JP2003127395A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッド

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JP2003127395A
JP2003127395A JP2001328255A JP2001328255A JP2003127395A JP 2003127395 A JP2003127395 A JP 2003127395A JP 2001328255 A JP2001328255 A JP 2001328255A JP 2001328255 A JP2001328255 A JP 2001328255A JP 2003127395 A JP2003127395 A JP 2003127395A
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JP
Japan
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ink
flow path
frame member
wall
partition
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JP2001328255A
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English (en)
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Takuya Gendoshi
拓哉 源通
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】カラー印刷にあたり、複数のヘッドを取り付け
る際のアライメント作業や、ヘッド間のインク吐出性能
の調整等を容易にし、かつ再現性良く高画質カラー印刷
を行うことが可能なインクジェット記録ヘッドを提供す
る。 【解決手段】絶縁基板4上に、貫通穴5A〜5Cを有す
る枠部材5を接合し、上記絶縁基板4とで形成される凹
部底面に、圧電セラミック製の複数の隔壁1を等間隔に
並設し、各隔壁1間をインクの流路2とするとともに、
各隔壁1の両端と上記枠部材5とで形成される空間をイ
ンク溜6A〜6C,7A〜7Cとし、上記各隔壁1の側
面には駆動用電極3を形成した流路部材10と、この流
路部材10上に接合したノズル板11とからなり、上記
枠部材5の貫通穴5A〜5Cを仕切る壁5aを熱伝導率
が20W/m・K以上の材料により形成するとともに、
壁5aの幅Wを0.05mm〜0.5mmとしてインク
ジェット記録ヘッド20を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、文字や画像の印刷
に用いるインクジェット記録装置に搭載されるインクジ
ェット記録ヘッドに関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、マルチメディアの浸透に伴い、イ
ンパクト方式の記録装置に代わって、インクジェット方
式や熱転写方式を利用したノンインパクト方式の記録装
置が開発され、その利用範囲が各種産業分野及び一般家
庭分野において広がりつつある。 【0003】かかるノンインパクト方式の記録装置のな
かでも、インクジェット方式を利用した記録装置は、多
階調化やカラー化が容易で、ランニングコストが低いこ
とから将来性が注目されている。 【0004】図4にインクジェット方式を利用した記録
装置に用いられるインクジェット記録ヘッドの一例を示
すように、このインクジェット記録ヘッド50(以下、
単にヘッド50という)は、流路部材40とノズル板4
1とから構成されており、流路部材40は、絶縁基板3
4上に、圧電セラミックスからなる複数の隔壁31を接
着にて並設するとともに、各隔壁31を包囲するように
枠体35を接着にて気密に接合してあり、各隔壁31間
をインクの流路32とするとともに、各隔壁31の両端
と枠体35とで形成される凹部をそれぞれインク溜3
6,37とし、一方のインク溜36の底面を成す絶縁基
板34にはインク供給穴38が穿孔され、他方のインク
溜37の底面を成す絶縁基板34にはインク回収穴39
