JP4630508B2 - 有機発光素子 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機発光素子に関し、詳しくは有機化合物からなる薄膜に電界を印加することにより光を放出する素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機発光素子は、陽極と陰極間に蛍光性有機化合物を含む薄膜を挟持させて、各電極から電子およびホール(正孔)を注入することにより、蛍光性化合物の励起子を生成させ、この励起子が基底状態にもどる際に放射される光を利用する素子である。
【0003】
1987年コダック社の研究(Appl.Phys.Lett.51,913(1987))では、陽極にITO、陰極にマグネシウム銀の合金をそれぞれ用い、電子輸送材料および発光材料としてアルミニウムキノリノール錯体を用いホール輸送材料にトリフェニルアミン誘導体を用いた機能分離型2層構成の素子で、10V程度の印加電圧において1000cd/m程度の発光が報告されている。関連の特許としては,米国特許4、539、507号,米国特許4,720,432,米国特許4,885,211号等が挙げられる。
【0004】
また、蛍光性有機化合物の種類を変えることにより、紫外から赤外までの発光が可能であり、最近では様々な化合物の研究が活発に行われている。例えば、米国特許5,151,629号,米国特許5,409,783号,米国特許5,382,477号,特開平2−247278号公報,特開平3−255190号公報,特開平5−202356号公報,特開平9−202878号公報,特開平9−227576号公報等に記載されている。
【0005】
さらに、上記のような低分子材料を用いた有機発光素子の他にも、共役系高分子を用いた有機発光素子が、ケンブリッジ大学のグループ(Nature,347,539(1990))により報告されている。この報告ではポリフェニレンビニレン(PPV)を塗工系で成膜することにより、単層で発光を確認している。共役系高分子を用いた有機発光素子の関連特許としては、米国特許5,247,190号、米国特許5,514,878号、米国特許5,672,678号、特開平4−145192号公報、特開平5−247460号公報等が挙げられる。
【0006】
このように有機発光素子における最近の進歩は著しく、その特徴は低印加電圧で高輝度、発光波長の多様性、高速応答性、薄型、軽量の発光デバイス化が可能であることから、広汎な用途への可能性を示唆している。
【0007】
しかしながら、現状では更なる高輝度の光出力あるいは高変換効率が必要である。また、長時間の使用による経時変化や酸素を含む雰囲気気体や湿気などによる劣化等の耐久性の面で未だ多くの問題がある。さらにはフルカラーディスプレイ等への応用を考えた場合の色純度の良い青、緑、赤の発光が必要となるが、この問題に関してもまだ十分に解決されていない。
【0008】
電子輸送層や発光層などに用いる蛍光性有機化合物として、複素環を有する化合物が数多く研究されている。例えば、ピロール化合物、チオフェン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、チアジアゾール化合物、イミダゾール化合物などが挙げられる。これらの中で比較的に多くの報告例があるオキサゾール化合物については、例えば、特開平5−214335号公報、特開平9−188876号公報、特開平11−345686号公報などが挙げられ、チアジアゾール化合物については、例えば特開平5−222361号公報などが、イミダゾール化合物については、例えば特開2000−95766号公報などが挙げられるが、発光輝度や耐久性、赤色発光について十分に満足できるものは得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、極めて高効率で高輝度、高寿命の光出力を有する有機発光素子を提供することにある。また、発光波長に多様性があり種々の発光色相を呈する有機発光素子を提供する事にある。さらには製造が容易でかつ比較的安価に作成可能な有機発光素子を提供する事にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された一または複数の有機化合物からなる層を少なくとも有する有機発光素子において、前記有機化合物からなる層において少なくとも一層が、下記一般式[1]で示されるビスチアジアゾールあるいは一般式[1]で示されるチアジアゾールの類縁複素環が縮環したベンゾイミダゾール化合物を少なくとも一種類含有することにより、より高効率で高輝度の光出力を有する有機発光素子を作成することが可能となる。
【0011】
【外2】
Figure 0004630508
【0012】
式[1]で示される化合物中、XおよびXは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、置換シリル基、置換あるいは無置換のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、アミノ基、アゾメチン基、カルボニル基、アルコキシ基、エーテル基、複素環基からなる群より選ばれた基である。XおよびXは、イオウ原子、スルホンからなる群より選ばれた基であり、同じであっても異なっていてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の有機発光素子は、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された一または複数の有機化合物からなる層を少なくとも有し前記有機化合物からなる層において少なくとも一層が、一般式[1]で示されるビスチアジアゾールあるいは一般式[1]で示されるチアジアゾールの類縁複素環が縮環したベンゾイミダゾール化合物を含有することを特徴とする。
