JP2003127041A - 主軸装置 - Google Patents

主軸装置

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JP2003127041A
JP2003127041A JP2001288823A JP2001288823A JP2003127041A JP 2003127041 A JP2003127041 A JP 2003127041A JP 2001288823 A JP2001288823 A JP 2001288823A JP 2001288823 A JP2001288823 A JP 2001288823A JP 2003127041 A JP2003127041 A JP 2003127041A
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spindle
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Sumio Sugita
澄雄 杉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速回転する工作機械主軸のアンバランスを的
確に修正することが出来、高速回転での振動および騒音
を低減する主軸装置をする。 【解決手段】主軸5において、転がり軸受2、3より軸
端側、転がり軸受4より軸端側、および転がり軸受2、
3とモータロータ6との間の表面をそれぞれ修正面P
1,P3,P2として、ここに修正バランスを施すこと
で、3面修正を行っており、それにより、特に高速回転
速度領域で、主軸5の振動低減を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械の主軸装
置に関し、特に高速回転速度領域で振動低減を効果的に
達成できる主軸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高速回転する工作機械の主軸において
は、通常、振動低減のためバランス修正を行っている。
従来は、スピンドルの組立終了後に、2面釣り合わせの
バランサにおいて、主軸のバランス修正を行い振動を低
下させるようにしている。工作機械の主軸においては、
JISB0905における釣り合いの良さG2.5〜G
0.4程度の釣り合いの良さにてバランス修正を行って
おり、それにより一定の振動低減効果が達成される。
【0003】従来のバランス修正例としては、主軸を剛
性ロータ(軸がバランスによって変形しないと仮定でき
るロータ)として扱うことで、バランス修正面を任意の
2面とすることが出来るので、工作機械上、修正面を作
業が行いやすい位置(フロント側、リア側ともに軸端付
近の軸受ナットやバランス調整リング部)に設け、かか
る修正面に対して穿孔したりして修正を行っていた。こ
れを2面修正と称する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年におい
て、加工能率向上のために、工作機械主軸を高速回転化
する傾向がある。ここで、主軸の回転数が危険速度の6
0〜70%以上になると、2面修正を行っても、軸に変
形が生じその変形自身がアンバランスとなって、振動が
急激に上昇することがわかった。特に、工作機械用モー
タビルトインスピンドルでは、主に主軸の中央部分に初
期残留アンバランスが存在するが、これを軸端付近の修
正面で2面修正を行うと、高速回転速度領域では軸に曲
げ変形が生じ、振動が増大することがわかった。
【0005】本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑
み、例えば工作機械主軸用モータビルトインスピンドル
の特性を考慮しつつ、軸の変形(曲がり)を防ぐバラン
ス修正をおこない、高速回転速度領域において振動を低
減させる主軸装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の主軸装置は、主
軸と、前記主軸を回転自在に支持する第一の軸受手段と
第二の軸受手段と、前記第一の軸受手段と第二の軸受手
