JP2003124053A - 電子部品用金属膜転写フィルム - Google Patents

電子部品用金属膜転写フィルム

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JP2003124053A
JP2003124053A JP2001320529A JP2001320529A JP2003124053A JP 2003124053 A JP2003124053 A JP 2003124053A JP 2001320529 A JP2001320529 A JP 2001320529A JP 2001320529 A JP2001320529 A JP 2001320529A JP 2003124053 A JP2003124053 A JP 2003124053A
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Shinichi Tamura
真一 田村
Hiroshi Togo
寛 東郷
Masaru Suzuki
勝 鈴木
Shiyukuro Kobayashi
俶朗 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子部品を構成する電極を、転写によって形成
する金属膜を成膜したプラスチックフィルムを提供する
ことであり、特に金属膜と被転写面との接着性に優れた
金属膜を有する電子部品用金属膜転写フィルムを提供す
ること。 【解決手段】プラスチックフィルム上に離型層および金
属膜がこの順に成膜された構造を有しており、さらにそ
の金属膜上に接着性樹脂層を積層してなる電子部品用金
属膜転写フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品用材料に
関し、より詳細には電子部品に電導性金属膜を形成する
際、金属膜を成膜したプラスチックフィルムから転写し
て使用する金属膜転写フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子部品の電極を形成する方法と
しては、例えば、半導体回路等の製造においては、基板
上に直接メッキや蒸着によって金属膜を形成した後に、
フォトリソグラフィー等によってパターンニングを行な
う方法が知られている。
【0003】また、積層セラミックコンデンサでは、ま
ず、チタン酸バリウム等の誘電体粉末、有機バインダ
ー、可塑剤および有機溶剤からなるスラリーを用いて、
ドクターブレード法等によりグリーンシートを作製し、
次に、このグリーンシートの上に、パラジウム、ニッケ
ルあるいは白金等の貴金属を主成分とする電極ペースト
を用いて、スクリーン印刷法等により内部電極を形成す
る。次に、内部電極を形成したグリーンシートを内部電
極層がセラミック誘電体層を挟んで交互に対向するよう
に配置して順次積層し、所望の積層数まで積層を繰り返
し、セラミック積層体を形成する。次に、セラミック積
層体を接着フィルムを備えた金属板上に接着し、これを
セラミック積層体の層間の密着性を向上させるために圧
縮成形を行なう。さらに、このようにして成形されたセ
ラミック積層体を、所望の大きさのチップ状に切断し、
1200〜1400℃の温度で焼成する。このようにし
て得られた焼結体の両端部に現れる内部電極に、これら
の内部電極が電気的に接続されるように銀や銀−パラジ
ウム等を塗布し、焼付けることによって外部電極を形成
し、積層セラミックコンデンサを製造している。
【0004】近年、特に積層セラミックコンデンサで
は、携帯電話や携帯情報端末等に代表される携帯性の高
いモバイル機器の軽薄短小化の要望に伴い、ますますそ
の需要が高まる一方で、更なる小型化・大容量化が課題
となってきている。従来、積層セラミックコンデンサの
製造工程においては、小型・大容量化を実現する手段と
して、各々の積層するセラミック誘電体シートを薄肉化
し、積層数を増加させる方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、セラミ
ック誘電体シートを薄肉化した場合、グリーンシートが
薄いために、シート上に存在する微細な空孔に内部電極
ペーストが侵入、貫通し、絶縁不良が発生する等の問題
が起こる場合がある。
【0006】本発明者らは、例えば、積層セラミックコ
ンデンサにおいて、内部電極を従来のペーストを用いた
印刷法に代えて、金属膜を成膜したプラスチックフィル
ムを用意し、この金属膜を誘電体シート上に転写する手
法によって内部電極を形成する手法が上記課題を解決で
きることを見出したが(特願2001−63634
号)、被転写面と金属膜との接着性が必ずしも十分とは
言えなかった。
