JP2003119588A - 電鋳部品の製造方法 - Google Patents

電鋳部品の製造方法

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JP2003119588A JP2001313397A JP2001313397A JP2003119588A JP 2003119588 A JP2003119588 A JP 2003119588A JP 2001313397 A JP2001313397 A JP 2001313397A JP 2001313397 A JP2001313397 A JP 2001313397A JP 2003119588 A JP2003119588 A JP 2003119588A
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Tomoo Ikeda
池田  智夫
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電鋳元型の損傷、変形などを無く
し、寸法精度が高く、形状不良の少ない、信頼性の高い
微細な形状を有する電鋳部品を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 導電性を有する基板上に塗被された感光
不溶性材料の一部分を紫外線で露光し、該感光不溶性材
料の紫外線で露光されていない未露光部分のみを溶解除
去することによって電鋳元型を作製する工程と、電鋳元
型の表面に紫外線を照射してUVオゾン処理を行う工程
と、UVオゾン処理された電鋳元型上に電鋳法によって
電鋳部品を形成する工程とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電鋳部品の製造方法
に関し、特には電鋳処理前に行う前処理工程に関する。
【0002】
【従来の技術】電鋳法は微細な形状を有する部品を製造
するのに適した加工方法として、広く利用されている。
以下に従来行われているフォトリソグラフィー法を利用
した電鋳部品の製造方法を示す。
【0003】図8は従来のフォトリソグラフィー法を利
用した電鋳部品の製造方法を示した図である。はじめに
図8(a)に示すように導電性を有する基板20上にポ
ジレジスト55を塗被し、さらに所定の形状が遮光され
るポジマスク110を通して、このポジレジスト55を
紫外線露光する(この工程を露光工程と称する)。その
結果、ポジレジスト55はポジマスク110に描かれた
所定の形状を残して、それ以外すべて露光される。
【0004】次にポジレジスト55を専用の現像液を用
いて現像する(この工程を現像工程と称する。)。ポジ
レジスト55は感光された部分が溶解される性質を有し
ており、その結果、感光された所定の形状以外の部分が
溶解され、図8(b)に示すように所定の形状にパター
ン化されたポジレジスト50、51aが形成される。こ
の基板20とポジレジスト50、51aで構成されるも
のが、後の電鋳工程のための電鋳元型になる。なおポジ
レジスト55のような感光された部分が溶解される性質
を有する材料のことを一般に感光溶解性材料と称する。
【0005】上記、図8(a)の露光工程から図8
(b)の現像工程までの一連の処理のことをフォトリソ
グラフィー法と称する。このフォトリソグラフィー法は
微細な形状を形成する方法として非常に有効な方法であ
り、LSI分野では広く利用されている。
【0006】次に、図8(c)の薬液による電鋳前処理
工程によって、基板上の汚れの除去と、基板表面の親水
性、導電性等の安定化を行ったあと、図8(d)の電鋳
工程によって電鋳部品を生成させる。図8(d)で生成
される電鋳部品は、基板20とポジレジスト50、51
aからなる電鋳元型の形状を転写した形状で生成させる
ため、電鋳元型には、高い精度と強度が要求される。
【0007】図9は従来のフォトリソグラフィー法を利
用した電鋳部品の製造方法における電鋳前処理工程を示
した図である。図9に示すように従来の電鋳前処理工程
では、複数の薬液を用いた多くの処理工程を有してい
た。まず始めにアルカリ脱脂処理を行う。アルカリ脱脂
処理は、炭酸ソーダ、オルソケイ酸ソーダ、苛性ソー
ダ、界面活性剤などを単独または組み合わせた水溶液を
加温して浸漬・洗浄する処理であり、基板上の大きな汚
れの除去が目的で行われる。その後、これらアルカリ性
薬品を洗い流すため純水による水洗を行い、次の酸洗浄
処理に移行する。酸洗浄では一般に塩酸や硫酸の水溶液
が用いられ、基板表面の微量のエッチングが行われる。
この酸洗浄によって基板表面の親水性の向上、及び導電
