JP2003119516A - 厚鋼板の熱処理装置および熱処理方法 - Google Patents

厚鋼板の熱処理装置および熱処理方法

Info

Publication number
JP2003119516A
JP2003119516A JP2001314160A JP2001314160A JP2003119516A JP 2003119516 A JP2003119516 A JP 2003119516A JP 2001314160 A JP2001314160 A JP 2001314160A JP 2001314160 A JP2001314160 A JP 2001314160A JP 2003119516 A JP2003119516 A JP 2003119516A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
induction heating
thick steel
type induction
heating device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001314160A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3945212B2 (ja
Inventor
Hiroshi Sekine
宏 関根
Teruo Fujibayashi
晃夫 藤林
Akira Takane
章 多賀根
Masatoshi Sugioka
正敏 杉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2001314160A priority Critical patent/JP3945212B2/ja
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to DE60133936T priority patent/DE60133936D1/de
Priority to PCT/JP2001/011086 priority patent/WO2002050317A1/ja
Priority to KR1020037007910A priority patent/KR100549451B1/ko
Priority to CNB018208444A priority patent/CN100513589C/zh
Priority to CN2008101885933A priority patent/CN101463414B/zh
Priority to EP01271125A priority patent/EP1359230B1/en
Publication of JP2003119516A publication Critical patent/JP2003119516A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3945212B2 publication Critical patent/JP3945212B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Landscapes