が各々穿孔されており、各隔壁31の側面上半分にはそ
れぞれ駆動用電極33が形成されていた。 【0005】また、流路部材40の各隔壁31の頂面及
び枠体35の頂面には、各流路32及びインク溜36,
37を覆うように、ノズル板41が接合されており、ノ
ズル板41は、金属からなる蓋部42と樹脂からなるノ
ズル部44よりなり、蓋部42には各流路32と連通す
るインク案内孔43を備えるとともに、ノズル部44に
は各インク案内孔43と連通するインク吐出孔45が開
口されていた。なお、46は駆動用電極33の引出線で
あり、47は駆動用電極33のドライバーICである。 【0006】そして、このインクジェット記録ヘッド5
0よりインク滴を吐出するには、インクをインク供給穴
38よりインク溜36、流路32、及びインク溜37に
供給し、インク回収穴39より回収するようにした状態
で、隔壁31の両側面に備える駆動用電極33に通電し
て隔壁31を屈曲変位させ、流路32内のインクを加圧
することにより、インク吐出孔45よりインク滴を吐出
するようになっていた。 【0007】即ち、上記隔壁31の両側面に備える駆動
用電極33に電圧を印加すると、隔壁31を形成する圧
電セラミックスは剪断モード変形を起こすのに対し、隔
壁31は上下が拘束されていることから略「く」の字状
に屈曲変位するため、この隔壁31の屈曲変位によって
流路32内のインクを加圧し、インク吐出孔45よりイ
ンク滴として吐出するようになっていた(国際公開番号
WO 00/29217号公報参照)。 【0008】このインクジェット記録ヘッド50によれ
ば、流路32の両端側にインク溜36,37を設けるよ
うにしたことから、流路の両端が閉じられたものと比較
してインク滴の吐出間隔を短くすることができるととも
に、インク供給穴38からインクを供給し、インク回収
穴39よりインクを回収して流路32内にインクの流れ
を発生させるようにしたことから、流路32内に気泡や
インクの凝集物等が滞留することを防止することができ
るため、インク滴の吐出速度が低下したり、インク吐出
孔45の目詰まりを生じることがなく、さらには、流路
部材40を形成する基板34を絶縁材料により形成して
あることから、流路部材40の静電容量を小さくするこ
とができ、消費電力を抑えることができるといった利点
があった。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】ところが、図4に示す
ヘッド50は、全ての流路32が共通のインク溜36,
37にそれぞれ連結していることから、一色のインクし
か吐出させることができず、カラー印刷を行うには、記
録装置に複数のヘッド50を搭載する必要があり、その
結果、記録装置を小型化することができないといった課
題があった。 【0010】また、複数のヘッド50を記録装置に搭載
する場合、ヘッド50間の取り付け位置のアライメント
作業や、ヘッド50間のインク吐出性能の調整等が必要
となり、またこれらの作業は複雑であるため、記録媒体
に印刷した時に各インク間でのインク滴の大きさ及び着
弾位置にばらつきが発生し、印画品質を低下させるとい
った課題があった。 【0011】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、本発明のインクジェット記録ヘッドは、絶縁
基板上に、複数の貫通穴を有する枠部材を接合し、この
枠部材の貫通穴と上記絶縁基板とで形成される凹部底面
に、圧電セラミックスからなる複数の隔壁を等間隔に並
設し、上記各隔壁間をインクの流路とするとともに、上
記各隔壁の両端と上記枠部材とで形成される空間をイン
ク溜としてなり、上記各隔壁の側面には駆動用電極を形
成した流路部材と、上記枠部材及び各隔壁の頂面に接合
され、各流路と連通するインク吐出孔を備えたノズル板
とから構成し、上記枠部材の少なくとも隣り合う貫通穴
を仕切る壁を、熱伝導率が20W/m・K以上の材質に
より形成するとともに、その幅を0.05mm〜0.5
mmとしたことを特徴とする。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。 【0013】図1は本発明のインクジェット記録ヘッド
の一例を示す一部を破断した斜視図であり、図2は本発
明のインクジェット記録ヘッドの駆動原理を説明するた