性の安定化がなされる。その後これら酸性薬品を洗い流
すため純水による水洗を行い、次のアルカリ電解洗浄処
理に移行する。アルカリ電解洗浄処理とは、アルカリ電
解液中で品物をプラス(もしくはマイナス)、にして直
流電流を流し、この時製品から発生する酸素(もしくは
水素)の泡の力を利用し、製品に付着した汚れを取る処
理で、上記処理で取れきれなかった微量の汚れを除去す
るために行われる。最後にアルカリ電解液を洗い流すた
め純水による水洗を行って、一連の電鋳前処理工程を完
了させていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図7は従来の電鋳前処
理工程後の電鋳元型の状態を示した図である。従来の電
鋳前処理工程では、多くの薬品及び純水による浸漬、も
しくは流水作業が長時間行われるため、電鋳元型が損な
われる危険性が多かった。特にポジレジスト51a(図
8(b))のような微細な形状を備えた電鋳元型では、
電鋳前処理工程後、図7に示すポジレジスト51bのよ
うに倒れや剥離が発生してしまうことが多々あった。そ
のため、従来はポジレジスト50のような倒れにくい大
きな形状のものしか製造することができなかった。
【0009】また、図9に示す酸洗浄処理での処理時間
が多いとエッチングによる基板へのダメージが発生し、
図7に示す基板21のように表面荒れが生じてしまうこ
とも多々あった。
【0010】以上のような電鋳元型の倒れや損傷は、次
の電鋳工程で生成される電鋳部品の形状に大きな影響を
及ぼすことになる。その結果、寸法精度が低く、形状不
良の多い、信頼性の低い電鋳部品を製造してしまうこと
が多かった。
【0011】さらに、従来の電鋳前処理工程では多くの
処理を有するため、これらの処理のための準備時間をも
含めると、電鋳前処理工程に30分以上の時間が費やさ
れていた。その結果、生産効率が低かった。
【0012】本発明の目的は、寸法精度が高く、形状不
良の少ない、信頼性の高い微細な形状を有する電鋳部品
を提供することにある。
【0013】さらに、電鋳前処理工程に費やされる時間
及び労力を少なくし、生産効率の高い電鋳部品の製造方
法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の電鋳部品の製造方法は、導電性を有する基
板上に感光不溶性材料が所望の形状で形成されている電
鋳元型を作製する工程と、前記電鋳元型の表面に紫外線
を照射してUVオゾン処理を行う電鋳前処理工程と、U
Vオゾン処理された前記電鋳元型上に電鋳処理を施して
電鋳部品を形成する電鋳工程とを有している。
【0015】さらにUVオゾン処理の時間は5分以上2
0分以下であることが望ましい。
【0016】(作用)本発明の上記手段では、導電性の
基板上に感光不溶性材料を所望の形状にパターン化して
電鋳元型を作製している。感光不溶性材料のパターン化
は、一般にフォトリソグラフィー法と呼ばれている露光
プロセスと現像プロセスからなる方法を用いることによ
り、ミクロンレベルでのパターン化が可能である。これ
により非常に微細な形状を備える電鋳元型を達成でき
る。
【0017】本発明では、上記のようにして得た電鋳元
型にUVオゾン処理を施す。UVオゾン処理とは、極短
波長の紫外線(UVと称する。極短波長とは例えば18
4.9nm程度の波長を言う。)と酸素分子O2 とを反
応させることにより、オゾンO3 を発生させる第1のプ
ロセス、そのオゾンO3 に短波長の紫外線(例えば、2
53.7nm)を照射することによって酸素分子O2
励起酸素原子O* に分解する第2のプロセス、その励起
酸素原子O* と汚れ(有機物)とを反応させ汚れを気相
化させる第3のプロセスからなる洗浄方法である。
【0018】電鋳元型にUVオゾン処理を施すことによ
って以下に示すような反応が生じる。まず電鋳元型に付
着している汚れ(有機物)は、紫外線のもつ化学結合解
離効果によって分子結合が分解される。またその一方で
紫外線はオゾンO3 を分解させ励起酸素原子O* を発生
させ、この励起酸素原子O* と汚れ(有機物)との反応
が起こる。この反応によって汚れは気相化したCO2
CO、H2 O、NO2などに変化し、電鋳元型表面から
の除去される。
【0019】このように電鋳元型上の汚れは気相化する
ことによって除去されるため、本UVオゾン処理中(電
鋳前処理工程中)、電鋳元型には全く外力は加わらな
い。よってその結果、電鋳元型の損傷、変形などの発生
を少なくすることができる。
【0020】さらに本発明では、電鋳元型に形成される
微細形状を感光不溶性材料を用いて形成している。この
感光不溶性材料は未露光の部分が溶解される性質をもっ
