JP2003119189A - ベンゾピラン誘導体の製造方法 - Google Patents

ベンゾピラン誘導体の製造方法

Info

Publication number
JP2003119189A
JP2003119189A JP2001315465A JP2001315465A JP2003119189A JP 2003119189 A JP2003119189 A JP 2003119189A JP 2001315465 A JP2001315465 A JP 2001315465A JP 2001315465 A JP2001315465 A JP 2001315465A JP 2003119189 A JP2003119189 A JP 2003119189A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
aminopropionitrile
organic solvent
producing
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001315465A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Komata
武夫 古俣
Matsue Kawamura
松江 河村
Nariaki Ii
斉昭 井伊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP2001315465A priority Critical patent/JP2003119189A/ja
Priority to DE60200241T priority patent/DE60200241T2/de
Priority to US10/214,397 priority patent/US6653488B2/en
Priority to EP02017862A priority patent/EP1283207B1/en
Publication of JP2003119189A publication Critical patent/JP2003119189A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pyrane Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】N−(2−シアノエチル)−2,2−ビス(フ
ルオロメチル)−6−(パーフルオロアルキル)−2H
−1−ベンゾピラン−4−カルボキサミドの工業的な製
造を容易にする。 【解決手段】3−アミノプロピオニトリル・1/2硫酸
塩を塩基の存在下、水、非水溶性有機溶媒を同時に含む
溶媒中、または水、非水溶性有機溶媒、水溶性有機溶媒
を同時に含む混合溶媒中で、2,2−ビス(フルオロメ
チル)−6−(パーフルオロアルキル)−2H−1−ベ
ンゾピラン−4−カルボン酸ハライドと反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品として有用
な含フッ素ベンゾピランカルボキサミド誘導体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般式[2]で表される酸アミド化合
物、N−(2−シアノエチル)−2,2−ビス(フルオ
ロメチル)−6−(パーフルオロアルキル)−2H−1
−ベンゾピラン−4−カルボキサミドの製造方法には幾
つかの方法が知られている。
【0003】
【化3】
【0004】ただし、RはCn2n+1(nは1〜10の
整数の何れかを表す)で表される直鎖または非直鎖のパ
ーフルオロアルキル基を表す。
【0005】このうち、原料として3−アミノプロピオ
ニトリルを使用するものとしては、次の3例が開示され
ている。 2,2−ビス(フルオロメチル)−6−(トリフルオ
ロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボン酸
と3−アミノプロピオニトリルとを1,1'−カルボニ
ルジイミダゾ−ル等脱水縮合剤の存在下、テトラヒドロ
フラン中で反応させる方法(Bioorg. Med. Chem. (200
0), 8(6), 1393-1405)。 4−ブロモ−2,2−ビス(フルオロメチル)−6−
(パーフルオロアルキル)−2H−1−ベンゾピランと
3−アミノプロピオニトリルとを酢酸パラジウム存在
下、N,N−ジメチルアセトアミド中、一酸化炭素雰囲
