JP2003123974A - 有機発光素子 - Google Patents

有機発光素子

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JP2003123974A
JP2003123974A JP2001311597A JP2001311597A JP2003123974A JP 2003123974 A JP2003123974 A JP 2003123974A JP 2001311597 A JP2001311597 A JP 2001311597A JP 2001311597 A JP2001311597 A JP 2001311597A JP 2003123974 A JP2003123974 A JP 2003123974A
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JP2001311597A
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Akito Saito
章人 齊藤
Hiroshi Tanabe
浩 田邊
Kazunori Ueno
和則 上野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて高効率で高輝度、高寿命の光出力を有
する有機発光素子を提供する。 【解決手段】 陽極および陰極からなる一対の電極と、
該一対の電極間に挟持された一または複数の有機化合物
を含む層を少なくとも有する有機発光素子において、前
記有機化合物を含む層のうち少なくとも一層が下記一般
式[1]で示される化合物を含有する有機発光素子。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機発光素子に関
し、詳しくは有機化合物を含む薄膜に電界を印加するこ
とにより光を放出する素子に関する。
【0002】
【従来の技術】有機発光素子は、陽極と陰極間に蛍光性
有機化合物を含む薄膜を挟持させて、各電極から電子お
よびホール(正孔)を注入することにより、蛍光性化合
物の励起子を生成させ、この励起子が基底状態にもどる
際に放射される光を利用する素子である。
【0003】1987年コダック社の研究(Appl.
Phys.Lett.51,913(1987))で
は、陽極にITO、陰極にマグネシウム銀の合金をそれ
ぞれ用い、電子輸送材料および発光材料としてアルミニ
ウムキノリノール錯体を用い、ホール輸送材料にトリフ
ェニルアミン誘導体を用いた機能分離型2層構成の素子
で、10V程度の印加電圧において1000cd/m2
程度の発光が報告されている。関連の特許としては,米
国特許4,539,507号,米国特許4,720,4
32,米国特許4,885,211号等が挙げられる。
【0004】また、蛍光性有機化合物の種類を変えるこ
とにより、紫外から赤外までの発光が可能であり、最近
では様々な化合物の研究が活発に行われている。例え
ば、米国特許5,151,629号,米国特許5,40
9,783号,米国特許5,382,477号,特開平
2−247278号公報,特開平3−255190号公
報,特開平5−202356号公報,特開平9−202
878号公報,特開平9−227576号公報等に記載
されている。
【0005】さらに、上記のような低分子材料を用いた
有機発光素子の他にも、共役系高分子を用いた有機発光
素子が、ケンブリッジ大学のグループ(Nature,
347,539(1990))により報告されている。
この報告ではポリフェニレンビニレン(PPV)を塗工
系で成膜することにより、単層で発光を確認している。
共役系高分子を用いた有機発光素子の関連特許として
は、米国特許5,247,190号、米国特許5,51
4,878号、米国特許5,672,678号、特開平
4−145192号公報、特開平5−247460号公
報等が挙げられる。
【0006】このように有機発光素子における最近の進
歩は著しく、その特徴は低印加電圧で高輝度、発光波長
の多様性、高速応答性、薄型、軽量の発光デバイス化が
可能であることから、広汎な用途への可能性を示唆して
いる。
【0007】しかしながら、現状では更なる高輝度の光
出力あるいは高変換効率が必要である。また、長時間の
使用による経時変化や酸素を含む雰囲気気体や湿気など
による劣化等の耐久性の面で未だ多くの問題がある。さ
らにはフルカラーディスプレイ等への応用を考えた場
合、色純度の良い青、緑、赤の発光が必要となるが、こ
の問題に関してもまだ十分に解決されておらず、特に赤
色の有機発光素子に関しては充分に満足できるものは得
られていない。
【0008】電子輸送層や発光層などに用いる蛍光性有
機化合物として、複素環を有する化合物が数多く研究さ
れている。例えば、ピロール化合物、チオフェン化合
物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、チ
アジアゾール化合物などが挙げられる。これらの中で比
較的に多くの報告例があるオキサゾール化合物について
は、例えば、特開平5−214335号公報、特開平9
−188876号公報、特開平11−345686号公
報などが挙げられるが、発光輝度や耐久性、赤色発光に
ついて十分に満足できるものは得られていない。
【0009】チアジアゾール化合物についても、例えば
特開平5−222361号公報などが挙げられるが、充
分に満足できる発光輝度や耐久性、赤色発光素子は得ら
れていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点を解決するためになされたものであ
