JPH1113761A - 静圧磁気複合軸受 - Google Patents

静圧磁気複合軸受

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JPH1113761A
JPH1113761A JP12196698A JP12196698A JPH1113761A JP H1113761 A JPH1113761 A JP H1113761A JP 12196698 A JP12196698 A JP 12196698A JP 12196698 A JP12196698 A JP 12196698A JP H1113761 A JPH1113761 A JP H1113761A
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伸幸 鈴木
Hiroyuki Yamada
裕之 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静圧気体軸受の優れた動剛性および回転精度
と磁気軸受の優れた静剛性とを合わせ持つものとする。
また、絞りの加工性の向上、コンパクト化、発熱防止、
高速回転化等を実現可能とする。 【解決手段】 ロータ4を電磁力で所定の位置に支持す
る磁気軸受と、この磁気軸受のコア13に絞り15を有
する静圧気体軸受とを併設する。コア13にはむく材を
使用する。コア13は、一部をむく材として他の部分は
積層珪素鋼板とし、むく材の部分に絞り15を設けても
良い。ロータ4は、積層珪素鋼板を使用し、その上に1
mm厚以下のセラミックスのコーティングを施しても良
い。また、ロータ4に低熱膨張性で軟磁性体のむく材を
使用し、このむく材の上にセラミックスのコーティング
を施しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、静圧気体軸受と
磁気軸受とを組み合わせた静圧磁気複合軸受に関し、例
えば、高速切削加工機のスピンドル装置等に用いられる
静圧磁気複合軸受に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】磁気軸受
は、大きな軸受ギャップを持つため回転によるトルクロ
スが極めて小さく、積分制御により大きな静剛性を付与
できる特徴がある。図26は、従来のアルミ材用高速ミ
ーリング磁気軸受スピンドル装置を示す縦断面図であ
る。この従来例のスピンドル装置は、タッチダウンベア
リング251、工具252、変位センサ253、ラジア
ル磁気軸受254、スラスト磁気軸受255、モータ2
56、ラジアル磁気軸受257、変位センサ258、お
よび主軸259を有する。この磁気軸受スピンドル装置
は、最高回転数:4万rpm、出力:15kW、最大切
削能力:1250cm3 /minの各性能を有し、上記
用途として大変優れたものである。
【0003】しかし、磁気軸受スピンドル装置は、加工
中に主軸の曲げ固有振動数の影響を受け易く、そのため
非常に複雑な制御系を構成する必要がある。したがっ
て、様々な加工条件への対応が要求される汎用工作機用
スピンドル装置としては適さない。
【0004】一方、非接触の軸受として、磁気軸受のほ
かに静圧気体軸受がある。静圧気体軸受は、回転精度が
極めて高く優れた動的安定性を持っているが、圧縮性を
有するために、静剛性および負荷容量が小さく、汎用工
作機械用としてはほとんど適用例がない。
【0005】そこで、最近、高速加工機用スピンドル装
置として、図27に縦断面図で示すような、静圧気体軸
受と磁気軸受とを組合せた複合軸受スピンドル装置が提
案され、実用化が検討されている。この従来例のスピン
ドル装置は、変位センサ263、ラジアル磁気軸受26
4、スラスト磁気軸受265、モータ266、ラジアル
磁気軸受267、変位センサ268、変位センサ27
0、主軸271、および静圧気体軸受272,273を
有する。
【0006】しかし、同図の複合軸受スピンドル装置で
は、磁気軸受264,267と、静圧気体軸受272,
273とを、軸方向に並べて配置しているため、主軸2
71が長くなり、曲げ固有振動数が低くなるという問題
点がある。また、磁気軸受を単独で適用するスピンドル
装置の場合と全く同じ構造の制御系の構成を採用してい
るために、静圧気体軸受の動的安定性を損ね、むしろ外
乱発生源として作用するという問題点もある。また、こ
のスピンドル装置で高回転精度を得るためには、磁気軸
受用変位センサが高精度であることが要求されるが、通
常、磁気軸受に使用される変位センサは渦電流センサな
どの磁気センサが用いられ、分解能は1μm程度であ
る。一方、高精度変位センサとしては静電容量型変位セ
ンサがあるが、高価で利用は難しい。したがって、静圧
気体軸受,磁気軸受の特長を生かしつつ、欠点を補い合
うという目的は十分に達成されていないのが現状であ
る。
【0007】この発明の目的は、このような課題を解消
し、静圧気体軸受の優れた動剛性および高回転精度と磁
気軸受の優れた静剛性とを併せ持ち、コンパクト化が図
れる静圧磁気複合軸受を提供することである。この発明
の他の目的は、電磁石のコアやロータの材質の選定や組
み合わせにより、絞りの加工性の向上による静圧気体軸
