JP2003121546A - 車載用レーダ装置 - Google Patents

車載用レーダ装置

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JP2003121546A JP2001317847A JP2001317847A JP2003121546A JP 2003121546 A JP2003121546 A JP 2003121546A JP 2001317847 A JP2001317847 A JP 2001317847A JP 2001317847 A JP2001317847 A JP 2001317847A JP 2003121546 A JP2003121546 A JP 2003121546A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストをかけずに光ビームの用途の融合化
(先行車検出用/白線検出用)を図り一つの光ビームで
先行車検出と白線検出とを共に行う。 【解決手段】 車載用レーダ装置20は、車両前方に光
ビームを発射し、その反射波を受光して車両前方に位置
する先行車との車間距離計測に必要な情報を生成すると
共に、前記光ビームの仰角をマイナス方向に変更して路
面上の白線またはそれに相当する走行帯標識線を検出
し、レーンキーピングに必要な情報を生成する。水平走
査後の光ビームの経路上に光学的な仰角変更手段(光学
的要素:プレート60に形成された右側プリズム部60
c及び左側プリズム部60d)を配置するだけで、水平
走査後の光ビームが路面の白線を臨む所定の水平走査角
度になったときに、上記の光学的要素により光ビームの
光軸が下向き(路面方向)に曲げられる。高価な特殊ポ
リゴンミラーを必要としない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、先行車との車間距
離を計測でき、しかも、路面にペイントされた走行帯標
識線(道路の両端または車線境界に描かれたいわゆる
「白線」)を検出できる車載用レーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車載用レーダ装置は、パルス状の光ビー
ム(たとえば、レーザビーム)を自車前方に照射し、そ
の反射波を受信するまでの時間から、自車前方を走行中
(加減速走行または停止中を含む)の車両等(以下「先
行車」という)との車間距離や相対速度を計測する、い
わゆるパルスレーダ方式の測距システムである。
【0003】図11(a)は、従来の車載用レーダ装置
1の概念図である。車載用レーダ装置1の送信部(T
X)2から発射されたパルス状の光ビーム3は、先行車
のボディ表面4(または後部リフレクタ若しくはそれに
相当する反射部位)で反射され、車載用レーダ装置1の
受信部(RX)5で受信される。図11(b)に示すよ
うに、光ビーム3の発射時点から反射波の受信時点まで
の時間をTとするとき、先行車との車間距離Lは、
「(T×光の速度)÷2」で与えられる。また、自車
(車載用レーダ装置1の設置車両)と先行車との相対速
度は、時間軸上の車間距離Lの変化傾向から把握するこ
とができる。たとえば、時間軸上の車間距離Lの変化が
ゼロであれば、相対速度もゼロ(先行車は自車と同じ速
度で走行中)であり、増加方向の変化であれば、先行車
は自車速度に対して加速中であり、さらに、減少方向の
変化であれば、先行車は自車速度に対して減速中である
ことが分かる。
【0004】ここで、光ビーム3の放射パターン形状を
説明すると、一般に、電磁波の一種である光ビーム3の
放射エネルギーは距離の4乗に反比例して減少するの
で、充分な大きさの反射波を得るためには、光ビーム3
の放射エネルギーを大きくしなければならないものの、
送信部2の能力にも自ずと限界があることから、光ビー
ム3の放射パターンは、細く絞り込まれた(たとえば、
視野角θ=4度程度の)ビーム状のパターン形状とされ
る。また、水平方向や垂直方向の方位分解能を高めるた
めにも、同ビーム状のパターン形状とされる。
【0005】図12(a)は、光ビーム3の水平方向放
射パターンの一例図、図12(b)は、同垂直方向放射
パターンの一例図、図12(c)は、同放射パターンの
一例断面図である。これらの図において、光ビーム3は
水平と垂直方向の放射角(視野角ともいう)θが、たと
えば、共に4度程度とされた略円形断面ビームである。
車載用レーダ装置1は、この光ビーム3を所定の仰角E
L(Elevation Angle;路面と平行な面とのなす角度。
図では便宜的に仰角=0度とする。)で自車前方に照射
しながら、水平方向に所定の範囲で走査(スキャンまた
はスイープともいう)する。水平走査範囲は、自車から
充分に離れた前方位置で走行車線幅の全体をカバーでき
る範囲であり、たとえば、10m先で左右視野が2.5
m〜3m程度となる範囲である。
【0006】このような仕組みの従来の車載用レーダ装
置1によれば、図13(a)に示すように、自車6から
先行車7に光ビーム3を照射し、その反射波を受信し
て、先行車7との車間距離や相対速度を計測することが
できる。したがって、たとえば、先行車7との車間距離
が充分遠くに離れている場合には、自車6の速度を上げ
て車間距離を所定の安全距離程度まで詰めたりすること
が可能となり、また、図13(b)に示すように、先行
車7の速度が落ちて車間距離が安全距離以下に詰まった
場合などには、自車6に制動をかけるなどして衝突を防
止することが可能となる。これにより、通常走行時の先
行車追従システムや渋滞時の「Stop&Goシステ
ム」(数m程度の車間距離を維持しつつ停止と走行を繰
り返す渋滞時の追従システム)などの実現に寄与するこ
とができる。
【0007】一方、今日においては、たとえば、高速道
路などを走行中に、路面上の走行帯(レーン)を外れな
いように操舵を補助的に制御する、いわゆる「レーンキ
ーピング機能」が実用化の域に達しており、上記の先行
車追従システムと相まって、操縦者の負担を大幅に軽減
できるようになってきた。レーンキーピングを可能にす
るための車載装置(以下「白線検出装置」という。)と
しては、たとえば、特開1993−113482号公
報、特開1994−206507号公報、特開1994
−253311号公報、特開1999−351862号
公報、特開2000−266539号公報、特開200
1−23094号公報などに記載されている。
【0008】しかし、これらの装置はいずれも「テレビ
カメラ」などの高価な機器を用いて路面画像を撮影し、
その路面画像から白線を検出する仕組みとなっているた
め、たとえば、上記の先行車追従システムと併用する場
合には、車両に二つの装置(レーダ装置と白線検出装
置)を搭載しなければならず、コスト面の不利を否めな
いものであった。
【0009】そこで、コストの削減を図るために、車載
用レーダ装置の光ビームを二つの用途(先行車検出と白
線検出)で兼用することが考えられる。しかし、先行車
検出のためには、比較的遠い距離に位置する先行車まで
光ビームを届ける必要があり、したがって、光ビームを
進行方向に向けてほぼ水平(仰角ほぼ0度)に照射しな
ければならず、一方、白線検出のためには、次に説明す
る理由から、光ビームを路面に向けて下向き(マイナス
仰角)に照射しなければならず、これら二つの条件を満
たすための何らかの仕掛けが必要であった。
