JP2003123513A - 調光フィルム、ランプカバー及びランプ構造体 - Google Patents

調光フィルム、ランプカバー及びランプ構造体

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JP2003123513A JP2001314198A JP2001314198A JP2003123513A JP 2003123513 A JP2003123513 A JP 2003123513A JP 2001314198 A JP2001314198 A JP 2001314198A JP 2001314198 A JP2001314198 A JP 2001314198A JP 2003123513 A JP2003123513 A JP 2003123513A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ランプにおいて使用した時に、装飾性を有す
ると同時に、消灯時には車体や窓ガラス、部品などとの
一体感を具現することができ、かつ点灯時にはランプと
しての機能を十分に発揮できるような調光フィルムを提
供すること。 【解決手段】 透光部と遮光部が予め定められたパター
ンで形成された調光層を有しており、該調光層の開口率
(透光部と遮光部の面積比で規定される)が、1.5〜
85%の範囲にあるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調光フィルムに関
し、さらに詳しく述べると、ランプ構造体の光出射面で
用いられる調光フィルムに関する。本発明はまた、その
ような調光フィルムを備えたランプカバー、そしてラン
プ構造体に関する。本発明のランプ構造体は、車両のラ
ンプ、例えばコンビネーションランプなどとして有利に
使用することができる。
【0002】
【従来の技術】周知のように、乗用車やトラックの車体
のリア部には、ブレーキの使用に連動して点灯される赤
色のストップランプ兼テールランプ(ブレーキ灯、尾
灯)、方向指示スイッチの使用に連動して点灯されるア
ンバー色のターンシグナルランプ(方向指示灯)、後進
操作に連動して点灯される無色のバックアップランプ
(後退灯)などが取り付けられている。これらのランプ
は、ランプそのものが上記の色に着色されている場合も
あれば、ランプは無色で、ランプカバーもしくはレンズ
がそれぞれの色に着色されている場合もある。ランプの
非点灯(消灯)時、ランプカバーもしくはレンズの色が
外観となって視認される。また、これらのランプは、特
に乗用車において典型的であるが、意匠性や視認性を考
慮して、リア部の左右両側に、縦方向にほぼ一直線で、
あるいは横方向にほぼ一直線で、まとめて配置されてい
る。このようなランプ群は、通常、リアコンビネーショ
ンランプと呼ばれている。
【0003】従来のリアコンビネーションランプにおい
て、車体とランプとが一体感に欠けるという問題があ
る。すなわち、ランプの外観は、その周囲にある車体の
塗装色(例えば、メタリック色、黒色)、窓ガラスの色
(例えば、スモーク調)、モール類の色(例えば、めっ
き調、黒色)などと本質的に異なるので、両者の調和を
とるのは非常に難しい。
【0004】このような状況のなかで、車体とランプの
調和を図る解決手段として、特開平2−123604号
公報には、図1に示すように、反射鏡51と、反射鏡5
1の前方に配置されたレンズ53と、反射鏡51とレン
ズ53の間に配置された光源52とをもって車両用灯具
を構成するとともに、実質的に光を透過しない遮光部分
54と、光を透過する透光部分55とからなる減光層5
6をさらに設け、さらに、その減光層56の前面に、そ
の表面を覆うランプカバー57を設置することが開示さ
れている。
【0005】また、実開平3−51632号公報には、
図2に示すように、車体のトランクリッド65に設けた
凹部に、透明ランプカバー61、実質的に光を透過しな
い遮光部分と、光を透過する透光部分とからなるパター
ンフィルム62、着色フィルム63及び面発光体(エレ
クトロルミネッセンスからなる)64からなるリアコン
ビネーションランプを嵌め込むことが開示されている。
パターンフィルム62としては、市販のパンチングフィ
ルムやグラデーションフィルム等が使用される。
【0006】しかしながら、これらの解決手段では、消
灯時にランプの外観に寄与する遮光部分が、ランプカバ
ーの内側に設けられているので、ランプカバーの透明性
や遮光部分の色調の改善などを図ったとしても、消灯時
に、車体とランプの満足し得る調和を達成することが非
常に困難である。ランプカバーの数mmの厚さが、光の
透過に悪影響を及ぼし、ランプの外観を車体そのものの
外観と調和させるのを妨害しているからである。
【0007】また、リアコンビネーションランプのハウ
ジングに、ランプ室を区画するために縁全周にわたって
設けられた仕切り(立ち壁部)も問題を引き起こしてい
る。立ち壁部が、ランプカバーの内側に設ける減光層又
はパターンフィルムの面積を抑制し、その面積を、ラン
プの外観面積よりも小さくするという問題である。すな
わち、遮光部分を隣接する車体や部品と同じ外観色を示
すように設計しても、立ち壁部が邪魔をして、連続した
外観を得ることができない。
【0008】ところで、透光部分/遮光部分のパターン
の組み合わせは、例えば実開昭57−14101号公報
や特許第2617393号に開示されている。しかし、
これらの文献に開示されているものは、透視効果と表裏
での異なる模様の相乗効果による意匠性の向上をうたっ
たものであり、車両用ランプの点灯時の光照射機能と消
灯時の外観向上機能とを解決するものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、した
がって、上記したような従来の問題点を解決して、ラン
プにおいて使用した時に、装飾性を有すると同時に、消
灯時には車体や窓ガラス、部品などとの一体感を具現す
