JP2003127541A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

Info

Publication number
JP2003127541A
JP2003127541A JP2001327888A JP2001327888A JP2003127541A JP 2003127541 A JP2003127541 A JP 2003127541A JP 2001327888 A JP2001327888 A JP 2001327888A JP 2001327888 A JP2001327888 A JP 2001327888A JP 2003127541 A JP2003127541 A JP 2003127541A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
parts
layer
heat
sensitive recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001327888A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Shimada
浩一 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001327888A priority Critical patent/JP2003127541A/ja
Publication of JP2003127541A publication Critical patent/JP2003127541A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印画トルク(動摩擦係数)の低減と、塗布ム
ラのない均一な面状と、を両立した感熱記録材料を提供
する。 【解決手段】 支持体上に、少なくとも、感熱記録層
と、保護層と、を設けた感熱記録材料において、該保護
層がシリコーン系界面活性剤を含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録材料に係
り、より詳細には、印画トルク(動摩擦係数)の低減
と、塗布ムラのない良好な面状と、を両立した感熱記録
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】サーマルヘッド等により熱を供与して画
像を記録する感熱記録材料は、比較的安価であり、その
記録装置が簡便で信頼性が高く、メンテナンスが不要で
あることから広く普及している。その感熱記録材料とし
ては従来から電子供与性無色染料と電子受容性化合物と
の反応を利用したもの、ジアゾニウム塩化合物とカプラ
ーとの反応を利用したものなどが広く知られている。ま
た、感熱記録材料では、感熱記録層が熱や応力などの影
響を受けやすいため、感熱記録層の上に保護層を設ける
ことが一般的である。
【0003】ところで、サーマルヘッドにより熱を供与
して画像記録(印画)する際の印画トルク(即ち、印画
時の動摩擦係数)はエネルギー依存度が大きい。具体的
には、低エネルギーでは高エネルギーの場合に比し印画
トルクが大きくなる。このため、エネルギーが異なる画
像を連続的に印画する場合、送りムラが生じてしまうと
いう問題があった。
【0004】印画トルクの低減に関しては、潤滑剤の添
加や、シリコーンオイルの添加が有効であることが知ら
れている。しかしながら、保護層(最上層)にこれらの
添加剤を加えた場合、印画トルクの低減は達成されるも
のの、保護層が感熱記録層にはじかれることに起因する
面状故障(塗布ムラ)が発生し易いという問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記諸問題
を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即
ち、本発明は、印画トルクの低減と、塗布ムラのない均
一な面状と、を両立する感熱記録材料を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、保護層に、シリコ
ーン系界面活性剤を添加することにより、塗布ムラのな
い均一な面状と、印画トルクの低減と、を両立させ得る
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】前記課題を解決するための手段は以下の通
りである。 <1> 支持上に、少なくとも、感熱記録層と、保護層
と、を設けた感熱記録材料において、該保護層が、シリ
コーン系界面活性剤を含むことを特徴とする感熱記録材
料である。
【0008】<2> 前記保護層が、アセチレングリコ
ール系界面活性剤をさらに含む前記<1>に記載の感熱
記録材料である。
【0009】<3> 前記アセチレングリコール系界面
活性剤が、下記一般式(1)で表される化合物である前
記<2>に記載の感熱記録材料である。
【化2】 (式中、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜8の分岐、直
鎖又は環状の無置換又は置換アルキル基、炭素数6〜1
0の無置換又は置換アリール基を表し、R5〜R8は水素
原子又はメチル基を表し、n及びmは各々独立に0〜5
0の整数を表す。)
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の感熱記録材料の好
ましい実施の形態について説明する。本発明の感熱記録
材料は、支持上に、感熱記録層と、保護層と、を設けた
感熱記録材料であり、該保護層は、少なくともシリコー
ン系界面活性剤を含むことを特徴とする。
【0011】(保護層)本発明の感熱記録材料において
は、保護層にシリコーン系界面活性剤を含むことが重要
であり、これにより印画トルクの低減と、塗布ムラのな
い均一な面状と、を両立させることが可能となる。ま
た、面状をより一層良好にするという観点からは、アセ
チレングリコール系界面活性剤をさらに含むことが好ま
しい。
【0012】−シリコーン系界面活性剤− 本発明において保護層中に含まれるシリコーン系界面活
性剤について説明する。前記シリコーン系界面活性剤と
は、疎水性部分がシリコーン樹脂からなり、これの末端
及び/又は側鎖に親水性基が導入された水溶性化合物で
ある。シリコーン樹脂には、その代表としてポリ(ジメ
チル)シロキサンが挙げられ、メチルフェニルジメチル
ポリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルポリシロ
キサン、ジメチルポリシロキサン・ポリメチルフェニル
シロキサンコポリマー、ポリメチルシロキサン、テトラ
メチルポリメチルシロキサン、ポリメチルシロキサン・
ポリジメチルシロキサンコポリマーなど、側鎖のメチル
基の一部或いは総てがフェニル基や水素原子等に置換さ
れたものなどが挙げられる。(但し、上記表記のうち、
重合度が低いシリコーン樹脂も含む。例えば、テトラメ
チルテトラフェニルトリシロキサンもテトラメチルテト
ラフェニルポリシロキサンの中に含める。)また、この
シリコーン樹脂に導入される親水性基としてはポリエー
テル基、ポリグリセリン基、ピロリドン基、ベタイン
基、硫酸塩基、水酸基、カルボキシル基、リン酸塩基、
4級アンモニウム塩基、等が挙げられる。
【0013】これらのシリコーン樹脂、親水性基は、適
宜組合せて使用することができる。また、界面活性剤の
構造に関しても、上記のシリコーン樹脂の末端及び/又
は側鎖に親水性基を単に導入するだけでなく、親水性基
を導入したポリマーと導入しないポリマーをランダム共
重合、ブロック共重合するなどしてコポリマー化するな
どしてもよい。
【0014】具体的には、例えば、信越化学工業(株)製
KF351(A)、KF352(A)、KF353
(A)、KF354(A)、KF355(A)、KF6
15(A)、KF618、KF945(A)、KF60
01、KF6004、KF6012、KF6013、K
F6015、KF6016、KF6017、KF64
0、KF641、KF700、X−22−4959、X
−22−4966等、東レ・ダウコーニング・シリコー
ン(株)製 SYLGARD309、SH3746、SH
3749、SH3771、SH8400、SH841
0、SH8700等、日本ユニカー(株)製 SILWE
TL−77、L−720、FZ2122、L−700
1、L−7002、FZ−2123、L−7604、F
Z−2105、FZ−2104、FZ−2110、FZ
−2110、FZ−2161、FZ−2162、FZ−
2163、FZ−2164等、が挙げられる。これらの
中でも、シリコーン樹脂としてポリジメチルシロキサン
を、親水性基として、ポリエーテル基、ポリグリセリン
基、又はピロリドン基を導入したシリコーン系界面活性
剤が好ましい。
【0015】保護層における前記シリコン系界面活性剤
の含有量は、塗布される保護層中の固形分として、0.
005〜0.20g/m2の範囲が好ましく、効果の点
からは、0.01〜0.10g/m2がより好ましい。
【0016】−アセチレングリコール系界面活性剤− 本発明においては、保護層中にアセチレングリコール系
界面活性剤含むことが好ましい。該アセチレングリコー
ル系界面活性剤としては、下記一般式(1)で表される
化合物であることがさらに好ましい。
【0017】
【化3】
【0018】式中、n及びmが0〜50の整数を示し、
0〜4の整数であることが好ましい。
【0019】また、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜8
の分岐、直鎖又は環状の無置換又は置換アルキル基、炭
素数6〜10の無置換又は置換アリール基を表す。アル
キル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、アリール
基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基が挙げら
れる。また、置換基の例としては、エーテル基、エステ
ル基等が挙げられる。
【0020】これらの中で、R2及びR3はメチル基であ
り、R1及びR4はイソブチル基であり、n及びmが0で
あることが好ましい。
【0021】以下に、一般式(1)で表されるアセチレ
ングリコールの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限
定されない。
【0022】
【化4】
【0023】保護層における前記一般式(1)で表され
るアセチレングリコール系界面活性剤の含有量は、塗布
される保護層中の固形分として、0.005〜0.20
g/m2の範囲が好ましく、効果の点からは、0.01
〜0.10g/m2がより好ましい。また、シリコーン
系界面活性剤と、アセチレングリコール系界面活性剤と
の配合比としては、シリコーン系界面活性剤:アセチレ
ングリコール系界面活性剤=1:10〜10:1が好ま
しく、1:5〜5:1がより好ましい。
【0024】−他の成分− 保護層は、上記界面活性剤の他、バインダー、顔料、滑
剤、分散剤、蛍光増白剤、金属石鹸、硬膜剤、紫外線吸
収剤、架橋剤等を含有してもよい。
【0025】前記バインダーとしては、例えば、酢酸ビ
ニル−アクリルアミド共重合体、珪素変性ポリビニルア
ルコール、澱粉、変性澱粉、メチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、
ゼラチン類、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−マレ
イン酸共重合体加水分解物、スチレン−マレイン酸共重
合物ハーフエステル加水分解物、イソブチレン−無水マ
レイン酸共重合体加水分解物、ポリアクリルアミド誘導
体、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸ソ
ーダ、アルギン酸ソーダなどの水溶性高分子及びスチレ
ン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエ
ンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等の合成ゴ
ムラテックス、合成樹脂エマルジョン等が挙げられる。
【0026】前記バインダーの中でも、ポリビニルアル
コール又はその誘導体が好ましく、具体的には、特開2
000−118133号公報に記載のもの等が挙げられ
る。
【0027】前記顔料としては、特に制限はないが、例
えば、カオリン、焼成カオリン、タルク、ロウ石、ケイ
ソウ土、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、酸化亜鉛、リトポン、非晶質シリカ、コ
ロイダルシリカ、焼成石コウ、シリカ、炭酸マグネシウ
ム、酸化チタン、アルミナ、炭酸バリウム、硫酸バリウ
ム、マイカ、マイクロバルーン、尿素−ホルマリンフィ
ラー、ポリエステルパーティクル、セルロースフィラー
等が挙げられる。
【0028】前記バインダーの含有量としては、保護層
中の顔料に対して、10〜500質量%が好ましく、5
0〜400質量%がより好ましい。
【0029】また、耐水性を更に向上させる目的で、架
