JP2003126939A - 抵抗溶接用電極の製造方法 - Google Patents

抵抗溶接用電極の製造方法

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JP2003126939A JP2001324297A JP2001324297A JP2003126939A JP 2003126939 A JP2003126939 A JP 2003126939A JP 2001324297 A JP2001324297 A JP 2001324297A JP 2001324297 A JP2001324297 A JP 2001324297A JP 2003126939 A JP2003126939 A JP 2003126939A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレス成形によって抵抗溶接用電極先端の中
央部の平滑度を向上させることができる抵抗溶接用電極
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 電極用素材11をダイス20の凹部21
に挿入し、センタポンチ30により押圧して電極用素材
11をプレス成形するときに、その下面112の中央部
13を、ダイス20の凹部21底部の貫通孔22に挿通
したカウンタポンチ40の出没により、一旦陥没状13
1に成形し、次いで逆に突出状132に成形し、最終的
に絞り加工面12と連続する平滑な面に成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抵抗溶接ガンの先
端に取り付けられる電極のプレス加工による製造方法に
関し、特に、電極先端の中央部の平滑度をプレス加工に
より高める抵抗溶接用電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、抵抗溶接用電極は外表面の平滑
度、特に中央部のナゲット形成面の高い平滑度が要求さ
れるため、電極用素材を機械加工により削り出して製作
されていたが、高価であるという欠点があり、これを解
決するために、特許第2855376号公報に記載され
たプレス加工による抵抗溶接用電極の製造方法が提案さ
れている。
【0003】この特許第2855376号公報に記載さ
れた抵抗溶接用電極の製造方法は、図10に示すよう
に、円柱状長棒を切断して得られる電極素材51の両端
面57、58をプレス加工により端面矯正を行うと共に
その一端中央にナゲット用突部59を形成した後、前記
ナゲット用突部59が形成された側を絞り加工510を
行うと共に他端面58にパンチガイド511を形成し、
次にパンチをパンチガイド511に押圧してシャンク挿
通用腔部512を形成するとともに電極全体の粗成形を
行い、しかる後、プレスにより前記腔部512周面にテ
ーパ513を付すとともに先端部の最終成形を行うよう
にしたものである。
【0004】ところで、抵抗溶接、特にロボット等の自
動機に溶接ガンを保持させて自動的にスポット溶接を行
わせるような場合には、初めに溶接用電極の間に被溶接
部材を挟んで電気抵抗を測定し、この測定値に基づき溶
接電流値、通電時間ならびに加圧力等の溶接条件を設定
して記憶させ、以後、この溶接条件に従って多数の打点
をスポット溶接する。したがって、この初期の溶接条件
の精度が重要であり、この精度が狂うと以後の溶接の品
質確保が困難になる。特に、上記電気抵抗には高い精度
が要求されるが、この電気抵抗の測定には溶接用電極の
中央部の凹凸が大きく影響し、この面が平滑であればあ
るほど測定精度が向上するため、溶接用電極の中央部の
高い平滑度が要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の特許
公報に記載の抵抗溶接用電極の製造方法では、電極素材
51の両端面57、58をプレスにより加圧して端面矯
正を行い、その一方の端面57の中央にナゲット用突部
59を予め形成しただけのため、中央部の平滑度は十分
とはいえない。ナゲット用突部59の形成は、ナゲット
