JP4669463B2 - ヘリカルスキャン型のx線ct装置 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用X線CT(Computed Tomography)装置などにおいて、造影剤を使った適切な同期撮影のタイミング制御を実現するX線CT装置に関する。
造影剤がちょうどピーク値に達したときに断層像を得ることができれば、少ない造影剤の量で鮮明な画像を得ることができる。このため造影剤を被検体に注入し、適切なスキャン開始ディレイ時間およびスキャン速度でX線CT撮影を行うことが求められる。そこで、この造影剤の注入とX線CT撮影の適切なタイミングとの関係を知る方法には、以下の方法が提案されている。
一つの方法は、ボーラス・トラッキング法である。ボーラス・トラッキング法は、造影剤注入後の適切なある部位の関心領域ROIでのCT値の変化をモニターリングし、そのCT値が、ある閾値を超えたら最適なタイミングで本スキャンを開始する方法である。例えば、特許文献1では、複数の断層像のうち造影剤の先頭が到達している断層像の位置に基づいて造影剤の移動速度を予測している。そして、被検体内の造影剤の動きに追従してヘリカルスキャンの速度を制御する。
別の方法は、テスト・インジェクション法である。テスト・インジェクション法は、本スキャンに先立ち、少量の造影剤によるモニタリングスキャンを事前に行うことで、血流の状態を把握する。この結果に基づき造影剤の量や注入速度を考慮して、本スキャンでの血流の流れを予測して最適なタイミングを決める方法である。
特開2006−051234公報
このテスト・インジェクション法においても、被検体にとってヨードなどの造影剤の負担は大きいので、できる限り造影剤の量は減らしてヘリカルスキャン撮影を行いたい要望は大きい。
そこで、本発明は、テスト・インジェクションの際にも造影剤の使用を減らし、また、本スキャン時にできる限り造影剤の量は減らすことを目的とする。そして、被検体内の造影剤のピーク値の動きに追従してヘリカルスキャンの速度を制御するヘリカルスキャン型のX線CT装置およびその方法を提供することである。
本発明は、心臓に近い近位部、つまり血流の上流位置と、心臓から遠い遠位部、つまり血流の下流位置とで造影剤のモニタリングスキャンを行う。造影剤が大動脈などの血流内でどれくらいの速度で流れるか計測するためには、できるだけ上流位置と下流位置とが離れていたほうが平均的な造影剤の流れる速度を求めることができる。しかし、テスト・インジェクションにおいて、近位部と遠位部とで二度にわたってテスト用の造影剤を注入することは被検体に負担が大きい。このため、本発明では、一度だけテスト用の造影剤を注入して、上流位置で造影剤のモニタリングスキャンを途中まで、具体的にはCT値の経時的変化を把握できるまで行う。そして、下流位置に造影剤が届く前に、下流位置で造影剤のモニタリングスキャンを引き続き行う。そして、下流位置でCT値のピーク値が把握できるまでモニタリングスキャンを行う。このようにすれば、テスト用の造影剤を一度注入するだけで足りる。
この際に、上流位置では造影剤のモニタリングスキャンを途中までしか行っていないので、上流位置でCT値のピーク値が把握できていない。このため、下流位置でのCT値のピーク値に至るまでの時間および積算値と、上流位置でのCT値の経時的変化とに基づいて、上流位置におけるCT値のピーク値に至るまでの時間を演算する。この演算により、上流位置でCT値のピーク値が把握できる。上流位置と下流位置とでCT値のピーク値が把握できれば、本スキャンにおけるスキャン速度を決定することができる。
第1の観点のヘリカルスキャン型のX線CT装置は、被検体の血流の上流位置と下流位置とにモニター領域を設定するモニター領域設定手段と、テスト用の造影剤の投与後に、上流位置を透過した投影データに基づいて第一CT値を計測する第一CT値計測手段と、第一CT値を計測した後、被写体を下流位置に移動させる載置台と、下流位置を透過した投影データに基づいて第二CT値を計測する第二CT値計測手段と、第一CT値および第二CT値に基づいて、スキャン速度を決定するスキャン速度決定手段とを備える。
この第1の観点におけるX線CT装置では、テスト用の造影剤を注入後に第一CT値を計測した後、載置台で被写体を下流位置に移動させ、下流位置で第二CT値を計測する。このため、上流位置と下流位置との距離を広くとっても、下流位置で第二CT値を計測することができ、造影剤の平均的な流れ具合を把握することができる。
第2の観点では、X線CT装置は、第一CT値計測手段がCT値の経時変化を計測し、第二CT値計測手段がCT値のピーク値までの時間およびこのピーク値までの積算値を計測する。
この第2の観点におけるX線CT装置は、上流位置ではCT値の経時変化を計測するが、ピーク値まで測定していない。このため、二度テスト用の造影剤を注入することなく、下流位置ではCT値のピーク値までの時間およびこのピーク値までの積算値を計測することができる。
第3の観点のX線CT装置は、第2の観点において、スキャン速度決定手段が上流位置のCT値の経時変化、下流位置のCT値のピーク値までの時間およびこのピーク値までの積算値に基づいて、上流位置のCT値のピーク値までの時間を求める。
上流位置ではCT値のピーク値まで測定していない。このため、スキャン速度決定手段が、上流位置のCT値の経時変化、下流位置のCT値のピーク値までの時間およびこのピーク値までの積算値に基づいて、上流位置のCT値のピーク値までの時間を求める。これで、上流位置と下流位置とのCT値のピーク値までの時間が把握できる。これで、適切なスキャン開始ディレイ時間も把握できる。