ることができ、かつ点灯時にはランプとしての機能を十
分に発揮できるような調光フィルムを提供することにあ
る。
【0010】また、本発明のもう1つの目的は、ランプ
において使用した時に、装飾性を有すると同時に、消灯
時には車体や窓ガラス、部品などとの一体感を具現する
ことができ、かつ点灯時にはランプとしての機能を十分
に発揮できるようなランプカバーを提供することにあ
る。
【0011】さらに、本発明のもう1つの目的は、装飾
性を有すると同時に、消灯時には車体や窓ガラス、部品
などとの一体感を具現することができ、かつ点灯時には
ランプとしての機能を十分に発揮できるようなランプ構
造体を提供することにある。
【0012】本発明の上記した目的や、その他の目的
は、以下の詳細な説明から容易に理解することができる
であろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、その1つの面
において、ランプ構造体の光出射面で用いられるもので
あって、透光部と遮光部が予め定められたパターンで形
成された調光層を有しており、該調光層の開口率(透光
部と遮光部の面積比で規定される)が、1.5〜85%
の範囲にあることを特徴とする調光フィルムにある。
【0014】また、本発明は、そのもう1つの面におい
て、ランプ構造体の光出射面に取り付けて用いられるも
のであって、前記ランプ構造体の光出射面を少なくとも
覆う形状及びサイズを備えた透明なカバー本体と、前記
カバー本体の外面に貼付された本発明の調光フィルムと
からなることを特徴とするランプカバーにある。
【0015】さらに、本発明は、そのもう1つの面にお
いて、内部に少なくとも1灯のランプが配置されかつ光
出射用開口を有するランプ室を備えたランプ構造体であ
って、前記ランプ室の光出射用開口に、前記ランプ構造
体の光出射面を少なくとも覆う形状及びサイズを備えた
透明なカバー本体と、前記カバー本体の外面に貼付され
た本発明の調光フィルムとからなるランプカバーが取り
付けられていることを特徴とするランプ構造体にある。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、ランプ構造体の光出射
面で用いられる調光フィルム、換言すると、透光部と遮
光部を混在させたことによって光の透過量を調整可能な
光学フィルム、そのようなフィルムを備えたランプカバ
ー、さらには、かかるランプカバーを装備したランプ構
造体にある。以下、それぞれの発明を好ましい実施の形
態を参照して説明する。
【0017】本発明によるランプ構造体は、照明手段と
していろいろな分野に置いて使用可能である。適当な用
途としては、以下に列挙するものに限定されるわけでは
ないけれども、車両、船舶、航空機などの灯具がある。
特に車両用灯具として使用した時にその作用効果が顕著
である。本発明のランプ構造体を適用可能な車両は、特
に制限されるものではなく、乗用車(RV車、キャンピ
ングカーなども含む)、バス、トラックなどを包含する
が、意匠性、視認性などの向上が得られることから、特
に乗用車が対象として好適である。同様に、本発明のラ
ンプ構造体は、任意の形態をとることができる。すなわ
ち、ランプ構造体は、1個のランプ室からなるものでも
よく、複数個のランプ室からなるもの(コンビネーショ
ンランプ)でもよい。場合によっては、本発明のランプ
構造体は、ランプ室に光源を具えた構造の代わりに、平
面発光体を光源に使用し、ランプカバーと一体化した薄
型ランプ構造体であってもよい。
【0018】本発明のランプ構造体は、通常、ランプ室
に光源を備えた構造を有する。ランプ室には、少なくと
も1灯の光源が配置される。また、ランプ構造体は、少
なくとも2個のランプ室を備え、それぞれのランプ室に
適当な明るさのランプが配置されてもよい。場合によっ
ては、ランプ室に2灯以上の光源が配置されてもよい。
また、ランプ室の内壁は、ランプからの光が集光される
ように凹面鏡の如き構造を有しているか、さもなけれ
ば、内壁とは別に、凹面鏡あるいはそれに類する光反射
手段を備えていてもよい。さらに、ランプは、必要に応
じて、所定の色に着色されたキャップを有していてもよ
い。着色キャップを使用すると、ランプカバーとして、
着色カバーに代えて無色のカバーを使用することができ
るからである。例えば、ターンシグナルランプに、アン
バー色に着色されたキャップを被せることができる。こ
のような変更を通じて、ランプの意匠性や見栄えを改良
することができる。ランプ室は、また、その前面に光出
射用開口を備えている。この開口は、少なくとも部分的
に調光層を備えた本発明のランプカバーによって被覆さ
れる。
【0019】本発明のランプ構造体において、もしもそ
れがコンビネーションランプの形態をとるならば、それ
ぞれのランプ室を互いに隣接してかつ互いに関連づけて
配置するのが好ましい。具体的には、ランプ室は、以下
に列挙するものに限定されないけれども、赤色のストッ
プランプ及びテールランプならびにその兼用品、アンバ
ー色のターンシグナルランプ、無色のバックアップラン
プなどからなる。また、必要に応じて、フォグランプ、
クリアランスランプなどをランプ構造体に組み込んでも
よい。コンビネーションランプの組合せは多様であり、
例えばストップランプとテールランプだけでも、ストッ
プランプ+テールランプ;ストップランプ兼テールラン
プ+ストップランプ兼テールランプ;ストップランプ兼
テールランプ+ストップランプ兼テールランプ+テール
ランプなどがある。
【0020】本発明のランプ構造体は、少なくとも2個
のランプ室を組み合わせたコンビネーションランプであ
る場合、そのランプ室は、同じ形状及び大きさを有して
いてもよく、さもなければ、異なる形状及び大きさを有
していてもよい。ランプ構造体において、ランプ室の組
み合わせは任意に変更可能であるけれども、特に視認性
及び意匠性の向上を図り、あわせて車体との一体感など
を実現するため、縦方向にほぼ一直線で、あるいは横方
