している。湿度感受性膜の材質も実施例1と同じであ
る。本体容器内部には約300mlの空間部を有する。
【0064】上記構成によって得られた揮散性薬剤徐放
部材を非透過性フィルム内に以下の構成で包装した。実
施例1と同様な非透過性フィルム、350×350mmの三方
をヒートシール巾10mmにて熱溶着させた後に、15℃、
30%RHの作業環境にて250mgの水分量を吸水させた2
0×20×0.5mmのポリビニルアルコールの連続多孔質体と
ともに挿入して最後に開放部をヒートシール巾10mmに
て熱溶着させた。この時ポリビニルアルコールの連続多
孔質体は湿度感受性膜側に配置した。
【0065】この非透過性フィルムで包装された揮散性
薬剤徐放部材を60℃の恒温槽内に3ヶ月間まで放置し
た。その後恒温槽から非透過性フィルムで包装された揮
散性薬剤徐放部材を取り出して、30℃まで冷却の後、非
透過性フィルムを破って揮散性薬剤徐放部材を取り出し
てビスコース膜の状態を観察した。その結果ビスコース
膜に破れは発生していなかった。また非透過性フィルム
を破った時のアリルイソチオシアネート臭気もそれ程強
いものではなかった。非透過性フィルムと揮散性薬剤徐
放部材とで構成される非透過性フィルム内部の空間容積
を2000mlとすると、60℃において添加された250mgの
水分がほぼ蒸発して空間部の内部圧力を上昇させるとと
もにビスコース膜にも十分水分を提供して膜構造を膨潤
させることができた。
【0066】実施例では、ポリビニルアルコールの連続
多孔質体を使用したが、本発明で使用できる吸水性の連
続多孔質体はこの限りではない。この他にポリウレタ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンの連続多孔質体が使
用できる。また連続多孔質体は揮散性薬剤徐放部材に対
して非透過性フィルムの内容積が大きい場合には多くの
水分を提供することが必要になるので、そのような多く
の水分を揮散性薬剤徐放部材とともに非透過性フィルム
内部に添加する手段として有効となる。また一旦蒸発し
た水分が再凝縮する場合にも吸水性の連続多孔質体があ
れば水分を捕集して保持することができる。
【0067】非透過性フィルム内部の絶対湿度を、実施
例1では約22g/kg(DA)、実施例2では約57g/kg(D
A)、実施例3では約127g/kg(DA)に設定したが、
これは60℃においてそれぞれ17%RH、42%R
H、85%RHに相当する。この絶対湿度が小さいと比
較例で示したように最悪の場合、湿度感受性膜に破れを
生じさせることとなった。また絶対湿度を約50g/g(D
A)以上にすると、60℃においても添加した水分の効
果によって非透過性フィルム内部で水蒸気圧力が上昇
し、揮散性薬剤が湿度感受性膜から外部へと放出するこ
とを徐々に抑制することができるため、非透過性フィル
ムを破った時に感じるアリルイソチオシアネートの強い
臭気を抑制でき、利用者に不快感を与えるのを軽減する
ことができるという効果も見出した。また非透過性フィ
ルム内部から酸素を排除することなく、ごく普通の環境
下で包装してもアリルイソチオシアネートから酸化によ
るニンニク臭を発生させることがなかった。しかし市場
での物流環境を想定すると必要以上に非透過性フィルム
に水分を添加する必要はなく、絶対湿度で20g/kg(D
A)〜150g/kg(DA)に、さらに好ましくは50g/kg(D
A)〜150g/kg(DA)に非透過性フィルム内部を維持で
きる水分量であればよいと考えられる。
【0068】実施例では、揮散性薬剤を専らポリウレタ
ンの連続多孔質体に吸収保持させて使用したが、本発明
では揮散性薬剤をいかなる形態で部材の本体容器となる
ものに収納、充填しようと自由である。一般的には液体
の薬剤は本実施例のように液体吸収体に吸収させるか、
薬剤に可溶性の高分子物質、たとえばエチルセルロー
ス、ブチラール樹脂を添加して増粘化あるいは固形化さ
せて使用すると揮散性薬剤徐放部材を製造する時に作業
性が向上する。
【0069】実施例では、薬剤の揮散量を制御する膜と
してポリプロピレンとポリエチエンの複合ラミネートフ
ィルムを使用したが、本発明で使用できるものはこの限
りではない。その他にポリエチレンフィルム、ポリプロ
ピレンフィルム、ポリウレタンフィルムを単独もしくは
複合してラミネート構造のフィルムとして使用すること
もできる。
【0070】実施例では、専らアリルイソチオシアネー
トを使用したが、本発明で使用できるものはこの限りで
はない。ティーツリー油、ユーカリ油等が使用できる。