段の間に取り付けたモータロータを有し、前記モータロ
ータにより前記主軸が回転駆動される主軸装置におい
て、前記主軸の、前記第一の軸受手段より軸端側、前記
第二の軸受手段より軸端側、前記第一の軸受手段と前記
モータロータとの間の少なくとも3個所にバランス修正
面を持つことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明の主軸装置は、主軸と、前記主軸を回転
自在に支持する第一の軸受手段と第二の軸受手段と、前
記第一の軸受手段と第二の軸受手段の間に取り付けたモ
ータロータを有し、前記モータロータにより前記主軸が
回転駆動される主軸装置において、前記主軸の、前記第
一の軸受手段より軸端側、前記第二の軸受手段より軸端
側、前記第一の軸受手段と前記モータロータとの間の少
なくとも3個所にバランス修正面を持つので、従来技術
のごとく2箇所で修正する場合に比べ、高速回転速度領
域における前記主軸の変形を抑え、振動を効果的に低減
させることができる。尚、前記主軸は、例えば軸単体で
あってよく、或いは軸に軸受ナット或いはバランスリン
グを固定したような構成であってもよい。また、第一、
第二の軸受手段は、一列又は複数列の転がり軸受であっ
てよい。
【0008】本発明について、更に詳細に説明する。本
発明では、高速回転時に出来るだけ曲げ変形が発生しな
いように、修正面を3つ設けて各面でバランス修正を行
う、いわゆる3面修正を行っている。図1は、本発明の
概念を説明するための模式図である。
【0009】図1において、ハウジング1に対して、転
がり軸受2,3,4により、主軸5が回転自在に支持さ
れている。主軸5の中央外周には、モータロータ6が設
置されている。本発明では、主軸5において、第一の軸
受手段である転がり軸受2、3より軸端側、第二の軸受
手段である転がり軸受4より軸端側、および第一の軸受
手段である転がり軸受2、3とモータロータ6との間の
表面をそれぞれ修正面P1,P3,P2として、ここに
修正バランスを施すことで、3面修正を行うものであ
る。更に、修正面P1、P2、P3におけるアンバラン
ス量と、これに対向するハウジング1の測定点M1、M
2、M3における振動との関係が線形関係で近似できる
ことを利用し、修正面P1、P2、P3にそれぞれに、
試しおもりを付加したときの振動の変化から、各修正面
P1、P2,P3におけるバランスの修正量を計算する
手法である。すなわち、以下の(1)式における複素数
の行列演算によって修正量を算出できる。
【数1】 Uy、Vxy、△Uy(x、yは上式における添字1〜
3)は、大きさと位相を持つ複素数で、以下のように定
義される。 U1、U2、U3:修正アンバランス量 △Uy(y=1,2,3):修正面P1,P2,P3に
付加した試しおもりの量 V10、V20、V30 :測定点M1、M2、M3に
おける初期の振動値 V1y、V2y、V3y(y=1、2、3):修正面P
1,P2,P3のみに試しおもり△Uyのおもりを付加
したときの測定点M1、M2、M3における振動値
【0010】(1)式より求まる修正アンバランス量U
1、U2、U3を用いて3面修正を行うことによって、
適切に振動を低減することが可能である。この3面修正
は、特に、主軸5に曲げ変形の発生する回転速度以上
(主軸の危険速度の60%以上)で行ったときに効果が
ある。但し、この回転速度以下の領域においても、どの
修正面に試しおもりを付加しても軸の曲がりがほとんど
発生しないので、従来の2面修正と同等の効果は得るこ
とができる。
【0011】図1のように、修正面P2を転がり軸受3
とモータロータ6の間にとることで、モータロータ6の
アンバランスなど、主軸5の中央部に存在する初期アン
バランスによって生ずる主軸5の曲げ変形を小さくする
ことが可能となり、高速回転速度領域での振動を低減さ
せることが可能となる。
【0012】しかし、修正面P2においては、スピンド
ル組立後に外部からバランスを調整する必要が生じる。
特に、工作機械では精度維持のため外筒冷却を行うのが
一般的であるが、この外筒冷却用の流体経路と干渉しな
いように、バランス調整ネジの取付けスぺースを確保す
