JP2003127025A - 歯車形削り加工方法及び歯車形削り加工装置とその工具ホルダ - Google Patents

歯車形削り加工方法及び歯車形削り加工装置とその工具ホルダ

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JP2003127025A
JP2003127025A JP2001326648A JP2001326648A JP2003127025A JP 2003127025 A JP2003127025 A JP 2003127025A JP 2001326648 A JP2001326648 A JP 2001326648A JP 2001326648 A JP2001326648 A JP 2001326648A JP 2003127025 A JP2003127025 A JP 2003127025A
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pinion cutter
work
rotation
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Masahiro Tatsuo
正博 辰尾
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Komatsu Machinery Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度の歯車形削り加工を可能とする。 【解決手段】 工具を着脱自在に装着し、かつZ軸方向
に移動可能とし、ワーク(23)を搭載したワークテーブル
(4)をZ軸に平行なC軸回りに回転角度制御可能とする
と共に、工具とワーク(23)とを相対的に、Z軸に直交す
る平面上を移動可能とする工作機械を用い、ワークテー
ブル(4)の回転軸上にワーク(23)を固定し、ピニオンカ
ッター(42)をZ軸回りの回転を固定して取付け、ワーク
(23)とピニオンカッター(42)との相対的な円弧補間運動
による公転運動と、ワークテーブル(4)の回転とを所定
の公比で同期運転させると同時に、この同期運転と同期
してピニオンカッター(42)をZ軸方向に往復運動させ
て、歯車形削り加工を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピニオンカッター
により歯車を形削り加工する場合の加工方法およびその
加工装置とその工具ホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりNC旋盤やマシニングセンター
の加工自由度を向上し、ピニオンカッターによる歯車形
削り加工を行うことが試みられており、例えば特開20
00−190126号公報および特開2000−190
127号公報に開示された歯車形削り加工方法が知られ
ている。
【0003】特開2000−190126号公報に開示
された歯車形削り加工方法を説明すると、まず複合NC
旋盤の主軸台の回転角度制御可能な主軸の先端にチャッ
クを嵌着し、このチャックに被加工物を固定する。また
Z軸およびX軸方向に移動位置決め可能な刃物台の刃物
台タレットの回転工具取付軸に歯切り用のピニオンカッ
ターを装着する。次に、回転工具取付軸が駆動されるサ
ーボモータと、主軸を駆動する主軸モータとがNC旋盤
により一定の公比で同期回転制御される。そして、主軸
に取付けた被加工物を一定の公比で同期回転させなが
ら、同時にピニオンカッターを装着した回転工具取付軸
をそのZ軸方向に往復運動をさせることにより、歯車形
削り加工を行っている。
【0004】特開2000−190127号公報に開示
された歯車形削り加工方法を説明すると、マシニングセ
ンターの、Y軸方向に移動可能なYテーブルの上にX軸
方向に移動可能なXテーブルを設け、Xテーブルの上に
は被加工物を固定する。また、コラムにはZ軸方向に移
動可能なZ軸スライダを設け、このZ軸スライダに主軸
ヘッドを設け、主軸ヘッドにはZ軸と同一方向の軸線回
りすなわちC軸回りに回転可能な主軸を設ける。この主
軸に歯切り用のピニオンカッターを装着し、主軸の被加
工物に対する相対的な円弧補間運動と主軸の回転数とを
一定の公比で同期回転させながら、同時に主軸をZ軸方
向に前後の往復運動をさせて、歯車形削り加工を行って
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開2000−190126号公報および特開2000−
190127号公報に開示された歯車形削り加工方法に
おいては、以下のような問題が残されている。従来の加
工方法においては、ピニオンカッターを自転させて加工
することを前提としており、ピニオンカッター(回転工
具取付軸)と被加工物とを一定の公比で同期回転させ
る、またはピニオンカッター(主軸)の被加工物に対す
る相対的な円弧補間運動とピニオンカッター(主軸)の
回転数とを一定の公比で同期回転させるようにしてい
る。このため、歯車形削り切削の際、ピニオンカッター
を装着する工具軸(回転工具取付軸または主軸)には切
削反力が作用し、この反力のうち送り分力により工具軸
がねじられる。さらに、ピニオンカッターは歯車形削り
工程の各段階で上記同期回転と同時にZ軸方向に往復運
動をして切削しているが、途中の各段階において切削代
が異なるため上記切削反力が異なり、このためその都度
工具軸のねじれ角が異なる。これらの結果、ねじり剛性
の低い「回転工具取付軸+回転駆動部」を有するNC旋