橋剤及びその反応を促進させる触媒を併用することが有
効であり、該架橋剤としては、例えば、エポキシ化合
物、ブロックドイソシアネート、ビニルスルホン化合
物、アルデヒド化合物、メチロール化合物、硼酸、カル
ボン酸無水物、シラン化合物、キレート化合物、ハロゲ
ン化物等が挙げられ、保護層形成用の塗布液のpHを
5.5〜9.5に調整できるものが好ましい。触媒とし
ては、公知の酸、金属塩等が挙げられ、上記同様に塗布
液のpHを5.5〜9.5に調整できるものが好まし
い。
【0030】前記滑剤としては、例えば、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス、
ポリエチレンワックス等が好適に挙げられる。
【0031】また、保護層は他の界面活性剤を含有して
いてもよく、他の界面活性剤としては、フッ素含有界面
活性剤等が好適に挙げられる。保護層形成用の塗布液
(保護層用塗布液)は、前記各成分を混合して得られ
る。更に、必要に応じて離型剤、ワックス、撥水剤等を
加えてもよい。保護層の乾燥塗布量としては、0.2〜
7g/m2が好ましく、1〜4g/m2がより好ましい。
該乾燥塗設量が、0.2g/m2未満であると、耐水性
が維持できないことがあり、7g/m2を超えると、著
しく熱感度が低下することがある。保護層の塗布形成
後、必要に応じてキャレンダー処理を施してもよい。
【0032】(感熱記録層)感熱記録層は、発色成分を
含んでなり、必要に応じて、バインダー、塩基等の他の
成分を含んでなる。前記発色成分としては、(1)ジアゾ
ニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物とカップリン
グ反応して発色させるカプラーとの組合せ、(2)電子供
与性染料前駆体と該電子供与性染料前駆体と反応して発
色させる電子受容性化合物との組合せ等が好適に挙げら
れる。
【0033】本発明において感熱記録層に用いられる発
色成分としては、従来公知のものが使用できるが、特に
ジアゾニウム塩化合物とカプラーとの反応を利用したも
の、又は電子供与性無色染料と電子受容性化合物との反
応を利用したものが好ましい。ジアゾニウム塩化合物と
該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラ
ーを含有する感熱記録層に用いられる化合物としては、
ジアゾニウム塩化合物、該ジアゾニウム塩化合物と反応
して色素を形成しうるカプラー及びジアゾニウム塩化合
物とカプラーとの反応を促進する塩基性物質等が挙げら
れる。
【0034】これらジアゾニウム塩化合物、カプラー、
塩基などは、特公平4−75147号公報、特公平6−
55546号公報、特公平6−79867号公報、特開
平4−201483号公報、特開昭60−49991号
公報、特開昭60−242094号公報、特開昭61−
5983号公報、特開昭63−87125号公報、特開
平4−59287号公報、特開平5−185717号公
報、特開平7−88356号公報、特開平7−9667
1号公報、特開平8−324129号公報、特開平9−
38389号公報、特開平5−185736号公報、特
開平5−8544号公報、特開昭59−190866号
公報、特開昭62−55190号公報、特開昭60−6
493号公報、特開昭60−259492号公報、特開
昭63−318546号公報、特開平4−65291号
公報、特開平5−185736号公報、特開平5−20
4089号公報、特開平8−310133号公報、特開
平8−324129号公報、特開平9−156229号
公報、特開平9−175017号公報、などに詳しく記
載されている。
【0035】[ジアゾニウム塩化合物]前記ジアゾニウ
ム塩化合物としては、下記式(1)で表される化合物が挙
げられる。
【0036】 Ar−N2 +- …(1) 〔式中、Arは芳香族部分を表し、X-は酸アニオンを
表す。〕 該ジアゾニウム塩化合物は、加熱により後述のカプラー
とカップリング反応を起こして発色し、また光によって
分解する化合物である。これらはAr部分の置換基の位
置や種類によって、その最大吸収波長を制御することが
可能である。
【0037】塩を形成するジアゾニウムの具体例として
は、4−(p−トリルチオ)−2,5−ジブトキシベン
ゼンジアゾニウム、4−(4−クロロフェニルチオ)−
2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム、4−(N,
N−ジメチルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−
(N,N−ジエチルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4
−(N,N−ジプロピルアミノ)ベンゼンジアゾニウ
ム、4−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)ベンゼン
ジアゾニウム、4−(N,N−ジベンジルアミノ)ベン
ゼンジアゾニウム、4−(N−エチル−N−ヒドロキシ
エチルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−
ジエチルアミノ)−3−メトキシベンゼンジアゾニウ
ム、4−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メトキシベ
ンゼンジアゾニウム、4−(N−ベンゾイルアミノ)−
2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウム、4−モルホ
リノ−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム、4−
アニリノベンゼンジアゾニウム、4−[N−(4−メト
キシベンゾイル)アミノ]−2,5−ジエトキシベンゼ
ンジアゾニウム、4−ピロリジノ−3−エチルベンゼン
ジアゾニウム、4−[N−(1−メチル−2−(4−メ
トキシフェノキシ)エチル)−N−ヘキシルアミノ]−
2−ヘキシルオキシベンゼンジアゾニウム、4−[N−
(2−(4−メトキシフェノキシ)エチル)−N−ヘキ
シルアミノ]−2−ヘキシルオキシベンゼンジアゾニウ
ム、2−(1−エチルプロピルオキシ)−4−[ジ−
(ジ−n−ブチルアミノカルボニルメチル)アミノ]ベ
ンゼンジアゾニウム、2−ベンジルスルホニル−4−
[N−メチル−N−(2−オクタノイルオキシエチ
ル)]アミノベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
【0038】前記ジアゾニウム塩化合物の最大吸収波長
λmaxとしては、450nm以下が好ましく、290〜
440nmがより好ましい。前記λmaxが、450nm
を超える長波長側にあると、生保存性が低下することが
あり、前記波長範囲よりも短波長側にあると、後述のカ
プラーとの組合わせにおいて画像定着性、画像保存性が
低下したり、シアン発色の色相が劣化することがある。
【0039】また、ジアゾニウム塩化合物は、炭素原子
数が12以上で水に対する溶解度が1%以下で、かつ酢
酸エチルに対する溶解度が5%以上であることが望まし
い。
【0040】尚、ジアゾニウム塩化合物は、一種単独で
用いてもよいし、色相調整等の目的に応じて、二種以上
を併用することもできる。
【0041】前記ジアゾニウム塩化合物の中でも、色素
の色相、画像保存性、画像定着性の点で、下記構造式
(1)〜(3)で表されるジアゾニウム塩化合物がより
好ましい。
【0042】
【化5】
【0043】前記構造式(1)中、Arは、置換若しく
は無置換のアリール基を表す。
【0044】置換基としては、アルキル基、アルコキシ
基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、
アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、
カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニル基、スル
ファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド基、ハロゲ
ン原子、アミノ基、ヘテロ環基等が挙げられ、これら置
換基は更に置換されていてもよい。
【0045】前記Arで表されるアリール基としては、
炭素原子数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、
フェニル基、2−メチルフェニル基、2−クロロフェニ
ル基、2−メトキシフェニル基、2−ブトキシフェニル
基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、2
−オクチルオキシフェニル基、3−(2,4−ジ−t−
ペンチルフェノキシエトキシ)フェニル基、4−クロロ
フェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,4,6
−トリメチルフェニル基、3−クロロフェニル基、3−
メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−ブト
キシフェニル基、3−シアノフェニル基、3−(2−エ
チルヘキシルオキシ)フェニル基、3,4−ジクロロフ
ェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジメ
トキシフェニル基、3−(ジブチルアミノカルボニルメ
トキシ)フェニル基、4−シアノフェニル基、4−メチ
ルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ブトキシ
フェニル基、4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニ
ル基、4−ベンジルフェニル基、4−アミノスルホニル
フェニル基、4−N,N−ジブチルアミノスルホニルフ
ェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、4−
(2−エチルヘキシルカルボニル)フェニル基、4−フ
ルオロフェニル基、3−アセチルフェニル基、2−アセ
チルアミノフェニル基、4−(4−クロロフェニルチ
オ)フェニル基、4−(4−メチルフェニル)チオ−
2,5−ブトキシフェニル基、4−(N−ベンジル−N
−メチルアミノ)−2−ドデシルオキシカルボニルフェ
ニル基等が挙げられる。但し、本発明においてはこれら
に限定されるものではない。
【0046】また、これらの基は、更に、アルキルオキ
シ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置
換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換さ
れていてもよい。
【0047】前記構造式(1)中、R21及びR22は、そ
れぞれ独立に置換若しくは無置換のアルキル基、置換若
しくは無置換のアリール基を表す。R21及びR22は、同
一であってもよいし異なっていてもよい。
【0048】置換されている場合の置換基としては、ア
ルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホ
ニル基、置換アミノ基、置換アミド基、アリール基、ア
リールオキシ基等が挙げられる。但し、これらに限定さ
れるものではない。
【0049】前記R21、R22で表されるアルキル基とし
ては、炭素原子数1〜18のアルキル基が好ましく、例
えば、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、シク
ロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチ
ル基、t−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル
基、オクタデシル基、ベンジル基、4−メトキシベンジ
ル基、トルフェニルメチル基、エトキシカルボニルメチ
ル基、ブトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシ
ルオキシカルボニルメチル基、2’,4’−ジイソペン
チルフェニルオキシメチル基、2’,4’−ジ−t−ブ
チルフェニルオキシメチル基、ジベンジルアミノカルボ
ニルメチル基、2,4−ジ−t−アミルフェニルオキシ
プロピル基、エトキシカルボニルプロピル基、1−
(2’,4’−ジ−t−アミルフェニルオキシ)プロピ
ル基、アセチルアミノエチル基、2−(N,N−ジメチ
ルアミノ)エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)
プロピル基、メタンスルホニルアミノプロピル基、アセ
チルアミノエチル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)
エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル基
等が挙げられる。
【0050】前記R21、R22で表されるアリール基とし
ては、炭素原子数6〜30のアリール基が好ましく、例
えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、2−クロロ
フェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ブトキシフ
ェニル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル
基、2−オクチルオキシフェニル基、3−(2,4−ジ
−t−ペンチルフェノキシエトキシ)フェニル基、4−
クロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,
4,6−トリメチルフェニル基、3−クロロフェニル
基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、
3−ブトキシフェニル基、3−シアノフェニル基、3−
(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、3,4−ジ
クロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、3,
4−ジメトキシフェニル基、3−(ジブチルアミノカル
ボニルメトキシ)フェニル基、4−シアノフェニル基、
4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−
ブトキシフェニル基、4−(2−エチルヘキシルオキ
シ)フェニル基、4−ベンジルフェニル基、4−アミノ
スルホニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノス
ルホニルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル
基、4−(2−エチルヘキシルカルボニル)フェニル
基、4−フルオロフェニル基、3−アセチルフェニル
基、2−アセチルアミノフェニル基、4−(4−クロロ
フェニルチオ)フェニル基、4−(4−メチルフェニ
ル)チオ−2,5−ブトキシフェニル基、4−(N−ベ
ンジル−N−メチルアミノ)−2−ドデシルオキシカル
ボニルフェニル基等が挙げられる。但し、これらに限定
されるものではない。
【0051】前記構造式(2)中、R24、R25及びR26
は、それぞれ独立に置換若しくは無置換のアルキル基、
置換若しくは無置換のアリール基を表し、R24、R25
びR 26は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
【0052】置換されている場合の置換基としては、例
えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ア
リール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボ
アミド基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホン
アミド基、ウレイド基、ハロゲン原子、アミノ基、ヘテ
ロ環基等が挙げられる。
【0053】前記R24、R25及びR26で表されるアルキ
ル基としては、炭素原子数1〜18のアルキル基が好ま
しく、例えば、前記構造式(1)中のR21、R22で表さ
れるアルキル基、及び1−メチル−2−(4−メトキシ
フェノキシ)エチル基、ジ−n−ブチルアミノカルボニ
ルメチル基、ジ−n−オクチルアミノカルボニルメチル
基等が挙げられる。
【0054】前記R24、R25及びR26で表されるアリー
ル基は、前記構造式(1)中のR21、R22で表されるア
リール基と同義である。但し、これらに限定されるもの
ではない。
【0055】また、これらの基は、更にアルキルオキシ
基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換
アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換され
ていてもよい。
【0056】前記構造式(2)中、Yは水素原子、OR
23基を表し、R23は、置換若しくは無置換のアルキル
基、置換若しくは無置換のアリール基を表す。
【0057】置換されている場合の置換基としては、例
えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ア
リール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボ
アミド基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホン
アミド基、ウレイド基、ハロゲン原子、アミノ基、ヘテ
ロ環基等が挙げられる。
【0058】前記Yの中でも、色相調節の点で、水素原
子、R23がアルキル基であるアルキルオキシ基が好まし
い。
【0059】前記R23で表されるアルキル基は、前記構
造式(1)中のR21、R22で表されるアルキル基と同義
である。但し、これらに限定されるものではない。
【0060】前記R23で表されるアリール基は、前記構
造式(1)中のR21、R22で表されるアリール基と同義
である。但し、これらに限定されるものではない。ま
た、これらのアリール基は、更にアルキルオキシ基、ア
ルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換アミノ
基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換されていて
もよい。
【0061】前記構造式(3)中、R27及びR28は、そ
れぞれ独立に置換若しくは無置換のアルキル基、置換若
しくは無置換のアリール基を表し、R27及びR28は同一
であってもよいし異なっていてもよい。
【0062】置換されている場合の置換基としては、例
えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ア
リール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボ
アミド基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホン
アミド基、ウレイド基、ハロゲン原子、アミノ基、ヘテ
ロ環基等が挙げられる。
【0063】前記R27、R28で表されるアルキル基は、
前記構造式(1)中のR21、R22で表されるアルキル基
と同義である。但し、これらに限定されるものではな
い。
【0064】前記R27、R28で表されるアリール基は、
前記構造式(1)中のR21、R22で表されるアリール基
と同義である。但し、これらに限定されるものではな
い。また、これらのアリール基は、更にアルキルオキシ
基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換
アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換され
ていてもよい。
【0065】前記構造式(1)〜(3)において、X-
は酸アニオンを表し、該酸アニオンとしては、炭素原子
数1〜9のポリフルオロアルキルカルボン酸、炭素原子
数1〜9のポリフルオロアルキルスルホン酸、四フッ化
ホウ素、テトラフェニルホウ素、ヘキサフルオロリン
酸、芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸等が挙げられ
る。中でも、結晶性の点でヘキサフルオロリン酸が好ま
しい。
【0066】(ジアゾニウム塩化合物の具体例)以下
に、本発明に好適に用いられるジアゾニウム塩化合物の
具体例を示すが、本発明におけるジアゾニウム塩化合物
はこれらに限定されるものではない。
【0067】
【化6】
【0068】
【化7】
【0069】
【化8】
【0070】
【化9】
【0071】
【化10】
【0072】
【化11】
【0073】
【化12】
【0074】
【化13】
【0075】
【化14】
【0076】
【化15】
【0077】
【化16】
【0078】
【化17】
【0079】
【化18】
【0080】前記ジアゾニウム塩化合物は、一種単独で
用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。更に、色
相調整等の諸目的に応じて、前記ジアゾニウム塩化合物
と、既存の他のジアゾニウム塩化合物とを併用してもよ
い。前記ジアゾニウム塩化合物の塗布量としては、感熱
記録層中に0.05〜2g/m2が好ましく、0.1〜
1g/m2がより好ましい。該含有量が、0.05g/
2未満であると、十分な発色濃度が得られないことが
あり、2g/m2を超えると、塗布液の塗布適性が劣化
することがある。
【0081】[カプラー]本発明において、前述のジア
ゾニウム塩化合物とカップリング反応して色素を形成し
発色させるカプラーとしては、塩基性雰囲気及び/又は
中性雰囲気の下でジアゾニウム塩化合物とカップリング
して色素を形成し得るものであれば、いずれの化合物も
用いることができる。
【0082】ハロゲン化銀写真感光材料に用いられる、
いわゆる4当量カプラーは全てカプラーとして使用可能
であり、色相等の目的に合致する範囲で適宜選択するこ
とができる。例えば、カルボニル基の隣にメチレン基を
有する、いわゆる活性メチレン化合物、フェノール誘導
体、ナフトール誘導体等が挙げられる。
【0083】中でも、下記式(2)で表される化合物、又
は該化合物の互変異性体は特に好ましい。
【0084】 E1−CH2−E2 …(2) 前記式(2)中、E1及びE2は、それぞれ独立に電子吸引
性基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよ
い。
【0085】前記電子吸引性基は、Hammettのσ
値が正である置換基を指し、例えば、アセチル基、プロ
ピオニル基、ピバロイル基、クロロアセチル基、トリク
ロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、1−メチル
シクロプロピルカルボニル基、1−エチルシクロプロピ
ルカルボニル基、1−ベンジルシクロプロピルカルボニ
ル基、ベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、テノ
イル基等のアシル基、メトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基、2−メトキシエトキシカルボニル基、4
−メトキシフェノキシカルボニル基等のアルコキシカル
ボニル基、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモ
イル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニ
ルカルバモイル基、N−〔2,4−ビス(ペンチルオキ
シ)フェニル〕カルバモイル基、N−〔2,4−ビス
(オクチルオキシ)フェニル〕カルバモイル基、モルホ
リノカルボニル基等のカルバモイル基、メタンスルホニ
ル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等
のアルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基、
ジエチルホスホノ基等のホスホノ基、ベンゾオキサゾー
ル−2−イル基、ベンゾチアゾール−2−イル基、3,
4−ジヒドロキナゾリン−4−オン−2−イル基、3,
4−ジヒドロキナゾリン−4−スルホン−2−イル基等
の複素環基、ニトロ基、イミノ基、シアノ基が好適に挙
げられる。
【0086】また、前記E1及びE2は、互いに結合して
環を形成していてもよい。E1とE2で形成される環とし
ては、5員若しくは6員の炭素環又は複素環が好まし
い。
【0087】カプラーの詳細については、特開平4−2
01483号公報、特開平7−223367号公報、特
開平7−223368号公報、特開平7−323660
号公報、特願平5−278608号公報、特願平5−2
97024号公報、特願平6−18669号公報、特願
平6−18670号公報、特願平7−316280号公
報、特願平8−027095号公報、特願平8−027
096号公報、特願平8−030799号公報、特願平
8−12610号公報、特願平8−132394号公
報、特願平8−358755号公報、特願平8−358
756号公報、特願平9−069990号公報等に記載
されている。
【0088】(カプラーの具体例)以下に、本発明に好
適に用いられるカプラーの具体例を示すが、本発明にお
けるカプラーはこれらに限定されるものではない。
【0089】
【化19】
【0090】
【化20】
【0091】
【化21】
【0092】
【化22】
【0093】
【化23】
【0094】
【化24】
【0095】
【化25】
【0096】
【化26】
【0097】
【化27】
【0098】
【化28】
【0099】
【化29】
【0100】
【化30】
【0101】
【化31】
【0102】
【化32】
【0103】
【化33】
【0104】感熱記録層中におけるカプラーの含有量と
しては、ジアゾニウム塩化合物1質量部に対して、0.