ている材料であるが、逆の観点からみれば、露光された
部分の分子間結合が強まることによって、露光部分が強
固に固まる性質の材料でもある。本発明のように、UV
オゾン処理によって紫外線が照射されることで、感光不
溶性材料からなる微細形状は、さらに強固に固まり、強
度が向上することになる。この効果によっても、電鋳元
型の損傷、変形などを少なくすることができる。
【0021】以上のように、汚れを気相化させることに
よって電鋳元型自身に外力が加わらない処理にした点
と、紫外線によって感光不溶性材料からなる微細形状の
強度をより向上させた点、この2点の効果により、従来
電鋳前処理工程中に起こっていた電鋳元型の損傷、変形
などを全く無くすことができた。
【0022】また、UVオゾン処理におけるオゾンの発
生とオゾンの分解(オゾンO3 →酸素分子O2 +励起酸
素原子O* )、さらに励起酸素原子O* と汚れ(有機
物)との反応、これらのプロセスが非常に短時間で行わ
れるという点も本発明の効果に寄与している。そのため
洗浄効果に即効性があり、5〜20分間という短時間の
UVオゾン処理によって、電鋳元型表面は充分に洗浄さ
れ、安定した電鋳が可能となる。
【0023】以上のように、本発明の電鋳部品の製造方
法は、電鋳元型の損傷、変形などを無くすことで、寸法
精度が高く、形状不良の少ない、信頼性の高い微細な形
状を有する電鋳部品を提供することが目的である。さら
には電鋳前処理工程に費やされる時間及び労力を少なく
し、生産効率の高い電鋳部品の製造方法を提供すること
が目的である。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明は微細な形状を有する電鋳
部品を精度良く、不良無く製造するための製造方法であ
る。なお本発明では、電鋳法によって製造された部品の
ことを電鋳部品と称し、また電気メッキ法によって構造
体を製造する方法を電鋳法と称している。図1は本発明
によるフォトリソグラフィー法を利用した電鋳部品の製
造方法を示した図である。まず導電性を有する基板20
上に感光不溶性材料からなるネガレジスト15を塗被
し、さらにネガマスク120を介してネガレジスト15
の所定の部分のみを紫外線で露光する(図1(a))。
なおネガマスク120は所定の部分のみ紫外線が透過す
るマスクである。
【0025】本実施形態では、厚さ0.5mmのポリカ
ーボネイト板上に、下層が0.05μm厚のクロム(C
r)膜、上層が0.1μm厚の金(Au)膜をスパッタ
リング法によって成膜した基板20(図1では、Cr
膜、Au膜とも非常に薄いので省略されている。)を用
いた。このように本発明における導電性を有する基板2
0とは、導電性材料からなる基板であっても、絶縁性材
料上に導電性材料を成膜した基板であっても、どちらで
もかまわない。
【0026】さらに本実施形態では、上述の構造からな
る基板20上にネガレジスト15としてJSR社製TH
B−130N(商品名)をスピンコート法で60μmの
厚さで塗被した。この時のスピンコート条件は回転数が
1000rpm、処理時間が10秒であった。
【0027】その後、ネガマスク120を介して300
mJ/cm2 の露光量でTHB−130Nからなるネガ
レジストを直径60μmの円形状に露光した。本実施形
態では、直径60μmの円形状に除去されたパターンを
有する酸化クロム膜がガラス基板上に構成されたネガマ
スク120を使用した。
【0028】次に、直径60μmの円形状に部分的に露
光されたネガレジスト15(図1(a))を現像して未
露光部分を溶解除去させ、図1(b)に示すようなパタ
ーン化されたネガレジスト10を形成した。その結果ネ
ガレジスト10は直径60μm、高さ60μmの円柱形
状に形成することができた。この円柱形状にパターン化
されたネガレジスト10と基板20とで構成される構造
体が、後の工程で行われる電鋳のための電鋳元型とな
る。なお本実施形態では、THB−130N専用の現像
液THB−D1(商品名)を用いて現像を行った。
【0029】以上、図1(a)から図1(b)に至る工
程が、一般にフォトリソグラフィー法と称されている方
法である。このフォトリソグラフィー法はミクロン単位
レベルの微細な形状を形成するのに有効な方法である。
【0030】本発明では、この後、ネガレジスト10と
基板20とで構成される電鋳元型をUVオゾン洗浄法に
よって処理する(図1(c)電鋳前処理工程と称す
る。)。さらにその後電鋳元型上に電鋳を行い、電鋳元
型の形状を転写した電鋳部品を形成していく(図1
(d))。
【0031】UVオゾン洗浄法とは、極短波長(例えば