盤や、「工具軸(主軸)+主軸駆動部」を有する工作機
械により歯車を加工する場合、高精度の歯形の歯車形削
り加工が困難になる。特に、生産合理化のために複合工
作機械例えばターニングセンタでピニオンカッターを用
いて歯切加工を行おうとする試みがなされているが、タ
ーニングセンタは工具軸(主軸)が長く、そのねじり剛性
が低いため、工具軸のねじりに起因する歯形の精度低下
の問題が顕著に生じている。
【0006】歯車形削り切削開始の際、工具軸に切削反
力の送り分力が急激に作用するので、工具軸が大きくね
じられる。高精度の歯形が要求される歯車の加工を行う
には、このようなねじりトルクに打ち勝ってピニオンカ
ッターの回転数を常時一定に保持する必要がある。この
ため、負荷変動に抗して回転変動を少なくする手段、例
えば、モータ回転数の瞬時一定制御、大きな出力トルク
を有する大型モータの採用、減速比の大きい減速機構の
追加、この減速機構追加に伴うバックラッシュ除去機構
の追加等が必要となり、これにより構造が複雑でコスト
高を招く。工具軸方向(Z軸方向)に直交する1軸の制
御軸しか有していないターニングセンタやNC旋盤で歯
切り加工する場合、直交する2軸方向に駆動制御してピ
ニオンカッターを任意の座標位置に制御できないため、
歯車形削り切削時のピニオンカッターの歯先振れを補正
して歯切りできないので、ピニオンカッターのシビアー
な歯先振れ管理が必要となる。また、直交する2軸の駆
動制御により任意の座標位置に軸制御可能なマシニング
センターの場合、ピニオンカッターの歯先振れを補正し
て歯切りすることは可能であるが、ピニオンカッターは
自転しているため、その補正のための制御が非常に複雑
になる。したがって、両者とも高精度の歯車の形削り加
工を行うことは困難である。
【0007】本発明は、上記の問題点に着目してなされ
たものであり、高精度な歯形の歯車形削り加工ができ、
歯先振れ補正の制御が容易で、しかも構造が簡単で安い
コストでできる歯車形削り加工方法および歯車形削り加
工装置とその工具ホルダを提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、第1発明は、歯車形削り加工方法
において、工具を着脱自在に装着し、かつZ軸方向に移
動可能とし、ワークを搭載したワークテーブルをZ軸に
平行なC軸回りに回転角度制御可能とすると共に、工具
とワークとを相対的に、Z軸に直交する平面上を移動可
能とする工作機械を用い、前記ワークテーブルの回転軸
上にワークを固定し、歯切り用のピニオンカッターをZ
軸回りの回転を固定して取付け、前記ワークとピニオン
カッターとの相対的な円弧補間運動による公転運動と、
前記ワークテーブルの回転とを所定の公比で同期運転さ
せると同時に、この同期運転と同期して前記ピニオンカ
ッターをZ軸方向に往復運動させることにより、歯車形
削り加工を行う方法としている。
【0009】第1発明によると、ピニオンカッターをZ
軸回りの回転を固定して取付け、ワークとピニオンカッ
ターとの相対的な円弧補間運動による公転運動と、ワー
クテーブルの回転(ワークの自転)とを所定の公比で同
期運転させると同時に、これと同期してピニオンカッタ
ーをZ軸方向に往復運動させることにより、歯車形削り
加工することができる。このとき、ピニオンカッターを
Z軸回りの回転を固定して取付けているので、ピニオン
カッターのねじり剛性が高くなり、歯切り時のピニオン
カッターのねじり変形を低減することができると共に、
ピニオンカッターの歯先振れの補正制御が容易となり、
高精度な歯形の形削り加工ができる。
【0010】第2発明は、歯車形削り加工方法におい
て、工具を着脱自在に装着し、かつZ軸方向に移動可能
とし、ワークを搭載したワークテーブルをZ軸に平行な
C軸回りに回転角度制御可能とすると共に、工具とワー
クとを相対的に、Z軸に直交する平面上を移動可能とす
る工作機械を用い、前記ワークテーブルの回転軸上にワ
ークを固定し、歯切り用のピニオンカッターをZ軸回り
の回転を固定して取付け、前記ワークとピニオンカッタ
ーとの相対的な円弧補間運動による公転運動と、前記ワ
ークテーブルの回転とを所定の公比で同期運転させると
同時に、この同期運転と同期して前記ピニオンカッター
をZ軸方向に往復運動させることにより、歯車形削り加
工を行う工程と、旋削工具をZ軸線回りの回転を固定し
て取付け、回転軸上にワークを取付けた前記ワークテー
ブルを回転させ、前記旋削工具をZ軸方向に移動させる
ことによりワークの旋削加工を行う工程とを、同一機械
で選択的に採用する方法としている。
【0011】第2発明によると、上記第1発明の如くピ
ニオンカッターをZ軸回りに固定して取付け、ワークお
よびピニオンカッターの相対的な円弧補間運動による公
転運動とワークの自転とを所定の公比で同期運転させな
がら歯車形削り加工する工程と、旋削工具をZ軸回りに
固定して取付け、ワークを回転させながら旋削加工する
工程とを設け、同一機械で両工程を選択的に採用する方
法とした。このため、歯切り時のピニオンカッターのね
じり変形を低減できると共に、ピニオンカッターの歯先
振れの補正制御が容易となり、高精度な歯形の歯車の加
工ができる。また、素材から歯車ブランクを旋削加工
し、次に歯車形削り加工をすることにより、1台の機械
で歯形精度の高い歯車の素材加工から形削りまでの一貫
生産が可能となり、生産性を大幅に向上できる。
【0012】第3発明は、歯車形削り加工装置におい
て、歯切り用のピニオンカッターを着脱自在に取り付け
る装着部を有し、かつZ軸方向に移動自在とした主軸ヘ