用突部59が形成された側を絞り加工510を行っても
端面57が凹陥することがないだけである。すなわち、
上記従来技術は、抵抗溶接用電極の中央部の平滑度には
何ら着眼することなく、単にプレス成形による抵抗溶接
用電極の製造によりコストダウンを図るものである。
【0006】そこで、本発明は、かかる課題を解決すべ
く、プレス成形によって抵抗溶接用電極先端の中央部の
平滑度を向上させることができる抵抗溶接用電極の製造
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1に
記載の抵抗溶接用電極の製造方法は、所要長さに切断さ
れた円柱状の電極用素材からプレス加工により先端面が
略球面状の抵抗溶接用電極を製造する抵抗溶接用電極の
製造方法であって、電極用素材の一方の端面の中央部を
陥没状に成形しつつ、前記端面の外周部で前記中央部に
連続する部分を略球面状に成形する第1プレス工程と、
前記中央部をその表面を矯正しつつ突出させる第2プレ
ス工程と、前記中央部を引込めて前記外周部と略平滑に
連続する面に成形する第3プレス工程と、を備えること
を特徴とする。
【0008】よって、電極用素材の一方の端面の中央部
を一旦陥没状に成形しつつ、外周部を球面状に成形して
中央部に連続させ、次いで、陥没状に成形された中央部
を逆に突出状に成形した後、その中央部を引込めて外周
部と略平滑に連続する面に成形するようにしたので、端
面中央部の顕微鏡的凹凸が陥没と突出の往復のプレス成
形により矯正され、平滑な連続面が得られ、溶接条件の
初期設定の精度向上が図れる。
【0009】また、本発明に係る請求項2に記載の抵抗
溶接用電極の製造方法は、前記第1プレス工程が、底面
が球面状でその中央部に貫通孔が形成された凹部を有す
るダイスと、前記凹部の開口より該凹部内に圧入可能な
センタポンチと、前記貫通孔より前記凹部内に出没可能
に設けられたカウンタポンチとを用い、前記ダイスの凹
部内に前記電極用素材を挿入し、前記カウンタポンチを
前記凹部内に突出させた状態で、前記センタポンチを前
記凹部内に圧入することにより、前記電極用素材を前記
凹部の底部側に押圧するものであることを特徴とする。
【0010】よって、第1プレス工程では、球面状の底
部にカウンタポンチを貫通した凹部を有するダイスの、
該凹部に電極用素材を挿入し、該電極用素材をセンタポ
ンチにて押圧する際に、前記カウンタポンチをダイスの
凹部の底部より突出状態とすることにより、前記電極用
素材の先端の中央部を陥没状に成形することができ、そ
の成形後、センタポンチをダイスから離脱させるととも
にカウンタポンチをさらに突出させることにより前記電
極用素材をダイスの凹部から押し出すことができる。
【0011】また、本発明に係る請求項3に記載の抵抗
溶接用電極の製造方法は、前記第2プレス工程が、底面
が球面状でその中央部に貫通孔が形成された凹部を有す
るダイスと、前記凹部の開口より該凹部内に圧入可能な
センタポンチと、前記貫通孔より前記凹部内に出没可能
に設けられたカウンタポンチとを用い、前記ダイスの凹
部内に前記第1プレス工程を終了した電極用素材を挿入
し、前記カウンタポンチを前記貫通孔内に陥没させた状
態で、前記センタポンチを前記凹部内に圧入することに
より、前記電極用素材を前記凹部の底部側に押圧するも
のであり、前記第2プレス工程後、前記センタポンチを
前記ダイスから離脱させるとともに、前記カウンタポン
チを前記凹部内に突出させることにより、前記電極用素
材を前記凹部内から押し出すことを特徴とする
【0012】よって、第2プレス工程では、球面状の底
部にカウンタポンチを貫通した凹部を有するダイスの、
該凹部に第1プレス工程を終了した電極用素材を挿入
し、該電極用素材をセンタポンチにて押圧する際に、前
記カウンタポンチをダイスの凹部の底部より貫通孔内に
陥没状態とすることにより、前記電極用素材の先端の中
央部を突出状に成形することができ、その成形後、セン
タポンチをダイスから離脱させるとともにカウンタポン
チを前記凹部内に突出させることにより前記電極用素材
をダイスの凹部から押し出すことができる。