第4の観点では、第3の観点において、スキャン速度決定手段が上流位置のCT値のピーク値および下流位置のCT値のピーク値からヘリカルスキャン速度を決定する。
上流位置と下流位置とのCT値のピーク値までの時間が把握できることで、本スキャンにおけるヘリカルスキャン速度を決定することができる。このため、本スキャンで造影剤のピーク値に沿ってヘリカルスキャンを行うことができる。そのため、本スキャンのための造影剤の注入量を必要最低限に減らしても鮮明な断層像を得ることができる。
第5の観点のX線CT装置は、第4の観点において、スキャン速度は、一定速度、一定の減速度を有する速度、または可変の減速度を有する速度を含む。
一般に、血流は、心臓から遠くなればなるほど遅くなるので、造影剤のピーク値Peも一定の速度ではない。上流位置のCT値のピーク値および下流位置のCT値のピーク値からヘリカルスキャン速度を決定する際に、この点を考慮して所定の減速加速度を有する毒度でヘリカルスキャン速度を決定してもよい。また、上流位置のCT値のピーク値および下流位置のCT値のピーク値以外に、中間の位置である中位部におけるCT値のピーク値を求めて、二次曲線的なヘリカルスキャン速度にすることも可能である。このような加速減速中にも断層像を撮像する技術は、可変ピッチヘリカルスキャンとして技術的に確立されている。
第6の観点では、CT値は、関心領域内の最大CT値または関心領域内の平均CT値を含む。
この第6の観点におけるX線CT装置では、関心領域内で最大CT値または関心領域内の平均CT値を使って、CT値の経時変化またはピーク値を計測することができる。この関心領域は、xy平面の二次元領域であってもよいし、z方向も含めた三次元領域であってもよい。
第7の観点では、本発明のX線CT装置は、上流位置が心臓の近傍の位置であり、下流位置が下腹部または脚部である。
この第7の観点におけるX線CT装置では、心臓の近傍の胸部から脚部にかけて、造影剤のピーク値に沿って断層像を撮影することができる。
第8の観点では、本発明のX線CT装置は、上流位置が心臓の近傍の位置であり、下流位置が頸部または頭部である。
の第8の観点におけるX線CT装置では、心臓の近傍の胸部から頭部にかけて、造影剤のピーク値に沿って断層像を撮影することができる。
本発明のX線CT装置によれば、テスト・インジェクションの際にも造影剤の使用を減らすことができる。さらに、本スキャン時にできる限り造影剤の量は減らしても、造影剤のピーク値に沿ってスキャンすることで鮮明な画像を得ることができる。
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
<ヘリカルスキャン型のX線CT装置の全体構成>
図1は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置(X線CT装置)100の構成を示したブロック図である。X線CT装置100は、操作コンソール1と、ガントリ20と、このガントリ20の撮影領域内に被検体40を挿入する撮影テーブル10とを装備している。撮影テーブル10は、被検体を乗せて走査ガントリ20の開口部に出し入れするクレードル12を具備している。クレードル12は、被検体40の体軸方向であるZ方向に移動する。
ガントリ20は、被検体40の体軸の回りに回転しているX線管21および多列X線検出器24などを制御する回転部コントローラ26と、制御信号などを操作コンソール1などとやり取りする制御コントローラ29と、回転しているX線管21およびデータ収集装置25などとの信号を伝えるスリップリング30とを具備している。ガントリ20は、回転リングを有し、この回転リングにコーンビーム形状のX線を照射するX線管21とX線管21に対向して配置された多列X線検出器24とを有している。多列X線検出器24は、被検体40を透過したX線を検出する。
多列X線検出器24は、シンチレータおよびフォトダイオードで構成される。この多列X線検出器24は、同時に複数スライス(複数列)分の投影データを検出できるように、回転リングの回転軸と略平行なZ方向に沿って複数列に配列されている。また、多列X線検出器24は、X線管21の焦点を中心として円弧状に形成された多チャンネルの形状である。多列X線検出器24には、一般的にDAS(data acquisition system) と呼ばれているデータ収集回路25が接続されている。このデータ収集回路25には、多列X線検出器24の各チャンネルの電流信号を電圧に変換するI−V変換器と、この電圧信号をX線の曝射周期に同期して周期的に積分する積分器と、この積分器の出力信号を増幅するアンプと、このプリアンプの出力信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル・コンバータとが、チャンネルごとに設けられている。データ収集回路25からのディジタル信号は、データ転送装置27を介してデータ収集バッファ5に送られる。
制御コントローラ29は、ヘリカルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャンなどの複数のスキャンパターンを実行する。ヘリカルスキャンとは、X線管21及び多列X線検出器24とが回転している状態でクレードル12を所定速度で移動させ、投影データを取得するスキャン方法である。可変ピッチヘリカルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様にX線管21及び多列X線検出器24を回転部コントローラ26で回転させながらクレードル12の速度を可変させて投影データを取得するスキャン方法である。