めの断面図である。 【0014】このインクジェット記録ヘッド20(以
下、ヘッド20と略称する)は、流路部材10とノズル
板11とからなり、流路部材10は、平面形状が長方形
をした絶縁基板4上に、平面形状が略六角形をした3つ
の貫通穴5A,5B,5Cを有する枠部材5を接着し、
この枠部材5の各貫通穴5A,5B,5Cと上記絶縁基
板4とで形成される凹部底面に、圧電セラミックスから
なる複数の隔壁1を等間隔に並設し、各隔壁1間をイン
クの流路2とするとともに、上記各隔壁1の両端と上記
枠部材5の各貫通穴5A,5B,5Cとで形成される空
間をインク溜6A,6B,6C,7A,7B,7Cとし
たもので、一方のインク溜6A,6B,6Cの底面をな
す絶縁基板4には、各流路2A,2B,2C内にインク
を供給するためのインク供給穴8A,8B,8Cを、他
方のインク溜7A,7B,7Cの底面をなす絶縁基板4
には、各流路2A,2B,2C内のインクを回収するた
めのインク回収穴9A,9B,9Cをそれぞれ有し、各
隔壁1の側面上半分には図2に示すように駆動用電極3
を形成してある。 【0015】この流路部材10によれば、枠部材5の貫
通穴5Aと絶縁基板4によって形成される凹部に備える
隔壁群1A、流路群2A、インク溜6A,7Aによって
一つのヘッド素子18Aを構成し、枠部材5の貫通穴5
Bと絶縁基板4によって形成される凹部に備える隔壁群
1B、流路群2B、インク溜6B,7Bによって一つの
ヘッド素子18Bを構成し、さらに枠部材5の貫通穴5
Cと絶縁基板4によって形成される凹部に備える隔壁群
1C、流路群2C、インク溜6C,7Cによって一つの
ヘッド素子18Cを構成するように3つのヘッド素子1
8A,18B,18Cを備えたものとすることができる
ため、各ヘッド素子18A,18B,18Cに異なる色
のインクを各々供給するようにすれば、一つのヘッド2
0によってカラー印刷を行うことができる。 【0016】また、隔壁1は、チタン酸ジルコン酸鉛、
ランタンチタン酸ジルコン酸鉛、マグネシウムニオブ酸
鉛あるいはこれらの混合物を主成分とする圧電セラミッ
クスにより形成するとともに、その形状を台形状として
あり、図2に示すように、矢印の方向に分極してある。
なお、各流路2の断面積は、0.008〜0.05mm
2程度としてあり、また、流路2内には窒化珪素等の保
護膜(不図示)を被着し、駆動用電極3がインクによっ
て浸食を受けることを防止してある。 【0017】さらに、流路部材10には、各流路群2
A,2B,2C及び各インク溜6A,6B,6C,7
A,7B,7Cを覆うように、隔壁1の頂面及び枠部材
5の頂面にノズル板11を接着にて接合してあり、ノズ
ル板11には各流路2と連通するインク吐出孔15を有
している。 【0018】ノズル板11は、モリブデンやNi−Fe
系合金等の金属からなる蓋部12と、ポリイミド樹脂等
の樹脂からなるノズル部14よりなり、蓋部12には各
流路2と連通するインク案内孔13を備えるとともに、
ノズル部14には各インク案内孔13とそれぞれ連通す
るインク吐出孔15を開口させてある。 【0019】また、本発明のヘッド20は、図3に示す
ように、枠部材5の少なくとも壁5aを、熱伝導率が2
0W/m・K以上の材質により形成するとともに、壁5
aの幅Wを0.05mm〜0.5mmとしてある。 【0020】なお、17A,17B,17Cはそれぞれ
枠部材5外の絶縁基板4上に搭載されたドライバーIC
であり、絶縁基板4上に配線した引出線16A,16
B,16Cを経て各ヘッド素子18A,18B,18C
の駆動用電極3に通電するようになっている。 【0021】このヘッド20を用いて記録媒体(不図
示)へ印刷するには、まず、絶縁基板4の下部に、イン
ク供給穴8と連通するインク供給通路(不図示)とイン
ク回収穴9に連通するインク回収通路(不図示)を備え
た容器(不図示)を接合し、不図示の循環機構によって
水系顔料インクや水系染料インク等のインクをインク供
給穴8よりインク溜6、各流路2、及びインク溜7へ導
入し、インク回収穴9よりインクを回収するよう循環さ
せる。 【0022】この状態で、例えば図2(a)に示すよう
に、駆動用電極3b,3c及び駆動電極3h,3iにそ
れぞれ正極の電圧を、駆動電極3a,3d,3g,3jに
負極の電圧を印加すると、隔壁1a及び隔壁1bが流路
2a側へ屈曲変位するとともに、隔壁1d,1eが流路