【0010】図14は、白線検出の概念図であり、8は
車両、9は車両8に搭載された車載用レーダ装置(正確
にはその装置の光ビーム発射手段)、10は白線検出の
ための光ビーム走査範囲、11は路面、12は車両8の
走行帯に描かれた左白線、13は同走行帯に描かれた右
白線である。
【0011】図14(a)に示すように、車載用レーダ
装置9から発射された白線検出のための光ビーム14
は、走行帯の両端に位置する白線(左白線12及び右白
線13)に対して斜めに交差するため、白線(図では左
白線12)上の光ビーム14の照射面積SA(図中の波
線で示す丸図形囲み部分の拡大図を参照)は小さくな
る。しかも、図14(b)に示すように、路面11に対
して上方向から(マイナス仰角で)照射される光ビーム
14は、路面11に対する入射角ψが小さいほど、路面
11の投影面積SBが大きくなり、このため、路面11
における単位面積あたりの光パワー密度が小さなものと
なる。
【0012】加えて、路面11に描かれた白線12、1
3は、車体表面等の反射部位(またはリフレクタなどの
反射板)に比べて、反射率がかなり低いため、車両から
離れた位置で光ビーム14を走査すると、車載用レーダ
装置9の検出感度が大きく低下してしまい、結局、白線
12、13を安定的に検出することができなくなる。以
上のことから、白線検出用の光ビームは、できるだけ車
両前方の近い位置を照射できなければならず、したがっ
て、光ビームの下向き角度(すなわち、マイナス仰角)
を大きくしなければならないのである。
【0013】たとえば、特開2000−147124号
公報に記載された「車載用レーダ装置」は、n個の光ビ
ーム反射面(第1面〜第n面)を有するポリゴンミラー
(回転多面鏡)を備えており、そのうちの一面(便宜的
に第1面とする)の傾斜角を他の面(第2面〜第n面)
と大きく異ならせている。そして、そのポリゴンミラー
を回転させながら、第2面〜第n面からの反射ビームを
用いて先行車検出用の光ビーム走査を行い、且つ、第1
面からの反射ビームを用いて白線検出用の光ビーム走査
を行っている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
公報に記載された従来技術にあっては、傾斜角の大きな
面(前記の第1面)を持つ特殊なポリゴンミラーを必要
とするため、価格の安い汎用のポリゴンミラーを利用す
ることができず、先のテレビカメラほどではないにせ
よ、やはりコスト面の不利を否めないという問題点があ
る。
【0015】そこで本発明は、水平走査後の光ビームの
経路上に光学的な仰角変更手段を配置することにより、
コストをかけずに、光ビームの用途の融合化(先行車検
出用/白線検出用)を図り、以て一つの光ビームで先行
車検出と白線検出とを共に行うことができる車載用レー
ダ装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明による車載用レ
ーダ装置は、車両前方に光ビームを発射し、その反射波
を受光して車両前方に位置する先行車との車間距離計測
に必要な情報を生成すると共に、前記光ビームの仰角を
マイナス方向に変更して路面上の白線またはそれに相当
する走行帯標識線を検出し、レーンキーピングに必要な
情報を生成する車載用レーダ装置であって、光ビームを
発生するビーム発生手段と、前記光ビーム発生手段によ
って作られた光ビームを水平方向に走査する水平走査手
段と、前記水平方向に走査された光ビームを車両前方に
発射するビーム発射手段とを備え、前記ビーム発射手段
は、前記水平方向に走査された光ビームが、前記路面上
の白線またはそれに相当する走行帯標識線に指向する所
定の水平走査角度になったときに、当該光ビームの仰角
をマイナス方向に変更する仰角変更手段を有し、該仰角
変更手段を、光の屈折率を利用して前記光ビームの光軸
を下向きに曲げる光学的要素で構成したこととされてい
るものである。
【0017】ここで、「光ビーム」は、細く絞り込まれ
たビーム状の光波であって、たとえば、レーザビームの
ように単一の指向性があり、しかも、遠方まで充分な強
さの光パワーを届けることができるものである。また、
「ビーム発生手段」は、上記の光ビームを発生するもの
であり、たとえば、光ビームをレーザビームとした場合
は、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を主
たる部品として構成することができるものである。また
は、その発光素子から発射された光ビームの放射角(ビ
ームの拡がり角)が大きい場合には、上記の発光素子に
加えて、その発光素子からの光ビームを所定の放射角
(上記の細く絞り込まれたビーム状光波の放射角)に収
束するための光学系を含むものである。
【0018】また、「水平走査手段」は、上記の光ビー
ムを水平方向に走査するものである。なお、「水平方
向」とは路面に並行する面に沿った方向のことをいう。
この水平走査手段は、たとえば、水平方向に揺動駆動さ
れる反射ミラーまたはポリゴンミラーなどの機械的機構
によって構成されたものであってもよく、あるいは、圧
電素子または超音波素子を使用した制御型光偏向デバイ
ス(印加電圧に応じて光の偏向特性を変化させるデバイ
ス)などの電気的部品によって構成されたものであって
もよい。
【0019】また、「ビーム発射手段」に含まれる「仰
角変更手段」は、前記水平方向に走査された光ビームが
「所定の水平走査角度」になったときに、当該光ビーム
の仰角をマイナス方向に変更するものである。なお、
「所定の水平走査角度」とは、同光ビームが前記路面上
の白線またはそれに相当する走行帯標識線に指向する際
の走査角度のことをいう。たとえば、車両の進行方向を
0度としたときに、光ビームの発射点から見て左右x度
方向に前記路面上の白線またはそれに相当する走行帯標
識線が位置していれば、上記の「所定の水平走査角度」
はそれぞれ+x度、−x度となる。
【0020】このような構成であると、水平走査手段に
よって水平方向に走査された光ビームが「所定の水平走
査角度」(上記例示では±x度)になったとき、「光学
的要素」により、光ビームの光軸が下向きに曲げられ
る。したがって、水平走査後の光ビームの経路上に、光
学的な要素からなる仰角変更手段を配置するだけでよ
く、冒頭で説明した特殊なポリゴンミラーを必要としな
いから、コストをかけずに、光ビームの用途の融合化
(先行車検出用/白線検出用)を図ることができ、以て
一つの光ビームで先行車検出と白線検出とを共に行うこ
とができる車載用レーダ装置を提供することができる。
【0021】なお、この発明のより好ましい構成は、前
記光学的要素は、プリズムであることとされているもの
である。
【0022】ここで、「プリズム」とは、詳細は後述す
るが、相交わる二つの平面(一の面と二の面)をもって
透明体を囲んだもののことをいう。本発明では、光ビー
ムを入射角(一の面の法線に対する角度)0度で一の平
面に入射させ、二の面から出射させるようにする。その
際の出射角度(光ビームの一の面への入射角と二の面か
ら出射する光ビームの屈折角との差;すなわち、方向転
角μ)は、入射角(一の面の法線に対する角度)が0度
であるから、少なくとも0度以上の値(μ>0度)にな
る。
【0023】このような構成であると、前記光ビームの
光軸が所定角度(プリズムの方向転角μ)だけ曲げられ
るため、その屈曲方向を路面側(すなわち、下向き)と
