JP2003126079A - X線ct装置 - Google Patents

X線ct装置

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JP2003126079A
JP2003126079A JP2001325949A JP2001325949A JP2003126079A JP 2003126079 A JP2003126079 A JP 2003126079A JP 2001325949 A JP2001325949 A JP 2001325949A JP 2001325949 A JP2001325949 A JP 2001325949A JP 2003126079 A JP2003126079 A JP 2003126079A
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Kiyoshi Ishii
潔 石井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二次元多列検出器の幾何学的な計測要因から
生じるスライス方向のノイズ分布の相違やX線吸収線量
の誤判定のないX線CT装置を提供する。 【解決手段】 X線発生器11からのX線を被検体12
に投射してその透過X線を検出するスキャナ10、検出
した計測データに所定の画像処理を行って画像表示する
画像表示部20、装置全体の動作を制御するための全体
制御CPUなどを備えたX線CT装置において、スキャ
ナは二次元多列検出器13を有し、かつ、画像表示部2
0は、計測時にX線が通過する被測定体の領域の体積の
差を考慮した、より具体的には、二次元多列検出器の複
数の列に対応する台形の面積比により、各検出器におけ
る計測データを補正する画像再構成演算を行って、検出
器の幾何学的な計測要因から生じる画像のCT値変動を
消去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線を利用して被
検体の断層映像を得るX線CT装置に関し、特に、その
検出器として2次元構造を備えた二次元多列検出器を有
するX線CT装置に関している。
【0002】
【従来の技術】透過X線を利用して、例えば、患者など
の被検体の断層映像を得て診断などに利用するX線CT
装置は、既に、広く利用されている。かかるX線CT装
置では、近年、スキャナにおいて、被検体からの透過X
線を検出するための検出器として、二次元構造を備え
た、所謂、二次元多列検出器が多く採用されてきてい
る。
【0003】かかる従来の技術になるX線CT装置で
は、上記スキャナを構成する二次元多列検出器からの検
出信号によって画像再構成の処理を行うため、画像処理
部(ユニット)は、一般に、二次元多列検出器からの計
測データを入力して記憶するデータメモリと、その記憶
された計測データを基にして画像の再構成を行って画像
再構成結果を出力するための画像再構成ハードウェアと
から構成されていた。
【0004】そして、従来の技術では、上記画像処理部
においては、二次元多列検出器(スキャナー)で計測さ
れたデータを、以下に示す処理の流れによって画像再構
成処理を行っていた。この従来の技術になる画像再構成
処理を、添付の図7に示す。なお、この図7では、上記
した画像再構成ユニットが、スキャナを構成する二次元
多列検出器の列数と同じ個数用意されており、この場合
における処理を示している。例えば、上記のデータメモ
リから転送されてくる計測データを、複数(この例で
は、4個)の計測データ(第1スライスデータ〜第4ス
ライスデータ)に分離し、それぞれ、画像再構成ユニッ
トにおいて所定の画像再構成のための処理を並列に行
い、各スライス画像再構成結果を出力し、もって、再構
成した画像を画像表示部に表示する。
【0005】なお、この図7に示したのは、並列処理演
算形式の一例である。但し、この図7のような並列処理
を行わず、例えば、1つの画像再構成演算ユニットだけ
の直列処理によっても、かかる画像再構成演算を列数の
回数だけ繰り返すことによれば、全計測列での画像を獲
得することが可能である。
【0006】このように、従来の技術になるX線CT装
置においては、その並列処理や直接処理の方式の違いに
もかかわらず、二次元多列検出器からの計測データによ
る画像再構成処理は、各列(各スライスデータ)に対し
て共通(単一)の画像再構成ユニットを使用することに
より行われていた。すなわち、特に、上述した並列処理
演算形式のものでは、各画像再構成ユニットには、共通
のハードウェア、ソフトウェアが用意されており、それ
らによる高速な処理動作によって、X線CT装置による
断層画像を獲得していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかるX線
CT装置にいては、スキャナを構成する二次元多列検出
器の計測列の数(すなわち、二次元多列検出器の列方向
の幅)が増大するにつれて、X線発生源であるX線管と