2d側へ屈曲変位するため、流路2a,2d内に充填さ
れたインクを加圧して、インク吐出孔15よりインク滴
を吐出させることができる。次に各駆動用電極3a〜3
d,3g〜3jへの通電を遮断すると、屈曲変位してい
た隔壁1a,1b,1d,1eが弾性作用によって元の形
状に戻り、流路2a,2d内が減圧される結果、インク
供給穴8からインクの導入が開始されることになり、さ
らに前述した駆動電極3a〜3d,3g〜3jへ正負を
逆転して電圧を印加すると、図2(b)に示すように隔
壁1a,1bが流路2aに対して外側へ屈曲変位すると
ともに、隔壁1d,1eが流路2dに対して外側へ屈曲
変位するため、流路2a,2d内がさらに減圧されてイ
ンクが充填されることになる。そして、各駆動用電極3
a〜3d,3g〜3jへの通電を遮断すると、屈曲変位
していた隔壁1a,1b,1d,1eが弾性作用によって
元の形状に戻り、次のインク滴の吐出段階に入るように
なっており、各ヘッド素子18A,18B,18Cでこ
れらの動作を順次繰り返すことでインク滴の吐出を連続
的に行うことができるようになっている。 【0023】そして、このヘッド20によれば、各流路
群2A,2B,2Cの両端側にインク溜6A,6B,6
C,7A,7B,7Cを有することから、インク滴の吐
出にあたって流路内に発生させた圧力波を流路2の長手
方向で反射させるものがないため、次のインク滴の吐出
に悪影響を与えることがなく、流路2の両端が閉じられ
たものと比較してインク滴の吐出間隔を短くすることが
できるとともに、インク供給穴8A,8B,8Cからイ
ンクを供給し、インク回収穴9A,9B,9Cよりイン
クを回収して流路2内にインクの流れを発生させること
ができるため、流路2内に気泡やインクの凝集物等が滞
留することを防止し、インク滴の吐出速度が低下した
り、インク吐出孔15の目詰まりを生じることがない。 【0024】また、流路部材10を形成する基板4を絶
縁材料により形成してあることから、流路部材10の静
電容量を小さくすることができ、消費電力を抑えること
ができる。 【0025】さらに、絶縁基板4には、枠部材5の壁5
aによって仕切られた3つのヘッド素子18A,18
B,18Cを構成することができるため、各ヘッド素子
18A,18B,18Cに異なる色のインクを用いるこ
とで、一つのヘッド20によりカラー印刷を行うことが
できる。 【0026】その為、カラー印刷を行うにあたり、色毎
にヘッド20を記録装置に搭載する必要がないことか
ら、記録装置を小型化することができる。また、記録装
置に搭載するヘッド20の数が少なくて済むため、ヘッ
ド20間の取り付け位置のアライメント作業や、ヘッド
20間のインク吐出性能の調整等も簡単に行うことが可
能となる。 【0027】ただし、このような圧電セラミックスの剪
断モード変形を利用したヘッド20においては、上述し
たように、枠部材5の少なくとも壁5aを熱伝導率が2
0W/m・K以上の材料により形成するとともに、壁5
aの幅Wを0.05mm〜0.5mmとすることが重要
である。 【0028】即ち、インク吐出のために各流路2内に供
給されたインクは、隔壁1が変位することによって発生
する熱によって温度が上昇するのであるが、壁5aの熱
伝導率が20W/m・K未満となると、壁5a内での熱
伝達特性が悪いため、壁5aを挟んで隣り合うヘッド素
子18A,18B,18Cの駆動条件が異なると、各ヘ
ッド素子18A,18B,18C内のインクに温度差が
発生し、インクの粘度に差ができる。そして、各ヘッド
素子18A,18B,18C内のインクの粘度に差がで
きると、各ヘッド素子18A,18B,18Cと連通す
るインク吐出孔15より吐出されるインク滴の体積がば
らつくため、色調の再現性が得られなくなるとともに、
ヘッド素子18A,18B,18C間でインク滴の着弾
精度が異なったものとなり、高画質印刷が得られなくな
るからである。 【0029】なお、壁5aを形成する熱伝導率20W/
m・K以上の材質としては、窒化珪素、窒化アルミニウ
ム、炭化珪素等を主成分とするセラミックスやNi系合
金、モリブデン等の金属を用いることができ、好ましく
は壁5aを薄くしてもインクの圧力波によって変形し難
いヤング率が50GPa以上を有する材質を用いること
が好ましい。 【0030】また、壁5aの幅Wを0.05mm〜0.
