JP2003123322A - 光記録媒体及びその判別装置、並びにその判別方法 - Google Patents

光記録媒体及びその判別装置、並びにその判別方法

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JP2003123322A
JP2003123322A JP2002139361A JP2002139361A JP2003123322A JP 2003123322 A JP2003123322 A JP 2003123322A JP 2002139361 A JP2002139361 A JP 2002139361A JP 2002139361 A JP2002139361 A JP 2002139361A JP 2003123322 A JP2003123322 A JP 2003123322A
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JP
Japan
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recording medium
optical recording
light
information
polarization
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Application number
JP2002139361A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Saeki
哲夫 佐伯
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不正に複製された光記録媒体の再生防止を安
価に実現することが可能な、光記録媒体及びその判別装
置、並びにその判別方法を提供する。 【解決手段】 光記録媒体のトラック方向に平行に偏光
したTE光及び垂直に偏光したTM光をそれぞれリード
イン領域の情報ピットに照射し、それぞれの偏光に対す
る反射光量を測定する(ステップS2〜ステップS
5)。前記それぞれ測定した反射光量の比較により、偏
光特性の異なる情報ピットが光記録媒体に記録されてい
るかどうかを判別する(ステップS6)。光記録媒体に
複製を禁止する電子情報があり、偏光特性の異なる情報
ピットが光記録媒体に記録されていない場合には、再生
が禁止される(ステップS9、ステップS11、ステッ
プS12)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録される情報を
保護するために複製防止措置を施した光記録媒体及びそ
の判別装置、並びにその判別方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、CD−ROMやDVD−ROMな
どの書換できない光記録媒体は、例えば音楽や映画を記
録して配布販売することに用いられている。その配布形
態は社会に十分に浸透し、前記のCD−ROMなどは既
に広く用いられている。
【0003】また、近年、CD−RやCD−RW、DV
D−RAM、DVD−R、DVD−RW等の追記型又は
書換型光記録媒体も用いられるようになっている。これ
らの記録媒体は、例えばデジタルデータのバックアップ
メディアやテレビ映像の録画用の記録メディアとして用
いられ、メディア利用者の記録装置によってデジタルデ
ータを書き込まれて、その後再生使用される。上述のよ
うに、これらの追記型又は書換型光記録媒体にはデジタ
ルデータを書き込むことができるので、例えば原理的に
は市販されている映画のDVD−ROMのデータを劣化
させることなく容易に書き込むことも可能であり、した
がって、その場合には映画のDVD−ROMを完全に複
製することもできる。
【0004】すなわち、追記型又は書換型光記録媒体を
用いれば、著作権のあるデジタルデータを、内容を劣化
させることなく上述のように何度でも容易に複製できう
るので、著作権に関連する問題が生ずることになる。
【0005】上述の問題を解決するため、映像音楽メデ
ィアを販売しているメーカーなどは、著作権を保護し、
不正複製を防止するために、コピープロテクト技術の開
発に力を注いでいる。
【0006】例えば映画などの映像コンテンツは、DV
D−ROMに暗号化して記録されていることが多い。そ
して、コンテンツの複製を行うことができないように、
暗号を解読可能な専用の再生装置を用いた場合にのみ再
生できるようになっている。
【0007】しかしながら、コンテンツを暗号化するこ
とによって複製を防止することも可能ではあるが、暗号
が解読されてしまった場合、どんなメディアにでも無制
限にコンテンツを複製できてしまうという問題がある。
【0008】また、前記のような不正利用は、書換でき
ないROMに記録されたデジタルデータを、追記型・書
換型の光記録媒体に記録することによって行われるの
で、不正に複製された光記録媒体を判別するためには、
まず光記録媒体が書換できないROM型か、または追記
型・書換型かを判別する方法が必要となる。
【0009】例えば特開平9−259435号公報で
は、CD−ROM,CD−R,DVDなどを、光記録媒
体の反射率を用いて判別する方法が開示されている。具
体的には、記録装置に挿入された光記録媒体にレーザー
光の焦点を合わせる際の、光検出器のデータおよびフォ
ーカスサーチのフォーカス信号を用いて、受動的に光記
録媒体の種類を判別している。
【0010】そして、不正複製を防止するために、一般
には前記のような判別によって追記型・書換型とされた
光記録媒体に対して、不正に複製されたものかどうかさ
らに判定が行われる。
【0011】そこで、最近注目されている技術として電
子透かし技術がある。デジタルデータに電子透かし技術
を用いて電子透かしを埋め込めば、そのデジタルデータ
をどのように複製し、さらに電子透かしを取り除くため
の加工をしたとしても、データには電子透かしの情報が
残り、データから電子透かしを取り除くことはできな
い。
【0012】したがって、著作権を有するデータコンテ
ンツに電子透かし技術を用いて著作権情報(例えば、複
製を禁止するといった情報)を埋め込めば、このデータ
コンテンツを不正コピーした場合でも、不正コピーした
情報に著作権情報が残る。そのため、データコンテンツ
をみれば、そのデータコンテンツが著作権保護の対象か