の関係において、各列(各スライスデータ)のもつX線
照射範囲には傾き(コーン角度)が生じてくる。そし
て、このコーン角度が増大した場合、計測幾何学系と画
像再構成演算手法の間に歪みが生じることとなり、画像
におけるCT値変動を生じ、もって、スライス方向での
ノイズ分布の相違やX線吸収線量の誤判定を生じるとい
う問題点があった。
【0008】そこで、本発明では、上述した従来技術に
おける問題点、すなわち、二次元多列検出器を有するX
線CT装置において、上記の幾何学的な計測要因から生
じる画像のCT値変動を消去することによって、検出器
の列(スライス)方向におけるノイズ分布の相違やX線
吸収線量の誤判定のないX線CT装置を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的を達成するため、まず、X線発生器からのX線を被
検体に投射してその透過X線を検出するスキャナと、当
該スキャナにより検出した計測信号に所定の画像処理を
行って画像表示する画像表示部と、前記スキャナ及び前
記画像表示部の動作を制御するための全体制御手段とを
備えたX線CT装置であって、前記スキャナは、前記透
過X線を検出するための二次元多列検出器を有してお
り、かつ、前記画像表示部は、前記二次元多列検出器に
おける幾何学的な計測要因から生じる画像のCT値変動
を消去するための画像再構成演算を実行する手段を備え
ているX線CT装置が提供されるものである。
【0010】また、本発明によれば、より具体的には、
前記に記載したX線CT装置において、前記画像表示部
における前記画像再構成演算実行手段は、計測時にX線
が通過する前記被測定体の領域の体積の差を考慮した画
像再構成演算を行うようにし、又は、前記二次元多列検
出器の複数の列に対応する台形の面積比により、各検出
器における計測データを補正するようにしたものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付の図面を参照しながら説明する。まず、図1に
は、本発明の一の実施の形態になるX線CT装置の概要
が示されている。
【0012】すなわち、このX線CT装置は、大きく分
類すると、X線発生器11からのX線を寝台上の患者
(被検体)12に投射し、その透過X線を検出器13に
より検出するスキャナ10と;上記スキャナ10からの
計測信号をA/D変換機21を介してディジタル信号に
変換して所定の画像処理を行った後に画像表示部22へ
出力し、もって画像ディスプレイ23上に表示する画像
処理部20と;そして、上記のX線CT装置の各部に接
続されると共に、ユーザ操作卓31が入力装置として接
続されている全体制御CPU30とから構成されてい
る。なお、上記の画像処理部20は、その内部におい
て、前処理部25と後処理部26とを備えている。ま
た、上記のスキャナ10には、X線発生器11であるX
線管と、検出器13が固定されているが、このスキャナ
は、計測中に一回転して、これにより、患者12に対し
て基本的に360度の範囲に渡ってX線を照射し、その
透過X線を検出器13により検出する。
【0013】また、上記したX線CT装置の全体の制御
は、全体制御CPUと呼ばれるCPU30により行われ
ており、より具体的には、例えば、このCPU30か
ら、スキャナ起動命令、X線発生命令、画像処理への画
像再構成演算命令が与えられ、これらの命令によって装
置のそれぞれの部分が制御されることとなる。
【0014】また、上記にその構成を述べたX線CT装
置の動作について説明する。まず、ユーザー操作卓31
により、装置の操作者であるユーザーがスキャン開始を
選択すると、上記スキャナ10はそのスキャン動作のた
めの回転運動を、X線発生器11はX線発生のための電
源などの準備を、そして、画像処理部20は計測データ
の獲得のための準備を開始する。その後、それぞれの部
分は、スキャンのための準備が完了すると、準備完了通
知を上記全体制御CPU30に発行する。
【0015】その後、全体制御CPU30は、スキャン
実行命令を各部分に発行し、これにより、スキャナ10
は回転運動を、X線発生器11はX線の照射を、検出器
13、およびA/D変換器21はデータの獲得とA/D
変換を、そして、画像処理部20は画像再構成演算をそ
れぞれ実行することは、一般のX線CT装置と同様であ
る。
【0016】ところで、最近の技術的発展に伴い、X線
CT装置には、添付の図2に示すような二次元構造をし
た(二次元多列の)検出器13が使用されるようになっ
てきている。この二次元多列検出器13は、図示のよう
に、そのチャネル方向に湾曲した計測面によって1つの
X線焦点から発生されるX線を計測する検出器である。
そして、その列方向では、検出器13のそれぞれの列
は、X線管の焦点から自分自身へ結んだ三次元空間の中
に存在する物体を通過して検出器まで到達したX線を計
測することとなる。
【0017】一方、上記二次元構造をした検出器13に
対してX線を照射するX線発生装置11であるX線管の
構造の一例が、添付の図3に示されている。かかる構造