5mmとするのは、この幅Wが0.5mmを超えると、
壁5aを熱伝導率が20W/m・K以上の材料で形成し
たとしても厚すぎるため、壁5aを挟んで隣り合うヘッ
ド素子18A,18B,18C間の熱伝達がスムーズに
行われず、各ヘッド素子18A,18B,18C内のイ
ンクの温度を駆動条件に関係なく近似させる効果が小さ
いからであり、また幅Wが0.05mm未満となると、
壁5aが薄すぎるため、壁5aに隣り合う隔壁1が変位
することによって発生する圧力波によって壁5aが変形
してその圧力波を減衰させるため、隔壁1へ反射される
圧力波が、隔壁1を挟んで壁5aと反対側にある隔壁1
によって反射された圧力波よりも小さくなり、隔壁1の
両側面に作用する圧力波に差ができることから、各ヘッ
ド素子18A,18B,18Cの壁5aに近いインク吐
出孔15より吐出されるインク滴の吐出速度や吐出量
が、壁5aから離れた中央付近に位置するインク吐出孔
15より吐出されるインク滴の吐出速度や吐出量より小
さくなり、各ヘッド素子18A,18B,18Cの吐出
性能に悪影響を与えるからである。 【0031】次に、図1に示すインクジェット記録ヘッ
ド20の製造方法について説明する。 【0032】まず、絶縁基板4としてセラミック板やガ
ラス板を用意する。セラミック板の種類としては特に限
定するものではないが、例えばアルミナ、ジルコニア、
フォルステライト、ジルコン等を主成分とする絶縁性セ
ラミックスが好適である。そして、この絶縁基板4に、
炭酸ガスレーザー等のレーザー加工にて所定の位置にイ
ンク供給穴8A,8B,8Cとインク回収穴9A,9
B,9Cをそれぞれ穿孔した後、厚み方向に分極を施し
た圧電セラミック板を絶縁基板4上の所定の位置にエポ
キシ系等の接着剤にて貼り付ける。 【0033】次に平面研削盤を用いて、圧電セラミック
板を切り欠いて側面形状を台形状とした後、ダイヤモン
ドブレードにて圧電セラミック板に流路2となる複数の
溝を並設する。この時、溝を仕切る壁が隔壁1となる。 【0034】次いで、各隔壁1の側面上半分及び絶縁基
板4上に、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーテ
ィング法、CVD法等の膜形成手段にて、アルミニウ
ム、パラジウム、ニッケル、金、銅等からなる金属膜を
被着し、隔壁1の側面上半分に被着した金属膜を駆動用
電極3とするとともに、絶縁基板4上に被着した金属膜
を駆動用電極3の引出線16A,16B,16Cとし、
さらに前記膜形成手段にて駆動用電極3及びその引出線
16A,16B,16Cに窒化珪素等の保護膜(不図
示)を被着する。 【0035】そして、各隔壁群1A,1B,1C、イン
ク供給穴8A,8B,8C、及びインク回収穴9A,9
B,9Cを包囲するように、壁5aのない枠部材5を絶
縁基板4上にエポキシ系等の接着剤にて気密に接合する
とともに、枠部材5の凹部を3つの部屋に仕切る幅Wが
0.05mm〜0.5mmでかつ熱伝導率が20W/m
・K以上を有する壁5aを絶縁基板4上にエポキシ系等
の接着剤にて気密に接合する。 【0036】なお、枠部材5は壁5aと一体的に形成さ