【0013】また、本発明に係る請求項4に記載の抵抗
溶接用電極の製造方法は、前記第3プレス工程が、底面
が球面状でその中央部に貫通孔が形成された凹部を有す
るダイスと、前記凹部の開口より該凹部内に圧入可能な
センタポンチと、前記貫通孔より前記凹部内に出没可能
に設けられたカウンタポンチとを用い、前記ダイスの凹
部内に前記第2プレス工程を終了した電極用素材を挿入
し、前記カウンタポンチの上端面を前記凹部の底部と同
一面とした状態で、前記センタポンチを前記凹部内に圧
入することにより、前記電極用素材を前記凹部の底部側
に押圧するものであり、前記第3プレス工程後、前記セ
ンタポンチを前記ダイスから離脱させるとともに、前記
カウンタポンチを前記凹部内に突出させることにより、
前記電極用素材を前記凹部内から押し出すことを特徴と
する。
【0014】よって、第3プレス工程では、球面状の底
部にカウンタポンチを貫通した凹部を有するダイスの、
該凹部に第2プレス工程を終了した電極用素材を挿入
し、該電極用素材をセンタポンチにて押圧する際に、前
記カウンタポンチの上端面をダイスの凹部の底部と同一
面とすることにより、前記電極用素材の先端の中央部を
その外周部と平滑に連続する面に成形することができ、
その成形後、センタポンチをダイスから離脱させるとと
もにカウンタポンチを前記凹部内に突出させることによ
り前記電極用素材をダイスの凹部から押し出すことがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る抵抗溶接用電
極の製造方法の一の実施の形態について図面を参照して
以下に説明する。ここで、図1は、電極成形治具を示し
た側部断面図であり、図2乃至図4は、抵抗溶接用電極
の成形過程を示す拡大側部断面図である。
【0016】(構成)まず、本発明に係る抵抗溶接用電
極の製造方法に用いる電極成形治具の構成について説明
する。なお、この電極成形治具2は、電極成形の各プレ
ス工程毎(本実施の形態では3工程)に若干の形状の相
違を持って設定されるが、同一機能の構成要素は各工程
共通の符号を付して説明する。電極成形治具2は、図1
に示すように、中央に電極を成形する凹部21を有する
ダイス20と、凹部21に挿入した電極用素材11をこ
のダイス20の上方から押圧するセンタポンチ30と、
成形の終了した電極用素材11を下方から押圧してダイ
ス20から脱型させるカウンタポンチ40とから構成さ
れている。
【0017】ダイス20は、略中央に、電極用素材11
の外径より若干細径の内径を有し底面が球面状でその中
央部に後述するカウンタポンチ40が貫通する貫通孔2
2が形成された凹部21を有するブロック状のものであ
る。
【0018】センタポンチ30は、ダイス20の上方に
臨み、筒状のセンタポンチガイド31の内部に収納され
る軸部301と、その下端はセンタポンチガイド31の
下端面から突出してダイス20の凹部21の開口より該
凹部21内に挿入された電極用素材11の上面を押圧す
る押圧部302からなっている。
【0019】押圧部302は、各プレス工程のセンタポ
ンチ30によっては若干形状が異なっている。すなわ
ち、図2に示す第1プレス工程に使用するセンタポンチ
30の軸部301の先端の押圧部302は、その外径は
凹部21の開口の内径より若干小さく、該凹部21に密
に嵌入するようになっており、下端面が平面状である。
図3に示す第2プレス工程に使用するセンタポンチ30
の軸部301の先端の押圧部302は、その外径は凹部
21の開口の内径より小さく、該押圧部302とセンタ
ポンチガイド31との間にスリーブが挿入され、押圧部
302の下端面がスリーブの下端より突出して電極用素
材11の上面にシャンク用凹部14の凹陥部141を予
備成形するようになっている。
【0020】さらに、図4に示す第3プレス工程に使用
するセンタポンチ30の軸部301の先端の押圧部30
2は、その外径は凹部21の開口の内径より小さく先細
状のテーパとなり、電極用素材11の上面に深く圧入さ
れてシャンク用凹部14の凹陥部141を最終成形する
ようになっている。
