JP2003120527A - リニアコンプレッサ - Google Patents

リニアコンプレッサ

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JP2003120527A
JP2003120527A JP2001321657A JP2001321657A JP2003120527A JP 2003120527 A JP2003120527 A JP 2003120527A JP 2001321657 A JP2001321657 A JP 2001321657A JP 2001321657 A JP2001321657 A JP 2001321657A JP 2003120527 A JP2003120527 A JP 2003120527A
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JP
Japan
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cylinder
piston
linear compressor
stator
dead center
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Application number
JP2001321657A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Hasegawa
寛 長谷川
Fumitoshi Nishiwaki
文俊 西脇
Sadao Kawahara
定夫 河原
Teruyuki Akazawa
輝行 赤澤
Nobuaki Ogawa
信明 小川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共振ばねの側力により、シリンダとピストン
の摺動面は上死点側と下死点側の対角位置で強く接触
し、これらの部分の接触面圧が非常に高くなり、ピスト
ンとシリンダとの間の摩擦力による摺動損失の増加や、
摺動面の異常摩耗の原因となり、効率や信頼性の面で課
題となっていた。 【解決手段】 シリンダの周囲に隙間を設け、シリンダ
の外面を拘束しない構成にすることにより、シリンダに
可撓性を持たせることができ、共振ばねが、シリンダが
ピストンの傾斜に沿うように傾くので、シリンダとピス
トンは摺動面の広い範囲で接触することが可能となり、
摺動面圧を低減することができる。従って、シリンダと
ピストンの摺動損失の増加や異常摩耗を防止することが
でき、効率と信頼性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダ内のピス
トンをリニアモータにより往復運動させ、圧縮ガスを生
成する空調用あるいは冷凍用のリニアコンプレッサに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、冷媒の圧縮ガスを生成する手段と
して、リニアモータによりシリンダ内でピストンを往復
運動させガス圧縮を行うリニアコンプレッサを用いた冷
凍サイクル装置が知られている。具体的な冷凍サイクル
装置の例としては、冷暖房により室温を快適に保つ空気
調和機や、庫内温度を適正に保つ冷凍冷蔵庫などが考え
られる。
【0003】以下、従来のリニアコンプレッサについて
図面に基づいて説明する。
【0004】図6は従来のリニアコンプレッサの断面図
であり、密閉容器1の内部には圧縮機構部2が防振ばね
3a,3bにより弾性支持されている。圧縮機構部2の
構成は、円筒形状のシリンダ4にピストン5が勘合さ
れ、ピストン5には複数枚の板ばね6a、6b、6cか
ら成る共振ばね6が取り付けてあり、ピストン5はこれ
らの共振ばね6によりシリンダ4の軸方向に往復運動自
在に弾性支持されている。
【0005】ピストン5には円筒形状のマグホルダ7が
連結されており、マグホルダ7の円筒面にはマグネット
8が固持されている。また、マグネット8を固持したマ
グホルダ7の円筒面を挟むようにインナーヨーク9およ
びアウターヨーク10が配置されており、インナーヨー
ク9のマグネット8と相対向する位置にはステータコイ
ル11が埋設されている。インナーヨーク9は内部の円
筒面でシリンダ4の外部の円筒面と勘合され固定されて
いる。また、アウターヨーク10はシリンダ4の上死点
側に設けられたフランジ12に固定されている。なお、
マグホルダ7、マグネット8から成る部分を振動子1
3、インナーヨーク9、アウターヨーク10、ステータ
コイル11から成る部分を固定子14と呼んでおり、こ