受の高精度化や、コンパクト化、鉄損の軽減による発熱
防止、高速回転化等を実現可能とすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の静圧磁気複合
軸受は、いずれもロータの変位を測定する変位測定手段
を有し、この変位測定手段の測定値に従って電磁力を発
生させる磁気軸受と、この磁気軸受の軸受ステータに絞
りを有する静圧気体軸受とを併設することにより前記ロ
ータを非接触支持するものである。このため、静圧気体
軸受の優れた動剛性および回転精度と磁気軸受の優れた
静剛性という両者の特長を生かした軸受とできる。な
お、静圧気体軸受は、例えば静圧空気軸受とされる。こ
の発明の静圧磁気複合軸受は、ラジアル軸受であって
も、アキシャル軸受であっても良い。ラジアル軸受に適
用した場合は、静圧による支持と磁気による支持とに、
ロータとなる主軸に別の長さ部分を必要とせず、軸方向
に短い複合軸受とでき、主軸長さを短くできる。これに
より、曲げ固有振動数が高められ、より高速回転が可能
となる。また、軸方向に対する磁気軸受の支持中心点と
静圧気体軸受の支持中心点とを略一致させることがで
き、両軸受の制御が容易になる。アキシャル軸受に適用
した場合は、単に静圧気体軸受と磁気軸受とを径方向に
並べて配置する場合に比べて、構成がコンパクトにな
り、ロータの軸受対向面の径を小さくできる。
【0009】このうち請求項1記載の静圧磁気複合軸受
は、磁気軸受の電磁石のコアにむく材を使用したもので
ある。むく材を使用すると、通常使用される積層鋼板で
構成された磁気軸受のコアと比較し、自成絞り等の絞り
が加工し易く、精度の良い静圧気体軸受を構成すること
ができる。
【0010】請求項2記載の静圧磁気複合軸受は、電磁
石のコアにつき、全体をむく材とする代わりに、一部を
むく材で構成し、このむく材の部分に静圧気体軸受の前
記絞りを設け、前記コアのその他の部分を積層珪素鋼板
としたものである。これにより、電磁石のコアで発生す
る鉄損を軽減すると共に、静圧気体軸受の自成絞り等の
絞りを容易に形成することができる。
【0011】請求項3記載の静圧磁気複合軸受は、前記
ロータに積層珪素鋼板を使用し、この積層珪素鋼板の上
に1mm厚以下のセラミックスのコーティング層を施した
ものである。ロータを積層珪素鋼板で構成することで、
高速回転時の鉄損を軽減し、高速回転時のロータの発熱
を抑えることができる。さらに、その外径にセラミック
ス材料をコーティングすることにより、軸受面とロータ
間が接触した場合にも、ロータの損傷を最小限にとどめ
ることができる。コーティング層をセラミックスとする
ことにより、磁気軸受の電磁石からの磁束による鉄損を
発生させることがなく、高速回転に適用できる。さら
に、コーティング層の外周面は、静圧気体軸受のロータ
面、内周面は磁気軸受のロータ面となり、コーティング
層の厚さを調整することで、最適な静圧気体軸受の軸受
隙間と、磁気軸受の軸受隙間とを設定することができ
る。
【0012】請求項4記載の静圧磁気複合軸受は、前記
ロータに、低熱膨張性で軟磁性のむく材を使用し、この
むく材の上に1mm厚以下のセラミックスのコーティング
層を施したものである。ロータを主軸に設ける場合は、
その主軸もロータと同じ材料のむく材とすることが好ま
しい。むく材には、例えばインバー材が使用できる。こ
のように、ロータにむく材を使用することにより、ロー
タの曲げ固有振動数が高めれら、より高速まで回転する
ことが可能となる。さらに、ロータが発熱した場合にも
低熱膨張性によって、軸受隙間の変化が小さく、安定し
た静圧気体軸受性能が確保できる。また、軸方向への膨
張量も少ないために、工作機械用主軸に用いた場合には
加工精度の向上に効果がある。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の第1の実施形態を図1
ないし図3と共に説明する。図1はこの実施形態にかか
る静圧磁気複合軸受を応用したスピンドル装置の縦断面
図を示す。この静圧磁気複合軸受スピンドル装置1は、
工作機械のビルトインモータ形式のスピンドル装置であ
って、スピンドル台となる円筒状のハウジング2内に、
モータ5の前後に配置された一対の静圧磁気複合軸受
3,3と、後端のスラスト磁気軸受10とを介して主軸
4を回転自在に支持したものである。主軸4は、静圧磁
気複合軸受3のロータとなる。モータ5は、主軸4に一
体に設けられたモータ部ロータ6と、ハウジング2に直
接設置されたステータ7とで構成される。ハウジング2
の前後端にはフランジ21A,21Bが形成され、これ
らフランジ21A,21Bの内周面は潤滑性に優れた材
料からなる保護用軸受面22とされている。これによ
り、複合軸受3に異常が生じて主軸4がタッチダウンし
た場合でも、主軸4の焼付きが防止される。スラスト磁
気軸受10は、主軸4に一体に設けた軸受ロータ19
と、ハウジング2に設置され上記軸受ロータ19を軸方
向に前後から挟む一対の軸受ステータ20A,20Bと
からなる。軸受ステータ20A,20Bのコイル電流
は、主軸4の軸方向変位を検出するスラスト変位センサ
24の測定値で制御される。スラスト変位センサ24