気下反応させる方法(WO/00/18754号公
報)。 一般式[1]で表される酸ハロゲン化物に塩基の存在
下、3−アミノプロピオニトリルを反応させる方法(W
O/00/18754号公報)。
【0006】
【化4】
【0007】(ただし、RはCn2n+1(nは1〜10
の整数の何れかを表す)で表される直鎖または非直鎖の
パーフルオロアルキル基、Xはフッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素のいずれかを表す。) 上記Bioorg. Med. Chem. (2000), 8(6), 1393-1405、な
らびにWO/00/18754号公報において用いられ
る、3−アミノプロピオニトリルは、安定性の低い化合
物であるが、その保存方法、取り扱い方法については記
載がない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記、〜の方法に
よれば、小規模の実験条件下では効率よく、一般式
[2]で表される酸アミド化合物を製造できる。しか
し、〜で原料として用いられている3−アミノプロ
ピオニトリルは常温で安定性の低い化合物である。Th
e Merck Index Twelveth Ed
ition、Page82によれば、3−アミノプロピ
オニトリルは常温で保存すると徐々に分解する性質があ
り、特に空気と接触すると急速に重合する場合がある。
こうした品質の劣化を回避するために3−アミノプロピ
オニトリルは密栓をした上で、冷蔵庫中に保存すること
が一般的である。このため、3−アミノプロピオニトリ
ルは貯蔵、輸送が困難であり、〜の方法を工業的規
模で実施する場合、その取り扱いが煩雑になるという問
題点を有していた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、3−アミ
ノプロピオニトリルを硫酸と反応させて、3−アミノプ
ロピオニトリル・1/2硫酸塩に変換すると、その安定
性が顕著に向上し、その貯蔵や取り扱いが容易になるこ
とを見いだし、これを特願2001−244196に開
示した。本発明者らはさらに、水と特定の溶媒中で、こ
の3−アミノプロピオニトリル・1/2硫酸塩を、塩基
の存在下、酸ハロゲン化物とを反応させることにより酸
アミド化合物を容易に製造できることを見出し本発明に
到達したものである。
【0010】すなわち本発明は、3−アミノプロピオニ
トリル・1/2硫酸塩を、塩基の存在下、一般式[1]
で示される酸ハロゲン化物と反応させ、一般式[2]で
表される酸アミドを製造する方法において、水と、少な
くとも1種類の非水溶性有機溶媒を同時に含む混合溶媒
中で反応させることを特徴とするベンゾピラン誘導体の
製造方法であり、さらに、水と、少なくとも1種類の非
水溶性有機溶媒と、少なくとも1種類の水溶性有機溶媒
を同時に含む混合溶媒中で反応させることを特徴とする
ベンゾピラン誘導体の製造方法であり、特に添加する非
水溶性有機溶媒がトルエンで、また、添加する水溶性有
機溶媒がアセトニトリルであることを特徴とするベンゾ
ピラン誘導体の製造方法を提供するものである。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて用いる3−アミノプロピオニトリル・1/2硫酸
塩は、特願2001−244196に開示したとおり、
3−アミノプロピオニトリルに硫酸を混合することによ
り得ることができ、溶液としても、塩の固体としても使
用することができる。3−アミノプロピオニトリル・1
/2硫酸塩は式[3]または式[4]のように表記され
るが、表記法が違うだけで同一の化合物である。
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】本発明は、特定の溶媒中において、3−ア
ミノプロピオニトリル・1/2硫酸塩に、塩基の存在
下、一般式[1]で表される酸ハロゲン化物を反応させ
ることによりなる。
【0015】一般式[1]で表される酸ハロゲン化物の
R中のnは1〜10の整数であるが、原料の入手の容易
さを考慮するとnは1〜3であることが好ましい。この
場合のRはトリフルオロメチル基(CF)、ペンタフ
ルオロメチル基(C)、ヘプタフルオロ−n−プ
ロピル基(CFCFCF)、ヘプタフルオロ−i
−プロピル基(CFCFCF)である。
【0016】また、一般式[2]で表される酸アミド化
合物の中で、RがCF3であるN−(2−シアノエチ