操作コンソール1は、入力装置2、中央処理装置3、モニター6および記憶装置7を有している。入力装置2は、操作者の入力を受け付けるキーボードまたはマウスで構成される。記憶装置7は、プログラムやX線検出器データや投影データやX線断層像を記憶する。中央処理装置3は、少なくとも画像再構成部31、第一CT値計測部33、第二CT値計測部35およびスキャン速度決定部37を有している。
画像再構成部31は、データ収集回路25からの投影データに対して、前処理をしたり、画像再構成処理をしたり、後処理などを実行する。画像再構成された断層像はモニター6に表示される。
第一CT値計測部33は、近位部Z1(図5を参照)の関心領域ROIに関して、CT値の変化曲線(Time Density Curve)TDCを計測する。
第二CT値計測部35は、遠位部Z2(図5を参照)の関心領域ROIに関して、CT値の変化曲線TDCを計測する。
スキャン速度決定部37は、制御コントローラ29によるヘリカルスキャンなどのスキャン速度を決定する。本実施形態では、テスト用のヨード系造影剤が最適に撮像できるようにスキャン速度を決定する。
図2(a)および図2(b)は、X線管21と多列X線検出器24の幾何学的配置の図である。図2(a)は、X線管21と多列X線検出器24の幾何学的配置をXy平面から見た図であり、図2(b)はX線管21と多列X線検出器24の幾何学的配置をyz平面から見た図である。X線管21の陽極51は、コーンビームと呼ばれるX線ビームXRを発生する。コーンビームの中心軸方向がy方向に平行なときを、ビュー角度0度とする。多列X線検出器24は、z方向にJ列、例えば256列のX線検出器列を有する。また、各X線検出器列はチャネル方向にIチャネル、例えば1024チャネルのX線検出器チャネルを有する。図2(a)において、X線管21のX線焦点を出たX線ビームがビーム形成X線フィルタ28により、再構成領域Pの中心ではより多くのX線が、再構成領域Pの周辺部ではより少ないX線が照射される。このようにX線線量を空間的に制御した後に、再構成領域Pの内部に存在する被検体にX線が吸収され、透過したX線が多列X線検出器24でX線検出器データとして収集される。ビーム形成X線フィルタ28は撮影中心である回転中心に向かうX線の方向にはフィルタの厚さが最も薄く、周辺部に行くに従いフィルタの厚さが増し、X線をより吸収できるようになっているX線フィルタである。
図2(b)では、X線管21の陽極51を出たX線ビームXRはX線コリメータ23により断層像のスライス厚方向に制御されて、回転中心軸IC近辺に存在する被検体40にX線が吸収され、透過したX線は多列X線検出器24でX線検出器データとして収集される。X線が被検体40に照射されて収集された投影データは、多列X線検出器24からデータ収集装置25でA/D変換され、スリップリング30を経由してデータ収集バッファ5に入力される。データ収集バッファ5に入力されたデータは、記憶装置7のプログラムにより画像再構成部31で処理され、断層像に画像再構成されてモニター6に表示される。なお、本実施形態では多列X線検出器24を適用した場合であるが、フラットパネルX線検出器に代表されるマトリクス構造の二次元X線エリア検出器を適用することもできるし、1列のX線検出器を適用することができる。
<造影剤を使った断層像撮影の動作フローチャート>
図3は、本発明のヘリカルスキャン型のX線CT装置100による造影剤を使った断層像撮影の動作フローチャートである。
ステップS12において、操作者は、テスト用のヨード系造影剤を観察する部位をモニター6で観察しながら入力装置2を使って設定する。操作者は、心臓に近い近位部Z1と心臓から遠い遠位部Z2と少なくとも二箇所を設定する。診断する部位にもよるが、近位部Z1と遠位部Z2とはできるだけ離れている方が、造影剤の平均的な流れを観察できるので好ましい。また、操作者は、近位部Z1における関心領域ROIおよび遠位部Z2における関心領域ROI、たとえば大動脈をモニター6で観察しながら入力装置2を使って設定する。この詳細については、図4のフローチャートを使って説明する。
次に、ステップS13において、被検体40にテスト用のヨード系造影剤を肘静脈に注入する。たとえばテスト用のヨード系造影剤は10cc程度であり、所定の時間で被検体40に注入される。肘静脈に注入されたテスト用のヨード系造影剤は、心臓、肺および心臓を経由して大動脈に運ばれる。
ステップS14において、近位部Z1のモニタリングスキャンを行う。X線管21と多列X線検出器24と含む走査ガントリ20を被検体40の回りに回転させながら被検体40のX線検出器データのデータ収集動作を行う。ビュー角度viewと、検出器列番号jと、チャネル番号iとで表わされるX線検出器データD0(view,j,i)(j=1〜ROW,i=1〜CH)にz方向位置Ztable(view)を付加させて、一定範囲のデータ収集を行う。この場合、近位部Z1のスライス厚が1mmないし10mm程度であれば、クレードル12をz方向に移動させてヘリカルスキャンを行う必要はない。投影された投影データは、画像再構成部31により、前処理、ビームハードニング補正、再構成関数重畳処理、逆投影処理などを経て、画像再構成される。
モニタリングスキャンでは、被検体40がX線を多く被曝しないように、X線管21から低X線量が照射される。また、X線管21と多列X線検出器24との回転は、1〜2秒に1回程度の回転でよい。第一CT値計測部33では、近位部Z1の関心領域ROIに関して、CT値の変化曲線(Time Density Curve)TDCを計測する。