184.9nm程度の波長)の紫外線(UV)と酸素分
子との反応によるオゾン発生と、短波長(例えば25
3.7nm程度の波長)の光のもつ化学結合解離効果と
を組み合わせた光化学的酸化分解プロセスで、この過程
で生成された励起酸素原子によって汚れを分解する洗浄
法である。以下にUVオゾン洗浄法について詳しく説明
する。図2はUVオゾン洗浄法におけるオゾン発生の段
階を示した図である。図3はUVオゾン洗浄法における
励起酸素原子発生の段階を示した図である。図4はUV
オゾン洗浄法における励起酸素原子と汚れとの反応前の
段階を示した図である。図5はUVオゾン洗浄法におけ
る励起酸素原子と汚れとの反応後の段階を示した図であ
る。
【0032】まず、大気雰囲気中で極短波長(例えば1
84.9nm程度の波長を言う。)の紫外線を照射する
と、酸素分子O2 同士が反応して、オゾンO3 を生成す
る(図2)。
【0033】次に、図2で発生したオゾンO3 に波長が
253.7nm程度の短波長の紫外線を照射すると、オ
ゾンO3 は即座に、酸素分子O2 と励起酸素原子O*
分解する(図3)。
【0034】この状態で、酸素分子O2 は安定した分子
結合状態にあるが励起酸素原子O*は非常に不安定な状
態にある。そこで励起酸素原子O* には他の元素と結合
して安定状態に移ろうとする力が働く。UVオゾン洗浄
法は、この励起酸素原子O*が他の元素と結合しようと
する力を利用している。すなわち図4に示すように、励
起酸素原子O* は他の元素である汚れ30と結合するこ
とによって、汚れ30の分解反応が起こるのである。
【0035】励起酸素原子O* と汚れ30とが結合する
ことによって、汚れ30はH2O 、CO2 、NO2 等に
変化する。このような反応によって汚れ30を気相化さ
せることで、基板20からの除去を行っている(図
5)。以上がUVオゾン洗浄法による洗浄の過程であ
る。
【0036】本発明では、以上のような洗浄効果に加え
て、別の効果も得られる。従来の薬液による電鋳前処理
工程で多く発生していた電鋳元型の損傷を少なくするこ
とができるという効果である。従来の電鋳前処理工程で
は、薬液による液中での処理のため、水圧によって微細
な形状のネガレジスト10は容易に倒されてしまい、不
良発生が多く見られた。しかしながら本発明では、汚れ
を気相化して除去するため、処理中にネガレジスト10
に外力が加わることは一切無く、その結果、微細な形状
であるネガレジスト10の倒れが全く無くなった。
【0037】さらにはパターン化されたネガレジスト1
0を感光不溶性材料で形成していることも、電鋳元型の
損傷を少なくする要因としてあげられる。感光不溶性材
料は、紫外線で露光されることによって分子間結合が強
まり強固に固まる性質を有している。本発明では、UV
オゾン洗浄の最中(電鋳前処理工程中)、感光不溶性材
料からなるネガレジスト10は紫外線に照射され続ける
(図2〜図4)。そのため、UVオゾン洗浄前に比べ
て、ネガレジスト10の強度を格段に向上させることが
できた。その結果、従来の薬液による電鋳前処理工程で
多く発生していた電鋳元型の損傷を少なくすることがで
きた。
【0038】また、本実施形態によると、UVオゾン洗
浄によって基板20の表面が荒れたり、冒されたりする
不良は全く起こらなかった。
【0039】本実施形態ではUVオゾン洗浄法による処
理を10分間行った。我々の実験によれば電鋳前処理工
程における本発明のUVオゾン洗浄に要する処理時間は
5分以上20分以下が望ましいことが確認されている。
その理由は、5分未満の処理時間では洗浄効果が低く、
安定した電鋳成長を損なう場合があり、一方20分を越
えて処理してもそれ以上洗浄効果は向上されず、逆にネ
ガレジスト10の分解反応が進んでしまうからである。
従来の薬液を用いた電鋳前処理工程では、複数の薬液で
処理を行うため、その都度薬液を洗い流すための水洗い
洗浄(水洗)が必要であった。従来これらの薬液による
処理と水洗に要する時間は最低でも30分以上必要であ
ったが、本発明によればこの時間を5〜20分に短縮で
き、生産効率を向上させることができた。
【0040】図6は本発明の電鋳部品の製造方法におけ
る電鋳工程と剥離工程を示した図である。上述のように
してUVオゾン洗浄法で電鋳前処理を行った電鋳元型上
に、電鋳処理を行い電鋳部品40を形成していく。電鋳
法は電気メッキ法の一種であるため、導電性材料の上に
しか電鋳部品40は形成されない。本実施形態では基板
20の表面には、導電性を有するAu/Cr膜が成膜さ
れているため電鋳部品40が形成されるが、非導電性材
料であるネガレジスト10上には電鋳部品40は形成さ
れない。