り、極めて高効率で高輝度、高寿命の光出力を有する有
機発光素子を提供することを目的とする。
【0011】また、充分に満足のできるものが得られて
いない赤色の発光色相を呈する有機発光素子を提供する
ことを目的とする。
【0012】さらには、製造が容易でかつ比較的安価に
作成可能な有機発光素子を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の課
題を解決するために鋭意検討した結果、陽極及び陰極か
らなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された一ま
たは複数の有機化合物を含む層を少なくとも有する有機
発光素子において、前記有機化合物を含む層のうち少な
くとも一層が特定の化合物を含有することにより、より
高効率で高輝度の光出力を有する有機発光素子を作成す
ることが可能となることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0014】即ち、本発明の有機発光素子は、陽極およ
び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持さ
れた一または複数の有機化合物を含む層を少なくとも有
する有機発光素子において、前記有機化合物を含む層の
うち少なくとも一層が下記一般式[1]で示される化合
物を含有することを特徴とする。
【0015】
【化3】
【0016】(式[1]中、X1およびX2は水素原子、
ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、置換のシリル
基、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無
置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアルケニル
基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは
無置換のアリール基、置換あるいは無置換のアゾメチン
基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置
換のカルボニル基、置換あるいは無置換のエーテル基、
置換あるいは無置換の複素環基からなる群より選ばれた
基である。X3およびX4はイオウ原子、スルホキシド、
スルホン、酸素原子、セレン原子からなる群より選ばれ
た基であリ、同一であっても異なっていてもよい。)
【0017】また、本発明の有機発光素子は、陽極およ
び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持さ
れた一または複数の有機化合物を含む層を少なくとも有
する有機発光素子において、前記有機化合物を含む層の
うち少なくとも一層が下記一般式[2]で示される化合
物を含有することを特徴とする。
【0018】
【化4】
【0019】(式[2]中、X5は水素原子、ハロゲン
原子、ニトロ基、ニトリル基、置換のシリル基、置換あ
るいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラ
ルキル基、置換あるいは無置換のアルケニル基、置換あ
るいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のア
リール基、置換あるいは無置換のアゾメチン基、置換あ
るいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のカルボ
ニル基、置換あるいは無置換のエーテル基、置換あるい
は無置換の複素環基からなる群より選ばれた基である。
6およびX7はイオウ原子、スルホキシド、スルホン、
酸素原子、セレン原子からなる群より選ばれた基であ
リ、同一であっても異なっていてもよい。)
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】まず、本発明で用いる上記一般式[1]
[2]で示される化合物について説明する。
【0022】一般式[1][2]における置換基X1
2、X5の具体的な例を以下に示す。
【0023】置換のシリル基としては、ジメチルシリル
基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフ
ェニルシリル基、ter−ブチルジメチルシリル基、t
er−ブチルジフェニルシリル基等があげられる。
【0024】置換あるいは無置換のアルキル基、アラル
キル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、iso−プロピル基、ter−ブチル基、オクチル
基、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0025】置換あるいは無置換のアルケニル基として
は、ビニル基、アリル基(2−プロペニル基)、1−プ
ロペニル基、iso−プロペニル基、2−ブテニル基等
が挙げられる。
【0026】置換あるいは無置換のアルコキシ基として
は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、2−エチ
ル−オクチルオキシ基、フェノキシ基、4−ブチルフェ
ノキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0027】置換あるいは無置換のアリール基として
は、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフ
ェニル基、3−クロロフェニル基、3,5−ジメチルフ
