JP2003118552A - 制動力配分制御装置 - Google Patents

制動力配分制御装置

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JP2003118552A
JP2003118552A JP2001311759A JP2001311759A JP2003118552A JP 2003118552 A JP2003118552 A JP 2003118552A JP 2001311759 A JP2001311759 A JP 2001311759A JP 2001311759 A JP2001311759 A JP 2001311759A JP 2003118552 A JP2003118552 A JP 2003118552A
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braking
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pump
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Seiichi Izumi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、理想制動力配分に近い制動力配分の
調整性能はそのまま確保しながら、制動フィーリングの
向上が図れる制動力配分制御装置を提供する。 【解決手段】本発明の制動力配分制御装置は、ABS油
圧回路Pを流用して後輪側の制動圧の保持や加圧、ポン
プ17bの作動で後輪側の制動圧の減圧を行なうリザー
バ18b、19bが、空か油で満たされているか否かを
検出するセンサ23bを設け、コントローラ30によ
り、減圧のとき、リザーバ18b、19bが空の状態で
あれば、バルブ24b、25bの開動作だけで、ポンプ
17bを作動させずに、後輪に加わっていた制動圧を、
一時的にリザーバ18b、19bへ逃がす制御を採用し
て、リザーバ18b、19bの容量で後輪の制動圧を許
容できる間は、ポンプ17bを作動させずに減圧が行わ
れるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の制動時、車
両の後輪の制動力を前輪の制動力に対して所定に配分調
整する制動力配分制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両は、ブレーキ操作をすると、マスタ
ーシリンダから前後輪のホイールシリンダへブレーキ圧
(制動圧)が供給されて、前輪と後輪とに制動力が与え
られる。
【0003】ところで、この制動の際、ブレーキ圧が上
昇すると、車両の重心が前方へ移動して、後輪は、接地
荷重が小さくなり、ロックしやすくなる挙動が発生す
る。
【0004】後輪がロックすると、車両の走行安定性が
損なわれるので、車両では、制動時、後輪のブレーキ圧
を前輪のブレーキ圧に対して所定の比で下げて、後輪の
ロックを避けるよう、前輪の制動力と後輪の制動力とを
配分することが行われている。
【0005】こうした制動力の配分調整には、従来、プ
ロポーショニングバルブが用いられていた。しかし、精
度の点、さらにはコストの点に問題がある。
【0006】そこで、近時では、例えば特開平10−3
29683号公報に開示されているようにABS(アン
チロックブレーキシステム)の油圧回路およびその制御
系をそのまま流用して、プロポーションニングバルブを
用いずに制動力配分が行なえるようにした制動力配分装
置が提案されている。
【0007】同装置について述べれば、ABSは、マス
ターシリンダと各車輪(前後輪)とをつなぐ油圧回路の
油圧ラインに、吸込み側にリザーバを有する電動式のポ
ンプを並列に組付け、油圧ラインに保持バルブを介装
し、ポンプの吸込み側に減圧バルブを設けて、これら機
器をコントローラで制御して、各輪のロックを回避する
システムである。具体的には、同システムは、車両の制
動中、各輪に組付けている車輪速センサの出力から、車
輪がロック傾向にあると判断すると、直ちに保持バルブ
を閉、減圧バルブを開、ポンプを作動させて、ロック傾
向に有る車輪のブレーキ圧をリザーバに導きながらその
間に立ち上がるポンプの吸込み力で油を汲み上げるとい
う作動で減圧し、ロック傾向が解消されたらブレーキ圧
を増加(加圧:減圧バルブを閉、保持バルブを開)させ
るというサイクルを繰り返して、車輪のロックを防ぐ