を備えたX線管によれば、X線管111の中の電子流1
12がターゲットと呼ばれる物質(焦点)113に衝突
した時に発生するX線を、コリメータと呼ばれる絞り口
114を通し、外部(図の下側方向)にX線を発生させ
ることとなる。このターゲットと呼ばれる物質(焦点)
113に電子流112が当たる範囲は、理論上では、点
になるべきではあるが、しかしながら、実際には、電子
流の衝突により高熱を発生すること、あるいは、照射し
たいX線の範囲などに応じ、実際のCT装置では、計測
条件に応じた適切な幅を持たせている。この幅は「焦点
幅」と呼ばれる。
【0018】さらに、図3にも明らかなように、電子流
112の衝突により発生したX線は、ターゲットである
焦点113から放射状に周囲に広がっていくことから、
そのままでは、X線CT装置によって計測する必要のな
い範囲にまでX線が照射してしまう。これは、例えば、
患者に対しても必要のないX線照射を行うこととなって
しまうため、好ましくない。そのため、このX線管11
1から出たX線は、ある幅に絞られる。通常、このX線
を絞るための技術としては、上記のコリメータと呼ばれ
る絞り口114が採用されており、これにより、上記X
線管111の焦点113の中心を基準にして、その左右
対称にX線が照射される(図3の矢印「絞り前のX線」
及び「絞り後のX線」を参照)。
【0019】このように、X線CT装置では、X線管1
11から発生したX線を患者に透過させ、この患者を透
過後のX線を検出器13により検出して計測データを得
ることとなる。
【0020】続いて、添付の図5には、基本的な二次元
多列検出器13における計測幾何学系について説明す
る。なお、この図5は、この計測幾何学系である検出器
13を上記図2における矢印「方向A」から見た図であ
る。この図からも明らかなように、上記スキャナ10を
構成する二次元多列検出器13の計測列の数が増大する
につれて、X線発生源であるX線管11との関係におい
て、各列(各スライスデータ)のもつX線照射範囲には
傾き(コーン角度)が生じてくる。すなわち、検出器1
3の各列がもつX線照射範囲には傾きが生じてくる。な
お、この傾きをコーン角度(θ)という。
【0021】なお、通常、従来のX線CT装置では、そ
の画像再構成において、このコーン角度(θ)はないも
のとして画像再構成の演算を行っていた。しかしなが
ら、上記にも述べたように、このコーン角度(θ)が増
大した場合、計測幾何学系と画像再構成演算手法の間に
歪みが生じることとなる。特に、X線経路の傾きは大き
な問題であり、様々な考察が行われている。そして、本
発明では、X線CT装置の基本原理の「同じ物体を計測
したときに各列(スライス)で同じ画像になること」に
注目して達成されたものである。
【0022】すなわち、従来の技術になるX線CT装置
では、上記の計測列(スライス)毎に発生するコーン角
度によるX線照射軌跡の違いを無視して画像再構成演算
を行ってきた。そのため、通常の従来技術になるX線C
T装置における画像再構成演算処理では、照射されたX
線ビームの軌跡は直角(図において下側に直角)である
と仮定しており、実際の計測も、X線管から発生したX
線を検出器13の各計測列(スライス)に対して垂直に
照射した場合の計測を行っているものとしている。
【0023】しかしながら、この場合、従来の画像再構
成演算処理における計算手法と実際の計測に関する矛盾
は、実際には、X線が或る幅を持って照射されるという
事実である。ただし、この幅(例えば、Wx=0.9m
m)を持って照射されるX線で発生する問題に関しては
種々の研究されてきており、例えば、通常のX線CT装
置でも、薄い幅での計測を行うなどの選択は可能であ
り、用途に応じた計測を行うことは可能である。
【0024】しかしながら、上記のように列方向にも複
数の検出器を備えた二次元多列検出器13を有するX線
CT装置では、なお、上記図5における台形Aから台形
Dまでのように、コーン角度(θ)の傾きが存在するこ
ととなる。そして、この場合には、図からも明らかなよ
うに、それぞれの検出器(この例では、第1スライス〜
第4スライス)により計測されるX線は、その照射され
る面自体が傾きを発生しており、そして、これを薄い幅
で計測すればする程、実際に使用している画像再構成演
算手法との矛盾が生じる。
【0025】なお、このコーン角度による問題は、上述
のように、実際のX線CT装置におけるX線経路に関す
る問題であり、上記図5に示したように、その計測幾何
学系の都合上、仕方のないことである。しかしながら、
この計測幾何学系に起因するコーン角度(各列(スライ
ス)データのもつX線照射範囲における傾き)によれ
ば、図5に点線で示される、例えば、一様な物質(水な
ど)で構成された仮想物体200を計測した場合でも、
得られる画像が異なってしまうという問題点がある。一
方、画像再構成演算では、以下の問題点が生じる。
【0026】(1)計測時の照射線量が列(スライス)