向にほぼ一直線で、さもなければ1つのブロックに、ま
とめて配置するのが好ましい。しかし、必要に応じて、
形状及び大きさを異にする2個以上のランプ室を非直線
的にコンパクトにまとめるなどの変更を加えてもよい。
【0021】以下では、本発明を限定するものではない
が、本発明のランプ構造体を車両のコンビネーションラ
ンプとして用いた例を参照して説明する。このランプ構
造体は、したがって、ストップランプ、テールランプ、
ターンシグナルランプ、バックアップランプなどの少な
くとも2灯を任意のパターン及び組み合わせで組み込ん
だものである。例えば、ストップランプ兼テールラン
プ、ターンシグナルランプ及びバックアップランプをこ
の順序で、あるいは順序を変更して、縦並びで又は横並
びで配置することができる。また、変形例として、比較
的に長いストップランプ兼テールランプを一列に配置し
て、その隣りの列に、合計して同じ長さで、ターンシグ
ナルランプ及びバックアップランプを配置してもよい。
【0022】さらに詳しく説明すると、乗用車のリアコ
ンビネーションランプは、赤色のストップランプ兼テー
ルランプ、アンバー色のターンシグナルランプ、そして
無色のバックアップランプをこの順にあるいは別の順で
1つにまとめたもので、それぞれのランプ室をランプカ
バーで覆った構造を採用しているものがある。ランプカ
バーは、各色に共通の1つの部材からなっていてもよ
く、さもなければ、それぞれの色ごとに別の部材からな
っていてもよい。後者の場合、ストップランプ兼テール
ランプ用の赤色のランプカバー、ターンシグナルランプ
用のアンバー色のランプカバー、そしてバックアップラ
ンプ用の無色のランプカバーを、それぞれ専用の金型を
使用して射出成形した後、ランプ室の開口部に取り付け
られる。本発明のリアコンビネーションランプでは、こ
のようなランプカバーの表側の少なくとも一部に、本発
明の調光フィルムが貼付される。リアコンビネーション
ランプの周縁部には、意匠性や見栄えの向上のため、ス
テンレス鋼やプラスチック材料でできた縁どり(モー
ル)を取り付けてもよい。
【0023】本発明のランプ構造体では、ランプ室の光
出射用開口を本発明のランプカバーで被覆する。ランプ
カバーは、通常、光透過性樹脂からなる透明なカバー本
体と、その外面に貼付された本発明の調光フィルムとか
らなる。カバー本体は、好ましくは、光透過性の樹脂か
ら射出成形法あるいはその他の成形法によって成形され
たものであり、また、コンビネーションランプの場合、
各ランプ室のカバーが光透過性の樹脂から射出成形法あ
るいはその他の成形法によって一体的に成形されたもの
である。かかるカバー本体は、ランプ室の光出射面を少
なくとも覆う形状及びサイズを備えている限りにおいて
特に限定されるわけではないけれども、長方形又は正方
形あるいは円形であるのが一般的であり、場合により、
L字型のような変形パターンを有していてもよい。
【0024】カバー本体は、必要に応じて、すなわち、
それから出射される光の色相に応じて、ランプ室ごとに
異なる色相で着色されている。例えば、赤色の発光が求
められるストップランプ兼テールランプのカバーは、赤
色に着色され、また、アンバー色の発光が求められるタ
ーンシグナルランプのカバーは、アンバー色に着色され
る。別法として、カバーを着色する代わりに、無色のカ
バーを使用して、着色ランプを使用するか、さもなけれ
ば、無色のランプの回りに着色されたキャップを被せて
もよい。このような別法を併用することによって、着色
されたカバーを使用したのとは異なる外観を得ることが
できる。もちろん、無色のバックアップランプのカバー
は、着色されている必要がない。
【0025】無色あるいは着色されたカバー本体は、任
意の光透過性樹脂から成形によって有利に形成すること
ができる。適当な成形法として、常用の成形法、例え
ば、射出成形法、真空成形法などを挙げることができ
る。また、成形に使用する原料樹脂としては、以下に列
挙するものに限定されるわけではないけれども、スチレ
ン系樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂などを挙げることができる。特に、アク
リル樹脂を有利に使用することができる。強度や透明性
に優れ、着色加工も有利に実施することができるからで
ある。
【0026】さらに、着色されたカバー本体を製造する
場合には、上述のような樹脂原料に着色剤の適当量を混
入することができる。適当な着色剤としては、以下に列
挙するものに限定されるわけではないけれども、ペリレ
ン顔料、アゾ顔料、酸化鉄などの顔料、あるいはキノフ
タロン染料、アゾ染料、ジスアゾ染料、アンスラキノン
染料、ベンゾピラン染料など(いずれも、カラーインデ
ックスから)の染料を挙げることができる。本発明の実
施には、樹脂中における分散性に優れ、発色性、透明性
や耐候性も良好なことから、アゾ染料、ジスアゾ染料な
どの染料を特に有利に使用することができる。
【0027】カバー本体の製造において、樹脂原料に
は、着色剤の他に、プラスチック成形の分野において常
用の添加剤を混入してもよい。適当な添加剤として、例
えば、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤などを挙げる
ことができる。例えば、適当な紫外線吸収剤は、以下に
列挙するものに限定されるわけではないけれども、ベン
ゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ジフェニルアク
リレート系、アミン系紫外線吸収剤などを包含する。ま
た、このような紫外線吸収剤の添加量は、広い範囲で変
更できるというものの、通常、原料樹脂の全量を基準に
して、約0〜3重量%の範囲である。
【0028】カバー本体は、通常、その内面(ランプ側
の面)に凹凸模様が付与されていることが好ましい。凹
凸模様によって、レンズ体としての機能あるいは再帰反
射機能が得られるからである。凹凸模様は、例えば、金