(アンチロック制御)。
【0008】そこで、このABSの各機器が動力配分装
置としてそのまま流用されるよう、ABSのコントロー
ラには、制動時、前輪に対する後輪の速度差(スリップ
率)が所定の範囲内に収まるよう、保持バルブの開閉動
作により後輪側のブレーキ圧の保持や加圧を行なわせる
制御を加えている。この制御により、ブレーキ圧の上昇
にしたがい後輪のブレーキ圧が前輪のブレーキ圧に対し
て所定の比で下がるようにしてある。さらに後輪の制動
力が過大になるとき(例えば車両の重心の移動により後
輪がロック傾向になるとき)は、先に述べたABSの減
圧モードを用いて、後輪に与えられているブレーキ力を
減圧させるようにしてある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】こうしたABSを用い
た制動力配分制御装置は、理想制動力配分に近い配分
で、前後輪の制動力配分の調整が行なえる利点がある。
しかし、その反面、理想制動力配分に近づくことで、後
輪のロック傾向に反応しやすくなり、車両の挙動が損な
われないような荷重の移動でも、後輪の制動力が過大と
判断して、早期にポンプによる減圧が行われやすくな
る。しかも、その減圧を行なう頻度も増す。
【0010】このため、減圧を要因としたブレーキペダ
ルのキックバックが発生しやすくなる。しかも、このキ
ックバックが発生する頻度も多くなり、かなり運転者の
制動フィーリングが損なわれる問題がある。
【0011】本発明は上記事情に着目してなされたもの
でその目的とするところは、理想制動力配分に近い制動
力配分の調整性能はそのまま確保しながら、制動フィー
リングの向上が図れる制動力配分制御装置を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、ABS油圧回路を流用して後輪側
の制動圧の保持や加圧、ポンプの作動で後輪側の制動圧
の減圧を行なう制動力配分制御装置のリザーバが、空か
油で満たされているか否かを検出するセンサを設け、か
つコントローラが、減圧のとき、リザーバが空の状態で
あれば、バルブの開動作だけで、ポンプを作動させず
に、後輪に加わっていた制動圧を、一時的にリザーバへ
逃がすようにした。
【0013】こうした一時的なモードにより、リザーバ
の容量で後輪の制動圧を許容できる間は、後輪の制動力
が過大と判断して減圧が行われても、ポンプを作動させ
ずにすむ。
【0014】つまり、理想制動力配分に近い制動力配分
の調整性能はそのままに、ポンプの早期の作動が抑えら
れる。しかも、ポンプの作動頻度も低減するから、制動
フィーリングが良好になる。
【0015】請求項2の発明は、上記目的に加え、さら
にリザーバからABS油圧回路へ油圧が戻るときのポン
プの作動頻度も抑えられるよう、リザーバには、油が収
容されるにしたがい弾性変形する弾性部材を有した構造
を採用し、コントローラは、リザーバが満の状態のと
き、非制動時、第2バルブの開動作させる制御として、
非制動時、ポンプを作動させずに、リザーバ内の油が弾
性部材の弾性力で、ABS油圧回路へ押し戻されるよう
にした。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1ないし図3に
示す一実施形態にもとづいて説明する。
【0017】図1は、ABSを流用した制動力配分制御
装置を示し、図中Pは同ABSの油圧回路を示す。
【0018】この油圧回路Pを説明すれば、1は例えば
倍力装置1a付きタンデムマスタシリンダ、2は該シリ
ンダ1のロッドに連結されたブレーキペダルを示してい
る。このタンデムマスタシリンダ1の2つの出口から、
ブレーキペダル2の踏み操作にしたがいブレーキ圧(制
動圧)が出力される。タンデムマスタシリンダ1の各出
口には、2系統の油圧ライン3,4が接続されている。
そして、油圧ライン3には、それぞれ油圧ライン3a,
3bを介して、左右前輪に装着されているブレーキ装置
5a,5bのホイールシリンダ6a,6bが接続してあ
る。また油圧ライン4には、それぞれ油圧ライン7a,
7bを介して、左右後輪に装着されているブレーキ装置
8a,8bのホイールシリンダ9a,9bが接続してあ
る。これら油圧ラインにより、ブレーキペダルの踏操作
(ブレーキ操作)に応じたブレーキ圧(制動力)が、各
ホイールシリンダ6a,6b,9a,9bへ付与される
ようにしてある。
【0019】各油圧ライン3a,3b,7a,7bに
は、ABSの各機器が組付けてある。各機器の組付け