は、ハウジング2の後部壁23に設けられている。
【0014】前後の静圧磁気複合軸受3,3は、次のよ
うにラジアル磁気軸受8とラジアル静圧気体軸受9と
を、構成部品に兼用部分が生じるように一体化させたも
のである。静圧気体軸受9には静圧空気軸受が用いられ
ている。なお、後述の各実施形態においても、各静圧気
体軸受には静圧空気軸受を用いている。ラジアル磁気軸
受8は、主軸4の外周に設けられた磁性体の軸受ロータ
11と、ハウジング2に設置された軸受ステータ12と
で構成される。軸受ステータ12は、コア13とコイル
14とコイル覆い材18とでリング状に形成されてい
る。コア13には固有抵抗の大きい軟磁性むく材が使用
される。コア13は、図2に示すようにリング状部分か
ら複数のヨーク部13aを内径側へ互いに放射状に突出
させたものであり、各ヨーク部13aに前記コイル14
が巻かれている。隣合うヨーク部13a,13a間の隙
間は、樹脂モールド、または非磁性金属材料もしくはセ
ラミックス材料からなる溶射による充填、または非磁性
金属材料もしくはセラックス材料からなる隔壁、などか
らなるコア覆い材18によって充填される。コア覆い材
18の内径面は、ヨーク部13aの先端面と共に同一円
筒面に仕上げ加工されている。これらコア覆い材18と
ヨーク部13aとで軸受ステータ12の円筒面状の内径
面を構成している。
【0015】軸受ステータコア13のリング状部の内部
には、全周にわたる給気通路16が形成され、この給気
通路16から各々分岐して、軸受隙間に給気する絞り1
5が各ヨーク部13aの電磁力発生面である先端内径面
に開口して設けられている。給気通路16は、周方向の
1か所または複数箇所に設けた給気口17から、圧力流
体である圧縮空気の供給源(図示せず)に配管等で接続
されており、供給された圧縮空気は、軸受ステータ12
の内径面と主軸4との間に形成される軸受隙間dに噴出
される。これら絞り15と、軸受隙間形成部材を兼用す
る軸受ステータコア13およびコア覆い材18とで、ラ
ジアル静圧気体軸受9が構成される。また、軸受ステー
タコア13は、絞り15および給気通路16の形成部材
を兼用する。この構成により、静圧気体軸受9は、磁気
軸受8の全体の軸方向幅内に配置されることになる。ま
た、磁気軸受8のギャップは、軸受ステータコア13と
主軸4との間の隙間となるので、静圧気体軸受9の軸受
隙間dと、磁気軸受8のギャップとは、互いに主軸4の
軸方向の同じ位置に設けられることになる。図3に示す
ように、絞り15は自成絞りであり、コア13に設けら
れた給気孔15aと軸受隙間dとで構成される。給気孔
15aは、内径が段付きに形成されて、コア13の内面
からなる静圧気体軸受面に開口する部分が微細孔となっ
ており、この微細孔部分は、直径1mm以下とされてい
る。このように、静圧気体軸受の給気形式に自成絞りを
用いた場合、ニューマティックハンマに対する安定性が
向上し、高周波域の軸安定性すなわち動剛性を高めるこ
とができる。絞り15は主軸4の円周方向の少なくとも
3か所に配置することが好ましい。
【0016】なお、この実施形態では、ヨーク部13a
の全体をむく材としたが、図4に示すように、ヨーク部
13aの絞り周囲部13aaのみをむく材で形成し、ヨ
ーク部13aのその他の部分である絞り非近傍部13a
bは、積層珪素鋼板としても良い。いずれの場合も、微
細孔で形成される自成絞り15の部分をむく材で製作す
るため、通常使用される積層鋼板で構成されたコアに加
工する場合に比べて、このような微細孔の形成が容易に
行え、精度良く静圧気体軸受を形成することができる。
また、図4の例のように、絞り周囲部13aa以外に積
層珪素鋼板を用いた場合は、全てむく材とする場合に比
べてコア13で発生する鉄損を軽減できる。
【0017】この静圧磁気複合軸受3は、このように静
圧気体軸受9と磁気軸受8とを組み合わせたものである
ため、静圧気体軸受9の優れた動剛性および回転精度と
磁気軸受8の優れた静剛性という両者の特長を生かした
軸受とできる。しかも、静圧気体軸受9と磁気軸受8と
は、構成部品が兼用されているため、単に静圧気体軸受
と磁気軸受とを軸方向に並べて配置する場合に比べて、
構成がコンパクトになり、主軸4の長さ短縮できる。こ
れにより、曲げ固有振動数が高められ、より高速回転が
可能となる。特に、この実施形態では、磁気軸受8の軸
受ステータコア13およびコア覆い材18が静圧気体軸
受9の軸受隙間形成部材を兼用し、かつ前記軸受ステー
タコア13が絞り15および給気通路16の形成部材を
兼用するため、構成部品が高度に兼用化され、構成のコ
ンパクト化の効果が高い。
【0018】前記静圧磁気複合軸受3の制御系を説明す
る。軸受ステータ12には、コア覆い材18を半径方向
に貫通して軸受隙間dに開口する圧力検出用通気孔26
が、絞り15の近くの周方向4か所に等間隔に設けら
れ、これに連通するセンサ装着孔25に圧力センサ27
A〜27Dが設けられている。これら圧力センサ27A
〜27Dは、互いに直径方向に対向する2つのセンサが
1組となって、主軸4のラジアル変位を検出する差圧式
のエアマイクロセンサとされている。すなわち、互いに