  • General Induction Heating (AREA)
  • Control Of Heat Treatment Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、厚鋼板の板厚方向の温度均一化と
表面温度の上限管理を行いながら、平均温度が目標熱処
理温度になるように精度良く加熱することができる厚鋼
板の熱処理装置および熱処理方法を提供することを目的
とするものである。 【解決手段】 複数個のソレノイド型誘導加熱装置を直
列に所定の間隔をあけて配置し、第i番目のソレノイド
型誘導加熱装置Hiの入口に設定された温度計Riで測定
した入口実測温度Triを入口目標温度Tmiと比較し、
誤差がある場合には、その誤差温度を加熱電力ΔPhi
に変換し、それを加熱効率νiで除して投入電力ΔPei
を算出し、ソレノイド型誘導加熱装置Hiへの投入電力
PeiをΔPeiだけ修正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厚鋼板の焼入れ・
焼鈍し・焼戻し等の熱処理プロセスにおいて、高能率で
急速加熱に好適なソレノイド型誘導加熱装置を用いた厚
鋼板の熱処理装置および熱処理方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】厚鋼板の焼入れ・焼鈍し・焼戻し等の熱
処理プロセスを圧延ラインと直結して行う等の場合、厚
鋼板を所定の温度に急速に加熱することが必要となる。
【0003】従来、熱間薄板圧延では、ソレノイド型誘
導加熱装置を用いて圧延ライン上で薄鋼板を急速加熱す
る方法が知られており、その温度制御のために、特開平
10−27678号公報に記載のように、ソレノイド型
誘導加熱装置の入出口温度を計測しフィードフォワード
制御及びフィードバック制御を実施するという技術や、
特開平10−202311号公報に記載のように、ソレ
ノイド型誘導加熱装置の入出口温度と仕上圧延機の出口
温度を計測しフィードフォワード制御及びフィードバッ
ク制御を実施するという技術が存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ソレノイド型誘導加熱
装置は急速加熱に好適であるが、鋼板の表層部近傍が加
熱されるので、厚鋼板の焼入れ・焼鈍し・焼戻し等の熱
処理プロセスに適用する場合、下記の問題を解決するこ
とが必要である。 厚鋼板内の温度分布が均一になるように加熱するこ
と。すなわち、板厚中心と表面の温度差を最小化するこ
と。温度分布が不均一な場合、最終製品の品質に悪影響
を及ぼす。 加熱過程で所定の上限温度を超えないこと。加熱中に
相変態点を超えると鋼中添加元素の析出が起こり品質に
悪影響を与える。さらに、磁気変態点を超えると電磁誘
導の浸透深さが変化してしまい制御が難しくなる。
【0005】つまり、厚鋼板の板厚方向の温度均一化と
表面温度の上限管理を行いながら、平均温度が目標温度
になるように制御することが必要となる。
【0006】これに対し、前述の特開平10−2767
8号公報や特開平10−202311号公報に記載の技
術は、対象が薄鋼板であるとともに熱間仕上圧延前の加
熱であるので、板厚方向の温度均一性確保や表面温度の
上限管理が技術的課題ではなく、最終製品の品質に直接
影響を及ぼす厚鋼板の熱処理に対しては直ちに適用する
ことはできない。
【0007】したがって、本発明の目的は、厚鋼板の板
厚方向の温度均一化と表面温度の上限管理を行いなが
ら、平均温度が目標熱処理温度になるように精度良く加
熱することができる厚鋼板の熱処理装置および熱処理方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
所定の間隔をとって直列に配置された複数個のソレノイ
ド型誘導加熱装置と、第1番目のソレノイド型誘導加熱
装置の入口と各ソレノイド型誘導加熱装置の間と最終ソ
レノイド型誘導加熱装置の出口にそれぞれ設けられた温
度計測手段とを有することを特徴とする厚鋼板の熱処理
装置である。
【0009】請求項2に記載の発明は、第1番目のソレ
ノイド型誘導加熱装置の入口に設けられた温度計測手段
が厚鋼板の板厚方向平均温度を計測する温度計測手段で
あることを特徴とする請求項1に記載の厚鋼板の熱処理
装置である。
【0010】請求項3に係る発明は、所定の間隔をとっ
て直列に配置された複数個のソレノイド型誘導加熱装置
を通過させて厚鋼板を加熱するとともに、予め各ソレノ
イド型誘導加熱装置を通過する前の厚鋼板の目標温度を
それぞれ設定しておき、各ソレノイド型誘導加熱装置を
通過する前の厚鋼板の温度を実測し、当該実測温度の前
記目標温度からの偏差を求め、当該温度偏差を前方補償
することを特徴とする厚鋼板の熱処理方法である。
【0011】請求項4に係る発明は、所定の間隔をとっ