ェニル基、トリフェニルアミノ基、ビフェニル基、ター
フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナント
リル基、ピレニル基、フェロセニル基等が挙げられる。
【0028】置換あるいは無置換のアゾメチン基として
は、メチルイミノ基、エチルイミノ基、フェニルイミノ
基、(4−ジメチルアミノフェニル)イミノ基、(4−
シアノフェニル)イミノ基、(4−フルオロフェニル)
イミノ基、2−ピリジルイミノ基、9−アントラニルイ
ミノ基、1−ピレニルイミノ基等があげられる。
【0029】置換または無置換のアミノ基としては、メ
チルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジ
エチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ベンジルアミ
ノ基、メチルベンジルアミノ基、アニリノ基、ジフェニ
ルアミノ基、フェニルトリルアミノ基、ジトリルアミノ
基等が挙げられる。
【0030】置換または無置換のカルボニル基として
は、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、メ
タクリロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、アント
ライル基、トルオイル基等が挙げられる。
【0031】置換あるいは無置換のエーテル基として
は、メトキシメチル基、メトキシジメチルメチル基、メ
トキシエチル基、エトキシメチル基、フェノキシメチル
基等があげられる。
【0032】置換あるいは未置換の複素環基としては、
ピリジル基、ビピリジル基、メチルピリジル基、チエニ
ル基、ターチエニル基、プロピルチエニル基、フリル
基、キノリル基、カルバゾリル基、N−エチルカルバゾ
リル基等が挙げられる。
【0033】また、これらのX1、X2、X5が有しても
良い置換基としては、上記のようなハロゲン原子、ニト
ロ基、ニトリル基、シリル基、アルキル基、アラルキル
基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、アゾメ
チン基、アミノ基、カルボニル基、エーテル基、複素環
基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるもの
ではない。
【0034】次に、一般式[1][2]で示される化合
物についてその代表例を挙げる。ただし、これらの化合
物に限定されるものではない。
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】次に、本発明の有機発光素子について図面
に沿って説明する。
【0041】図1は本発明の有機発光素子の一例を示す
断面図である。図1は基板1上に陽極2、発光層3及び
陰極4を順次設けた構成のものである。ここで使用する
発光素子はそれ自体でホール輸送能、エレクトロン輸送
能及び発光性の性能を単一で有している場合や、それぞ
れの特性を有する化合物を混ぜて使う場合に有用であ
る。
【0042】図2は本発明の有機発光素子における他の
例を示す断面図である。図2は基板1上に陽極2、ホー
ル輸送層5、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成
のものである。この場合、発光物質はホール輸送性かあ
るいは電子輸送性のいずれかあるいは両方の機能を有し
ている材料をそれぞれの層に用い、発光性の無い単なる
ホール輸送物質あるいは電子輸送物質と組み合わせて用
いる場合に有用である。また、この場合、発光層はホー
ル輸送層5あるいは電子輸送層6のいずれかから成る。
【0043】図3は本発明の有機発光素子における他の
例を示す断面図である。図3は基板1上に陽極2、ホー
ル輸送層5、発光層3,電子輸送層6及び陰極4を順次
設けた構成のものである。これはキャリヤ輸送と発光の
機能を分離したものであり、ホール輸送性、電子輸送
性、発光性の各特性を有した化合物と適時組み合わせて
用いられ極めて材料選択の自由度が増すとともに、発光
波長を異にする種々の化合物が使用できるため、発光色
相の多様化が可能になる。さらに、中央の発光層3に各
キャリヤあるいは励起子を有効に閉じこめて発光効率の
向上を図ることも可能になる。
【0044】ただし、図1〜3はあくまでごく基本的な
素子構成であり、本発明の化合物を用いた有機発光素子
の構成はこれらに限定されるものではない。例えば、電
極と有機層界面に絶縁性層を設ける、接着層あるいは干
渉層を設ける、ホール輸送層がイオン化ポテンシャルの
異なる2層から構成されるなど多様な層構成をとること
ができる。
【0045】本発明に用いられる一般式[1][2]で
示される化合物は、従来の化合物に比べいずれも極めて
発光性、電子注入性、電子輸送性の優れた化合物であ
り、図1〜図3のいずれの形態をも使用することができ
る。
【0046】特に、本発明の一般式[1]または[2]
で示される化合物を用いた有機層は、発光層として有用
であり、電子輸送層としても有用である。
【0047】本発明の有機発光素子においては、一般式
[1]または[2]で示される化合物を真空蒸着法や溶
液塗布法により陽極2及び陰極4の間に形成する。その
有機層の厚みは10μmより薄く、好ましくは0.5μ
m以下、より好ましくは0.05〜0.5μmの厚みに
薄膜化することが好ましい。また、これまで知られてい
る発光性化合物、発光層マトリックス化合物と一緒に使
用することができる。
【0048】本発明においては、発光層、電子輸送層構
成成分として前記一般式[1]または[2]で示される