直径方向に対向する圧力センサ27A,27Bが1つの
組を、圧力センサ27C,27Dが他の1つの組をな
し、一方の圧力センサ27A,27Bの組の間では、対
応する通気孔26が開口する静圧気体軸受面での圧力差
を測定し、これを主軸4のY軸方向の変位に換算する。
また、他方の圧力センサ27C,27Dの組の間でも、
対応する通気孔26が開口する静圧気体軸受面での圧力
差を測定し、これを主軸4のX軸方向の変位に換算す
る。
【0019】コントローラ28aおよびアンプ29など
で構成される磁気軸受制御手段28は、Y軸方向および
X軸方向のフィードバック制御系を有しており、Y軸方
向のフィードバック制御系では、上記圧力センサ27
A,27Bにより検出される主軸4のY軸方向への変位
に基づき、磁気軸受8のY軸方向のフィードバック制御
が行われる。すなわち、主軸4の変位に応じて、アンプ
29を経て圧力センサ27A,27Bに対応する位置の
コイル14またはその近隣の幾つかのコイル14に供給
する電流を加減し、主軸4がY軸方向に偏らないように
制御する。すなわち、主軸4が目標位置に一致するよう
に制御する。これと同様に、磁気軸受制御手段28のX
軸方向のフィードバック制御系は、他の圧力センサ27
C,27Dの測定値により、所定のコイル14の電流制
御を行う。このように、磁気軸受8の変位センサとし
て、軸受隙間dの静圧を検出する圧力センサ27A〜2
7Dを用いたエアマイクロセンサ方式を採用するため、
磁気軸受8の制御系のゼロ点(目標値)と静圧気体軸受
9の支持中心点(圧力平衡点)を容易に一致させること
ができ、複雑なセンサ調整が不要となる。また、他の方
式のセンサで問題となるロータセンサターゲット面の磁
気特性むらや真円度誤差は無関係となる。
【0020】磁気軸受制御手段28によるフィードバッ
ク制御は、積分動作または比例積分動作のみとされ、高
周波における補償は行われない。また、圧力センサ27
A,27Bのドリフト等により磁気軸受制御系のゼロ点
と静圧気体軸受9の支持中心点がずれる場合は、積分制
御において僅かな不感帯w(図5)を設けてもよい。不
感帯wは、圧力センサ27A,27Bと磁気軸受制御手
段28との間に図6のように不感帯回路31を設けるこ
とで設定しても、また磁気軸受制御手段28を構成する
制御回路内に不感帯回路を設けることで設定しても良
い。このように不感帯wを設けることにより、温度ドリ
フト等による磁気軸受8の誤動作を抑制することができ
る。すなわち、動剛性(高周波領域)を静圧気体軸受9
で、静剛性(低周波領域)を磁気軸受8でそれぞれ分担
して受け持つ役割分担が確実に行えて、両軸受8,9の
特長が共に生かされ、互いに干渉することを回避でき
る。また、このように、磁気軸受8は積分動作または比
例積分動作という低周波制御系となるため、比較的応答
性の遅い圧力センサ27A〜27Dを変位センサとして
用いることができる。磁気軸受8の性能は、磁気軸受制
御手段28の設定によって設定することができるが、一
般に磁気軸受の場合、高周波域に有効に減衰力を発生さ
せ、主軸を安定して浮上させることが難しいといった問
題がある。そこで、この発明では、磁気軸受8は、その
特長である低周波域での軸受剛性を高める役目だけに利
用するようにしている。
【0021】磁気軸受8のコイル14に電流を供給する
アンプ29には、電流−電磁力を線型化させるための線
型化回路、例えば電流2乗フィードバック回路を有する
ものが用いられる。これにより、バイアス電流を流すこ
となく線形化でき、磁気軸受特有の負の剛性も発生しな
い。すなわち、磁気軸受8で負の剛性が発生するのを回
避でき、その負の剛性により静圧気体軸受9の安定性が
損なわれるのを防止できる。また、主軸4が回転したと
きにそのバイアス電流によって発生する主軸4内の鉄損
を無くすことができ、高速回転が可能となる。磁気軸受
制御手段28には、主軸4の回転数に同期したバンドエ
リミネートフィルタ32(図7)を挿入しても良い。こ
れにより、主軸4の回転時のロータアンバランスによる
振れに対して、磁気軸受8の電磁石からの電磁力は作用
しなくなる。前述したように、磁気軸受制御手段28を
積分動作で構成した場合には高周波域での磁気軸受8の
作用力は主軸4に対して、不安定力として働く。主軸4
の回転時には主軸4の振れは回転同期成分が主成分とな
る。これを選択的に除去することで、主軸4を安定して
回転させることが可能となる。
【0022】なお、この実施形態では、圧力センサ27
A〜27Dで直接に主軸4の変位を検出するようにした
が、圧力センサによる測定値から換算して、主軸4と静
圧気体軸受面との間の隙間の大きさを求め、この隙間の
変化に応じて磁気軸受制御手段28による制御を行うよ
うにしても良い。また、圧力センサを前記のように磁気
軸受8のコア13の内部に配置する代わりに、静圧気体
軸受9の軸受隙間に連通するように中空パイプ(図示せ
ず)を配置し、外部の圧力センサで圧力を測定するよう
にしても良い。軸受サイズが小さく、外部に圧力センサ
を収納するスペースがある場合は、この外部に配置する
構成が好ましい。さらに、図8に示すように、磁気軸受
8の内径部、例えばコア覆い材18等の部分に直接に圧
力センサ27を配置し、主軸4とコア13間の圧力を測