れたものでも良く、その場合、枠部材5の全体を熱伝導
率が20W/m・K以上の材質により形成するととも
に、壁5aの幅Wを0.05mm〜0.5mmとしてお
けば良い。 【0037】しかる後、Ni系合金やモリブデン等の金
属からなる蓋部12を、インク案内孔13の中心が、流
路2の幅方向の中心と一致するように、隔壁1及び枠部
材5の頂面にエポキシ系等の接着剤にて接合し、さらに
蓋部12上にポリイミド樹脂等の樹脂からなるノズル部
14をエポキシ系等の接着剤で接合する。この後、枠部
材5外で、引出線16が形成された絶縁基板4上にドラ
イバーIC17A,17B,17Cを搭載し、ワイヤー
ボンダーで結線を行った後、エキシマレーザー等のレー
ザー加工によって、ノズル部14に各インク案内孔13
と連通するインク吐出孔15を開口させることにより得
ることができる。 【0038】このような方法により製造された本発明の
ヘッド20は、全ての隔壁1が絶縁基板4とノズル板1
1との間で同一のプロセスによって接着接合されている
ため、接着剤層の剛性を均一化することができ、それ
故、全ての隔壁1の剛性を均一化することができるとと
もに、ノズル板11のインク吐出孔15の寸法ばらつき
も小さくすることができる。 【0039】その為、同じ電圧を駆動用電極3に通電す
れば、各隔壁1を全て略同じ変位量でもって変位させる
ことができるため、各インク吐出孔15より吐出される
インク滴の吐出速度及び吐出量を同じにすることがで
き、インク滴の吐出速度や吐出量のバラツキが少ないヘ
ッド20を提供することができる。 【0040】なお、本発明は図1に示した構造のヘッド
20だけに限定されるものではなく、例えば、流路部材
10に備えるヘッド素子の数は三つに限らず、四つ以上
であっても良く、また、ヘッド素子を絶縁基板4の短辺
方向にも列設するようにしても良い。 【0041】このように本発明の要旨を逸脱しない範囲
で変更や改良できることは言う迄もない。 【0042】 【実施例】ここで、図1に示すようなインクジェット記
録ヘッドを製作し、枠部材の壁の幅と、壁の熱伝導率を
各々異ならせた時の壁を挟んで隣り合うヘッド素子内に
おけるインク温度が近似するまでの時間と、インク滴の
吐出性能について調べる実験を行った。 【0043】まず、絶縁基板として、65mm×25m
m×1mmのアルミナセラミック板に1.2mm×1.
5mmの丸長穴のインク供給穴とインク回収穴を炭酸ガ
スレーザーにてそれぞれ6個ずつ一直線に並べて穿設し
た後、9.1mm×3mm×0.5mmの板状をなし、
厚み方向に分極処理したチタン酸ジルコン酸鉛を主成分
とする3枚の圧電セラミック板を、インク供給穴とイン
ク回収穴との間の絶縁基板上に、1mmの間隔を開けて
一直線に並べ、エポキシ系接着剤にて貼り付けた。 【0044】次に、平面研削盤にて圧電セラミック板の
端部を切り欠いて、絶縁基板とのなす角が60°のテー
パーを形成し、その側面形状を台形状とするとともに、
圧電セラミック板の上面を研削して高さが0.45mm
になるように揃えた。 【0045】さらに、厚みが70μmのダイヤモンドブ