化合物を用いるものであるが、必要に応じてこれまで知
られているホール輸送性化合物、発光性化合物、発光層
マトリックス化合物、電子輸送性化合物、電荷輸送性ポ
リマー材料、発光性ポリマー材料(例えば以下に示され
る化合物等)を必要に応じて一緒に使用することもでき
る。但し、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0049】
【化10】
【0050】
【化11】
【0051】
【化12】
【0052】
【化13】
【0053】
【化14】
【0054】
【化15】
【0055】本発明の有機発光素子において、一般式
[1]または[2]で示される化合物を含有する層およ
びその他の有機化合物を含む層は、一般には真空蒸着法
あるいは、適当な溶媒に溶解させて塗布法により薄膜を
形成する。特に塗布法で成膜する場合は、適当な結着樹
脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
【0056】上記結着樹脂としては広範囲な結着性樹脂
より選択でき、たとえばポリビニルカルバゾール樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレ
ート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、
ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、尿素樹脂等が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。ま
た、これらは単独または共重合体ポリマーとして1種ま
たは2種以上混合してもよい。
【0057】陽極材料としては仕事関数がなるべく大き
なものがよく、例えば、金、白金、ニッケル、パラジウ
ム、コバルト、セレン、バナジウム等の金属単体あるい
はこれらの合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化錫インジウム
(ITO),酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用
できる。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオ
フェン、ポリフェニレンスルフィド等の導電性ポリマー
も使用できる。これらの電極物質は単独で用いてもよ
く、複数併用することもできる。
【0058】一方、陰極材料としては仕事関数の小さな
ものがよく、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシ
ウム、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、銀、
鉛、錫、クロム等の金属単体あるいは複数の合金として
用いることができる。酸化錫インジウム(ITO)等の
金属酸化物の利用も可能である。また、陰極は一層構成
でもよく、多層構成をとることもできる。
【0059】本発明で用いる基板としては、特に限定す
るものではないが、金属製基板、セラミックス製基板等
の不透明性基板、ガラス、石英、プラスチックシート等
の透明性基板が用いられる。また、基板にカラーフィル
ター膜、蛍光色変換フィルター膜、誘電体反射膜などを
用いて発色光をコントロールする事も可能である。
【0060】なお、作成した素子に対して、酸素や水分
等との接触を防止する目的で保護層あるいは封止層を設
けることもできる。保護層としては、ダイヤモンド薄
膜、金属酸化物、金属窒化物等の無機材料膜、フッソ樹
脂、ポリパラキシレン、ポリエチレン、シリコーン樹
脂、ポリスチレン樹脂等の高分子膜さらには、光硬化性
樹脂等が挙げられる。また、ガラス、気体不透過性フィ
ルム、金属などをカバーし、適当な封止樹脂により素子
自体をパッケージングすることもできる。
【0061】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明していくが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0062】[実施例1]図3に示す構造の素子を作成
した。
【0063】基板1としてのガラス基板上に陽極2とし
ての酸化錫インジウム(ITO)をスパッタ法にて12
0nmの膜厚で成膜したものを透明導電性支持基板とし
て用いた。これをアセトン、イソプロピルアルコール
(IPA)で順次超音波洗浄し、IPAで煮沸洗浄、乾
燥をした。さらに、UV/オゾン洗浄したものを透明導
電性支持基板として使用した。
【0064】正孔輸送材料として、N,N’−ジフェニ
ル−N,N’−m−トリル−4,4’−ジアミノ−1,
1’−ビフェニル(以下TPD)濃度が0.5wt%と
なるように調整した溶液を、陽極2上に滴下し、最初に
500RPMの回転で10秒、次に1000RPMの回
転で1分間スピンコートを行い膜形成した。この後10
分間、80℃の真空オーブンで乾燥し、薄膜中の溶剤を
完全に除去した。形成されたTPD膜(ホール輸送層
5)の厚みは50nmであった。
【0065】次に、ホール輸送層5の上に発光層3のホ
スト材料としてトリス(8−キノリノラト)アルミニウ
ム(Alq3)、更にドーパントとして前記例示化合物
No.3aを共蒸着して20nmの発光層3を設けた。
製膜速度はホストが0.3nm/sec、ドーパントが
0.1nm/secになるよう調整しながら共蒸着を行
った。
【0066】更に、電子輸送層6としてAlq3を真空
蒸着法にて40nmの膜厚に形成した。これら有機層の
蒸着時の真空度は4.0×10-4Pa、成膜速度は0.