れらを含む部分をリニアモータ15と呼ぶ。
【0006】アウターヨーク10の下死点側端面は共振
ばね6の台座となっている。また共振ばね6のアウター
ヨーク10と反対側の端面にはベースプレート16が配
置されており、ベースプレート16は防振ばね3a,3
bの台座となっている。シリンダ4の上死点側端面には
シリンダヘッド17が備えられ、シリンダ4、ピストン
5およびシリンダヘッド17に囲まれる空間が圧縮室1
8となる。
【0007】なお、シリンダ4の外面はリニアモータ1
5の固定子13のインナーヨーク9と密着させることに
よりシリンダの変形を拘束するよう構成されている。
【0008】密閉容器1には吸入管19が設けられてい
る。シリンダヘッド17の圧縮室18と反対側の面に
は、吸入室20および吐出管21が連結された吐出室2
2を構成するヘッドカバー23が備えられる。シリンダ
ヘッド17には、吸入室20と圧縮室18とを連通する
吸入孔24および圧縮室18と吐出室22とを連通する
吐出孔25とが設けられている。吸入孔24には吸入弁
26が、吐出孔25には吐出弁27が設けられている。
【0009】次に、上記構成からなる従来のリニアコン
プレッサの動作について説明する。リニアモータ15の
固定子13のステータコイル11にモータドライバ(図
示せず)を介して交流電流を通電することによりピスト
ン5および振動子13からなる可動部がその軸方向に往
復運動を行い、圧縮室18では吸入,圧縮,吐出,膨張
の4行程が行われる。吸入行程では、吐出孔25に設け
られた吐出弁27は閉じているが、吸入孔24に設けら
れた吸入弁26が開き、圧縮室18の容積増加に伴い吸
入孔24から冷媒が吸い込まれる。圧縮行程では、吐出
孔25に設けられた吐出弁27と吸入孔24に設けられ
た吸入弁26が閉まり、圧縮室18の容積減少に伴い冷
媒が圧縮される。吐出行程では、吸入孔24に設けられ
た吸入弁26は閉じているが、吐出孔25に設けられた
吐出弁27が開き、圧縮室18の容積減少に伴い冷媒が
吐出される。膨張行程では、吐出孔25に設けられた吐
出弁27と吸入孔24に設けられた吸入弁26が閉じ、
圧縮室18の容積増加に伴い、吐出行程で圧縮室18か
ら吐出しきれなかった冷媒が減圧膨張する。
【0010】次に、冷媒ガスの流れについて説明する。
冷凍サイクル(図示せず)からの冷媒ガスは、吸入管1
9より一旦密閉容器1の内部空間へ開放された後、ヘッ
ドカバー23内の吸入室20に導かれ、シリンダヘッド
17に配設された吸入孔24を介して圧縮室18に至
る。圧縮室18に至った冷媒ガスは、上述したピストン
5および振動子13からなる可動部の往復運動により圧
縮される。圧縮された冷媒ガスは、シリンダヘッド17
に配設された吐出孔25を介して一旦ヘッドカバー23
内の吐出室22に吐出された後、吐出管21より冷凍サ
イクルに吐出される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のような構成を有
する従来のリニアコンプレッサにおいては、ピストン5
は複数枚の板ばね6a、6b、6cから成る共振ばね6
に取り付けられており、板ばね6a、6b、6cの荷重
軸をシリンダ4の軸に一致させてあるため、ピストン5
はシリンダ4に対して軸方向に往復運動自在に弾性支持
されている。しかし、厳密には以下の二つの理由により
板ばね6a、6b、6cの荷重軸をシリンダの軸と完全
には一致させることが出来ない。
【0012】第一の理由は、板ばね6a、6b、6cの
加工精度が完全ではなく、厳密な軸対称形状ではないの
で、板ばね6a、6b、6cの荷重軸は幾何形状的に決
まる中心とは一致しておらず、板ばね6a、6b、6c
をリニアモータ15の固定子13のアウターヨーク10
とピストン5に精度良く取り付けたとしても、板ばね6
a、6b、6cの荷重軸はシリンダの軸からずれてしま
うためである。また、複数枚の板ばね6a、6b、6c
のうち一枚でも加工精度が不十分であれば、全体として
の板ばね6a、6b、6cの荷重軸はシリンダの軸から
ずれる。
【0013】第二の理由は、板ばね6a、6b、6cを
リニアモータ15の固定子13のアウターヨーク10と
ピストン5に対して取り付ける際、僅かではあるが取付
け誤差を生じてしまうためである。
【0014】以上の説明は、共振ばね6として板ばね6
a、6b、6cを用いた場合であるが、共振ばね6とし
てコイルばねを用いた場合でも、コイルばねの荷重軸が
コイルばねの幾何形状から決まる軸には厳密に一致して
いないこと、また、コイルばねの取付けの際にも取付け
誤差を生じることを考慮すると、板ばね6a、6b、6
