JP2003119826A - 建設機械のスイベルジョイント - Google Patents

建設機械のスイベルジョイント

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JP2003119826A
JP2003119826A JP2001315361A JP2001315361A JP2003119826A JP 2003119826 A JP2003119826 A JP 2003119826A JP 2001315361 A JP2001315361 A JP 2001315361A JP 2001315361 A JP2001315361 A JP 2001315361A JP 2003119826 A JP2003119826 A JP 2003119826A
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rotor
swivel joint
oil
housing
ports
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JP2001315361A
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Hiroshi Matsuzaki
浩 松崎
Wataru Otsu
渉 大津
Nobuhiko Ichiki
伸彦 市来
Mitsuhisa Tougasaki
光久 東ヶ崎
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローターを鋳造で製作する際にローターの縦
油路形成用の中子型の製作費を節減できる建設機械のス
イベルジョイントを提供する。 【解決手段】 下部走行体側に固定されるハウジング8
とハウジング8に回転可能に嵌入されて上部旋回体側に
固定されるローター9とを設けて構成され、走行用の油
圧モータへの圧油の供給や同油圧モータからの戻り油の
排出を行う給排ポートB,Cをハウジング8に設け、圧
油の導入や戻り油の還流を行う上部側のポートb1,c1
と下部側のポートb2,c2が連通する縦油路b,cをロ
ーター9に設けた建設機械のスイベルジョイントにおい
て、ローター9を鋳造製にし、ローター9に設ける各縦
油路b,cを、ローター9の上端及び下端を貫通した、
同一形状の中子で形成できるような構造の貫通孔により
形成して、各貫通孔の上端部と下端部を栓プラグ10で
塞ぐことによりローター9を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下部走行体側に固
定されるハウジングとハウジングに回転可能に嵌入され
て上部旋回体側に固定されるローターとを設けて構成さ
れ、上部旋回体側の油圧ポンプや油タンクと連絡する油
圧や戻り油の流通管路を、下部走行体側のアクチュエー
タと連絡する油圧や戻り油の流通管路に接続するための
油圧ショベル、油圧式クレーン等の建設機械のスイベル
ジョイントに関する。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベル、油圧式クレーン等の自走
式建設機械は、自走式建設機械を走行可能にするための
クローラやホイール等による下部走行体と、この下部走
行体上に旋回可能に設置された上部旋回体とを設けて構
成される。こうした自走式建設機械では、上部旋回体側
に油圧発生源としての油圧ポンプやアクチュエータから
の戻り油を戻すための油タンクが設置されているととも
に、下部走行体側に走行用の油圧モータ等のアクチュエ
ータが設置されている。下部走行体側には、アクチュエ
ータとして前記走行用の油圧モータのほか、場合によっ
ては、アウトリガー、排土板等を駆動するためのアクチ
ュエータも設置される。
【0003】建設機械のスイベルジョイントは、上部旋
回体の旋回を可能にしつつ、上部旋回体側の油圧ポンプ
や油タンクに連結した油圧や戻り油の流通管路と下部走
行体側のアクチュエータに連結した油圧や戻り油の流通
管路とを接続する管継手である。この種のスイベルジョ
イントは、例えば特開平11ー107317号公報に開
示されている。本発明は、こうした建設機械のスイベル
ジョイントを経済的に製作できるようにその構造を改良
しようとするものである。
【0004】そこで、本発明の理解を容易にするため、