て直列に配置された複数個のソレノイド型誘導加熱装置
を通過させて厚鋼板を加熱するとともに、予め各ソレノ
イド型誘導加熱装置を通過した後の厚鋼板の目標温度を
それぞれ設定しておき、各ソレノイド型誘導加熱装置を
通過した後の厚鋼板の温度を実測し、当該実測温度の前
記目標温度からの偏差を求め、当該温度偏差を後方補償
することを特徴とする厚鋼板の熱処理方法である。
【0012】請求項5に係る発明は、所定の間隔をとっ
て直列に配置された複数個のソレノイド型誘導加熱装置
を通過させて厚鋼板を加熱するとともに、各ソレノイド
型誘導加熱装置を通過前と通過後の厚鋼板の温度を実測
し、当該実測温度から各ソレノイド型誘導加熱装置の実
績加熱効率を算定し、算定された実績加熱効率に基づい
て各ソレノイド型誘導加熱装置の加熱効率を補正するこ
とを特徴とする厚鋼板の熱処理方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の厚鋼板の熱処理
設備の一実施形態を示す説明図である。第1番目のソレ
ノイド型誘導加熱装置H1、第2番目のソレノイド型誘
導加熱装置H2 、………、第n番目のソレノイド型誘導
加熱装置Hnとn個のソレノイド型誘導加熱装置が直列
に所定の間隔Lをとって配置されており、搬送ローラ2
に載った厚鋼板1が各ソレノイド型誘導加熱装置を順次
通過して加熱されるようになっている。そして、第1番
目のソレノイド型誘導加熱装置H1の入口には第1番目の
温度計R1、第2番目のソレノイド型誘導加熱装置H2
入口には第2番目の温度計R2、………、第n番目のソ
レノイド型誘導加熱装置Hnの入口には第n番目の温度
計Rn がそれぞれ設置されているとともに、第n番目の
ソレノイド型誘導加熱装置Hnの出口には第n+1番目
の温度計Rn+1が設置されている。
【0014】間隔をとって配置された各ソレノイド型誘
導加熱装置を厚鋼板が通過していくと、図2に示すよう
に、各ソレノイド型誘導加熱装置で厚鋼板の表層部近傍
が加熱されるが、ソレノイド型誘導加熱装置とソレノイ
ド型誘導加熱装置との間では、表層部近傍の熱が熱伝導
により板厚内部温度を上昇させるとともに表面温度を下
げ、板厚方向の均熱化が図られる。したがって、ソレノ
イド型誘導加熱装置間の間隔を、熱処理能率、加熱能
力、通過速度等を考慮して、板厚方向均熱化に必要な時
間が得られるように定めておけば、厚鋼板の板厚方向の
温度均一化と表面温度の上限制約を満足しながら、目標
熱処理温度になるように加熱することが可能である。
【0015】そして、実操業では熱処理前の厚鋼板間で
の温度変動や厚鋼板内での長手方向の温度変動等が存在
するので、精度良い管理を行うためには、厚鋼板の温度
を実測して、その結果に基づいてソレノイド型誘導加熱
装置を制御していくことが必要となる。その際の厚鋼板
の温度測定は、板厚方向での均熱化によって表面温度が
ほぼ平均温度となる地点で行えばよい。
【0016】なお、熱処理開始前の厚鋼板は板厚方向に
温度分布をもっている可能性があるので、第1番目のソ
レノイド型誘導加熱装置の入口に配置された温度計は、
例えば、特開2000−121455号公報に記載のよ
うな超音波を用いて鋼材内部の温度分布を測定する装置
のように、厚鋼板の板厚方向の平均温度を計測できる温
度計であることが望ましい。
【0017】以下に、本発明の厚鋼板の熱処理方法の第
1の実施形態を説明する。
【0018】まず、厚鋼板の寸法、初期温度、目標熱処
理温度、表面温度の上限制約等に基づいて、厚鋼板の昇
温スケジュール、すなわち、ソレノイド型誘導加熱装置
i(i=1〜n)での入口目標温度Tmi(i=1〜
n)と出口目標温度Tni(i=1〜n)及び通過速度
Vを初期設定する。その際、第i番目のソレノイド型誘
導加熱装置Hiの出口目標温度Tniが第i+1番目のソ
レノイド型誘導加熱装置Hi+1の入口目標温度Tmi+1
対応するが、第i番目のソレノイド型誘導加熱装置Hi
と第i+1番目のソレノイド型誘導加熱装置Hi+1との
間での空冷による温度降下ΔTaiが無視できない場合
には、それを見込んで出口目標温度Tniと入口目標温
度Tmi+1を設定する。そして、ソレノイド型誘導加熱
装置Hiの入口目標温度Tmiと出口目標温度とTni
差がソレノイド型誘導加熱装置Hiでの目標昇温量とな
るので、ソレノイド型誘導加熱装置Hiでの必要な加熱
電力Phiおよび投入電力Peiが下記の式により定ま
る。
【0019】 加熱電力Phi=C・(Tni−Tmi)h・w・V 投入電力Pei=Phi/νi ここで、C:厚鋼板の比熱 h:厚鋼板の板厚 w:厚鋼板の板幅 νi:第i番目のソレノイド型誘導加熱装置の加熱効率 次に、上記のような初期設定に基づいて厚鋼板の熱処理
を開始した後、図3に示すように、第i番目のソレノイ
ド型誘導加熱装置Hiの入口に設定された温度計Riで測