ル)−2,2−ビス(フルオロメチル)−6−(トリフ
ルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボ
キサミドは、その有用性の顕著なことから、特に好まし
い化合物である。以上のことから、RがCF3である一
般式[1]で表される酸ハロゲン化物を本発明に適用す
ることは特に好ましい例である。
【0017】3−アミノプロピオニトリル・1/2硫酸
塩と、一般式[1]の酸ハライドの理論上のモル比は
1:1であるが、一方の原料を過剰に投入して反応を行
い、もう一方の原料を完全に消費すると、目的物の精製
が容易になることがあるため、混合比は1:1に限定さ
れない。ここで3−アミノプロピオニトリル・1/2硫
酸塩は水溶性物質である。このため、未反応の3−アミ
ノプロピオニトリルは、反応終了後に反応混合物を酸性
水溶液で洗浄することにより容易に除去できる。このた
め、3−アミノプロピオニトリル・1/2硫酸塩が小過
剰となるように両者を混合して反応を行い、一般式
[2]で表される酸ハライドを完全に消費した後に、過
剰の3−アミノプロピオニトリルを3−アミノプロピオ
ニトリル・1/2硫酸塩として水相中に除けば、目的物
純度を容易に高められ、これは簡便で好ましい方法とし
て指摘できる。経済的な観点から、一般式[2]の化合
物1モルに対し、3−アミノプロピオニトリル・1/2
硫酸塩の使用量は1モル以上、2モル以下とすることが
好ましく、1モル以上、1.5モル以下にすることがさ
らに好ましい。
【0018】本発明において塩基は、3−アミノプロピ
オニトリル・1/2硫酸塩を系内で反応活性な3−アミ
ノプロピオニトリルに変換するために必要である。塩基
の種類に特に制限はないが、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、
トリエチルアミンなど、汎用の塩基を用いればよい。塩
基の添加量は、3−アミノプロピオニトリル・1/2硫
酸塩を中和するための理論量以上が必要である。すなわ
ち3−アミノプロピオニトリル・1/2硫酸塩1モルに
対し、例えば水酸化ナトリウムであれば1モル以上が必
要である。なお、原料3−アミノプロピオニトリル・1
/2硫酸塩を合成する際に過剰量の硫酸を添加した場合
には、系内に残存する余剰の硫酸をも完全に中和できる
だけの塩基を投入する必要がある。例えば3−アミノプ
ロピオニトリル・1/2硫酸塩1モルと共に、余剰の硫
酸が0.2モル存在する場合には、水酸化ナトリウムは
1.4モル以上、添加することが必要である。
【0019】この反応は溶媒を使用して行う。ここで、
本発明者らは、溶媒として水と、非水溶性有機溶媒の少
なくとも1種類が共存した混合溶媒を用いると、反応が
円滑に進むだけでなく、目的物生成の選択率が増大でき
るため、好ましいことを見いだした。またこの際、非水
溶性有機溶媒と共に、さらに水溶性有機溶媒の少なくと
も1種類を添加すると、反応速度も向上するため、特に
好ましいことを見いだした。
【0020】非水溶性有機溶媒としては、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテルなどを好
ましい例として挙げることができる。これらの中でトル
エンは化学的安定性が高く、かつ沸点が適度(110
℃)であり取り扱いやすいため、特に好ましい。
【0021】水溶性有機溶媒としてはメタノール、エタ
ノール、2−プロパノールなどのアルコール類、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなど水溶性のエーテル類、ア
セトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジ
ンなどを好ましい例として挙げることができる。これら
の中で、アセトニトリルは化学的安定性が高く、沸点が
適度(82℃)であり取り扱いやすいため、特に好まし
い。したがって水/トルエン/アセトニトリル混合溶媒
系で反応を行うことは特に好ましい態様の1つである。
【0022】溶媒の量に特に制限はないが、あまり少量
であるとあえて添加する効果が十分に得られず、一方あ
まり多量であると経済的に不利であり、好ましくない。
3−アミノプロピオニトリル1gに対し、系内に存在す
る水の量は0.5g以上、50g以下とすることが好ま
しく、1g以上、10g以下であることが特に好まし
い。この場合、系内に存在する非水溶性有機溶媒は0.