否かが判明する。
【0013】しかしながら、電子透かし技術を使用すれ
ばコンテンツ内に著作権情報は残るものの、電子透かし
技術は複製を抑制するものであり複製を阻止する技術で
はないため、単に電子透かし技術を用いるのみでは複製
は容易に行えるという問題がある。
【0014】前記の問題に対して、例えば特表平10−
510660号公報では、光記録媒体に対して、電子透
かしの有無および光記録媒体が書換できないROM型か
追記型・書換型かを判別することにより、著作権を保護
する技術が開示されている。
【0015】前記の技術によれば、著作権を有して電子
透かしによって複製が禁止され、かつ、追記型又は書換
型光記録媒体に記録されたデータコンテンツのみを再生
禁止とするので、著作権を有する光記録媒体を不正に複
製したとしても再生することができず、したがって不正
な複製を抑止するという効果が得られる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来、光記録媒体やそ
の再生方法においては、規格を決定した当初は不正利用
防止という観点がそれほど重視されていなかったため、
不正利用防止のための構成として光記録媒体の物理的形
状や再生方法などの規格が十分には決定されていなかっ
た。そのため、現在のように不正利用防止が問題となる
と、光記録媒体の物理的形状や再生方法ではなく、記録
するデータを暗号化や電子透かしなどで変更するのみの
構成で対処することとしていた。
【0017】すなわち、上述の従来技術は、著作権保護
のためには電子データを改変して暗号化するか透かし情
報を入れるかするのみであって、光記録媒体の物理的形
状や再生方法自体は著作権保護されない光記録媒体と同
じであり、著作権保護のために光記録媒体の物理的形状
や再生方法を抜本的に改革しようとしたものではない。
【0018】本発明は、前記の従来技術とは異なった方
法で著作権を保護するためのものであり、その目的は、
不正に複製された光記録媒体の再生阻止を容易に実現し
て、複製物の氾濫を防止することが可能な、光記録媒体
及びその判別装置、並びにその判別方法を提供すること
にある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光記録媒体
は、前記課題を解決するために、少なくとも2種類の偏
光状態の異なる入射光に対して、相異なる偏光特性を示
す情報ピットが形成されていることを特徴としている。
【0020】前記の構成において、本発明に係る光記録
媒体の情報ピットは、偏光状態の異なる光が照射された
場合に異なる偏光特性を示す情報ピットを含んでいる。
上記偏光特性とは、例えば反射率であり、位相、透過
率、吸収率、入射角依存性などの項目があり、いずれの
項目を用いても良い。つまり、偏光状態の異なる光が照
射された場合に異なる偏光特性を示す情報ピットとは、
偏光状態の異なる光に対して異なる作用をなす形状的特
徴である。
【0021】したがって、本発明に係る光記録媒体に情
報を記録すれば、追記型または書換型の光記録媒体を用
いて複製した場合であっても、情報ピットの形状的特徴
である偏光特性まで複製することはできないので、完全
なる複製物の生成を阻止することができる。
【0022】その結果、後述する本発明の判別装置、判
別方法によって、光記録媒体が複製物であるかそれとも
オリジナルであるかを見分けることで、不正に複製され
た光記録媒体の再生阻止などを容易に行うことができ
る。
【0023】本発明に係る光記録媒体は、前記課題を解
決するために、前記の構成において、前記偏光特性は、
前記情報ピットに入射される光に対する反射率であるこ
とを特徴としている。
【0024】偏光特性のうち、上述のいずれの項目を用
いて後述する光記録媒体の判別を行っても良いが、中で
も反射率の違いは検出が容易で最も有用である。したが
って、後述する光記録媒体の判別装置及び判別方法を用
いて容易に本発明に係る光記録媒体かそれ以外の光記録
媒体かを判別できるという効果を奏する。
【0025】また、本発明に係る光記録媒体は、光記録
媒体に対して少なくても2種類の偏光状態の異なる光を
照射して求まる各偏光状態の光に対する前記光記録媒体
の各変調度の差が、少なくても0.05以上であること
を特徴としている。
【0026】これにより、上述の光記録媒体は、本発明
に係る光記録媒体かそれ以外の光記録媒体かを確実に判
別することができる。
【0027】本発明に係る光記録媒体は、前記課題を解
決するために、前記の構成において、前記少なくとも2
種類の偏光状態の異なる入射光は、前記情報ピットが形
成されるトラック方向に対して平行な偏光状態の光と前
記トラック方向に対して垂直な偏光状態の光とであるこ
とを特徴としている。
【0028】本発明に係る光記録媒体に偏光状態の異な
る入射光を用いて測定を行った後述する結果によると、
前記の構成では円偏光を用いた場合よりも大きな効果を
得ることができる。したがって、後述する光記録媒体の
判別装置及び判別方法を用いて本発明に係る光記録媒体
かそれ以外の光記録媒体かを、より確実に判別できる。
【0029】本発明に係る光記録媒体は、前記課題を解
決するために、前記構成において、前記情報ピットであ
る第1の情報ピットに加えて、さらに偏光状態の異なる
入射光に対して同様の偏光特性を示す第2の情報ピット
が形成されており、第1の情報ピットと第2の情報ピッ
トとは、断面形状がそれぞれ異なることを特徴としてい
る。特に、前記第1の情報ピットの断面形状が、矩形で
あり、前記第2の情報ピットの断面形状が、略半楕円形
状であることを特徴としている。また、前記情報ピット
の幅が前記照射する光の波長の略半分であることを特徴
としている。
【0030】前記の構成においては、第2の情報ピット
は、第1の情報ピットよりも変調度が大きいので、第1
の情報ピットと共に第2の情報ピットを用いて、例えば
データ等を第2の情報ピットに記録させておくことで、
データの読取りをより確実に行うことができる。光記録
媒体のピットの断面形状、幅を最適化することで、2種
類の偏光状態の異なる光を照射した場合に、変調度が大
きく異なるような光記録媒体が得られ、後述する光記録
媒体の判別装置及び判別方法を用いて本発明に係る光記
録媒体かそれ以外の光記録媒体かを、より確実に判別で
きる。
【0031】また、本発明に係る光記録媒体は、再生さ
れる光の波長をλとすると、前記情報ピットの幅は0.