また、第一CT値計測部33では、変化曲線TDCの傾きを求める。変化曲線TDCの傾きを求めることができたら、ステップS15に進む。なお、所定時間のCT値が確保できば、変化曲線TDCの傾きを求めることができるので、所定時間の変化曲線TDCを計測して、ステップS15に進んでよい。
ステップS15では、制御コントローラ29が、クレードル12を最高速度、たとえば150mm/秒で遠位部Z2まで移動させる。遠位部Z2の関心領域ROIに造影剤が届いていない状態から遠位部Z2にて、モニタリングスキャンを行うためである。
ステップS16において、遠位部Z2にてモニタリングスキャンを行う。回転部コントローラ26は、X線管21と多列X線検出器24とを被検体40の回りに回転させながら被検体40のX線検出器データのデータ収集動作を行う。この場合、遠位部Z2のスライス厚が1mmないし10mm程度であれば、クレードル12をz方向に移動させてヘリカルスキャンを行う必要はない。投影された投影データは、画像再構成部31により、前処理、ビームハードニング補正、再構成関数重畳処理、逆投影処理などを経て、画像再構成される。
モニタリングスキャンでは、被検体40がX線を多く被曝しないように、X線管21から低X線量が照射される。また、X線管21と多列X線検出器24との回転は、1〜2秒に1回程度の回転でよい。第二CT値計測部35では、遠位部Z2の関心領域ROIに関して、CT値の変化曲線TDCを計測する。また、第二CT値計測部35では、テスト用のヨード系造影剤を注入してから、遠位部Z2の関心領域ROIのピーク値Peに至るまでの時間を求め、さらにピーク値Peに至る時間までのCT値の積算値を演算する。
ステップS17において、近位部Z1におけるピーク値Peに至る時間を演算する。ステップS14では、第一CT値計測部33が近位部Z1の変化曲線TDCの傾きを求めたが、関心領域ROIのCT値がピーク値Peに至るまでモニタリングスキャンを行なわなかった。しかし、遠位部Z2の関心領域ROIにおいて、ピーク値Peに至る時間までのCT値の積算値が求まったので、近位部Z1の変化曲線TDCの傾きと遠位部Z2の積算値とに基づいて、近位部Z1の変化曲線TDCのピーク値Peに至るまでの時間を求めることができる。ヨード系造影剤は、毛細血管から組織へ染み出さないため、関心領域ROI、たとえば大動脈を流れる造影剤の量はあまり減らないからである。また、大動脈から他の動脈に流れる場合には所定の係数を積算値に掛けてかけた後、近位部Z1の変化曲線TDCのピーク値Peに至るまでの時間を求めてもよい。
ステップS18では、スキャン速度決定部37は、近位部Z1の変化曲線TDCのピーク値Peから遠位部Z2の変化曲線TDCのピーク値Peまでの経過時間を演算する。その経緯時間に基づいて、造影剤の注入からヘリカルスキャンを開始するまでの正確なスキャン開始ディレイ時間DT(図10を参照)、クレードル12の移動速度v2(図10を参照)などを算出することができる。スキャン速度決定部37は、これらスキャン開始ディレイ時間DT、クレードル12の移動速度V2から、回転部コントローラ26による走査ガントリ20の回転、および走査ガントリ20の回転に対してクレードル12を直線移動させるヘリカルピッチなどのプロトコルを決定する。また、造影剤の注入速度も決定することができる。
ステップS19では、検査目的に応じた造影剤の注入量が、所定の注入速度で注入される。そして、ステップS18においてスキャン速度決定部37で決定されたプロトコルに従い、本スキャンが行われる。走査ガントリ20が、造影剤のピーク値Peに沿って近位部Z1の周辺から遠位部Z2の周辺まで断層像を撮影できるので、少ない造影剤できれいな断層像を撮影することができる。つまり被検体に注入する造影剤は少なくて済む。
<<近位部Z1および遠位部Z2における関心領域ROIの設定>>
図4は、近位部Z1および遠位部Z2における関心領域ROIを設定するフローチャートである。すなわち、図3のステップS12を詳細にしたフローチャートである。図5は、走査ガントリ20における被検体40の近位部Z1および遠位部Z2を示した図である。図6は、断層像CSIにおいて感心領域ROIを設定する図である。
ステップS121では、被検体をクレードル12に乗せて位置合わせを行う。クレードル12の上に乗せられた被検体は各部位の基準点に走査ガントリ20のスライス中心位置を合わせる。
ステップS122では、スカウト像(スキャノ像、X線透視像ともいう。)収集を行う。スカウト像は被検体の体の大きさによって成人又は子供の2種類のスカウト像が撮影できるようになっており、さらに通常0度,90度で撮影することができる。部位によっては例えば頭部のように、90度スカウト像のみの場合もある。スカウト像撮影では、X線管21と多列X線検出器24とを固定させ、クレードル12を直線移動させながらX線検出器データのデータ収集動作を行う。
ステップS123では、スカウト像がモニター6上に表示される(図9を参照)。操作者はモニター6に表示されたスカウト像のどの部分でxy平面の断層像を撮像するかを設定する。つまり、操作者は近位部Z1と遠位部Z2とを設定する。また、近位部Z1または遠位部Z2において、一枚のみの断層像CRIではなく、z方向に複数枚の断層像CRIを撮影する場合には、その撮影条件の設定を行う。さらに、操作者は本スキャンの設定なども行う。近位部Z1は、心臓の近傍の位置であり、遠位部Z2は心臓より上方の頸部または頭部であってもよく、また下方の下腹部または脚部であってもよい。