1g以上、20g以下とすることが好ましく、0.5g
以上10g以下がさらに好ましい。また水溶性有機溶媒
は0.1g以上、20g以下とすることが好ましく、
0.2g以上、5g以下とすることがさらに好ましい。
【0023】反応温度には特に制限はないが、反応操作
の煩雑を避けるために、0℃以上で行うことが好まし
く、一方、系内で中間体として生成する3−アミノプロ
ピオニトリルが安定性の低い化合物であることを考える
と、100℃を超えないことが望ましい。
【0024】この反応を実施するに当たっては、各試薬
の添加の順序に特別な制限はない。すなわち3−アミノ
プロピオニトリル・1/2硫酸塩と塩基、2,2−ビス
(フルオロメチル)−6−(パーフルオロアルキル)−
2H−1−ベンゾピラン−4−カルボン酸ハライド、溶
媒を一時に混合してもよいし、特定の順序で混合しても
よい。
【0025】例えば、当反応を2つの工程に分け、まず
第1工程として3−アミノプロピオニトリル・1/2硫
酸塩を塩基と反応させ、3−アミノプロピオニトリルを
生成し、次いで第2工程として該反応混合物を、一般式
[1]で表される酸ハロゲン化物と反応させると円滑に
実施でき、好ましい。この場合、第1工程は少なくとも
水を含む溶媒中において行うと特に穏和に実施できる。
さらに、続けて行う第2工程において、該水溶液にトル
エン等の非水溶性有機溶媒の少なくとも1種類を添加
し、水/非水溶性有機溶媒の混合溶媒系とすると、副反
応が抑制され目的物の選択率を高めることができ、好ま
しい。さらにこの際、非水溶性有機溶媒と共に、アセト
ニトリル等の水溶性有機溶媒を併せて添加し水/非水溶
性有機溶媒/水溶性有機溶媒の混合溶媒系とすると、反
応速度の増大も同時に達成することができ、特に好まし
い。
【0026】以上のことから、3−アミノプロピオニト
リル・1/2硫酸塩1gに対して水が1g〜10g共存
する溶液に、水酸化ナトリウムなどの塩基を上記必要
量、添加して、0〜100℃で撹拌を行い、さらにこの
反応混合物に対し、トルエンを0.5g〜10g、アセ
トニトリルを0.2〜5gずつ添加し、次いで一般式
[1]の酸ハロゲン化物を添加し、0〜100℃で反応
させるのは本反応の特に好ましい態様の一つである。
【0027】全反応工程とも撹拌を十分に行い、原料の
混合は、逐次的、または連続的に行うと、反応温度の制
御がしやすいため、好ましい。また2工程に分ける場
合、反応は中断なく同一反応器内で行うのが望ましい。
【0028】反応速度は、条件によって異なるため、反
応の進行度を液体クロマトグラフ、薄相クロマトグラフ
等、汎用の分析法によって測定するのが望ましく、一般
式[1]で表される酸ハロゲン化物が十分消費されたこ
とを確認後、反応工程を終了するのが良い。
【0029】反応後の精製操作は、通常の方法によれば
良く、特に限定されない。例えば、反応後の反応混合物
を酸で洗浄し、水洗に付した後、溶媒留去、再結晶を行
うことにより、一般式[2]で表される酸アミド化合物
を単離することができる。
【0030】
【実施例】以下に、本発明を実施例をもって詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されな
い。
【0031】[実施例1]N−(2−シアノエチル)−
2,2−ビス(フルオロメチル)−6−(トリフルオロ
メチル)−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボキサミ
ドの合成 攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた10L三口フ
ラスコにトルエン7200ml(6242g)、2,2
−ビス(フルオロメチル)−6−(トリフルオロメチ
ル)−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボン酸720
g(2.74mol)、塩化チオニル556.8g
(4.68mol)、N,N−ジメチルホルムアミド
0.7gを入れ、内温75〜80℃となるようにマント
ルヒ−タ−で加熱し、4時間反応させた。エバポレ−タ
−によりトルエンの一部および過剰の塩化チオニルを留
去し、2,2−ビス(フルオロメチル)−6−(トリフ
ルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボ
ン酸クロリドのトルエン溶液を1700g得た。さらに
この溶液にアセトニトリルを905g添加した。得られ
た溶液を「溶液A」と呼ぶ(ここまで2,2−ビス(フ
ルオロメチル)−6−(トリフルオロメチル)−2H−
1−ベンゾピラン−4−カルボン酸クロリドの製造)。
【0032】攪拌機、滴下ロ−トおよび温度計を備えた
10リットルの三口フラスコに水475.2gを入れ氷
水浴中で撹拌しながら、98%硫酸212g(2.12
mol)を徐々に投入し、硫酸水溶液を調製した。続い
て、氷水浴中、内温を20℃程度に保ちながら、この硫