型にその模様を付与しておいて、成形の段階で、金型か
ら成形体(ランプカバー)に転写することができる。
【0029】カバー本体の外面(外気に接する面)に
は、本発明の調光フィルムが少なくとも部分的に貼付さ
れる。必要に応じて調光フィルムを有しないカバー本体
の外面は、通常、なにも有していなくてもよいけれど
も、所望ならば、薄くて透明なプラスチックフィルムや
コーティングで覆われていてもよい。ランプカバーに小
砂利などが当たったときなどに、カバーの破損を防止す
ることができるからである。
【0030】本発明のランプカバーでは、その外面に本
発明の調光フィルムが貼付される。本発明の調光フィル
ムは、通常、基材として使用される調光層を少なくとも
有している。調光層は、(1)光源からの光が透過可能
な透光部と遮光部を予め定められたパターンで有してお
り、かつ(2)透光部と遮光部の面積比で規定される開
口率は、1.5〜85%の範囲にあることを必須の構成
要件とする。調光層のカバーフィルムに対する貼付手段
には、各種の接着剤を有利に使用することができる。
【0031】調光層は、透明な材料もしくは遮光性材料
から形成される。調光層の形成に用いられる透明な材料
は、外装材として十分な対候性を有しており、かつ本発
明の作用効果に悪影響を及ぼさない限り特に限定される
ものではない。適当な調光層形成材料は、例えば、ポリ
エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹
脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン
樹脂、弗素樹脂(PVdF,PTFE等)など、フィル
ムやコーティングを形成し得る材料である。これらの樹
脂材料は、単独で使用してもよく、混合物もしくは共重
合体として使用してもよい。調光層は、原料樹脂及び必
要に応じて適当な、例えば着色剤などを混入した後、カ
レンダー成形法などの常用の成形法を使用して、所望の
膜厚で製造することができる。調光層の厚さは、ランプ
カバーの使用部位などに応じて広く変更することができ
るというものの、通常、約5〜500μmの範囲であ
り、さらに好ましくは、約20〜100μmの範囲であ
る。調光層の厚さが5μmを下回ると、もはやフィルム
を得ることができなくなり、反対に500μmを上回る
と、厚さが増すことにより、本発明の作用効果に悪影響
が出る恐れがある。
【0032】調光フィルムにおいて、その調光層の透光
部又は遮光部は、いろいろなパターンを有することがで
きる。適当なパターンとしては、以下に列挙するものに
限定されるわけではないけれども、ストライプ、格子、
ドット、例えば円形、四角形、三角形、星形等、あるい
は市松模様などを挙げることができる。また、必要なら
ば、これらのパターンを任意に組み合わせて新たな効果
を発現させてもよい。
【0033】調光フィルムにおいて、その調光層の遮光
部は、任意の色調を有することができる。遮光部は、特
に、ランプ構造体に隣接する領域の色調と同一もしくは
類似であるか、さもなければその色調と協調可能な色調
を有していることが好ましい。具体的に示すと、遮光部
の色調は、例えば、車体、窓ガラス、モール等の部品と
同一もしくは類似の色調、例えば塗装色、黒色、めっき
色、スモーク調などである。例えば、黒色やスモーク調
の遮光部は、窓ガラスとの調和力に優れ、また、めっき
色は、モールとの調和力に優れている。
【0034】また、調光層の遮光部は、いろいろな技法
で形成することができる。例えば、透明なフィルム上に
遮光性材料を所定のパターンで印刷、塗装、蒸着するな
どして遮光部を形成してもよい。
【0035】別法によれば、調光層の遮光部を遮光性材
料から形成してもよい。例えば、全体が遮光性を有する
シート又はフィルム状の材料を用意した後、その材料
に、パンチングなどで、ストライプ、格子、ドットなど
の透光部を開口してもよく、さもなければ、そのような
材料にスリットを入れてもよい。さらに、フィルム状の
調光層を形成する段階で、フィルム原料に着色剤を混入
して、遮光部が所定のパターンで形成された調光層を製
造してもよい。さらには、透明なフィルム上に、所定の
パターンを有する着色フィルムを貼付して、遮光部を形
成してもよい。
【0036】遮光部として有用な着色フィルムは、透明
なフィルムを任意の着色剤、例えば、顔料や光輝剤など
で着色することにより形成することができる。適当な顔
料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラックな
どの無彩色顔料や、無機及び有機の有彩色顔料を挙げる
ことができる。また、光輝剤としては、アルミニウムフ
レークやパール粉などを挙げることができる。
【0037】上記のような遮光部を形成する際、調光層
の開口率、すなわち、透光部の占める割合が1.5〜8
5%の範囲になるように調整を行う。これにより、ラン
プ構造体の消灯時に、遮光部の上記のような外観面が認
識され、車体色などとの一体感が得られる。また、この
一体感は、開口率が85%を上回ると、遮光部の外観面
が十分に認識されなくなるので、好ましくない。さら
に、本発明の調光フィルムでは、それをランプカバーの
外面に縁の部分まで全面を覆うことができ、また、厚み
のあるカバー樹脂を通じてでなく、直接遮光部パターン
を観察できるので、隣接する車体色などとのより良好な
連続性及び一体感を得ることができる。調光層の開口率
は、好ましくは、2〜80%の範囲である。
【0038】ランプ構造体の点灯時には、全体面積の
1.5〜85%を透光部が占めるので、その透光部を通
じて光がランプ室から外側に放出されるので、車両用ラ
ンプとしての機能を十分に果たし、尾灯、制動灯などの
法規制もクリアすることができる。しかし、開口率が
1.5%を下回ると、光の通過量が低下し、法規制をク
リアするのに十分な照度が得られなくなる。
【0039】さらに、調光層は、通常、単層で使用され