1〜30質量部が好ましい。本発明の感熱記録材料にお
いては、前記ジアゾニウム塩化合物とカプラー(ジアゾ
系発色剤)のほか、電子供与性染料前駆体と電子受容性
化合物との組合せ(ロイコ系発色剤)を用いることもで
きる。例えば、支持体上に複数の感熱記録層を有する感
熱記録材料において、その少なくとも1層をロイコ系発
色剤を含む層として構成することができる。
【0105】[電子供与性染料前駆体及び電子受容性化
合物]前記電子供与性染料前駆体としては、例えば、ト
リアリールメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合
物、チアジン系化合物、キサンテン系化合物、スピロピ
ラン系化合物等が挙げられ、中でも、発色濃度が高い点
で、トリアリールメタン系化合物、キサンテン系化合物
が好ましい。
【0106】電子供与性無色染料前駆耐及び電子受容性
化合物については、特開平6−328860号公報、特
開平7−290826号公報、特開平7−314904
号公報、特開平8−324116号公報、特開平3−3
7727号公報、特開平9−31345号公報、特開平
9−111136号公報、特開平9−118073号公
報、特開平11−157221号公報、などに詳しく記
載されている。以下に、本発明に好適に用いられる電子
供与性無色染料前駆体の具体例を示すが、これらに限定
されるものではない。
【0107】(電子供与性無色染料前駆体の具体例)
【0108】
【表1】
【0109】
【表2】
【0110】
【表3】
【0111】
【化34】
【0112】前記電子供与性染料前駆体の塗布量として
は、感熱記録層中に0.1〜1g/m2が好ましい。
【0113】(電子受容性化合物の具体例)電子受容性
化合物としては、フェノール誘導体、サリチル酸誘導
体、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられる。特
に、ビスフェノール類、ヒドロキシ安息香酸エステル類
が好ましい。例えば、2,2−ビス(p−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、4,
4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノ
ール(即ち、ビスフェノールP)、2,2−ビス(p−
ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(p−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(p−ヒドロ
キシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキ
シ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパン、1,1
−(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1
−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−(p
−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−(p−ヒド
ロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、3,5−ジ
(α−メチルベンジル)サリチル酸及びその多価金属
塩、3,5−ジ(tert−ブチル)サリチル酸及びそ
の多価金属塩、3−α,α−ジメチルベンジルサリチル
酸及びその多価金属塩、p−ヒドロキシ安息香酸ブチ
ル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ
安息香酸−2−エチルヘキシル、p−フェニルフェノー
ル、p−クミルフェノールなどが挙げられる。
【0114】感熱記録層中における電子受容性化合物の
含有量としては、電子供与性染料前駆体1質量部に対し
て、0.1〜30質量部が好ましい。
【0115】[有機塩基]本発明においては、ジアゾニ
ウム塩とカプラーとのカップリング反応を促進する目的
で有機塩基を添加することが好ましい。前記有機塩基
は、感光感熱記録層中に、ジアゾニウム塩化合物及びカ
プラーとともに含有させるのが好ましく、単独で用いて
も2種以上併用してもよい。前記有機塩基としては、第
3級アミン類、ピペリジン類、ピペラジン類、アミジン
類、ホルムアミジン類、ピリジン類、グアニジン類、モ
ルホリン類等の含窒素化合物等が挙げられる。また、特
公昭52−46806号公報、特開昭62−70082
号公報、特開昭57−169745号公報、特開昭60
−94381号公報、特開昭57−123086号公
報、特開昭58−1347901号公報、特開昭60−
49991号公報、特公平2−24916号公報、特公
平2−28479号公報、特開昭60−165288号
公報、特開昭57−185430号公報に記載のものも
使用可能である。
【0116】中でも特に、N,N′−ビス(3−フェノ
キシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N′
−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−2−ヒドロキ
シプロピル〕ピペラジン、N,N′−ビス〔3−(p−
メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペ
ラジン、N,N′−ビス(3−フェニルチオ−2−ヒド
ロキシプロピル)ピペラジン、N,N′−ビス〔3−
(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラ
ジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプ
ロピル−N′−メチルピペラジン、1,4−ビス{〔3
−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキシ〕プロピ
ルオキシ}ベンゼン等のピペラジン類、N−〔3−(β
−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ〕プロピルモルホリ
ン、1,4−ビス(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−
プロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−モルホ
リノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン等の
モルホリン類、N−(3−フェノキシ−2−ヒドロキシ
プロピル)ピペリジン、N−ドデシルピペリジン等のピ
ペリジン類、トリフェニルグアニジン、トリシクロヘキ
シルグアニジン、ジシクロヘキシルフェニルグアニジン
等のグアニジン類等が好ましい。
【0117】所望により有機塩基を含有させる場合の、
感熱記録層中における有機塩基の含有量としては、ジア
ゾニウム塩化合物1質量部に対して、0.1〜30質量
部が好ましい。
【0118】[増感剤]本発明においては、感熱記録層
中に、前記有機塩基のほか、発色反応を促進させる目的
で増感剤を加えることもできる。前記増感剤は、加熱記
録時の発色濃度を高くする、若しくは最低発色温度を低
くする物質であり、カプラー、有機塩基又はジアゾニウ
ム塩化合物等の融解点を下げたり、カプセル壁の軟化点
を低下せしめる作用により、ジアゾニウム塩化合物、有
機塩基、カプラー等を反応しやすい状況にするものであ
る。
【0119】具体的には、分子内に芳香族性の基と極性
基を適度に有している低融点有機化合物が好ましく、例
えば、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、α−ナフ
チルベンジルエーテル、β−ナフチルベンジルエーテ
ル、β−ナフトエ酸フェニルエステル、α−ヒドロキシ
−β−ナフトエ酸フェニルエステル、β−ナフトール−
(p−クロロベンジル)エーテル、1,4−ブタンジオ
ールフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−
メチルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p
−エチルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−
m−メチルフェニルエーテル、1−フェノキシ−2−
(p−トリルオキシ)エタン、1−フェノキシ−2−
(p−エチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2
−(p−クロロフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフ
ェニル等が挙げられる。
【0120】[バインダー]感熱記録層に用いるバイン
ダーとしては、公知の水溶性高分子化合物やラテックス
類等が挙げられる。前記水溶性高分子化合物としては、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、デンプン誘導体、カゼイン、アラビアゴム、ゼラチ
ン、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無
水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、エピク
ロルヒドリン変成ポリアミド、イソブチレン−無水マレ
インサリチル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリ
ル酸アミド等及びこれらの変成物等が挙げられ、前記ラ
テックス類としては、スチレン−ブタジエンゴムラテッ
クス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、
酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられる。
【0121】[顔料]また、色相調整の目的で、感熱記
録層中に顔料を含有させてもよい。前記顔料としては、
有機、無機を問わず公知のものを使用することができ、
例えば、カオリン、焼成カオリン、タルク、ロウ石、ケ
イソウ土、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム、酸化亜鉛、リトポン、非晶質シリカ、
コロイダルシリカ、焼成石コウ、シリカ、炭酸マグネシ
ウム、酸化チタン、アルミナ、炭酸バリウム、硫酸バリ
ウム、マイカ、マイクロバルーン、尿素−ホルマリンフ
ィラー、ポリエステルパーティクル、セルロースフィラ
ー等が挙げられる。
【0122】[酸化防止剤等]また、発色画像の光及び
熱に対する堅牢性を向上させる、又は定着後の未印字部
分(非画像部)の光による黄変を軽減する目的で、以下
に示す公知の酸化防止剤等を用いることも好ましい。前
記酸化防止剤としては、例えば、ヨーロッパ公開特許第
223739号公報、同309401号公報、同第30
9402号公報、同第310551号公報、同第310
552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特
許第3435443号公報、特開昭54−48535号
公報、同62−262047号公報、同63−1135
36号公報、同63−163351号公報、特開平2−
262654号公報、特開平2−71262号公報、特
開平3−121449号公報、特開平5−61166号
公報、特開平5−119449号公報、アメリカ特許第
4814262号明細書、アメリカ特許第498027
5号明細書等に記載のものを挙げることができる。
【0123】本発明において、前記ジアゾニウム塩化合
物、該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して発色させる
カプラー、有機塩基や増感剤等の他の成分、並びに電子
供与性染料前駆体、電子受容性化合物の使用形態につい
ては特に制限はなく、例えば、(1)固体分散して使用
する方法、(2)乳化分散して使用する方法、(3)ポ
リマー分散して使用する方法、(4)ラテックス分散し
て使用する方法、(5)マイクロカプセル化を利用する
方法等が挙げられる。中でも特に、保存性の観点から、
(5)マイクロカプセル化を利用する方法が好ましく、
特にジアゾニウム塩化合物とカプラーとの反応を利用
した発色系では、該ジアゾニウム塩化合物をマイクロカ
プセル化した形態が、電子供与性染料前駆体と電子受
容性化合物との反応を利用した発色系では、該電子供与
性染料前駆体をマイクロカプセル化した形態が好まし
い。
【0124】(マイクロカプセルの製造方法)本発明に
おいては、感熱記録材料の保存安定性を向上させる点
で、前記ジアゾニウム塩化合物及び/又は電子供与性染
料前駆体をマイクロカプセルに内包することが好まし
い。発色成分をマイクロカプセル化する方法としては、
従来公知の方法を用いることができる。例えば、一方の
発色成分であるジアゾニウム塩化合物(及び電子供与性
染料前駆体)を水に難溶又は不溶の有機溶媒に溶解又は
分散させ調製した油相を、水溶性高分子を溶解した水相
と混合し、ホモジナイザー等の手段により乳化分散した
後、加温することによりその油滴界面で高分子形成反応
を起こし、高分子物質のマイクロカプセル壁を形成させ
る界面重合法等が好適に挙げられる。該界面重合法は、