4λ〜0.6λであることを特徴としている。これによ
り、偏光特性の差が大きくなるので、上述の光記録媒体
は、本発明に係る光記録媒体かそれ以外の光記録媒体か
を確実に判別することができる。
【0032】本発明に係る光記録媒体の判別装置は、前
記課題を解決するために、光記録媒体に対して少なくと
も2種類の偏光状態の異なる光を照射する光照射手段
と、前記光照射手段からの照射光に対する前記光記録媒
体の偏光特性を測定する偏光特性測定手段と、前記偏光
特性測定手段にて測定された各偏光状態の光に対する偏
光特性を比較して光記録媒体を判別する判別手段とを備
えていることを特徴としている。
【0033】前記の構成において、光記録媒体の判別装
置は、光記録媒体に対して偏光状態の異なる光を照射し
て、偏光状態の異なる光ごとに得られた偏光特性を比較
して、前記の光記録媒体が異なる偏光状態の入射光に対
して異なる反射光量を示す光記録媒体か否かの判別を行
うようになっている。
【0034】したがって、上記の光記録媒体の判別装置
を用いれば、上述したように、本発明の異なる偏光状態
の入射光に対して異なる反射光量を示す光記録媒体であ
るかどうかを判別できるので、不正に複製された光記録
媒体の再生阻止などを容易に行うことができる。
【0035】本発明に係る光記録媒体の判別装置は、前
記課題を解決するために、前記構成において、前記偏光
特性測定手段は、前記光記録媒体の偏光特性を、前記光
記録媒体からの反射光より求めることを特徴としてい
る。
【0036】偏光特性のうち、上述のいずれの項目を用
いて後述する光記録媒体の判別を行っても良いが、中で
も反射率の違いは検出が容易で最も有用である。したが
って、上記の構成によれば、光記録媒体の判別装置を容
易でかつ効率的に実現できる。
【0037】本発明に係る光再生装置は、前記課題を解
決するために、光記録媒体に記録された情報を再生する
光再生装置において、上述の光記録媒体の判別装置を備
えていることを特徴としている。
【0038】したがって、上述の光再生装置は、前記の
光記録媒体の判別装置を用いて、前記と同様に、本発明
の異なる偏光状態の入射光に対して異なる反射光量を示
す光記録媒体であるかどうかを判別できるので、不正に
複製された光記録媒体の再生阻止などが容易に行える。
【0039】つまり、上記の構成に加えて、前記判別装
置が、再生するための光記録媒体は異なる偏光状態の入
射光に対して異なる偏光特性を示さない光記録媒体であ
ると判別した場合には、光再生装置が、前記光記録媒体
の再生を制限する構成とすればよい。
【0040】これによれば、前記判別装置が、再生する
ための光記録媒体は異なる偏光状態の入射光に対して異
なる偏光特性を示さない光記録媒体であると判別した場
合には、前記光記録媒体は、不正に複製された光記録媒
体であるとみなされるので、不正に複製された光記録媒
体の再生を制限することができる。
【0041】なお、上記の再生の制限は、再生の禁止で
あってもよいし、不完全な再生であってもよい。
【0042】また、光再生装置において、光記録媒体に
照射する光の偏光状態を変えることは容易であるので、
上述の構成において光記録媒体の判別装置の構成と光再
生装置の構成とを共用することができ、本発明に係る光
再生装置を容易かつ安価に実現できる。
【0043】本発明に係る光記録再生装置は、前記課題
を解決するために、光記録媒体に対して情報の記録及び
再生を行う光記録再生装置において、上述の光記録媒体
の判別装置を備えていることを特徴としている。
【0044】したがって、上記の光記録再生装置は、前
記の光記録媒体の判別装置を用いて、前記と同様に、本
発明の異なる偏光状態の入射光に対して異なる反射光量
を示す光記録媒体であるかどうかを判別できるので、不
正に複製された光記録媒体の再生阻止及び他の媒体への
記録阻止を容易に行える。
【0045】本発明に係る光記録媒体の判別方法は、前
記課題を解決するために、光記録媒体に対して少なくて
も2種類の偏光状態の異なる光を照射して、各偏光状態
の光に対する前記光記録媒体の偏光特性をそれぞれ測定
し、前記測定された各偏光特性を比較することにより光
記録媒体を判別することを特徴としている。
【0046】したがって、光記録媒体が、偏光状態の異
なる入射光に対して、異なる偏光特性を示す光記録媒体
であるか否かを判別することができる。
【0047】上述のように、異なる偏光状態の入射光に
対して異なる反射光量を示す光記録媒体は、不正に複製
された場合に再生阻止を容易に行える光記録媒体である
ので、本実施形態に係る光記録媒体の判別方法は、光記
録媒体を判別して、不正に複製された光記録媒体の再生
阻止を容易に行える。
【0048】つまり、上記構成に加えて、光記録媒体が
偏光状態の異なる入射光に対して異なる偏光特性を示す
光記録媒体である場合には、前記光記録媒体の再生を行
い、光記録媒体が偏光状態の異なる入射光に対して異な
る偏光特性を示す光記録媒体でない場合には、前記光記
録媒体の再生を制限する構成とすればよい。
【0049】上記の構成において、光記録媒体が偏光状
態の異なる入射光に対して異なる偏光特性を示さない場
合は、その光記録媒体は不正に複製されたものとみなさ
れるので、不正に複製された光記録媒体の再生を制限す
ることができる。よって不正利用を防止することができ
る。なお、前記の方法において、光記録媒体の再生の制
限は、再生の禁止であってもよいし、不完全な再生であ
ってもよい。
【0050】
【発明の実施の形態】本発明に係る一実施形態を、図1
ないし図8を参照して説明する。
【0051】まず、本実施形態の光ディスク(光記録媒
体)2aの構成について図2ないし図5を用いて説明す
る。
【0052】光ディスク2aは再生専用光記録媒体であ
る。図2に示すように、光ディスク2a表面には、情報