るが、意匠性や見栄え、隠蔽性、さらには車体等との一
体性を高めるために、2層もしくはそれ以上を組み合わ
せて使用してもよい。このような場合には、通常、重り
合う調光層どうしを接着剤で接合する。
【0040】調光フィルムは、それがランプカバーの外
面で使用されることを考慮して、その最外層としてクリ
ア層を有するのが好ましい。クリア層は、それを保護膜
として作用させる観点から、本来必須の性質である透明
性に加えて、耐候性及び耐熱性を有することが望まし
い。また、クリア層は、その下地である調光層との良好
な密着性を有することも望ましい。クリア層の形成のた
めに適当な樹脂としては、以下に列挙するものに限定さ
れないけれども、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、弗素樹脂
(PVdF,PTFE等)などを挙げることができる。
これらの樹脂は、単独で使用してもよく、混合物もしく
は共重合体として使用してもよい。さらに、クリア層
は、ランプカバーの表面に対して光沢を付与し、外観を
向上させることもできる。
【0041】クリア層には、調光フィルムの耐候性を高
めるため、紫外線吸収剤を混入するのが好ましい。適当
な紫外線吸収剤は、以下に列挙するものに限定されるわ
けではないけれども、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレー
ト系紫外線吸収剤などを包含する。
【0042】さらに、クリア層の膜厚は、所望とする効
果などに応じて広く変更することができるけれども、通
常、約1〜500μmの範囲であり、さらに好ましく
は、約10〜100μmの範囲である。クリア層の厚さ
が1μmを下回ると、保護膜としての作用効果を得るこ
とができず、反対に500μmを上回ると、調光フィル
ムの全体の厚さが非常に大きくなるので、好ましくな
い。
【0043】本発明の調光フィルムは、その特性などの
向上のため、調光層やクリア層以外の層を必要に応じて
追加的に有していてもよい。適当な追加の層としては、
例えば、接着剤層、印刷基材層、蒸着支持層、フィルム
全体にコシをもたせるためのベース層などを挙げること
ができる。
【0044】調光フィルムは、通常、調光層の下面に施
された接着剤層を介してランプカバーに貼付される。こ
こで使用される接着剤層は、接着テープ、粘着テープな
どの分野において常用の接着剤を使用して、形成するこ
とができる。適当な接着剤としては、例えば、ゴム系、
アクリル系などの感圧接着剤、ポリウレタン系、ポリエ
ステル系などの感熱接着剤を挙げることができ、耐候性
などを考慮した場合、特にアクリル系感圧接着剤を有利
に使用することができる。このような接着剤層の厚さ
は、広い範囲で変更することができるというものの、通
常、約10〜500μmの範囲であり、さらに好ましく
は、約20〜100μmの範囲である。接着剤層の厚さ
が10μmを下回ると、満足し得る接着力を得ることが
できず、反対に500μmを上回ると、調光フィルムの
全体の厚さが非常に大きくなるので、好ましくない。実
際、ランプカバーに調光フィルムを貼り付けた時に、そ
のカバーの樹脂との間に違和感が出てくる。また、この
ような接着剤層には、ランプカバーの取扱や貼付を容易
にするため、剥離ライナーを付けて使用するのが好まし
い。
【0045】別法によれば、接着剤層を感熱接着剤で構
成するかランプカバーと同じか融着可能な樹脂から形成
して、カバー成形用の金型に調光フィルムを置いて、一
体成形により調光フィルムを接合してもよい。
【0046】
【実施例】以下、添付の図面を参照して本発明の実施例
を詳細に説明する。なお、下記の実施例では、特にリア
コンビネーションランプの乗用車における使用を参照し
て本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によっ
て限定されるものではないということを理解されたい。
【0047】図3は、本発明によるリアコンビネーショ
ンランプの構成を示した断面図である。図示のリアコン
ビネーションランプ20は、3つのランプ室、すなわ
ち、赤色のストップランプ兼テールランプのランプ室、
アンバー色のターンシグナルランプのランプ室、そして
無色のバックアップランプのランプ室が組み合わさった
構造を有している。それぞれのランプ室21は、隔壁2
3で互いに仕切られており、また、それぞれのランプ室
21には、所定の明るさのランプ22がソケット(図示
せず)に嵌めこまれている。ランプ室21は、その1つ
の面が開けられており、光出射用開口25を形成してい
る。また、ランプ室21の、ランプ22の周囲の底壁に
は凹面鏡構造が付与されていて、ランプ22の光を集光
して光出射用開口25から室外に放出することができ
る。さらに、それぞれのランプ室21の光出射用開口2
5は、共通のランプカバー10で覆われている。ランプ
カバー10は、それぞれのランプ室の発光色に応じて、
赤色(R)、アンバー色(A)、そして無色(C)の色
調を有しており、また、赤色(R)のランプカバーは、
その表面に本発明の調光フィルム12が被覆されてい
る。
【0048】図4は、図3に示したリアコンビネーショ
ンランプの正面図である。図示のように、リアコンビネ
ーションランプのランプカバー10は、上から順に、ス
トップランプ兼テールランプ用の赤色のランプカバー、
ターンシグナルランプ用のアンバー色のランプカバー、
そしてバックアップランプ用の無色のランプカバーを有
しており、また、赤色のランプカバーは、その上に貼付
された調光フィルムのパターンを反映して、格子状の遮
光部を有している。ここで使用した調光フィルムは、車
体の塗装色(黒色)を考慮して、透明フィルムに黒色イ
ンクで格子模様を印刷し、遮光部としたものである。ま
た、ランプカバーは、3色それぞれに専用の金型を使用
して射出成形した後、ランプ室の開口部に被覆される。
【0049】図5は、図3及び図4に示したリアコンビ
ネーションランプの乗用車における使用例(消灯時)を