【0007】そこで、本発明者らは、本課題に対して鋭
意検討した結果、転写する金属膜上に接着性樹脂剤を積
層することによって、プラスチックフィルムと金属膜と
の離型性および金属膜と被転写面との接着性が良好とな
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】本発明の目的は、電子部品を構成する電極
を、転写によって形成する金属膜を成膜したプラスチッ
クフィルムを提供することであり、特に金属膜と被転写
面との接着性に優れた金属膜を有する電子部品用金属膜
転写フィルムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電子部品用金属
膜転写フィルムは、プラスチックフィルム上に離型層お
よび金属膜がこの順に成膜された構造を有しており、さ
らにその金属膜上に接着性樹脂層を積層してなる電子部
品用金属膜転写フィルムである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電子部品用金属膜
転写フィルムについて具体的に説明する。
【0011】本発明の電子部品用金属膜転写フィルム
は、プラスチックフィルム上に離型層を形成した後、そ
の上に金属膜を成膜し、さらにその上に接着性樹脂を積
層することによって得られる。
【0012】ここで用いられるプラスチックフィルム
は、有機高分子材料からなるフィルムであり、有機高分
子材料としては具体的には、例えば、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、非晶ポリオレ
フィン、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、フッ素樹脂、ポ
リエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリ
ウレタンおよび環状オレフィン系樹脂等を挙げることが
できるが、ポリエチレンテレフタレートが、経済性と強
度等の点で好適に用いられる。
【0013】本発明で用いられるプラスチックフィルム
は、枚葉あるいはロール状のいずれでも用いることがで
きるが、ロール状のフィルムであれば、連続して蒸着を
行なうことができ、好適である。
【0014】また、プラスチックフィルムの厚さとして
は、好ましくは8〜250μmの範囲で使用できるが、
より好ましくは12〜188μmである。厚さが8μm
未満では、金属蒸着時に蒸発源から発生する輻射熱によ
ってフィルムが変形するので好ましくなく、一方、厚さ
が250μmを超えるとフィルムに柔軟性がなく、転写
が難しく好ましくない。プラスチックフィルムの厚さを
測定する方法としては、マイクロメータ等の測定装置に
よる方法、採取したフィルムサンプルの質量からその比
重を用いて算出する方法等を用いることができる。
【0015】本発明の電子部品用金属膜転写フィルムに
おける離型層の主たる構成成分としては、シリコーン樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂またはフッ素樹脂の少
なくとも1種以上である。
【0016】本発明における離型層は、該離型層の構成
成分を含む塗液をプラスチックフィルムに塗布し、加熱
して乾燥させ、場合によっては紫外線照射等で硬化させ
ることによって形成することができる。塗液の塗布方法
としては、公知の塗布方法が適用でき、例えば、ロール
コーター法等を挙げることができる。また、塗液は有機
溶剤あるいは水性塗液を使用できるが、有機化合物の溶
解であるため、有機溶剤が好適に使用される。離型層の
厚さは、塗布抜けがないことが必須であるが、通常0.
01μm〜5μmが好ましく、より好ましくは0.05
〜3μmである。離型層の厚さが0.01μm未満で
は、塗布抜け等が起こり、十分な効果が得られず、また
厚さが5μmを超える場合は十分な離型効果の向上が期
待できず、また経済的にも不利になるため好ましくな
い。離型層の厚さは、透過電子顕微鏡、走査電子顕微
鏡、マイクロメータ等を用いることによって測定可能で
ある。
【0017】プラスチックフィルムと金属膜との接着力
の指標として、金属膜側に粘着テープを貼り、粘着テー
プとプラスチックフィルムを10mmの一定幅にスリッ
トした後、引張試験機を用い、1000mm/分の速度
で両者をT字に引き剥がすときの剥離強度を用いること
ができる。本発明において、離型層を介在した場合のプ
ラスチックフィルムと金属膜との間の剥離強度は、好ま
しくは0.1〜20g/10mm幅(幅10mm当たり
の剥離強度)であり、より好ましくは、0.5〜10g
/10mm幅である。剥離強度が0.1g/10mm幅
未満では、蒸着金属膜が外部からの力や摩擦等によって