ッドと、ワークを搭載して、Z軸に平行なC軸回りに回
転角度制御可能としたワークテーブルと、前記ピニオン
カッターおよびワークをZ軸に直交するXY平面上で相
対的に公転させるために、前記主軸ヘッド側またはワー
クテーブル側に設けられたX軸移動手段およびY軸移動
手段、あるいは、主軸ヘッド側およびワークテーブル側
のいずれか一側に設けられたX軸移動手段ならびに他側
に設けられたY軸移動手段と、前記ピニオンカッター
を、主軸ヘッドに対してその軸線回りの回転を固定し把
持する工具固定把持手段とを備えた構成としている。
【0013】第3発明によると、X軸移動手段およびY
軸移動手段を同時制御してピニオンカッターとワークを
相対的に円弧補間運動させることにより、相対的に公転
させることができ、この公転とワークの自転とを同期運
転すると同時に、ピニオンカッターを装着した主軸ヘッ
ドをZ軸方向に往復運動させることにより、歯車の形削
り加工が可能である。その際、ピニオンカッターは工具
固定把持手段により主軸ヘッドにその軸線回りに固定し
て取付けられているため、ねじり剛性が大きくなる。し
たがって、切削反力を受けてもピニオンカッターのねじ
れ変形を小さくでき、また形削りの各段階での切削代の
変動を受け難いので、歯車の歯形精度を向上できる。ま
た、ピニオンカッターは自転させることなく、ピニオン
カッターおよびワークの相対的な公転とワークの自転と
を同期運転させるだけなので、歯切り時のピニオンカッ
ターの歯先振れの補正制御が容易となり、歯形精度の高
い歯車の加工が可能となる。さらに、例えばマシニング
センターで歯切り加工する場合、主軸駆動部は歯切り時
には使用しないため、高精度歯形の歯車加工のための主
軸駆動部の改良は不要となり、またテーブル回転駆動
は、通常のマシニングセンターに装着されているバック
ラッシュ除去機構付きの駆動機構をそのまま使用できる
ため、本加工装置の汎用性が高くなり、コストを低減で
きる。
【0014】第4発明は、第3発明において、前記工具
固定把持手段は、工具を着脱可能とし、かつ、前記主軸
ヘッドに装着したときに主軸ヘッドに当接させる当接
面、および主軸ヘッドに係合する第1回り止め部を設け
た工具ホルダと、この工具ホルダに対向して前記主軸ヘ
ッドに設けられた、工具ホルダが当接される当接面、お
よび工具ホルダの第1回り止め部に係合する第2回り止
め部とを備えた構成としている。
【0015】第4発明によると、工具固定把持手段は、
工具ホルダに設けた主軸ヘッドとの当接面および第1回
り止め部と、主軸ヘッドに設けた工具ホルダとの当接面
および前記第1回り止め部に係合する第2回り止め部と
を備えている。このため、工具ホルダの主軸ヘッドへの
固定把持部から工具ホルダに取付けられた工具刃部まで
の距離が短くなり、ねじり剛性を大幅に増大することが
できる。したがって、切削反力を受けても工具ホルダお
よびピニオンカッターのねじれを小さくでき、また切削
代の変動を受け難いので、高精度な歯形の形削り加工が
できる。
【0016】第5発明は、第3発明において、前記工具
固定把持手段は、主軸ヘッドに回転可能に支承されて回
転工具を回転させる主軸に着脱自在に装着される工具ホ
ルダの、前記主軸および主軸ヘッドに対するその軸線回
りの回転を固定する回転係止手段を備えた構成としてい
る。
【0017】第5発明によると、工具固定把持手段は、
主軸ヘッドに回転可能に支承されて回転工具を回転させ
る主軸に工具ホルダを装着したときに、主軸および主軸
ヘッドに対して工具ホルダの軸線回りの回転を固定する
回転係止手段を備えている。したがって、ピニオンカッ
ターを取り付けた工具ホルダを主軸に装着し、この工具
ホルダを主軸および主軸ヘッドに対して軸線回りに固定
することができるため、ピニオンカッターのねじり剛性
を増大できるとともに、本発明の歯車形削り加工装置の
汎用性を高めることができる。
【0018】第6発明は、歯車形削り加工装置におい
て、歯切り用のピニオンカッターを着脱自在に取り付け
る装着部を有し、かつZ軸方向に移動自在とした主軸ヘ
ッドと、ワークを搭載して、Z軸に平行なC軸回りに回
転角度制御可能としたワークテーブルと、前記ピニオン
カッターおよびワークをZ軸に直交するXY平面上で相
対的に公転させるために、前記主軸ヘッド側またはワー
クテーブル側に設けられたX軸移動手段およびY軸移動
手段、あるいは、主軸ヘッド側およびワークテーブル側
のいずれか一側に設けられたX軸移動手段ならびに他側
に設けられたY軸移動手段と、前記ピニオンカッター
を、主軸ヘッドに対してその軸線回りの回転を固定し把
持する工具固定把持手段とを備えると共に、前記主軸ヘ
ッドに旋削工具を取付可能とした構成としている。
【0019】第6発明によると、X軸移動手段およびY
軸移動手段を同時制御してピニオンカッターとワークを
相対的に円弧補間運動させることにより、相対的に公転
させることができ、この公転とワークの自転とを同期運
転すると同時に、ピニオンカッターを装着した主軸ヘッ
ドをZ軸方向に往復運動させることにより、歯車の形削
り加工が可能である。その際、ピニオンカッターは工具
固定把持手段により主軸ヘッドにその軸線回りに固定し
て取付けられているため、ねじり剛性が大きくなる。し
たがって、切削反力を受けてもピニオンカッターのねじ
れ変形を小さくでき、また形削りの各段階での切削代の
変動を受け難いので、歯車の歯形精度を向上できる。ま
た、ピニオンカッターは自転させていないので、歯先振
れ補正の制御が容易である。さらに、主軸ヘッドに旋削