は、前輪側と後輪側共、同じ構造が用いてある。このう
ち前輪側の機器の組付けについて説明すると、各油圧ラ
イン3a,3bの上流側には、それぞれ例えば電磁二方
弁で構成される保持バルブ11a,12a(第1バルブ
に相当)が設けてある。また油圧ライン3からは、油圧
ライン13aが分岐して延びている。この油圧ライン1
3aの延出端は分かれて、それぞれ各保持バルブ11
a,12aとホールシリンダ6a,6b間の油圧ライン
部分との間に接続してある。つまり、油圧ライン13a
は、油圧ライン3,3a,3bに対して並列に接続して
ある。この油圧ライン13aには、上流側からオリフィ
ス15a、ダンパ16a、上流側に吐出側を向けたポン
プ17aが設けてある。さらにポンプ17aの吸込み側
には、例えば2つのリザーバ18a,19aが設けてあ
る。各リザーバ18a,19aには、いずれも底壁20
aを昇降自在としたリザーバタンク21aを用い、この
タンク21aの底壁20aを弾性部材、例えばスプリン
グ部材22aの弾性力で押し上げる構造が用いてある。
そして、油圧ライン13aの分岐したラインには、それ
ぞれ例えば電磁二方弁で構成される減圧バルブ24a,
25a(第2バルブに相当)が設けてある。
【0020】後輪側は、前輪側と同じ構造なので、各部
の説明を省略する。なお、後輪側の各部については、
「b」を語尾に有する前輪側と同じ番号を用いて、前輪
側と区別させた。なお、前後輪側の各ポンプ17a,1
7bには、例えば1つのモータ26を共用してポンプ動
作する構造が用いてある。
【0021】そして、例えば後輪側の各リザーバタンク
21b,21bbだけには、該タンク21aが空か満杯
(油で満ちている)かを検出するタンクセンサ23bが
設けてある。
【0022】一方、30はABSのコントローラであ
る。コントローラ30は、例えばマイクロコンピュータ
を有して構成される。このコントローラ30には、各輪
(前、後)の車輪速を検出する車輪速センサ31a,3
2aと31b,32bが接続されている。そして、この
コントローラ30により、アンチロック制御させたり、
前後輪の制動力配分の制御(EBD制御)が行われるよ
うにしている。
【0023】すなわち、コントローラ30には、アンチ
ロック制御として、 a.各車輪速センサ31a,32a,31b,32bの
出力から、各車輪がロック傾向か否かを検出する機能。
【0024】b.ロック傾向を検出すると、ロック傾向
のある車輪の油圧系統の保持バルブを閉、減圧バルブを
開、ポンプを作動させて、同車輪に加わるブレーキ圧を
リザーバへ導きながらその間に立ち上がるポンプで汲み
上げる減圧機能。
【0025】c.減圧後、減圧バルブを閉、保持バルブ
を開させて、ブレーキ圧を増加する機能。
【0026】d.これら減圧と増加とのサイクルを繰り
返す機能。
【0027】が設定してある。
【0028】また前後論の制動力を適正に配分するEB
D(エレクトリック・ブレーキ・ディストリビューショ
ン)制御として、 e.制動時、ブレーキ圧の上昇にしたがい、後輪の保持
バルブ11b,12bの開閉動作による後輪のブレーキ
圧の保持や加圧(回復)により、前輪に対する後輪の速
度差(スリップ率)が所定範囲内に収まるように制御す
る機能。
【0029】f.速度差が所定値を越えるとき、すなわ
ち後輪のブレーキ力が過大となるとき、後輪側のリザー
バ18b、19bが空であれば、ポンプ17bを作動さ
せずに、その過大となる左輪あるいは右輪(あるいは両
方)の系統の減圧バルブ24b(25b)を通じて、後
輪側のブレーキ圧を逃がす機能(一時的モード)。
【0030】g.後輪側のリザーバ18b、19bが満
杯であれば、先のABS機能の減圧モードを用いて、ポ
ンプ17bの運転で、後輪側のブレーキ圧を減圧させる
機能(通常減圧モード)。
【0031】が設定してあり、ブレーキ圧の上昇にした
がい後輪のブレーキ圧を前輪のブレーキ圧に対して所定
の比で下げるようにしてある。
【0032】この他、制動力配分時におけるリザーバ1
8b,19内の油の回収制御として、h.ブレーキスイ
ッチ2a(ブレーキペダル2の踏操作でオンオフするス
イッチ)がオフ、すなわち車両が非制動(ブレーキ操作
をしていない状態)のとき、リザーバ18b,19bが
満状態にあるとき、減圧バルブ24b(25b)を開動
作させる機能が設定されている。この機能により、リザ
ーバ18b,19b内の油が、ポンプ17bを用いず、
スプリング部材22bに蓄積された弾性力だけで、油圧
回路P、すなわちタンデムマスタシリンダ1のリザーバ