建設機械のスイベルジョイントに関する従来例の技術内
容を図2及び図3に基づいて説明する。図2は、スイベ
ルジョイントを設けた油圧ショベルの外観を示す側面
図、図3は、従来例の建設機械のスイベルジョイントの
拡大断面図である。なお、図2の側面図には、スイベル
ジョイントが見えるように、スイベルジョイントの近辺
の個所を破断して図示している。
【0005】まず、図2に図示の油圧ショベルについて
概説すると、1は自走式建設機械を走行可能にするため
のクローラ式の下部走行体、2は下部走行体1上に旋回
軸Xを中心に旋回可能に搭載された旋回フレームとその
上部に設置された諸装置からなる上部旋回体、3は上部
旋回体2を下部走行体1上に旋回可能に支持するための
旋回輪、4は下部走行体1側に設置され走行用の油圧モ
ータで駆動されるクローラの走行装置、4b,4cは走
行用の油圧モータに接続され同油圧モータに一方から圧
油を供給し他方から走行用の油圧モータの戻り油を排出
する給排管路、5はブーム、アーム及びバケットを備え
土砂の掘削作業等を行う油圧ショベルの作業機、6は上
部旋回体2側に設置された油圧発生源としての油圧ポン
プ、6bは油圧ポンプ6に接続されて油圧ポンプ6の圧
油を送る油圧ポンプの管路、6cは油タンクに接続され
て走行用の油圧モータからの戻り油を油タンクへ還流す
る油タンクの管路、7は後に詳述する建設機械のスイベ
ルジョイントである。
【0006】上部旋回体2側には、油圧発生源としての
油圧ポンプ6のほか、図示していない油タンクが設置さ
れており、油タンクの作動油が油圧ポンプ6で加圧され
て上部旋回体2側の油圧ショベルの作業機の各種アクチ
ュエータや下部走行体1側の走行用の油圧モータに供給
されたり、これらのアクチュエータの戻り油が油タンク
内に戻されたりする。下部走行体1側に設置するアクチ
ュエータとして、ここに示す例では走行用の油圧モータ
しか示していないが、自走式建設機械の機種に応じて、
アウトリガー、排土板等を駆動するためのアクチュエー
タ等種々のアクチュエータが設置される。
【0007】上部旋回体2側に設けた油圧ポンプの管路
6b及び油タンクの管路6cは、下部走行1側に設けた
走行用の油圧モータの給排管路4b,4cの一方及び他
方にスイベルジョイント7を介して接続されている。こ
のように、旋回する上部旋回体2側の管路6b,6cを
固定状態の下部走行1側の給排管路4b,4cに接続し
なければならないため、管路6b,6cと給排管路4
b,4cは、普通に接続すると、上部旋回体2の旋回時
に捩じれるが、スイベルジョイント7は、これらの管路
6b,6cと管路4b,4cを、こうした捩じれが生じ
ないように接続する働きをする。油圧ポンプの管路6b
及び油タンクの管路6cは、上部旋回体2側に設けた図
示しない方向切換弁により、給排管路4b,4cとの接
続関係を切り換えて圧油や戻り油の流れを切り換えられ
るようになっている。
【0008】次に、スイベルジョイント7の詳細を図3
に基づいて説明する。8は下部走行体1側に固定される
略円筒状をなすスイベルジョイント7のハウジング、9
はこのハウジング8に回転可能に嵌入されて上部旋回体
2側に固定されるローター、Aはハウジング8の外周側
に形成され下部走行体1側の走行用の油圧モータへの圧
油の供給や同油圧モータからの戻り油の排出を行う給排
ポート、B,C,Dはこの給排ポートAと同様の給排ポ
ート、A’はハウジング8の内周側に形成され給排ポー
トAが連通する環状溝、B’,C’,D’は給排ポート
B,C,Dがそれぞれ連通する環状溝A’と同様の環状
溝である。
【0009】ローター9には、その上部を大径に形成し
て頭部9aを設けており、この頭部9aをハウジング8
の上端から突出させるとともに、頭部9aの下方の小径
部をハウジング8内に嵌入している。この頭部9aに
は、図2に示すように、上部旋回体2の旋回時の回転を
伝達するための回転伝導部材11が形成されている。こ
の回転伝導部材11には、図示しない上部旋回体2側の
ストッパを係合させて上部旋回体2の回転を回転伝導部
材11に伝達するようにしている。そのため、上部旋回
体2の旋回時には、ローター9を上部旋回体2と共に回
転させて、ローター9の頭部9aに接続した配管が捩じ
れるのを防ぐことができる。
【0010】給排ポートB,Cは、それぞれ図2に図示