ステップS124において、X線管21から低X線量が照射され、近位部Z1における断層像CRIが撮像される。次に、クレードル21が遠位部Z2に移動し、ステップS125において、X線管21から低X線量が照射され、遠位部Z2における断層像CRIが撮像される。図5(a)に示すように、近位部Z1は、ランドマークZ0から所定距離だけ離れた位置に設定されており、図5(b)に示すように、遠位部Z2は、ランドマークZ0から所定距離だけ離れた位置に設定されている。なお、近位部Z1および遠位部Z2の断層像CRIは、狭いスライス厚で足りるので、コリメータ23は狭く設定されている。
ステップS126では、撮像された近位部Z1および遠位部Z2における断層像CRIがモニター6に表示される。操作者は、それぞれの断層像CRI内に関心領域ROIを入力装置2で設定する。図6(a)は、近位部Z1における断層像CRIの一例であり、中央に大動脈の断面が表示され、その周りに椎体、肝臓、肋骨などが表示されている。
ステップS127では、図6(a)では、入力装置2により、大動脈を関心領域ROIとして設定している。また、近位部Z1においてz方向に複数の関心領域ROIを設定する場合には、複数毎の断層像CRIに対して関心領域ROIを設定する。遠位部Z2においてz方向に複数の関心領域ROIを設定する場合も同様である。図6(a)では、一つの関心領域ROIが設定されているが、複数の関心領域ROIを設定するのであれば、近位部Z1および遠位部Z2において1つの断層像内に複数の関心領域ROIを設定しておく。たとえば脚部であれば大動脈が二本の脚に分かれているので、1つの断層像内で二つの関心領域ROIを設定する。
<<近位部Z1におけるCT値の変化曲線TDCの計測>>
図7は、近位部Z1の関心領域ROIにおけるCT値を計測し、CT値の変化曲線TDCの傾きを求めるフローチャートである。すなわち、図3のステップS14のモニタリングスキャンを詳細にしたフローチャートである。
ステップS141では、造影剤のモニタリングスキャンを行うため、近位部Z1の断層像を撮影する。被検体40の被曝低減のため、X線管21から低X線量を照射し、且つ一定時間間隔でクレードル12を固定したままのスキャン、アキシャルスキャンを行う。
ステップS142では、第一CT値計測部33は、ある時点tiにおける関心領域ROIの画素入力を行う。具体的には、関心領域ROIの画素入力は該当する断層像が記憶された記憶装置7、または断層像の画像ファイルから関心領域ROIに相当する画素のCT値を読み込む。
ステップS143において、第一CT値計測部33は、読み込んだ関心領域ROIに相当する画素のCT値から、最大CT値の検索を行う。たとえば、図6(b)に、断層像CSI中の関心領域ROI内の走査を示す。図6(b)に示す関心領域ROI内で、y=yiの座標の関心領域ROIの画素についてx方向の始点と終点の範囲x∈[xsi,xei]について走査を行う。y方向にはy方向の始点と終点の範囲y∈[y1,yn]の範囲を走査する。
CT値とは被測定物質のX線吸収係数を基本物質に対する相対値として表したもので、CT値(Hu)=K[(μ―μ0)/μ0]で示される。但し、μは被測定物質のX線吸収係数、μ0は基本物質のX線吸収係数、Kは定数であり、一般に水のCT値が0、空気のCT値が−1000になるようにK=1000としている。また、X線吸収係数は単位厚さ当たりのX線吸収の割合を示す。このため、最初に最大CT値Pxm=−1000を入れておき、走査した画素が記憶した最大CT値より大きな場合に、その画素に置き換えていくことで、関心領域ROI内の最大CT値MHu(i)を求めることができる。
また、最大CT値MHu(i)を求めるのではなく、関心領域ROIの平均CT値AHu(i)を求めてもよい。平均CT値AHu(i)は、走査した画素のCT値を合計し画素数で割ればよい。このようにして、ある時点tiにおける最大CT値MHu(i)または平均CT値AHu(i)を求めることができる。本実施例では最大CT値MHu(i)および平均CT値AHu(i)の両方を説明するがいずれか一方のみを求めれば足りる。
ステップS144では、第一CT値計測部33は、ステップS143で求められた最大CT値MHu(i)または平均CT値AHu(i)を記憶装置7に記憶しておく。
ステップS145において、第一CT値計測部33は、最大CT値MHu(i)または平均CT値AHu(i)の変化曲線TDCの傾きを求める。ある時点tiのみでは傾きを求めることはできないが、ある期間モニタリングスキャンを行うことで、ステップS144で記憶された最大CT値MHu(i)または平均CT値AHu(i)を複数蓄積して、変化曲線TDCの傾きを求めることができる。たとえば、第一CT値計測部33は、ある時点tiから0.5秒経過ごとに、ステップS141からステップS143を繰り返す。そして、変化曲線TDCの傾きを求めることができたら、近位部Z1における造影剤のモニタリングスキャンを終了する。なお、所定時間の最大CT値MHu(i)または平均CT値AHu(i)が確保できば、変化曲線TDCの傾きを求めることができるので、所定時間の変化曲線TDCを計測するように、時間で制御してもよい。その後、図3のステップS15で説明したように、クレードル12を最高速度で遠位部Z2まで移動させる。
<<遠位部Z2における変化曲線TDCのピーク値Peまでの時間計測>>