示した斜視図である。この図では左側のリアコンビネー
ションランプのみが示されているが、車体のリア部にお
いて、その右側にも同一のリアコンビネーションランプ
が縦長に配置されている。それぞれのリアコンビネーシ
ョンランプは、上から順に、赤色のストップランプ兼テ
ールランプ(R)、アンバー色のターンシグナルランプ
(A)、そして無色のバックアップランプ(C)を備え
る。赤色のストップランプ兼テールランプでは、車体色
と一体感をもった状態で格子模様が認識される。なお、
この格子模様は、ランプの点灯時、ランプの照度によっ
て打ち消され、肉眼ではほとんど認識できなくなる。
【0050】図6は、図3に示したランプカバーの線分
VI‐VIに沿った断面図である。このランプカバー10で
は、図示のように、調光フィルム12は、カバー本体1
5に、ランプカバー10の外面に位置するように、接着
剤層13を介して貼付されている。調光フィルム12
は、下から順に、接着剤層13、調光層14及びクリア
層16からなる。調光層14は、透明フィルムからなる
透光部34と、その上に印刷によって形成された遮光部
35とからなる。遮光部35は、所期の効果を得るた
め、図4に示したように細かい格子状のパターンを有し
ており、透光部の開口率が1.5〜85%の範囲に入る
ように、格子の太さと密度が調整されている。
【0051】図示の例では、ランプカバー10に組み合
わせて本発明に従う遮光部付きの調光フィルム12を貼
付したことにより、ランプ点灯時あるいは消灯時の意匠
性や視認性を大幅に向上させることができる。特に、消
灯時、ランプカバーに車体や窓ガラス、モールなどと一
体感をもたせて、見栄えや意匠性を高めることができ、
一方、点灯時には、遮光部があるにもかかわらず、灯具
としての役割を満足に果たさせることができる。さら
に、この調光フィルム12の場合、保護用のクリア層1
6が調光層14を覆っているので、耐候性なども極めて
良好である。
【0052】図7は、本発明のランプ構造体の作用効果
を説明する斜視図である。図示のランプ構造体は、乗用
車のリアコンビネーションランプで、図7の(A)に示
すように、ほぼ矩形で赤色のストップランプ兼テールラ
ンプ(R)からなり、その下方の領域に無色のバックア
ップランプ(C)を備えている。このリアコンビネーシ
ョンランプのランプカバー10には、その全面にわたっ
てストライプ模様が施され、したがって、透光部34と
遮光部35が交互に形成されている。図示の車体の塗装
色はパール光輝剤入りの紺色であるので、ランプカバー
10の遮光部35も、それとの調和をとるため、パール
光輝剤入りの紺色テープの貼付によって形成されてい
る。これにより、ランプの消灯時、ランプの内部よりも
遮光部の外観面が専ら認識され、リアコンビネーション
ランプと車体との優れた一体感が得られる。この一体感
は、従来のリアコンビネーションランプの改良は得られ
なかったものであり、また、一体感そのものも、ストラ
イプ模様(ストライプの太さ及び分布密度)を調整する
ことを通じて、任意に変更可能である。
【0053】次いで、このリアコンビネーションランプ
に点灯すると、図7の(B)に示すように、ランプの照
度が遮光部の紺色を打ち消し、赤色のストップランプ兼
テールランプ(R)を明確に視認することができる。す
なわち、このリアコンビネーションランプは、車両用ラ
ンプとしての機能を十分に果たすことができる。
【0054】図8は、本発明のランプ構造体の別の作用
効果を説明する斜視図である。図示のランプ構造体は、
乗用車のリアコンビネーションランプで、窓ガラス29
に隣接してほぼ三角形のランプカバー10が取り付けら
れている。このリアコンビネーションランプは、図8の
(A)に示すように、ほぼ円形で赤色のストップランプ
兼テールランプ(R)、ほぼ三角形でアンバー色のター
ンシグナルランプ(A)、そしてほぼ円形で無色のバッ
クアップランプ(C)を備える。このリアコンビネーシ
ョンランプの残りの領域は、光の照射に関与しない部分
である。
【0055】図8の(B)は、上述のリアコンビネーシ
ョンランプのランプカバー10において、そのターンシ
グナルランプ(A)の一部に本発明に従いほぼ三角形の
調光フィルム12を貼付した例である。調光フィルム1
2は、黒色フィルムの全面に小さな円形ドットを穿孔し
たものである。開口率は、1.5〜85%の範囲に入る
ように調整されている。このような調光フィルム12を
ランプカバー12の一部に貼付したので、ランプの消灯
時、従来のリアコンビネーションランプでは、窓ガラス
29とランプカバー10の間に違和感があったものが、
どちらも黒色に視認できるので、顕著な一体感を具現す
ることができる。ランプの点灯時には、図示しないが、
ランプの照度が調光フィルム12の黒色を打ち消し、ア
ンバー色のターンシグナルランプ(A)を明確に視認す
ることができる。この視認効果は、車両用ランプとして
の機能に十分である。
【0056】図9は、本発明によるランプカバーの別の
構成例を示した断面図である。このランプカバー10で
は、図示のように、調光フィルム12は、カバー本体1
5に、ランプカバー10の外面に位置するように、第1
の接着剤層13を介して貼付されている。調光フィルム
12は、下から順に、第1の接着剤層13、第1の調光
層14、第2の接着剤層17、第2の調光層18及びク
リア層16からなる。第1の調光層14は、透光部34
と、遮光部35とからなり、また、第2の調光層18
は、透光部44と、遮光部45とからなる。遮光部35
及び45は、同一のパターンで示されているが、必要な
らば、異なるパターンであってもよい。調光フィルム1
2の全体についてみて、透光部の開口率が1.5〜85
%の範囲に入るように、遮光部35及び45のパターン
の選択と調整を行う。
【0057】図示の例では、ランプカバー10に組み合
わせて本発明に従う遮光部付きの調光フィルム12を貼
付するとともに、調光層を2層構造としたことにより、