また低濃度の揮散量にて抗菌、防カビ効果が得られるよ
うな薬剤であれば本発明の揮散性薬剤徐放部材の薬剤と
して利用可能である。
【0071】実施例では、薬剤および水に対する非透過
性フィルムとして、ポリエチレン/ナイロン6/アルミ
ニウム箔/ポリエチレン構造からなるもの、あるいは、
ナイロン6/アルミニウム箔/ナイロン6構造からなるも
のを使用したが、本発明で使用できるものはこの限りで
はない。しかし一般的には非透過性フィルムとしては5
〜10μm程度のアルミニウム箔が内層されたラミネー
ト構造フィルムを使用する。これらラミネートフィルム
に対して四方向を十分なヒートシール巾で包装すること
で、揮散性薬剤徐放部材を長期間にわたって保管するこ
とが可能となった。
【0072】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように、請求項
1、2記載の発明によれば、市場において60℃の高温
下に置かれても非透過性フィルム内部に揮散性薬剤徐放
部材とともに包装された水分の蒸発によって湿度感受性
膜に柔軟性を与えることができる。さらに水分の水蒸気
圧によって揮散性薬剤が揮散性薬剤徐放部材から非透過
性フィルム内部に放出することも抑制するため、市場で
開封された場合にも一時的に多量の揮散性薬剤が放出さ
れて利用者に不快感を与えるのを軽減することができ
た。
【0073】請求項3記載の発明によれば、所定量の水
分を吸水性物質に保持させて揮散性薬剤徐放部材ととも
に非透過性フィルム内に包装するのでその時の作業性が
向上するとともに、非透過性フィルム内での水分放出位
置を特定させることができた。たとえば吸水性物質を湿
度感受性膜と隣接させることでより迅速に膜へと水分を
提供できた。
【0074】請求項4記載の発明によれば、吸水性物質
を化学繊維、天然繊維またはそれらを複合して構成され
る不織布または織布とすることで気象環境の変化によっ
てそれらが保持している水分を簡単に蒸発させて非透過
性フィルム内部の圧力を上昇させるとともに、湿度感受
性膜に水分を提供して膜を柔軟な状態に維持できた。ま
た吸水性物質を湿度感受性膜と隣接させることでより迅
速に膜へ水分を提供できた。また、一旦蒸発した水分が
再凝縮する場合にも吸水性物質があれば水分を捕集して
保持させることができた。
【0075】請求項5記載の発明によれば、化学繊維を
ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン、アセテート、
アクリレート、ビニロン、精製セルロース系繊維とする
ことで気象環境の変化によって保持している水分を簡単
に蒸発させて非透過性フィルム内部の圧力を上昇させる
とともに、湿度感受性膜に水分を提供して膜を柔軟な状
態に維持できた。
【0076】請求項6記載の発明によれば、天然繊維を
コットンとすることで気象環境の変化によって保持して
いる水分を簡単に蒸発させて非透過性フィルム内部の圧
力を上昇させるとともに、湿度感受性膜に水分を提供し
て膜を柔軟な状態に維持できた。
【0077】請求項7記載の発明によれば、吸水性物質
をポリビニルアルコール、ナイロン6、セルロースアセ
テートの樹脂フィルムとすることで気象環境の変化によ
って保持している水分を簡単に蒸発させて非透過性フィ
ルム内部の圧力を上昇させるとともに、湿度感受性膜に
水分を提供して膜を柔軟な状態に維持できた。また吸水
性物質を湿度感受性膜と隣接させることでより迅速に膜
へ水分を提供できた。
【0078】請求項8記載の発明によれば、吸水性物質
をポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンまたは
ポリビニルアルコールの連続多孔質体とすることで気象
環境の変化によっても多量に保持している水分を簡単に
蒸発させて非透過性フィルム内部の圧力を上昇させると
ともに、湿度感受性膜に水分を提供して膜を柔軟な状態
に維持できた。また吸水性物質を湿度感受性膜と隣接さ
せることでより迅速に膜へ水分を提供できた。
【0079】請求項9記載の発明によれば、所定量の水
分を非透過性フィルムの内層面に樹脂フィルムをラミネ
ート加工して吸湿保持させ、揮散性薬剤徐放部材ととも
に非透過性フィルムで包装することで余分な部材を使用
することなく、気象環境の変化によって非透過性フィル
ム内部の圧力を上昇させるとともに、湿度感受性膜に水
分を提供して膜を柔軟な状態に維持できた。
【0080】請求項10記載の発明によれば、所定量の