ピット20が矢印Dにて示す方向に列状に並んでトラッ
クを形成している。以下矢印Dにて示すトラックの延び
る方向を、トラック方向Dとする。前記のトラックは、
光ディスク2a面内に同心円状あるいは螺旋状に形成さ
れている。
【0053】そして、本実施形態においては、トラック
ピッチは0.74μmであり、3T〜14Tまでのラン
ダム長さの情報ピットが形成されている。本実施形態の
光ディスク2aでは、波長650nmに対して屈折率n
=1.5のポリカーボネートが基板に用いられ、反射膜
はアルミ膜からなる。
【0054】情報ピット20は、図3(a)(b)に示
すように、トラック方向Dに垂直な平面で切断した場合
の断面形状が異なる、2種類の情報ピットからなる。
【0055】図3(a)に示す第2の情報ピット20a
は、略矩形の断面形状である。図3(b)に示す第1の
情報ピット20bは、曲線部分が下記数式1で決定され
る略半円形の断面形状である。
【0056】
【数1】 ここで、xは幅方向の変数、yは深さ方向の変数を示
し、wは情報ピット幅、dは情報ピットの深さを示す。
【0057】以上のような断面形状を有する情報ピット
を用い、偏光特性の違いを調べた。その結果を図4に示
す。図4は、断面形状が矩形である情報ピットのピット
幅wと偏光による変調度の差を示したグラフであり、再
生波長をλとした場合に、情報ピットの深さはλ/4n
となるように設定している。図4より、断面形状が矩形
である場合に、TE光を照射した場合と、TM光を照射
した場合で、その変調度が異なることがわかる。特に、
ピット幅wが略0.4〜0.6λで、偏光特性の差が大
きくなっている。また、断面形状が図3(b)に示す略
半円形の場合でも、ピット幅については同様の傾向にあ
る。
【0058】従って、以下の具体例では、第1の情報ピ
ット20b及び第2の情報ピット20aの幅wは、偏光
特性が大きくなる略0.5λ(300nm)にピット幅
を設定する。また、それぞれの情報ピットの長さは4μ
mである。また、第1の情報ピット、第2の情報ピット
の深さd1、d2は共にdである。
【0059】このように形状の異なる第2及び第1の情
報ピット20a、20bに対して、図2に示す、トラッ
ク方向Dに平行な偏光状態のTE光L1と、トラック方
向Dに垂直な偏光状態のTM光L2と、第2及び第1の
情報ピットによる反射率の解析を行った結果を図5に示
す。
【0060】図5においては、横軸は、情報ピットの深
さdを表し、縦軸は変調度を表している。ここで前記の
変調度は、Aを(情報ピット部に照射した場合の反射光
量)、Bを(光ディスクの平坦部(例えばミラー部)に
照射した場合の反射光量)とした場合に、(B−A)/
Bで定義される量である。ここで、分母の量であるBは
情報ピットの形状に関わらず一定であり、また、A,B
は正の数で、BはAよりも大きいので、上記の変調度が
大きいほど、情報ピット部に照射した場合の反射光量で
あるAが小さいことを意味する。
【0061】まず、図5において、TE光L1及びTM
光L2に対して第1の情報ピット20bから得られる変
調度はそれぞれ異なり、TE光L1及びTM光L2に対
して第2の情報ピット20aから得られる変調度がそれ
ぞれ等しい場合について説明する。
【0062】図5において、深さdが0.26λ/nの
場合、図3(a)で表される断面形状が略矩形の第2の
情報ピット20aは、TE光L1及びTM光L2のどち
らの光を用いて再生しても、得られる変調度は略等しい
ことがわかる。一方、図3(b)で表される断面形状が
略半円形の第1の情報ピット20bは、TE光L1、及
びTM光L2の光を用いて再生を行うと、変調度の差が
略0.09異なることがわかる。
【0063】このように、形状の異なる情報ピットを形
成した場合、入射光の偏光方向が異なる光ビームを光記
録媒体に照射すると、その変調度が異なる。それを検出
すれば、光記録媒体を特定できることになる。例えば、
上記のような第2及び第1の情報ピット20a、20b
における断面形状は、追記型(色素系)の光ディスク、
及び書換型の光ディスク(相変化記録媒体、光磁気記録
媒体)では複製することはできないので、複製物にはこ
れらの現象は発現しない。よって、これらの変調度の違
いを利用することによって、第2及び第1の情報ピット
20a、20bを有する上記光ディスク2aとその他の
光ディスクとを判別することが可能となる。一例とし
て、光記録媒体に断面形状が異なり、図5における深さ
dを0.26λ/nである同じ深さの情報ピットを用い
た場合、一方の情報ピットの変調度はTM光=TE光
で、他方はTE光>TM光とすることで、光記録媒体ご
とのばらつきに対応できる。例えば、同じ規格であって
も光記録媒体が異なれば、変調度が異なる場合があり、
本実施例では、そのような場合であっても正確に判別す
ることが可能である。
【0064】上記例は、光ディスクの作成上の観点から
深さを同一の場合について説明を行なったが、深さが異
なった光ディスクの作成が容易な場合は、第1の情報ピ
ットと第2の情報ピットの深さを異ならせることで、よ
り大きな変調度が得られることが図5から読み取れる。
【0065】実際に第1の情報ピットと第2の情報ピッ
トの深さ及び断面形状が異なる光ディスクを作成し、変
調度の違いを測定した実験結果について図6を用いて説
明する。図6は、図3において第1の情報ピットの深さ
d1はλ/2.8n、第2の情報ピットの深さd2はλ
/4nとした場合の、各偏光状態に対する変調度を示し
た実験結果である。
【0066】図6より、断面形状が略矩形の第2の情報
ピット20aでは、トラックに対して入射する光の偏光
状態を変えても、変調度はほとんど変化しないが、断面
形状が略半円形の第1の情報ピット20bでは、トラッ
クに対して入射光の偏光状態を変えると、変調度が0.