cを用いた場合と同様であることは言うまでもない。
【0015】共振ばね6の荷重軸とシリンダ4の軸がず
れると、共振ばね6に荷重が作用する位置であるピスト
ン5と共振ばね6の連結位置28も共振ばね6の荷重軸
からずれるため、共振ばね6をたわませるとシリンダ4
の軸方向の力と、シリンダ4の軸に対して垂直な方向の
力(以下、側力と呼ぶ)が発生する。
【0016】シリンダ4の内面とピストン5は勘合され
ているが、シリンダ4の内部でピストン5を往復運動自
在にするために、シリンダ4とピストン5の間には数μ
mから数十μmのクリアランスを設けている。ピストン
5は共振ばね6の側力が作用するとクリアランスの範囲
内で傾くが、シリンダ4の外面はリニアモータ15の固
定子13のインナーヨーク9と密着させることによりシ
リンダの変形を拘束するよう構成されているため傾くこ
とはできず、シリンダ4とピストン5の摺動面は上死点
側と下死点側の対角位置で強く接触し、これらの部分の
接触面圧が非常に高くなっていた。そして、ピストン5
とシリンダ4との間の摩擦力による摺動損失の増加や、
摺動面の異常摩耗の原因となり、効率や信頼性の面で課
題となっていた。
【0017】そこで本発明は、上記従来の課題を解決す
るもので、シリンダの外面を拘束しない構成とすること
により、ピストン5の傾きに沿うようにシリンダ4を傾
かせて接触面圧を低減し、高効率、高信頼性のリニアコ
ンプレッサを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、前記シリンダの内面と勘合され圧縮室
を形成するピストンと、前記ピストンを往復駆動するリ
ニアモータと、前記ピストンを共振させる共振ばねとを
少なくとも備え、前記シリンダの外面は拘束されないこ
とを特徴とするリニアコンプレッサである。
【0019】また、本発明は、前記リニアモータは固定
子と振動子から構成され、前記シリンダは前記固定子の
内側に配置され、前記シリンダと前記固定子の間に隙間
を設けることを特徴とするリニアコンプレッサである。
【0020】また、本発明は、前記シリンダの上死点側
に、前記シリンダを前記リニアモータの固定子に対して
直接的あるいは間接的に固定するためのフランジを設け
たことを特徴とするリニアコンプレッサである。
【0021】また、本発明は、前記フランジの厚みは、
前記共振ばねがたわまない状態における前記ピストンの
トップクリアランスよりも小さいことを特徴とする請求
項3に記載のリニアコンプレッサである。
【0022】また、本発明は、前記シリンダと前記固定
子の間の隙間が、前記固定子と前記振動子の隙間よりも
小さいことを特徴とするリニアコンプレッサである。
【0023】また、本発明は、前記シリンダの肉厚は下
死点側ほど薄くなることを特徴とするリニアコンプレッ
サである。
【0024】また、本発明は、前記シリンダの外面の、
前記フランジの下死点側面と隣接する位置に、環状溝を
設けたことを特徴とするリニアコンプレッサである。
【0025】また、本発明は、前記環状溝の断面形状
は、半円形であることを特徴とするリニアコンプレッサ
である。
【0026】また、本発明は、二酸化炭素を主成分とす
る冷媒を用いて運転することを特徴とするリニアコンプ
レッサである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本発明の実施の形態のリニアコン
プレッサの構成は、シリンダを除いて図6で説明した従
来例と概略同様な構成であり、本発明の実施の形態にお
いて前述の従来例について説明した構成と同様な部分に
ついては、その説明を省略する。
【0028】(実施の形態1)図1は、実施の形態1に
おけるリニアコンプレッサの縦断面図である。シリンダ
31は円筒形状をしており、ピストン32と勘合され圧
縮室33を形成している。シリンダ31の材料としては
鋳鉄やアルミ等を用いるが、弾性を与えるため、圧縮室
33の圧力や、ピストン32を介して伝わる共振ばね3
4の側力によって発生する応力が材料の弾性限度を越え
ない範囲で肉厚を薄くする。なお、シリンダ31に発生
する応力は、シリンダ31の肉厚のみならず、板ばねや
コイルばね等の共振ばねの種類、シリンダ31の長さや
ボア径等により変化するので注意が必要である。
【0029】また、シリンダ31はリニアモータのイン
ナーヨーク35とアウターヨーク36から成る固定子3
7の内側に配置し、固定子37のインナーヨーク35と
シリンダ31の間には隙間38を設ける。隙間38の大
きさは、少なくとも、シリンダ31が弾性変形してもリ
ニアモータの固定子37と接触しない大きさであれば良