することにより、白線検出用の光ビームが得られる。
【0024】なお、この発明のより好ましい構成は、前
記光学的要素は、前記路面上の左右の白線またはそれに
相当する左右の走行帯標識線に指向する各々の水平走査
角度に対応して、車両横方向の左右に一つずつ分離して
設けられたプリズムであることとされているものであ
る。
【0025】このような構成であると、必要な位置のみ
にプリズムを分離配置するため、他の位置における光ビ
ームの減衰要因をなくすことができ、先行車検出用光ビ
ームのパワーロスを防ぐことができる。
【0026】なお、この発明のより好ましい構成は、前
記光学的要素は、前記路面上の左右の白線またはそれに
相当する左右の走行帯標識線に指向する各々の水平走査
角度に対応して、車両横方向の左右に一つずつ分離して
設けられたプリズムであって、且つ、左右のプリズムの
間に光ビームの光軸を曲げない透光性素材を介在させた
こととされているものである。
【0027】ここで、「透光性素材」としては、ガラス
またはアクリルなどの透明樹脂材料を使用することがで
きる。
【0028】このような構成であると、左右のプリズム
の間に透光性素材が介在するため、これらを一体のもの
として部品化することができ、部品点数及び組み付け工
数の削減を図ることができるほか、プリズムの位置合わ
せ(光軸合わせ)の容易化を図ることができる。
【0029】なお、この発明のより好ましい構成は、前
記光学的要素は、前記路面上の左右の白線またはそれに
相当する左右の走行帯標識線に指向する各々の水平走査
角度に対応して、車両横方向の左右にそれぞれ設けられ
たプリズム部と、その左右のプリズム部の間に連続的に
設けられた中間プリズム部とからなり、該中間プリズム
部の方向転角が、前記左右のプリズム部の位置で最大、
その中間位置でゼロとなり、且つ、左右のプリズム部か
ら中間位置にかけて方向転角が徐々に変化するように、
前記左右のプリズム部及び前記中間プリズム部の形状を
適正化したこととされているものである。
【0030】このような構成であると、単一のプリズム
とすることができ、部品点数及び組み付け工数の削減を
図ることができるほか、プリズムの位置合わせ(光軸合
わせ)の容易化を図ることができる。
【0031】なお、この発明のより好ましい構成は、前
記左右のプリズム部及び前記中間プリズム部は、光ビー
ムの光軸を曲げない透光性素材に一体化または当該透光
性素材上に接合された光学的要素によって形成されてい
ることとされているものである。
【0032】このような構成であると、前記左右のプリ
ズム部及び前記中間プリズム部並びに透光性素材を一つ
にまとめて部品化することができ、部品点数及び組み付
け工数の削減を図ることができるほか、プリズムの位置
合わせ(光軸合わせ)の容易化を図ることができる。
【0033】なお、この発明のより好ましい構成は、前
記光学的要素及び透光性素材を、外界との間の保護窓と
して兼用することとされているものである。
【0034】このような構成であると、別途に保護窓を
要しないため、部品点数及び組み付け工数の削減を図る
ことができる。
【0035】なお、この発明のより好ましい構成は、前
記光学的要素及び透光性素材とは別途に、外界との間の
保護窓を備えることとされているものである。
【0036】このような構成であると、光学的要素及び
透光性素材に対して機械的強度や密閉性が求められない
ため、これら部材の製造容易化を図ることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、以下の説明における様々な
細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号
の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまで
も参考であって、それらのすべてまたは一部によって本
発明の思想が限定されないことは明らかである。また、
周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび
周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその
細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にする
ためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意
図的に排除することは本件出願人の望むところではな
い。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り
得るところであるので、以下の説明に当然含まれてい
る。
【0038】まず、本実施の形態の「車載用レーダ装
置」の構成を説明する。図1は、車載用レーダ装置20
の概念的な構成図である。この車載用レーダ装置20
は、先行車との間の車間距離や相対速度を計測して、不
図示の先行車追従システムや渋滞追従システムなどの他
のシステムに出力するほか、走行路面にペイントされた
走行帯標識線(道路の両端または車線境界に描かれたい
わゆる「白線」のこと。以下単に「白線」という。ただ
し、この白線は白いものに限らず、他の色、たとえば黄
色などを含む。)を検出し、自車と白線(自車走行帯の
左右の白線)との間隔を計測して、その情報を不図示の
レーンキーピング装置(たとえば、高速道路などを走行
中に、路面上の走行帯(レーン)を外れないように操舵
を補助的に制御するもの)に出力するものである。な
お、自車の車両種別は、特に限定しない。自家用乗用自
動車や貨物自動車など、いずれの種別であってもよい。
【0039】図1において、車載用レーダ装置20は、
光ビームBMTXを車体前方に発射する投光機構ユニット
30と、車体前方の目標物(先行車等)からの反射光ビ
ームBMRXを受光する受光機構ユニット40と、車載用
レーダ装置20の全体動作を制御する制御ユニット50
とにより構成されている。
【0040】なお、これら各ユニット(投光機構ユニッ
ト30、受光機構ユニット40及び制御ユニット50)
は、図1では、それぞれ個別のユニット(波線で示す)
で構成されているが、これに限らず、すべてを一つのユ
ニットにまとめてもよいし、あるいは、投光機構ユニッ
ト30と受光機構ユニット40とを一つのユニットにま
とめて車両前部(たとえば、バンパー内やフロントグリ
ル内)に配置し、制御ユニット50を他の車両部位(た
とえば、エンジンルーム内)に配置するようにしてもよ
い。
【0041】投光機構ユニット30は、発光部31及び
水平方向走査部32よりなる。発光部31には、たとえ
ば、赤外線レーザを発生するレーザダイオード31a
と、このレーザダイオード31aから出力されたレーザ
光(通常、30度程度の広がり角を有するもの)を集光
して、水平方向が0.1度程度で上下方向が5度程度の
拡がり角を有する光ビームBMTXに収束する光学系31
bと、それら各部を収納保持するケース31cとが備え
られている。水平方向走査部32は、光ビームBMTX
反射させて光軸を曲げ、装置前方(車両前方)に出射さ
せる反射ミラー32aと、この反射ミラー32aを水平
方向に揺動駆動する水平方向駆動機構32bとよりな
る。
【0042】なお、光学系31bは、必ずしも一つのレ
ンズで構成されている必要はない。複数のレンズを組み