工具を取付可能としたため、素材を加工して歯車ブラン
クを製作できるので、1台の機械で素材加工から高精度
の歯形形削り加工までを一貫して行うことができ、ワー
クを工程毎に着脱したり工程間で搬送したりする必要が
ないから、生産性を大幅に向上できる。
【0020】第7発明は、第3または第6発明の歯車形
削り加工装置に用いられる歯切り用のピニオンカッター
を着脱可能とし、前記工具固定把持手段を備えたことを
特徴とする工具ホルダである。
【0021】第7発明によると、この工具ホルダは、ピ
ニオンカッターを着脱可能とし、かつ、装着した該ピニ
オンカッターを主軸ヘッドに対して軸線回りの回転を固
定して把持する工具固定把持手段を備えているため、本
発明に係る上記歯車形削り加工装置に用いることによ
り、上述したように高精度な歯形の歯車を加工できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る実施形態に
ついて、図面を参照して説明する。
【0023】先ず、本発明の基本技術思想である歯車形
削り加工方法について説明する。すなわち、Z軸線回り
の回転を固定したピニオンカッター42をZ軸方向に移
動可能とし、被加工物(以後ワークと言う)23をワー
ク軸(C)を中心として回転(自転)可能とし、さらに
ピニオンカッター42とワーク23とをZ軸に対して直
交する2軸(X軸およびY軸)によって相対的に円弧補
間位置制御をして、歯車を形削り加工するものである。
【0024】図1は、ワーク23の回転中心C位置を固
定し、ピニオンカッター42を円弧補間運動によりワー
ク23の外側を公転させる場合の、外歯歯車の歯車形削
り加工方法の説明図である。なお、回転方向は、時計回
りを+、反時計回りを−とし、X軸移動は右向きを+、
左向きを−、Y軸移動は上向きを+、下向きを−とし、
ピニオンカッター42の歯数をZ1、ワーク23側の歯
数をZ2とする。いま、ピニオンカッター42を図示の
実線の位置から上向きにY、左向きに−X移動させ、ワ
ーク23の回転中心Cの回りに−αだけ公転させて図示
の2点鎖線の位置に移動させる。この状態では、ピニオ
ンカッター42はワーク23に対してαだけ自転したこ
とになる。ワーク23の噛み合いピッチ円とピニオンカ
ッター42の噛み合いピッチ円とが互いに滑ることなく
転がり接触するためには、ワーク23はピニオンカッタ
ー42に対して相対的に−θだけC軸回りに自転しなけ
ればならない。この場合、図示の円弧Aと円弧Bとの円
弧長さは等しいものとする。したがって、ピニオンカッ
ター42が−αだけ公転した場合には、ワーク23はC
軸回りに−β=−(α+θ)だけ自転させる必要があ
る。このα、βをθの関数として表すと、それぞれ−α
=−θ×Z2/Z1、−β=−θ{(Z2/Z1)+
1}となる。したがって、ピニオンカッター42の公転
角度αと、ワーク23のC軸回りの自転角度、すなわち
ワークテーブル(後述)の回転角度βとを、上記の値の
比を公比として同期運転させながら、ピニオンカッター
42をZ軸方向に往復運動させることにより外歯歯車の
歯車形削り加工が行われる。
【0025】図2は、ピニオンカッター42の位置を固
定し、ワーク23を円弧補間運動によりピニオンカッタ
ー42の外側を公転させる場合の、外歯歯車の歯車形削
り加工方法の説明図である。それぞれの回転角度の関係
は図1のものと同一なので、ここでの説明は省略する。
【0026】図3は、ワーク23の回転中心C位置を固
定し、ピニオンカッター42を円弧補間運動によりワー
ク23の内側を公転させる場合の、内歯歯車の歯車形削
り加工方法の説明図である。なお、それぞれの回転方
向、X軸とY軸の移動向きの関係は図1の説明と同様と
する。いま、ピニオンカッター42を図示の実線の位置
から上向きにY、左向きに−X移動させ、回転中心Cの
回りに−αだけ公転させて図示の2点鎖線の位置に移動
させる。この状態では、ピニオンカッター42はワーク
23に対してαだけ自転したことになる。ワーク23の
噛み合いピッチ円とピニオンカッター42の噛み合いピ
ッチ円とが互いに滑ることなく転がり接触するために
は、ワーク23はピニオンカッター42に対して相対的
にθだけC軸回りに自転していなければならない。した
がって、このときワーク23は−β=−(α−θ)だけ
自転させる必要がある。このα、βをθの関数として表
すと、−α=−θ×Z2/Z1、−β=−θ{(Z2/
Z1)−1}となる。したがって、ピニオンカッター4
2の公転角度αと、ワーク23のC軸回りの自転角度、
すなわちワークテーブルの回転角度βとを、上記の値の
比を公比として同期運転させながら、ピニオンカッター
42をZ軸方向に往復運動させることにより内歯歯車の
歯車形削り加工を行う。
【0027】図4は、ピニオンカッター42の位置を固
定し、ワーク23を円弧補間運動によりピニオンカッタ
ー42の外側を公転させる場合の、内歯歯車の歯車形削
り加工方法の説明図である。それぞれの回転角度の関係
は図3のものと同一なので、ここでの説明は省略する。
【0028】次に、上述した歯車形削り加工方法を実施
するための歯車形削り加工装置の構成について説明す
る。図5は、歯車形削り加工装置の1例である大型ボー
リング・ターニング・ミーリングマシーン1(以下、大
型BTMと呼ぶ)の概略構成を示す斜視図である。図5
において、基台2にはY軸方向に移動可能なYテーブル
3が設けられ、エンコーダ(Y)15を有してYテーブ
ル3をY軸方向に駆動するY軸モータ14が配設されて
いる。Yテーブル3とY軸モータ14はY軸移動手段1