る必要がある。このような問題に対しては、軸受用の冷
却溝とモータの冷却溝を分離し、その中間に調整ネジ組
込用の穴のスペースを確保することで対処できる。
【0013】更に、いわゆる工作機械ビルトインスピン
ドルでは、リア側の剛性が低いために修正面P3に関し
ても注意が必要である。特に、工作機械では、工具をク
ランプするためのばね部品を挿入するため、主軸を中空
軸にする必要があり、それによりリア側の軸の肉厚は薄
くなる傾向がある。更に、モータロータに強度の弱いア
ルミダイキャストなどを使用するため、高速回転時に遠
心力によるモータロータの破壊を防ぐためにモータロー
タの直径を小さくし、応力を小さくする必要がある。こ
れに伴いモータロータよりリヤ側の軸径も細くなってし
まう。
【0014】又、工作機械ビルトインスピンドルでは、
主軸の回転速度と位相の制御のため、歯車状のリングの
凹凸を磁気的に感知するビルトインセンサ(検知器)を
設けることが必要となる。特に、高速回転仕様では、セ
ンサの感度を上げるため、歯車状のリング直径を小さく
し、周速度を下げなければならない場合があり、これに
伴ってセンサ部よりリヤ側の軸径はさらに細くなる場合
がある。
【0015】このように、工作機械用ビルトインスピン
ドルでは、主軸リヤ側の軸径が細く薄肉になり、主軸の
リヤ側の剛性が低下する傾向がある。このため、修正面
が主軸の後端にあると、高速回転速度領域において曲げ
変形を生じ、振動の原因となる。このような問題に対
し、バランスの修正面を、回転検出部であるビルトイン
センサより前に設けることにより曲げ変形を少なくする
ことで対処でき、それにより振動低減が可能となる。更
に、主軸のフロント側は、軸剛性が高く曲げ変形はリア
側に比べて少ないが、出来るだけ軸受の近くに修正面を
配置することが望ましい。
【0016】即ち、前記第二の軸受手段(図1の4)
と、前記主軸(図1の5)の軸端との間に回転検出部
(図1にTで示す、例えばビルトインセンサ)を設け、
前記第二の軸受手段より軸端側のバランス修正位置を、
前記第二の軸受手段と回転検出部の間とすると好まし
い。
【0017】又、前記主軸(図1の5)は中空軸を含
み、前記中空軸は、前記第一の軸受手段(図1の2、
3)嵌合部、前記モータロータ(図1の6)嵌合部、前
記第二の軸受手段(図1の4)嵌合部、前記回転検出部
(図1のT)嵌合部の順序で外径が小さくなる(φ1>
φ2>φ3>φ4)。一方向から各部品の組み付けが行
える利点も生じる。尚、図1では、図を簡略化するため
に、主軸1を中実で外径が一様なものとして表してい
る。
【0018】更に、前記バランス修正を行うために用い
るねじ孔を、前記主軸に形成すると、おもりの取り付け
が容易になるので好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる実施の形態
である主軸装置を、図面を参照して詳細に説明する。図
2は、本実施の形態にかかる主軸装置の断面図である。
尚、図2において、工具取り付け部がある左方を主軸装
置のフロント側と呼び、右方をリヤ側と呼ぶこととす
る。
【0020】図2において、主軸装置14は、ハウジン
グ28と、主軸5と、この主軸5を、ハウジング28に
対して回転自在に支承する複数個(図示例では合計4個
のアンギュラ玉軸受)の軸受10a,10b,10c,
10dとを備えている。
【0021】軸受10a,10b(第一の軸受手段)
と、軸受10c,10d(第二の軸受手段)は,2個づ
つ組となって主軸5のフロント側とリヤ側とを、それぞ
れ荷重を分担して支承するように、軸方向に所定間隔を
おいて配置されている。各軸受10a〜10dの外輪
は、ハウジング28の内周面に対して、内ハウジング2
0を介して固定され、最前部の軸受10aの外輪は、外
輪押さえ30によって係止され、最後部の軸受10dの
外輪は、外輪押さえ34を介してハウジング28にバネ
36により軸方向に弾性付勢されつつ係止されている。
軸受10a、10bの外輪は、冷却溝28aを流れる冷
却油によって冷却される。
【0022】一方、各軸受10a〜10dの内輪は、主