62から0.75へ大きく変化していることが分かる。
よって、再生する偏光状態の異なる光に対して発生する
これらの変調度の違いを利用することによって、第2及
び第1の情報ピット20a、20bを有する上記光ディ
スク2aとその他の光ディスクとを判別することが可能
となる。
【0067】本実施形態では、再生する光の波長を65
0nm、情報ピット幅を略300nmとして説明を行っ
たが、情報ピットの幅、深さは上述の実施形態で示した
値に限定されるものではなく、本発明の趣旨に従えば請
求項に述べた範囲で様々な組み合わせが可能である。
【0068】また、図6の結果から、特に変調度が異な
るのはTM偏光(TM光L2)とTE偏光(TE光L
1)を用いた場合であり、この場合には、他の偏光状
態、例えばTE偏光と円偏光あるいはTM偏光と円偏光
の場合に比べ変調度が大きく異なるため、その反射光量
の検出をより確実にでき、本実施形態に係る光ディスク
2aかそれ以外の光ディスクかの判別が確実にできる。
【0069】また、同一光ディスクの情報ピットから得
られる、作成誤差に起因する変調度のばらつきは、実験
的に0.01〜0.03程度である。また、別の光ディ
スクの情報ピットから得られる変調度は、前記変調度と
は絶対値は異なる場合があるが、同一光ディスク内での
変調度のばらつきは前記と同程度である。よって再生装
置の検出誤差等を含め、各偏光に対して0.05以上の
変調度差が得られるように光ディスク2aに情報ピット
を作成しておけば、本実施形態に係る光ディスク2aか
それ以外の光ディスクかを確実に判別することが可能で
ある。
【0070】そして、通常の光ディスクには、内側のリ
ードイン領域に前処理用の副情報が記録され、その外側
に形成されるデータ領域に主情報が記録され、さらにそ
の外側のリードアウト領域に後処理用の副情報が記録さ
れている。
【0071】ここで、図7に示すように、本実施形態の
光ディスク2aでは、リードイン領域18の情報記録に
略半円形の断面をもつ第1の情報ピット20bを用い、
データ領域19の情報記録に略矩形の断面をもつ第2の
情報ピット20aを用いている。なお、さらにデータ領
域19の外側のリードアウト領域(不図示)に、後処理
用の副情報が記録されている。
【0072】次に、光ディスク2が上記のような光ディ
スク2aか否かを判別できる機能を備えた本実施形態の
再生装置(光再生装置)1の構成を、図8のブロック図
を用いて説明する。再生装置1は、光ディスク2に記録
された情報を再生するものであって、スピンドルモータ
3、制御部4、サーボ制御部5、サーボ駆動系6、アク
チュエータ7、判別部(判別手段)8、および光ピック
アップ9(光照射手段、偏光特性測定手段)を備えてい
る。
【0073】スピンドルモータ3は、制御部4の制御に
より、光ディスク2を回転駆動するものである。制御部
4は、再生装置1全体の制御を行うとともに、外部との
インターフェイス、スピンドルモータ3の制御、および
光ピックアップ9の制御を行うものであり、光ピックア
ップ9および判別部8より出力されるデータが入力され
るようにもなっている。
【0074】サーボ制御部5は、光ピックアップ9より
出力されるフォーカス信号およびトラッキング信号を受
信して、サーボ駆動系6を制御するものである。サーボ
駆動系6は、光ピックアップ9を移動するため、アクチ
ュエータ7を駆動することにより、フォーカスサーボお
よびトラッキングサーボを行うものである。
【0075】判別部8は、光ピックアップ9から出力さ
れる反射光量の信号をもとに、光ディスク2の種類を識
別するものであって、詳細については後述する。
【0076】光ピックアップ9は、光ディスク2に対し
てレーザ光を照射し、その反射光より情報の再生信号を
生成するものであって、また、フォーカス信号およびト
ラッキング信号を生成するものである。また、本実施形
態においては、光ピックアップ9は、前記判別部8と
で、本発明の光ディスクの判別装置を構成するものでも
ある。
【0077】光ピックアップ9は、図9(a)(b)の
ブロック図に示すように、半導体レーザ10、コリメー
トレンズ11、半波長板12、ビームスプリッタ13、
対物レンズ14、集光レンズ15、光検出器16、およ
び半波長板駆動部17を備えている。本実施形態におい
ては、半導体レーザ10の波長はλ=650nmであ
り、対物レンズ14はNA0.6である。
【0078】上記の構成において、本実施形態の再生装
置1は、光ディスク2に対して図2に示す、トラック方
向Dに平行な偏光状態のTE光L1と、トラック方向D
に垂直な偏光状態のTM光L2とを照射し、その光に対
する光ディスク2による反射率をそれぞれ測定し、光デ
ィスク2が上記した光ディスク2aであるか、それ以外
の光ディスクであるかを判別するようになっている。
【0079】そして、TE光L1とTM光L2との切り
替えは、上記した半波長板12を図9(a)(b)に示
す光路に配するか否かで行う。後述するように、図9
(b)で半波長板12を光路から除いた場合、光ディス
ク2にはTM光L2が照射される。一方、図9(a)に
示すように、半波長板12を光路に配した場合、光ディ
スク2にはTE光L1が照射される。
【0080】まず図9(b)の配置における動作につい
て説明する。半波長板駆動部17は、図8に示す制御部
4の制御により、半波長板12を駆動して光路より取り
除く。次に、制御部4の制御により、半導体レーザ10
がTM光L2を照射する。半導体レーザ10から照射さ
れたTM光L2は、コリメートレンズ11で平行光に変
換される。TM光L2は、ビームスプリッタ13を通過
し、対物レンズ14で光ディスク2上に集光される。
【0081】光ディスク2から反射された光は、対物レ
ンズ14を通過し、ビームスプリッタ13でその一部が
90°折り曲げられて反射され、集光レンズ15に導か
れる。そして、前記の光は光検出器16上に集光され、
光検出器16で光ディスク2からの反射光量が検出され
る。検出された反射光量のデータは、図6に示す判別部
8および制御部4へと送信される。
【0082】一方、図9(a)の配置における動作につ
いて説明する。この場合は、半波長板駆動部17は、図
8に示す制御部4の制御により、半波長板12を駆動し
て光路に挿入する。したがって、半導体レーザ10が照
射したTM光L2は、半波長板12を通過して、光の進