定した入口実測温度Triを入口目標温度Tmiと比較
し、偏差がある場合には、その温度偏差を加熱電力ΔP
iに変換し、それを加熱効率νiで除して投入電力ΔP
iを算出し、ソレノイド型誘導加熱装置Hiへの投入電
力PeiをΔPeiだけ修正する。
【0020】これによって、目標熱処理温度および表面
温度の上限制約を考慮して定めた昇温スケジュールにし
たがって厚鋼板が加熱されるようになる。
【0021】このように、厚鋼板の温度を実測し、厚鋼
板の実測温度の目標温度からの偏差を求め、その温度偏
差を前方補償するという制御を行うことにより、厚鋼板
間での熱処理開始前温度の変動や厚鋼板内での長手方向
の温度変動があっても、板厚方向の温度均一化と表面温
度の上限管理を行いながら、平均温度が目標熱処理温度
になるように精度良く加熱することができる。
【0022】以下に、本発明の厚鋼板の熱処理方法の第
2の実施形態を説明する。
【0023】まず、厚鋼板の昇温スケジュール、すなわ
ち、ソレノイド型誘導加熱装置Hi(i=1〜n)の入
口目標温度Tmi(i=1〜n)と出口目標温度Tn
i(i=1〜n)および通過速度Vの初期設定について
は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0024】次に、上記のような初期設定に基づいて厚
鋼板の熱処理を開始した後、図4に示すように、第i+
1番目のソレノイド型誘導加熱装置Hi+1の入口に設定
された温度計Ri+1で測定した入口実測温度Tri+1を入
口目標温度Tmi+1と比較し、偏差がある場合には、そ
の温度偏差をPID調節器を介して加熱電力ΔPhi
変換し、それを加熱効率νiで除して投入電力ΔPei
算出し、ソレノイド型誘導加熱装置Hiへの投入電力P
iをΔPeiだけ修正する。
【0025】これによって、目標熱処理温度および表面
温度の上限制約を考慮して定めた昇温スケジュールにし
たがって厚鋼板が加熱されるようになる。
【0026】このように、厚鋼板の温度を実測し、厚鋼
板の実測温度の目標温度からの偏差を求め、その温度偏
差を後方補償するという制御を行うことにより、厚鋼板
間での熱処理開始前温度の変動や厚鋼板内での長手方向
の温度変動があっても、板厚方向の温度均一化と表面温
度の上限管理を行いながら、平均温度が目標熱処理温度
になるように精度良く加熱することができる。
【0027】なお、上記の第1の実施形態および第2の
実施形態においては、以下の点を考慮して実施すること
が望ましい。 加熱中は、厚鋼板は全長にわたり一定速度で通過させ
る。温度測定の結果、あるソレノイド型誘導加熱装置で
速度変更の必要があったとしても、速度を変化させると
他のソレノイド型誘導加熱装置で温度変動を発生させる
ことになる。 厚鋼板の初期温度の変動は、できるだけ第1番目のソ
レノイド型誘導加熱装置で除去する。第2番目のソレノ
イド型誘導加熱装置以後での加熱電力増加は表面温度上
限を超える危険性がある。第1の実施形態および第2
の実施形態を併用することも効果的である。すなわち、
第i番目のソレノイド型誘導加熱装置の投入電力に過不
足が生じた場合、それによる温度偏差は第i+1番目の
ソレノイド型誘導加熱装置で補償すると同時に、第i番
目のソレノイド型誘導加熱装置の誤差を速やかに修正す
る。厚鋼板の温度変動はフィードフォワード制御で補償
し、ソレノイド型誘導加熱装置の加熱誤差はフィードバ
ック制御で修正する。
【0028】以下に、本発明の厚鋼板の熱処理方法の第
3の実施形態を説明する。
【0029】複数台直列配置されたソレノイド型誘導加
熱装置で誘導加熱する場合、各ソレノイド型誘導加熱装
置での加熱温度域は下流に行くほど高くなるため、それ
ぞれのソレノイド型誘導加熱装置の加熱効率は一様では
ない。これは厚鋼板の温度により透磁率が変わるためで
ある。したがって、ソレノイド型誘導加熱装置の加熱効
率を精度良く推定することが重要である。
【0030】図5に示すように、第i番目のソレノイド
型誘導加熱装置Hiの入口に設定された温度計Riで測定
した実測温度Triと第i+1番目のソレノイド型誘導
加熱装置Hi+1の入口に設定された温度計Ri+1で測定し
た実測温度Tri+1とから昇温量を求め、それにソレノ
イド型誘導加熱装置Hiを通過後の空冷温度降下分ΔT
iを加えてソレノイド型誘導加熱装置Hiの正味昇温量
実績を算定し、それを加熱電力に変換して加熱電力実績
Phi Oを算出する。そして、加熱電力実績Ph i Oを投入
電力実績Pei Oで除すことによりソレノイド型誘導加熱
装置Hiの実績加熱効率νi Oを算出する。すなわち、 加熱電力実績Phi O=C・(Tri+1−Tri+ΔT
i)h・w・V 実績加熱効率νi O=加熱電力実績Phi O/投入電力実績
Pei O ここで、C:厚鋼板の比熱 h:厚鋼板の板厚 w:厚鋼板の板幅 V:通過速度 そして、実績加熱効率νi Oを、次の厚鋼板の加熱に際し