【0021】カウンタポンチ40は、上端が前記ダイス
20の貫通孔22から凹部21内に出没可能な細棒状の
受圧部401と、受圧部401の下方で太径の鍔部40
2と、鍔部402の下面から下方に突出するプッシュロ
ッド403とからなり、鍔部402により筒状のカウン
タポンチガイド41内を案内されて、図示略のシリンダ
により上下方向に摺動する。鍔部402の上面で受圧部
401の外周に、カウンタポンチ40が上昇して停止す
るときにクッションとなるコイルバネ42が嵌装されて
いる。
【0022】以上のように構成された電極成形治具2
は、図示は省略したが、プレス機の上下のベッドに工程
順に並べて取り付けられ、前工程のプレス工程で成形さ
れた電極用素材11を小型のロボットハンドで掴んで次
のプレス工程の電極成形治具2に送るように配置され
る。すなわち、プレス機の上方のベッドにセンタポンチ
30とセンタポンチガイド31の上端が取り付けられ、
下方のベッドにカウンタポンチガイド41の下面が取り
付けられる。カウンタポンチ40下端のプッシュロッド
403には、別に設けたシリンダ(図略)が接続され、
このシリンダにより、カウンタポンチ40の上下摺動が
行われる。
【0023】(作用)次に、上述したようにプレス機に
配設された電極成形治具2を用いて抵抗溶接用電極を製
造する方法について説明する。まず、長尺の棒材を切断
して電極用素材11を準備しておく。そして、この電極
用素材11を図2に示す第1プレス工程のダイス20の
凹部21に挿入する。この第1プレス工程では、図略の
シリンダを作動させて凹部21の底部の貫通孔22から
カウンタポンチ40の受圧部401の上端を約0.3m
m上方に突出させた状態にしておく。なお、図2はダイ
ス20とセンタポンチ30及びセンタポンチガイド31
が閉じた状態を示しているが、電極用素材11を挿入す
るときは上記両者は開いた状態としておく。(以下の工
程も同じ。)
【0024】凹部21は電極用素材11を第1プレス工
程の外形形状に成形するように、その内形が形成されて
いるので、電極用素材11は当初、凹部21の開口に僅
か入る程度である。この状態でプレス機を作動させてセ
ンタポンチ30及びセンタポンチガイド31をダイス2
0に向かって下降させると、センタポンチ30先端の押
圧部302が電極用素材11の上面111を押圧しなが
ら電極用素材11を徐々に凹部21内に圧入していく。
【0025】凹部21は、その底面が球面状となってい
るため、電極用素材11の一方の端面である下面112
の外周部で、図2(B)に示すように、中央に連続する
部分を略球面状に成形して絞り加工面12を形成する。
このとき、凹部21の底部の貫通孔22からカウンタポ
ンチ40の受圧部401が突出した状態となっているの
で、電極用素材11の一方の端面である下面112は、
図2(B)に示すように、中央部13を陥没状131に
形成することとなる。中央部13を一旦、陥没状に形成
すると、図6に示す切断しただけの状態の電極用素材1
1の下面112の顕微鏡的断面の凹凸部のうち、図7に
示すように、下方に凸部となっていた部分が押し込ま
れ、凹部のみが残る。
【0026】以上で第1プレス工程が終了し、図5に示
すように、プレス機を開いてセンタポンチ30及びセン
タポンチガイド31をダイス20から上昇させ、さらに
図略のシリンダを作動させてカウンタポンチ40をカウ
ンタポンチガイド41に沿って上昇させることにより、
カウンタポンチ40が凹部21内に突出し受圧部401
が凹部21に圧入されている電極用素材11を上方へ押
圧してダイス20外へ排出する。排出された電極用素材
11を小型ロボットにより掴んで次のプレス工程の電極
成形治具2の凹部21に挿入する。
【0027】次に、図3(A)に示す第2プレス工程で
は、凹部21が第1プレス工程を終了した電極用素材1
1の外形をさらに僅か絞り込むような内形に形成されて
いるので、電極用素材11は凹部21の開口に僅か入る
程度である。この第2プレス工程では、シリンダを作動
させて凹部21の底部の貫通孔22からカウンタポンチ
40の受圧部401の上端を、第1プレス工程とは逆
