JP2003123540A - Pvcコンパンド及びこれを用いた電気絶縁成形物 - Google Patents
Pvcコンパンド及びこれを用いた電気絶縁成形物Info
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- JP2003123540A JP2003123540A JP2001322528A JP2001322528A JP2003123540A JP 2003123540 A JP2003123540 A JP 2003123540A JP 2001322528 A JP2001322528 A JP 2001322528A JP 2001322528 A JP2001322528 A JP 2001322528A JP 2003123540 A JP2003123540 A JP 2003123540A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、耐トラッキング性の向上を図った
PVCコンパンドを提供せんとするものである。 【解決手段】 かゝる本発明は、PVC系ポリマー10
0重量部とエチレン−アクリル酸エステル−極性モノマ
ー共重合体5〜100重量部とからなるPCVコンパン
ドにあり、これにより、耐トラッキング性の向上が図ら
れる。なお、この耐トラッキング性の向上が図られるの
は、エチレン−アクリル酸エステル−極性モノマー共重
合体が、PVC中の塩素基が連続的に脱離することを阻
害する作用を果たすものと推定される。
PVCコンパンドを提供せんとするものである。 【解決手段】 かゝる本発明は、PVC系ポリマー10
0重量部とエチレン−アクリル酸エステル−極性モノマ
ー共重合体5〜100重量部とからなるPCVコンパン
ドにあり、これにより、耐トラッキング性の向上が図ら
れる。なお、この耐トラッキング性の向上が図られるの
は、エチレン−アクリル酸エステル−極性モノマー共重
合体が、PVC中の塩素基が連続的に脱離することを阻
害する作用を果たすものと推定される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐トラッキング性
の向上を図ったPVCコンパンド及びこれを用いた電気
絶縁成形物に関するものである。
の向上を図ったPVCコンパンド及びこれを用いた電気
絶縁成形物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PVC(ポリ塩化ビニル)では、可塑剤
などの添加剤を適宜調整することにより、成形性、機械
特性、難燃性、電気特性などの物性を高度にバランスさ
せた成形物(製品)を製造することができる。また、材
料自体の価格が他の汎用樹脂(例えばポリオレフィン樹
脂など)に比べて、安価である。このため、電線(ケー
ブルも含む)被覆材料、電線接続部のカバー材料、さら
には、電源プラグなどのモールド材料などとして、幅広
く使用されている。
などの添加剤を適宜調整することにより、成形性、機械
特性、難燃性、電気特性などの物性を高度にバランスさ
せた成形物(製品)を製造することができる。また、材
料自体の価格が他の汎用樹脂(例えばポリオレフィン樹
脂など)に比べて、安価である。このため、電線(ケー
ブルも含む)被覆材料、電線接続部のカバー材料、さら
には、電源プラグなどのモールド材料などとして、幅広
く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PVC
は、一般的にトラッキング性能が悪い樹脂といわれてい
る。例えば、PVC樹脂表面に電気抵抗の小さい汚れな
どが付着すると、この付着物への水分の付着、表面の濡
れ抵抗の低下、表面濡れ電流の増加、局部的発熱、樹脂
表面の乾燥、濡れ電流遮断、局部的な微小花火放電の発
生、樹脂表面の炭化などの変化が起こり、これらの過程
が繰り返されると、炭化導電路が形成されるようるな
る。これがトラッキング劣化で、この状態で、電圧が印
加これると、絶縁破壊が起こり易く、最悪の場合には、
発火に至ることもある。
は、一般的にトラッキング性能が悪い樹脂といわれてい
る。例えば、PVC樹脂表面に電気抵抗の小さい汚れな
どが付着すると、この付着物への水分の付着、表面の濡
れ抵抗の低下、表面濡れ電流の増加、局部的発熱、樹脂
表面の乾燥、濡れ電流遮断、局部的な微小花火放電の発
生、樹脂表面の炭化などの変化が起こり、これらの過程
が繰り返されると、炭化導電路が形成されるようるな
る。これがトラッキング劣化で、この状態で、電圧が印
加これると、絶縁破壊が起こり易く、最悪の場合には、
発火に至ることもある。
【0004】このようなPVCの性質は、その分子構造
に起因するといわれ、分子構造中に多数存在する塩素基
(Cl)は、トラッキング劣化などにより、その一部が
離脱すると、連続的或いは連鎖的にさらにCl基が離脱
するようになり、所謂ジッパー反応が起こり、急激にP
VCの炭化が進展するためといわれている。
に起因するといわれ、分子構造中に多数存在する塩素基
(Cl)は、トラッキング劣化などにより、その一部が
離脱すると、連続的或いは連鎖的にさらにCl基が離脱
するようになり、所謂ジッパー反応が起こり、急激にP
VCの炭化が進展するためといわれている。
【0005】そこで、本発明者は、PVCに対して、ト
ラッキング性能を改善すべく、種々の材料を添加して、
その特性を調べたところ、適量のエチレン−アクリル酸
エステル−極性モノマー共重合体を添加すれば、良好な
結果が得られることを見い出した。
ラッキング性能を改善すべく、種々の材料を添加して、
その特性を調べたところ、適量のエチレン−アクリル酸
エステル−極性モノマー共重合体を添加すれば、良好な