軸5の外周面に嵌合され、フロント側・リヤ側のそれぞ
れで,各軸受10a〜10dの間に,軸受10a〜10
dを軸方向に固定するための円筒状の内輪間座40が設
けられている。
【0023】主軸5は、中空の軸5aと、その両端近傍
固定された軸受ナット5b及びバランスリング5cとか
ら構成されており、軸5aの内部において、左方の取付
部51に工具を取り付けるための機構50(ばね部品5
0aを含む)が配置されている。かかる機構50につい
ては公知のため、以下に詳細は記載しない。
【0024】軸5aの中央にはモータ部60が配置され
ている。モータ部60は、モータロータ61と、ハウジ
ング28に固定されたステータ64からなる。ステータ
64は、固定子鉄心64と、固定子鉄心64内部を巻回
するコイル63からなり、冷却ジャケット62を介して
冷却溝28bを流れる冷却油によって冷却される。
【0025】ロータ61は、積層の珪素鋼板の周囲にア
ルミダイキャストを施した、かご型回転子の構成であ
り、軸5aに対し100から150μmの締まりばめに
よって強固に嵌合されている。ロータ61は、積層構造
であるという特性からバランスが悪く、主軸中央部にア
ンバランスが発生する大きな要因となる。この対策とし
て、あらかじめロータ単体でバランス修正する方法が取
られてきたが、軸と締結される際、大きな嵌めあいで生
じた変形によって新たにアンバランスが生じるため、本
ロータ部分にはアンバランスが残留してしまう。
【0026】更に、軸5aの回転速度と位相とを検出す
るためのセンサ(ビルトインセンサ)65が、軸5aの
リヤ側端部近傍の外周に配置され且つ歯車状の凹凸が形
成された検出リング66に対向して、ハウジング28に
対して取り付けられている。
【0027】軸5aは、軸受10a、10部に嵌合する
部分の外径がφ1で、モータロータ61が嵌合する部分
の外径がφ2で、軸受10c、10dが嵌合する部分の
外径がφ3で、検出リング66が嵌合する部分の外径が
φ4であり、φ1>φ2>φ3>φ4の関係が成立して
いる。
【0028】潤滑油供給装置22に接続された配管18
は,それぞれ主軸装置14の内ハウジング20におい
て、各軸受10a,10b,10c,10d近傍に配置
されたノズル12a,12b,12c,12dに接続さ
れている。
【0029】次に、本実施の形態の動作について説明す
る。取付部51に工具(不図示)を取り付けた状態で、
不図示の駆動回路からの動力供給により、モータ部60
がモータロータ61を回転駆動し、それにより主軸5と
共に工具が回転するようになっている。主軸5の回転速
度及び位相の制御は、センサ65からの信号に基づいて
行われる。主軸5の回転速度に応じて、潤滑油供給装置
22から潤滑油が供給され、ノズル12a〜12dを介
して軸受10a〜10dが潤滑されるようになってい
る。
【0030】本実施の形態においては、主軸5におい
て、第一の軸受手段である転がり軸受10a、10bよ
り軸端側に配置された軸受ナット5b上、第二の軸受手
段である転がり軸受10c、10dより軸端側であって
且つ回転検出部である検出リング66より内側に配置さ
れたバランスリング5c上、および軸受10bとモータ
ロータ61との間の軸5a表面を、それぞれ修正面P
1,P2,P3としており、ここに修正バランスを施す
ことで、3面修正を行っている。
【0031】尚、軸受ナット5b、バランスリング5c
は、それぞれ軸線に直交する面が修正面P1,P2とな
っているので、フロント側もしくはリヤ側から加工する
ことで、バランス調整用のねじ孔を形成することが出来
る。一方、軸5aの表面に形成される修正面P3につい
ては、ねじ孔加工は軸5a単体で行えるものの、ねじ孔
にバランス用おもりをどのようにして取り付けるかが問
題である。そこで、本実施の形態では、軸受冷却用の溝
28aを含む内ハウジング20と、モータ冷却用溝28
bを含むハウジング28のモータ冷却部とを分離するよ
うにし、更にハウジング28と、内ハウジング20と
に、それぞれ軸線に直交する方向に延在する孔21、2
0aを穿孔し、かかる孔21、20aを介してバランス
用おもりを取り付けるようにしている。また、調整作業