合わせて構成されたレンズ群であってもよい。また、レ
ーザダイオード31aから出力されたレーザ光の拡がり
角が十分狭いものであれば、当然ながら光学系31bは
不要とすることができる。さらに、図示の例では、光学
系31bの後に水平方向走査部32を入れているが、こ
れに限らず、その位置を逆にする(水平方向走査部32
の後に光学系31bを入れる)ことも可能である。ま
た、詳細は後述(図6(c))するが、光学系31bと
水平方向走査部32とを一体化することも可能である。
【0043】また、水平方向駆動機構32bは、この場
合、いわゆる“ガルバノモータ”よりなるものとする。
ガルバノモータは、周知のとおり、たとえば、軸中心線
の両側がN極又はS極の磁性を帯びた材料よりなるロー
タと、このロータの周囲に配置された複数の励磁用コイ
ルとよりなり、内部に回転位置検出用のホール素子を有
する電動アクチュエータである。各励磁用コイルの電流
を操作してロータの回転位置(あるいは回転速度など)
をフィードバック制御することにより、リニアリティー
の点で良好な揺動(最大70度程度の揺動)運動を実現
することができる。
【0044】また、受光機構ユニット40は、反射光ビ
ームBMRXを受光して、その受光光量に応じた大きさの
受光信号SRXを発生するLED等の受光素子41と、こ
の受光素子41に効率良く反射光(BMRX)を入射させ
るための受光用光学系(図示省略)及びそれらを収納保
持するケース42とよりなる。
【0045】次に、制御ユニット50は、駆動回路5
1、制御回路52及び信号処理部53よりなり、駆動回
路51は、図2(a)に示すように、制御回路52から
の発光駆動制御信号CONTaに従ってレーザダイオー
ド31aに電力PWRaを供給し、レーザダイオード3
1aを発光させる発光駆動部51aと、制御回路52か
らの水平駆動制御信号CONTbに従って水平方向駆動
機構32b(ガルバノモータ)に電力PWRbを供給
し、水平方向駆動機構32bを作動させる水平方向駆動
部51bと、水平方向駆動機構32bの回転位置検出器
(この場合、前述のホール素子)からの水平走査位置検
出信号SHORを必要に応じて形態変換して制御回路52
に入力するための水平走査位置信号入力回路51cとを
備えている。
【0046】また、信号処理部53は、図示を略すが、
受光素子41の出力信号(受光信号SRX)からノイズ成
分を取り除き、その他必要な信号処理を行い、ディジタ
ル信号に変換して制御回路52に入力するための入力回
路を備えている。さらに、制御回路52は、図2(b)
に示すように、入出力インターフェース52a、マイク
ロコンピュータユニット(以下「CPUと略す」)52
b、揮発性情報記憶部(以下「RAM」と略す)52c
及び読み出し専用不揮発性情報記憶部(以下「ROM」
と略す)52dなどを備えている。
【0047】入出力インターフェース52aには、信号
処理部53からの受光信号SRX、駆動回路51からの水
平走査位置検出信号SHORなどが入力されると共に、さ
らに、図示を略した車速センサからの車速信号SSP及び
操舵センサからの操舵信号S STEERAGEなどが入力されて
いる。また、入出力インターフェース52aから駆動回
路51に対して発光駆動制御信号CONTa及び水平駆
動制御信号CONTbなどが出力されていると共に、さ
らに、図示を略したレーンキーピング装置や、先行車追
従システム及び車間距離警告装置などに対して、レーン
キーピング制御信号CONTLANE、速度制御信号CON
SP及び車間距離警告制御信号CONT ALARMなどが出
力されている。
【0048】CPU52bは、ROM52dにあらかじ
め格納されている制御プログラムをRAM52cにロー
ドし、その制御プログラムを実行することにより、入出
力インターフェース52aから所要のデータ(HRDR
RX、SHOR、AVER、・・・・、SSP、SSTEERAGE)を取り
込みつつ、車載用レーダ装置20の全体動作の制御に必
要な各種演算処理を行い、その演算結果として得られる
様々な制御データ(CONTa、CONTb、・・・・、C
ONTLANE、CONTSP、CONTALARM)を入出力イ
ンターフェース52aを介して駆動回路51やその他の
システム(レーンキーピング装置、先行車追従システム
及び車間距離警告装置など)に出力する。
【0049】制御回路52は、CPU52bなどのハー
ドウェアリソースと、ROM52dに格納された制御プ
ログラムなどのソフトウェアリソースとの有機的結合に
よって、所定の制御処理機能を実現する要素であり、本
実施の形態においては、特に、次のような制御処理機能
を実現することができるものである。
【0050】すなわち、先行車追従動作が指令された場
合には、まず、レーザダイオード31aを駆動して光ビ
ームBMTXを発射させながら、水平方向駆動機構32b
を作動させて反射ミラー32aを水平方向に揺動駆動
し、反射ミラー32aの動きによって光ビームBMTX
水平方向に走査する。水平走査範囲は、自車から充分に
離れた前方位置で走行車線幅の全体をカバーできる範囲
であり、たとえば、10m先で左右視野が2.5m〜3
m程度となる範囲である。水平走査後の光ビームBMTX
の仰角(EL)はほぼ0度であり、これにより、自車前
方の充分遠方まで光ビームBMTXを照射することができ
る。
【0051】ここで、水平走査後の光ビームBMTXの経
路上にはプレート60が配置されており、水平走査後の
光ビームBMTXはこのプレート60を透過して自車前方
に照射されるようになっている。また、自車前方の先行
車または路面の白線からの反射光ビームBMRXもこのプ
レート60を透過して受光機構ユニット40に入射され
るようになっている。プレート60の構造及び機能の詳
細は、後で説明する。
【0052】次に、受光機構ユニット40による反射光
ビームBMRXの受光結果(反射波の受光の有無、反射波
の強度、投光から受光までの時間、或いはその際の照射
方向(走査方向)のデータなど)を順次読み取り、ノイ
ズ成分の除去処理やグルーピング処理(たとえば自車前
方の障害物が自動車の場合、その自動車の後部に設けら
れた左右のリフレクタが別個の対象物として観測される
ので、これらを一つの自動車のものとして取りまとめる
といった処理)を行い、処理後の情報から、(A)先行
車追従システムや車間距離警告装置に必要な情報と、
(B)レーンキーピング装置に必要な情報とを生成し、
それぞれを該当するシステム(先行車追従システム)や
該当する装置(車間距離警告装置、レーンキーピング装
置)に出力する。
【0053】すなわち、(A)にあっては、水平走査後
の光ビームBMTXの走査角が所定の走査範囲(図1にお
ける「先行車検出」の範囲)にある間、自車前方の対象
物の存在又は種類(若しくは大きさ)や位置データ或い
は速度データなどの情報(たとえば、他の自動車が自車
線上の前方50m先に存在し速度70km/hで走行し
ているなどを示す情報)を生成し、その情報を先行車追
従システムや車間距離警告装置に出力することにより、
当該システム(及び装置)において、たとえば、自車線
上前方の設定車間距離近く(あるいは設定車間距離未
満)を他の車両(すなわち、先行車)が自車よりも低速
で走行しているか否かを判定し、そうである場合には、
警告を発すると共に、エンジン制御システムの制御ユニ
ットに制御信号を出力して、エンジンブレーキを利か
せ、自車両を減速させるといった制御を実行する。