定して主軸4の変位に換算するようにしても良い。
【0023】図9,図10は、他の実施形態にかかる静
圧磁気複合軸受を示す。この例は、ラジアル磁気軸受8
Aの軸受ステータ12のコア13A内に、静圧気体軸受
9Aの軸受隙間dへ給気する絞り15を形成した静圧磁
気複合軸受3Aにおいて、ラジアル磁気軸受8の電磁石
のコア13Aをいわゆる馬蹄形とし、その磁極13A
a,13Aaの対を、主軸4の軸方向に並べて配置した
構造である。各磁極13Aaの同一円周上の極性は同じ
にしてある。この様にすることで、主軸4の回転に伴っ
て主軸4で発生する鉄損を減少させることができる。そ
の他の構成,効果は第1の実施形態と同様である。コア
13Aの個数は、換言すれば電磁石の個数は、円周方向
に3個以上とすることが好ましい。このように、磁気軸
受8Aを構成する電磁石を3個以上有するものとし、各
電磁石のコア13Aの磁極13Aaを回転軸方向に配置
し、同一円周上における各磁極13Aaの極性を一致さ
せることで、主軸4の回転に伴い、磁気軸受8Aの主軸
部で発生するヒステリシス損および渦電流損を軽減でき
る。また、これらの損失による主軸4の発熱が抑制でき
るため、主軸4の熱膨張よる軸受隙間の減少を最小限に
抑え、安定した静圧気体軸受9Aの性能を得ることがで
きる。
【0024】図11〜図13の軸受3Bは、図9,図1
0の例に対して、ラジアル磁気軸受8Aのコア形状を改
良したものである。主軸4の軸方向に配置したコア13
Bのヨーク部13Ba,13Bbのうち、一方のヨーク
部13Ba側を円周方向に隣り合うヨーク部と共通化
し、形状を簡略化させている。このように電磁石を構成
することで、電磁石のヨーク13Bの加工工数を減少で
きて、加工性を向上させることができると共に、主軸4
の回転に伴い発生する磁気軸受主軸部分での鉄損をさら
に軽減することができ、より高速回転に対応できる。
【0025】図14は、第1の実施形態において、軸受
3と対向する主軸4の表面にセラミックスのコーティン
グ層33を施したものである。これにより、タッチダウ
ン時の主軸4および軸受面の焼き付きを防止できる。さ
らに、コーティング層33がセラミックスであるため、
磁気軸受8の動作中で主軸4が回転したときに、その主
軸4の内部での、鉄損の発生を抑制でき、主軸4の高速
回転に対応できる。また、コーティング層33の外周面
は静圧気体軸受9のロータ面、内周面は磁気軸受8のロ
ータ面となり、静圧気体軸受隙間と磁気軸受隙間とが異
なる寸法となるため、コーティング層33の厚さを調整
することで、最適な静圧気体軸受9と磁気軸受8の隙間
を設定できる。このコーティング層33の厚さを1mm厚
以下とすることで磁気軸受隙間d′が広くなることを制
限すれば、コイル14の供給電流を増やすことなく所望
の電磁力を発生させることができる。また、主軸4の磁
気軸受8におけるロータ部に積層珪素鋼板(図示せず)
を使用し、その上にセラミックスコーティング層33を
施しても良い。前記積層珪素鋼板からなるロータ部は、
例えば主軸4の外周に設ける。その場合、積層珪素鋼板
を使用したことで、高速回転時の鉄損を一層軽減し、高
速回転時のロータの発熱を抑えることができる。また主
軸4の材質、またはその外周に前記のように設けるロー
タ部の材質に、低熱膨張軟磁性材たとえばインバー材を
使用し、その外周面上にセラミックスのコーティング層
33を施すことが好ましい。これにより、主軸4ないし
ロータの曲げ固有振動数が高められ、より高速まで回転
することが可能になる。また、インバー材は、低熱膨張
係数を有するため、主軸4に温度上昇があっても、主軸
4の熱膨張による軸受隙間d′の減少量は小さく抑える
ことができ、かつ磁気軸受8に適した磁気特性を持つ。
このため安定した静圧気体軸受性能が確保できる。しか
も、軸方向への膨張量も少ないため、工作機械用のスピ
ンドル装置に応用した場合には、加工精度の向上に効果
がある。さらに、一般にセラミックスは低熱膨張係数を
有することから、例えばフェライト系のステンレス鋼で
製作した主軸4上にセラミックスコーティング層33を
施すと、主軸4の熱膨張係数の差によって、セラミック
スコーティング層33に割れが発生したり、剥がれ生じ
る可能性があるが、インバー材を使用することによりこ
のような問題は解決される。
【0026】なお、前記各静圧磁気複合ラジアル軸受の
実施形態では、軸受ステータコア13に絞り15を設け
たが、絞り15はコア13を避けてコイル覆い材18等
に形成しても良い。また、上記各静圧磁気複合ラジアル
軸受の実施形態では、磁気軸受8と静圧気体軸受9とに
部品を兼用させたが、磁気軸受と静圧気体軸受とは、必
ずしも部品を兼用させなくても良く、磁気軸受の全体の
軸方向幅内に静圧気体軸受を設け、または静圧気体軸受
の全体の軸方向幅内に磁気軸受を設けても良い。あるい
は、静圧気体軸受の軸受隙間dと、磁気軸受の軸および
ステータコア間のギャップとを、互いに軸方向の略同じ
位置に設ければ良い。部品の兼用を行わずに、磁気軸受
と静電軸受との幅に共通部分を持たせる構成は、磁気軸
受を構成する部品と静電軸受を構成する部品の配置を円
周方向に異ならせることなどで実現される。