短時間内に均一な粒径のカプセルを形成することがで
き、生保存性に優れた記録材料を得ることができる。
【0125】前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エス
テル、メチレンクロライド、シクロヘキサノン等の低沸
点補助溶剤、及び/又は、リン酸エステル、フタル酸エ
ステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルそ
の他のカルボン酸エステル、脂肪酸アミド、アルキル化
ビフェニル、アルキル化ターフェニル、アルキル化ナフ
タレン、ジアリールエタン、塩素化パラフィン、アルコ
ール系溶剤、フェノール系溶剤、エーテル系溶剤、モノ
オレフィン系溶剤、エポキシ系溶剤等が挙げられる。
【0126】具体例としては、リン酸トリクレジル、リ
ン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸
トリシクロヘキシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオ
クチル、フタル酸ジラウレート、フタル酸ジシクロヘキ
シル、オレフィン酸ブチル、ジエチレングリコールベン
ゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチ
ル、アジピン酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチ
ル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オクチ
ル、マレイン酸ジブチル、イソアミルビフェニル、塩素
化パラフィン、ジイソプロピルナフタレン、1,1’−
ジトリルエタン、2,4−ジターシャリアミルフェノー
ル、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ターシャリ
オクチルアニリン、ヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキ
シルエステル、ポリエチレングリコール等の高沸点溶剤
が挙げられる。
【0127】中でも、アルコール系溶剤、リン酸エステ
ル系溶剤、カルボン酸エステル系溶剤、アルキル化ビフ
ェニル、アルキル化ターフェニル、アルキル化ナフタレ
ン、ジアリールエタンが特に好ましい。
【0128】更に、前記高沸点溶剤に、ヒンダードフェ
ノール、ヒンダードアミン等の炭化防止剤を添加しても
よい。また、前記高沸点溶剤として、特に不飽和脂肪酸
を有するものが望ましく、α−メチルスチレンダイマー
等が挙げられる。該α−メチルスチレンダイマーには、
例えば、三井東圧化学社製の「MSD100」等があ
る。
【0129】前記水溶性高分子としては、ポリビニルア
ルコール等の水溶性高分子が挙げられ、例えば、ポリビ
ニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコー
ル、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アミノ変性
ポリビニルアルコール、イタコン酸変性ポリビニルアル
コール、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ブタジエ
ン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン
酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、
ポリアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸、ポリビ
ニルピロリドン、エチレン−アクリル酸共重合体、ゼラ
チン等が挙げられ、中でも、カルボキシ変性ポリビニル
アルコールが好ましい。
【0130】前記水溶性高分子には、疎水性高分子のエ
マルジョン又はラテックス等を併用することもできる。
該エマルジョン又はラテックスとしては、スチレン−ブ
タジエン共重合体、カルボキシ変性スチレン−ブタジエ
ン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等
が挙げられる。この時、必要に応じて従来公知の界面活
性剤等を加えてもよい。
【0131】マイクロカプセル壁を構成する高分子物質
としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、アミノアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリ
スチレン樹脂、スチレン−アクリレート共重合体樹脂、
スチレン−メタクリレート共重合体樹脂、ゼラチン、ポ
リビニルアルコール等が挙げられる。中でも、ポリウレ
タン・ポリウレア樹脂が特に好ましい。
【0132】例えば、ポリウレタン・ポリウレア樹脂を
カプセル壁材として用いる場合には、多価イソシアネー
ト等のマイクロカプセル壁前駆体をカプセル化し芯物質
とすべき油性媒体(油相)中に混合し、更にマイクロカ
プセル壁前駆体と反応してカプセル壁を形成する第2物
質(例えば、ポリオール、ポリアミン)を水溶性高分子
水溶液(水相)中に混合し、前記油相を水相に乳化分散
した後、加温することにより油滴界面で高分子形成反応
が生じ、マイクロカプセル壁を形成することができる。
【0133】以下に、前記多価イソシアネート化合物の
具体例を示す。但し、これらに限定されるものではな
い。例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フ
ェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシ
アネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタ
レン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−
4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジフェニルメ
タン−4,4’−ジイソシアネート、キシレン−1,4
−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジ
イソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジ
イソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネー
ト、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シ
クロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソ
シアネート類、4,4’,4’’−トリフェニルメタン
トリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソ
シアネート等のトリイソシアネート類、4,4’−ジメ
チルフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソ
シアネート等のテトライソシアネート類、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加
物、2,4−トリレンジイソシアネートとトリメチロー
ルプロパンとの付加物、キシリレンジイソシアネートと
トリメチロールプロパンとの付加物、トリレンジイソシ
アネートとヘキサントリオールとの付加物等のイソシア
ネートプレポリマー等である。
【0134】また、必要に応じて、二種類以上を併用し
てもよい。中でも特に好ましいものは、分子内にイソシ
アネート基を三個以上有するものである。
【0135】マイクロカプセル化の方法において、カプ
ラー(及び電子受容性化合物)、有機塩基、増感剤等の
他の成分、及びマイクロカプセル壁前駆体やこれと反応
する第2物質を溶解させる有機溶剤としては、既述の有
機溶剤と同様である。
【0136】マイクロカプセルの粒径としては、0.1
〜1.0μmが好ましく、0.2〜0.7μmがより好
ましい。
【0137】以下に、多色の記録材料の具体的な構成態
様について説明する。本発明の感熱記録材料は、支持体
上に感熱記録層を1層有する単色の感熱記録材料、及び
単色の記録層を複数積層した積層構造の感熱記録層を有
する多色の感熱記録材料のいずれであってもよい。多色
の感熱記録材料としては、感熱記録層を構成する少なく
とも一層が、ジアゾニウム塩化合物と、該ジアゾニウム
塩化合物と反応して呈色するカプラーとを含む光定着型
記録層である態様が好ましい。
【0138】特に、シアン、イエロー、マゼンタを含む
フルカラーの感熱記録層の場合には、支持体上の3層が
全てジアゾ系発色剤で構成された形態、あるいは支持体
に近い第一層目の感熱記録層が電子供与性染料及び電子
受容性化合物を含有するロイコ系発色剤で構成され、第
二及び第三層目の感熱記録層がジアゾ系発色剤で構成さ
れた形態よりなる感熱記録材料が好ましい。
【0139】例えば、下記(a)〜(c)に示す態様で
構成されたものであってもよい。
【0140】即ち、(a)支持体上に、最大吸収波長3
60±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾ
ニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する
光定着型記録層(第一の記録層(A層))と、最大吸収
波長400±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該
ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含
有する光定着型記録層(第二の記録層(B層))と、を
積層してなる記録層を有し、該層上に必要に応じて光透
過率調整層を設け、その上に保護層を設けた記録材料、
(b)支持体上に、電子供与性染料と電子受容性化合物
を含有する記録層(第一の記録層(A層))と、最大吸
収波長360±20nmであるジアゾニウム塩化合物と
該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを
含有する光定着型記録層(第二の記録層(B層))と、
最大吸収波長400±20nmであるジアゾニウム塩化
合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラ
ーとを含有する光定着型記録層(第三の記録層(C
層))と、をこの順に積層してなる記録層を有し、該層
上に必要に応じて光透過率調整層を設け、その上に保護
層を設けた記録材料、(c)支持体上に、最大吸収波長
340±20nm以下のジアゾニウム塩化合物と、該ジ
アゾニウム塩化合物と呈色反応をするカプラーとを含有
する光定着型記録層(第一の記録層(A層))と、最大
吸収波長360±20nmであるジアゾニウム塩化合物
と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーと
を含有する光定着型記録層(第二の記録層(B層))
と、最大吸収波長400±20nmであるジアゾニウム
塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカ
プラーとを含有する光定着型記録層(第三の記録層(C
層))と、をこの順に積層してなる記録層を有し、該層
上に必要に応じて光透過率調整層を設け、その上に保護
層を設けた記録材料、などである。
【0141】多色記録の方法について、前記(b)又は
(c)により以下に説明する。
【0142】まず、第3の記録層(C層)を加熱し、該
層に含まれるジアゾニウム塩とカプラーとを発色させ
る。次に、波長400±20nmの光を照射して、C層
中に含まれる未反応のジアゾニウム塩化合物を分解し光
定着した後、第2の記録層(B層)が発色するに十分な
熱を与え、該層に含まれるジアゾニウム塩化合物とカプ
ラーとを発色させる。このとき、C層も同時に強く加熱
されるが、既にジアゾニウム塩化合物は分解されており
(光定着されている)、発色能力が失われているため発
色しない。さらに、波長360±20nmの光を照射
し、B層に含まれるジアゾニウム塩化合物を分解し光定
着した後、最後に、第1の記録層(A層)が発色しうる
十分な熱を加えて発色させる。このとき、C層、B層の
記録層も同時に強く加熱されるが、既にジアゾニウム塩
化合物は分解されており、発色能力が失われているため
発色しない。
【0143】各層の積層順としては、視感度の低いイエ
ロー層を最下層にすることが、支持体面上の粗さに起因
する画質への影響を減らすことができ、特に画質向上を
図る場合に有用である。また、全ての記録層(A層、B
層、及びC層)をジアゾ系の記録層とした場合、A層及
びB層は、発色させた後に光定着を行うことが必要であ
るが、最後に画像記録を行うC層に関しては、必ずしも
光定着を行う必要はない。しかし、形成画像の保存安定
性を向上する観点からは、光定着することが好ましい。
光定着に用いる定着用光源としては、公知の光源の中か
ら適宜選択でき、例えば、種々の蛍光灯、キセノンラン
プ、水銀灯等が挙げられ、中でも、高効率に光定着する
点で、光源の発光スペクトルが、記録材料に用いたジア
ゾニウム塩化物の吸収スペクトルとほぼ一致する光源を
用いることが好ましい。
【0144】(他の層)本発明の感熱記録材料において