3を構成している。また、Yテーブル3にはワーク23
を取付けるワークテーブル4がC軸回りに回転自在に搭
載されており、ワークテーブル4はエンコーダ(C)1
7を有するC軸モータ16で回転駆動されている。ま
た、基台2に固設されたコラム5にはX軸方向に移動可
能なXテーブル6が設けられ、このXテーブル6をX軸
方向に駆動する、エンコーダ(X)12を有するX軸モ
ータ11と前記Xテーブル6とでX軸移動手段10を構
成している。Xテーブル6にはZ軸方向に移動可能な主
軸ヘッド7が設けられており、主軸ヘッド7はエンコー
ダ(Z)19を有するZ軸モータ18で駆動される。さ
らに主軸ヘッド7には、下端部にピニオンカッター42
を取付けた主軸8が回転自在に内臓されており、主軸8
はエンコーダ(主軸)21を有する主軸モータ20で駆
動される。なお、主軸8はラムに取付ける場合もある
が、本実施形態では主軸ヘッド7に取付ける例で説明す
る。制御装置22は上記の各モータおよび各エンコーダ
と接続しており、各エンコーダから対応したそれぞれの
モータの回転角度信号を入力し、この回転角度信号に基
づいて所定の演算をして各モータの制御指令を求め、各
モータにこの制御信号を出力して作動制御を行い、前述
の歯車形削り加工を行うようになっている。
【0029】次に、第1実施形態のピニオンカッターの
取付構造について説明する。図6は主軸8に回転工具3
3を取付けた状態を示す断面図である。図6において、
主軸8は主軸ヘッド7に軸受9を介して回転可能に支承
されており、主軸8の上端部は前記主軸モータ20(図
5参照)に連結している。主軸8の下端部にはテーパ穴
31およびキー溝32が設けられている。テーパ穴31
には、回転によりワーク23を加工する回転工具33を
把持する回転工具ホルダ34の基端部に設けられたテー
パ部35が嵌入され、それぞれのテーパ当接面31a,
35aは当接している。回転工具ホルダ34に固設され
たキー36は、前記キー溝32に係合して回り止めして
いる。回転工具ホルダ34の先端部には回転刃具37が
取付けられており、また基端部にはプルスタッド38が
設けられ、主軸8に内蔵した図示しないコレットチャッ
クによりプルスタッド38が把持されて回転工具33の
主軸8へのテーパ嵌合を確実に保持するようにしてい
る。主軸ヘッド7の端面である当接面7aには、キー溝
からなる第2回り止め部39が設けられている。
【0030】図7は、前記主軸8に歯切り用のピニオン
カッター工具40を取付けた状態を示す断面図である。
ここでは、図6のものと同一部材には同一符号を付して
説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。図7
において、ピニオンカッター工具40は、ピニオンカッ
ター42と、それを着脱可能に取付けるためのピニオン
工具ホルダ41とを備えている。ピニオン工具ホルダ4
1に設けられたテーパ部35の基端部には、フランジ部
43と、キーからなる第1回り止め部45とが固設され
ている。ピニオン工具ホルダ41のテーパ部35を前記
主軸8のテーパ穴31に嵌入すると、上記フランジ部4
3の当接面44は主軸ヘッド7の当接面7aに当接す
る。同時に、前記第1回り止め部45(ここではキー)
は第2回り止め部39(ここではキー溝)に係合してピ
ニオンカッター工具40を主軸ヘッド7に対して回り止
めする。上記のテーパ穴31、キー溝32、第2回り止
め部39、ピニオン工具ホルダ41のテーパ部35、プ
ルスタッド38、キー36、フランジ部43および第1
回り止め部45は工具固定把持手段30を構成してい
る。また、キー溝32とキー36、および第1回り止め
部45と第2回り止め部39は回転係止手段46を構成
している。
【0031】図8は主軸8に旋削工具50を取付けた状
態を示す断面図である。ここで図7のものと同一部材に
は同一符号を付して説明を省略し、以下では異なる部分
についてのみ説明する。図8において、旋削工具50は
旋削工具ホルダ51と旋削刃具52とを備えており、旋
削工具ホルダ51は前記ピニオン工具ホルダ41と同様
に、フランジ部43および第1回り止め部45を備えて
いる。
【0032】次に、図9により本実施例の大型BTM1
を用いて外歯歯車を形削り加工する方法を説明する。先
ず、主軸8に旋削工具50をZ軸回りの回転を固定して
取付け、ワークテーブル4にワーク23を取付けてC軸
回りに回転させ、主軸ヘッド7をZ軸方向に往復運動さ
せて歯車ブランクを加工する。次に、主軸8にピニオン
カッター工具40を付け替え、Z軸回りの回転を固定す
る。そして、制御装置22により各モータの回転角度を
制御し、図9に示すように、ピニオンカッター42をX
軸方向に移動させ、かつワーク23をY軸方向に移動さ
せて両者を相対的に円弧補間運動させ、ピニオンカッタ
ー42の回りにワーク23を自転させながら公転させ
る。このとき、ワーク23の自転とピニオンカッター4
2の回りの公転とを前述の公比で同期運転させる。そし
て、この同期運転に同期してピニオンカッター42をZ
軸方向に往復運動させ、外歯歯車の形削り加工を行う。
【0033】図10は、上記大型BTM1を用いて内歯
歯車を形削り加工する方法の説明図である。この場合も
図9で示した外歯歯車の加工方法と同様に、ピニオンカ
ッター42をX軸方向に移動させ、ワーク23をY軸方
向に移動させて両者を相対的に円弧補間運動させ、ピニ
オンカッター42の回りにワーク23を自転させながら
公転させる。このとき、ワーク23の自転とピニオンカ
ッター42の回りの公転とを前述の公比で同期運転させ