行方向に対して垂直な面内で偏光を90°曲げられ、T
E光L1に変換される。TE光L1は、ビームスプリッ
タ13を通過し、対物レンズ14で光ディスク2上に集
光される。そして、光ディスク2からの反射光は、偏光
状態が異なることを除いて、上述の図9(b)の場合の
構成とほぼ同様に、光検出器16上に集光される。
【0083】したがって、本実施形態の再生装置1にお
いては、上述のように、図9(b)の構成においては光
ディスク2にTM光L2を照射し、図9(a)の構成に
おいては光ディスク2にTE光L1を照射して、それぞ
れ反射光量より反射率を測定することができる。
【0084】次に、上述の構成の再生装置1が光ディス
ク2を上述のように判別し、そして再生する動作につい
て、図1のフローチャートを用いて説明する。まずステ
ップS1では、再生装置1に再生対象の光ディスク2が
挿入される。
【0085】ステップS2では、光ディスク2のリード
イン領域に対して光を照射して、リードイン領域に記録
された情報をTE光L1で再生する。そしてステップS
3では、光ディスク2からの反射光量より、上述のよう
に定義したTE光L1に対する変調度mTEを測定す
る。
【0086】次にステップS4では、光ディスク2のリ
ードイン領域に記録された情報をTM光L2で再生を行
う。そしてステップS5では、光ディスク2からの反射
光量より、再生装置1は上述のように定義したTM光L
2に対する変調度mTMを測定する。
【0087】ステップS6では、判別部8(図8参照)
は、以上のステップで検出したmTEおよびmTMを用
いて、変調度mTEとmTMとが異なるかどうかを、m
TE−mTMの絶対値が予め定めたεよりも大きいかど
うかで判別する。本実施例ではε=0.05としてい
る。変調度mTEとmTMとの差がεよりも大きい場
合、ステップS7に進み、光ディスク2はリードイン領
域の情報が異なる反射率を示す第1の情報ピット20b
で記録されている本実施形態の光ディスク2aと判別さ
れる。そして、ステップS8で光ディスク2aは再生さ
れる。
【0088】一方、ステップS6において変調度mTE
とmTMとの差がεよりも小さい場合は、光ディスク2
は光ディスク2aでないとされ、ステップS9に進み、
電子透かしによる複製禁止情報の有無について判別がな
される。電子透かしがない場合はステップS10に進
み、光ディスク2は複製が許可された光ディスクとさ
れ、ステップS8で光ディスク2は再生される。電子透
かしがある場合はステップS11に進み、光ディスク2
は不正に複製されたものとされ、ステップS12では光
ディスク2の再生が制限される。本実施形態において
は、再生は禁止される。
【0089】以上の手順をまとめた結果を、表1として
示す。
【0090】
【表1】 表1には、TE光L1及びTM光L2に対する反射率が
異なる第1の情報ピット20bの有無と、電子透かし情
報の内容により、(1)複製を禁じた光ディスクと
(2)複製が許可された光ディスクと、(3)不正に複
製された光ディスクとが判別され、不正に複製した光デ
ィスクの再生を禁止できることが示されている。
【0091】以上のように、本実施形態の光ディスク2
aは、上述の偏光状態の異なる入射光に対して、異なる
反射率を示す第1の情報ピット20bを備えた構成であ
る。上述の第1の情報ピット20bの特性は、光ディス
ク2a上での第1の情報ピット20bの形状による特性
であり、追記型または書換型の光記録媒体を用いて複製
した場合であっても、情報ピットの形状的特徴まで複製
することはできないので、完全なる複製物の生成を阻止
することができる。
【0092】また、本実施形態の再生装置1は、ステッ
プS2からステップS5までのステップで光ディスク2
に上述の2種類の偏光状態の光を入射してそれぞれ反射
率を測定し、ステップS6では前記測定された2種類の
反射率を比較する構成である。したがって、光ディスク
2が、2種類の偏光状態の光に対して異なる反射率を示
す光ディスク2aか否かを判別できる。
【0093】また、本実施形態では、入射光の偏光状態
として光ディスク2のトラックに平行な偏光状態のTE
光L1と、トラックに垂直な偏光状態のTM光L2とを
用いて判別を行う構成である。したがって、上述の測定
結果で示したように、本実施形態では、他の偏光状態、
例えばTE偏光と円偏光あるいはTM偏光と円偏光の場
合に比べ変調度が大きく異なるため、その反射光量の検
出をより確実にでき、光ディスク2の判別を確実にでき
る。
【0094】本実施形態の再生装置1は、前記構成に加
えて、前記判別部8が前記光ディスク2は上述の2種類
の偏光状態の光に対して異なる反射率を示さないと判別
し、さらに光ディスク2に電子透かしによる複製禁止情
報が含まれている場合は、前記光ディスク2の再生を禁
止する構成である。
【0095】前記の構成において、前記光ディスク2が
上述の2種類の偏光状態の光に対して異なる反射率を示
さないと判別され、さらに光ディスク2に電子透かしに
よる複製禁止情報が含まれている場合には、光ディスク
2は不正に複製されたものとみなされる。
【0096】したがって、本実施形態の再生装置1によ
れば不正に複製された光ディスク2の再生を禁止するの
で、不正利用を防止することができる。
【0097】また本実施形態では、ステップS9で電子
透かしがない場合にステップS10に進み、複製が許可
されたものとしてステップS8で再生するので、著作権
がないかあるいは著作権はあるが複製を許可する情報コ
ンテンツを、複製が許可されていない場合の装置と同じ
装置を用いて再生したり複製したりすることができる。
【0098】なお、本実施形態の光ディスク2aでは、
リードイン領域18にTE光L1及びTM光L2に対す
る反射率が異なる第1の情報ピット20bを作成した
が、作成する場所はリードイン領域18に限定されるも
のではなく、主情報が記録されているデータ領域19に
形成することも可能である。ただし、上述の実施形態の
ように、リードイン領域18には第1の情報ピット20
bを作成し、データ領域19には第2の情報ピット20
aを作成するようにすれば、第2の情報ピット20aの
方が変調度が大きいのでデータの読取りをより確実に行
うことができる。
【0099】また、上述の実施形態においては、本発明
の光ディスク2aを含む光ディスク2を、本発明の再生
装置1を用いて再生する場合について述べたが、本発明