図8は、遠位部Z2の関心領域ROIにおけるCT値を計測し、CT値の変化曲線TDCのピーク値Peまでの時間を算出するフローチャートである。すなわち、図3のステップS16のモニタリングスキャンを詳細にしたフローチャートである。
ステップS161では、変数iを初期化する。
ステップS162では、遠位部Z2の断層像を撮影する。被検体40の被曝低減のため、X線管21から低X線量を照射し、且つ一定時間間隔でクレードル12を移動させることなくスキャンを行うアキシャルスキャンを行う。
ステップS163では、第二CT値計測部35は、ある時点tiにおける関心領域ROIの画素入力を行う。具体的には、第二CT値計測部35は、関心領域ROIの画素入力は該当する断層像が記憶された記憶装置7、または断層像の画像ファイルから関心領域ROIに相当する画素のCT値を読み込む。
ステップS164において、第二CT値計測部35は、読み込んだ関心領域ROIに相当する画素のCT値から、最大CT値MHu(i)または平均CT値AHu(i)の検索を行う。図7のステップ143で説明したこととほぼ同じである。
ステップS165では、第二CT値計測部35は、ステップS143で求められた最大CT値MHu(i)または平均CT値AHu(i)を記憶装置7に記憶しておく。
ステップS166では、第二CT値計測部35は、最大CT値MHu(i)>MHu(i+1)の関係、または平均CT値AHu(i)>AHu(i+1)の関係が所定時間続いているかを判断する。最大CT値MHu(i)>MHu(i+1)の関係が所定時間続いているということは、最大CT値が減少傾向にあるということを示す。つまり、最大CT値MHu(i)は、一旦ピーク値Peに達した後、減少傾向にあることを示している。同様に、平均CT値AHu(i)>AHu(i+1)の関係が所定時間続いていれば、平均CT値AHu(i)は、一旦ピーク値Peに達した後、減少傾向にあることを示している。ステップS166の条件を満たさなければステップS167に進み、ステップS166の条件を満たしていればステップS168に進む。
ステップS167では、未だ、最大CT値MHu(i)または平均CT値AHu(i)がピーク値Peに達していないので、変数iに+1加算して、ステップS162からステップS166までのモニタリングスキャンを行う。
ステップS168では、最大CT値MHu(i)または平均CT値AHu(i)がピーク値Peに達したので、第二CT値計測部35は、これまで記憶した最大CT値MHu(i)または平均CT値AHu(i)の中から、一番大きなCT値をピーク値Peとして求める。そして、第二CT値計測部35は、テスト用のヨード系造影剤を注入してから、そのピーク値Peに至るまでの時間を演算する。さらに記憶されている最大CT値MHu(i)または平均CT値AHu(i)からピーク値Peに至るまでのCT値の積算値を演算する。その後、図3のステップS17で説明したように、近位部Z1におけるピーク値Peに至る時間を演算する。
<<モニターに表示される変化曲線TDCの例>>
図9は、モニター6に表示される近位部Z1および遠位部Z2におけるCT値の変化曲線TDCを示した図である。図9(a)は、被検体40のスカウト画像であり、図4のステップS122で撮影した画像である。この被検体40のスカウト画像に、操作者が設定した近位部Z1と遠位置Z2と表示される。また、操作者は、一般に、大動脈41に関心領域ROIを設定する。
さらに、モニター6は、スカウト画像の近位部Z1の付近に、近位部Z1の変化曲線TDC(図9(b))が表示する。変化曲線TDCの横軸は時間軸で、縦軸がCT値(Hu)である。時間軸のt0は、被検体の肘静脈に造影剤が注入された時刻である。図3のステップS14および図7のフローチャートで説明したように、モニター6には、CT値の変化曲線TDCがどの程度の傾きであるかを計測できる時刻t1までの実測結果が実線で表示されている。
スカウト画像の遠位部Z2の付近に、遠位部Z2の変化曲線TDC(図9(c))が表示される。図3のステップS15で説明したように、近位部Z1においてモニタリングスキャンが終わった後に、クレードル12が移動してから遠位部Z2においてモニタリングスキャンが始まる。このため、遠位部Z2の変化曲線TDCのモニタリングスキャンの開始時刻は、近位部Z1におけるモニタリングスキャンの終了時刻t1の直後である。そして、図3のステップS15および図8のフローチャートで説明したように、モニター6には、CT値の変化曲線TDCのピーク値Peを越えて、CT値が減少していく時刻t4までの実測結果が実線で表示されている。この計測結果により、被検体の肘静脈に造影剤が注入された時刻t0から、変化曲線TDCのピーク値Peに至った時刻t10までの時間が計測できる。
遠位部Z2における変化曲線TDCのピーク値Peに至った時刻t10およびピーク値Peに至る時刻t10までのCT値の積算値が求まったため、次に、図3のステップS17で説明したように、近位部Z1における変化曲線TDCのピーク値Peに至った時刻t5を求める。近位部Z1と遠位部Z2とにおけるピーク値Peの経過時間に基づいて、スキャン開始ディレイ時間DT(図10を参照)、クレードル12の移動速度v2(図10を参照)などを決定することができる。図9(d)において、点線は、遠位部Z2における変化曲線TDCの積算値などから予想される変化曲線TDCを示している。なお、図9(d)は理解を助けるために描いているのであって、必ずしもモニター6に表示する必要はない。
<<クレードルの動作およびX線照射量>>