結果が得られることを見い出した。
【0006】本発明は、このような観点に立ってなされ
たもので、基本的には、上記により見い出された、エチ
レン−アクリル酸エステル−極性モノマー共重合体を添
加することで、耐トラッキング性の向上を図ったPVC
コンパウンド、及びこれを用いた電気絶縁成形物を提供
せんとするものである。
たもので、基本的には、上記により見い出された、エチ
レン−アクリル酸エステル−極性モノマー共重合体を添
加することで、耐トラッキング性の向上を図ったPVC
コンパウンド、及びこれを用いた電気絶縁成形物を提供
せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、PVC系ポリマー100重量部とエチレン−アクリ
ル酸エステル−極性モノマー共重合体5〜100重量部
とからなることを特徴とするPCVコンパンドにある。
は、PVC系ポリマー100重量部とエチレン−アクリ
ル酸エステル−極性モノマー共重合体5〜100重量部
とからなることを特徴とするPCVコンパンドにある。
【0008】請求項2記載の本発明は、前記請求項1の
コンパンドに可塑剤を添加したことを特徴とする請求項
1記載のPCVコンパンドにある。
コンパンドに可塑剤を添加したことを特徴とする請求項
1記載のPCVコンパンドにある。
【0009】請求項3記載の本発明は、前記請求項1又
は2記載のPVCコンパンドにより成形された電気絶縁
成形物にある。
は2記載のPVCコンパンドにより成形された電気絶縁
成形物にある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のPVC系ポリマーとして
は、特に限定されないが、例えば平均分子量が800程
度のPVCやエチレン−PVCコポリマーなどが挙げら
れる。そして、これらは単独でもよいが、併用すること
も可能である。
は、特に限定されないが、例えば平均分子量が800程
度のPVCやエチレン−PVCコポリマーなどが挙げら
れる。そして、これらは単独でもよいが、併用すること
も可能である。
【0011】このPVC系ポリマーに添加される、エチ
レン−アクリル酸エステル−極性モノマー共重合体は、
PVCのトラッキング性能を向上させる働きをするもの
である。その理由は明確ではないが、この物質がPVC
中の塩素基(Cl)が連続的に脱離することを阻害する
作用にあるからと推定される。
レン−アクリル酸エステル−極性モノマー共重合体は、
PVCのトラッキング性能を向上させる働きをするもの
である。その理由は明確ではないが、この物質がPVC
中の塩素基(Cl)が連続的に脱離することを阻害する
作用にあるからと推定される。
【0012】そして、その添加量を、PVC系ポリマー
100重量部に対して、5〜100重量部としたのは、
5重量部未満では添加量が少な過ぎて十分な耐トラッキ
ング性の向上が得られず、また、逆に100重量部を越
える量となっても、耐トラッキング性の大幅な向上が望
めないだけでなく、体積抵抗率の低下を招くようになる
からである。
100重量部に対して、5〜100重量部としたのは、
5重量部未満では添加量が少な過ぎて十分な耐トラッキ
ング性の向上が得られず、また、逆に100重量部を越
える量となっても、耐トラッキング性の大幅な向上が望
めないだけでなく、体積抵抗率の低下を招くようになる
からである。
【0013】また、本発明では、PVC系ポリマーとエ
チレン−アクリル酸エステル−極性モノマー共重合体か
らなるコンパンドに対して、適宜量の可塑剤を添加す
る。さらに、必要により、Ca−Zn系金属石鹸などの
安定剤、炭酸カルシウムなどの充填剤、老化防止剤、酸
化防止剤などを適宜添加することができる。
チレン−アクリル酸エステル−極性モノマー共重合体か
らなるコンパンドに対して、適宜量の可塑剤を添加す
る。さらに、必要により、Ca−Zn系金属石鹸などの
安定剤、炭酸カルシウムなどの充填剤、老化防止剤、酸
化防止剤などを適宜添加することができる。
【0014】上記のような配合により、本発明のPVC
コンパウンドでは、トラッキング性能が改善された優れ
たコンパウンドが得られる。したがって、また、このP
VCコンパウンドを、電線被覆材料、電線接続部のカバ
ー材料、さらには、電源プラグなどのモールド材料など
に使用すれば、耐トラッキング性の向上した、優れた電
気絶縁成形物(製品)が得られる。
コンパウンドでは、トラッキング性能が改善された優れ
たコンパウンドが得られる。したがって、また、このP
VCコンパウンドを、電線被覆材料、電線接続部のカバ
ー材料、さらには、電源プラグなどのモールド材料など
に使用すれば、耐トラッキング性の向上した、優れた電
気絶縁成形物(製品)が得られる。
【0015】〈実施例〉表1〜表2に示すように、本発
明の要件を満たすPVCコンパウンド(実施例1〜4)
と、本発明の要件を欠くPVCコンパウンド(比較例1
〜3)を用いて、サンプルシート(試料)として製造し
た。具体的には、各配合材料を、室温でロール混練した
後、170℃×10分の熱プレスして、厚さ3mmと1
mmのシートを製造した。そして、以下の方法により、
厚さ3mmのシートについては耐トラッキング性を求
め、厚さ1mmのシートについては体積抵抗率を求め
た。これらの値と総合判定を、同表1〜表2に併記し
た。
明の要件を満たすPVCコンパウンド(実施例1〜4)
と、本発明の要件を欠くPVCコンパウンド(比較例1
〜3)を用いて、サンプルシート(試料)として製造し
た。具体的には、各配合材料を、室温でロール混練した
後、170℃×10分の熱プレスして、厚さ3mmと1
mmのシートを製造した。そして、以下の方法により、