【0027】図15は、この静圧磁気複合軸受をアキシ
ャル軸受に適用した例を示す。この静圧磁気複合アキシ
ャル軸受装置は、磁性体からなる主軸41の鍔状のスラ
スト支持部である軸受ロータ41aを軸方向両側から2
つの静圧磁気複合アキシャル軸受部42,43で挟んで
構成される。各静圧磁気複合アキシャル軸受42,43
は、電磁石のコア44,45内にコイル46,47を収
納し、このコア44,45内に絞り48を設けたもので
あって、主軸41の外周にリング状に設けられる。絞り
48は自成絞りであり、コア44,45の軸受面に開口
する先端が微細孔となった給気孔48aと、軸受隙間d
1,d2とで構成される。前記のコア44,45とコイ
ル46,47とで、アキシャル磁気軸受49の軸受ステ
ータ52が構成され、コア44,45と絞り48とでア
キシャル静圧気体軸受50が構成される。
【0028】コア44,45とロータ41a間にこの圧
力流体を噴出させることにより、コア44,45とロー
タ41a間に圧力が発生する。また、自成絞り48を設
けたことによって、コア44,45とロータ41a間の
隙間d1,d2の変動によって、圧力および隙間の間隔
が自動的に変化し、自動調芯機能を有する静圧気体軸受
を形成できる。これにより、ロータ41aを安定浮上さ
せることができる。この場合に、コア44,45とロー
タ41a間の隙間d1,d2を0.1mm以下と微小す
ることで、この静圧気体軸受による軸受剛性を高め、静
圧気体軸受単独でも、ロータ41aは安定して浮上する
ことができる。
【0029】この静圧磁気複合軸受には、外部にコア4
4,45とロータ41a間の距離を測定する変位センサ
51を設け、その変位センサ51の測定値に応じてコイ
ル46,47に流す電流をフィードバック制御する磁気
軸受制御手段53を設ける。磁気軸受制御手段53は、
例えばアンプ54を介して電流制御する。これにより、
静圧気体軸受と磁気軸受とを兼用した軸受構成が可能と
なる。この磁気軸受制御手段53は、第1の実施形態等
で説明した磁気軸受制御手段28と同様な機能のものを
用いることができる。
【0030】この実施形態の静圧磁気複合アキシャル軸
受装置において、前記変位センサ51を設ける代わり
に、静圧気体軸受面の圧力を測定し、この圧力によって
静圧気体軸受50における軸受隙間d、すなわち電磁石
のコア45とロータ41a間の隙間d(d1,d2)の
大きさを換算して求めてもよい。この隙間dの大きさの
検出結果により、磁気軸受制御手段53でコイル46,
47の電流を制御する。圧力測定による変位測定の場
合、他の方式のセンサで問題となるロータセンサターゲ
ット面の磁気特性むらによるセンサの誤動作がなく、高
精度なセンシングが可能となる。
【0031】この圧力測定のために、同実施形態におい
て、図16に示すように、電磁石のコア44,45の内
部に圧力センサ55を配置し、直接に静圧気体軸受50
の圧力を測定するようにしても良い。図17に示すよう
に、静圧気体軸受50に直結した形で、中空パイプ56
を設け、外部の圧力センサ57で圧力を測定するように
しても良い。この場合、コア44などの静圧気体軸受5
0の軸受面の構成部材に圧力測定用の微細孔59を設
け、この微細孔59に中空パイプ56を結合する。軸受
サイズが小さく、外部に圧力センサのスペースがある場
合には、外部に圧力センサ57を設けることが有利であ
る。また、圧力測定用に設けた前記微細孔59の直径を
1mm以下と規制することで、静圧気体軸受への影響を少
なくし、またそれに接続するパイプ56の内径(直径)
も1mm以下に規制することで、周波数特性を低下させず
に圧力の測定が可能となる。
【0032】図18は、図16のA−A断面を示した図
である。この例では、センサ圧力測定個所を静圧磁気複
合アキシャル軸受の静圧気体軸受面における同一円周上
の等ピッチ3箇所以上(図18では3箇所の測定点a
1,a2,a3)の圧力を測定し、各測定値から各部の
ロータ41aと電磁石コア44,45間の隙間d1,d
2の値を換算し、その値の平均をとる。これにより、ロ
ータ41aのアキシャル方向位置を正確に測定すること
ができる。前記平均をとる演算は、例えば磁気軸受制御
手段53で行う。
【0033】上記のように3か所で圧力を測定する代わ
りに、図19に示すように、円周上の180°離れた対
向する2個所の測定点b1,b2で行うようにしても良
い。図19は図16のA−A断面に相当する図である。
圧力測定点b1,b2をこのように円周上の180°離
れた2点に設定することで、ロータ41aのピッチング
運動もしくはヨーイング運動に影響されることなく、最
小の圧力センサ個数でロータ41aのアキシャル方向位
置を測定することができる。
【0034】図16の例のようにロータ41aの両側に
対向して静圧磁気複合アキシャル軸受部42,43を設
ける場合、軸受隙間d1,d2の圧力を測定する測定点
は、図20に示すように、各軸受隙間d1,d2につい
て1個所ずつとしても良い。その場合、片方の軸受隙間
d1の測定点c1と、もう片方の軸受隙間d2の測定点
c2とは、投影面で同一円周上の180°離れた2点と
する。また、磁気軸受制御手段53は、両測定点c1,