中にバランス用おもりが落下しても、主軸装置14内部
にバランス用おもりが侵入しないように、孔20aの先
端と軸5aとのすきまを小さくしている。バランス調整
後は、孔21の外方端に止め栓21aを嵌め込むことに
よって、外部からの切削水の侵入などを防ぐことが出来
る。なお、バランス修正は、ネジを備えたバランス用お
もりを、修正面のねじ孔に螺合させるのが最も作業性が
よいが、直接修正面を削ってもよく、またアンバランス
を持つ2つ(複数)のリングの位相を組み合せて修正す
ることも可能である。
【0032】バランス修正時における振動の測定点は、
任意の3点を選ぶことが出来るが、修正面近傍のハウジ
ング外径部とするのが修正精度向上の面で望ましい。
【0033】(実施例) 第1の軸受手段[セラミック玉アンギュラ軸受の並列組
合わせ] 軸受内径:70mm 軸受外径:110mm 軸受幅:20mm 軸受接触角:18° 最高回転速度:40000min−1 第2の軸受手段[セラミック玉アンギュラ軸受の並列組
合わせ] 軸受内径:55mm 軸受外径:90mm 軸受幅 :18mm 軸受接触角:18° モータロータ 内径:56mm 外径:86mm 幅 :80mm
【0034】図3〜5は、上記実施例に関する軸系の動
的解析結果を示す図である。図3は、モータロータの中
央に初期の残留アンバランス3g・cm(JISG2.
5程度のアンバランス)があった場合において、従来の
2面修正および本実施例による3面修正を行った際の4
万min−1における軸の曲げ変形曲線を示したもので
ある。2面修正では、中央部のアンバランスを軸端付近
のみで修正するため大きな曲げ変形を生じている。高速
回転速度領域では、曲がり変形自体がアンバランスとな
るので、このように大きな変形を生じる。それに対し、
3面修正では最大変形量は1/5程度に減少している。
【0035】図4は、従来の2面修正と3面修正におい
て、主軸のアンバランスによって生じる軸受の反力(軸
受4つの合力)を解析した結果で、回転速度を横軸にと
って比較した結果である。
【0036】この軸受反力は回転力に対応し、軸受反力
が大きくなれば主軸の振動が大きくなることを意味す
る。2面修正でも3面修正でも、20000〜3000
0min−1程度までは同等の軸受反力であるが、3面
修正では、それ以上の高速回転速度領域で軸受反力が小
さくなっている。これは、3面修正により、軸の曲がり
変形が小さくなったことが理由と考えられる。
【0037】図5は、比較例としてリヤ側の修正面位置
を軸端ナット(図2の67)における軸線直交面(図2
のP4)とした場合(即ちセンサよりリヤ側に修正面P
4を配置した場合)と、実施例としてセンサよりフロン
ト側のバランスリング(図2の5c)とした場合とにお
ける主軸の変形曲線の比較結果である。各修正面(P
2,P4)に約1.5gcmの修正おもりを付加した時
の40000min−1における変形を解析した。本実
施例のように修正面を、センサよりフロント側にした場
合には、軸端に修正面があるのに比べて最大変形量が約
1/2に減少する。これにより振動を低減することが可
能である。
【0038】図6は、バランス修正の違いによる振動を
実際に計測した結果を示し、主軸フロント側(具体的に
は図2のハウジング28外周面P5)における軸線直交
方向の振動値の回転周波数成分を記録した図である。2
面修正はそれぞれ10000min−1、36000m
in−1の回転速度において2種類、3面修正は360
00min−1の回転速度にてG0.4相当のバランス
修正を行った。
【0039】図6によれば、10000min−1での
バランス修正は、低速回転速度領域では振動は小さい
が、高速回転速度領域になると振動が大きくなることが
判る。36000min−1での2面修正においては、
36000min−1での振動は小さいが、その他の回
転速度での振動が大きい。これは、主軸に曲げ変形が生
じた状態でバランスを修正しているためで、曲げ変形の
生じていない低速回転速度領域や、曲げ変形の大きさが
変わるさらに高速回転速度領域では、釣り合いが適切に
取れないことを意味している。本実施例による3面修正