【0041】本実施形態では、スルファミン酸ニッケル
(Ni)メッキ液によるNi電鋳法によって、厚さ50
μmの板状の電鋳部品40を基板20上に作製した(図
6(a))。この時、微細な形状の隅々まで転写するよ
うにして安定した電鋳部品40の形成がなされた。これ
により本発明の電鋳前処理工程が、基板の洗浄及び安定
化に充分に有効であることが確認できた。なお本実施形
態でのNi電鋳工程における作製条件は、メッキ液温度
が50℃、電流密度が1A/dm2 、処理時間が5時間
であった。
【0042】なお本実施形態では、電鋳法としてスルフ
ァミン酸Niメッキ液によるNi電鋳法を用いて電鋳部
品40を製造したが、本発明の製造方法で製造される電
鋳部品40の材質はNiに限定されるわけではない。銅
(Cu)、コバルト(Co)、スズ(Sn)等電気メッ
キ可能な材料すべてに適用可能である。
【0043】最後に図6(b)に示すように、電鋳部品
40から基板20、ネガレジスト10を除去することに
よって、微細な貫通孔410があけられた電鋳部品40
を完成させることができた。本実施形態ではTHB−1
30Nからなるネガレジスト10を専用の剥離液JSR
社製THB−S2(商品名)で溶解除去した後、ポリカ
ーボネートからなる基板20を電鋳部品40から剥離さ
せて除去した。本実施形態において貫通孔410はネガ
レジスト10の形状を転写した形状をしているため、貫
通孔410は直径60μm、深さ50μmの形状をして
いる。本発明ではこのような微細な形状(例えば貫通孔
410のような形状)を備えた電鋳部品を製造するのに
適している。
【0044】また、本実施形態では貫通孔410を微細
形状として例に挙げ電鋳部品40を作製したが、その他
の微細形状、例えば未貫通孔、溝形状、ひだ状の形状
等、を備えた電鋳部品を作製するのにも本発明は有効で
ある。
【0045】
【発明の効果】本発明の電鋳部品の製造方法によれば、
電鋳元型の損傷、変形などを無くすことでき、その結
果、寸法精度が高く、形状不良の少ない、信頼性の高い
微細な形状を有する電鋳部品を提供することが可能とな
った。さらには電鋳前処理工程に費やされる時間及び労
力を少なくすることができ、生産効率の高い電鋳部品の
製造方法を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフォトリソグラフィー法を利用した電
鋳部品の製造方法を示した図である。
【図2】UVオゾン洗浄法におけるオゾン発生の段階を
示した図である。
【図3】UVオゾン洗浄法における励起酸素原子発生の
段階を示した図である。
【図4】UVオゾン洗浄法における励起酸素原子と汚れ
との反応前の段階を示した図である。
【図5】UVオゾン洗浄法における励起酸素原子と汚れ
との反応後の段階を示した図である。
【図6】本発明の電鋳部品の製造方法における電鋳工程
と剥離工程を示した図である。
【図7】従来の電鋳前処理工程後の電鋳元型の状態を示
した図である。
【図8】従来のフォトリソグラフィー法を利用した電鋳
部品の製造方法を示した図である。
【図9】従来のフォトリソグラフィー法を利用した電鋳
部品の製造方法における電鋳前処理工程を示した図であ
る。
【符号の説明】
10、15 ネガレジスト 20、21 基板 30 汚れ 40 電鋳部品 50、51a、51b、55 ポジレジスト 110 ネガマスク 120 ポジマスク 410 貫通孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性を有する基板上に塗被された感光
    不溶性材料の一部分を露光し、該感光不溶性材料の露光
    されていない未露光部分のみを溶解除去することによっ
    て電鋳元型を作製する工程と、前記電鋳元型の表面に紫
    外線を照射してUVオゾン処理を行う電鋳前処理工程
    と、UVオゾン処理された前記電鋳元型上に電鋳処理を
    施して電鋳部品を形成する電鋳工程とを有する電鋳部品
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記UVオゾン処理の処理時間が5分以
    上20分以下の範囲にあることを特徴とする請求項1に
    記載の電鋳部品の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006002232A (ja) * 2004-06-18 2006-01-05 Shimizu Densetsu Kogyo Kk 洗浄乾燥方法および洗浄乾燥装置

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