て用いるソレノイド型誘導加熱装置Hiの加熱効率νi
反映する。実績加熱効率νi Oの反映方法は、例えば下記
のように指数平滑等の方法を用いても良い。
【0031】νi=(1−χ)・νi-1 O+χ・νi O
(0<χ≦1) 以上のように、厚鋼板の温度を実測し、ソレノイド型誘
導加熱装置の加熱効率の推定精度を高めることにより、
板厚方向の温度均一化と表面温度の上限管理を行いなが
ら、平均温度が目標熱処理温度になるように精度良く加
熱することができる。
【0032】なお、これまでに述べた実施形態において
は、厚鋼板の平均温度を測定できるように、板厚方向で
の均熱化によって表面温度が平均温度となる各ソレノイ
ド型誘導加熱装置の入口に温度計を設置して温度測定を
行なっているが、それに加えて、各ソレノイド型誘導加
熱装置の出口に温度計を設置して各ソレノイド型誘導加
熱装置を通過直後の厚鋼板の表面温度を測定すること
で、上限温度管理を直接行うことができる。
【0033】また、前述の特開2000−121455
号公報記載の鋼材内部温度測定装置を各ソレノイド型誘
導加熱装置の出口に設置して、各ソレノイド型誘導加熱
装置を通過直後の厚鋼板の表面温度および内部温度を測
定することによって、一層精度の良い温度管理を行うこ
とも可能である。
【0034】
【実施例】図6は、本発明の厚鋼板の熱処理装置の圧延
ライン上に配置した例である。加熱炉3、圧延機4、冷
却装置5、ホットレベラ6、誘導加熱装置7、クーリン
グベッド8の順に配置されている。誘導加熱装置7は、
板厚8〜50mm、最大板幅4600mmの厚鋼板を1
40T/Hの加熱能率で、板厚方向の温度均一化と表面
温度の上限制約を満足しながら加熱できるように、0.
3m以上の間隔で直列に配置された4台のソレノイド型
誘導加熱装置からなっており、各ソレノイド型誘導加熱
装置の入口と第4番目のソレノイド型誘導加熱装置の出
口には温度計が設置されている。
【0035】そして、前述の本発明の熱処理方法の第1
の実施形態によって、板厚25mm、板幅4500mm
で加熱前温度が長手方向で変動している普通鋼の厚鋼板
を、初期温度200℃から目標熱処理温度650℃ま
で、加熱上限温度を700℃として加熱した場合を、本
発明の実施例として示す。なお、本発明の熱処理方法を
適用しなかった場合を比較例として示す。
【0036】図7は、それによる厚鋼板の中心温度及び
表面温度の推移で、(a)は本発明の実施例のものであ
り、(b)は比較例のものである。
【0037】本発明の実施例では、図7(a)に示すよ
うに、厚鋼板の先端が第1番目のソレノイド型誘導加熱
装置で加熱を開始してから1秒後に測定した入口実測温
度が入口目標温度200℃に比べて30℃高くなった
が、フィードフォワード制御によってこの温度変動を第
1番目のソレノイド型誘導加熱装置への投入電力で補償
することにより、第1番目のソレノイド型誘導加熱装置
の出口以降では、厚鋼板長手方向の温度変動がほとんど
無くなっている。
【0038】これに対して、比較例では、図7(b)に
示すように、第1番目のソレノイド型誘導加熱装置の出
口以降も加熱前の厚鋼板長手方向の温度変動がそのまま
持続している。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、所定
の間隔をとって直列に配置された複数個のソレノイド型
誘導加熱装置を通過させて厚鋼板を加熱するともに、予
め各ソレノイド型誘導加熱装置を通過する前の厚鋼板の
目標温度をそれぞれ設定しておき、各ソレノイド型誘導
加熱装置を通過する前に測定した厚鋼板の実測温度と前
記目標温度との偏差を求め、温度偏差を前方補償あるい
は後方補償することにより、厚鋼板の板厚方向の温度均
一化と表面温度の上限管理を行いながら、平均温度が目
標熱処理温度になるように精度良く加熱することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の厚鋼板の熱処理設備の一実施形態を示
す図である。
【図2】本発明の厚鋼板の熱処理設備を用いた場合の厚
鋼板の温度推移を示す図である。
【図3】本発明の厚鋼板の熱処理方法の第1の実施形態
を示す図である。
【図4】本発明の厚鋼板の熱処理方法の第2の実施形態
を示す図である。
【図5】本発明の厚鋼板の熱処理方法の第3の実施形態
を示す図である。
【図6】本発明の厚鋼板の熱処理装置の配置例を示す図
である。
【図7】本発明の厚鋼板の熱処理方法の実施例を説明す
る図である。 (a)実施例の温度推移を示す図である。 (b)比較例の温度推移を示す図である。
【符号の説明】