の走行用の油圧モータの管路4b,4cに接続されてい
る。ここに示す例では、左右の走行装置4を駆動するた
めの走行用の油圧モータを別々に設けて合計2台設けて
いるため、給排ポートA,Dも、給排ポートB,Cと同
様、図示しないもう一方の走行用の油圧モータの給排管
路に接続されている。ハウジング8の各給排ポートA,
B,C,Dは、それぞれ、環状溝A’,B’,C’,
D’を介して次に述べるローター9の各下部側のポート
と連絡するようにしている。
【0011】b1 はローター9の上部に形成され上部旋
回体2側の油圧ポンプ6からの圧油の導入や上部旋回体
2側の油タンクへの戻り油の還流を行う上部側のポー
ト、c 1 はこの上部側のポートb1 と同様の上部側のポ
ート、b2 はローター9の下部側壁に形成されハウジン
グ8の給排ポートBと連絡する下部側のポート、c2
ハウジング8の給排ポートCと連絡する下部側のポート
2 と同様の下部側のポート、bはローター9の内部に
形成され上部側のポートb1 及び下部側のポートb2
それぞれ連通する縦油路、cは上部側のポートc1 及び
下部側のポートc 2 がそれぞれ連通する縦油路bと同様
の縦油路である。
【0012】上部側のポートb1 及び上部側のポートc
1 には、油圧ポンプの管路6bや油タンクの管路6cが
図示しない方向切換弁を介して管路で接続されているの
で、上部側のポートb1 及び上部側のポートc1 は、油
圧ポンプの管路6b及び油タンクの管路6cの一方及び
他方に選択的に接続して、上部旋回体2側の油圧ポンプ
6からの圧油を導入したり、上部旋回体2側の油タンク
への戻り油を還流させたりすることができる。ハウジン
グ8の給排ポートBとローター9の下部側のポートb2
とは、環状溝B’を介して連絡しているため、ローター
9が回転しても常時連絡している。同様にして、ハウジ
ング8の給排ポートCとローター9の下部側のポートc
2 とは、環状溝C’を介して連絡しているため、常時連
絡している。ここに示す例では、こうした手段により、
油圧ポンプ6の圧油を一方の走行用の油圧モータに供給
するとともにその油圧モータの戻り油を油タンクに還流
して、左右の走行装置4の一方を駆動するようにしてい
る。
【0013】図3には表れていないが、ローター9に
は、左右の走行装置4の他方を駆動するため、縦油路
b,c、上部側のポートb1,c1及び下部側のポートb
2,c2と周方向に位相をずらして、これらと同様の縦油
路a,d、上部側のポートa1 ,d1 及び下部側のポー
トa2,d2を設けている。そして、ローター9の上部側
のポートa1,d1には、上部側のポートb1,c1と同
様、油圧ポンプの管路や油タンクの管路を、方向切換弁
を介して管路で接続している。また、ローター9の下部
側のポートa2,d2は、下部側のポートb2,c2と同様
の態様で、それぞれ、環状溝A’,D’を介してハウジ
ング8の給排ポートA,Dと連絡するようにしている。
こうした縦油路やポート等は、下部走行体1側に設置す
るアクチュエータの数に応じて一対ずつ増加させる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうした建
設機械のスイベルジョイントを製作するには、生産能率
上、鋳造により製作するのが望ましいが、ローターを鋳
造で製作する際、縦油路を形成するための中子を必要と
し、この中子を作るための中子型の製作に、これまで多
大の経費を要していた。この点につき、図3の従来のス
イベルジョイントをみると、従来のスイベルジョイント
では、ローターに、長さの異なる4つの縦油路を形成し
なければならないため、ローターを鋳造で製作すると、
4種類の中子型を製作することが必要になる。そして、
製作する中子型の種類は、下部走行体側に設置するアク
チュエータの数に応じて増加するため、従来のスイベル
ジョイントの構造では、中子型の製作に、経済上多大の
負担を要した。
【0015】そのため、従来のスイベルジョイントは、
生産コスト上、主として重量20Kg以下の小形や中形
の量産品が鋳造で製作されており、生産台数の少ない1
50Kg以上の大形のスイベルジョイントものについて
は、スイベルジョイントの単価に占める中子型の製作費
の割合が大きいため、ローター本体を鋳造で製作した
後、縦油路をドリルによる機械加工により開けるという
手法が採られていた。こうした大形のスイベルジョイン