レードを用いて、圧電セラミック板の長辺に対して垂直
に、深さ0.45mm、ピッチ0.14mmで加工を行
い、0.075mmの幅の流路を192本形成した。 【0046】次に、真空蒸着法により隔壁の側面上半分
にアルミニウムの金属膜を被着して駆動用電極を形成す
るとともに、絶縁基板上の所定位置にもアルミニウムの
金属膜を被着して駆動用電極の引出線を形成した後、さ
らに流路の内壁面にスパッタリング法にて窒化珪素の保
護膜を被着した。 【0047】そして、各隔壁、各インク供給穴、及び各
インク回収穴を包囲するように、外形状が50mm×1
7mm、内形状が30mm×13mm、厚みが0.45
mmであるNi合金製の外枠を絶縁基板上にエポキシ系
接着剤にて気密に接合し、次いで、絶縁基板上の外枠内
に、Ni合金(65W/m・K)、窒化珪素質セラミッ
クス(20W/m・K)、及びアルミナセラミックス
(7W/m・K)からなる壁を用いて外枠を仕切ること
により枠部材5を構成し、192本の流路を3等分する
ことにより3つのヘッド素子を形成するようにした。 【0048】そして、枠部材及び隔壁の頂面に、外形状
が50mm×17mm×0.07mmの板状であって、
各流路と連通する直径60μm程度のインク案内孔を備
えたNi合金製の蓋部をエポキシ系接着剤にて接合し、
さらに蓋部上に、外形状が50mm×13mm×0.0
5mmのポリイミド脂製フィルムからなるノズル部をエ
ポキシ系接着剤にて接合した。 【0049】次いで、絶縁基板上に形成した引出線上に
ドライバーICを搭載し、ワイヤーボンダーにて結線す
るとともに、エキシマレーザーにて、インク案内孔と連
通する直径28μm程度のインク吐出孔をノズル部に穿
孔することにより、ノズル数192個のインクジェット
記録ヘッドを作製した。 【0050】次に、実験にあたっては、まず、得られた
ヘッドの二つのヘッド素子に4℃の温度差を持たせたシ
アンインクとマジェンダインクをそれぞれ供給し、各ヘ
ッド素子内のインクの温度を蓋部に設けたサーミスター
素子によって測定し、この温度差が2℃となるまでの時
間を測定し、熱の伝達特性を確認する実験を行った。 【0051】次に、得られたヘッドの二つのヘッド素子
に同じ温度のシアンインクとマジェンダインクを供給
し、シアンインクを供給したヘッド素子のインク吐出孔
から連続してインク滴を30秒間吐出させた後、マジェ
ンダインクを供給したヘッド素子のインク吐出孔からも
インク滴を吐出させ、その直後の各ヘッド素子から吐出
されるインク滴の吐出速度を比較する実験を行った。 【0052】インク滴の吐出速度は、5kHzでインク
滴を吐出しながら、所定のインク吐出孔から吐出された
インク滴を高速度カメラで一定間隔撮影し、そのインク
吐出孔とインク滴の距離からインク滴の吐出速度を算出
した。 【0053】結果は、それぞれ表1に示す通りである。 【0054】 【表1】 【0055】この結果、表1から判るように、壁をNi
合金や窒化珪素質セラミックスなどの熱伝導率が20W
/m・K以上の材質で形成するとともに、壁の幅を0.