単層構造とは異なる作用効果を得ることができる。実施例1 調光フィルムの作製及び評価:図6に示すような層構成
を有する調光フィルムを作製し、下記の第1表に記載す
るようないろいろな車体塗色を有する乗用車のランプカ
バーに貼付した。
【0058】膜厚約50μmの透明軟質塩化ビニルフィ
ルムの裏面に、アクリル系感圧接着剤を膜厚30μmで
塗布した。ここで使用した感圧接着剤は、綜研化学社か
ら品番「1429F−2」として入手可能なアクリル系
粘着剤である。
【0059】次いで、得られた透明フィルムの表面に、
下記のような異なる着色パターンを印刷して、下記の第
1表に記載の開口率を示す遮光部を形成した。 A.白色、幅2mmのストライプ B.紺色、幅6mmのストライプ C.黒色、幅0.6mmの格子 D.黒色、直径4mmの円形ドット E.黒色背景、無色透明の円形ドット(直径4mm) 別に、膜厚約50μmの黒色又はシルバー色の軟質塩化
ビニルフィルムに、下記のような異なるサイズの円形ド
ットを穿孔し、下記の第1表に記載の開口率を示す遮光
部を形成した。 F.黒色背景、無色透明の円形ドット(直径2mm) G.シルバー色背景、無色透明の円形ドット(直径2.
5mm) 上記のようにして作製した調光フィルムを、乗用車のラ
ンプカバーに貼付し、得られたリアコンビネーションラ
ンプを、(1)消灯時における車体との一体性(あるい
は調和性)及び(2)点灯時における視認性に関して評
価した。パネラーは10人であり、正確性を期すため、
それぞれ3回にわたって実験を行った。評価基準は、下
記の通りであった。 (1)消灯時における車体との一体性 昼間、10m離れた距離からの目視による。 〔評価基準〕 ○…一体性(あるいは協調性)がある △…どちらとも言えない ×…一体性(あるいは協調性)がない (2)点灯時における視認性 それぞれのランプについて、実際に運用されている道路
運送車両の保安基準(平成11年9月30日改訂によ
る)に従い、点灯時に所定の距離から視認できるか否か
を下記の3段階で評価した。 〔保安基準〕 1.尾灯 夜間点灯時:300m離れた距離から点灯を確認できる
か否か。 2.制動灯 昼間点灯時:100m離れた距離から点灯を確認できる
か否か。 3.方向指示器 昼間点灯時:100m離れた距離から点灯を確認できる
か否か。 〔評価基準〕 ○…視認できる △…なんとか視認できる ×…視認できない 下記の第1表に記載するような測定結果が得られた。な
お、表中、「−」は、車種に原因して測定対象外となっ
たことを意味する。
【0060】
【表1】
【0061】上記第1表の評価結果から理解できるよう
に、本発明の調光フィルムを使用してランプカバーを作
製すると、消灯時に車体との一体感をもたらし、点灯時
には灯具としての機能を十分に発揮することのできる見
栄えと機能の両面に優れたコンビネーションランプを提
供することができる。実施例2 調光フィルムの作製と使用:図9に示すような層構成を
有する調光フィルムを作製した。層構成は、下から順
に、アクリル系粘着剤層(0.04mm厚)/黒色軟質
塩化ビニル層(0.1mm厚)/ポリウレタン接着剤層
(0.02mm厚)/ポリウレタンシルバー色層(0.
03mm厚)/ポリウレタンクリア層(0.05mm
厚)であった。この調光フィルムでは、黒色塩化ビニル
層とシルバー色層が遮光効果を発揮し、クリア層が屋外
での耐候性を発揮するように設計されている。シルバー
色は、リアコンビネーションランプが取り付けられる車
体の塗色にあわせてある。
【0062】この調光フィルムでは、黒色塩化ビニル層
とシルバー色層の両方において、フィルムの有効発光部
分に相当する個所の全面にわたって直径3mmの円形ド
ットを均一なパターンで穿孔した。相隣接するドット間
の間隔を変更することによって、1.5〜85%の範囲
で、調光層の開口率(%)を変更した。
【0063】それぞれの調光フィルムを、車体塗色がシ
ルバー色のT社の普通乗用車のリアコンビネーションラ
ンプに貼付した。調光フィルムの貼付個所は、リアコン
ビネーションランプのうちの、制動灯兼尾灯であるレン
ズカバーの表面である。レンズカバーの周囲の非発光部
をも覆うように、調光フィルムを全面に貼り付けた。
【0064】上記のようにして作製したリアコンビネー
ションランプでは、消灯時には車体との一体感をもち、
点灯時には灯具としての機能を果たすことができた。
【0065】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、ランプにおいて使用した時に、装飾性を有すると同
時に、消灯時には車体や窓ガラス、部品などとの一体感
を具現することができ、かつ点灯時にはランプとしての
機能を十分に発揮できるような調光フィルムや、かかる
調光フィルムを備えたランプカバーが提供される。
【0066】また、本発明によれば、装飾性を有すると
同時に、消灯時には車体や窓ガラス、部品などとの一体
感を具現することができ、かつ点灯時にはランプとして
の機能を十分に発揮できるランプ構造体も提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の車両用灯具の構成を示した断面図であ
る。
【図2】従来のリアコンビネーションランプの構成を示
した断面図である。
【図3】本発明によるリアコンビネーションランプの構
成を示した断面図である。
【図4】図3のリアコンビネーションランプで用いられ
たランプカバーの正面図である。
【図5】図3のリアコンビネーションランプの乗用車に
おける使用例を示した斜視図である。
【図6】図3のリアコンビネーションランプの線分VI‐
VIに沿った断面図である。
【図7】本発明によるランプカバーの使用効果を示した
斜視図である。
【図8】本発明によるランプカバーの使用効果を示した
斜視図である。
【図9】本発明によるランプカバーのもう1つの好まし
い実施態様を示した断面図である。
【符号の説明】