【0014】
式[1]で示される化合物中、XおよびXは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、置換シリル基、置換あるいは無置換のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、アミノ基、アゾメチン基、カルボニル基、アルコキシ基、エーテル基、複素環基からなる群より選ばれた基である。XおよびXは、イオウ原子、スルホンからなる群より選ばれた基であり、同じであっても異なっていてもよい。
【0015】
置換のシリル基としては、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ter−ブチルジメチルシリル基、ter−ブチルジフェニルシリル基等が挙げられる。
【0016】
置換あるいは未置換のアルキル基、アラルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、ter-ブチル基、オクチル基、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0017】
置換あるいは無置換のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基(2−プロペニル基)、1−プロペニル基、iso−プロペニル基、2−ブテニル基等が挙げられる。
【0018】
置換あるいは未置換のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、2−エチル−オクチルオキシ基、フェノキシ基、4−ブチルフェノキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0019】
置換あるいは未置換のアリール基としては、フェニル基、4−リチウムオキシフェニル基、4−カリウムオキシフェニル基、4−セシウムオキシフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−クロロフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、トリフェニルアミノ基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントリル基、ピレニル基、フェロセニル基等が挙げられる。
【0020】
置換または無置換のアミノ基としては、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ベンジルアミノ基、メチルベンジルアミノ基、アニリノ基、ジフェニルアミノ基、フェニルトリルアミノ基、ジトリルアミノ基等が挙げられる。
【0021】
置換あるいは無置換のアゾメチン基としては、メチルイミノ基、エチルイミノ基、フェニルイミノ基、(4−ジメチルアミノフェニル)イミノ基、(4−シアノフェニル)イミノ基、(4−フルオロフェニル)イミノ基、2−ピリジルイミノ基、9−アントラニルイミノ基、1−ピレニルイミノ基等が挙げられる。
【0022】
置換または無置換のカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、メタクリロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、アントライル基、トルオイル基等が挙げられる。
【0023】
置換あるいは無置換のエーテル基としては、メトキシメチル基、メトキシジメチルメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、フェノキシメチル基等があげられる。
【0024】
置換あるいは未置換の複素環基としては、ピリジル基、ビピリジル基、メチルピリジル基、チエニル基、ターチエニル基、プロピルチエニル基、フリル基、キノリル基、カルバゾリル基、N-エチルカルバゾリル基等が挙げられる。
【0025】
また、XおよびXが有しても良い置換基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、ter-ブチル基、オクチル基、ベンジル基、フェネチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、2−エチル−オクチルオキシ基、フェノキシ基、4−ブチルフェノキシ基、ベンジルオキシ基等のアルコキシ基、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−クロロフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、トリフェニルアミノ基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基等のアリール基、ピリジル基、ビピリジル基、メチルピリジル基、チエニル基、ターチエニル基、プロピルチエニル基、フリル基、キノリル基、カルバゾリル基、N-エチルカルバゾリル基等の複素環基が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0026】
次に一般式[1]で示されるビスチアジアゾールあるいはチアジアゾールの類縁複素環が縮環したベンゾイミダゾール化合物についてその代表例を挙げる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
【0027】
【外3】
Figure 0004630508
【0028】
【外4】
Figure 0004630508
【0029】
【外5】
Figure 0004630508
【0030】