容易に剥がれやすくなるため実用上好ましくなく、一
方、剥離強度が15g/10mm幅を超えると転写した
際に、転写されないか、金属膜にクラックが入るため好
ましくない。なお、積層セラミクコンデンサについて
は、セラミック誘電体シートに金属膜が転写された後の
離型層はフィルム側に残っても良いし、あるいは金属膜
側に残ってもかまわない。
【0018】本発明における電子部品用金属膜転写フィ
ルムの金属膜を構成する金属種は、使用される電子部品
によって異なるが、積層セラミックコンデンサの内部電
極として使用される場合には、ニッケル単体が好ましい
が、ニッケルによって得られる膜特性を改良する目的
で、他の金属をニッケルの電気特性、耐腐食性等の性質
を著しく損なわない範囲で添加してもよい。他の金属と
しては、例えば、クロム、銅、錫、アルミニウムおよび
パラジウム等が挙げられる。これら他の金属の配合割合
の上限としては、20重量%が好ましい。
【0019】本発明における金属膜の形成方法として
は、スパッタリングや蒸着等を用いることができるが、
なかでも蒸着によって得られる金属膜が好ましい。ま
た、蒸着方法としては、例えば、誘導加熱、抵抗加熱、
電子ビーム(EB)およびイオンプレーティング等を挙
げることができるが、特に電子ビーム蒸着が、生産性と
蒸着膜質の点で好適である。
【0020】本発明における金属膜の厚さは、好ましく
は500〜20000オングストロームの範囲であり、
より好ましくは500〜10000オングストロームで
あり、さらに好ましくは500〜5000オングストロ
ームの範囲である。厚さが500オングストローム未満
では転写工程で破れやすくなったり、十分な電気特性が
得られないので好ましくなく、一方、厚さが20000
オングストロームを超えると膜厚が厚くなり、薄膜化と
いう優位性が得られないばかりか、金属膜にクラックが
発生しやすくなるので好ましくない。
【0021】本発明における接着性樹脂層の主たる構成
成分としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエチレン、エチレン/オレフィン系共重合体、
ポリプロピレン系樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合
体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/無
水フタル酸共重合体、酢酸ビニル/ビニルピロリドン共
重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレ
ン/アクリレート共重合体、アイオノマー樹脂、セルロ
ース誘導体樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリウレ
タン系樹脂等の熱可塑性樹脂、またはこれらの熱可塑性
樹脂をベースポリマーとするホットメルト接着剤の1種
以上である。ここでいうホットメルト接着剤とは、水や
溶剤を含まず、室温で個体である不揮発性の熱可塑性材
料からなる接着性樹脂であって、ベースポリマーに対し
て、ロジン、ロジン誘導体、テルペン、変性テルペン誘
導体、石油樹脂、イソプレン系樹脂等の粘着性付与樹
脂、ポリブテン、ヂオクチルフタレート、ジブチルフタ
レート、液状ロジンエステル、低分子スチレン樹脂、塩
素化パラフィン等の可塑剤あるいは軟化剤、タルク、ク
レー、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム等
の充填剤、フィラー、みつろう、鯨ろう、支那昆虫ろ
う、セラックろう、カルナバ、オリキュー、キャンデリ
ラ、木ろう、ケーンワックス、モンタンワックス、オゾ
ケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロク
リスタリンワックス等の天然系ワックス類あるいは、フ
ィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、低分
子ポリエチレンおよびその誘導体、モンタン誘導体、マ
イクロワックス誘導体、合成酸化ワックス、ポリエチレ
ングリコール、ステアリン酸ソルビトール、カストール
ワックス、オパールワックス、アクラワックス、アーモ
ワックス、アタクチックポリプロピレン、アルファオレ
フィンワックス、ハロゲン化炭化水素等の合成系ワック
ス類、酸化防止剤等を適宜混合して得られる。
【0022】本発明における接着性樹脂の軟化点は通常
0℃〜250℃の範囲であり、好ましくは15℃〜23
0℃、より好ましくは30℃〜200℃の範囲である。
軟化点が0℃未満では、ロールで加工した場合のブロッ