c2の圧力測定値から求めた軸受隙間d1,d2の差分
を計算して電流制御を行うようにする。これにより、ロ
ータ41aのピッチング運動もしくはヨーイング運動に
影響されることなく、さらにロータ41aに熱膨張があ
った場合にも、最小の圧力センサ個数でロータ41aの
アキシャル方向位置を測定することができる。これら図
18ないし図20と共に説明した方法により、ロータ4
1aのアキシャル方向の変位を正確にかつ低コストで測
定することができる。
【0035】なお、前記各実施形態において示した圧力
センサ、例えば図15,図16の例や、図8の例の圧力
センサ51,55,27は、半導体圧力センサを用いて
も良い。これにより、装置をコンパクトでかつその測定
結果を電気信号で直接外部に取り出すことができる。
【0036】図21はさらに他の実施形態にかかる静圧
磁気複合アキシャル軸受を示す。この例は、主軸41の
ロータ41aの片方のみを支えるアキシャル軸受とした
ものである。すなわち、磁気軸受49のステータコア4
5および静圧気体軸受50の絞り48をロータ41aの
軸方向の片側のみに配置している。この例では、磁気軸
受49によるロータ41aへの作用力Fmは吸引力とし
て働き、一方静圧気体軸受50によるロータ41aへの
作用力Fsは反発力として作用する。よって、静圧気体
軸受50の単独ではロータ軸方向が鉛直方向にあった場
合には、ロータを支持することができない。しかし磁気
軸受49と複合化することにより、軸受の据え付け方向
に依らずロータ41aを支持することができる。このよ
うに、主軸41のスラスト支持部41aの片方のみに磁
気軸受49および静圧気体軸受50を配置し、吸引力と
反発力とを釣り合わせるようにした静圧磁気複合軸受と
することで、軸受構成がより一層コンパクトになる。
【0037】図22は、他の応用例に係る静圧磁気複合
軸受スピンドル装置の縦断面図を示す。この静圧磁気複
合軸受スピンドル装置1は、図1の静圧磁気複合軸受ス
ピンドル装置1において、モータ5と各軸受3,3,1
0の配置関係を変えたものであり、モータ5をハウジン
グ2内の最後部に配置してある。スラスト磁気軸受10
は、前後の静圧磁気複合軸受3,3の間に配置してあ
る。その他の構成は前記実施形態と同じである。図1の
例のモータ配置では、モータ5を高出力とした場合、モ
ータ5のロータ6の肉厚,質量が大きくなって曲げ固有
振動数を低下させることがあるが、図22の実施形態の
ようにモータ5を主軸4の後端部に配置することで、こ
れに対処できる。
【0038】図23はさらに他の応用例を示す。この静
圧磁気複合軸受スピンドル装置1は、図1の静圧磁気複
合軸受スピンドル装置1において、軸受に対する主軸4
のラジアル変位を検出するセンサとして、渦電流式の変
位センサ30を用いたものである。各静圧磁気複合軸受
3に対するセンサ30の設置位置は前後のどちらでも良
いが、図示の例では、前部の静圧磁気複合軸受3に対す
るものは軸受前方とされ、後部の静圧磁気複合軸受3に
対するものは軸受後方とされている。なお、上記渦電流
式変位センサ30に代えて、リラクタンス式変位センサ
や静電容量式変位センサを用いてもよい。その他の構成
は、図1の実施形態と同じである。
【0039】図24は、静圧磁気複合軸受で構成したさ
らに他のスピンドル装置を示す。このスピンドル装置
は、2組の静圧磁気複合ラジアル軸受65,66と、1
組の静圧磁気複合アキシャル軸受67と、主軸68を回
転させるモータ69から構成される。主軸68は静圧磁
気複合アキシャル軸受67で支持される鍔状のロータ4
1aを有する。これら静圧磁気複合ラジアル軸受65,
66および静圧磁気複合アキシャル軸受67には、前記
各実施形態で説明したいずれのものを使用しても良い。
また、同図のスピンドル装置において、2組の静圧磁気
複合ラジアル軸受65,66として、図25に示すよう
に、コイル14の主軸軸方向の両側に自成絞り15を有
する静圧磁気複合ラジアル軸受65A,66Aを用いて
も良い。図25の静圧磁気複合軸受スピンドル装置にお
けるその他の構成は図4に示すスピンドル装置と同じで
ある。なお、これらの例のスピンドル装置において、必
ずしも全ての軸受を静圧磁気複合軸受で構成する必要は
ない。スラスト方向のみの静剛性を高める必要ある場合
は、アキシャル軸受部のみを静圧磁気複合軸受で構成
し、ラジアル方向の軸受支持を静圧気体軸受で構成すれ
ばよい。また、ラジアル方向のみの静剛性を高める必要
のある場合は、スピンドル負荷側の端部に静圧磁気複合
ラジアル軸受65を配置し、他の軸受支持部を静圧気体
軸受で構成してもよい。
【0040】
【発明の効果】この発明の静圧磁気複合軸受およびスピ
ンドル装置は、いずれも静圧気体軸受と磁気軸受とを所
定の関係で組み合わせたものであるため、静圧気体軸受
の優れた動剛性と磁気軸受の優れた静剛性とを併せ持ち
ながら、構成がコンパクトになる。ラジアル軸受に適用
した場合は、主軸長も短縮することができる。また、電
磁石のコアやロータの材質の選定,組み合わせにより、
給気用の絞りの加工性の向上による静圧気体軸受の高精
度化や、コンパクト化、あるいは鉄損の軽減による発熱