1 厚鋼板 2 搬送ロール 3 加熱炉 4 圧延機 5 冷却装置 6 ホットレベラ 7 誘導加熱装置 8 クーリングベッド Hi(i=1〜n) ソレノイド型誘導加熱装置 Ri(i=1〜n+1) 温度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多賀根 章 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 杉岡 正敏 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の間隔をとって直列に配置された複
    数個のソレノイド型誘導加熱装置と、第1番目のソレノ
    イド型誘導加熱装置の入口と各ソレノイド型誘導加熱装
    置の間と最終ソレノイド型誘導加熱装置の出口にそれぞ
    れ設けられた温度計測手段とを有することを特徴とする
    厚鋼板の熱処理装置。
  2. 【請求項2】 第1番目のソレノイド型誘導加熱装置の
    入口に設けられた温度計測手段が厚鋼板の板厚方向平均
    温度を計測する温度計測手段であることを特徴とする請
    求項1に記載の厚鋼板の熱処理装置。
  3. 【請求項3】 所定の間隔をとって直列に配置された複
    数個のソレノイド型誘導加熱装置を通過させて厚鋼板を
    加熱するとともに、予め各ソレノイド型誘導加熱装置を
    通過する前の厚鋼板の目標温度をそれぞれ設定してお
    き、各ソレノイド型誘導加熱装置を通過する前の厚鋼板
    の温度を実測し、当該実測温度の前記目標温度からの偏
    差を求め、当該温度偏差を前方補償することを特徴とす
    る厚鋼板の熱処理方法。
  4. 【請求項4】 所定の間隔をとって直列に配置された複
    数個のソレノイド型誘導加熱装置を通過させて厚鋼板を
    加熱するとともに、予め各ソレノイド型誘導加熱装置を
    通過した後の厚鋼板の目標温度をそれぞれ設定してお
    き、各ソレノイド型誘導加熱装置を通過した後の厚鋼板
    の温度を実測し、当該実測温度の前記目標温度からの偏
    差を求め、当該温度偏差を後方補償することを特徴とす
    る厚鋼板の熱処理方法。
  5. 【請求項5】 所定の間隔をとって直列に配置された複
    数個のソレノイド型誘導加熱装置を通過させて厚鋼板を
    加熱するとともに、各ソレノイド型誘導加熱装置を通過
    前と通過後の厚鋼板の温度を実測し、当該実測温度から
    各ソレノイド型誘導加熱装置の実績加熱効率を算定し、
    算定された実績加熱効率に基づいて各ソレノイド型誘導
    加熱装置の加熱効率を補正することを特徴とする厚鋼板
    の熱処理方法。
JP2001314160A 2000-12-18 2001-10-11 厚鋼板の熱処理装置および熱処理方法 Expired - Lifetime JP3945212B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001314160A JP3945212B2 (ja) 2001-10-11 2001-10-11 厚鋼板の熱処理装置および熱処理方法
PCT/JP2001/011086 WO2002050317A1 (en) 2000-12-18 2001-12-18 Production method for steel plate and equipment therefor
KR1020037007910A KR100549451B1 (ko) 2000-12-18 2001-12-18 후강판의 제조방법 및 그 설비
CNB018208444A CN100513589C (zh) 2000-12-18 2001-12-18 厚钢板的制造方法及其设备
DE60133936T DE60133936D1 (de) 2000-12-18 2001-12-18 Verfahren zur herstellung einer stahlplatte und einrichtungen hierfür
CN2008101885933A CN101463414B (zh) 2000-12-18 2001-12-18 厚钢板的制造方法
EP01271125A EP1359230B1 (en) 2000-12-18 2001-12-18 Production method for steel plate and equipment therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001314160A JP3945212B2 (ja) 2001-10-11 2001-10-11 厚鋼板の熱処理装置および熱処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003119516A true JP2003119516A (ja) 2003-04-23
JP3945212B2 JP3945212B2 (ja) 2007-07-18