は、支持体上に単数若しくは複数の感熱記録層を有する
ほか、光透過率調整層を有してなる態様が好ましい。さ
らに、必要に応じて中間層を設けたり、支持体の感熱記
録層が設けられた側とは反対側にバック層を設けてもよ
い。
【0145】−光透過率調整層− 前記光透過率調整層は、紫外線吸収剤前駆体を含有して
おり、定着に必要な領域の波長の光照射前は紫外線吸収
剤として機能しないので光透過率が高く、光定着型感熱
記録層を定着する際、定着に必要な領域の波長を十分に
透過させ、しかも可視光線の透過率も高いので、感熱記
録層の定着に支障を来すこともない。この紫外線吸収剤
前駆体は、マイクロカプセル中に含ませることが好まし
い。
【0146】また、光透過率調整層に含有する化合物と
しては、特開平9−1928号公報に記載の化合物が挙
げられる。
【0147】前記紫外線吸収剤前駆体は、感熱記録層の
光照射による定着に必要な領域の波長の光照射が終了し
た後、光または熱などで反応することにより紫外線吸収
剤として機能するようになり、紫外線領域の定着に必要
な領域の波長の光は紫外線吸収剤によりその大部分が吸
収され、透過率が低くなり、感熱記録材料の耐光性が向
上するが、可視光線の吸収効果がないから、可視光線の
透過率は実質的に変わらない。
【0148】光透過率調整層は感熱記録材料中に少なく
とも1層設けることができ、最も望ましくは感熱記録層
と最外保護層との間に形成するのがよいが、光透過率調
整層を保護層と兼用するようにしてもよい。光透過率調
整層の特性は、感熱記録層の特性に応じて任意に選定す
ることができる。光透過率調整層形成用の塗布液(光透
過率調整層用塗布液)は、前記各成分を混合して得られ
る。該光透過率調整層塗布液を、例えばバーコーター、
エアナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコー
ター等の公知の塗布方法により塗布して形成することが
できる。光透過率調整層は、感熱記録層等と同時塗布し
てもよく、例えば感熱記録層形成用の塗布液を塗布し一
旦感熱記録層を乾燥させた後、該層上に塗布形成しても
よい。
【0149】−中間層− 感熱記録層を複数積層する場合、各感熱記録層間には中
間層を設けることが好ましい。該中間層には、前記保護
層と同様、各種バインダーに更に顔料、滑剤、界面活性
剤、分散剤、蛍光増白剤、金属石鹸、紫外線吸収剤等を
含ませることができる。前記バインダーとしては、保護
層と同様のバインダーが使用できる。
【0150】(支持体)前記支持体としては、例えば、
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレ
ート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィ
ルム等のセルロース誘導体フィルム、ポリスチレンフィ
ルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム
等のポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポ
リ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、
ポリアクリル酸共重合体フィルム、ポリカーボネートフ
ィルム等の合成高分子フィルム、及び紙、合成紙、プラ
スチック樹脂層を有する紙、等が挙げられる。前記支持
体は、単独であるいは貼り合わせて使用することができ
る。
【0151】前記プラスチック樹脂層を有する紙として
は、原紙の両面又は少なくとも感熱記録層が形成される
側の表面に熱可塑性樹脂を含む層が形成されたものが望
ましい。このような支持体としては、例えば、原紙に
熱可塑性樹脂が溶融押し出し塗工されたもの、原紙上
に溶融押し出し塗工された熱可塑性樹脂の上にガスバリ
アー層を塗布したもの、原紙の酸素透過性の低いプラ
スチックフィルムを接着させたもの、原紙にプラスチ
ックフイルムを接着させた面上に溶融押し出しにより熱
可塑性樹脂を設けたもの、原紙に熱可塑性樹脂を溶融
押し出し塗工された後、プラスチックフイルムを接着さ
せたもの、等が挙げられる。
【0152】原紙に溶融押し出し塗工される前記熱可塑
性樹脂としては、オレフィン樹脂、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のα−オレフィンの単独重合体及
びこれらの各種重合体の混合物、あるいはエチレンとビ
ニルアルコールとのランダム共重合体が好ましい。前記
ポリエチレンとしては、例えば、LPDE(低密度ポリ
エチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、L−L
PDE(直鎖状低密度ポリエチレン)等が挙げられる。
【0153】原紙にプラスチックフィルムを貼り合わせ
る方法としては、「新ラミネート加工便覧」(加工技術
研究会編)等に記載の公知のラミネーション法から適宜
選択できるが、いわゆるドライラミネーション、無溶媒
型ドライラミネーション、電子線若しくは紫外線硬化型
樹脂を用いたドライラミネーション、ホットドライラミ
ネーションが好ましい。
【0154】上述した各種支持体の中でも、原紙の少な
くとも一方の表面がポリエチレンでラミネートされてな
る紙支持体が好ましく、一般には感熱記録層が形成され
る側の表面にラミネートされる。更には、原紙の両方の
表面がポリエチレンでラミネートされてなる紙支持体が
より好ましく、感熱記録層が形成される側の表面には平
面性を上げる目的でラミネートがされ、該表面と逆側の
表面にはカールバランスを調整する目的でラミネートが
なされる。
【0155】前記合成高分子フィルムは任意の色相に着
色されていてもよく、高分子フィルムを着色する方法と
しては、フィルム成形前に予め樹脂に染料を混練しフ
ィルム状に成形する方法、染料を適当な溶剤に溶かし
た塗布液を調製しこれを透明無色な樹脂フィルム上に公
知の塗布方法、例えばグラビアコート法、ローラーコー
ト法、ワイヤーコート法等により塗布、乾燥する方法等
が挙げられる。中でも、青色染料を混練したポリエチレ
ンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリ
エステル樹脂をフィルム状に成形し、これに耐熱処理、
延伸処理、帯電防止処理を施したものが好ましい。
【0156】前記支持体の厚さとしては、25〜300
μmが好ましく、50〜250μmがより好ましい。
【0157】前記感熱記録層、保護層、光透過率調整
層、中間層等は、支持体上に、ブレード塗布法、エアナ
イフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布
法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法等の
公知の塗布方法により塗布し、乾燥して形成することが
できる。
【0158】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。な
お、以下において、「部」及び「%」は、それぞれ「質
量部」及び「質量%」を表す。
【0159】(実施例1) <フタル化ゼラチン溶液の調製>フタル化ゼラチン(商
品名;MGPゼラチン,ニッピコラーゲン(株)製)3
2部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%
メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)0.914
3部、イオン交換水367.1部を混合し、40℃にて
溶解し、フタル化ゼラチン水溶液を得た。
【0160】<アルカリ処理ゼラチン溶液の調製>アル
カリ処理低イオンゼラチン(商品名;#750ゼラチ
ン,新田ゼラチン(株)製)25.5部、1,2−ベン
ゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大
東化学工業所(株)製)0.7286部、水酸化カルシ
ウム0.153部、イオン交換水143.6部を混合
し、50℃にて溶解し、乳化物作成用ゼラチン水溶液を
得た。
【0161】(1)イエロー感熱記録層液の調整 <ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)
の調製>酢酸エチル20.0部に、下記ジアゾニウム化
合物(A)(最大吸収波長420nm)2.2部、下記
ジアゾニウム化合物(B)(最大吸収波長420nm)
2.2部、モノイソプロピルビフェニルを4部、フタル
酸ジフェニルを6部及びジフェニル−(2,4,6−ト
リメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド(商品
名:ルシリンTPO,BASFジャパン(株)製)0.
4部を添加し40℃に加熱して均一に溶解した。上記混
合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート
/トリメチロールプロパン付加物とキシリレンジイソシ
アネート/ビスフェノールA付加物の混合物(商品名;
タケネートD119N(50質量%酢酸エチル溶液),
武田薬品工業(株)製)8.6部を添加し、均一に攪拌
し混合液(I)を得た。別途、前記フタル化ゼラチン水
溶液58.6部にイオン交換水16.3部、Scrap
h AG−8(50質量%)日本精化(株)製)0.
34部添加し、混合液〔II〕を得た。混合液(II)に混
合液(I)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所
(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られ
た乳化液に水20部を加え均一化した後、40℃下で攪
拌し酢酸エチルを除去しながら3時間カプセル化反応を
行った。この後、イオン交換樹脂アンバーライトIRA
68(オルガノ(株)製)4.1部、アンバーライトI
RC50(オルガノ(株)製)8.2部を加え、更に1
時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過して取り
除き、カプセル液の固形分濃度が20.0%になるよう
に濃度調節しジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセ
ル液(a)を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は
粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)
の結果、メジアン径で0.45μmであった。
【0162】
【化35】
【0163】<カプラー化合物乳化液(a)の調製>酢
酸エチル33.0部に下記カプラー化合物(C)11部
とトリフェニルグアニジン(保土ヶ谷化学(株)製)
11部、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデ
ン)ジフェノール〔商品名;ビスフェノールM(三井石
油化学(株)製)〕20.8部、3,3,3’,3’−
テトラメチル−5,5’、6,6’−テトラ(1−プロ
ピロキシ)−1,1’−スピロビスインダン3.3部、
4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゼンスルホン酸
アミド(マナック(株)製)13.6部、4−n−ペン
チルオキシベンゼンスルホン酸アミド(マナック(株)
製)6.8部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム
(商品名パイオニンA−41−C 70%メタノール溶
液,竹本油脂(株)製) 4.2部を溶解し、混合液
(III)を得た。別途前記アルカリ処理ゼラチン水溶液
206.3部にイオン交換水107.3部を混合し、混
合液(IV)を得た。混合液(IV)に混合液(III)を添
加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用
いて40℃の下で乳化分散した。得られたカプラー化合
物乳化物を減圧、加熱し、酢酸エチルを除去した後、固
形分濃度が26.5質量%になるように濃度調節を行っ
た。得られたカプラー化合物乳化物の粒径は、粒径測定
(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、
メジアン径で0.2μmであった。更に上記カプラー化
合物乳化物100部に対して、SBRラテックス(商品
名SN−307,48%液、住化エイビーエスラテック
ス(株)製)を26.5%に濃度調整したものを9部添
加して均一に撹拌してカプラー化合物乳化液(a)を得
た。
【0164】
【化36】
【0165】<塗布液(a)の調製>前記ジアゾニウム
塩化合物内包マイクロカプセル液(a)及び前記カプラ
ー化合物分乳化液(a)を、内包しているカプラー化合
物/ジアゾ化合物の質量比が2.1/1になるように混
合し、感熱記録層用塗布液(a)を得た。
【0166】(2)マゼンタ感熱記録層液の調整 <ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(b)
の調製>酢酸エチル15.1部に、下記ジアゾニウム化
合物(D)(最大吸収波長365nm)3.5部、フタ
ル酸ジフェニル3.5部、フェニル2−ベンゾイロキシ
安息香酸エステル3.5部及び下記化合物(E)〔商品
名;ライトエステルTMP,共栄油脂化学(株)製〕4.