【0054】また、自車が設定速度よりも低速で走行し
ていて、自車線上前方の設定車間距離以上離れた位置を
先行車が自車よりも高速で走行している場合(あるいは
設定車間距離を越える所定距離範囲内に先行車が全く存
在しない場合)には、前記制御ユニットに制御信号を出
力して、自車を設定速度を越えない範囲内で加速させる
制御(あるいはその後自車を設定速度で定速走行させる
制御)を実行する。
【0055】以上の制御により、冒頭(図13参照)で
説明した先行車追従機能、すなわち、自車6と先行車7
との車間距離が充分遠くに離れている場合には、自車6
の速度を上げて車間距離を所定の安全距離程度まで詰め
たりすることが可能となり、また、先行車7の速度が落
ちて車間距離が安全距離以下に詰まった場合などには、
自車6に制動をかけるなどして衝突を防止することが可
能となる。これにより、通常走行時の先行車追従システ
ムや渋滞時の「Stop&Goシステム」などの先行車
追従機能を実現することができる。
【0056】また、(B)にあっては、水平走査後の光
ビームBMTXの走査角が、その水平走査範囲の左右両端
に位置する所定の角度(図1における「右白線検出」ま
たは「左白線検出」の角度)、すなわち、自車走行帯の
境界を示す前記「白線」に指向する所定の水平走査角度
になったときに、反射光ビームBMRXに基づいて白線ま
での距離を計測すると共に、その計測値と、そのときの
水平走査角度とを用いて、走行帯における自車の位置関
係(走行帯の中心からどのぐらい左右にずれているか)
を把握し、把握した情報をレーンキーピング装置に出力
することにより、当該装置において、たとえば、ハンド
ル操作(操舵)を補助制御するなどして、上記の“ず
れ”をなくす(または抑制する)という制御を実行す
る。
【0057】この制御により、冒頭(図14参照)で説
明したレーンキーピング機能、すなわち、自車8の走行
帯の左右境界線(左白線12、右白線13)を検出しな
がら、その白線12、13に挟まれた走行帯の中心に沿
って自車8の走行軌道を自律的に制御するという機能を
実現することができる。
【0058】したがって、これらの先行車追従機能及び
レーンキーピング機能を併用することにより、操縦者の
負担を大幅に軽減することができる。
【0059】なお、安全性確保の観点や、装置の不必要
な稼働による寿命(特にレーザダイオード31aの寿
命)低下防止等の観点から、たとえば、自車が停車中な
どの場合は、上記の先行車追従動作が指令されても、上
述の各制御(すなわち、先行車追従走行制御やレーンキ
ーピング制御)を行わない構成とすることが好ましい。
【0060】次に、本実施の形態の特徴的な構成要素の
一つであるプレート60について詳しく説明する。図3
は、プレート60の斜視図(a)、正面図(b)、A−
A断面図(c)及びB−B断面図(d)である。これら
の図において、プレート60は、所定の厚み(F)を持
つガラスやアクリル等の透明材料を用いて横長の板状に
形成されている。プレート60は、その一部領域を水平
走査後の光ビームBMTXの透過領域(以下「BMTX透過
領域」という)60aとして使用し、他の一部の領域を
自車前方の先行車または路面の白線からの反射光ビーム
BMRXの透過領域(以下「BMRX透過領域」という)6
0bとして使用する。
【0061】プレート60のBMTX透過領域60aに
は、二つのプリズム部60c、60dが形成されてい
る。これらのプリズム部60c、60dは、発明の要旨
に記載された光学的要素、すなわち、光の屈折率を利用
して光ビームBMTXの光軸を所定の角度(方向転角:
μ)だけ下向き(路面方向)に曲げるものに相当する。
なお、光軸屈曲の原理は後で詳しく説明する。
【0062】図4は、光ビームBMTXの水平走査角と、
二つのプリズム部60c、60dとの対応関係を示す図
である。この図において、二つのプリズム部60c、6
0dは、以下の条件を満たす位置に形成されている。す
なわち、図面に向かって左側(車両の進行方向に対して
は「右側」となる点に注意)に位置するプリズム部60
c(以下、車両の進行方向を基準にして「右側プリズム
部60c」という。)は、水平走査後の光ビームBMTX
が自車走行帯の「右側境界」を示す白線(右側白線)を
指向したときに、その光ビームBMTXの走査線(イ)上
に位置していなければならず、また、同様に、図面に向
かって右側(車両の進行方向に対しては「左側」となる
点に注意)に位置するプリズム部60d(以下、車両の
進行方向を基準にして「左側プリズム部60d」とい
う。)は、水平走査後の光ビームBMTXが自車走行帯の
「左側境界」を示す白線(左側白線)を指向したとき
に、その光ビームBMTXの走査線(ロ)上に位置してい
なければならない。
【0063】このような条件を満たすことにより、水平
走査後の光ビームBMTXが右側白線を指向したときは、
その光ビームBMTXが右側プリズム部60cを透過した
後、右側白線の方向に照射されるようになり、一方、水
平走査後の光ビームBMTXが左側白線を指向したとき
は、その光ビームBMTXが左側プリズム部60dを透過
した後、左側白線の方向に照射されるようになる。
【0064】なお、水平走査後の光ビームBMTXが右側
白線及び左側白線を指向していないとき、すなわち、図
中の「自車走行帯」の範囲(先行車検出範囲)を指向し
ているときは、光ビームBMTXは、BMTX透過領域60
aの非プリズム形成部分60e(二つのプリズム部60
c、60dの間の部分)を透過するようになっており、
このため、上述の光軸屈曲が行われず、したがって、水
平走査後の光ビームBMTXの仰角(0度)を保ったまま
車両前方に照射される。
【0065】ここで、図では、BMTX透過領域60aの
「非プリズム形成部分60e」もプレート60の一部と
して描かれているが、すなわち、この非プリズム形成部
分60eを通る光ビームBMTXは、プレート60の内部
をその厚み(F)方向に透過する構成となっているが、
非プリズム形成部分60eを透過する際に生じる光ビー
ムBMTXの減衰をなくすために、プレート60の非プリ
ズム形成部分60eを穴開け加工してもよい。このこと
(減衰量を少なくする)は、先行車または白線からの反
射光ビームBMRXが通るBMRX透過領域60bについて
もいえることであり、同様の思想で、プレート60のB
RX透過領域60bを穴開け加工してもよい。
【0066】次に、プレート60に形成したプリズム部
(右側プリズム部60c及び左側プリズム部60dの)
の光軸屈曲の原理を説明する。図5は、右側プリズム部
60c及び左側プリズム部60dの作用説明図である。
まず、図5(a)を用いて、一般的な三角プリズムの原
理を説明する。プリズムとは、先にも説明したとおり、
透明体を相交わる二つの平面(一の面と二の面)をもっ
て囲んだもののことをいう。図示の三角プリズム70の
一の面はK−S面、二の面はL−S面である。K−S面
とL−S面の交線を「綾」、K−S面とL−S面のなす
平面角を「頂角」、稜に直角な平面をもって切った断面
を「主切断面」という。
【0067】この三角プリズム70によって行われる光
の屈折は、次のとおり説明することができる。たとえ
ば、点Aから発した光線が一の面(K−S面)の点Bに
おいて入射角∠ABN1で入射したと仮定すると、この
点Bで屈折して法線N1−N1´に近づくから、図におい