キング現象が著しくなり、一方250℃を超えるとプラ
スチックフィルムが熱によって変形、破断するため、好
ましくない。なお、軟化点の測定方法としては、日本接
着剤工業会規格(JAI規格1−1974)に規定され
た方法で測定することができる。
【0023】本発明における接着性樹脂とは、熱によっ
て軟化あるいは溶融することによって金属膜面と被転写
面とを密着させ、室温に戻すことによって両面を接着さ
せるタイプの熱可塑性樹脂を必須成分として含有する接
着剤である。
【0024】本発明における接着性樹脂層は、溶融状態
で金属膜上に塗布することも可能であるが、膜厚を薄膜
で、かつ精度良く制御するためには、該接着性樹脂層の
構成成分を含む塗液を金属膜上に塗布し、加熱して乾燥
させ、場合によっては紫外線照射等で硬化させることに
よって形成することが好ましい。塗液の塗布方法として
は、公知の塗布方法が適用でき、例えば、ロールコータ
ー法等を挙げることができる。また、塗液は有機溶剤あ
るいは水性塗液を使用できる。接着性樹脂層の厚さは、
塗布抜けがないことが必須であるが、通常0.01μm
〜5μmが好ましく、より好ましくは0.05〜3μm
である。接着性樹脂剤層の厚さが0.01μm未満で
は、塗布抜け等が起こり、十分な効果が得られず、また
厚さが5μmを超えると、その効果は次第に飽和し、効
果の向上が期待できず、また経済的にも不利になるため
好ましくない。接着性樹脂層の厚さは、透過電子顕微
鏡、走査電子顕微鏡、マイクロメータ等を用いることに
よって測定可能である。
【0025】金属膜の転写方法としては、例えば、積層
セラミックコンデンサの誘電体シート上への金属膜の転
写の場合、金属膜転写フィルムとセラミックグリーンシ
ートとを重ね合わせた後、圧着ローラーやプレス機等を
用いて圧着した後、プラスチックフィルムを剥離する方
法を挙げることができる。この場合、接着性樹脂の軟化
温度以上、プラスチックフィルムのガラス転移温度ある
いは融点以下の温度で加熱することが効果的である。引
き続き、金属膜内部電極をパターニングされた誘電体シ
ートは、従来の工程によって積層セラミックコンデンサ
まで加工することができる。
【0026】誘電体シートは、通常チタン酸バリウム等
を主成分とする誘電体粉末、有機バインダー、可塑剤お
よび有機溶剤とからなるスラリーをドクターブレード法
等により膜化し、引き続き乾燥して得られるグリーンシ
ートを所定のサイズに裁断後、焼成することによって得
られる。該誘電体シート1枚当たりの厚さは0.5〜3
0μmであり、好ましくは0.5〜15μmである。
0.5μm未満では誘電体シートに発生するピンホール
等の欠陥が次第に多くなり、一方、30μmを超えると
本発明による誘電体シートを積層化した積層セラミック
コンデンサの小型大容量化を満足するものは得られな
い。
【0027】積層セラミックコンデンサにおける内部電
極パターンを形成する方法としては、所定の形状、大き
さの電極パターンにレジストを用いたリソグラフィー法
を組み合わせることによって実施することができる。
【0028】本発明の電子部品用金属膜転写フィルム
は、電子部品の薄膜状の電極を転写によって形成する方
法として好適であり、例えば、半導体回路や積層セラミ
ックコンデンサの内部電極を挙げることができるが、特
に積層セラミックコンデンサの内部電極の形成方法とし
て好適である。
【0029】
【実施例】本発明の電子部品用金属膜転写フィルムにつ
いて実施例を挙げて詳細に説明する。
【0030】本発明において、剥離強度は、金属膜側に
粘着テープを貼り、粘着テープとプラスチックフィルム
を10mmの一定幅にスリットした後、引張試験機を用
い、1000mm/分の速度で両者をT字に引き剥がす
ときの強度(g/10mm幅)とした。
【0031】(実施例1)厚さ25μmのポリエチレン
テレフタレートフィルムの上に、メラミン樹脂系離型剤
を塗布し厚さ0.2μmの剥離層を形成したのち、さら
にその上に電子ビーム蒸着によって膜厚3000オング
ストロームの金属ニッケルを成膜した金属膜転写フィル
ムを作成した。引き続き、この金属ニッケル膜上に、富
士写真フィルム(株)製商品名スタフィックスSOC−
30−M(軟化点=135℃のポリエステル樹脂をメチ
ルエチルケトン/トルエンに溶解した溶液)を乾燥後の
膜厚が0.5μmとなるように塗布後、120℃、1分
の乾燥条件で乾燥させた。
【0032】一方、誘電体材料の組成として、BaTi
3を主成分とし、これに添加物としてBaZrO3を加
えた酸化物の混合粉末を、ポリビニルブチラール樹脂系
バインダとともにジブチルフタレート中に分散して、セ
ラミックスラリーとした。このセラミックスラリーを、
ドクターブレード法により、シリコーン樹脂離型剤を塗