本発明の有機発光素子においては、上述の様な一般式[1]で示されるビスチアジアゾールあるいはチアジアゾールの類縁複素環が縮環したベンゾイミダゾール化合物のうち少なくとも一種類を真空蒸着法や溶液塗布法により陽極及び陰極の間に形成する。その有機層の厚みは10μmより薄く、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.05〜0.5μmの厚みに薄膜化することが好ましい。またこれまで知られている発光性化合物、発光層マトリックス化合物と一緒に使用することができる。
【0031】
以下に、図面に沿って本発明を更に詳細に説明する。
【0032】
図1は本発明の有機発光素子の一例を示す断面図である。図1は基板上に陽極2、発光層3及び陰極4を順次設けた構成のものである。ここで使用する発光素子はそれ自体でホール輸送能、エレクトロン輸送能及び発光性の性能を単一で有している場合や、それぞれの特性を有する化合物を混ぜて使う場合に有用である。
【0033】
図2は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図2は基板1上に陽極2、ホール輸送層5、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、発光物質はホール輸送性かあるいは電子輸送性のいずれかあるいは両方の機能を有している材料をそれぞれの層に用い、発光性の無い単なるホール輸送物質あるいは電子輸送物質と組み合わせて用いる場合に有用である。また、この場合発光層3はホール輸送層5あるいは電子輸送層6のかから成る。
【0034】
図3は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図3は基板1上に陽極2、ホール輸送層5、発光層3,電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。これはキャリヤ輸送と発光の機能を分離したものであり、ホール輸送性、電子輸送性、発光性の各特性を有した化合物と適時組み合わせて用いられ極めて材料選択の自由度が増すとともに、発光波長を異にする種々の化合物が使用できるため、発光色相の多様化が可能になる。さらに、中央の発光層に各キャリヤあるいは励起子を有効に閉じこめて発光効率の向上を図ることも可能になる。
【0035】
ただし、図1〜3はあくまでごく基本的な素子構成であり、本発明の化合物を用いた有機発光素子の構成はこれらに限定されるものではない。例えば、電極と有機層界面に絶縁性層を設ける、接着層あるいは干渉層を設ける。ホール輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる2層から構成されるなど多様な層構成をとることができる。
【0036】
本発明に用いられる一般式[1]で示されるビスチアジアゾールあるいはチアジアゾールの類縁複素環が縮環したベンゾイミダゾール化合物は、従来の化合物に比べいずれも極めて発光性、電子注入性、電子輸送性の優れた化合物であり、図1〜図3のいずれの形態でも使用することができる。
【0037】
特に、本発明の一般式[1]で示されるビスチアジアゾールあるいはチアジアゾールの類縁複素環が縮環したベンゾイミダゾール化合物を用いた有機層は、発光層として有用であり、電子輸送層としても有用である。
【0038】
本発明においては、発光層、電子輸送構成成分として前記一般式[1]で示されるビスチアジアゾールあるいはチアジアゾールの類縁複素環が縮環したベンゾイミダゾール化合物を用いるものであるが、必要に応じてこれまで知られているホール輸送性化合物、発光性化合物、発光層マトリックス化合物、電子輸送性化合物、電荷輸送性ポリマー材料、発光性ポリマー材料(例えば表1〜6に示される化合物等)を必要に応じて一緒に使用することもできる。但し、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0039】
【外6】
Figure 0004630508
【0040】
【外7】
Figure 0004630508
【0041】
【外8】
Figure 0004630508
【0042】
【外9】
Figure 0004630508
【0043】
【外10】
Figure 0004630508
【0044】
【外11】
Figure 0004630508
【0045】
本発明の有機発光素子において、一般式[1]で示される複素環化合物を含有する層およびその他の有機化合物からなる層は、一般には真空蒸着法あるいは、適当な溶媒に溶解させて塗布法により薄膜を形成する。特に塗布法で成膜する場合は、適当な結着樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
【0046】
上記結着樹脂としては広範囲な結着性樹脂より選択でき、たとえばポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独または共重合体ポリマーとして1種または2種以上混合してもよい。
【0047】
陽極材料としては仕事関数がなるべく大きなものがよく、例えば、金、白金、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム等の金属単体あるいはこれらの合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化錫インジウム(ITO),酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェニレンスルフィド等の導電性ポリマーも使用できる。これらの電極物質は単独で用いてもよく、複数併用することもできる。
【0048】