2部及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品
名パイオニンA−41−C 70%メタノール溶液,竹
本油脂(株)製)0.1部を添加し加熱して均一に溶解
した。上記混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイ
ソシアネート/トリメチロールプロパン付加物とキシリ
レンジイソシアネート/ビスフェノールA付加物の混合
物〔商品名;タケネートD119N(50質量%酢酸エ
チル溶液),武田薬品工業(株)製〕2.5部とキシリ
レンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物
〔商品名;タケネートD110N(75質量%酢酸エチ
ル溶液),武田薬品工業(株)製〕6.8部を添加し、
均一に攪拌し混合液(V)を得た。別途、前記フタル化
ゼラチン水溶液55.3部にイオン交換水21.0部添
加、混合し、混合液(VI)を得た。混合液(VI)に混合
液(V)を添加し、ホモジナイザー〔日本精機製作所
(株)製〕を用いて40℃の下で乳化分散した。得られ
た乳化液に水24部を加え均一化した後、40℃下で攪
拌し酢酸エチルを除去しながら3時間カプセル化反応を
行った。この後、イオン交換樹脂アンバーライトIRA
68〔オルガノ(株)製〕4.1部、アンバーライトI
RC50〔オルガノ(株)製〕8.2部を加え、更に1
時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過して取り
除き、カプセル液の固形分濃度が20.0%になるよう
に濃度調節しジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセ
ル液(a)を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は
粒径測定〔LA−700,堀場製作所(株)製で実施〕
の結果、メジアン径で0.45μmであった。
【0167】
【化37】
【0168】<カプラー化合物乳化液(b)の調製>酢
酸エチル36.9部に下記カプラー化合物(E)13部
とトリフェニルグアニジン〔保土ヶ谷化学(株)製〕1
3部、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデ
ン)ジフェノール〔商品名;ビスフェノールM、三井石
油化学(株)製〕13部、1,1−(p−ヒドロキシフ
ェニル)−2−エチルヘキサン 13部、3,3,
3’,3’−テトラメチル−5,5’、6,’−テトラ
(1−プロピロキシ)−1,1’−スピロビスインダン
7部、下記化合物(G) 3.5部、リン酸トリクレジ
ル 1.7部、マレイン酸ジエチル0.8部、ドデシル
ベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名パイオニンA−
41−C 70%メタノール溶液,竹本油脂(株)製)
4.5部を溶解し、混合液(VII)を得た。別途アル
カリ処理ゼラチン水溶液206.3部にイオン交換水1
07.3部を混合し、混合液(VIII)を得た。混合液
(VIII)に混合液(VII)を添加し、ホモジナイザー
〔日本精機製作所(株)製〕を用いて40℃の下で乳化
分散した。得られたカプラー化合物乳化物を減圧、加熱
し、酢酸エチルを除去した後、固形分濃度が24.5質
量%になるように濃度調節を行い、カプラー化合物乳化
液(b)を得た。得られたカプラー化合物乳化液の粒径
は粒径測定〔LA−700,堀場製作所(株)製で実
施〕の結果、メジアン径で0.28μmであった。
【0169】
【化38】
【0170】<塗布液(b)の調製>前記ジアゾニウム
塩化合物内包マイクロカプセル液(a)及び前記カプラ
ー化合物分乳化液(b)を、内包しているカプラー化合
物/ジアゾ化合物の質量比が3.2/1になるように混
合した。さらに、ポリスチレンスルホン酸(一部水酸化
カリウム中和型)水溶液(5質量%)をカプセル液量1
0部に対し、0.2部になるように混合し、感熱記録層
用塗布液(b)を得た。
【0171】(3)シアン感熱記録層液の調整 <電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液(c)
の調製>酢酸エチル18.1部に、下記電子供与性染料
(H)8部、1−メチルプロピルフェニル−フェニルメ
タン及び1−(1−メチルプロプルフェニル)−2−フ
ェニルエタンの混合物(商品名;ハイゾールSAS−3
10,日本石油(株)製)8部、下記化合物(I)(商
品名;Irgaperm2140 チバガイギー(株)の
商品名)8部を添加し加熱して均一に溶解した。上記混
合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート
/トリメチロールプロパン付加物 〔商品名;タケネー
トD110N(75質量%酢酸エチル溶液),武田薬品
工業(株)製〕7.2部とポリメチレンポリフェニルポ
リイソシアネート〔商品名;ミリオネートMR−20
0,日本ポリウレタン工業(株)製〕5.3部を添加
し、均一に攪拌し混合液(IX)を得た。別途、前記フ
タル化ゼラチン水溶液28.8部にイオン交換水9.5
部、Scraph AG−8〔50質量%、日本精化
(株)製〕0.17部及びドデシルベンゼンスルフォン
酸ナトリウム(10%水溶液)4.3部を添加混合し、
混合液(X)を得た。混合液(X)に混合液(IX)を
添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を
用いて40℃の下で乳化分散した。得られた乳化液に水
50部、テトラエチレンペンタミン0.12部を加え均
一化し、65℃下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら3
時間カプセル化反応を行ないカプセル液の固形分濃度が
33%になるように濃度調節しマイクロカプセル液を得
た。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA
−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジア
ン径で1.1μmであった。更に上記マイクロカプセル
液100部に対して、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナ
トリウム25%水溶液〔商品名;ネオペレックスF−2
5、花王(株)製〕3.7部と4,4’−ビストリアジ
ニルアミノスチルベン−2,2’−ジスルフォン誘導体
〔商品名;Kaycall BXNL、日本曹達(株)
製〕1.0部を添加して均一に撹拌してマイクロカプセ
ル分散液(c)を得た。
【0172】
【化39】
【0173】<電子受容性化合物分散液(c)の調製>
前記フタル化ゼラチン水溶液11.3質量部にイオン交
換水30.1質量部、4,4’−(p−フェニレンジイ
ソプロピリデン)ジフェノール(商品名;ビスフェノー
ルP、三井石油化学(株)製) 15質量部、2質量%
−2−エチルヘキシルコハク酸ナトリウム水溶液3.8
質量部を加えて、ボールミルにて一晩分散した後、分散
液を得た。この分散液の、固形分濃度は26.6質量%
であった。上記分散液100質量部に、前記アルカリ処
理ゼラチン水溶液48質量部加えて、30分攪拌した
後、分散液の固形分濃度が23.5%となるようにイオ
ン交換水を加えて電子受容性化合物分散液(c)を得
た。
【0174】<塗布液(c)の調製>前記電子供与性染
料前駆体内包マイクロカプセル液(c)及び前記電子受
容性化合物分散液(c)を、電子受容性化合物/電子供
与性染料前駆体の質量比が9/1になるように混合し、
塗布液(c)を得た。
【0175】(4)中間層用塗布液の調製アルカリ処理
低イオンゼラチン〔商品名;#750ゼラチン,新田ゼ
ラチン(株)製〕100.0部、1,2−ベンゾチアゾ
リン−3−オン〕3.5%メタノール溶液,大東化学工
業所(株)製〕2.857部、水酸化カルシウム0.5
部、イオン交換水521.643部を混合し、50℃に
て溶解し、中間層作成用ゼラチン水溶液を得た。前記中
間層作成用ゼラチン水溶液10.0部、(4−ノニルフ
ェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリ
ウム 〔三協化学(株)製、2.0%水溶液〕0.05
部、硼酸(4.0%水溶液)2.3部、ポリスチレンス
ルホン酸(一部水酸化カリウム中和型)水溶液(5%)
0.19部、下記化合物(J)(和光純薬(株)製)の
4%水溶液3.42部、下記化合物(J’)(和光純薬
(株)製)の4%水溶液1.13部、イオン交換水0.
67部を混合し、中間層用塗布液とした。
【0176】
【化40】
【0177】(5)光透過率調整層用塗布液の調製 (v−1)紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液の調
製 酢酸エチル71部に紫外線吸収剤前駆体として[2−ア
リル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−
4−t−オクチルフェニル]ベンゼンスルホナート 1
4部、2,2’−t−オクチルハイドロキノン 6部、
燐酸トリクレジル1.9部、α−メチルスチレンダイマ
ー(商品名:MSD−100,三井化学(株)製)5.
7部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名
パイオニンA−41−C 〔70%メタノール溶液,竹
本油脂(株)製〕 0.45部を溶解し均一に溶解し
た。上記混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソ
シアネート/トリメチロールプロパン付加物〔商品名;
タケネートD110N(75質量%酢酸エチル溶液,武
田薬品工業(株)製〕54.7部を添加し、均一に攪拌
し紫外線吸収剤前駆体混合液(VII)を得た。別途、イ
タコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−3
18,クラレ(株)製)52部に30質量%燐酸水溶液
8.9部、イオン交換水532.6部を混合し、紫外線
吸収剤前駆体マイクロカプセル液用PVA水溶液を作成
した。前記紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液用P
VA水溶液516.06部に前記紫外線吸収剤前駆体混
合液(VII)を添加し、ホモジナイザー〔日本精機製作
所(株)製〕を用いて20℃の下で乳化分散した。得ら
れた乳化液にイオン交換水254.1部を加え均一化し
た後、40℃下で攪拌しながら3時間カプセル化反応を
行った。この後、イオン交換樹脂アンバーライトMB−
3 (オルガノ(株)製)94.3部を加え、更に1時
間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過して取り除
きカプセル液の固形分濃度が13.5%になるように濃
度調節した。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測
定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結
果、メジアン径で0.23±0.05μmであった。こ
のカプセル液859.1部にカルボキシ変性スチレンブ
タジエンラテックス(商品名:SN−307,(48%
水溶液),住友ノーガタック(株)製)2.416部、
イオン交換水39.5部を混合し、紫外線吸収剤前駆体
マイクロカプセル液を得た。 (v−2) 光透過率調整層用塗布液の調製 前記紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液1000
部、4%水酸化ナトリウム水溶液7.75部、(4−ノ
ニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸
ナトリウム (三協化学(株)製 2.0質量%水溶
液)73.39部を混合し、光透過率調整層用塗布液を
得た。
【0178】(6)保護層用塗布液の調製 (vi−1)保護層用ポリビニルアルコール溶液の調製 ビニルアルコール−アルキルビニルエーテル共重合物
(商品名:EP−130,電気化学工業(株)製)16
0部、アルキルスルホン酸ナトリウムとポリオキシエチ
レンアルキルエーテル燐酸エステルの混合液(商品名:
ネオスコアCM−57,(54質量%水溶液),東邦化
学工業(株)製)8.74部、イオン交換水3832部
を混合し、90℃のもとで1時間溶解し均一な保護層用
ポリビニルアルコール溶液を得た。 (vi−2)保護層用顔料分散液の調製 硫酸バリウム(商品名:BF−21F,硫酸バリウム含
有量93%以上,堺化学工業(株)製)8部に陰イオン
性特殊ポリカルボン酸型高分子活性剤(商品名:ポイズ
532A(40質量%水溶液),花王(株)製)0.2
部、イオン交換水11.8部を混合し、ダイノミルにて
分散して保護層用顔料分散液を作成した。この分散液は
粒径測定(LA−910,堀場製作所(株)製で実施)
の結果、メジアン径で0.15μm以下であった。上記
硫酸バリウム分散液45.6部に対し、コロイダルシリ
カ(商品名:スノーテックスO(20質量%水分散
液)、日産化学(株)製)8.1部を添加して目的の分
散物を得た。 (vi−3)保護層用マット剤分散液の調製 小麦澱粉(商品名:小麦澱粉S,新進食料工業(株)
製)220部に1,2ベンズイソチアゾリン3オンの水
分散物(商品名:PROXEL B.D,I.C.I
(株)製)3.81部、イオン交換水1976.19部
を混合し、均一に分散し、保護層用マット剤分散液を得
た。 (vi−4)保護層用塗布ブレンド液の調製 前記保護層用ポリビニルアルコール溶液1000部に、
アセチレングリコール系界面活性剤(商品名:ダイノー
ル604 5%メタノール溶液,エアープロダクツジャ
パン(株))40部、シリコーン系界面活性剤(商品
名:SYLGARD309 5%メタノール溶液、東レ
・ダウコーニング(株))40部、(4−ノニルフェノ
キシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム
(三協化学(株)製 2.0%水溶液)50部、前記保
護層用顔料分散液49.87部、前記保護層用マット剤
分散液16.65部、ステアリン酸亜鉛分散液(商品
名:ハイミクロンL111,20.5%水溶液,中京油
脂(株)製)48.7部を均一に混合し保護層用塗布ブ
レンド液を得た。
【0179】(7) 下塗り層つき支持体の作製 <下塗り層液の調製>酵素分解ゼラチン(平均分子量:
10000、PAGI法粘度:15mP、PAGI法ゼ
リー強度:20g)40部をイオン交換水60部に加え
て40℃で攪拌溶解して下塗り層用ゼラチン水溶液を調
製した。別途水膨潤性の合成雲母(アスペクト比:10
00、商品名:ソマシフME100,コープケミカル社
製)8部と水92部とを混合した後、ビスコミルで湿式
分散し、平均粒径が2.0μmの雲母分散液を得た。こ
の雲母分散液に雲母濃度が5質量%となるように水を加
え、均一に混合し、所望の雲母分散液を調製した。40
℃の40質量%の前記ゼラチン水溶液100部に、水1
20部及びメタノール556部を加え、十分攪拌混合し
た後、5%前記雲母分散液208部を加えて、十分攪拌
混合し、1.66%ポリエチレンオキサイド系界面活性
剤9.8部を加えた。そして液温を35℃から40℃に
保ち、エポキシ化合物のゼラチン硬膜剤7.3部を加え
て下塗り層用塗布液(5.7質量%)を調製し、下塗り
用塗布液を得た。
【0180】<下塗り層つき支持体の作製>LBPS
50部LBPK 50部からなる木材パルプをデイスク
リファイナーによりカナデイアンフリーネス300cc
まで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニ
オンポリアクリルアミド1.0部、硫酸アルミニウム
1.0部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン
0.1部、カチオンポリアクリルアミド0.5部をいず
れもパルプに対する絶乾質量比で添加し長網抄紙機によ
り坪量114g/m2の原紙を抄造しキャレンダー処理
によって厚み100μmに調整した。次に原紙の両面に
コロナ放電処理を行った後、溶融押し出し機を用いてポ
リエチレンを樹脂厚36μmとなるようにコーテイング
しマット面からなる樹脂層を形成した(この面をウラ面
と呼ぶ)。次に上記樹脂層を形成した面とは反対側に溶
融押し出し機を用いてアナターゼ型二酸化チタンを10
質量%及び微量の群青を含有したポリエチレンを樹脂厚
50μmとなるようにコーテイングし光沢面からなる樹
脂層を形成した(この面をオモテ面と呼ぶ)。ウラ面の
ポリエチレン樹脂被覆面にコロナ放電処理した後、帯電
防止剤として酸化アルミニウム(商品名;アルミナゾル
100、日産化学工業(株)製)/二酸化珪素(商品
名;スノーテックスO、日産化学工業(株)製)=1/
2(質量比)を水に分散させて乾燥後の質量で0.2g
/m2塗布した。次にオモテ面のポリエチレン樹脂被覆
面にコロナ放電処理した後、上記下塗り液を雲母の塗布
量が0.28g/m2となるように塗布し、下塗り層つ
き支持体を得た。
【0181】(8)感熱記録材料の作製 <各感熱記録層用塗布液の塗布>前記下塗り層つき支持
体の上に、下から、前記感熱記録層用塗布液(c)、前
記中間層用塗布液、前記感熱記録層用塗布液(b)、前
記中間層用塗布液、前記感熱記録層用塗布液(a)、前
記光透過率調整層用塗布液、前記保護層用塗布液の順に
7層同時に連続塗布し、30℃湿度30%、及び40℃
湿度30%の条件でそれぞれ乾燥して多色感熱記録材料
を得た。この際前記感熱記録層用塗布液(a)の塗布量
は液中に含まれるジアゾ化合物(A)の塗布量が固形分
塗布量で0.08g/m2となるように、同様に前記感
熱記録層用塗布液(b)の塗布量は液中に含まれるジア
ゾ化合物(D)の塗布量が固形分塗布量で0.21g/
2となるように、同様に前記感熱記録層用塗布液
(c)の塗布量は液中に含まれる電子供与性染料(H)
の塗布量が固形分塗布量で0.4g/m2となるように
塗布を行った。また、前記中間層用塗布液は(a)と
(b)の間は固形分塗布量が2.5g/m2、(b)と
(c)の間は固形分塗布量が3.5g/m2、前記光透
過率調整層用塗布液は固形分塗布量が2.0g/m2
保護層は固形分塗布量が1.5g/m2となるように塗
布を行った。
【0182】(実施例2)実施例1の保護層用塗布ブレ
ンド液の調製において用いたシリコーン系界面活性剤
(商品名:SYLGARD309 5%メタノール溶
液、東レ・ダウコーニング(株))40部を、シリコーン
系界面活性剤(商品名:KF−618 5%メタノール
溶液、信越シリコーン(株))40部に変更した以外は、
実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0183】(実施例3)実施例1の保護層用ポリビニ
ルアルコール溶液の調製を、以下の如く変更した。ビニ
ルアルコール−アルキルビニルエーテル共重合物(商品
名:EP−130,電気化学工業(株)製)160部、
アルキルスルホン酸ナトリウムとポリオキシエチレンア
ルキルエーテル燐酸エステルの混合液(商品名:ネオス
コアCM−57、(54%水溶液)、東邦化学工業
(株)製)8.74部、アセチレングリコール系界面活
性剤(商品名:ダイノール604、エアープロダクツジ
ャパン(株))8部、シリコーン系界面活性剤(商品
名:SYLGARD309、東レ・ダウコーニング
(株))8部、イオン交換水3832部を混合し、90℃
のもとで1時間溶解し均一な保護層用ポリビニルアルコ
ール溶液を得た。さらに、保護層用塗布ブレンド液の調
製においては、アセチレングリコール系界面活性剤及び
シリコーン系界面活性剤を用いなかった。上記以外は、
実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0184】(比較例1)実施例1の保護層用塗布ブレ
ンド液の調製において用いたアセチレングリコール系界
面活性剤及びシリコーン系界面活性剤を、フッ素系界面
活性剤(商品名:メガファックF−120,5%水溶
液、大日本インキ化学工業(株))40部に変更した以
外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0185】(比較例2)実施例1の保護層用塗布ブレ
ンド液の調製において用いたアセチレングリコール系界
面活性剤及びシリコーン系界面活性剤を、アセチレング
リコール系界面活性剤(商品名:ダイノール604、5
%メタノール溶液、エアープロダクツジャパン(株))
40部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記
録材料を作製した。
【0186】(比較例3)実施例1の保護層用塗布ブレ
ンド液の調製において用いたアセチレングリコール系界
面活性剤及びシリコーン系界面活性剤を、アセチレング
リコール系界面活性剤(商品名:ダイノール604 5
%メタノール溶液,エアープロダクツジャパン(株))
80部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記
録材料を作製した。
【0187】(比較例4)比較例1において、シリコー
ンエマルション(商品名:BT22−840、東レダウ
コーニング(株)製)5部を添加した以外は、比較例1と
同様にして感熱記録材料を作製した。
【0188】<評価>各実施例及び比較例の感熱記録材
料に対し、「面状故障数」及び「印画トルク(動摩擦係
数)」についての評価を行なった。
【0189】−面状故障数− 面状故障数(塗布ムラ)は、グレー濃度:O.D.=
1.0で発色させた感熱記録材料(A4サイズ×5枚)
を、目視で観察したときの故障数で評価した。評価基準
は以下の通りである。 ○:20個以下 ×:21個以上
【0190】−印画トルク(動摩擦係数)− 印画トルク(動摩擦係数)は、A5サイズの感熱記録材
料にサーマルヘッドで、20mJ/mm2のエネルギー
を与えた時の動摩擦係数により評価した。なお、印画ト
ルク(動摩擦係数)の測定の詳細は以下の通りである。
プラテン径φ20、硬さ60°、押圧7kg/Head
の治具プリンタ(GX−3、(株)マチレス製)に、A
5用サーマルヘッド(型式KTJ−122−13SAN
24−FFA、京セラ(株)製)を取付けて、ライン周
速7.49ms、電力0.12W、搬送速度11.3m
m/sの条件で印画を行なった。その際、サンプルとす
る感熱記録材料と、プラテンロールとの間に生ずるトル
クを測定し、その測定値を動摩擦係数に換算して印画ト
ルクを評価する指標とした。評価基準は以下の通りであ
る。 ○: 動摩擦係数が0.35以下 ×: 動摩擦係数が0.35より大きい
【0191】−総合評価− 「面状故障数」及び「印画トルク(動摩擦係数)」に基
づき総合評価をした。評価基準は以下の通りである。 ○: 「面状故障数」及び「印画トルク」の両方が○で
ある ×: 「面状故障数」及び「印画トルク」の両方又は一
方が×である
【0192】以上の結果を表4に示す。
【0193】
【表4】
【0194】表4から明らかなように、本発明の感熱記
録材料は、印画トルク(動摩擦係数)が低く、かつ、面
状故障が発生していないことがわかる。
【0195】
【発明の効果】本発明によれば、印画トルク(動摩擦係
数)の低減と、塗布ムラのない均一な面状と、を両立す
る感熱記録材料を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも、感熱記録層
    と、保護層と、を設けた感熱記録材料において、該保護
    層がシリコーン系界面活性剤を含むことを特徴とする感
    熱記録材料。
  2. 【請求項2】 前記保護層が、アセチレングリコール系
    界面活性剤をさらに含む請求項1に記載の感熱記録材
    料。
  3. 【請求項3】 前記アセチレングリコール系界面活性剤
    が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項2
    に記載の感熱記録材料。 【化1】 (式中、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜8の分岐、直
    鎖又は環状の無置換又は置換アルキル基、炭素数6〜1
    0の無置換又は置換アリール基を表し、R5〜R8は水素
    原子又はメチル基を表し、n及びmは各々独立に0〜5
    0の整数を表す。)
JP2001327888A 2001-10-25 2001-10-25 感熱記録材料 Pending JP2003127541A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001327888A JP2003127541A (ja) 2001-10-25 2001-10-25 感熱記録材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001327888A JP2003127541A (ja) 2001-10-25 2001-10-25 感熱記録材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003127541A true JP2003127541A (ja) 2003-05-08

Family

ID=19144044

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001327888A Pending JP2003127541A (ja) 2001-10-25 2001-10-25 感熱記録材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003127541A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4173651B2 (ja) 感熱記録材料およびマイクロカプセル含有液
US6767861B2 (en) Heat-sensitive recording material
US6723482B2 (en) Heat-sensitive recording material
JP2003127541A (ja) 感熱記録材料
JP3699386B2 (ja) 感熱記録材料
JP2003246146A (ja) ジアゾ記録材料
JP2003118240A (ja) 感熱記録材料
US20050260518A1 (en) Heat sensitive recording material and microcapsule
JP4132646B2 (ja) 感熱記録材料
JP2006001279A (ja) 感熱記録材料
JP2004130533A (ja) 感熱記録材料
US20050272604A1 (en) Heat-sensitive recording material
JP2004136491A (ja) 感熱記録材料
JP2003291531A (ja) エステル系化合物を含むジアゾ記録材料
JP2004017479A (ja) 感熱記録材料
JP2003154759A (ja) 感熱記録材料
JP2004154983A (ja) 感熱記録材料
JP2003145930A (ja) 感熱記録材料
JP2003246147A (ja) ジアゾ記録材料
JP2003011510A (ja) 感熱記録材料及びその製造方法
JP2002370460A (ja) 感熱記録材料
JP2003145938A (ja) 感熱記録材料
JP2003145948A (ja) マイクロカプセル含有液及びその製造方法、並びに感熱記録材料
JP2005329610A (ja) 感熱記録材料
JP2003127546A (ja) 感熱記録材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040303

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051004

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060214