い。
【0030】また、シリンダ31の上死点側には、シリ
ンダ31をリニアモータの固定子37に対して固定する
ためのフランジ39を設ける。フランジ39の厚みは、
共振ばね34が撓まない状態において、ピストン32と
シリンダヘッド40の下死点側の端面との距離であるピ
ストン32のトップクリアランスよりも小さくする。ま
た、フランジ39をリニアモータの固定子37に直接的
に固定する必要は必ずしもなく、他の部品を介して間接
的に固定子37に固定されていても構わない。
【0031】本実施の形態のリニアコンプレッサは、冷
媒としてHFC410Aを用いる空気調和機用であり、
シリンダ31の材料に鋳鉄を用い、ボア径を30mm、
長さを100mm、肉厚を3mmとし、固定子37とシ
リンダ31の間の隙間38の大きさを2mmとする。ま
た、共振ばね34が撓まない状態におけるトップクリア
ランスを5mm、フランジ39の厚みを4mmとする。
【0032】以上のように、シリンダ31の周囲に隙間
38を設け、シリンダ31の外面を拘束しない構成にし
たことにより、シリンダ31に可撓性を持たせることが
できる。従来、共振ばねの側力がピストン32に働く
と、ピストン32はシリンダ31とのクリアランスの範
囲内で傾き、シリンダ31とピストン32の摺動面の上
死点側と下死点側の対角位置で局所的に強く接触してい
たが、本実施の形態では、可撓性のシリンダ31がピス
トン32の傾斜に沿うように傾くので、シリンダ31と
ピストン32は摺動面の広い範囲で接触することが可能
となり、摺動面圧を低減することができるので、シリン
ダ31とピストン32の摺動損失の増加や異常摩耗を防
止することができ、効率と信頼性を向上させることがで
きる。
【0033】また、シリンダ31をリニアモータの固定
子37の内側に配置し、固定子37とシリンダ31の間
には隙間38を設けたことにより、隙間38を簡単に構
成することができるとともに、シリンダ31と磁気回路
を形成するリニアモータの固定子37の間の磁気抵抗が
大きくなり、固定子37からシリンダ31への磁気漏れ
を防止することができるため渦電流による損失を低減す
ることができ、効率を向上させることができる。
【0034】また、シリンダ31の上死点側にフランジ
39を設けたことにより、シリンダ31の外面が拘束さ
れない構成でも、簡単にシリンダ31を支持することが
可能であるとともに、シリンダ31を上死点側で支持す
ることにより、共振ばね34が配置されているシリンダ
31の下死点側の撓みを大きくすることが出来るため、
ピストン32の傾斜に対しシリンダ31が追従しやすく
なり、摺動面圧をさらに低減することができるので、効
率と信頼性を向上させることができる。
【0035】また、リニアコンプレッサの定常運転時、
ピストン32は、圧縮室33の圧力と密閉容器41の内
部空間の圧力の差圧による力により下死点側へオフセッ
トした位置を中心に往復運動する。なお、オフセット量
Xは圧縮室33の圧力Pc、密閉容器41の内部空間の
圧力Ps、およびピストン32の断面積Sp、共振ばね
34のばね定数Kを用いて、近似的に以下の数式で表さ
れる。
【0036】X=Sp(Pc−Pd)/K 本実施の形態では、フランジ39の厚みを、共振ばね3
4が撓まない状態において、ピストン32とシリンダヘ
ッド40の下死点側の端面との距離であるピストン32
のトップクリアランスよりも小さくしたことにより、ピ
ストン32の往復運動の振幅がオフセット量Xよりも小
さい場合、ピストン32は常にシリンダ31のフランジ
39よりも下死点側の可撓性を有する部分に位置するた
め、上死点側におけるシリンダ31とピストン32の摺
動面圧の低減を促進することができ、効率と信頼性をさ
らに向上させることができる。
【0037】なお、ピストン32の往復運動の振幅がオ
フセット量Xよりも大きい場合にも、ピストン32はシ
リンダ31の可撓性を有する部分に位置する時間が多く
なるため、同様の効果が得られることは言うまでもな
い。また、フランジ39の厚みは必ずしも均一である必
要は無い。シリンダ31とフランジ39の接合部におけ
るフランジ39の厚みが、前述の厚みの条件を満たして
おれば同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0038】本実施の形態のリニアコンプレッサは、冷
媒としてHFC410Aを用いる空気調和機用である
が、冷媒の種類や、コンプレッサの用途に関わらず同様
の効果が得られることは言うまでもない。
【0039】(実施の形態2)図2は、実施の形態2に