トのローターの縦油路は、径が大きく深さが深いため、
機械加工をするにしても、数多くの作業段階を経る必要
があり、多大の時間と労力を要する。
【0016】本発明は、こうした従来の技術の問題を解
消するために創作されたものであって、その技術課題
は、ローターを鋳造で製作する際にローターの縦油路形
成用の中子型の製作費を節減することができて生産コス
トを従来よりも低減することができる建設機械のスイベ
ルジョイントを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、こうした技術
課題を達成するため、下部走行体側に固定されるハウジ
ングとこのハウジングに回転可能に嵌入されて上部旋回
体側に固定されるローターとを設けて構成され、下部走
行体側のアクチュエータへの圧油の供給や同アクチュエ
ータからの戻り油の排出を行うための少なくとも一対の
給排ポートをハウジングに設け、上部旋回体側の油圧発
生源からの圧油の導入や上部旋回体側の油タンクへの戻
り油の還流を行うための上部側のポートと前記少なくと
も一対の給排ポートの一つと連絡する下部側のポートと
これら上部側のポート及び下部側のポートが連通する縦
油路とをそれぞれ少なくとも一対ローターに設けた建設
機械のスイベルジョイントにおいて、ローターを鋳造製
にするとともに、このローターに設ける各縦油路を、ロ
ーターの上端及び下端を貫通した、同一形状の中子で形
成できるような構造の貫通孔により形成して、各貫通孔
の上端部及び下端部のうち、少なくとも下端部を閉鎖部
材で塞ぐことによりローターを構成した。
【0018】本発明の建設機械のスイベルジョイント
は、ローターに設ける各縦油路を、ローターの上端及び
下端を貫通した、同一形状の中子で形成できるような構
造の貫通孔により形成したため、下部走行体側に設置す
るアクチュエータの数に応じてローターの縦油路を増加
しても、一種類の中子型を製作すれば、ローターを鋳造
で製作する際に全ての縦油路を鋳造により形成すること
ができる。そして、各貫通孔の少なくとも下端部を閉鎖
部材で塞げば、従来の技術と同様の機能をもった縦油路
をローターに形成することができるので、ローターを鋳
造で製作する際にローターの縦油路形成用の中子型の製
作費を節減することができて、生産コストを従来よりも
低減することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明が実際上どのように
具体化されるのかを示す具体化例を図1に基づいて説明
することにより本発明の実施の形態を明らかにする。図
1は、本発明の具体化例に係る建設機械のスイベルジョ
イントの拡大断面図である。図1において図3と同一の
符号を付けた部分は、図3と同等の機能を持つ部分を表
す。
【0020】この図1の建設機械のスイベルジョイント
は、図2の従来のスイベルジョイントと同様、下部走行
体1側に固定されるハウジング8とこのハウジング8に
回転可能に嵌入されて上部旋回体2側に固定されるロー
ター9とを設けて構成されている。そして、アクチュエ
ータとしての下部走行体1側の走行用の油圧モータへの
圧油の供給や同油圧モータからの戻り油の排出を行うた
めの給排ポートB,Cをハウジング8に設けるととも
に、上部旋回体2側の油圧ポンプ6からの圧油の導入や
上部旋回体2側の図示しない油タンクへの戻り油の還流
を行うための上部側のポートb1,c1と、給排ポート
B,Cとそれぞれ環状溝B’,C’を介して連絡する下
部側のポートb2,c2と、これら上部側のポートb1
1及び下部側のポートb2,c2が連通する縦油路b,
cとをローター9に設けていて、基本的な構造は、従来
のスイベルジョイントと変わらない。
【0021】また、左右の走行装置4を駆動するため、
ハウジング8には、前記の給排ポートB,Cや環状溝
B’,Cのほか、図1に示すように給排ポートA,Dや
環状溝A’,D’を設けており、また、図1には表れて
いないが、ローター9には、前記の縦油路b,c、上部
側のポートb1,c1及び下部側のポートb2,c2と周方
向に位相をずらして、これらと同様の縦油路a,d、上
部側のポートa1 ,d1及び下部側のポートa2,d2
設けている。そして、ローター9の上部側のポート
1,b1,c1,d1には、従来のスイベルジョイントと
同様、油圧ポンプの管路や油タンクの管路を、方向切換