厚さ3mmのシートについては耐トラッキング性を求
め、厚さ1mmのシートについては体積抵抗率を求め
た。これらの値と総合判定を、同表1〜表2に併記し
た。
【0016】なお、上記耐トラッキング性は、DIN5
34400−KA法(試験条件)によった。また、その
判定基準は、電極間に滴下する電解液(塩化アンモニウ
ム水溶液)の滴下数の比較で行い、滴下数が1000滴
以上を良好(○)とし、それ未満を不良(×)とした。
また、体積抵抗率〔(20℃)=Ω・cm〕は、JIS
K6723により求めた。そして、その良否は、1×1
012Ω・cm以上を良(合格)とし、これ未満を不良
(不合格)とする。
34400−KA法(試験条件)によった。また、その
判定基準は、電極間に滴下する電解液(塩化アンモニウ
ム水溶液)の滴下数の比較で行い、滴下数が1000滴
以上を良好(○)とし、それ未満を不良(×)とした。
また、体積抵抗率〔(20℃)=Ω・cm〕は、JIS
K6723により求めた。そして、その良否は、1×1
012Ω・cm以上を良(合格)とし、これ未満を不良
(不合格)とする。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】上記表1から、本発明の条件を満たすPV
Cコンパウンド(実施例1〜4)では、いずれも耐トラ
ッキング性が良好であった。これに対して、表2から、
本発明の要件を欠くPVCコンパウンド(比較例1〜
3)では、いずれかの場合も耐トラッキング性が不良で
あった。
Cコンパウンド(実施例1〜4)では、いずれも耐トラ
ッキング性が良好であった。これに対して、表2から、
本発明の要件を欠くPVCコンパウンド(比較例1〜
3)では、いずれかの場合も耐トラッキング性が不良で
あった。
【0020】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るPVCコンパウンドによると、PVC系ポリマー
に適量のエチレン−アクリル酸エステル−極性モノマー
共重合体を添加してあるため、耐トラッキング性に優れ
たコンパウンドが得られる。したがって、安価な樹脂で
ありながら、このような耐トラッキング性の改善によ
り、さらなる広範な用途が可能となる。
に係るPVCコンパウンドによると、PVC系ポリマー
に適量のエチレン−アクリル酸エステル−極性モノマー
共重合体を添加してあるため、耐トラッキング性に優れ
たコンパウンドが得られる。したがって、安価な樹脂で
ありながら、このような耐トラッキング性の改善によ
り、さらなる広範な用途が可能となる。
【0021】もちろん、このPVCコンパウンドを、電
線被覆材料、電線接続部のカバー材料、さらには、電源
プラグなどのモールド材料などに使用すれば、安価で、
耐トラッキング性の向上した、優れた電気絶縁成形物
(製品)が得られる。
線被覆材料、電線接続部のカバー材料、さらには、電源
プラグなどのモールド材料などに使用すれば、安価で、
耐トラッキング性の向上した、優れた電気絶縁成形物
(製品)が得られる。
Claims (3)
- 【請求項1】 PVC系ポリマー100重量部とエチレ
ン−アクリル酸エステル−極性モノマー共重合体5〜1
00重量部とからなることを特徴とするPCVコンパン
ド。 - 【請求項2】 前記請求項1のコンパンドに可塑剤を添
加したことを特徴とする請求項1記載のPCVコンパン
ド。 - 【請求項3】 前記請求項1又は2記載のPVCコンパ
ンドにより成形された電気絶縁成形物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001322528A JP2003123540A (ja) | 2001-10-19 | 2001-10-19 | Pvcコンパンド及びこれを用いた電気絶縁成形物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001322528A JP2003123540A (ja) | 2001-10-19 | 2001-10-19 | Pvcコンパンド及びこれを用いた電気絶縁成形物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003123540A true JP2003123540A (ja) | 2003-04-25 |
Family
ID=19139565
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001322528A Pending JP2003123540A (ja) | 2001-10-19 | 2001-10-19 | Pvcコンパンド及びこれを用いた電気絶縁成形物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003123540A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110951188A (zh) * | 2019-12-11 | 2020-04-03 | 上海凯波特种电缆料厂有限公司 | 一种耐电痕聚氯乙烯绝缘料及其制备方法与应用 |
-
2001
- 2001-10-19 JP JP2001322528A patent/JP2003123540A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110951188A (zh) * | 2019-12-11 | 2020-04-03 | 上海凯波特种电缆料厂有限公司 | 一种耐电痕聚氯乙烯绝缘料及其制备方法与应用 |
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