は、2面修正にくらべて、低速回転速度領域ではほば同
等の振動抑制効果があり、更に高速回転速度領域におい
て、2面修正に比べ振動をより低減させることが可能で
ある。
【0040】次に、リアの曲げ変形の効果を確認するた
めに、比較例としてのリア軸端ナット(図2の67)で
の修正と、実施例としてのセンサよりフロント側でのバ
ランスリング(図2の5c)での修正とを比較した。リ
ア軸端ナットで修正した場合には、曲げ変形によるアン
バランスで、40000min−1付近で振動が上昇し
ている。センサよりフロント側の修正では、40000
min−1という超高速回転速度領域においても振動の
上昇が少なくなっている。
【0041】図7は、本発明の実施例における騒音の測
定結果を示す図であり、ここでは主軸フロント側1mで
測定を行っている。本発明の3面修正では、2面修正に
比べ振動が低下するためこれに伴う騒音も低下すること
がわかる。
【0042】本発明にかかるバランス修正法は、転がり
軸受以外に、磁気軸受、空気軸受などを用いた高速回転
する主軸装置においても有効である。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、高速回転する工作機械
主軸のアンバランスを的確に修正することが出来、高速
回転での振動および騒音を低減する主軸装置が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念を説明するための模式図である。
【図2】本実施の形態にかかる主軸装置の断面図であ
る。
【図3】本発明の実施例に関する軸系の動的解析結果を
示す図である。
【図4】本発明の実施例に関する軸系の動的解析結果を
示す図である。
【図5】本発明の実施例に関する軸系の動的解析結果を
示す図である。
【図6】バランス修正の違いによる振動を実際に計測し
た結果を示し、主軸フロント側のハウジングにおける軸
線直交方向の振動値の回転周波数成分を記録した図であ
る。
【図7】本発明の実施例における騒音の測定結果を示す
図である。
【符号の説明】
5 主軸 5a 軸 5b 軸端ナット 5c バランスリング 10a〜10d 軸受 14 主軸装置 28 ハウジング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸と、前記主軸を回転自在に支持する
    第一の軸受手段と第二の軸受手段と、前記第一の軸受手
    段と第二の軸受手段の間に取り付けたモータロータを有
    し、前記モータロータにより前記主軸が回転駆動される
    主軸装置において、 前記主軸の、前記第一の軸受手段より軸端側、前記第二
    の軸受手段より軸端側、前記第一の軸受手段と前記モー
    タロータとの間の少なくとも3個所にバランス修正面を
    持つことを特徴とする軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記第二の軸受手段と、前記主軸の軸端
    との間に回転検出部を設け、前記第二の軸受手段より軸
    端側のバランス修正位置を、前記第二の軸受手段と前記
    回転検出部との間とすることを特徴とする請求項1に記
    載の主軸装置。
  3. 【請求項3】 前記主軸は中空軸を含み、前記中空軸は
    前記第一の軸受部、前記モータロータの嵌合部、前記第
    二の軸受部、前記回転検出部の順序で外径が小さくなる
    ことを特徴とする請求項2に記載の主軸装置。
  4. 【請求項4】 前記バランス修正を行うために用いるね
    じ孔を、前記主軸に形成したことを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれかに記載の主軸装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105798389A (zh) * 2016-05-19 2016-07-27 常州市金海基机械制造有限公司 一种角度可调的五金件切割装置

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