に、約0.3mm下方に凹ませておくこの状態でプレス
機を作動させてセンタポンチ30及びセンタポンチガイ
ド31をダイス20に向かって下降させると、センタポ
ンチ30先端の押圧部302が電極用素材11の上面1
11を押圧しながら電極用素材11を徐々に凹部21内
に圧入していく。
【0028】凹部21は、その底面が球面状となってい
るため、電極用素材11の一方の端面である下面112
の外周部で、図3(B)に示すように、中央に連続する
部分を第1プレス工程よりさらに絞った略球面状に成形
して絞り加工面12を形成する。このとき、凹部21の
底部の貫通孔22にカウンタポンチ40の受圧部401
が没入した状態となっているので、電極用素材11の一
方の端面である下面112は、図3(B)に示すよう
に、中央部13を突出状131に形成して矯正すること
となる。
【0029】中央部13を一旦、陥没状131に成形
(第1プレス工程)し第2プレス工程で逆に突出状13
2に成形すると、図7に示す凹部のみが残っていた電極
用素材11の下面112が、図8に示すように、下方に
押し出され凹凸の少ない平滑な面となる。また、電極用
素材11の上面111には、シャンク用凹部14の予備
加工として深さの浅い凹陥部141が形成される。
【0030】以上で第2プレス工程が終了し、第1プレ
ス工程と同様に図5に示すように、プレス機を開いてセ
ンタポンチ30及びセンタポンチガイド31をダイス2
0から上昇させ、さらに図略のシリンダを作動させてカ
ウンタポンチ40をカウンタポンチガイド41に沿って
上昇させることにより、カウンタポンチ40が凹部21
内に突出し受圧部401が第2プレス工程を終了して凹
部21に圧入されている電極用素材11を上方へ押圧し
てダイス20外へ排出する。排出された電極用素材11
を小型ロボットにより掴んで次のプレス工程の電極成形
治具2の凹部21に挿入する。
【0031】次に、図4(A)に示す第3工程では、凹
部21が第2プレス工程を終了した電極用素材11の外
形をさらに僅か絞り込むような内形に形成されているの
で、電極用素材11は凹部21の開口に僅か入る程度で
ある。この第3プレス工程では、凹部21の底部の貫通
孔22に挿入されたカウンタポンチ40の受圧部401
の上端を、シリンダを作動させて凹部21の底面と略同
一となるように位置させておく。
【0032】この状態でプレス機を作動させてセンタポ
ンチ30及びセンタポンチガイド31をダイス20に向
かって下降させると、先端が第2プレス工程でシャンク
用凹部14の予備として加工された凹陥部141より細
くテーパ状に成形されたセンタポンチ30先端の押圧部
302が電極用素材11の凹陥部141を押圧しながら
電極用素材11を徐々に凹部21内に圧入していく。
【0033】凹部21は、その底面が球面状となってい
るため、電極用素材11の一方の端面である下面112
の外周部で、図4(B)に示すように、中央に連続する
部分を第2プレス工程よりさらに絞った略球面状に成形
し、その中央部13を引込めて外周部と略平滑に連続す
る絞り加工面12を形成する。また、電極用素材11上
部の凹陥部141をこれより細径の押圧部302で押圧
するので、センタポンチ30が電極用素材11に挿入さ
れ、センタポンチ30の挿入により押し出された材料が
センタポンチ30とダイス20の間の空間に流入し、結
果として第1プレス工程、第2プレス工程の電極用素材
11より高さの高い電極用素材11が形成される。
【0034】また、この電極用素材11の下面112
は、カウンタポンチ40の受圧部401の半径40mm
程度の僅かな円弧状に形成された先端がダイス20の凹
部21の底面と同一面に保持されているため、図4
(B)に示すように、第2工程で下方に突出状に形成さ
れた中央部13は再び上方に押圧され、図9に示すよう
な電極用素材11の絞り加工面12から連続する僅かな
円弧状の平滑な中央部13として成形される。
【0035】以上で第3プレス工程が終了し、第1プレ
ス工程、第2プレス工程と同様に図5に示すように、プ
レス機を開いてセンタポンチ30及びセンタポンチガイ
ド31をダイス20から上昇させ、さらに図略のシリン