3nm/secの条件であった。
【0067】次に、アルミニウム−リチウム合金(リチ
ウム濃度1原子%)からなる蒸着材料を用いて、先ほど
の有機層の上に、真空蒸着法により厚さ10nmの金属
層膜を形成し、更に真空蒸着法により厚さ150nmの
アルミニウム膜を設け、アルミニウム−リチウム合金膜
(陰極4)を形成した。蒸着時の真空度は1.0×10
-4Pa、成膜速度は1.0〜1.2nm/secの条件
で成膜した。
【0068】得られた有機EL素子は、水分の吸着によ
って素子劣化が起こらないように、乾燥空気雰囲気中で
保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止
した。
【0069】得られた素子の発光スペクトルは638n
mにピークを持つ赤色であり、ホスト材すなわちAlq
3の530nm付近のピークはみられなかった。また、
輝度は9Vで190cd/m2、12Vで350cd/
2であった。
【0070】さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250
mA/cm2に保ち72時間電圧を印加したところ、初
期輝度150cd/m2から72時間後130cd/m2
と輝度劣化は小さかった。
【0071】[実施例2]発光層として前記例示化合物
No.3aを真空蒸着法にて20nmの膜厚に形成した
以外は、実施例1と同様に素子を作成し、同様な評価を
行った。
【0072】得られた素子の発光スペクトルは、635
nmにピークを持つ赤色で、輝度は9Vで175cd/
2、12Vで330cd/m2であった。
【0073】さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250
mA/cm2に保ち72時間電圧を印加したところ、初
期輝度130cd/m2から72時間後105cd/m2
と輝度劣化は小さかった。
【0074】[実施例3]例示化合物No.3aに代え
て、例示化合物4aを用いて実施例1と同様に素子を作
成し、同様な評価を行った。
【0075】得られた素子の発光スペクトルは、635
nmにピークを持つ赤色で、ホスト材のピークはみられ
なかった。また、輝度は9Vで180cd/m2、12
Vで370cd/m2であった。
【0076】さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250
mA/cm2に保ち72時間電圧を印加したところ、初
期輝度150cd/m2から72時間後135cd/m2
と輝度劣化は小さかった。
【0077】[実施例4]例示化合物No.3aに代え
て、例示化合物4bを用いて実施例1と同様に素子を作
成し、同様な評価を行った。
【0078】得られた素子の発光スペクトルは、640
nmにピークを持つ赤色で、ホスト材のピークはみられ
なかった。また、輝度は9Vで200cd/m2、12
Vで400cd/m2であった。
【0079】さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250
mA/cm2に保ち72時間電圧を印加したところ、初
期輝度165cd/m2から72時間後145cd/m2
と輝度劣化は小さかった。
【0080】[実施例5]例示化合物No.3aに代え
て、例示化合物4cを用いて実施例1と同様に素子を作
成し、同様な評価を行った。
【0081】得られた素子の発光スペクトルは、645
nmにピークを持つ赤色で、ホスト材のピークはみられ
なかった。また、輝度は9Vで210cd/m2、12
Vで420cd/m2であった。
【0082】さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250
mA/cm2に保ち72時間電圧を印加したところ、初
期輝度170cd/m2から72時間後150cd/m2
と輝度劣化は小さかった。
【0083】[実施例6]例示化合物No.3aに代え
て、例示化合物4gを用いて実施例1と同様に素子を作
成し、同様な評価を行った。
【0084】得られた素子の発光スペクトルは、640
nmにピークを持つ赤色で、ホスト材のピークはみられ
なかった。また、輝度は9Vで210cd/m2、12
Vで400cd/m2であった。
【0085】さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250
mA/cm2に保ち72時間電圧を印加したところ、初
期輝度165cd/m2から72時間後145cd/m2
と輝度劣化は小さかった。
【0086】[実施例7]例示化合物No.3aに代え
て、例示化合物7cを用いて実施例1と同様に素子を作
成し、同様な評価を行った。
【0087】得られた素子の発光スペクトルは、623
nmにピークを持つ赤色で、ホスト材のピークはみられ
なかった。また、輝度は9Vで218cd/m2、12
Vで415cd/m2であった。
【0088】さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250