部1bへ押し戻せるようにしてある。
【0033】こうした制動力配分制御装置により、リザ
ーバ18b、19bを最大限に活用して、ポンプ作動を
抑えた制動力の配分制御が行なえるようにしている。こ
の制御が図2にフローチャートに示されている。
【0034】このフローチャートにもとづき制動力配分
の調整を説明すれば、車両の始動時は、油圧回路Pのリ
ザーバ18a,19a,18b,19bはいずれも空で
ある。
【0035】そのため、コントローラ30は、まず、ス
テップS1に示されるように空の状態を示すフラググ0
をセットすることから始まる。
【0036】この後、例えば、車両を停止させるため
に、運転者がブレーキペダル2を踏操作したとする。
【0037】当初は、各保持バルブ11a,12a,1
1b,12bは開、各減圧バルブ24a,25a,24
b,25bは閉に位置決められているから、タンデムマ
スタシリンダ1から出力された油圧が、油圧ライン3,
4、油圧ライン3a,3b,7a,7bを通じて、各前
後輪のホイールシリンダ6a,6b,9a,9bへ導か
れる。これにより、前後輪のブレーキ装置5a,5b,
8a,8bが作動し、前後輪に制動力を付与する。
【0038】ここで、各輪はいずれもロック傾向ではな
いから、ステップS1から、ABSが作動か否かを判断
するステップS2を通じて、制動力配分の制御中である
か否かを判断するステップS3へ進む。なお、このとき
ロック傾向があれば、制動力配分の制御に優先して、A
BSによるアンチロック制御が実行される。
【0039】このステップS3の段階では、まだ制動力
の配分制御は行われていないから、ステップS4へ進
み、制動力配分が必要とする条件が成立したか否かを判
断する。具体的には、コントローラ30は、タンデムマ
スタシリンダ1の前輪側へ向かう出口圧力を検知する圧
力センサ(図示しない)のセンサ出力と、制動力を適正
に配分するマップ(理想制動力配分に基づくマップ)と
の照合から、制動力配分の制御を始める条件が整ったか
否かを判断している。
【0040】ここで、条件が整い、後輪側の制動力を下
げる必要があると判断すると、ステップS5へ進み、制
動力配分の制御が始まる。
【0041】このときには、まず、後輪側のブレーキ圧
を保持する制御から始まる。すなわち、後輪の各保持バ
ルブ11b,12bが閉じる。
【0042】このとき、後輪側の減圧バルブ24b、2
5bは閉状態にあるから、そのときから後輪側のブレー
キ圧は一定の圧力に規制され、前輪側のブレーキ圧だけ
が上昇する。
【0043】コントローラ30は、各前後輪の車輪速を
検知して、「前輪の車輪速度―後輪の車輪速度」なる演
算を行なっている。なお、例えば「前輪の車輪速度」に
は、前輪の左右輪の車輪速度の平均値を使用してあり、
例えば「後輪の車輪速度」には、後輪の左右輪の車輪速
度の平均値が使用してある。
【0044】こうした車両の制動に伴い、車両の重心が
前方へ移動して、後輪の接地荷重が小さくなる。
【0045】コントローラは、この挙動を先の「前輪の
車輪速度―後輪の車輪速度」の速度差ΔV(スリップ
率)で検出している。
【0046】ステップS6は、速度差ΔVが上限の所定
値X2を越える値か否かにより、保持でブレーキ圧の配
分が行われたときの状況で、車両重心の前方への移動の
挙動を受けて、後輪がロック傾向になったか否かを判断
している。
【0047】このとき、後輪がロック傾向でなければ、
所定の比で後輪のブレーキ圧が前輪のブレーキ圧に対し
て下げられた、つまり適正に後輪に制動力が配分された
と判断して、その保持状態を保つ。
【0048】後輪がロック傾向(所定値X2を越える)
であれば、ステップS7〜S9へ進み、減圧モードに入
り、ロック傾向を解消する後輪のブレーキ圧の減圧が行
われる。
【0049】ここで、ロック傾向は、制動力の配分が理
想制動力配分に近づくために(前後輪の速度差ΔVを検
出する制御による)、車両の挙動が損なわれない荷重の
移動でも発生しやすい。
【0050】つまり、このロック傾向を解消する減圧が
多発する傾向にある。
【0051】このとき、従来の減圧は、全てABSの減
圧モード、すなわちポンプ作動による減圧モードに依存
しているために、ポンプ作動がもたらす圧力変動による
ペダルキックバックが多発しやすい。
【0052】そこで、ステップS7〜S9では、後輪の
ブレーキ圧を、空の状態のリザーバ18b、19bへ一
時的に逃がす制御を講じて、できるだけポンプ作動を抑
えている。