布した38μm厚のポリエチレンテレフタレートからな
るキャリアフィルムの片面に塗布し、これを120℃で
乾燥し、100mm×100mmの大きさに切断して、
2μmの厚さのセラミックグリーンシートを作成した。
【0033】このセラミックグリーンシートと接着性樹
脂層を重ね合わせ、ゴムローラーで5kgの荷重をか
け、150℃で貼り合わせ、室温にて24時間エージン
グ後、引張試験機にて剥離強度を測定した。その結果、
剥離強度は0.4g/10mm幅であった。剥離はプラ
スチックフィルムと金属ニッケル膜の間で起こり、金属
ニッケル膜はすべてセラミックグリーンシートと接着し
ていた。
【0034】(実施例2)軟化温度95℃のエチレン/
酢酸ビニル共重合樹脂をメチルエチルケトン/トルエン
に溶解し、乾燥後の膜厚が0.8μmとなるように塗布
後、120℃×1分の乾燥条件で乾燥させたこと以外は
実施例1と同様にして、金属膜転写フィルムを作成し
た。さらに同様にしてセラミックグリーンシートと貼り
合わせ、剥離強度を測定した結果、剥離強度は0.4g
/10mm幅であり、剥離はプラスチックフィルムと金
属ニッケル膜の間で起こり、金属ニッケル膜はすべてセ
ラミックグリーンシートと接着していた。
【0035】(比較例1)実施例1において金属膜上に
接着性樹脂を塗布しないこと以外は、実施例1と同様に
して金属膜転写フィルムを作成した。さらに実施例1と
同様にしてセラミックグリーンシートと貼り合わせ、剥
離強度を測定した結果、剥離強度は0.3g/10mm
幅であり、金属ニッケル膜は大部分がセラミックグリー
ンシート上に転写されていたが、部分的に転写フィルム
上に残存していた。
【0036】(比較例2)実施例1においてポリエチレ
ンテレフタレートフィルムに、離型層を設けずに直接電
子ビーム蒸着によって膜厚3000オングストロームの
金属ニッケルを成膜した後、この金属膜上に実施例1と
同じ軟化温度110℃のポリエステル系ホットメルトか
らなる接着性樹脂層を0.5μmの厚さで塗布し、金属
膜転写フィルムを作成した。さらに実施例1と同様にし
てセラミックグリーンシートと貼り合わせ、剥離強度を
測定したが、金属ニッケル膜が剥離できず、セラミック
グリーンシートに転写できなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、プラスチックフィルム
と金属膜との離型性および金属膜と被転写面との接着性
に優れた電子部品用金属膜転写フィルムが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 勝 静岡県三島市長伏33番地の1東洋メタライ ジング株式会社三島工場内 (72)発明者 小林 俶朗 静岡県三島市長伏33番地の1東洋メタライ ジング株式会社三島工場内 Fターム(参考) 4F100 AB01C AB16C AB33C AK01A AK01D AK17B AK36B AK52B AK53B AL05B AL05D AR00B AR00D BA04 BA07 BA10A BA10D EH66C GB41 JB16D JK06 JL11D JL12D JL14 JL14B JM02C 5E001 AB03 AE02 AH01 AH09 AJ01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルム上に離型層および
    金属膜がこの順に成膜された構造を有しており、さらに
    該金属膜上に接着性樹脂層を積層してなる電子部品用金
    属膜転写フィルム。
  2. 【請求項2】 接着性樹脂が、熱可塑性樹脂または該熱
    可塑性樹脂をベースポリマーとするホットメルト接着剤
    の少なくとも1種以上からなる請求項1記載の電子部品
    用金属膜転写フィルム。
  3. 【請求項3】 離型層が、シリコーン樹脂、メラミン樹
    脂、エポキシ樹脂またはフッ素樹脂の1種以上からなる
    請求項1または2記載の電子部品用金属膜転写フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 金属膜が蒸着によって成膜されたもので
    ある請求項1〜3のいずれかに記載の電子部品用金属膜
    転写フィルム。
  5. 【請求項5】 電子部品が積層セラミックコンデンサー
    である請求項1〜4のいずれかに記載の電子部品用金属
    膜転写フィルム。
  6. 【請求項6】 金属膜がニッケルを主成分とする金属か
    らなる請求項1〜5のいずれかに記載の電子部品用金属
    膜転写フィルム。
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