水分を揮散性薬剤徐放部材における湿度感受性膜面より
他の外層面の少なくとも一部に樹脂フィルムをラミネー
ト加工して吸湿保持させ、非透過性フィルムで包装する
ことで余分な部材を使用することなく、気象環境の変化
によって非透過性フィルム内部の圧力を上昇させるとと
もに、湿度感受性膜に水分を提供して膜を柔軟な状態に
維持できた。
【0081】請求項11記載の発明によれば、樹脂フィ
ルムをポリビニルアルコール、ナイロン6、セルロース
アセテートとすることで気象環境の変化によって保持し
ている水分を簡単に蒸発させて非透過性フィルム内部の
圧力を上昇させるとともに、湿度感受性膜に水分を提供
して膜を柔軟な状態に維持できた。
【0082】請求項12記載の発明によれば、所定量の
水分が非透過性フィルム内部を絶対湿度20g/kg(DA)
〜150g/kg(DA)に維持できる水分量であれば、気象環
境の変化によっても湿度感受性膜を柔軟な状態に維持で
き、破れを防止することができた。
【0083】請求項13記載の発明によれば、所定量の
水分が非透過性フィルム内部を絶対湿度50g/kg(DA)
〜150g/kg(DA)に維持できる水分量であれば、気象環
境の変化によっても湿度感受性膜を柔軟な状態に維持で
き、破れを防止することができるとともに揮散性薬剤の
湿度感受性膜から外部へと放出することまで抑制できる
ため、非透過性フィルムを破った時に感じる揮散性薬剤
の強い臭気を抑制でき、利用者に不快感を与えるのを軽
減することができた。
【0084】請求項14記載の発明によれば、非透過性
フィルム内部の空気を窒素ガスまたは炭酸ガスと置換さ
せることで揮散性薬剤徐放部材から非透過性フィルム内
部へ放出された揮散性薬剤が空気中の酸素と反応して臭
気が変質化することを防止できた。
【0085】請求項15記載の発明によれば、非透過性
フィルム内部の空気を窒素ガスまたは炭酸ガスと置換さ
せるとともに水分も添加することで、添加する水分量が
不足気味の場合にも揮散性薬剤徐放部材から非透過性フ
ィルム内部へ放出された揮散性薬剤が空気中の酸素と反
応して臭気が変質化することを防止できた。
【0086】請求項16記載の発明によれば、アリルイ
ソチオシアネート、ティーツリー油、ユーカリ油を薬剤
とすることで天然成分を利用した、低濃度による、環境
にやさしい抗菌、防カビ効果を提供できた。
【0087】請求項17記載の発明によれば、ビスコー
ス加工紙を含んでなるラミネート構造である湿度感受性
膜を使用することで湿度に対して鋭敏な湿度感受性の膜
を提供できた。
【0088】請求項18記載の発明によれば、薬剤の放
出量が30℃、相対湿度95%で20〜200mg/日
であれば、薬剤の種類にもよるが人間の閾値と対比して
も同等かそれ以下のレベルで徐放することで薬剤の目的
効果を得ることができるので、利用者にも好印象を与え
ることができた。
【0089】請求項19記載の発明によれば、薬剤の放
出量が30℃、相対湿度30%で10mg/日以下であ
れば、低湿度条件での無駄な薬剤の放出を抑制すること
ができるので、取り替え交換期間を長期にすることがで
きた。
【0090】請求項20記載の発明によれば、液体の薬
剤の揮散量を制御する一次制御膜としてポリエチレンフ
ィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリウレタンフィル
ム、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムまたはそれらの複合ラミネートフィルムを使用す
ることで十分な徐放効果を得ることができた。また、揮
散性薬剤徐放部材を製造する時に、一次制御膜をピロー
包装化することでハンドリングを容易にすることができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の揮散性薬剤徐放部材の側面断面構成
【図2】実施例1の揮散性薬剤徐放部材の上面外観図
【図3】実施例1の揮散性薬剤徐放部材を非透過性フィ
ルム内に包装した断面構成図
【図4】実施例4の揮散性薬剤徐放部材の側面断面構成
【図5】実施例4の揮散性薬剤徐放部材の上面外観図
【図6】実施例4の空気調和機の室内機断面構成図
【図7】実施例4の揮散性薬剤徐放部材を非透過性フィ
ルム内に包装した断面構成図
【図8】実施例5の揮散性薬剤徐放部材を非透過性フィ
ルム内に包装した断面構成図
【図9】実施例6の揮散性薬剤徐放部材を非透過性フィ
ルム内に包装した断面構成図
【図10】実施例7の揮散性薬剤徐放部材を非透過性フ
ィルム内に包装した断面構成図