る。
【0034】本実施形態の歯車形削り加工方法および歯
車形削り加工装置とその工具ホルダは上記のような方法
ならびに構成としたため、以下のような効果が得られ
る。ピニオンカッター42は主軸ヘッド7に対してZ軸
回りに固定されており、かつ図7に示す第1、第2回り
止め部45,39からピニオンカッター42の歯先まで
の距離Lが短いため、工具軸(ここではピニオンカッタ
ー42)のねじり剛性が高くなり、ねじりによる変形が
少ない。また、ピニオンカッター工具40にフランジ部
43を設け、その当接面44を主軸ヘッド7の当接面7
aに当接させるようにしたため、ピニオンカッター42
のZ軸に垂直な面上に力が加わっても、ピニオンカッタ
ー42のZ軸方向振れを最小限にできる。したがって、
高精度の歯形の歯車を加工することができる。旋削工具
50はフランジ部43および第1回り止め部45を備え
ているため、大重量の旋削工具50を使用する場合に小
型のテーパ部35に装着しても大きな荷重を上記フラン
ジ部43および第1回り止め部45によって支持できる
ので、加工装置を小型化でき、コストを低減できる。主
軸ヘッド7に回転工具33、旋削工具50およびピニオ
ンカッター工具40を付け替えることを可能としたた
め、1台の機械で素材から歯車ブランクを加工し、続い
て高精度歯車を加工できるので、生産性と製品精度とを
向上できる。マシニングセンターで歯切り加工をする場
合、主軸駆動部は歯切り時には使用しないため、高精度
歯形の歯車加工のための主軸駆動部の構造および制御プ
ログラムなどの高性能化改良は不要となる。また、テー
ブル回転駆動部は、通常のマシニングセンターに装着さ
れているバックラッシュ除去機構付きの駆動機構をその
まま使用できる。このため、汎用性の高い部品を使用で
き、コストを低減できる。ワークテーブル4上のワーク
23のピニオンカッター42に対する相対的な円弧補間
運動は、直交する2軸の同期駆動制御により任意の座標
位置に軸制御して行い、かつピニオンカッター42を自
転させないため、歯切り時のピニオンカッター42の歯
先振れの要因数が少なく、よって歯先振れ補正が非常に
容易となる。
【0035】次に、図11に基づき歯車形削り加工装置
の第2実施形態を説明する。図11は、本実施形態に係
る小型BTMの斜視図である。図11において、小型B
TM24の基台2には、C軸回りに回転自在なワークテ
ーブル4を有するXテーブル6が、X軸方向に移動自在
に搭載されている。基台2に固設されたコラム5にはY
テーブル3がY軸方向に移動自在に設けられ、Yテーブ
ル3には主軸ヘッド7がZ軸方向に移動自在に設けられ
ている。主軸ヘッド7には、主軸8が回動自在に設けら
れており、ピニオンカッター工具40はこの主軸8に取
付けられる。X軸移動手段10は、ワークテーブル4、
Xテーブル6、X軸モータ11およびエンコーダ(X)
12により構成され、Y軸移動手段13は、基台2、Y
テーブル3、Y軸モータ14およびエンコーダ(Y)1
5により構成される。各モータおよび各エンコーダと制
御装置22との接続、並びにそれらの作動は、図5に示
した大型BTM1と同様なので説明は省略する。
【0036】図12は、上記構成の小型BTM24を用
いて外歯歯車を形削り加工する方法の説明図である。図
12において、ピニオンカッター42をY軸方向に移動
させ、ワーク23をX軸方向に移動させて両者を相対的
に円弧補間運動させ、ピニオンカッター42の回りにワ
ーク23を自転させながら公転させる。このとき、ワー
ク23の自転とピニオンカッター42の回りのワーク2
3の公転とを前述の公比で同期運転させると同時に、こ
の同期運転に同期してピニオンカッター42をZ軸方向
に往復運動させ、外歯歯車を加工する。
【0037】また、図13は上記小型BTM21を用い
て内歯歯車を形削り加工する方法の説明図である。この
場合も、図12に示した外歯歯車の形削り加工と同様
に、ピニオンカッター42をY軸方向に移動させ、ワー
ク23をX軸方向に移動させて両者を相対的に円弧補間
運動させ、ピニオンカッター42の回りにワーク23を
自転させながら公転させる。以降同様なので、説明を省
く。
【0038】図14は、第2実施形態のピニオンカッタ
ーの取付構造を示す断面図である。図14において、主
軸ヘッド7には回転工具33を着脱自在に装着する主軸
8が回転自在に支承されている。主軸ヘッド7には主軸
8に並列にテーパ穴31および第2回り止め部39が設
けられている。テーパ穴31にはピニオンカッター工具
40のピニオン工具ホルダ41のテーパ部35が嵌入さ
れ、ピニオン工具ホルダ41の第1回り止め部45は前
記第2回り止め部39に係合している。なお、ピニオン
カッター工具40は主軸8にも着脱可能となっている。
【0039】図15は旋削工具50を取付けた状態を示
す断面図であり、図14で説明したピニオンカッター工
具40の代わりに旋削工具50を取付けている。図14
のものと同一部材には同一符号を付している。なお、旋
削工具50は主軸8にも着脱可能となっている。
【0040】上記第2実施形態の構成による効果は第1
実施形態と同様であるが、さらに以下のような効果が得
られる。ピニオンカッター42の取付構造において、ピ
ニオンカッター工具40を主軸8を介さずに直接主軸ヘ
ッド7に取付けて回り止めしたため、ねじり剛性をさら
に高めるとともに、ピニオンカッター42の歯先振れを
極めて少なくすることができ、高精度の歯形の歯車加工
ができる。ピニオンカッター工具40の代わりに旋削工
具50を取付可能にしたため、旋削時の剛性をさらに高