弁を介して管路で接続している。
【0022】この建設機械のスイベルジョイントの最大
の特徴は、ローター9の縦油路a,b,c,dの構造に
ある。そこで、以下に、これらの縦油路a,b,c,d
を代表して、図1に図示されている縦油路b,cの構造
について詳述し、併せて、他の特徴的な構造等にも言及
する。
【0023】ローター9は鋳造により製作するが、この
ローター9に形成する一対の縦油路b,cは、ローター
9の上端及び下端を貫通した同一形状の貫通孔により形
成している。縦油路b,cをこうした同一形状の貫通孔
により形成することにより、貫通孔を鋳造により形成す
る際、同一形状の中子で形成することができて、中子を
作るための中子型を一種類製作すれば済む。また、図1
には表れていない縦油路a,dも、縦油路b,cと同じ
形状の中子で形成できるような構造の貫通孔により形成
しているため、一種類の中子型により全ての縦油路a,
b,c,dを形成することができる。なお、ローター9
の上部側のポートa1 ,d1 及び下部側のポートa2
2、は、ドリルによる機械加工により形成するが、径
が小さく深さも浅いため、機械加工により容易に形成す
ることができる。
【0024】縦油路b,cを貫通孔により形成する場
合、図1に示す例では、各貫通孔の上端部及び下端部を
他の部分よりも小径になるように絞った形状に形成して
いる。各貫通孔の上端部及び下端部には、それぞれ雌螺
子が形成されており、この雌螺子に、閉鎖部材としての
栓プラグ10を螺着して各貫通孔の上端部及び下端部を
塞ぐことにより縦油路b,cを形成する。図1に示す例
では、こうした貫通孔のほか、ローター9の中心部にも
小径の貫通孔eが形成されている。この貫通孔eは、走
行用の油圧モータのケース内に漏れたドレンを上部旋回
体2側の油タンクへ送って回収するための通路となる。
【0025】この建設機械のスイベルジョイントは、ロ
ーター9に設ける各縦油路a,b,c,dを、ローター
9の上端及び下端を貫通した、同一形状の中子で形成で
きるような構造の貫通孔により形成したため、一種類の
中子型を製作すれば、ローター9を鋳造で製作する際に
全ての縦油路a,b,c,dを鋳造により形成すること
ができる。また、下部走行体1側に設置するアクチュエ
ータの数に応じてローター9の縦油路を増加しても、同
様の効果が得られる。そして、各貫通孔の少なくとも下
端部を栓プラグ10で塞げば、従来の技術と同様の機能
をもった縦油路をローター9に形成することができるの
で、ローター9を鋳造で製作する際にローター9の縦油
路形成用の中子型の製作費を節減することができて、生
産コストを従来よりも低減することができる。また、ロ
ーター9を鋳造で製作する際、このように生産コストを
低減することができることに加え、全ての縦油路を鋳造
により形成することができてローター9を能率的に製作
することができる。
【0026】図1に示す例では、縦油路b,cを貫通孔
により形成する場合、各貫通孔の上端部及び下端部を他
の部分よりも小径になるように絞った形状に形成してい
るので、縦油路b,c中に、圧油や戻り油を円滑に流通
させ得るようにするための流通空間を必要なだけ確保し
つつ、栓プラグ10を小型化することができて、ロータ
ー9を一層経済的かつ能率的に製作することができる。
また、各縦油路b,cを形成するための各貫通孔の端部
を絞った形状に形成することにより、貫通孔の端部の個
所が肉厚となるため、ローター9の径を大きくしなくて
も栓プラグ10を螺着するための螺子の加工代(しろ)
を確保することができ、その結果、建設機械のスイベル
ジョイントが大型化するのを抑制することができる。
【0027】図1の例では、上部側のポートb1,c1
上部旋回体2の床面近くのローター9の側壁に形成して
いるが、各縦油路a,bを形成するための各貫通孔の上
端部をポートb1,c1に利用して、上部側のポート
1,c1を従来例のようにローター9の上部に形成する
こともできる。その場合には、当然のことながら、各貫
通孔の上端部側に栓プラグ10を設けることは必要なく
なる。従来例のように上部側のポートb1,c1をロータ
ー9の上部に形成すると、ポートb1,c1に接続するホ
ース等の管路が上部旋回体2の手狭な有効空間を占有し
て狭めるが、上部側のポートb1,c1を図1のような個
所に形成すると、ポートb1,c1に接続する管路を、床