【図11】実施例8の揮散性薬剤徐放部材を非透過性フ
ィルム内に包装した断面構成図
【図12】実施例9の揮散性薬剤徐放部材を非透過性フ
ィルム内に包装した断面構成図
【図13】実施例10の揮散性薬剤徐放部材を非透過性
フィルム内に包装した断面構成図
【図14】実施例10の非透過性フィルムに対する要部
拡大断面構成図
【図15】実施例11の揮散性薬剤徐放部材を非透過性
フィルム内に包装した断面構成図
【図16】実施例11の揮散性薬剤徐放部材の本体容器
に対する要部拡大断面構成図
【符号の説明】
1 ポリウレタン連続多孔質体 2 本体容器 5 湿度感受性膜 7 非透過性フィルム 9 ポリウレタン連続多孔質体 10 ラミネートフィルムのピロー包装体 11 本体容器 14 湿度感受性膜 27 揮散性薬剤徐放部材 28 非透過性フィルム 30 非透過性フィルム 31 ポリエステル繊維 32 非透過性フィルム 33 ナイロン繊維布 34 非透過性フィルム 35 コットンシート 36 非透過性フィルム 37 ポリビニルアルコールの樹脂フィルム 38 非透過性フィルム 39 ナイロン6の樹脂フィルム 40 非透過性フィルム 41 ポリウレタン連続多孔質体 42 ラミネートフィルムのピロー包装体 43 本体容器 44 湿度感受性膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古谷 志保 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3E053 AA06 BA10 DA03 DA04 FA01 3E067 AA03 AB96 BA10B BA12C BB12C BB14B BB14C BB15B BB15C BB16B BB17B BB25C BB26B BC07B CA04 EA06 EE26 FA04 FC01 GA18 GA19 GC08 3E068 AA35 AB10 CC26 CE03 CE10 EE09 4C002 EE05 KK01

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揮散性薬剤を容器内部に配置し、前記容
    器の少なくとも一部に湿度変化によって前記薬剤の透過
    量が変化する湿度感受性膜を具備した揮散性薬剤徐放部
    材において、前記揮散性薬剤徐放部材を所定量の水分と
    ともに前記薬剤と水に対する非透過性フィルムで包装す
    ることを特徴とする揮散性薬剤徐放部材。
  2. 【請求項2】 揮散性薬剤を前記薬剤の揮散量を制御す
    る揮散量制御膜内部に配置し、前記揮散量制御膜の外装
    に湿度変化によって前記薬剤の透過量が変化する湿度感
    受性膜を具備した揮散性薬剤徐放部材において、前記揮
    散性薬剤徐放部材を所定量の水分とともに前記薬剤と水
    に対する非透過性フィルムで包装することを特徴とする
    揮散性薬剤徐放部材。
  3. 【請求項3】 所定量の水分を吸水性物質に保持させて
    揮散性薬剤徐放部材とともに非透過性フィルムで包装す
    ることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の揮
    散性薬剤徐放部材。
  4. 【請求項4】 吸水性物質が化学繊維、天然繊維または
    それらを複合して構成される不織布または織布であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の揮散性
    薬剤徐放部材。
  5. 【請求項5】 前記化学繊維がポリエステル、ナイロン
    6、ポリウレタン、アセテート、アクリレート、ビニロ
    ンまたは精製セルロース系繊維であることを特徴とする
    請求項4に記載の揮散性薬剤徐放部材。
  6. 【請求項6】 前記天然繊維がコットンまたはパルプで
    あることを特徴とする請求項4に記載の揮散性薬剤徐放
    部材。
  7. 【請求項7】 前記吸水性物質がポリビニルアルコー
    ル、ナイロン6またはセルロースアセテートの樹脂フィ
    ルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の揮散性薬剤徐放部材。
  8. 【請求項8】 前記吸水性物質がポリウレタン、ポリプ
    ロピレン、ポリエチレンまたはポリビニルアルコールの
    連続多孔質体であることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の揮散性薬剤徐放部材。