【0053】すなわち、ステップS7は、リザーバ18
b,19bが空の状態か否かの判定を行なっている。続
くステップS8は、リザーバ18b、19bが空のとき
だけ、ポンプ17bを作動させずに、ロック傾向の対象
となる後輪の減圧バルブ24bや24b(あるいは両
方)だけを開にする制御が行なわれる。
【0054】これにより、ホイールシリンダ9bや9b
(後輪)に与えられていた油圧は、減圧バルブ24bや
24b(あるいは両方)を通じ、リザーバ18b,19
bへ逃げる。これで、一時的に後輪に加わる油圧は減圧
され、後輪に加わるブレーキ力は小さくなる。
【0055】一回で、リザーバ18b、19bの容量が
油で満杯に満たされないときは、次回の減圧のときも、
リザーバ18b、19bに一時的に逃がす制御が行われ
る。そして、リザーバ18b,19bが満杯になると、
ステップS9に示されるように満杯の状態を示すフラグ
1が付され、つぎの回収に備える。
【0056】またリザーバ18b、19bが油で満杯で
あるときは、今までと同じ減圧モードで減圧、すなわち
ポンプ17bを作動させて、ホイールシリンダ9bや9
bの油を汲み出して、減圧を行なう(ABSの減圧モー
ドの流用)。
【0057】一方、保持後、前輪に加わるブレーキ圧が
変化して、制動力配分の制御の修正が求められるとき
は、ステップS3に続くステップS10からステップS
11へ進む。このステップS11では、速度差ΔVが下
限の所定値X1を下回る値か否かにより、制動力配分の
修正が必要か否かを判断している。
【0058】ここで、所定値X1を下回るのであれば、
ステップS12に進み、対象となる後輪の保持バルブ1
1bや12b(あるいは両方)を開にする制御が行なわ
れ、(減圧バルブ:閉)、後輪のホイールシリンダ9
a,9bに、前輪側のブレーキ圧が加わり、ブレーキ力
の増圧が行われる(加圧)。
【0059】続くステップS13により、この増圧(加
圧)が、X2とX3との中間の値X3以上となるまで進
むと、再び所定の比で、後輪のブレーキ圧が前輪のブレ
ーキ圧に対して下げられた、つまり適正に後輪の制動力
が配分されたと判断して、ステップS14へ進み、該後
輪のブレーキ圧を保持(保持バルブ:閉、減圧バルブ:
閉)する。但し、X1<X3<X2。
【0060】なお、ステップS11で、速度差ΔVが所
定値X1を上回ると判断されたら、ステップS6へ至
り、先に述べた減圧モードか先に述べた保持モードにゆ
だねる。
【0061】このような保持モード、加圧モード、減圧
モードにより、図3に示されるような理想制動力配分に
したがった制動力の配分調整が行なわれる。
【0062】ブレーキペダル2の操作を止めるなど、制
動力の配分調整の制御中、終了条件が成立すると、ステ
ップS10からステップS16へ進み、保持バルブ11
b,12bが開動作する元の状態に戻り、制動力配分の
制御が終わる。
【0063】この後、リザーバ18b,19b内の油の
回収が行われる。この油の回収は、ステップS17のよ
うにリザーバ18b,19b内に油が収容されている状
態で、ステップS18のようなブレーキ操作をしていな
いとき、すなわちブレーキスイッチ2aがオフのとき
(非制動時)、ステップS19に示されるようにポンプ
作動を用いず、減圧バルブ24b,25bだけをリザー
バ18b,19bが空になるまで開動作させる制御で行
われる。つまり、縮んでいたスプリング部材22bが戻
る作用で、リザーバ18b、19b内の油は、油圧回路
P、具体的にはタンデムマスタシリンダ1のリザーバ部
1aへ押し戻される(回収)。
【0064】回収を終えると、ステップS20に示され
るようにリザーバ18b、19bが空の状態であるフラ
グ0に変え、制動力配分の制御やABSの制御に備え
る。
【0065】なお、制動力配分の保持モードが成立しな
いときも、ステップS4からステップS22〜ステップ
S25へ至るルーチンで、同様に、ブレーキ操作をして
いないとき(非制動時)、リザーバ18,19b内の油
が、スプリング部材22bの復帰動作だけで回収され
る。
【0066】このように一時的にリザーバ18b、19
bへ逃がすというリザーバ18b、19bを最大限に活
用したモードにより、リザーバ18b、19bの容量で
後輪の過大なブレーキ圧を許容できる間はポンプ17b
を作動させずにすむから、今まで発生していたポンプ1
7bの早期作動は抑えられる。
【0067】それ故、理想制動力配分に近い制動力配分
の調整性能はそのまま確保しつつ、今まで発生していた
ポンプ17bの早期作動を抑えることができる。しか