おけるリニアコンプレッサの断面図である。本実施の形
態のリニアコンプレッサは図1で説明した第1の実施の
形態のリニアコンプレッサとリニアモータの固定子とシ
リンダの間の隙間の大きさを除いて概略同様な構成であ
る。
【0040】本実施の形態では、シリンダ51とリニア
モータの固定子52のインナーヨーク53との間の隙間
54の大きさを、振動子55のマグホルダ56と固定子
52のインナーヨーク53の間の隙間57、あるいは、
振動子55のマグネット58と固定子52のアウターヨ
ーク59の間の隙間60よりも小さくしている。
【0041】本実施の形態は、実施の形態1と同様、冷
媒としてHFC410Aを用いる空気調和機用とし、振
動子55のマグホルダ56と固定子52のインナーヨー
ク53の間の隙間57と、振動子55のマグネット58
と固定子52のアウターヨーク59の間の隙間60をい
ずれも0.5mmとしているのに対し、シリンダ51と
固定子52のインナーヨーク53との間の隙間54を
0.4mmとしている。
【0042】以上のような構成にしたことにより、可撓
性のシリンダ51がピストン61の傾斜に沿うように傾
くと同時に、ピストン61と連結されているリニアモー
タの振動子55が傾いても、シリンダ51とリニアモー
タの固定子52のインナーヨーク53が先に接触するた
め、リニアモータの固定子52と振動子55が接触しな
い。従って、固定子52と振動子55の間に摺動が発生
し効率が低下することを防止すると同時に、固定子52
と振動子55が破損することを防止することができるの
で、効率と信頼性を向上させることができる。
【0043】(実施の形態3)図3は、実施の形態3に
おけるリニアコンプレッサの断面図である。本実施の形
態のリニアコンプレッサは図1で説明した第1の実施の
形態のリニアコンプレッサとシリンダの肉厚を除いて概
略同様な構成である。
【0044】本実施の形態のシリンダ71は、内面71
aはピストン72と勘合する円筒面であるが、外面71
bは下死点側ほど径が小さくなるテーパーを設けた円錐
面とし、シリンダ71の肉厚を下死点側ほど薄くする。
【0045】本実施の形態は、実施の形態1と同様、冷
媒としてHFC410Aを用いる空気調和機用とし、シ
リンダ71の外面71bの、フランジ73の下死点側面
73aと隣接する位置71cの径を36mmとし、シリ
ンダ71の外面71bの下死点側端部71dの径を33
mmとする。
【0046】このような構成にしたことにより、3枚の
板ばね74a,74b,74cから成る共振ばね74の
側力により発生するモーメントが大きいシリンダ71の
上死点側では肉厚が大きく、共振ばね74の側力により
発生するモーメントの小さいシリンダ71の下死点側で
は肉厚が小さくなり、モーメントによりシリンダ71に
生じる応力をほぼ一定にしつつ、共振ばね74が配置さ
れているシリンダ71の下死点側の撓みを大きくするこ
とが出来るため、ピストン72の傾斜に対しシリンダ7
1が追従しやすくなり、摺動面圧をさらに低減すること
ができるので、効率と信頼性を向上させることができ
る。
【0047】(実施の形態4)図4は、実施の形態4に
おけるリニアコンプレッサの断面図である。本実施の形
態のリニアコンプレッサは図1で説明した第1の実施の
形態のリニアコンプレッサと、シリンダの外面の、フラ
ンジの下面と隣接する位置に環状溝を設けたことを除い
て同様の構成である。
【0048】本実施の形態のシリンダ81は、シリンダ
81の外面81aの、フランジ82の下死点側面82a
と隣接する位置に環状溝83を設けている。なお、環状
溝83の形状は任意であるが、その深さは、3枚の板ば
ね84a,84b,84cから成る共振ばね84の側力
によってシリンダ81の環状溝83を設けた断面に発生
する応力が、シリンダ81の材料の弾性限度を超えない
ように設定している。
【0049】本実施の形態は、実施の形態1と同様、冷
媒としてHFC410Aを用いる空気調和機用とし、シ
リンダ81の環状溝83の断面は矩形形状とし、幅を2
mm、深さを1.5mmとしている。
【0050】このような構成にしたことにより、シリン
ダ81の環状溝83を設けた部分の最小断面が他の断面
に比べて柔軟になり、かつ、この断面はシリンダ81の
上死点側に位置するため、共振ばね84が配置されてい
るシリンダ81の下死点側の撓みを大きくすることがで
きる。このため、ピストン85の傾斜に対しシリンダ8
1が追従し易くなり、摺動面圧をさらに低減することが
できるので、効率と信頼性を向上させることができる。
【0051】また、フランジ81の厚みを、共振ばね8
4が撓まない状態において、ピストン85とシリンダヘ