の光ディスク2aは、従来の再生装置を用いて再生する
こともできる。ただし、上述のように、本発明の再生装
置1と組み合わせて用いれば、不正利用を防止すること
ができる。
【0100】なお、上述の実施形態においては、波長6
50nmの光源である半導体レーザ10とNA0.6の
対物レンズ14とを備えた光ピックアップ9を用いてト
ラックピッチ0.74μmの光ディスク2を再生する場
合について述べているが、本発明はこれらの光ピックア
ップ及び光ディスクに制限されるものではない。さら
に、情報ピット20の断面形状、及び情報ピット20の
深さは上述の実施形態で示した値に限定されるものでは
なく、本発明の主旨に従えば、請求項に述べた範囲でさ
まざまな組み合わせが可能である。
【0101】なお、上述の実施形態においては、再生装
置1に本発明に係る光記録媒体の判別装置を備えさせた
構成としたが、再生機能のみならず記録機能をも備えた
光記録再生装置に備えさせる構成であってもよい。
【0102】
【発明の効果】本発明に係る光記録媒体は、前記課題を
解決するために、少なくとも2種類の偏光状態の異なる
入射光に対して、相異なる偏光特性を示す情報ピットが
形成されていることを特徴としている。
【0103】したがって、本発明に係る光記録媒体に情
報を記録すれば、追記型または書換型の光記録媒体を用
いて複製した場合であっても、情報ピットの形状的特徴
である偏光特性まで複製することはできないので、完全
なる複製物の生成を阻止することができるという効果を
奏する。
【0104】本発明に係る光記録媒体は、前記課題を解
決するために、前記の構成において、前記偏光特性は、
前記情報ピットに入射される光に対する反射率であるこ
とを特徴としている。
【0105】したがって、後述する光記録媒体の判別装
置及び判別方法を用いて容易に本発明に係る光記録媒体
かそれ以外の光記録媒体かを判別できるという効果を奏
する。
【0106】本発明に係る光記録媒体は、光記録媒体に
対して少なくても2種類の偏光状態の異なる光を照射し
て求まる各偏光状態の光に対する前記光記録媒体の各変
調度の差が、少なくても0.05以上となるように光記
録媒体が作成されていることを特徴としている。
【0107】したがって、上述の光記録媒体は本発明に
係る光記録媒体かそれ以外の光記録媒体かを確実に判別
することができるという効果を奏する。
【0108】また、本発明に係る光記録媒体は、再生さ
れる光の波長をλとすると、前記情報ピットの幅は0.
4λ〜0.6λであることを特徴としている。これによ
り、偏光特性の差が大きくなるので、上述の光記録媒体
は、本発明に係る光記録媒体かそれ以外の光記録媒体か
を確実に判別することができるという効果を奏する。
【0109】本発明に係る光記録媒体は、前記課題を解
決するために、前記の構成において、前記少なくとも2
種類の偏光状態の異なる入射光は、前記情報ピットが形
成されるトラック方向に対して平行な偏光状態の光と前
記トラック方向に対して垂直な偏光状態の光とであるこ
とを特徴としている。
【0110】したがって、後述する光記録媒体の判別装
置及び判別方法を用いて本発明に係る光記録媒体かそれ
以外の光記録媒体かをより確実に判別できるという効果
を奏する。
【0111】本発明に係る光記録媒体は、前記課題を解
決するために、前記構成において、前記情報ピットであ
る第1の情報ピットに加えて、さらに偏光状態の異なる
入射光に対して同様の偏光特性を示す第2の情報ピット
が形成されており、第1の情報ピットと第2の情報ピッ
トとは、断面形状がそれぞれ異なることを特徴としてい
る。
【0112】前記の構成においては、第2の情報ピット
は、第1の情報ピットよりも変調度が大きいので、第1
の情報ピットと共に第2の情報ピットを用いて、例えば
データ等を第2の情報ピットに記録させておくことで、
データの読取りをより確実に行うことができるという効
果を奏する。
【0113】本発明に係る光記録媒体の判別装置は、前
記課題を解決するために、光記録媒体に対して少なくと
も2種類の偏光状態の異なる光を照射する光照射手段
と、前記光照射手段からの照射光に対する前記光記録媒
体の偏光特性を測定する偏光特性測定手段と、前記偏光
特性測定手段にて測定された各偏光状態の光に対する偏
光特性を比較して光記録媒体を判別する判別手段とを備
えていることを特徴としている。
【0114】したがって、上記の光記録媒体の判別装置
を用いれば、上述したように、本発明の異なる偏光状態
の入射光に対して異なる反射光量を示す光記録媒体であ
るかどうかを判別できるので、不正に複製された光記録
媒体の再生阻止などを容易に行うことができるという効
果を奏する。
【0115】本発明に係る光記録媒体の判別装置は、前
記課題を解決するために、前記構成において、前記偏光
特性測定手段は、前記光記録媒体の偏光特性を、前記光
記録媒体からの反射光より求めることを特徴としてい
る。
【0116】偏光特性のうち、上述のいずれの項目を用
いて後述する光記録媒体の判別を行っても良いが、中で
も反射率の違いは検出が容易で最も有用である。したが
って、上記の構成によれば、光記録媒体の判別装置を容
易でかつ効率的に実現できるという効果を奏する。
【0117】本発明に係る光再生装置は、前記課題を解
決するために、光記録媒体に記録された情報を再生する
光再生装置において、上述の光記録媒体の判別装置を備
えていることを特徴としている。
【0118】したがって、上述の光再生装置は、前記の
光記録媒体の判別装置を用いて、前記と同様に、本発明
の異なる偏光状態の入射光に対して異なる反射光量を示
す光記録媒体であるかどうかを判別できるので、不正に
複製された光記録媒体の再生阻止などが容易に行えると
いう効果を奏する。
【0119】本発明に係る光記録再生装置は、前記課題
を解決するために、光記録媒体に対して情報の記録及び
再生を行う光記録再生装置において、上述の光記録媒体
の判別装置を備えていることを特徴としている。
【0120】したがって、上記の光記録再生装置は、前
記の光記録媒体の判別装置を用いて、前記と同様に、本
発明の異なる偏光状態の入射光に対して異なる反射光量
を示す光記録媒体であるかどうかを判別できるので、不
正に複製された光記録媒体の再生阻止及び他の媒体への
記録阻止を容易に行えるという効果を奏する。
【0121】本発明に係る光記録媒体の判別方法は、前