面上をはわせるようにして敷設することができ、上部旋
回体2の有効空間を狭めることがない。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、特に、「ローターを鋳造製にするとともに、このロ
ーターに設ける各縦油路を、ローターの上端及び下端を
貫通した、同一形状の中子で形成できるような構造の貫
通孔により形成して、各貫通孔の上端部及び下端部のう
ち、少なくとも下端部を閉鎖部材で塞ぐことによりロー
ターを構成した」ので、本発明に係る建設機械のスイベ
ルジョイントによれば、ローターを鋳造で製作する際に
ローターの縦油路形成用の中子型の製作費を節減するこ
とができて生産コストを従来よりも低減することができ
る。また、ローターを鋳造で製作する際、このように生
産コストを低減することができることに加え、全ての縦
油路を鋳造により形成することができてローターを能率
的に製作することができる。
【0029】本発明を具体化する場合、特に、特許請求
の範囲の請求項2に記載のように具体化すれば、縦油路
中に、圧油や戻り油を円滑に流通させ得るようにするた
めの流通空間を必要なだけ確保しつつ、閉鎖部材を小型
化することができて、ローターを一層経済的かつ能率的
に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体化例に係る建設機械のスイベルジ
ョイントの拡大断面図である。
【図2】スイベルジョイントを設けた油圧ショベルの外
観を示す側面図である。
【図3】従来例の建設機械のスイベルジョイントの拡大
断面図である。
【符号の説明】
1 下部走行体 2 上部旋回体 3 旋回輪 4 走行装置 5 作業機 6 油圧ポンプ 7 建設機械のスイベルジョイント 8 ハウジング 9 ローター 10 栓プラグ B,C 給排ポート B’C’ 環状溝 b,c 縦油路 b1,c1 上部側のポート b2,c2 下部側のポート
フロントページの続き (72)発明者 市来 伸彦 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 東ヶ崎 光久 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 2D015 DA02 DA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部走行体側に固定されるハウジングと
    このハウジングに回転可能に嵌入されて上部旋回体側に
    固定されるローターとを設けて構成され、下部走行体側
    のアクチュエータへの圧油の供給や同アクチュエータか
    らの戻り油の排出を行うための少なくとも一対の給排ポ
    ートをハウジングに設け、上部旋回体側の油圧発生源か
    らの圧油の導入や上部旋回体側の油タンクへの戻り油の
    還流を行うための上部側のポートと前記少なくとも一対
    の給排ポートの一つと連絡する下部側のポートとこれら
    上部側のポート及び下部側のポートが連通する縦油路と
    をそれぞれ少なくとも一対ローターに設けた建設機械の
    スイベルジョイントにおいて、ローターを鋳造製にする
    とともに、このローターに設ける各縦油路を、ローター
    の上端及び下端を貫通した、同一形状の中子で形成でき
    るような構造の貫通孔により形成して、各貫通孔の上端
    部及び下端部のうち、少なくとも下端部を閉鎖部材で塞
    ぐことによりローターを構成したことを特徴とする建設
    機械のスイベルジョイント。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の建設機械のスイベルジ
    ョイントにおいて、ローターに設ける各縦油路を貫通孔
    により形成する場合、閉鎖部材で塞ぐ各貫通孔の端部を
    他の部分よりも小径になるように絞った形状に形成した
    ことを特徴とする建設機械のスイベルジョイント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113544335A (zh) * 2019-03-20 2021-10-22 神钢建机株式会社 工程机械的回转接头

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