mA/cm2に保ち72時間電圧を印加したところ、初
期輝度170cd/m2から72時間後150cd/m2
と輝度劣化は小さかった。
【0089】[実施例8]例示化合物No.3aに代え
て、例示化合物9cを用いて実施例1と同様に素子を作
成し、同様な評価を行った。
【0090】得られた素子の発光スペクトルは、605
nmにピークを持つ赤色で、ホスト材のピークはみられ
なかった。また、輝度は9Vで260cd/m2、12
Vで515cd/m2であった。
【0091】さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250
mA/cm2に保ち72時間電圧を印加したところ、初
期輝度225cd/m2から72時間後200cd/m2
と輝度劣化は小さかった。
【0092】[実施例9]例示化合物No.3aに代え
て、例示化合物18cを用いて実施例1と同様に素子を
作成し、同様な評価を行った。
【0093】得られた素子の発光スペクトルは、615
nmにピークを持つ赤色で、ホスト材のピークはみられ
なかった。また、輝度は9Vで160cd/m2、12
Vで330cd/m2であった。
【0094】さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250
mA/cm2に保ち72時間電圧を印加したところ、初
期輝度115cd/m2から72時間後95cd/m2
輝度劣化は小さかった。
【0095】[実施例10]例示化合物No.3aに代
えて、例示化合物25cを用いて実施例1と同様に素子
を作成し、同様な評価を行った。
【0096】得られた素子の発光スペクトルは、645
nmにピークを持つ赤色で、ホスト材のピークはみられ
なかった。また、輝度は9Vで165cd/m2、12
Vで360cd/m2であった。
【0097】さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250
mA/cm2に保ち72時間電圧を印加したところ、初
期輝度130cd/m2から72時間後110cd/m2
と輝度劣化は小さかった。
【0098】[実施例11]例示化合物No.3aに代
えて、例示化合物28cを用いて実施例1と同様に素子
を作成し、同様な評価を行った。
【0099】得られた素子の発光スペクトルは、640
nmにピークを持つ赤色で、ホスト材のピークはみられ
なかった。また、輝度は9Vで200cd/m2、12
Vで400cd/m2であった。
【0100】さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250
mA/cm2に保ち72時間電圧を印加したところ、初
期輝度160cd/m2から72時間後140cd/m2
と輝度劣化は小さかった。
【0101】[実施例12]例示化合物No.3aに代
えて、例示化合物29cを用いて実施例1と同様に素子
を作成し、同様な評価を行った。
【0102】得られた素子の発光スペクトルは、638
nmにピークを持つ赤色で、ホスト材のピークはみられ
なかった。また、輝度は9Vで190cd/m2、12
Vで385cd/m2であった。
【0103】さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250
mA/cm2に保ち72時間電圧を印加したところ、初
期輝度150cd/m2から72時間後130cd/m2
と輝度劣化は小さかった。
【0104】[実施例13]例示化合物No.3aに代
えて、例示化合物31cを用いて実施例1と同様に素子
を作成し、同様な評価を行った。
【0105】得られた素子の発光スペクトルは、603
nmにピークを持つ橙色で、ホスト材のピークはみられ
なかった。また、輝度は9Vで260cd/m2、12
Vで520cd/m2であった。
【0106】さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250
mA/cm2に保ち72時間電圧を印加したところ、初
期輝度210cd/m2から72時間後170cd/m2
と輝度劣化は小さかった。
【0107】[実施例14]例示化合物No.3aに代
えて、例示化合物40cを用いて実施例1と同様に素子
を作成し、同様な評価を行った。
【0108】得られた素子の発光スペクトルは、615
nmにピークを持つ赤色で、ホスト材のピークはみられ
なかった。また、輝度は9Vで170cd/m2、12
Vで335cd/m2であった。
【0109】さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250
mA/cm2に保ち72時間電圧を印加したところ、初
期輝度135cd/m2から72時間後115cd/m2
と輝度劣化は小さかった。
【0110】[実施例15]例示化合物No.3aに代
えて、例示化合物47cを用いて実施例1と同様に素子
を作成し、同様な評価を行った。
【0111】得られた素子の発光スペクトルは、642
nmにピークを持つ赤色で、ホスト材のピークはみられ