ては下の方に曲がり、二の面(L−S面)の点Cに入射
する。さて、光線は点Cから空気中に出て法線N2−N2
´を遠ざかるように屈折するから、結局、図示するよう
に下の方向に曲がることになる。
【0068】ゆえに、これら2回の屈折により光線の方
向転角は∠EQDになる。すなわち、点A→点Eの方向
に入射した光線が三角プリズム70を出るときに、点C
→点Dの方向に角度を変えて進むことになる。これを
「方向転角」という。この方向転角は頂角∠KSLと入
射角∠ABN1に関係している。そして、入射角∠AB
1と最後の屈折角∠DCN2が等しいとき、すなわち∠
ABN1=∠DCN2のとき、方向転角は最小である。そ
こで、頂角∠KSL=σ、最小の方向転角∠ABN1
∠DCN2=μとおき、この三角プリズム70を構成し
ている透明体の屈折率をnとすれば、次式(1)が成立
する。
【0069】 sin〔(μ+σ)/2〕=n・sin(σ/2) ・・・・・・・・(1) したがって、図示以外の他の三角プリズムであっても、
屈折率(n)と頂角(σ)が分かってさえいれば、式
(1)より、方向転角(μ)の値を求めることができる
のである。
【0070】図5(b)は、プレート60に形成された
左側プリズム部60dまたは右側プリズム部60cに共
通の断面図である。以下、左側プリズム部60dで説明
する。上記の三角プリズム70と同様に、この左側プリ
ズム部60dも、相交わる一の面(K−S面)と二の面
(L−S面)をもって透明体(プレート60の素材)を
囲んだ構造を有している。水平走査後の光ビームBMTX
は、入射角0度でK−S面に入射し、透明体内部を直進
してL−S面に入射角∠ACN2で入射し、そして、L
−S面の点Cから屈折角∠DCN2で大気中に出射す
る。この左側プリズム部60dにおける光ビームBMTX
の方向転角μは、K−S面への入射角が0度であるか
ら、μ=∠DCEであり、このμの実際の値は、左側プ
リズム部60dの屈折率(n)と頂角(∠KSL)を、
前式(1)に適用して計算で求めることができる。
【0071】したがって、かかる構成の右側プリズム部
60c及び左側プリズム部60dによれば、水平走査後
の光ビームBMTXの仰角(0度)を、上記の方向転角μ
の分だけマイナス方向に変更(0度→μ)することがで
き、白線検出用光ビームの条件(すなわち、自車前方の
近い位置を照射できるようにそのビームの光軸を下向き
曲げる)を満たすことができる。その結果、冒頭の従来
技術で説明したような特殊なポリゴンミラー、言い換え
れば、高価なポリゴンミラーを必要としないから、コス
トを抑えつつ、一つの光ビームBMTXを先行車検出と白
線検出の二つの用途に兼用(融合化)することができる
という特有の効果が得られる。
【0072】なお、本発明の技術思想は上記実施の形態
に限定されず、様々な変形例があり得ることはもちろん
である。たとえば、上記の実施の形態では、反射ミラー
32aの揺動運動によって光ビームBMTXの水平走査を
行っているが、これに限定されない。たとえば、安価な
汎用ポリゴンミラー(回転多面鏡)を使用してもよい。
【0073】図6(a)及び(b)は、その構成図であ
り、図1の反射ミラー32aの代わりに、たとえば、正
六面体の各面にアルミニウム膜を形成して、その表面を
鏡面仕上げしたポリゴンミラー32cを使用したもので
ある。このポリゴンミラー32cは、図1の反射ミラー
32aと同様に、水平方向駆動機構32bによって水平
方向に揺動駆動されるようになっており、その揺動運動
により、光ビームBM TXの水平走査を行うことができる
ものである。なお、このポリゴンミラー32cは、多面
鏡のそれぞれの傾斜角を同一としたものであり、要する
に冒頭で説明した従来技術の特殊なポリゴンミラーに比
べて、安価に入手できる「汎用品」であるから、両者を
比較すると当然ながら本実施の形態のポリゴンミラー3
2cの方にコストメリットがある。
【0074】または、反射ミラーやポリゴンミラーを使
用せずに、光ビーム収束用のレンズを横方向に往復移動
させることにより、光ビームBMTXの水平走査を行って
もよい。図6(c)は、その概念構成図であり、70
は、たとえば、赤外線レーザ等の光ビームBMTXを発生
するレーザダイオード(図1のレーザダイオード31a
に相当するもの)、71は、このレーザダイオード70
から出力され光ビームBMTXを集光してビームを絞り込
むレンズ(図1の光学系31bに相当するもの)であ
る。
【0075】レンズ71は、たとえば、一方面71aを
平坦化し、他方面71bに左右シンメトリックなプリズ
ム群を形成したものである。各々のプリズムは、図中の
要部拡大図に示すように、相交わる二つの面のうち一の
面71cを垂直(90度)に立ち上げ、二の面71dを
直角未満の角度(<90度)で傾斜させた、いわゆるフ
レネル型のプリズムレンズである。
【0076】レンズ71は、入射した光ビームBMTX
面ごと角度を変えて出射させることができるので、何ら
かの駆動力(たとえば、図1の水平方向駆動機構32b
の揺動運動を直線往復運動に変換したもの)で白抜き矢
印71e、71fの方向に往復駆動させることにより、
光ビームBMTXの水平走査を行うことができる。
【0077】図7は、図6(c)の構成にプレート60
を組み合わせた状態図であり、この場合も、プレート6
0に形成された二つのプリズム部60c、60dは、前
記の条件を満たしていなければならない。すなわち、右
側プリズム部60cは、水平走査後の光ビームBMTX
自車走行帯の「右側境界」を示す白線(右側白線)を指
向したときに、その光ビームBMTXの走査線(イ)上に
位置していなければならず、また、同様に、左側プリズ
ム部60dは、水平走査後の光ビームBMTXが自車走行
帯の「左側境界」を示す白線(左側白線)を指向したと
きに、その光ビームBMTXの走査線(ロ)上に位置して
いなければならない。
【0078】なお、水平走査手段は、以上の機械的なも
の(反射ミラーやポリゴンミラーの揺動運動またはレン
ズの往復運動によるもの)に限らず、電気的なもの、た
とえば、圧電素子または超音波素子を使用した制御型光
偏向デバイスなどで構成されたものであってもよい。
【0079】また、前記のプレート60は、次のような
ものであってもよい。図8は、他の構成例を示すそのプ
レート80の斜視図(a)、正面図(b)、上面図
(c)、A−A断面図(d)及びB−B断面図(e)で
ある。これらの図において、プレート80は、所定の厚
み(F)を持つガラスやアクリル等の透明材料を用いて
横長の板状に形成されている点、その一部領域を水平走
査後の光ビームBMTXの透過領域(以下「BMTX透過領
域」という)80aとして使用する点、及び、他の一部
の領域を自車前方の先行車または路面の白線からの反射
光ビームBMRXの透過領域(以下「BMRX透過領域」と
いう)80bとして使用する点で、前記のプレート60
と共通するが、以下の点で相違する。
【0080】すなわち、プレート80のBMTX透過領域
80aには、前記のプレート60における二つのプリズ
ム部(右側プリズム部60c及び左側プリズム部60
d)の代わりに、一つの湾曲プリズム部80cが形成さ
れている。この湾曲プリズム部80cは、発明の要旨に
記載された光学的要素、すなわち、光の屈折率を利用し
て光ビームBMTXの光軸を所定の角度(方向転角:μ)
だけ下向き(路面方向)に曲げるものに相当する。
【0081】湾曲プリズム部80cは、プレート80の