ダを作動させてカウンタポンチ40をカウンタポンチガ
イド41に沿って上昇させることにより、カウンタポン
チ40が凹部21内に突出し受圧部401が第3プレス
工程を終了して凹部21に圧入されている電極用素材1
1を上方へ押圧してダイス20外へ排出して抵抗溶接用
電極の製造が完了する。排出された電極用素材11を小
型ロボットにより掴んで図略の完成品収納パレットに収
容する。
【0036】このように、電極用素材11をダイス20
の凹部21に圧入し、センタポンチ30により押圧して
電極用素材11をプレス成形するときに、その下面11
2の中央部13を、ダイス20の凹部21底部の貫通孔
22に挿通したカウンタポンチ40の出没により、一旦
陥没状131に成形し、次いで逆に突出状132に成形
し、最終的に絞り加工面12と連続する平滑な球面状に
成形するようにしたので、中央部13を微細な凹凸の少
ない平滑な面に仕上げることができ、プレス成形によっ
て安価に溶接条件初期設定時の電気抵抗値の精度が高い
抵抗溶接用電極を製造することが可能となった。
【0037】なお、本発明は前記実施の形態のものに限
定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様
々な変更が可能である。例えば、前記実施の形態では、
中央部の成形を、第1プレス工程では陥没状に、第2プ
レス工程では突出状にしたが、これに限られず、逆に第
1プレス工程では突出状に、第2プレス工程で陥没状に
しても、最終プレス工程で絞り加工面と連続する平坦面
に成形するので可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明は、所要長さに切断された円柱状
の電極用素材からプレス加工により先端面が略球面状の
抵抗溶接用電極を製造する抵抗溶接用電極の製造方法で
あって、電極用素材の一方の端面の中央部を陥没状に成
形しつつ、前記端面の外周部で前記中央部に連続する部
分を略球面状に成形する第1プレス工程と、前記中央部
をその表面を矯正しつつ突出させる第2プレス工程と、
前記中央部を引込めて前記外周部と略平滑に連続する面
に成形する第3プレス工程と、から構成したので、工程
数を減らして安価に、平滑な中央部を有する抵抗溶接用
電極を製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施の形態に係る抵抗溶接用電極
の製造方法に用いる電極成形治具を示した側部断面図で
ある。
【図2】(A)は、本発明の一の実施の形態に係る抵抗
溶接用電極の製造方法を適用した抵抗溶接用電極の成形
の第1プレス工程を示す拡大側部断面図であり、(B)
は、成形された抵抗溶接用電極の断面図である。
【図3】(A)は、本発明の一の実施の形態に係る抵抗
溶接用電極の製造方法を適用した抵抗溶接用電極の成形
の第2プレス工程を示す拡大側部断面図であり、(B)
は、成形された抵抗溶接用電極の断面図である。
【図4】(A)は、本発明の一の実施の形態に係る抵抗
溶接用電極の製造方法を適用した抵抗溶接用電極の成形
の第3プレス工程を示す拡大側部断面図であり、(B)
は、成形された抵抗溶接用電極の断面図である。
【図5】本発明の一の実施の形態に係る抵抗溶接用電極
の製造方法を適用した抵抗溶接用電極の脱型状態を、第
1プレス工程を代表して示した側部断面図である。
【図6】電極用素材の切断した状態の拡大断面図であ
る。
【図7】本発明の一の実施の形態に係る抵抗溶接用電極
の製造方法を適用した抵抗溶接用電極の第1プレス工程
終了時の拡大断面図である。
【図8】本発明の一の実施の形態に係る抵抗溶接用電極
の製造方法を適用した抵抗溶接用電極の第2プレス工程
終了時の拡大断面図である。
【図9】本発明の一の実施の形態に係る抵抗溶接用電極
の製造方法を適用した抵抗溶接用電極の第3プレス工程
終了時の拡大断面図である。
【図10】従来のプレス成形による抵抗溶接用電極の製