近位部Z1および遠位部Z2のモニタリングスキャン、その後の本スキャンにおけるクレードル12の動作およびX線照射量ついて説明する。図10は、テスト用の造影剤の注入から本スキャンが完了するまでクレードル12の動作およびX線照射量を示したグラフである。図10の上図は、縦軸がX線管21のX線照射量であり横軸が時間である。図10の中図は、縦軸がクレードル12の速度であり横軸が時間である。図10の下図は、縦軸がクレードル12のz方向の位置であり横軸が時間である。最下部に、テスト用の造影剤AG1の注入タイミングおよび、本スキャン用の造影剤AG2の注入タイミングを示している。
テスト用の造影剤AG1の注入された後、クレードル12は、速度v1で移動し、近位部Z1まで異動する。そして、近位部Z1においてモニタリングスキャンを行う。この際にX線管21からのX線照射量は、低い電流mA1でX線が照射される。モニタリングスキャン時は、クレードル12は移動せず、近位部Z1に停止している。そしてCT値の変化曲線TDCの傾きが求められたら、クレードル12は、最高速度v3で移動し、遠位部Z2まで異動する。クレードル12が遠位部Z2に到着するとすぐに遠位部Z2においてモニタリングスキャンを行う。モニタリングスキャン時は、クレードル12は移動せず、遠位部Z2に停止している。
そして、これらのモニタリングスキャンの結果に基づいて、本スキャン用の造影剤AG2の注入速度、スキャン開始ディレイ時間DT、クレードル12の移動速度v2などが決定される。
次に、クレードル12は、本スキャンの開始位置に速度−v4にてランドマークZ0に復帰する。図10においては、ランドマークZ0から本スキャンを行うように設定されている。
本スキャン用の造影剤AG2の注入後、スキャン開始ディレイ時間DTを経て、クレードル12が加速し、速度v2でヘリカルスキャンが行われる。クレードル12の速度に応じてX線管21からのX線照射量も可変し、速度v2のヘリカルスキャン時には電流mA2でX線が照射される。このクレードル12の速度は、ちょうど造影剤AG2のピーク値Peに追従するようになっている。なお、図10において、クレードル12の加速時および減速時においてもX線を照射している。このようなヘリカルスキャンは、可変ピッチヘリカルスキャンと呼ばれている。可変ピッチヘリカルスキャンを開始することにより、本スキャン撮影開始までの時間が短縮される。これにより、造影剤同期撮影の本スキャン開始までの時間短縮が実現できる。可変ピッチヘリカルスキャンではなく、通常のヘリカルスキャンであっても、本発明のモニタリングスキャンは適用できる。
<<近位部Z1、中位部Z3および遠位部Z2におけるモニタリングスキャン>>
上記の説明では、近位部Z1および遠位部Z2におけるモニタリングスキャンについて説明してきた。しかし、近位部Z1と遠位部Z2との中間の位置における中位部Z3においても、さらにモニタリングスキャンを行うことが可能である。一般に、血流は、心臓から遠くなればなるほど遅くなるので、造影剤のピーク値Peも一定の速度ではない。したがって、本スキャン時のクレードル12の速度を非線形にする必要が出てくる。
図11は、モニター6に表示される近位部Z1、中位部Z3および遠位部Z2におけるCT値の変化曲線TDCを示した図である。図11(a)では、被検体40のスカウト画像に、操作者が設定した近位部Z1、中位部Z3および遠位置Z2と表示されている。
スカウト画像の近位部Z1の付近に、近位部Z1の変化曲線TDC(図11(b))が表示され、スカウト画像の中位部Z3の付近に、遠位部Z2の変化曲線TDC(図11(b‘))が表示され、スカウト画像の遠位部Z2の付近に、中位部Z3の変化曲線TDC(図9(c))が表示される。変化曲線TDCの横軸は時間軸で、縦軸がCT値(Hu)である。時間軸のt0は、被検体の肘静脈に造影剤が注入された時刻である。
図11(b)は、近位部Z1の変化曲線TDCがどの程度の傾きであるかを計測できる時刻t2までの実測結果が実線で表示されている。また、図11(b‘)は、近位部Z1と同様に、中位部Z3の変化曲線TDCがどの程度の傾きであるかを計測できる時刻t3までの実測結果が実線で表示されている。中位部Z3の変化曲線TDCがピーク値Peに至るまでモニタリングスキャンは行わない。近位部Z1においてモニタリングスキャンが終わった後に、クレードル12が高速移動してから中位部Z3においてモニタリングスキャンが始まる。このため、中位部Z3の変化曲線TDCのモニタリングスキャンの開始時刻は、近位部Z1におけるモニタリングスキャンの終了時刻t2の直後である。
中位部Z3においてモニタリングスキャンが終わった後に、クレードル12が高速移動してから遠位部Z2においてモニタリングスキャンが始まる。図11(c)に示すように、遠位部Z2では、CT値の変化曲線TDCのピーク値Peを越えて、CT値が減少していく時刻t4までモニタリングスキャンが行われる。この計測結果により、被検体の肘静脈に造影剤が注入された時刻t0から、変化曲線TDCのピーク値Peに至った時刻t10までの時間が計測できる。
遠位部Z2における変化曲線TDCのピーク値Peに至った時刻t10およびピーク値Peに至る時刻t10までのCT値の積算値が求まったため、次に、近位部Z1および中位部Z3における変化曲線TDCのピーク値Peに至った時刻t6、t7を求める。近位部Z1、中位部Z3および遠位部Z2におけるピーク値Peに至る時間t6、t7およびt10に基づいて、非線形のクレードル12の移動速度を決定することができる。図11(d)および図11(d‘)において、点線は、遠位部Z2における変化曲線TDCの積算値などから予想される変化曲線TDCを示している。なお、図11(d)および図11(d‘)は理解を助けるために描いているのであって、必ずしもモニター6に表示する必要はない。