めると共に、1台の機械で歯車のブランク加工から高精
度歯車の歯切り加工まで一貫して行うことができ、生産
性を向上できる。主軸軸線をピニオンカッター42の軸
線に平行にすると、立形マシニングセンターで本提案に
よる歯車形削り加工方法が実施可能となる。また、本実
施例では示していないが、主軸軸線をピニオンカッター
42の軸線に直交させると、横形マシニングセンターで
本提案の歯車形削り加工方法が実施可能となる。これに
より、主軸先端にスイングヘッドを設けてピニオンカッ
ターを保持する方法に比べ、高剛性の確保が容易とな
り、高精度の歯形の歯車加工ができる。主軸8とは別に
テーパ穴31を設けたため、一方に工具を取付け、他方
にタッチセンサー等の計測手段を取付けて計測可能とな
り、計測データによる補正加工を行う場合の工具再取付
時の工具取付部へのゴミ噛み込み等による工具位置ずれ
不良の発生を防止できる。ピニオンカッター工具40を
主軸8にも着脱可能にしたため、工具や計測手段の交換
を容易にできる。
【0041】以上説明したように、本発明によると次の
ような効果を奏する。ピニオンカッターを主軸ヘッドに
Z軸回りの回転を固定して取り付け、ピニオンカッター
及びワーク間の相対的な公転とワークの自転とを所定の
公比で同期運転させると同時に、この同期運転に同期し
てピニオンカッターをZ軸方向に往復運動させることに
より、歯車の歯形の形削り加工を行うことができる。こ
のとき、ピニオンカッターを主軸ヘッドに固定している
ので、そのねじり剛性を高くすることができる。これに
より、歯切り時の切削反力を受けてもねじり変形を小さ
く抑えることができ、また各切削段階での切削代の変動
の影響を受け難いので、高精度な歯形の形削り加工がで
きる。また、ピニオンカッターを自転させないので、ピ
ニオンカッターの歯先振れの補正制御が容易となる。さ
らに、従来のマシニングセンタなどのように、回転工具
を装着して回転させる主軸を有する加工装置において、
該主軸に工具ホルダを介してピニオンカッターを装着
し、工具固定把持手段によって工具ホルダを主軸ヘッド
にZ軸回りの回転を固定して取り付けるようにしたた
め、上記の高精度な歯形の形削り加工ができる。この結
果、従来の加工装置を用いて、簡単な構成の工具固定把
持手段を設けることにより、高精度な歯形の形削り加工
ができる歯車形削り加工装置を安いコストで構成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のワーク中心位置固定、ピニオンカッタ
ー公転による外歯歯車形削り加工方法の説明図である。
【図2】本発明のピニオンカッター位置固定、ワーク公
転による外歯歯車形削り加工方法の説明図である。
【図3】本発明のワーク中心位置固定、ピニオンカッタ
ー公転による内歯歯車形削り加工方法の説明図である。
【図4】本発明のピニオンカッター位置固定、ワーク公
転による内歯歯車形削り加工方法の説明図である。
【図5】第1実施形態の歯車形削り加工装置である大型
BTMの斜視図である。
【図6】第1実施形態の回転工具取付構造を示す断面図
である。
【図7】第1実施形態のピニオンカッター取付構造を示
す断面図である。
【図8】第1実施形態の旋削工具取付構造を示す断面図
である。
【図9】第1実施形態の外歯歯車形削り加工方法の説明
図である。
【図10】第1実施形態の内歯歯車形削り加工方法の説
明図である。
【図11】第2実施形態の歯車形削り加工装置である小
型BTMの斜視図である。
【図12】第2実施形態の外歯歯車形削り加工方法の説
明図である。
【図13】第2実施形態の内歯歯車形削り加工方法の説
明図である。
【図14】第2実施形態のピニオンカッター取付構造を
示す断面図である。
【図15】第2実施形態の旋削工具取付構造を示す断面
図である。
【符号の説明】
1…大型BTM、2…基台、3…Yテーブル、4…ワー
クテーブル、6…Xテーブル、7…主軸ヘッド、7a,4
4…当接面、8…主軸、10…X軸移動手段、11…X
軸モータ、12…エンコーダ(X)、13…Y軸移動手
段、14…Y軸モータ、15…エンコーダ(Y)、16…
C軸モータ、17…エンコーダ(C)、18…Z軸モー
タ、19…エンコーダ(Z)、20…主軸モータ、21
…エンコーダ(主軸)、22…制御装置、23…ワー
ク、24…小型BTM、30…工具固定把持手段、31
…テーパ穴、31a,35a…テーパ当接面、32…キ
ー溝、33…回転工具、34…回転工具ホルダ、35…
テーパ部、36…キー、37…回転刃具、38…プルス
タッド、39…第2回り止め部、40…ピニオンカッタ
ー工具、41…ピニオン工具ホルダ、42…ピニオンカ
ッター、43…フランジ部、45…第1回り止め部、4
6…回転係止手段、50…旋削工具、51…旋削工具ホ
ルダ、52…旋削刃具。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯車形削り加工方法において、工具を着
    脱自在に装着し、かつZ軸方向に移動可能とし、ワーク
    (23)を搭載したワークテーブル(4)をZ軸に平行なC軸
    回りに回転角度制御可能とすると共に、工具とワーク(2
    3)とを相対的に、Z軸に直交する平面上を移動可能とす
    る工作機械を用い、前記ワークテーブル(4)の回転軸上
    にワーク(23)を固定し、歯切り用のピニオンカッター(4
    2)をZ軸回りの回転を固定して取付け、前記ワーク(23)
    とピニオンカッター(42)との相対的な円弧補間運動によ