ッド86の距離であるピストン85のトップクリアラン
スよりも小さくしたことにより、実施の形態1と同様の
理由で、ピストン85は常に環状溝83よりも下死点側
に位置する。また、環状溝83を設けたことにより、シ
リンダ81は環状溝83を設置した最小断面で大きく撓
むだけで、共振ばね84の荷重軸とシリンダ81の軸を
近づけることができるので、それ以外の断面での撓みは
少なくなる。従って、シリンダ81のピストン85と勘
合する部分は殆ど撓まずに共振ばね84の荷重軸に沿う
ように傾くので、シリンダ81とピストン85は摺動面
のさらに広い範囲で接触することが可能となり、摺動面
圧を低減することができるため、シリンダ81とピスト
ン85の摺動損失の増加や異常摩耗を防止することがで
き、効率と信頼性を向上させることができる。
【0052】(実施の形態5)図5は、実施の形態5に
おけるリニアコンプレッサの断面図である。本実施の形
態のリニアコンプレッサは図4で説明した第4の実施の
形態のリニアコンプレッサと状溝の断面形状を半円形状
としたことを除いて概略同様な構成である。
【0053】本実施の形態のシリンダ91は、実施の形
態4と同様、シリンダ91の外面91aの、フランジ9
2の下死点側面92aと隣接する位置に環状溝93を設
けている。環状溝93の断面は半円形にしており、その
深さは、3枚の板ばね94a,94b,94cから成る
共振ばね94の側力によってシリンダ91の環状溝95
を設けた断面に発生する応力が、シリンダ91の材料の
弾性限度を超えないように設定している。
【0054】本実施の形態は、実施の形態4と同様、冷
媒としてHFC410Aを用いる空気調和機用とし、シ
リンダ91の環状溝93の断面は半径1.5mmの半円
形にしている。
【0055】このような構成にしたことにより、共振ば
ね94の側力によりシリンダ91の環状溝93を設けた
部分の最小断面が撓むときに発生する応力集中を緩和す
ることができ、実施の形態4と比べてさらに深い環状溝
93を設けることが可能になる。従って、実施の形態4
の効果をさらに大きくすることができ、効率と信頼性を
向上させることができる。
【0056】なお、二酸化炭素を主成分とする冷媒を空
気調和機用として用いた場合、冷媒の密度が高くなり圧
縮室の必要容積が少なくなるため、ピストン径が小さく
なるが、同時に、吸入圧力と吐出圧力の圧力差が大きく
なるため、ピストンに働く軸方向の力はHFC410A
等の従来の冷媒と同等である。このため、共振ばねもH
FC410A等の従来の冷媒の場合とほぼ同等のばね定
数のものを用い、ピストンに働く側力も同程度となる
が、ピストン径が小さくなるため、ピストンとシリンダ
の間の摺動面圧は高くなる。従って、実施の形態1から
5の摺動面圧を下げる効果が顕著になることは言うまで
もない。
【0057】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によれ
ば、シリンダの周囲に隙間を設け、シリンダの外面を拘
束しない構成にしたことにより、シリンダに可撓性を持
たせることができ、シリンダがピストンの傾斜に沿うよ
うに傾くので、シリンダとピストンは摺動面の広い範囲
で接触することが可能となり、摺動面圧を低減すること
ができるので、摺動損失の増加や異常摩耗を防止するこ
とができ、効率と信頼性を向上させることができる。
【0058】また、シリンダの上死点側にフランジを設
けたことにより、シリンダの外面が拘束されない構成で
も、簡単にシリンダを支持することが可能であるととも
に、シリンダを上死点側で支持することにより、共振ば
ねが配置されているシリンダの下死点側の撓みを大きく
することが出来るため、ピストンの傾斜に対しシリンダ
が追従しやすくなり、摺動面圧をさらに低減することが
できるので、効率と信頼性を向上させることができる。
【0059】また、フランジの厚みを、共振ばねが撓ま
ない状態において、ピストンとシリンダヘッドの下死点
側の端面との距離であるピストンのトップクリアランス
よりも小さくしたことにより、ピストンの往復運動の振
幅が、圧縮室と密閉容器内の圧力差によるピストンのオ
フセット量Xよりも小さい場合、ピストンは常にシリン
ダのフランジよりも下死点側の可撓性を有する部分に位
置するため、上死点側におけるシリンダとピストンの摺
動面圧の低減を促進することができ、効率と信頼性をさ
らに向上させることができる。
【0060】また、シリンダの外面を下死点側ほど径が
小さくなるテーパーを設けた円錐面とし、肉厚を下死点
側ほど薄くしたことにより、共振ばねの側力により発生