  9. 【請求項9】 所定量の水分を非透過性フィルムの内層
    面に樹脂フィルムをラミネート加工して吸湿保持させ、
    揮散性薬剤徐放部材とともに非透過性フィルムで包装す
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の揮散性薬
    剤徐放部材。
  10. 【請求項10】 所定量の水分を揮散性薬剤徐放部材に
    おける湿度感受性膜面より他の容器外層面の少なくとも
    一部に樹脂フィルムをラミネート加工して吸湿保持さ
    せ、非透過性フィルムで包装することを特徴とする請求
    項1または2に記載の揮散性薬剤徐放部材。
  11. 【請求項11】 前記樹脂フィルムがポリビニルアルコ
    ール、ナイロン6またはセルロースアセテートであるこ
    とを特徴とする請求項9または10に記載の揮散性薬剤
    徐放部材。
  12. 【請求項12】 所定量の水分が絶対湿度20g/kg(D
    A)〜150g/kg(DA)に非透過性フィルム内部を維持で
    きる水分量であることを特徴とする請求項1〜11のい
    ずれかに記載の揮散性薬剤徐放部材。
  13. 【請求項13】 所定量の水分が絶対湿度50g/kg(D
    A)〜150g/kg(DA)に非透過性フィルム内部を維持で
    きる水分量であることを特徴とする請求項1〜11のい
    ずれかに記載の揮散性薬剤徐放部材。
  14. 【請求項14】 揮散性薬剤を容器内部に配置し、前記
    容器の少なくとも一部に湿度変化によって前記薬剤の透
    過量が変化する湿度感受性膜を具備した揮散性薬剤徐放
    部材において、非透過性フィルム内部の空気を窒素ガス
    または炭酸ガスと置換させた後に前記揮散性薬剤徐放部
    材を包装することを特徴とする揮散性薬剤徐放部材の包
    装方法。
  15. 【請求項15】 揮散性薬剤を容器内部に配置し、前記
    容器の少なくとも一部に湿度変化によって前記薬剤の透
    過量が変化する湿度感受性膜を具備した揮散性薬剤徐放
    部材において、非透過性フィルム内部の空気を窒素ガス
    または炭酸ガスと置換させた後に、前記揮散性薬剤徐放
    部材を所定量の水分とともに包装することを特徴とする
    揮散性薬剤徐放部材の包装方法。
  16. 【請求項16】 前記薬剤がアリルイソチオシアネー
    ト、ティーツリー油、ユーカリ油であることを特徴とす
    る請求項1〜15のいずれかに記載の揮散性薬剤徐放部
    材及びその包装方法。
  17. 【請求項17】 前記湿度感受性膜が表面にビスコース
    加工を有するラミネート構造であることを特徴とする請
    求項1〜16のいずれかに記載の揮散性薬剤徐放部材及
    びその包装方法。
  18. 【請求項18】 前記薬剤の放出量が30℃、相対湿度
    95%で20〜200mg/日であることを特徴とする
    請求項1〜17のいずれかに記載の揮散性薬剤徐放部材
    及びその包装方法。
  19. 【請求項19】 前記薬剤の放出量が30℃、相対湿度
    30%で10mg/日以下であることを特徴とする請求
    項1〜18のいずれかに記載の揮散性薬剤徐放部材及び
    その包装方法。
  20. 【請求項20】 前記薬剤の揮散量を制御する膜がポリ
    エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリウレ
    タンフィルム、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフ
    タレートフィルムまたはそれらの複合ラミネートフィル
    ムであることを特徴とする請求項2〜13、16〜19
    のいずれかに記載の揮散性薬剤徐放部材及びその包装方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1878344A1 (fr) * 2006-07-11 2008-01-16 Magnus Industrie Developpement Dispositif microbistatique ainsi qu'emballage renfermant un tel dispositif

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