Family

ID=19132518

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001314160A Expired - Lifetime JP3945212B2 (ja) 2000-12-18 2001-10-11 厚鋼板の熱処理装置および熱処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3945212B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005256138A (ja) * 2004-03-15 2005-09-22 Jfe Steel Kk 厚鋼板の熱処理方法及びその装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005256138A (ja) * 2004-03-15 2005-09-22 Jfe Steel Kk 厚鋼板の熱処理方法及びその装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3945212B2 (ja) 2007-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6225609B1 (en) Coiling temperature control method and system
KR101185597B1 (ko) 퀴리점을 가진 강 스트립의 연속 소둔 방법 및 연속 소둔 설비
JP4598586B2 (ja) 冷却制御方法、装置、及びコンピュータプログラム
JP3596460B2 (ja) 厚鋼板の熱処理方法およびその熱処理設備
CN111420999B (zh) 一种精轧中间坯上下表面温差控制方法
JP4598580B2 (ja) 冷却制御方法、装置、及びコンピュータプログラム
JP2003119516A (ja) 厚鋼板の熱処理装置および熱処理方法
JP4066652B2 (ja) 鋼材の熱処理方法およびその装置
TWI701340B (zh) 連續退火中的鋼板加熱方法以及連續退火設備
JP4655684B2 (ja) 鋼板の熱処理方法
CN111420998B (zh) 一种精轧中间坯长度方向宽度温度均匀加热方法
JP4258341B2 (ja) 鋼板長手方向の材質均一性に優れた高強度鋼板の製造方法
JP2004197144A (ja) 連続焼準板温制御方法
JP2002226912A (ja) 鋼材の熱処理方法
JPH0126156B2 (ja)
JPS5944367B2 (ja) 水焼入連続焼鈍法
JP2003013134A (ja) 鋼板の製造方法およびその設備
JPH0759722B2 (ja) 先にガス加熱されたスラブの後続の誘導加熱時の誘導加熱制御方法
JP2004283846A (ja) 熱間圧延方法およびその設備
JPH052728B2 (ja)
JPH10113713A (ja) 制御冷却鋼板の製造方法
JP5098201B2 (ja) 厚鋼板の焼戻し処理方法
JP2010247234A (ja) 冷却制御方法、装置、及びコンピュータプログラム
JP2010167503A (ja) 冷却制御方法、装置、及びコンピュータプログラム
JP2002241845A (ja) 鋼帯の冷却方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20060921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061003

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070320

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070402

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3945212

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100420

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110420

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110420

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120420

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130420

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130420

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140420

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250