酸水溶液中に3−アミノプロピオニトリル244.8g
(3.50mol)を30分間かけて滴下した。滴下終
了後、内温20℃で撹拌をさらに30分継続した。得ら
れた溶液を「溶液B」と呼ぶ。この「溶液B」を同じ反
応器内で、次工程を行うまで10日間、室温で保存した
(ここまで3−アミノプロピオニトリル・1/2硫酸塩
の製造)。
【0033】10日間の経過後、水酸化ナトリウム30
2.4g(7.56mol)を1930gの水に溶解
し、水酸化ナトリウム水溶液を調製した。次いで、上記
10リットル反応器中の「溶液B」の全量を撹拌して1
0℃〜20℃に保ちつつ、この水酸化ナトリウム水溶液
を10分間かけて滴下した。この際、反応器は撹拌しな
がら氷冷し、内温を10℃〜20℃に保った。滴下終了
後、10℃〜20℃でさらに30分間撹拌した。得られ
た溶液を「溶液C」と呼ぶ。
【0034】「溶液C」をそのまま撹拌して内温を10
℃〜30℃に保ちながら、「溶液A」の全量を90分間
かけて滴下した。滴下終了後、10℃〜30℃で14時
間撹拌を継続した。
【0035】反応終了後、3.7%塩酸1290gおよ
び酢酸エチル2300mlを加え、よく振り混ぜ、目的
物を酢酸エチル相に抽出し、二相分離した。水層に酢酸
エチル1150mlを加え、再び抽出・二層分離した
後、得られた酢酸エチル層を合わせて、1440gの水
で2回、1440gの20%食塩水で1回洗浄した。二
層分離した後、酢酸エチル層をエバポレ−タ−により溶
媒留去し、得られた残渣を6700mlの50%エタノ
−ルから再結晶することにより、N−(2−シアノエチ
ル)−2,2−ビス(フルオロメチル)−6−(トリフ
ルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボ
キサミド799g(2.22mol)を得た。 [N−(2−シアノエチル)−2,2−ビス(フルオロ
メチル)−6−(トリフルオロメチル)−2H−1−ベ
ンゾピラン−4−カルボキサミドの物性] 融点:124℃1 H−NMR(基準物質:TMS、溶媒:CDCl3)σ
(ppm):2.76(t,J=6.4Hz,2H)、
3.67(q,J=6.4Hz,2H)、4.47−
4.70(m,J=46.8Hz,4H)、6.07
(s,1H)、6.50(bs,1H)、7.01
(d,J=8.8Hz,1H)、7.50(dd,J=
8.8,2.0Hz,1H)、7.84(d,J=2.
0Hz,1H)19 F−NMR(基準物質:CCl3F、溶媒:CDC
3)σ(ppm):−62.51(s,3F)、−2
33.46(t,J=46.8Hz,2F)
【0036】
【発明の効果】3−アミノプロピオニトリル・1/2硫
酸塩を原料として、有用な化合物である、N−(2−シ
アノエチル)−2,2−ビス(フルオロメチル)−6−
(パーフルオロアルキル)−2H−1−ベンゾピラン−
4−カルボキサミドを工業的に容易に製造できるという
効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井伊 斉昭 埼玉県川越市今福中台2805番地 セントラ ル硝子株式会社化学研究所内 Fターム(参考) 4C062 FF13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3−アミノプロピオニトリル・1/2硫
    酸塩を、塩基の存在下、一般式[1]で示される酸ハロ
    ゲン化物と反応させ、一般式[2]で表される酸アミド
    を製造する方法において、水と、少なくとも1種類の非
    水溶性有機溶媒を同時に含む混合溶媒中で反応させるこ
    とを特徴とする、ベンゾピラン誘導体の製造方法。 【化1】 【化2】 ただし、RはCn2n+1(nは1〜10の整数の何れか
    を表す)で表される直鎖または非直鎖のパーフルオロア
    ルキル基、Xはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素のいずれか
    を表す。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のベンゾピラン誘導体の製
    造方法において、水と、少なくとも1種類の非水溶性有
    機溶媒と、少なくとも1種類の水溶性有機溶媒を同時に
    含む混合溶媒中で反応させることを特徴とする請求項1
    に記載のベンゾピラン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 添加する非水溶性有機溶媒がトルエンで
    あることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれか
    に記載のベンゾピラン誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 添加する水溶性有機溶媒がアセトニトリ
    ルであることを特徴とする請求項2記載のベンゾピラン
    誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 Rが、CF3であることを特徴とする請
    求項1乃至請求項4のいずれかに記載のベンゾピラン誘
    導体の製造方法。
JP2001315465A 2001-08-10 2001-10-12 ベンゾピラン誘導体の製造方法 Pending JP2003119189A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001315465A JP2003119189A (ja) 2001-10-12 2001-10-12 ベンゾピラン誘導体の製造方法
DE60200241T DE60200241T2 (de) 2001-08-10 2002-08-08 Prozess zur Herstellung von benzopyran carboxamid
US10/214,397 US6653488B2 (en) 2001-08-10 2002-08-08 Process for producing benzopyran carboxamide
EP02017862A EP1283207B1 (en) 2001-08-10 2002-08-08 Process for producing benzopyran carboxamide

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001315465A JP2003119189A (ja) 2001-10-12 2001-10-12 ベンゾピラン誘導体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003119189A true JP2003119189A (ja) 2003-04-23

Family

ID=19133625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001315465A Pending JP2003119189A (ja) 2001-08-10 2001-10-12 ベンゾピラン誘導体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003119189A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4828862B2 (ja) 5−ブロモ−2,2−ジフルオロベンゾ−[1,3]−ジオキソールの製造方法
JP2003119189A (ja) ベンゾピラン誘導体の製造方法
JP2003335735A (ja) パーフルオロイソプロピルアニリン類の製造方法
JP2017530997A (ja) ハロ置換トリフルオロアセトフェノンを調製する方法
JPH0912508A (ja) 2−フルオロ−イソ酪酸アルキルの製造方法
JP4547898B2 (ja) 求電子的パーフルオロアルキル化剤、及びパーフルオロアルキル化有機化合物の製造方法
TWI332494B (en) Process for the preparation of naphthalene derivatives
JP2013124248A (ja) 4,4−ジフルオロ−3,4−ジヒドロイソキノリン類の製造方法
JP4243683B2 (ja) 1−テトラロン類の製造方法
JP4329306B2 (ja) ベンゾニトリル誘導体及びその製造方法
JP4518247B2 (ja) α,α−ジフルオロメチル化合物の製造方法
JP4300450B2 (ja) ベンゾニトリル誘導体及びその製造方法
KR100195888B1 (ko) 디엘-3-메칠-시크로펜타데칸-1-온의 제조방법
EP1283207B1 (en) Process for producing benzopyran carboxamide
JP2003104928A (ja) ヒドロキシアセトフェノン類の製造方法
JP2003517029A (ja) トリフルオロメチルアセトフェノンの製造方法
JP2003119174A (ja) 酸アミド化合物の製造方法
JP2003238500A (ja) 含フッ素3級アミン化合物及び含フッ素4級アンモニウム塩の製造方法
JP2002512210A (ja) 2−ヒドロキシアルキルハロフェノンの製造方法
JP2002205963A (ja) 反応活性な基を有する新規なナフタレン化合物及びそれらの製造方法
JP2009191031A (ja) フルオロ化合物の製造方法
JPH0465065B2 (ja)
JPH03275683A (ja) ベンゾ―1,3―ジオキソールの製造方法
JPH1112253A (ja) 4−アミノ−5−クロロ−6−(1−フルオロエチル)ピリミジン誘導体の製法
JP2008174452A (ja) 2,2−ジクロロ−12−(4−ハロフェニル)ドデカン酸塩の製法