記課題を解決するために、光記録媒体に対して少なくて
も2種類の偏光状態の異なる光を照射して、各偏光状態
の光に対する前記光記録媒体の偏光特性をそれぞれ測定
し、前記測定された各偏光特性を比較することにより光
記録媒体を判別することを特徴としている。
【0122】上述のように、異なる偏光状態の入射光に
対して異なる反射光量を示す光記録媒体は、不正に複製
された場合に再生阻止を容易に行える光記録媒体である
ので、本実施形態に係る光記録媒体の判別方法は、光記
録媒体を判別して、不正に複製された光記録媒体の再生
阻止を容易に行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の光再生装置における、偏
光特性が異なる情報ピットが記録された光ディスクか否
かを判別し、再生を行う手順を示したフローチャートで
ある。
【図2】本発明の一実施形態の光ディスク表面に形成さ
れた情報ピットと再生光とを示す、拡大した説明図であ
る。
【図3】図3(a)(b)は、本発明の一実施形態の光
ディスクに形成された情報ピットの断面形状を示す説明
図である。
【図4】本発明の一実施形態の光ディスクにおける、情
報ピット幅と変調度との関係を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態の光ディスクにおける情報
ピット深さ変調度の関係を示す。
【図6】本発明の一実施形態の光ディスクにおける、入
射光の偏光状態と変調度との関係を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態の光ディスクにおける情報
記録領域の構成を示す。
【図8】本発明の一実施形態の再生装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図9】本発明の一実施形態の再生装置に備えられた光
ピックアップの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 再生装置(光再生装置) 2 光ディスク(光記録媒体) 8 判別部(判別手段) 9 光ピックアップ(光照射手段、偏光特性測定手段) 20 情報ピット 20a 第2の情報ピット 20b 第1の情報ピット L1 TE光 L2 TM光 D トラック方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/12 G11B 7/12 // G11B 19/12 501 19/12 501K

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2種類の偏光状態の異なる入射
    光に対して、相異なる偏光特性を示す情報ピットが形成
    されていることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】前記偏光特性は、前記情報ピットに入射さ
    れる光に対する反射率であることを特徴とする請求項1
    記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】前記偏光特性は、2種類の偏光状態の異な
    る光をそれぞれ照射し、前記光記録媒体からの反射光よ
    り求まる変調度であって、その変調度の差が0.05以
    上であることを特徴とする請求項1または2記載の光記
    録媒体。
  4. 【請求項4】前記少なくとも2種類の偏光状態の異なる
    入射光は、 前記情報ピットが形成されるトラック方向に対して平行
    な偏光状態の光と前記トラック方向に対して垂直な偏光
    状態の光とであることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれか1項に記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】前記情報ピットである第1の情報ピットに
    加えて、さらに偏光状態の異なる入射光に対して同様の
    偏光特性を示す第2の情報ピットが形成されており、 第1の情報ピットと第2の情報ピットとは、断面形状が
    それぞれ異なることを特徴とする請求項1ないし4のい
    ずれか1項に記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】前記第1の情報ピットの断面形状が、矩形
    であり、前記第2の情報ピットの断面形状が、略半楕円
    形状であることを特徴とする請求項5に記載の光記録媒
    体。
  7. 【請求項7】前記照射する光の波長をλとすると、前記
    第1及び第2の情報ピットの幅wが0.4λ〜0.6λ
    であることを特徴とする前記請求項6記載の光記録媒
    体。
  8. 【請求項8】光記録媒体に対して少なくとも2種類の偏
    光状態の異なる光を照射する光照射手段と、 前記光照射手段からの照射光に対する前記光記録媒体の
    偏光特性を測定する偏光特性測定手段と、 前記偏光特性測定手段にて測定された各偏光状態の光に
    対する偏光特性を比較して光記録媒体を判別する判別手
    段とを備えていることを特徴とする光記録媒体の判別装
    置。
  9. 【請求項9】前記偏光特性測定手段は、前記光記録媒体
    の偏光特性を、前記光記録媒体からの反射光より求める
    ことを特徴とする請求項8記載の光記録媒体の判別装
    置。
  10. 【請求項10】光記録媒体に記録された情報を再生する
    光再生装置において、 請求項8又は9に記載の光記録媒体の判別装置を備えて
    いることを特徴とする光再生装置。
  11. 【請求項11】光記録媒体に対して情報の記録及び再生
    を行う光記録再生装置において、 請求項8又は9に記載の光記録媒体の判別装置を備えて
    いることを特徴とする光記録再生装置。
  12. 【請求項12】光記録媒体に対して少なくても2種類の
    偏光状態の異なる光を照射して、各偏光状態の光に対す
    る前記光記録媒体の偏光特性をそれぞれ測定し、前記測
    定された各偏光特性を比較することにより光記録媒体を
    判別することを特徴とする光記録媒体の判別方法。
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