毎に異なるために生じる画線上のノイズ分布が違う。 (2)計測時にX線が通過する領域の体積の差によるX
線吸収線量との間で誤判定を生じる。
【0027】なお、上記発生する問題のうち、問題点
(1)については、例えば、X線管にX線の照射量を調
整するフィルターを取り付けるか、あるいは、画像再構
成演算手法の中でノイズを低減させるためのフィルター
処理を行うことによって解消できる可能性はある。しか
しながら、上記問題点(2)は、同じ物質でも計測する
列によって物体のCT値が変わってしまうという、X線
CT装置にとって致命的な課題となる。
【0028】次に、本発明になるX線CT装置の画像処
理部20における基本的な処理を示す。画像処理部20
はスキャナ10からA/D変換器11を介して得られる
デジタル信号を獲得し、画像再構成した結果を画像表示
部20に転送する。この画像表示部20は、転送された
画像をモニタである画像ディスプレイ21上に表示し、
この表示画像は珍断などに使用される。
【0029】上記の二次元多列検出器13を有するX線
CT装置では、患者の1回の計測(すなわち、スキャナ
10の1回の回転)により、複数列の計測データ(スラ
イスデータ)を獲得することができる。そのため、画像
処理部20は、複数列の計測データを獲得して、基本的
には、その列数と同じ数の演算部によって同じ枚数の画
像再構成演算を行う。画像再構成を行うときの条件は、
基本的にはユーザー操作卓上で設定され、その画像再構
成条件に基づいて画像再構成が行われる。従って、画像
処理部20には、図4に示すように、複数列の計測デー
タを格納するメモリ201と、複数枚の画像再構成を行
う画像再構成演算器及び画像再構成結果を格納するため
の画像再構成ハードウェア202とが搭載されている。
【0030】そして、本発明になるX線CT装置では、
計測時にX線が通過する領域の体積の差を考慮した画像
再構成演算を行う。なお、X線吸収係数は、例えば図6
のような計測系では、物体に照射したX線量:Iと、
この物体に照射されて物体を通過してきたX線量:Iと
により、次の関係式で得られる。
【数1】
【0031】または、
【数2】
【0032】ここで、μ(x)は、場所xにおける物体
のX線吸収係数であり、積分範囲は物体の中をX線が通
過する全ての場所についてである。実際には、この積分
空間は、X線が検出器の幅と列方向の厚みを持っている
ため、3次元空間となる。なお、上記図4の場合では、
仮想物体200を通過する経路は、それぞれの列につい
て、台形A〜台形Dの、それぞれの体積となる。そこ
で、本発明による演算方法では、これら経路のうちの基
準となる列(台形の経路)の体積を基準値として、その
他の列(台形の経路)に関する画像再構成演算結果に
は、それぞれの体積の値の比を乗算することである。
【0033】より詳細に示すと、例えば、上記図5に示
したX線CT装置における二次元多列検出器の計測幾何
学系において、まず、台形A、台形B、台形C、台形D
の体積を求める。通常は、二次元多列検出器13の検出
器ピッチ(幅:W)は、それぞれの列で同じなので(例
えば、W=5mm、全体で20mm)、それらの体積を
考えるときはそれぞれの台形の面積比である。そして、
この二次元多列検出器13の検出器の列数がより増大し
た(例えば、8列で全体の幅が40mm)場合には、こ
の面積比はさらに大きなものとなる。
【0034】ところで、上記台形の面積は、幾何学的な
計算上は、(上底+下底)×(高さ)/2という計算式
で求められるが、上記図5においては、同じ一様な物体
(ここでは、仮想物体200)を計測しているため、そ
の高さは列によらずに一定である。さらに、計測する幾
何学系では、X線焦点から検出器までの距離:L、及
び、焦点から計測中心(図の一点鎖線)までの距離:s
は得られる。そこで、このLを使用して、計測した物体
(仮想物体200)の幅が分かれば、それぞれの台形の
上底、下底の長さは簡単に計算できる。このようにして
計算した面積をそれぞれS1、S2、S3、S4とおけ
ば、物体をX線が通過する領域の体積比は、以下のよう
になる。
【0035】Sl:S2:S3:S4 特に、上記図5の場合は、S2=S3、S1=S4であ
る。
【0036】この比率をS2で正規化すれば、以下のよ
うになる。 S1/S2:1:S3/S2:S4/S2 この値を基に、次の値を定義する。 R1:=S1/S2 R2:=S2/S2=1.0 R3:=S3/S2 R4:=S4/S2
【0037】これらの値R1〜R4は、物体をX線が通
過する領域の体積比となることから、実際に上記図5の
二次元多列検出器13で計測されたデータにおける投影
データ変動は、これらの比率で発生することとなる。ま
た、この投影データの変動は、画像再構成処理結果につ
いても、やはり同じ比率で反映するものと考えられるこ
とから、画像再構成結果について、次の処理を行う。
【0038】 第1列の画像:画像再構成結果/R1−1000 第2列の画像:画像再構成結果/R2−1000 第3列の画像:画俊再構成結果/R3−1000 第4列の画像:画像再構成結果/R4−1000