も、ポンプ17bの作動頻度も低減させることができる
ので、ポンプ作動を要因としたペダルキックバックの発
生、さらには発生頻度を抑えることができ、制動フィー
リングの向上が図れる。
【0068】そのうえ、リザーバ18b、19b内の油
の回収も、ポンプ作動に頼らずに、スプリング部材22
bの弾性力で、主油圧回路に戻すようにしたので、一
層、ポンプ17bや該ポンプ17bを駆動するモータ2
6の作動頻度の低下を進めることができ、ポンプ17b
やモータ26の耐久性の向上が図れ、信頼性が向上する
利点がある。
【0069】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々
変更して実施しても構わない。例えば一実施形態では、
前左右輪の平均の車輪速と後左右輪の車輪速との速度差
を用いて制動力の配分を行なう装置に本発明を適用した
が、これに限らず、他の手段で制動力の配分を行なう装
置に本発明を適用してもよい。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、一時的にリザーバへ後輪の制動圧を逃がすモード
を設けたことにより、リザーバの容量で後輪の過大な制
動圧を許容できる間はポンプを作動させずに減圧を実行
させることができる。
【0071】それ故、理想制動力配分に近い制動力配分
の調整性能はそのまま確保しつつ、今まで発生していた
ポンプの早期作動を抑制することができる。しかも、ポ
ンプの作動頻度も低減でき、ポンプ作動を要因としたペ
ダルキックバックを抑え、制動フィーリングの向上を図
ることができる。
【0072】請求項2の発明によれば、上記効果に加
え、リザーバからの油の戻しも、ポンプを用いずに行な
うことができ、一層、ポンプの作動頻度の低下を進める
ことができ、制動力配分制御装置の信頼性の向上が図れ
るといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る制動力配分制御装置
の全体構成を示す図。
【図2】同装置で実行される制動力配分制御のフローチ
ャート。
【図3】同装置で行われる前後輪の制動力配分を示す線
図。
【符号の説明】
1…タンデムマスタシリンダ 2…ブレーキペダル 6a,6b,9a,9b…ホイールシリンダ 11a,11b,12a,12b…保持バルブ(第1バ
ルブ) 17a,17b…ポンプ 18a,18b,19a,19b…リザーバ 22a…スプリング部材(弾性部材) 24a,24b,25a,25b…減圧バルブ(第2バ
ルブ) 30…コントローラ 31a,31b,32a,32b…車輪速センサ P…ABSの油圧回路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ操作に応じたブレーキ圧を車両
    の前後輪のホイールシリンダへ付与する油圧ラインに、
    吸込み側にリザーバを有するポンプを並列に組付け、か
    つ前記油圧ラインを開閉する第1バルブと、前記ポンプ
    の吸込み側を開閉する第2バルブとを組付けて構成され
    るABS油圧回路と、 このABS油圧回路を制御するコントローラとを有し、 前記コントローラの制御により、前輪に対する後輪の速
    度差が所定範囲内に収まるよう、前記第1バブルの開閉
    動作で後輪の制動圧の保持や加圧、前記第2バルブの開
    動作および前記ポンプの作動で後輪の制動圧の減圧を行
    なう制動力配分制御装置であって、 前記リザーバが空か油で満たされているか否かを検出す
    るセンサを有し、 前記コントローラが、前記減圧のとき、前記リザーバが
    空の状態であれば、前記第2バルブを開動作させて、前
    記ポンプを作動させずに、一時的に前記制動圧を前記リ
    ザーバへ逃がすように構成してあることを特徴とする制
    動力配分制御装置。
  2. 【請求項2】 前記リザーバは、油が収容されるにした
    がい弾性変形する弾性部材を有して構成され、 前記コントローラが、前記リザーバが満の状態で、非制
    動時に、前記第2バルブが開動作するように構成され、 前記非制動時には、前記ポンプを作動させずに、前記リ
    ザーバ内の油が弾性部材に蓄積された弾性力で、前記A
    BS油圧回路へ押し戻されるようにしてあることを特徴
    とする請求項1に記載の制動力配分制御装置。
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