本実施形態において、関心領域ROIは、xy平面の二次元領域だけであったが、z方向の領域も含めた三次元領域であってもよい。三次元領域内で最大CT値MHu(i)または平均CT値AHu(i)を求めればよい。
また、近位部Z1と遠位部Z2とにおける造影剤のピーク値Peから、ヘリカルスキャンピッチが決められ、クレードル12が線形の速度v2で移動した。血流は、心臓から遠くなればなるほど遅くなるので、クレードル12が一定の速度ではなく、所定の減速度で移動するようにしてもよい。
本実施形態では、特に特定のスキャン形式に限定されない。また、走査ガントリ20の傾斜について限定されない。すなわち、走査ガントリ20が傾斜した、いわゆるチルト・スキャンの場合でも同様な効果を出すことができる。
本実施形態では、医用X線CT装置100を元に書かれているが、X線CT−PET装置,X線CT−SPECT装置などにも利用できる。
本発明の一実施形態にかかるヘリカルスキャン型のX線CT装置100の構成ブロック図である。 X線管21と多列X線検出器24の幾何学的配置の図である。 本発明のヘリカルスキャン型のX線CT装置100による造影剤を使った断層像撮影の動作フローチャートである。 近位部Z1および遠位部Z2における関心領域ROIを設定するフローチャートである。 走査ガントリ20における被検体40の近位部Z1および遠位部Z2を示した図である。 断層像CSIにおいて感心領域ROIを設定する図である。 近位部Z1の関心領域ROIにおけるCT値を計測し、CT値の変化曲線TDCの傾きするフローチャートである。 遠位部Z2の関心領域ROIにおけるCT値を計測し、CT値の変化曲線TDCのピーク値Peまでの時間を算出するフローチャートである。 モニター6に表示される近位部Z1および遠位部Z2におけるCT値の変化曲線TDCを示した図である。 テスト用の造影剤の注入から本スキャンが完了するまでクレードル12の動作およびX線照射量を示したグラフである。 モニター6に表示される近位部Z1、中位部Z3および遠位部Z2におけるCT値の変化曲線TDCを示した図である。
符号の説明
1 … 操作コンソール
2 … 入力装置
6 … モニター
7 … 記憶装置
12 … クレードル
20 … 走査ガントリ
21 … X線管
22 … X線コントローラ
23 … コリメータ
24 … 多列X線検出器または二次元X線エリア検出器
25 … データ収集装置(DAS)
27 … 走査ガントリ傾斜コントローラ
28 … ビーム形成X線フィルタ
29 … 制御コントローラ
31 … 画像再構成部
33 … 第一CT値計測部
35 … 第二CT値計測部
37 … スキャン速度決定部
40 … 被検体
ROI … 関心領域
Pe … 関心領域ROIのCT値のピーク値
Z1 … 近位部
Z2 … 遠位部

Claims (8)

  1. 所定のスキャン速度で被検体にX線を照射し、その投影データに基づいて画像データを生成するヘリカルスキャン型のX線CT装置において、
    前記被検体の血流の上流位置と下流位置とにモニター領域を設定するモニター領域設定手段と、
    テスト用の造影剤の投与後に、前記上流位置を透過した投影データに基づいて第一CT値を計測する第一CT値計測手段と、
    前記第一CT値を計測した後、前記被写体を前記下流位置に移動させる載置台と、
    前記下流位置を透過した投影データに基づいて第二CT値を計測する第二CT値計測手段と、
    前記第一CT値および第二CT値に基づいて、前記スキャン速度を決定するスキャン速度決定手段と
    を備えることを特徴とするヘリカルスキャン型のX線CT装置。
  2. 前記第一CT値計測手段は、前記CT値の経時変化を計測し、前記第二CT値計測手段は、前記CT値のピーク値までの時間およびこのピーク値までの積算値を計測することを特徴とする請求項1に記載のヘリカルスキャン型のX線CT装置。
  3. 前記スキャン速度決定手段は、前記上流位置のCT値の経時変化、前記下流位置のCT値のピーク値までの時間およびこのピーク値までの積算値に基づいて、前記上流位置のCT値のピーク値までの時間を求めることを特徴とする請求項2に記載のヘリカルスキャン型のX線CT装置。
  4. 前記上流位置のCT値のピーク値および前記下流位置のCT値のピーク値から、前記スキャン速度を決定することを特徴とする請求項3に記載のヘリカルスキャン型のX線CT装置。
  5. 前記スキャン速度は、一定速度、一定の減速度を有する速度、または可変の減速度を有する速度を含むことを特徴とする請求項4に記載のヘリカルスキャン型のX線CT装置。
  6. 前記CT値は、関心領域内の最大CT値または関心領域内の平均CT値を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のヘリカルスキャン型のX線CT装置。
  7. 前記上流位置が心臓の近傍の位置であり、前記下流位置が下腹部または脚部であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のヘリカルスキャン型のX線CT装置。
  8. 前記上流位置が心臓の近傍の位置であり、前記下流位置が頸部または頭部であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のヘリカルスキャン型のX線CT装置。
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