防止、高速回転化等が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る静圧磁気複合
軸受を応用したスピンドル装置の縦断面図である。
【図2】その静圧磁気複合ラジアル軸受の横断面図と軸
受制御系のブロック図とを組み合わせて示す説明図であ
る。
【図3】同静圧磁気複合ラジアル軸受の部分拡大図であ
る。
【図4】同静圧磁気複合ラジアル軸受のヨーク部分の変
形例の部分拡大図である。
【図5】同静圧磁気複合ラジアル軸受の電流制御例を示
す説明図である。
【図6】同静圧磁気複合ラジアル軸受の制御系の変形例
を示すブロック図である。
【図7】同静圧磁気複合ラジアル軸受の制御系の他の変
形例を示すブロック図である。
【図8】この発明の他の実施形態にかかる静圧磁気複合
ラジアル軸受の断面図である。
【図9】この発明のさらに他の実施形態にかかる静圧磁
気複合ラジアル軸受の横断面図である。
【図10】その縦断面図である。
【図11】この発明のさらに他の実施形態にかかる静圧
磁気複合ラジアル軸受の縦断面図である。
【図12】図11のXII-XII 線断面図である。
【図13】図11のXII1-XII1 線断面図である。
【図14】この発明のさらに他の実施形態にかかる静圧
磁気複合ラジアル軸受の部分断面図である。
【図15】この発明のさらに他の実施形態にかかる静圧
磁気複合アキシャル軸受の部分断面図と軸受制御系のブ
ロック図とを組み合わせて示す説明図である。
【図16】この発明のさらに他の実施形態にかかる静圧
磁気複合アキシャル軸受の部分断面図と軸受制御系のブ
ロック図とを組み合わせて示す説明図である。
【図17】この発明のさらに他の実施形態にかかる静圧
磁気複合ラジアル軸受の部分断面図である。
【図18】その測定点の説明図である。
【図19】その測定点の他の例の説明図である。
【図20】(A),(B)は各々測定点の他の例の説明
図である。
【図21】この発明のさらに他の実施形態にかかる静圧
磁気複合ラジアル軸受の部分断面図である。
【図22】この発明の他の応用例に係る静圧磁気複合軸
受スピンドル装置の縦断面図である。
【図23】この発明のさらに他の応用例に係る静圧磁気
複合軸受スピンドル装置の縦断面図である。
【図24】この発明のさらに他の応用例に係る静圧磁気
複合軸受スピンドル装置の縦断面図である。
【図25】この発明のさらに他の応用例に係る静圧磁気
複合軸受スピンドル装置の縦断面図である。
【図26】従来例の縦断面図である。
【図27】他の従来例の縦断面図である。
【符号の説明】
1…静圧磁気複合軸受スピンドル装置 2…ハウジング 3…静圧磁気複合軸受 4…主軸(ロータ) 8…ラジアル磁気軸受 9…ラジアル静圧気体軸受 10…スラスト磁気軸受 12…軸受ステータ 13…ステータコア 14…コイル 15…絞り 15a…給気孔 27A〜27D…圧力センサ(変位検出手段) 28…磁気軸受制御手段 33…コーティング層 41…主軸(ロータ) 41a…ロータ 44,45…ステータコア 46…コイル 48…絞り 49…磁気軸受 50…静圧気体軸受 53…磁気軸受制御手段 51…変位センサ 52…軸受ステータ 55…圧力センサ d…軸受隙間

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータの変位を測定する変位測定手段を
    有し、この変位測定手段の測定値に従って電磁力を発生
    させる磁気軸受と、この磁気軸受の軸受ステータに絞り
    を有する静圧気体軸受とを併設することにより前記ロー
    タを非接触支持し、磁気軸受の電磁石のコアにむく材を
    使用した静圧磁気複合軸受。
  2. 【請求項2】 ロータの変位を測定する変位測定手段を
    有し、この変位測定手段の測定値に従って電磁力を発生
    させる磁気軸受と、この磁気軸受の軸受ステータに絞り
    を有する静圧気体軸受とを併設することにより前記ロー
    タを非接触支持し、前記電磁石のコアの一部をむく材で
    構成し、このむく材の部分に静圧気体軸受の絞りを設
    け、前記コアのその他の部分を積層珪素鋼板とした静圧
    磁気複合軸受。
  3. 【請求項3】 ロータの変位を測定する変位測定手段を
    有し、この変位測定手段の測定値に従って電磁力を発生
    させる磁気軸受と、この磁気軸受の軸受ステータに絞り
    を有する静圧気体軸受とを併設することにより前記ロー
    タを非接触支持し、前記ロータに積層珪素鋼板を使用
    し、この積層珪素鋼板の上に1mm厚以下のセラミックス
    のコーティング層を施した静圧磁気複合軸受。
  4. 【請求項4】 ロータの変位を測定する変位測定手段を
    有し、この変位測定手段の測定値に従って電磁力を発生
    させ磁気軸受と、この磁気軸受の軸受ステータに絞りを
    有する静圧気体軸受とを併設併設することにより前記ロ
    ータを非接触支持し、前記ロータに低熱膨張性で軟磁性
    のむく材を使用し、このむく材の上に1mm厚以下のセラ
    ミックスのコーティング層を施した静圧磁気複合軸受。
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