するモーメントが大きい上死点側では肉厚が大きく、共
振ばねに近く、側力により発生するモーメントの小さい
下死点側では肉厚が小さくなり、モーメントによりシリ
ンダに生じる応力を一定にしつつ、共振ばねが配置され
ている下死点側の撓みを大きくすることが出来るため、
ピストンの傾斜に対しシリンダが追従しやすくなり、摺
動面圧をさらに低減することができるので、効率と信頼
性を向上させることができる。
【0061】また、シリンダの外面の、フランジの下死
点側面と隣接する位置に環状溝を設けたことにより、シ
リンダの環状溝を設けた部分の最小断面が他の断面に比
べて柔軟になり、かつ、この断面はシリンダの上死点側
に位置するため、共振ばねが配置されているシリンダの
下死点側の撓みを大きくすることができる。このため、
ピストンの傾斜に対しシリンダが追従し易くなり、摺動
面圧をさらに低減することができるので、効率と信頼性
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるリニアコンプレ
ッサの断面図
【図2】本発明の実施の形態2におけるリニアコンプレ
ッサの断面図
【図3】本発明の実施の形態3におけるリニアコンプレ
ッサの断面図
【図4】本発明の実施の形態4におけるリニアコンプレ
ッサの断面図
【図5】本発明の実施の形態5におけるリニアコンプレ
ッサの断面図
【図6】従来のリニアコンプレッサの断面図
【符号の説明】
4,31,51,71,81,91 シリンダ 5,32,61,72,85 ピストン 6,34,74,84,94 共振ばね 38,54,57,60 隙間 83,93 環状溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河原 定夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 赤澤 輝行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小川 信明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3H076 AA02 BB26 CC03 CC28 CC31 CC47

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形状のシリンダと、前記シリンダの
    内面と勘合され圧縮室を形成するピストンと、前記ピス
    トンを往復駆動するリニアモータと、前記ピストンを共
    振させる共振ばねとを少なくとも備え、前記シリンダの
    外面が拘束されない構成としたことを特徴とするリニア
    コンプレッサ。
  2. 【請求項2】 前記リニアモータは固定子と振動子から
    構成され、前記シリンダは前記固定子の内側に配置さ
    れ、前記シリンダと前記固定子の間に隙間を設け前記シ
    リンダの外面が拘束されない構成としたことを特徴とす
    る請求項1記載のリニアコンプレッサ。
  3. 【請求項3】 前記シリンダの上死点側に、前記シリン
    ダを前記リニアモータの固定子に対して直接的あるいは
    間接的に固定するためのフランジを設けたことを特徴と
    する請求項1または2記載のリニアコンプレッサ。
  4. 【請求項4】 前記フランジの厚みは、前記共振ばねが
    たわまない状態における前記ピストンのトップクリアラ
    ンスよりも小さいことを特徴とする請求項3に記載のリ
    ニアコンプレッサ。
  5. 【請求項5】 前記シリンダと前記固定子の間の隙間
    が、前記固定子と前記振動子の隙間よりも小さいことを
    特徴とする請求項2から4記載のリニアコンプレッサ。
  6. 【請求項6】 前記シリンダの肉厚は下死点側ほど薄く
    なることを特徴とする請求項3または4に記載のリニア
    コンプレッサ。
  7. 【請求項7】 前記シリンダの外面の、前記フランジの
    下死点側面と隣接する位置に、環状溝を設けたことを特
    徴とする請求項3から5記載のリニアコンプレッサ。
  8. 【請求項8】 前記環状溝の断面形状は、半円形である
    ことを特徴とする請求項7に記載のリニアコンプレッ
    サ。
  9. 【請求項9】 二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いて
    運転することを特徴とする請求項1から8に記載のリニ
    アコンプレッサ。
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