造方法を適用した抵抗溶接用電極の成形過程を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 抵抗溶接用電極 11 電極用素材 12 絞り加工面 13 中央部 131 陥没状 132 突出状 133 平滑に連続する面 14 シャンク用凹部 2 電極成形治具 20 ダイス 30 センタポンチ 40 カウンタポンチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所要長さに切断された円柱状の電極用素
    材からプレス加工により先端面が略球面状の抵抗溶接用
    電極を製造する抵抗溶接用電極の製造方法であって、 電極用素材の一方の端面の中央部を陥没状に成形しつ
    つ、前記端面の外周部で前記中央部に連続する部分を略
    球面状に成形する第1プレス工程と、 前記中央部をその表面を矯正しつつ突出させる第2プレ
    ス工程と、 前記中央部を引込めて前記外周部と略平滑に連続する面
    に成形する第3プレス工程と、を備える抵抗溶接用電極
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の抵抗溶接用電極の製造
    方法において、 前記第1プレス工程は、底面が球面状でその中央部に貫
    通孔が形成された凹部を有するダイスと、 前記凹部の開口より該凹部内に圧入可能なセンタポンチ
    と、 前記貫通孔より前記凹部内に出没可能に設けられたカウ
    ンタポンチとを用い、 前記ダイスの凹部内に前記電極用素材を挿入し、前記カ
    ウンタポンチを前記凹部内に突出させた状態で、前記セ
    ンタポンチを前記凹部内に圧入することにより、前記電
    極用素材を前記凹部の底部側に押圧するものであり、 前記第1プレス工程後、前記センタポンチを前記ダイス
    から離脱させるとともに、前記カウンタポンチをさらに
    突出させることにより、前記電極用素材を前記凹部内か
    ら押し出すことを特徴とする抵抗溶接用電極の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の抵抗溶接用電極の製造
    方法において、 前記第2プレス工程は、底面が球面状でその中央部に貫
    通孔が形成された凹部を有するダイスと、 前記凹部の開口より該凹部内に圧入可能なセンタポンチ
    と、 前記貫通孔より前記凹部内に出没可能に設けられたカウ
    ンタポンチとを用い、 前記ダイスの凹部内に前記第1プレス工程を終了した電
    極用素材を挿入し、前記カウンタポンチを前記貫通孔内
    に陥没させた状態で、前記センタポンチを前記凹部内に
    圧入することにより、前記電極用素材を前記凹部の底部
    側に押圧するものであり、 前記第2プレス工程後、前記センタポンチを前記ダイス
    から離脱させるとともに、前記カウンタポンチを前記凹
    部内に突出させることにより、前記電極用素材を前記凹
    部内から押し出すことを特徴とする抵抗溶接用電極の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の抵抗溶接用電極の製造
    方法において、 前記第3プレス工程は、底面が球面状でその中央部に貫
    通孔が形成された凹部を有するダイスと、 前記凹部の開口より該凹部内に圧入可能なセンタポンチ
    と、 前記貫通孔より前記凹部内に出没可能に設けられたカウ
    ンタポンチとを用い、 前記ダイスの凹部内に前記第2プレス工程を終了した電
    極用素材を挿入し、前記カウンタポンチの上端面を前記
    凹部の底部と同一面とした状態で、前記センタポンチを
    前記凹部内に圧入することにより、前記電極用素材を前
    記凹部の底部側に押圧するものであり、 前記第3プレス工程後、前記センタポンチを前記ダイス
    から離脱させるとともに、前記カウンタポンチを前記凹
    部内に突出させることにより、前記電極用素材を前記凹
    部内から押し出すことを特徴とする抵抗溶接用電極の製
    造方法。
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