【0039】ここで、画像再構成結果とは、空気での値
を0、水での値を1000とした時のCT値、即ち、通
常のCT値に1000を足した(+1000)値であ
る。また、上記における−1000は、空気による割引
値を示している。
【0040】このように、計測時にX線が通過する領域
の体積の差を考慮した画像再構成演算を行うことによれ
ば、各列(スライス)毎の幾何学的形状から発生してい
るCT値の変動は解消されることとなる。なお、かかる
演算処理は、X線CT装置では、通常、画像再構成結果
についてCT値に換算するための乗算処理を行っている
ことから、上記の処理によって発生する演算処理の増加
は、当該乗数に施して行うことができるため、演算処理
数や演算時間の増加も全く発生せず、有利である。
【0041】また、上記の計算は照射X線の分布が第1
列(第1スライス)から第4列(第4スライス)まで、
まったく均一な分布という仮定に基づいて行ったが、実
際の機器においては、外側の列に向かうに従い、そのX
線分布も変化する。ただし、かかるX線分布について
も、やはり、上記計測幾何学系から容易に計算できるこ
とから、かかる計算により補正することにより解消する
ことができる。そのため、上記の手法は、一般の場合に
も広く適用することができる。
【0042】なお、上記に詳述した実施の形態において
は、上記X線CT装置における二次元多列検出器13の
列数は4列として説明したが、しかしながら、本発明で
はこれにのみ限定されるものではなく、むしろ、上述し
たように、この二次元多列検出器の列数が多くなる程そ
の面積比も大きくなることから、より効果的である。
【0043】
【発明の効果】以上の詳細な説明からも明らかなよう
に、本発明になるX線CT装置によれば、透過X線を検
出するスキャナを構成する検出器として二次元多列検出
器を採用した場合でも、その幾何学的な計測要因から必
然的に生じてしまう画像のCT値変動を消去することが
可能となることから、各列で得られる計測データ(スラ
イスデータ)におけるノイズ分布の相違やX線吸収線量
の誤判定などのない良好な測定結果(画像)が得られる
という優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になるX線CT装置の概
要構成を示すブロック図である。
【図2】上記本発明のX線CT装置において使用される
二次元多列検出器の構造の一例を示す斜視図である。
【図3】上記本発明のX線CT装置におけるX線発生装
置の構造の一例を示す図である。
【図4】上記本発明のX線CT装置における画像処理部
の構成の一例を示す図である。
【図5】上記本発明のX線CT装置の二次元多列検出器
における計測幾何学系について説明するための側面図で
ある。
【図6】上記本発明のX線CT装置の計測時における計
測系の一例を示す図である。
【図7】従来のX線CT装置における画像再構成処理の
一例を示す図である。
【符号の説明】
10 スキャナ 11 X線発生器 12 患者(被検体) 13 検出器(二次元多列検出器) 20 画像処理部 22 画像表示部 23 画像ディスプレイ 30 全体制御CPU 113 焦点

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線発生器からのX線を被検体に投射し
    てその透過X線を検出するスキャナと、当該スキャナに
    より検出した計測信号に所定の画像処理を行って画像表
    示する画像表示部と、前記スキャナ及び前記画像表示部
    の動作を制御するための全体制御手段とを備えたX線C
    T装置であって、前記スキャナは、前記透過X線を検出
    するための二次元多列検出器を有しており、かつ、前記
    画像表示部は、前記二次元多列検出器における幾何学的
    な計測要因から生じる画像のCT値変動を消去するため
    の画像再構成演算を実行する手段を備えていることを特
    徴とするX線CT装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載したX線CT装置に
    おいて、前記画像表示部における前記画像再構成演算実
    行手段は、計測時にX線が通過する前記被測定体の領域
    の体積の差を考慮した画像再構成演算を行うことを特徴
    とするX線CT装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載したX線CT装置に
    おいて、前記画像表示部における前記画像再構成演算実
    行手段は、前記二次元多列検出器の複数の列に対応する
    台形の面積比により、各検出器における計測データを補
    正することを特徴とするX線CT装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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