一方、陰極材料としては仕事関数の小さなものがよく、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、銀、鉛、錫、クロム等の金属単体あるいは複数の合金として用いることができる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化の利用も可能である。また、陰極は一層構成でもよく、多層構成をとることもできる。
【0049】
本発明で用いる基板としては、特に限定するものではないが、金属製基板、セラミックス製基板等の不透明性基板、ガラス、石英、プラスチックシート等の透明性基板が用いられる。また、基板にカラーフィルター膜、蛍光色変換フィルター膜、誘電体反射膜などを用いて発色光をコントロールする事も可能である。
【0050】
なお、作成した素子に対して、酸素や水分等との接触を防止する目的で保護層あるいは封止層を設けることもできる。保護層としては、ダイヤモンド薄膜、金属酸化物、金属窒化物等の無機材料膜、フッソ樹脂、ポリパラキシレン、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂等の高分子膜さらには、光硬化性樹脂等が挙げられる。また、ガラス、気体不透過性フィルム、金属などをカバーし、適当な封止樹脂により素子自体をパッケージングすることもできる。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明していくが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0052】
[実施例1]
ガラス基板上に酸化錫インジウム(ITO)をスパッタ法にて120nmの膜厚で成膜したものを透明導電性支持基板として用いた。これをアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、IPAで煮沸洗浄、乾燥をした。さらに、UV/オゾン洗浄したものを透明導電性支持基板として使用した。
【0053】
正孔輸送材料として、N,N'-ジフェニル- N,N'-m-トリル-4,4'-ジアミノ-1,1'-ビフェニル(以下TPD)濃度が0.5wt%となるように調整した。この溶液を上記のITO電極上に滴下し、最初に500RPMの回転で10秒、次に1000RPMの回転で1分間スピンコートを行い膜形成した。この後10分間、80℃の真空オーブンで乾燥し、薄膜中の溶剤を完全に除去した。形成されたTPD膜の厚みは50nmであった。
【0054】
次に、TPD膜の上に発光層のホスト材料としてトリス(8-キノリノラト)アルミニウム(Alq3)、更にドーパントとして前記例示化合物No.1(X1=X2=S)を共蒸着して20nmの発光層を設けた。製膜速度はホストが0.3nm/sec、ドーパントが0.1nm/secになるよう調整しながら共蒸着を行った。
【0055】
更に電子輸送層としてAlq3を真空蒸着法にて40nmの膜厚に形成した。これら有機層の蒸着時の真空度は4.0×10―4 Pa、成膜速度は0.3nm/secの条件であった。
【0056】
次に、アルミニウム−リチウム合金(リチウム濃度1原子%)からなる蒸着材料を用いて、先ほどの有機層の上に、真空蒸着法により厚さ10nmの金属層膜を形成し、更に真空蒸着法により厚さ150nmのアルミニウム膜を設け、アルミニウム−リチウム合金膜を電子注入電極とする図3に示す構造の有機発光素子を作成した。蒸着時の真空度は4.0×10―4Pa、成膜速度は1.0〜1.2nm/secの条件で成膜した。
【0057】
得られた有機EL素子は、水分の吸着によって素子劣化が起こらないように、乾燥空気雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。
【0058】
得られた素子の発光スペクトルは、630nmにピークを持つ赤色で、輝度は9Vで150cd/m2、12Vで輝度290cd/m2であった。
【0059】
さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250mA/cm2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度125cd/m2から100時間後110cd/m2と輝度劣化は小さかった。
【0060】
[実施例2]
実施例1と同様にして洗浄済みITO電極上に、厚さ50nmのTPD膜を設けた。
【0061】
次に、TPD膜の上に発光層として前記例示化合物No.1(X1=X2=S)を真空蒸着法にて20nmの膜厚に形成し、更に電子輸送層としてAlq3を真空蒸着法にて40nmの膜厚に形成した。これら有機層蒸着時の真空度は4.0×10―4 Pa、成膜速度は0.3nm/secの条件であった。
【0062】
以下、実施例1と同様にして、厚さ10nmのアルミニウム−リチウム合金膜および厚さ150nmのアルミニウム膜を設け、更に保護用ガラス板で封止した有機発光素子を作成した。
【0063】
得られた素子の発光スペクトルは、630nmにピークを持つ赤色で、輝度は9Vで130cd/m2、輝度は12Vで280cd/m2であった。
【0064】
さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250mA/cm2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度100cd/m2から100時間後85cd/m2と輝度劣化は小さかった。
【0065】
[実施例3]
例示化合物No.1(X1=X2=SO2)を用いて実施例1と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。得られた素子の発光スペクトルは、640nmにピークを持つ赤色で、輝度は9Vで180cd/m2、12Vで輝度330cd/m2であった。
【0066】
さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250mA/cm2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度140cd/m2から100時間後125cd/m2と輝度劣化は小さかった。
【0067】
[実施例4]
例示化合物No.2(X1=X2=S)を用いて実施例1と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。得られた素子の発光スペクトルは、630nmにピークを持つ赤色で、輝度は9Vで170cd/m2、12Vで輝度310cd/m2であった。
【0068】
さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250mA/cm2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度145cd/m2から100時間後130cd/m2と輝度劣化は小さかった。
【0069】
[実施例5]
例示化合物No.5(X1=X2=S)を用いて実施例1と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。得られた素子の発光スペクトルは、610nmにピークを持つ橙色で、輝度は9Vで430cd/m2、12Vで輝度780cd/m2であった。
【0070】
さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250mA/cm2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度390cd/m2から100時間後365cd/m2と輝度劣化は小さかった。
【0071】
[実施例6]
例示化合物No.11(X1=X2=S)を用いて実施例1と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。得られた素子の発光スペクトルは、620nmにピークを持つ濃い橙色で、輝度は9Vで210cd/m2、12Vで輝度380cd/m2であった。
【0072】
さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250mA/cm2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度180cd/m2から100時間後160cd/m2と輝度劣化は小さかった。
【0073】
[実施例7]
例示化合物No.16(X1=X2=S)を用いて実施例1と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。得られた素子の発光スペクトルは、570nmにピークを持つ黄色で、輝度は9Vで500cd/m2、12Vで輝度800cd/m2であった。
【0074】
さらに、窒素雰囲気下で電流密度を250mA/cm2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度420cd/m2から100時間後400cd/m2と輝度劣化は小さかった。
【0075】
[比較例1]
実施例1の発光層のドーパントに用いられる化合物を、下記構造式の比較化合物に変えた他は実施例1の素子と全く同様にして比較例1の素子を作成した。
【0076】
【外12】
Figure 0004630508
【0077】
比較化合物
実施例1と同様に同様な評価を行ったところ、ホスト材の発光に由来する発光スペクトルのみが得られた。
【0078】
【発明の効果】
本発明により高効率で高輝度の光出力が可能な有機発光素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における有機発光素子の一例を示す断面図である。
【図2】本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。
【図3】本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 陽極
3 発光層
4 陰極
5 ホール輸送層
6 電子輸送層

Claims (3)

  1. 陽極および陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された一または複数の有機化合物を含む層を少なくとも有する有機発光素子において、前記有機化合物からなる層のうち少なくとも一層が、下記一般式[1]で示されるビスチアジアゾールあるいは一般式[1]で示されるチアジアゾールの類縁複素環が縮環したベンゾイミダゾール化合物を少なくとも一種類含有することを特徴とする有機発光素子。
    【外1】
    Figure 0004630508
    (式[1]中、XおよびXは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、置換シリル基、置換あるいは無置換のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、アミノ基、アゾメチン基、カルボニル基、アルコキシ基、エーテル基、複素環基からなる群より選ばれた基である。XおよびXは、イオウ原子、スルホンからなる群より選ばれた基であり、同じであっても異なっていてもよい。)
  2. 前記式[1]中、X1、X2がイオウ原子であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  3. 前記式[1]中、X1、X2がスルホンであることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
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