なかった。また、輝度は9Vで160cd/m2、12
Vで360cd/m2であった。
【0112】さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250
mA/cm2に保ち72時間電圧を印加したところ、初
期輝度125cd/m2から72時間後105cd/m2
と輝度劣化は小さかった。
【0113】[比較例1]例示化合物No.3aに代え
て、下記構造式の化合物を用いて実施例1と同様に素子
を作成し、同様な評価を行ったところ、ホスト材の発光
に由来する発光スペクトルのみが得られた。
【0114】
【化16】
【0115】
【発明の効果】本発明の一般式[1]または[2]で示
される化合物を用いた有機発光素子は、実施例および比
較例から示される通り、低い印加電圧で高輝度な発光が
得られ、耐久性にも優れている。
【0116】特に、本発明の一般式[1]または[2]
で示される化合物を用いた有機層は、発光層として有用
であり、また、電子輸送層としても有用である。
【0117】さらに、素子の作成も真空蒸着あるいはキ
ャスティング法等を用いて作成可能であり、比較的安価
で大面積の素子を容易に作成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における有機発光素子の一例を示す断面
図である。
【図2】本発明における有機発光素子の他の例を示す断
面図である。
【図3】本発明における有機発光素子の他の例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 陽極 3 発光層 4 陰極 5 ホール輸送層 6 電子輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 和則 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB02 AB03 AB04 DB03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極および陰極からなる一対の電極と、
    該一対の電極間に挟持された一または複数の有機化合物
    を含む層を少なくとも有する有機発光素子において、前
    記有機化合物を含む層のうち少なくとも一層が下記一般
    式[1]で示される化合物を含有することを特徴とする
    有機発光素子。 【化1】 (式[1]中、X1およびX2は水素原子、ハロゲン原
    子、ニトロ基、ニトリル基、置換のシリル基、置換ある
    いは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラル
    キル基、置換あるいは無置換のアルケニル基、置換ある
    いは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアリ
    ール基、置換あるいは無置換のアゾメチン基、置換ある
    いは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のカルボニ
    ル基、置換あるいは無置換のエーテル基、置換あるいは
    無置換の複素環基からなる群より選ばれた基である。X
    3およびX4はイオウ原子、スルホキシド、スルホン、酸
    素原子、セレン原子からなる群より選ばれた基であリ、
    同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 【請求項2】 陽極および陰極からなる一対の電極と、
    該一対の電極間に挟持された一または複数の有機化合物
    を含む層を少なくとも有する有機発光素子において、前
    記有機化合物を含む層のうち少なくとも一層が下記一般
    式[2]で示される化合物を含有することを特徴とする
    有機発光素子。 【化2】 (式[2]中、X5は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ
    基、ニトリル基、置換のシリル基、置換あるいは無置換
    のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置
    換あるいは無置換のアルケニル基、置換あるいは無置換
    のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアリール基、置
    換あるいは無置換のアゾメチン基、置換あるいは無置換
    のアミノ基、置換あるいは無置換のカルボニル基、置換
    あるいは無置換のエーテル基、置換あるいは無置換の複
    素環基からなる群より選ばれた基である。X6およびX7
    はイオウ原子、スルホキシド、スルホン、酸素原子、セ
    レン原子からなる群より選ばれた基であリ、同一であっ
    ても異なっていてもよい。)
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