10…ランプカバー 11…縁どり 12…調光フィルム 13…接着剤層 14…調光層 15…カバー本体 16…クリア層 17…第2の接着剤層 18…第2の調光層 20…リアコンビネーションランプ 21…ランプ室 22…ランプ 23…隔壁 25…光出射用開口 29…窓ガラス 34…透光部 35…遮光部 44…透光部 45…遮光部

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ランプ構造体の光出射面で用いられるも
    のであって、透光部と遮光部が予め定められたパターン
    で形成された調光層を有しており、該調光層の開口率
    (透光部と遮光部の面積比で規定される)が、1.5〜
    85%の範囲にあることを特徴とする調光フィルム。
  2. 【請求項2】 前記調光層の透光部又は遮光部が、スト
    ライプ、格子、ドット又はそれらの組み合わせからなる
    群から選ばれたパターンで形成されていることを特徴と
    する請求項1に記載の調光フィルム。
  3. 【請求項3】 前記調光層の遮光部が、前記ランプ構造
    体に隣接する領域の色調と同一もしくは類似であるか、
    さもなければその色調と協調可能な色調を有しているこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の調光フィルム。
  4. 【請求項4】 前記調光層の遮光部が、透明なフィルム
    上に遮光性材料を所定のパターンで印刷、塗装又は蒸着
    することによって形成されたものであることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載の調光フィルム。
  5. 【請求項5】 前記調光層が遮光性材料からなり、前記
    透光部が開口されていることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の調光フィルム。
  6. 【請求項6】 クリア層を最上層に有していることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の調光フィ
    ルム。
  7. 【請求項7】 ランプ構造体のランプカバーもしくはレ
    ンズに貼付して用いられることを特徴とする請求項1〜
    6のいずれか1項に記載の調光フィルム。
  8. 【請求項8】 ランプ構造体の光出射面に取り付けて用
    いられるものであって、 前記ランプ構造体の光出射面を少なくとも覆う形状及び
    サイズを備えた透明なカバー本体と、 前記カバー本体の外面に貼付された調光フィルムとから
    なり、その際、 前記調光フィルムが、透光部と遮光部が予め定められた
    パターンで形成された調光層を有しており、該調光層の
    開口率(透光部と遮光部の面積比で規定される)が、
    1.5〜85%の範囲にあることを特徴とするランプカ
    バー。
  9. 【請求項9】 前記カバー本体が、光透過性樹脂の成形
    によって形成されたものであることを特徴とする請求項
    8に記載のランプカバー。
  10. 【請求項10】 前記カバー本体が、着色されているこ
    とを特徴とする請求項8又は9に記載のランプカバー。
  11. 【請求項11】 前記カバー本体が、レンズ機能を備え
    ていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項
    に記載のランプカバー。
  12. 【請求項12】 前記調光フィルムが、請求項2〜6の
    いずれか1項に記載のものであることを特徴とする請求
    項8〜11のいずれか1項に記載のランプカバー。
  13. 【請求項13】 内部に少なくとも1灯のランプが配置
    されかつ光出射用開口を有するランプ室を備えたランプ
    構造体であって、前記ランプ室の光出射用開口に、 前記ランプ構造体の光出射面を少なくとも覆う形状及び
    サイズを備えた透明なカバー本体と、 前記カバー本体の外面に貼付された調光フィルムとから
    なり、その際、 前記調光フィルムが、透光部と遮光部が予め定められた
    パターンで形成された調光層を有しており、該調光層の
    開口率(透光部と遮光部の面積比で規定される)が、
    1.5〜85%の範囲にあるランプカバーが取り付けら
    れていることを特徴とするランプ構造体。
  14. 【請求項14】 前記カバー本体が、光透過性樹脂の成
    形によって形成されたものであることを特徴とする請求
    項13に記載のランプ構造体。
  15. 【請求項15】 前記カバー本体が着色されていること
    を特徴とする請求項13又は14に記載のランプ構造
    体。
  16. 【請求項16】 前記カバー本体が、レンズ機能を備え
    ていることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1
    項に記載のランプ構造体。
  17. 【請求項17】 前記調光フィルムが、請求項2〜6の
    いずれか1項に記載のものであることを特徴とする請求
    項13〜16のいずれか1項に記載のランプ構造体。
  18. 【請求項18】 それぞれにランプが配置された少なく
    とも2つのランプ室を備えた分割タイプのランプ構造体
    であることを特徴とする請求項13〜17のいずれか1
    項に記載のランプ構造体。
  19. 【請求項19】 車両のコンビネーションランプとして
    用いられるものであって、ストップランプ、テールラン
    プ、ターンシグナルランプ及びバックアップランプの少
    なくとも2灯が任意のパターン及び組み合わせで組み込
    まれていることを特徴とする請求項13〜18のいずれ
    か1項に記載のランプ構造体。
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