正面から見て、プレート80の長手方向を長辺、同短手
方向を短辺とする矩形状をなして形成されており、且
つ、その両短辺の高さ(プレート80表面からの高さ)
を最大値Hとし、その長辺方向の中央部で高さがゼロと
なるように徐々に高さを変化させたプリズム面80d
(前述の二の面に相当)を有している。
【0082】図9は、湾曲プリズム80の光学特性(特
に「方向転角」の特性)を示す図である。この図におい
て、縦軸は方向転角の大きさ(上に行くにつれて方向転
角が大きくなる。最大値はμ、最小値はゼロである。)
を表し、横軸はプリズム面80dの横(長辺)方向の位
置を表している。この図に示すように、湾曲プリズム8
0の中央部の方向転角は0度である。したがって、この
中央部を通る水平走査後の光ビームBMTXの仰角は変更
されず、そのままの仰角(0度)を保って自車前方に照
射される。
【0083】これに対して、中央部を外れた位置の方向
転角は0度を超える値であり、特に、両端部(両短辺
側)では最大の方向転角μである。したがって、この両
端部を通る水平走査後の光ビームBMTXの仰角が0度か
らμへと変更される結果、光軸が下向きに曲げられて車
両前方直近の路面上にある白線に向けて照射される。
【0084】なお、図9の特性図は、便宜的なものであ
って、その特性線Mの実際の形は、もっぱら湾曲プリズ
ム部80のプリズム面80dの形状に左右されることは
もちろんである。この特性線Mの形状から読み取るべき
技術思想は、少なくとも、中央部で方向転角が0度にな
っていること、その両短辺側で最大の方向転角μになっ
ていること、及び、両短辺から中央部にかけて徐々に方
向転角が変化(必ずしも一定の線形的変化を意味しな
い)していることの三点である。これらの思想を満たす
ような適正な形状を湾曲プリズム部80のプリズム面8
0dに与えればよい。
【0085】なお、以上の説明では、プレート60(ま
たはプレート80)にプリズム部60c、60d(また
は湾曲プリズム部80c)を一体化または接合している
が、本発明の思想はこれに限定されない。要は、水平走
査後の光ビームBMTXの水平走査角度が所定の角度にな
ったときに、その光ビームBMTXの通る位置にプリズム
部60c、60d(または湾曲プリズム部80c)が配
置されていればよく、この点において、必ずしもプリズ
ム部60c、60d(または湾曲プリズム部80c)
は、プレート60(またはプレート80)と一体化また
は接合されている必要はない。プリズム部60c、60
d(または湾曲プリズム部80c)をプレート60(ま
たはプレート80)上に形成せず、それらのプリズム部
60c、60d(または湾曲プリズム部80c)を部品
化し、何らかの取り付け部材によって、当該位置に固定
するようにしてもよい。ただし、プリズム部60c、6
0d(または湾曲プリズム部80c)の位置合わせ(光
軸合わせ)作業を考慮すると、前記例示のとおり、プリ
ズム部60c、60d(または湾曲プリズム部80c)
をプレート60(またはプレート80)に一体的または
接合しておくことが好ましい。プレート60(またはプ
レート80)の位置合わせを行うだけで、前記プリズム
の位置合わせ(光軸合わせ)が完了するからである。ま
た、部品点数や組み付け工数の削減の観点から見た場合
も、プリズム部60c、60d(または湾曲プリズム部
80c)をプレート60(またはプレート80)に一体
的または接合しておくことが好ましいことはもちろんで
ある。
【0086】また、以上の説明では、プレート60(ま
たはプレート80)の外表面を直接大気に晒す例を示し
ている。この例によれば、プレート60(またはプレー
ト80)を「保護窓」として利用することができ、別途
に保護窓を要しないから、部品点数や組み立て工数を削
減できるというメリットがある。しかし、本発明はこれ
に限定されない。たとえば、図10に示すように、プレ
ート60(またはプレート80)の前面に、ガラスまた
はアクリルなどの透明樹脂材料で形成された板状の保護
窓90を併設してもよい。
【0087】この場合、部品点数や組み立て工数の削減
メリットが失われるものの、一方で、プレート60(ま
たはプレート80)に機械的な強度が求められず、ま
た、プレート60(またはプレート80)を車載用レー
ダ装置20に取り付ける際の防水対策も必要なくなると
いうメリットが得られる。
【0088】
【発明の効果】この発明によれば、水平走査手段によっ
て水平方向に走査された光ビームが「所定の水平走査角
度」(同光ビームが路面上の白線またはそれに相当する
走行帯標識線に指向する際の走査角度)になったとき
に、「光学的要素」により、光ビームの光軸が下向きに
曲げられる。
【0089】したがって、水平走査後の光ビームの経路
上に、光学的な要素からなる仰角変更手段を配置するだ
けでよく、冒頭で説明した高価な特殊ポリゴンミラーを
必要としないから、コストをかけずに、光ビームの用途
の融合化(先行車検出用/白線検出用)を図ることがで
き、以て一つの光ビームで先行車検出と白線検出とを共
に行うことができる車載用レーダ装置を提供することが
できる。
【0090】また、この発明のより好ましい構成によれ
ば、前記光学的要素は、前記路面上の左右の白線または
それに相当する左右の走行帯標識線に指向する各々の水
平走査角度に対応して、車両横方向の左右に一つずつ分
離して設けられたプリズムであることとされているの
で、前記光ビームの光軸が所定角度(プリズムの方向転
角μ)だけ曲げられる。したがって、その屈曲方向を路
面側(すなわち、下向き)とすることにより、白線検出
用の光ビームを得ることができる。
【0091】また、この発明のより好ましい構成によれ
ば、前記光学的要素は、前記路面上の左右の白線または
それに相当する左右の走行帯標識線に指向する各々の水
平走査角度に対応して、車両横方向の左右に一つずつ分
離して設けられたプリズムであることとされているの
で、必要な位置のみにプリズムを分離配置し、他の位置
(プリズムとプリズムの間)における光ビームの減衰要
因をなくすことができ、先行車検出用光ビームのパワー
ロスを防ぐことができる。
【0092】また、この発明のより好ましい構成によれ
ば、前記光学的要素は、前記路面上の左右の白線または
それに相当する左右の走行帯標識線に指向する各々の水
平走査角度に対応して、車両横方向の左右に一つずつ分
離して設けられたプリズムであって、且つ、左右のプリ
ズムの間に光ビームの光軸を曲げない透光性素材を介在
させているので、左右のプリズムの間に透光性素材が介
在することとなり、これらを一体のものとして部品化す
ることができ、部品点数及び組み付け工数の削減を図る
ことができるほか、プリズムの位置合わせ(光軸合わ
せ)の容易化を図ることができる。
【0093】また、この発明のより好ましい構成によれ
ば、前記光学的要素は、前記路面上の左右の白線または
それに相当する左右の走行帯標識線に指向する各々の水
平走査角度に対応して、車両横方向の左右にそれぞれ設
けられたプリズム部と、その左右のプリズム部の間に連
続的に設けられた中間プリズム部とからなり、該中間プ
リズム部の方向転角が、前記左右のプリズム部の位置で
最大、その中間位置でゼロとなり、且つ、左右のプリズ
ム部から中間位置にかけて方向転角が徐々に変化するよ
うに、前記左右のプリズム部及び前記中間プリズム部の
形状を適正化したこととされているので、単一のプリズ