05mm〜0.5mmとしたものは、壁を挟んで隣り合
う各ヘッド素子内のインクの温度差が2℃になるまでに
最長でも5.2秒と短く、その結果、各ヘッド素子内の
インクの粘度変化が小さいため、インク滴の吐出速度の
差も約0.1m/秒と小さく、吐出ばらつきを極めて小
さくすることができた。 【0056】この結果、図1に示すインクジェット記録
ヘッドのように、流路の両端にインク溜を有する構造に
おいて仕切りを設けて一つのヘッドより複数の色のイン
クを吐出させる場合、壁を熱伝導率が20W/m・K以
上の材質により形成するとともに、壁の幅を0.05m
m〜0.5mmとするのが良いことが判る。 【0057】 【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のインクジェ
ット記録ヘッドによれば、絶縁基板上に、複数の貫通穴
を有する枠部材を接合し、この枠部材の貫通穴と上記絶
縁基板とで形成される凹部底面に、圧電セラミックスか
らなる複数の隔壁を等間隔に並設し、上記各隔壁間をイ
ンクの流路とするとともに、上記各隔壁の両端と上記枠
部材とで形成される空間をインク溜としてなり、上記各
隔壁の側面には駆動用電極を形成した流路部材と、上記
枠部材及び各隔壁の頂面に接合され、各流路と連通する
インク吐出孔を備えたノズル板とから構成し、上記枠部
材の少なくとも隣り合う貫通穴を仕切る壁を、熱伝導率
が20W/m・K以上の材質により形成するとともに、
その幅を0.05mm〜0.5mmとしたことによっ
て、一つのインクジェット記録ヘッドに複数のヘッド素
子を備えたものとすることができるため、各ヘッド素子
に異なる色のインクを供給すれば、カラー印刷を行うこ
とができる。その為、カラー印刷を行うにあたり、色毎
にヘッドを用意する必要がないことから、記録装置を小
型化することができるとともに、記録装置に搭載するヘ
ッドの数が少なくて済むため、ヘッド間の取り付け位置
のアライメント作業や、ヘッド間のインク吐出性能の調
整等を簡単に行うことができる。 【0058】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
によれば、各ヘッド素子の駆動条件が異なっても壁を挟
んで隣り合う各ヘッド素子内のインクの粘度差を近似さ
せることができるため、各インク吐出孔より吐出される
インク滴の吐出量のばらつきを抑えることができるた
め、同じ色調を再現性良く印刷することができるととも
に、綺麗で鮮明な高画質カラー印刷を行うことができ
る。 【0059】しかも、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドは、流路の両端側にインク溜を有することから、流路
の両端が閉じられたものと比較してインク滴の吐出間隔
を短くすることができるとともに、流路内にインクの流
れを発生させることができるため、流路内に気泡やイン
クの凝集物等が滞留することを防ぎ、インク滴の吐出速
度が低下したり、インク吐出孔の目詰まりを防止するこ
とができ、さらには流路部材を形成する基板が絶縁材料
からなるため、流路部材の静電容量を小さくすることが
でき、インクジェット記録ヘッドの消費電力を抑えるこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの一例を示
す一部を破断した斜視図である。 【図2】(a)(b)は本発明のインクジェット記録ヘ
ッドの駆動原理を説明するための断面図である。 【図3】本発明のインクジェット記録ヘッドの壁近傍を
拡大した断面図である。 【図4】従来のインクジェット記録ヘッドの一例を示す
一部を破断した斜視図である。 【符号の説明】 1,31:隔壁 1A,1B,1C:隔壁群 2,32:流路 2A,2B,2C:流路群 3,33:駆動電極 4,34:絶縁基板 5,35:枠部材 5a:壁 6,7,36,37:インク溜 8A,8B,8C,38:インク供給穴 9A,9B,9C,39:インク回収穴 10,40:流路部材 11,41:ノズル板 12,42:蓋部 13,43:インク案内孔 14,44:ノズル部 15,45:インク吐出孔 16A,16B,16C,46:駆動用電極の引出線 17A,17B,17C,47:ドライバーIC

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】絶縁基板上に、複数の貫通穴を有する枠部
    材を接合し、該枠部材の貫通穴と上記絶縁基板とで形成
    される凹部底面に、圧電セラミックスからなる複数の隔
    壁を等間隔に並設し、上記各隔壁間をインクの流路とす
    るとともに、上記隔壁の両端と上記枠部材とで形成され
    る空間をインク溜としてなり、上記各隔壁の側面には駆
    動用電極を備えた流路部材と、上記枠部材及び各隔壁の
    頂面に接合され、各流路と連通するインク吐出孔を備え
    たノズル板とからなり、上記枠部材の少なくとも隣り合
    う貫通穴を仕切る壁の幅が0.05mm〜0.5mm
    で、かつ熱伝導率が20W/m・K以上であることを特
    徴とするインクジェット記録ヘッド。
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