    る公転運動と、前記ワークテーブル(4)の回転とを所定
    の公比で同期運転させると同時に、この同期運転と同期
    して前記ピニオンカッター(42)をZ軸方向に往復運動さ
    せることにより、歯車形削り加工を行うことを特徴とす
    る歯車形削り加工方法。
  2. 【請求項2】 歯車形削り加工方法において、工具を着
    脱自在に装着し、かつZ軸方向に移動可能とし、ワーク
    (23)を搭載したワークテーブル(4)をZ軸に平行なC軸
    回りに回転角度制御可能とすると共に、工具とワーク(2
    3)とを相対的に、Z軸に直交する平面上を移動可能とす
    る工作機械を用い、前記ワークテーブル(4)の回転軸上
    にワーク(23)を固定し、歯切り用のピニオンカッター(4
    2)をZ軸回りの回転を固定して取付け、前記ワーク(23)
    とピニオンカッター(42)との相対的な円弧補間運動によ
    る公転運動と、前記ワークテーブル(4)の回転とを所定
    の公比で同期運転させると同時に、この同期運転と同期
    して前記ピニオンカッター(42)をZ軸方向に往復運動さ
    せることにより、歯車形削り加工を行う工程と、旋削工
    具(50)をZ軸線回りの回転を固定して取付け、回転軸上
    にワーク(23)を取付けた前記ワークテーブル(4)を回転
    させ、前記旋削工具(50)をZ軸方向に移動させることに
    よりワーク(23)の旋削加工を行う工程とを、同一機械で
    選択的に採用することを特徴とする歯車形削り加工方
    法。
  3. 【請求項3】 歯車形削り加工装置において、歯切り用
    のピニオンカッター(42)を着脱自在に取り付ける装着部
    を有し、かつZ軸方向に移動自在とした主軸ヘッド(7)
    と、ワーク(23)を搭載して、Z軸に平行なC軸回りに回
    転角度制御可能としたワークテーブル(4)と、前記ピニ
    オンカッター(42)およびワーク(23)をZ軸に直交するX
    Y平面上で相対的に公転させるために、前記主軸ヘッド
    (7)側またはワークテーブル(4)側に設けられたX軸移動
    手段(10)およびY軸移動手段(13)、あるいは、主軸ヘッ
    ド(7)側およびワークテーブル(4)側のいずれか一側に設
    けられたX軸移動手段(10)ならびに他側に設けられたY
    軸移動手段(13)と、前記ピニオンカッター(42)を、主軸
    ヘッド(7)に対してその軸線回りの回転を固定し把持す
    る工具固定把持手段(30)とを備えたことを特徴とする歯
    車形削り加工装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の歯車形削り加工装置にお
    いて、前記工具固定把持手段(30)は、工具を着脱可能と
    し、かつ、前記主軸ヘッド(7)に装着したときに主軸ヘ
    ッド(7)に当接させる当接面(35a,44)、および主軸ヘッ
    ド(7)に係合する第1回り止め部(45)を設けた工具ホル
    ダ(41,51)と、この工具ホルダ(41,51)に対向して前記主
    軸ヘッド(7)に設けられた、工具ホルダ(41,51)が当接さ
    れる当接面(7a,31a)、および工具ホルダ(41,51)の第1
    回り止め部(45)に係合する第2回り止め部(39)とを備え
    たことを特徴とする歯車形削り加工装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の歯車形削り加工装置にお
    いて、前記工具固定把持手段(30)は、主軸ヘッド(7)に
    回転可能に支承されて回転工具を回転させる主軸(8)に
    着脱自在に装着される工具ホルダ(41,51)の、前記主軸
    (8)および主軸ヘッド(7)に対するその軸線回りの回転を
    固定する回転係止手段(46)を備えたことを特徴とする歯
    車形削り加工装置。
  6. 【請求項6】 歯車形削り加工装置において、歯切り用
    のピニオンカッター(42)を着脱自在に取り付ける装着部
    を有し、かつZ軸方向に移動自在とした主軸ヘッド(7)
    と、ワーク(23)を搭載して、Z軸に平行なC軸回りに回
    転角度制御可能としたワークテーブル(4)と、前記ピニ
    オンカッター(42)およびワーク(23)をZ軸に直交するX
    Y平面上で相対的に公転させるために、前記主軸ヘッド
    (7)側またはワークテーブル(4)側に設けられたX軸移動
    手段(10)およびY軸移動手段(13)、あるいは、主軸ヘッ
    ド(7)側およびワークテーブル(4)側のいずれか一側に設
    けられたX軸移動手段(10)ならびに他側に設けられたY
    軸移動手段(13)と、前記ピニオンカッター(42)を、主軸
    ヘッド(7)に対してその軸線回りの回転を固定し把持す
    る工具固定把持手段(30)とを備えると共に、前記主軸ヘ
    ッド(7)に旋削工具(50)を取付可能としたことを特徴と
    する歯車形削り加工装置。
  7. 【請求項7】 請求項3または6記載の歯車形削り加工
    装置に用いられる歯切り用のピニオンカッター(42)を着
    脱可能とし、前記工具固定把持手段(30)を備えたことを
    特徴とする歯車形削り加工装置の工具ホルダ。
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