ムとすることができ、部品点数及び組み付け工数の削減
を図ることができるほか、プリズムの位置合わせ(光軸
合わせ)の容易化を図ることができる。
【0094】また、この発明のより好ましい構成によれ
ば、前記左右のプリズム部及び前記中間プリズム部は、
光ビームの光軸を曲げない透光性素材に一体化または当
該透光性素材上に接合された光学的要素によって形成さ
れているので、前記左右のプリズム部及び前記中間プリ
ズム部並びに透光性素材を一つにまとめて部品化するこ
とができ、部品点数及び組み付け工数の削減を図ること
ができるほか、プリズムの位置合わせ(光軸合わせ)の
容易化を図ることができる。
【0095】また、この発明のより好ましい構成によれ
ば、前記光学的要素及び透光性素材を、外界との間の保
護窓として兼用することとされているので、別途に保護
窓を要せず、部品点数及び組み付け工数の削減を図るこ
とができる。
【0096】また、この発明のより好ましい構成によれ
ば、前記光学的要素及び透光性素材とは別途に、外界と
の間の保護窓を備えることとされているので、光学的要
素及び透光性素材に対して機械的強度や密閉性が求めら
れず、これら部材の製造容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車載用レーダ装置20の概念的な構成図であ
る。
【図2】駆動回路51及び制御回路52の構成図であ
る。
【図3】プレート60の斜視図、正面図、A−A断面図
及びB−B断面図である。
【図4】光ビームBMTXの水平走査角と、二つのプリズ
ム部60c、60dとの対応関係図である。
【図5】右側プリズム部60c及び左側プリズム部60
dの作用説明図である。
【図6】反射ミラー32aの代わりにポリゴンミラー2
2cを使用した水平方向走査部32の構成図及び光ビー
ムBMTX水平走査の他の例を示すその構成図である。
【図7】図6(c)の構成にプレート60を組み合わせ
た状態図である。
【図8】他の構成例を示すそのプレート80の斜視図、
正面図、上面図、A−A断面図及びB−B断面図であ
る。
【図9】湾曲プリズム80の光学特性(特に「方向転
角」の特性)図である。
【図10】プレート60(またはプレート80)の前面
に保護窓90を併設した状態図である。
【図11】従来の車載用レーダ装置1の概念図及び車間
距離の計測概念図である。
【図12】光ビーム3の水平方向放射パターン図、同垂
直方向放射パターン図及び同放射パターンの断面図であ
る。
【図13】従来の車載用レーダ装置1における先行車検
出の概念図である。
【図14】白線検出の概念図である。
【符号の説明】
BMTX……光ビーム BMRX……反射光ビーム 20……車載用レーダ装置 30……投光機構ユニット(ビーム発射手段) 31……発光部(ビーム発生手段) 32……水平方向走査部(水平走査手段) 60……プレート(透光性素材) 60c……右側プリズム部(仰角変更手段、光学的要
素、プリズム) 60d……左側プリズム部(仰角変更手段、光学的要
素、プリズム) 80……プレート(透光性素材) 80c……湾曲プリズム部(プリズム部、中間プリズム
部) 90……保護窓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G08G 1/16 G08G 1/16 E G01S 17/88 A Fターム(参考) 5H180 AA01 CC02 CC03 CC14 LL01 LL02 LL04 LL06 5J084 AA05 AA07 AB01 AB20 AC02 AD01 BA04 BA36 BA50 BB01 BB11 BB21 DA01 EA22 EA31

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前方に光ビームを発射し、その反射
    波を受光して車両前方に位置する先行車との車間距離計
    測に必要な情報を生成すると共に、前記光ビームの仰角
    をマイナス方向に変更して路面上の白線またはそれに相
    当する走行帯標識線を検出し、レーンキーピングに必要
    な情報を生成する車載用レーダ装置であって、 光ビームを発生するビーム発生手段と、 前記光ビーム発生手段によって作られた光ビームを水平
    方向に走査する水平走査手段と、 前記水平方向に走査された光ビームを車両前方に発射す
    るビーム発射手段とを備え、 前記ビーム発射手段は、 前記水平方向に走査された光ビームが、前記路面上の白
    線またはそれに相当する走行帯標識線に指向する所定の
    水平走査角度になったときに、当該光ビームの仰角をマ
    イナス方向に変更する仰角変更手段を有し、 該仰角変更手段を、光の屈折率を利用して前記光ビーム
    の光軸を下向きに曲げる光学的要素で構成したことを特
    徴とする車載用レーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記光学的要素は、プリズムであること
    を特徴とする請求項1記載の車載用レーダ装置。
  3. 【請求項3】 前記光学的要素は、前記路面上の左右の
    白線またはそれに相当する左右の走行帯標識線に指向す
    る各々の水平走査角度に対応して、車両横方向の左右に
    一つずつ分離して設けられたプリズムであることを特徴
    とする請求項1記載の車載用レーダ装置。
  4. 【請求項4】 前記光学的要素は、前記路面上の左右の
    白線またはそれに相当する左右の走行帯標識線に指向す
    る各々の水平走査角度に対応して、車両横方向の左右に
    一つずつ分離して設けられたプリズムであって、且つ、
    左右のプリズムの間に光ビームの光軸を曲げない透光性
    素材を介在させたことを特徴とする請求項1記載の車載
    用レーダ装置。
  5. 【請求項5】 前記光学的要素は、前記路面上の左右の
    白線またはそれに相当する左右の走行帯標識線に指向す
    る各々の水平走査角度に対応して、車両横方向の左右に
    それぞれ設けられたプリズム部と、その左右のプリズム
    部の間に連続的に設けられた中間プリズム部とからな
    り、該中間プリズム部の方向転角が、前記左右のプリズ
    ム部の位置で最大、その中間位置でゼロとなり、且つ、
    左右のプリズム部から中間位置にかけて方向転角が徐々
    に変化するように、前記左右のプリズム部及び前記中間
    プリズム部の形状を適正化したことを特徴とする請求項
    1記載の車載用レーダ装置。
  6. 【請求項6】 前記左右のプリズム部及び前記中間プリ
    ズム部は、光ビームの光軸を曲げない透光性素材に一体
    化または当該透光性素材上に接合された光学的要素によ
    って形成されていることを特徴とする請求項5記載の車
    載用レーダ装置。
  7. 【請求項7】 前記光学的要素及び透光性素材を、外界
    との間の保護窓として兼用することを特徴とする請求項
    4または6いずれかに記載の車載用レーダ装置。
  8. 【請求項8】 前記光学的要素及び透光性素材とは別途
    に、外界との間の保護窓を備えることを特徴とする請求
    項4または6いずれかに記載の車載用レーダ装置。
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